JP2009156765A - マイクロチップ - Google Patents

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Abstract

【課題】比較的簡単な流体回路構造で、検体(検体中の特定成分を含む。)と2種類以上の試薬との多段階混合(反応)を行なうことができるマイクロチップを提供する。
【解決手段】流体回路を内部に有し、該流体回路が、検体導入部、検体を計量するための検体計量部、検体用廃液溜め、第1の試薬保持部および第2の試薬保持部、第1の試薬計量部および第2の試薬計量部、第1の試薬用廃液溜めおよび第2の試薬用廃液溜め、ならびに、第2の試薬を用いた混合を行なうための混合部を備えるマイクロチップであり、同一平面内に反時計回りに配置された点A、B、CおよびDによって囲まれる領域内にマイクロチップを配置したときに、上記各部位の配置が適切な条件を満たすマイクロチップである。
【選択図】図2

Description

本発明は、DNA、タンパク質、細胞、免疫および血液等の生化学検査、化学合成ならびに、環境分析などに好適に使用されるμ−TAS(Micro Total Analysis System)などとして有用なマイクロチップに関する。
近年、医療や健康、食品、創薬などの分野で、DNA(Deoxyribo Nucleic Acid)や酵素、抗原、抗体、タンパク質、ウィルスおよび細胞などの生体物質、ならびに化学物質を検知、検出あるいは定量する重要性が増してきており、それらを簡便に測定できる様々なバイオチップおよびマイクロ化学チップ(以下、これらを総称してマイクロチップと称する。)が提案されている。マイクロチップは、実験室で行なっている一連の実験・分析操作を、数cm〜10cm角で厚さ数mm〜数cm程度のチップ内で行なえることから、検体および試薬が微量で済み、コストが安く、反応速度が速く、ハイスループットな検査ができ、検体を採取した現場で直ちに検査結果を得ることができるなど多くの利点を有している。
マイクロチップはその内部に流体回路を有しており、該流体回路は、たとえば検体(その例として血液または血液中の特定成分が挙げられる。)と混合、反応させる試薬を保持するための試薬保持部や検体と試薬とを混合するための混合部などの各部位と、これら各部位を適切に接続する微細な流路とから主に構成される。マイクロチップは、典型的には、これに遠心力を印加可能な装置(遠心装置)に載置して使用される。マイクロチップに適切な方向の遠心力を印加することにより、検体と試薬との混合などの流体処理を行なうことができる。得られた混合液は、たとえば混合液が収容された部位へ検出光を照射し、その透過率等を測定するなどの光学測定により検査・分析に供される。
たとえば特許文献1および2には、マイクロチップに対して2方向の遠心力を印加することにより流体処理を行なう、いわゆる「2中心タイプ」の、内部に流体回路を有するマイクロチップが記載されている。これらの特許文献に記載されているマイクロチップによれば、たとえば、流体回路に導入された検体の計量を行ない、該計量された検体と2種類の試薬とを混合し、該混合液中で起こる生化学反応の結果生成した色素または消費された色素による吸光度の変化から検体中に含まれる対象成分の濃度や活性を測定することが可能である。なお、「2中心タイプ」のマイクロチップとは、マイクロチップ外部のある点を遠心中心としてマイクロチップを回転させることにより流体処理を行なう場合において、遠心中心として2点を採用するマイクロチップを意味する。すなわち、この場合、流体処理において、マイクロチップに対し合計2方向の遠心力が印加される。
しかし、上記特許文献1および2で提案されているマイクロチップはいずれも、検体と2種類の試薬(それぞれ第1の試薬、第2の試薬とする。)とを同時に混合する処理しか行なうことができず、検体と第1の試薬とを混合した後、第2の試薬を混合するといった処理を行なうことができない。すなわち、多段階の混合(反応)を行なうことができない。
マイクロチップを用いない、従来の血液検査等の生化学検査においては、検体(たとえば血液または血液中の特定成分)に対して2種類の試薬を用い、第1の試薬を用いて検体中の妨害物質を除去し、ついで第2の試薬と混合するのが通常である。たとえば、血液中の腎機能マーカーであるBUNを検出する際には、まず検体である血漿成分と第1の試薬とを混合することにより血漿成分中に含まれる妨害物質であるアンモニアを除去し、ついで第2の試薬を混合させて、血漿成分中のBUNと第2の試薬との生化学反応の結果生成するアンモニアの濃度を測定することにより、血漿成分中のBUNの濃度を見積もることが行なわれている。
このように、各種検査・分析においては、ある検体と2種類以上の試薬とを多段階で混合、反応させることが求められるが、従来のマイクロチップでは、このような多段階混合(反応)を行なうことができなかった。
米国特許第4883763号明細書 国際公開第05/033666号パンフレット
「2中心タイプ」のマイクロチップで多段階の混合を行なおうとする場合、その流体回路構造としては、図1に示されるような構造を挙げることができる。図1に示される流体回路構造を有するマイクロチップを用いた流体処理について簡単に説明する。まず、検体導入部101から検体を流体回路内に導入した後、マイクロチップを中心Iを遠心中心として回転させることにより、検体を遠心分離部102に導入して遠心分離を行ない、特定成分を分離抽出するとともに、第1の試薬保持部103、第2の試薬保持部104内にそれぞれ内蔵されていた第1の試薬、第2の試薬を、それぞれ第1の試薬計量部105、第2の試薬計量部106に導入し、計量を行なう。この際、遠心分離部102から溢れ出た検体は、第1の検体用廃液溜め107に収容される。また、第1の試薬計量部105、第2の試薬計量部106から溢れ出た試薬は、それぞれ第1の試薬用廃液溜め108、第2の試薬用廃液溜め109に収容される。
次に、マイクロチップを中心IIを遠心中心として回転させることにより、分離された特定成分を検体計量部110に導入して計量する。溢れ出た特定成分は、第2の検体用廃液溜め111に収容される。また、この中心IIを遠心中心とする回転により、計量された第1の試薬、第2の試薬は、それぞれ第1の待機部112、第2の待機部113に移動する。
ついで、マイクロチップを、再度、中心Iを遠心中心として回転させることにより、計量された特定成分と、第1の待機部112に収容されていた第1の試薬とを第1の混合部114に導入することにより、これらを混合する。この際、第2の待機部113に収容されていた第2の試薬は、第3の待機部115に移動する。
次に、マイクロチップを、中心IIを遠心中心として回転させることにより、第1の混合部114内の混合液と、第3の待機部115に収容されていた第2の試薬とを第2の混合部116に導入することにより、これらを混合する。最後に、マイクロチップを、再度、中心Iを遠心中心として回転させることにより、第2の混合部116内の混合液を検出部117に導入する。検出部117に導入された混合液は、上記したような光学測定に供される。
このように、図1に示される流体回路構造を有するマイクロチップであれば、「2中心タイプ」であっても多段階混合が可能である。しかし、「2中心タイプ」のマイクロチップにおいて多段階混合を可能とするためには、図1に示されるように、検体(検体中の特定成分を含む。)を計量する際に試薬を待機させておくための部位と、検体(検体中の特定成分を含む。)と第1の試薬とを混合させる間、第2の試薬を待機させておくための部位(待機部)が必要となる。このような複数の待機部は、マイクロチップ面積を大きくする要因となり、また、流体回路の複雑化および流体回路設計の制限をもたらす。
本発明は、以上のような状況に鑑みなされたものであり、その目的は、待機部を別途に設けることなく比較的簡単な流体回路構造で、検体(検体中の特定成分を含む。)と2種類以上の試薬との多段階混合(反応)を行なうことができるマイクロチップを提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決するために検討した結果、流体回路における各部位の位置を適正化し、遠心中心として3またはそれ以上の中心を採用できる流体回路構造を構築することにより、待機部を別途に設けることなく、多段階混合を行なえるマイクロチップを提供できることを見出した。すなわち、本発明は以下のとおりである。
本発明は、基板表面に溝を備える第1の基板と、第2の基板とを貼り合わせてなる、該溝と該第2の基板の貼り合わせ面とから構成される流体回路を内部に有するマイクロチップであって、該流体回路は、流体回路内に検体を導入するための検体導入部、検体を計量するための検体計量部、検体計量部から溢れ出る検体を収容するための検体用廃液溜め、第1の試薬および第2の試薬をそれぞれ収容するための第1の試薬保持部および第2の試薬保持部、第1の試薬および第2の試薬をそれぞれ計量するための第1の試薬計量部および第2の試薬計量部、第1の試薬計量部および第2の試薬計量部から溢れ出る試薬をそれぞれ収容するための第1の試薬用廃液溜めおよび第2の試薬用廃液溜め、ならびに、第2の試薬を用いた混合を行なうための混合部を備えるマイクロチップを提供する。そして、かかる本発明のマイクロチップは、同一平面内に反時計回りに配置された点A、B、CおよびDによって囲まれる領域内にマイクロチップを配置したときに、次の(a)〜(i)を満たす。
(a)流体回路内において検体計量部は、点Aに対し、検体導入部よりも遠い位置に配置される。
(b)流体回路内において検体用廃液溜めは、点Aに対し、検体計量部よりも遠い位置に配置される。
(c)流体回路内において第1の試薬計量部は、点Bに対し、検体計量部よりも遠い位置に配置される。
(d)流体回路内において第1の試薬用廃液溜めは、点Aに対し、第1の試薬計量部よりも遠い位置に配置される。
(e)流体回路内において第1の試薬保持部は、点Bに対し、第1の試薬計量部よりも近い位置に配置される。
(f)流体回路内において混合部は、点Cに対し、第1の試薬計量部よりも遠い位置に配置される。
(g)流体回路内において第2の試薬計量部は、点Cに対し、混合部よりも近い位置に配置される。
(h)流体回路内において第2の試薬保持部は、点Bに対し、第2の試薬計量部よりも近い位置に配置される。
(i)流体回路内において第2の試薬用廃液溜めは、点Aに対し、第2の試薬計量部よりも遠い位置に配置される。
ここで、点Bは、点Bとマイクロチップ中心を結ぶ直線が、点Aとマイクロチップ中心を結ぶ直線と直交するように配置される。点Cは、点Cとマイクロチップ中心を結ぶ直線が、点Bとマイクロチップ中心を結ぶ直線と直交するように配置される。また、点Dは、点Dとマイクロチップ中心を結ぶ直線が、点Cとマイクロチップ中心を結ぶ直線と直交するように配置される。
上記マイクロチップにおいて、上記第1の試薬保持部と上記第1の試薬計量部とは同一の部位であってもよい。
また、上記マイクロチップは、第3の基板と、基板両面に溝を備える第1の基板と、第2の基板とを貼り合わせてなるマイクロチップであってもよい。
また、本発明は、基板表面に溝を備える第1の基板と、第2の基板とを貼り合わせてなる、該溝と該第2の基板の貼り合わせ面とから構成される流体回路を内部に有するマイクロチップであって、該流体回路は、流体回路内に検体を導入するための検体導入部、検体を計量するための検体計量部、検体計量部から溢れ出る検体を収容するための検体用廃液溜め、第1の試薬および第2の試薬をそれぞれ収容するための第1の試薬保持部および第2の試薬保持部、第1の試薬および第2の試薬をそれぞれ計量するための第1の試薬計量部および第2の試薬計量部、第1の試薬計量部および第2の試薬計量部から溢れ出る試薬をそれぞれ収容するための第1の試薬用廃液溜めおよび第2の試薬用廃液溜め、ならびに、第2の試薬を用いた混合を行なうための混合部を備え、同一平面内に反時計回りに配置された点A’、B’、C’およびD’によって囲まれる領域内にマイクロチップを配置したときに、次の(a’)〜(i’)を満たすマイクロチップを提供する。
(a’)流体回路内において検体計量部は、点A’に対し、検体導入部よりも遠い位置に配置される。
(b’)流体回路内において検体用廃液溜めは、点A’に対し、検体計量部よりも遠い位置に配置される。
(c’)流体回路内において第1の試薬計量部は、点B’に対し、検体計量部よりも遠い位置に配置される。
(d’)流体回路内において第1の試薬用廃液溜めは、点B’に対し、第1の試薬計量部よりも遠い位置に配置される。
(e’)流体回路内において第1の試薬保持部は、点B’に対し、第1の試薬計量部よりも近い位置に配置される。
(f’)流体回路内において混合部は、点A’に対し、第1の試薬計量部よりも遠い位置に配置される。
(g’)流体回路内において第2の試薬計量部は、点A’に対し、混合部よりも近い位置に配置される。
(h’)流体回路内において第2の試薬保持部は、点B’に対し、第2の試薬計量部よりも近い位置に配置される。
(i’)流体回路内において第2の試薬用廃液溜めは、点B’に対し、第2の試薬計量部よりも遠い位置に配置される。
ここで、点B’は、点B’とマイクロチップ中心を結ぶ直線が、点A’とマイクロチップ中心を結ぶ直線と直交するように配置される。点C’は、点C’とマイクロチップ中心を結ぶ直線が、点B’とマイクロチップ中心を結ぶ直線と直交するように配置される。また、点D’は、点D’とマイクロチップ中心を結ぶ直線が、点C’とマイクロチップ中心を結ぶ直線と直交するように配置される。
上記マイクロチップにおいて、上記第1の試薬保持部と上記第1の試薬計量部とは同一の部位であってもよい。
また、上記マイクロチップは、第3の基板と、基板両面に溝を備える第1の基板と、第2の基板とを貼り合わせてなるマイクロチップであってもよい。
本発明の3以上の遠心中心を用いたマイクロチップによれば、待機部を別途に設けることなく検体と2種類以上の試薬とを多段階で混合(反応)させることが可能となる。かかる多段階混合を行なうことが可能な本発明のマイクロチップによれば、たとえば第1段階目の反応で、検体中の妨害物質を除去することが可能であるので、検査・分析精度が向上し得る。また、第1段階目の反応が終了した後、第2段階目の反応を行なうことができるため、第2段階目の反応速度が、第1段階目と第2段階目の反応を同時に行なう場合と比較して速いため、結果、検査・分析精度が向上し得る。さらに、たとえば第1段階目の反応に時間を要する場合であっても、第1段階目の反応の終了を待ってから第2段階目の反応を行なうことができるなど、その検査・分析に適した反応条件を設定することが可能となる。
また、待機部を別途に設ける必要がないため、マイクロチップの小面積化が可能となる。
本発明のマイクロチップは、1つの好ましい態様において、基板表面に溝を備える第1の基板と、第2の基板とを貼り合わせてなる。かかるマイクロチップは、その内部に、第1の基板表面に設けられた溝と第2の基板における第1の基板側表面(第2の基板の貼り合わせ面)とから構成される空洞部からなる流体回路を備える。また、本発明のマイクロチップは、別の好ましい態様において、第3の基板と、基板の両面に設けられた溝を備える第1の基板と、第2の基板とをこの順で貼り合わせてなる。かかる3枚の基板からなるマイクロチップは、第3の基板における第1の基板側表面および第1の基板における第3の基板側表面に設けられた溝から構成される第1の流体回路と、第2の基板における第1の基板側表面および第1の基板における第2の基板側表面に設けられた溝から構成される第2の流体回路と、の2層の流体回路を備えている。ここで、2層とは、マイクロチップの厚み方向に関して異なる2つの位置に流体回路が設けられていることを意味する。第1の流路と第2の流路とは、第1の基板に形成された厚み方向に貫通する1または2以上の貫通穴によって連結されていてもよい。
本発明のマイクロチップを構成する各基板の材質は、特に制限されず、たとえば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリカーボネート(PC)、ポリスチレン(PS)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリアリレート樹脂(PAR)、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン樹脂(ABS)、塩化ビニル樹脂(PVC)、ポリメチルペンテン樹脂(PMP)、ポリブタジエン樹脂(PBD)、生分解性ポリマー(BP)、シクロオレフィンポリマー(COP)、ポリジメチルシロキサン(PDMS)などの有機材料;シリコン、ガラス、石英などの無機材料等を用いることができる。
第1の基板表面に、流体回路を構成する溝を形成する方法としては、特に制限されず、転写構造を有する金型を用いた射出成形法、インプリント法などを挙げることができる。無機材料を用いて基板を形成する場合には、エッチング法などを用いることができる。
本発明のマイクロチップにおいて、流体回路(2層の流体回路を備える場合には、第1の流路および第2の流路)は、流体回路内の流体(特には、液体)に対して適切な様々な処理を行なうことができるよう、流体回路内の適切な位置に配置された種々の部位を備えており、これらの部位は、微細な流路を介して適切に接続されている。
上記部位としては、後で実施の形態を示して詳述するが、試薬を保持するための試薬保持部、検体や試薬を計量するための計量部、計量された試薬と検体とを混合するための混合部、計量時に計量部から溢れ出た検体や試薬を収容するための廃液溜めなどを挙げることができ、この他、たとえば該混合液についての検査・分析(たとえば、混合液中の特定成分の検出)を行なうための検出部などの部位が必要に応じて設けられてもよい。ここで、本明細書中において「検体」とは、流体回路内に導入される検査・分析の対象となる試料自体(たとえば血液)または、マイクロチップ内において当該試料から分離された特定成分(たとえば血液から分離された血漿成分)を意味する。
計量部は、所定の容量を有しており、検体や試薬を計量部に導入することにより、所定量の検体や試薬を計り取ることができる。なお、試薬とは、マイクロチップを用いて行なわれる検査・分析の対象となる検体と混合または反応させるための物質であり、通常、マイクロチップ使用前にあらかじめ流体回路の試薬保持部に内蔵されている。検体に試薬を混合させることによって最終的に得られた混合液は、特に限定されないが、たとえば、該混合液が収容されている部位に光を照射して透過する光の強度(透過率)を検出する方法等の光学測定などに供され、検体の検査・分析などが行なわれる。
検体や試薬の計量、検体と試薬との混合、得られた混合液の検出部への導入などのような流体回路内における流体処理は、マイクロチップに対して、適切な方向の遠心力を順次印加することにより行なうことができる。マイクロチップへの遠心力の印加は、典型的には、マイクロチップを、これに遠心力を印加可能な装置(遠心装置)に載置して行なわれる。以下、本発明のマイクロチップを実施の形態を示してより詳細に説明する。
<第1の実施形態>
図2は、本発明の好ましい一例のマイクロチップを構成する第1の基板(表面に溝を有する基板)を示す概略上面図であり、当該第1の基板の表面に設けられた溝のパターン(すなわち、マイクロチップの流体回路構造)を説明するための図である。図2に示される第1の基板200の溝形成側表面上に第2の基板を貼り合わせることによって本実施形態のマイクロチップを得ることができる。なお、第2の基板の貼り合わせ面は必ずしも平坦である必要はなく、必要に応じて凹部(溝)や凸部を有していてもよい。
本実施形態のマイクロチップは、図2に示されるように、流体回路を構成する部位として、流体回路内に検体を導入するための検体導入部201、該検体を計量するための検体計量部210、検体の計量時に検体計量部210から溢れ出る検体を収容するための検体用廃液溜め211、第1の試薬を収容するための第1の試薬保持部203、第2の試薬を収容するための第2の試薬保持部204、第1の試薬を計量するための第1の試薬計量部205、第2の試薬を計量するための第2の試薬計量部206、第1の試薬の計量時に第1の試薬計量部205から溢れ出る試薬を収容するための第1の試薬用廃液溜め208、第2の試薬の計量時に第2の試薬計量部206から溢れ出る試薬を収容するための第2の試薬用廃液溜め209、および、第2の試薬を用いた混合を行なうための混合部216を備える。
流体回路内における上記各部位の配置について、図2を参照して詳細に説明する。図2に示されるように、同一平面内に反時計回りに配置された点A、B、CおよびDによって囲まれる領域内にマイクロチップを配置したとき、本実施形態のマイクロチップが有する上記各部位は、次の(a)〜(i)を満たすように配置されている。ここで、点Bは、点Bとマイクロチップ中心Xを結ぶ直線が、点Aとマイクロチップ中心Xを結ぶ直線と直交するように配置される。点Cは、点Cとマイクロチップ中心Xを結ぶ直線が、点Bとマイクロチップ中心Xを結ぶ直線と直交するように配置される。また、点Dは、点Dとマイクロチップ中心Xを結ぶ直線が、点Cとマイクロチップ中心Xを結ぶ直線と直交するように配置される。マイクロチップは、上記点A〜Dによって囲まれる領域の点A〜Dを含む平面上に、第1の基板の溝が形成されていない面または第2の基板の貼り合わせ面とは反対側の表面を底面として配置される。
まず、(a)流体回路内において検体計量部210は、点Aに対し、検体導入部201よりも遠い位置に配置される。かかる配置により、たとえば点Aを遠心中心としてマイクロチップを回転させることにより、検体導入部201から導入された検体は、検体計量部210に至り計量される。検体導入部201と検体計量部210とは、流路によって接続されている。なお、検体を検体計量部210に導入するための遠心力は、点Aを遠心中心とする回転によるものに限定されるものではなく、図2における左向きの成分を含む遠心力であればよい。
(b)流体回路内において検体用廃液溜め211は、点Aに対し、検体計量部210よりも遠い位置に配置される。これにより、検体の計量時(すなわち、図2における左向きの成分を含む遠心力の印加時)に検体計量部210から溢れ出た検体は、検体用廃液溜め211に収容される。検体計量部210と検体用廃液溜め211とは、流路によって接続されている。
(c)流体回路内において第1の試薬計量部205は、点Bに対し、検体計量部210よりも遠い位置に配置される。これにより、検体計量部210内の検体は、たとえば点Bを遠心中心としてマイクロチップを回転させることにより、第1の試薬計量部205に導入される。検体計量部210と第1の試薬計量部205とは、流路によって接続されている。ここで、本実施形態において、第1の試薬計量部205は、検体と第1の試薬とを混合するための混合部を兼ねている。なお、計量された検体を第1の試薬計量部205に導入するための遠心力は、点Bを遠心中心とする回転によるものに限定されるものではなく、図2における下向きの成分を含む遠心力であればよい。
(d)流体回路内において第1の試薬用廃液溜め208は、点Aに対し、第1の試薬計量部205よりも遠い位置に配置される。かかる配置により、第1の試薬を第1の試薬計量部205にて計量する際に印加される遠心力により、第1の試薬計量部205から溢れ出た第1の試薬は、第1の試薬用廃液溜め208内に収容される。第1の試薬用廃液溜め208と第1の試薬計量部205とは、流路によって接続されている。
(e)流体回路内において第1の試薬保持部203は、点Bに対し、第1の試薬計量部205よりも近い位置に配置される。これにより、第1の試薬保持部203内の第1の試薬は、たとえば点Bを遠心中心としてマイクロチップを回転させることにより、第1の試薬計量部205に導入される。第1の試薬保持部203と第1の試薬計量部205とは、流路によって接続されている。なお、第1の試薬を第1の試薬計量部205に導入するための遠心力は、点Bを遠心中心とする回転によるものに限定されるものではなく、図2における下向きの成分を含む遠心力であればよい。
第1の試薬計量部205における、検体計量部210に接続された流路、第1の試薬用廃液溜め208に接続された流路および第1の試薬保持部203に接続された流路の接続位置は、特に制限されないが、本実施形態の場合のように、第1の試薬計量部205における点Aから最も遠い領域にて第1の試薬の計量を行なう場合には、少なくとも、第1の試薬保持部203に接続された流路の接続位置は、第1の試薬用廃液溜め208に接続された流路の接続位置より点Aにより近いことが好ましい。
(f)流体回路内において混合部216は、点Cに対し、第1の試薬計量部205よりも遠い位置に配置される。これにより、第1の試薬計量部205にて混合された検体と第1の試薬との混合液は、たとえば点Cを遠心中心としてマイクロチップを回転させることにより、混合部216に導入される。混合部216と第1の試薬計量部205とは、流路によって接続されている。なお、該混合液を混合部216に導入するための遠心力は、点Cを遠心中心とする回転によるものに限定されるものではなく、図2における右向きの成分を含む遠心力であればよい。
(g)流体回路内において第2の試薬計量部206は、点Cに対し、混合部216よりも近い位置に配置される。かかる配置により、第2の試薬計量部206にて計量された第2の試薬は、たとえば点Cを遠心中心としてマイクロチップを回転させることにより、混合部216に導入される。混合部216と第2の試薬計量部206とは、流路によって接続されている。なお、第2の試薬を混合部216に導入するための遠心力は、点Cを遠心中心とする回転によるものに限定されるものではなく、図2における右向きの成分を含む遠心力であればよい。
(h)流体回路内において第2の試薬保持部204は、点Bに対し、第2の試薬計量部206よりも近い位置に配置される。これにより、第2の試薬保持部204内の第2の試薬は、たとえば点Bを遠心中心としてマイクロチップを回転させることにより、第2の試薬計量部206に導入される。第2の試薬保持部204と第2の試薬計量部206とは、流路によって接続されている。なお、第2の試薬を第2の試薬計量部206に導入するための遠心力は、点Bを遠心中心とする回転によるものに限定されるものではなく、図2における下向きの成分を含む遠心力であればよい。
(i)流体回路内において第2の試薬用廃液溜め209は、点Aに対し、第2の試薬計量部206よりも遠い位置に配置される。かかる配置により、第2の試薬を第2の試薬計量部206にて計量する際に印加される遠心力により、第2の試薬計量部206から溢れ出た第2の試薬は、第2の試薬用廃液溜め209内に収容される。第1の試薬用廃液溜め209と第2の試薬計量部206とは、流路によって接続されている。
第2の試薬計量部206における、第2の試薬用廃液溜め209に接続された流路および第2の試薬保持部204に接続された流路の接続位置は、特に制限されないが、本実施形態の場合のように、第2の試薬計量部206における点Aから最も遠い領域にて第2の試薬の計量を行なう場合には、少なくとも、第2の試薬保持部204に接続された流路の接続位置は、第2の試薬用廃液溜め209に接続された流路の接続位置より点Aにより近いことが好ましい。
次に、本実施形態のマイクロチップの操作手順(流体処理)について説明する。本実施形態のマイクロチップを用いた流体処理においては、遠心中心として3つの中心が用いられる。まず、検体導入部201から検体を流体回路内に導入した後、マイクロチップに対し、図2における下向きの遠心力を印加する(たとえば中心Bを遠心中心として回転させる)ことにより、第1の試薬保持部203、第2の試薬保持部204内にそれぞれ内蔵されていた第1の試薬、第2の試薬を、それぞれ第1の試薬計量部205、第2の試薬計量部206に導入する。次に、マイクロチップに対し、図2における左向きの遠心力を印加する(たとえば中心Aを遠心中心として回転させる)ことにより、検体を検体計量部210に導入して計量するとともに、第1の試薬および第2の試薬をそれぞれ、第1の試薬計量部205、第2の試薬計量部206の左端領域に移動させて計量する。この際、検体計量部210から溢れ出た検体は、検体用廃液溜め211に収容される。また、第1の試薬計量部205、第2の試薬計量部206から溢れ出た試薬は、それぞれ第1の試薬用廃液溜め208、第2の試薬用廃液溜め209に収容される。
次に、マイクロチップに対し、図2における下向きの遠心力を印加する(たとえば中心Bを遠心中心として回転させる)ことにより、計量された検体と計量された第1の試薬とを、第1の試薬計量部205にて混合する(一次混合)。この際、計量された第2の試薬は、第2の試薬計量部206内に留まっている。
最後に、マイクロチップに対し、図2における右向きの遠心力を印加する(たとえば中心Cを遠心中心として回転させる)ことにより、検体と第1の試薬との混合液と、計量された第2の試薬とを、混合部216にて混合する(二次混合)。これにより、多段階で混合された、検体と第1および第2の試薬との混合液を得る。混合部216内の混合液は、上記したような光学測定により検査・分析に供される。
図2に示される流体回路構造を有する本実施形態のマイクロチップによれば、検体と第1の試薬との混合を行なうための混合部でもある第1の試薬計量部を備えることにより、別途の待機部等を設けることなく、多段階混合が可能となっている。すなわち、第1の試薬計量部205自体が、第2の試薬との混合を行なう前に検体と第1の試薬との混合液を待機させるための待機部の役割を有しているともいえる。同様に、第2の試薬計量部206は、検体と第1の試薬との混合液との混合を行なう前に第2の試薬を待機させるための待機部の役割を有しているともいえる。
第1の試薬計量部205および第2の試薬計量部206をそれぞれ、上記(c)〜(e)、(g)〜(i)を満たすように配置し、3つの遠心中心を利用することにより、図1に示すような別途の待機部を要しないため、マイクロチップの小面積化を図ることが可能である。また、上記流体回路構造により、検体と第1の試薬との同時計量が可能となっている。さらに、2次混合までの遠心中心の切り替え回数は3回であり、上記特許文献1の場合と比較して、切り替え回数の増加もない。
本実施形態のマイクロチップは、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変形を施すことができる。たとえば、図3に示されるように、第1の試薬計量部205自体を第1の試薬保持部として使用することにより、流体回路構造を、図2における第1の試薬保持部203およびこれと第1の試薬計量部205とを接続する流路、ならびに/または第2の試薬保持部204およびこれと第2の試薬計量部206とを接続する流路を省略した構造とすることが可能である。かかる流体回路構造によれば、試薬保持部から試薬を排出させる工程を省略することが可能となる。なお、図3に示されるマイクロチップを用いた流体処理においても、遠心中心として3つの中心が用いられる。
また、第1の試薬および/または第2の試薬の計量が必要ない場合には、図4に示されるように、図2における第1の試薬保持部203および/または第2の試薬計量部206から試薬を計量する機能をなくすとともに、第1の試薬用第1の試薬用廃液溜め208および/または第2の試薬用廃液溜め209を省略することができる。図5に示されるように、さらに、第1の試薬保持部203および/または第2の試薬保持部204を省略してもよい。なお、図4および図5に示されるマイクロチップを用いた流体処理においても、遠心中心として3つの中心が用いられる。
また、本実施形態のマイクロチップは、上記していない他の部位を流体回路内に有していてもよい。たとえば、流体回路内に導入された検体から特定の成分を分離抽出するための遠心分離部を有していてもよい。当該遠心分離部は、典型的には、流体回路における検体導入部と検体計量部との間に配置される。ここで、図6は、本発明の別の好ましい一例のマイクロチップを構成する第1の基板(表面に溝を有する基板)を示す概略上面図である。図6に示される流体回路は、図2に示される流体回路における検体導入部201と検体計量部210との間に遠心分離部220および、遠心分離部220に接続された廃液溜め230を配置した構成を有している。なお、図6に示されるマイクロチップを用いた流体処理においても、遠心中心として3つの中心が用いられる。
遠心分離部220を設けることにより、検体から特定成分を分離抽出することができ、該特定成分に対して第1の試薬および第2の試薬を混合、反応させることができるようになる。特定成分とは、たとえば流体回路に導入される検体が血液である場合における血漿成分を挙げることができる。
流体回路内において遠心分離部220は、図6に示される点Bに対し、検体導入部201よりも遠い位置に配置されることが好ましい。かかる配置により、第1の試薬および第2の試薬を第1の試薬保持部203および第2の試薬保持部204から排出するために印加される図6における下向きの遠心力(たとえば図6に示される点Bを遠心中心としてマイクロチップを回転させる)により、検体導入部201から導入された検体を、遠心分離部220に導入し、遠心分離により特定成分の分離を行なうことが可能となる。この際、遠心分離部220の容量を超える過剰の検体は、遠心分離部220に接続された廃液溜め230に収容される。
図6に示される遠心分離部220は、第1室221および第2室222からなっており、遠心分離後に第1室221に収容される成分を検体計量部210に導入できるように配置されている。遠心分離後に第1室221に収容された、分離抽出された特定成分は、図6における左向きの遠心力(たとえば図6に示される点Aを遠心中心としてマイクロチップを回転させる)により、検体計量部210に導入することができる。この左向きの遠心力は、第1の試薬計量部205および第2の試薬計量部206にそれぞれ排出された第1の試薬および第2の試薬を計量する際に印加される遠心力である。
廃液溜め230は、図6に示される点Bに対し、遠心分離部220と同じ位置かまたは遠心分離部220よりも遠い位置に配置されることが好ましい。これにより、検体を遠心分離部220を導入する際、過剰の検体を廃液溜め230に収容することができる。また、廃液溜め230は、図6に示される点Aに対し、遠心分離部220よりも遠い位置に配置されることが好ましい。かかる配置によれば、特定成分を検体計量部210に導入する際、廃液溜め230内の検体が遠心分離部220に逆流することを回避することができる。
また、本実施形態のマイクロチップは、図7に示されるように、混合部216に接続された検出部217を有していてもよい。検出部217を備える場合、得られた混合液を検出部217に導入し、検出部217内の混合液について検査・分析が行なわれる。検出部217は、図7に示される点Bに対し、混合部216よりも遠い位置に配置されることが好ましい。これにより、図7における下向きの遠心力(たとえば図7に示される点Bを遠心中心としてマイクロチップを回転させる)により、混合部216にて得られた混合液を検出部217に導入することができる。
なお、図7における下向きの遠心力の印加により、混合部216にて得られた混合液を検出部217に導入する前に、混合、反応を促進させることを目的として、図7における上向きの遠心力および/または右向きの遠心力を印加することにより混合液を混合部216内で移動させる操作を行なってもよい。このような混合、反応を促進させるための遠心力の印加は、混合液を検出部217に導入する前に、複数回行なわれてもよい。なお、図7に示されるマイクロチップを用いた流体処理においては、遠心中心として3つまたは4つの中心が用いられる。
また、第1の試薬保持部203と第1の試薬計量部205との配置関係および第2の試薬保持部204と第2の試薬計量部206との配置関係に変形を施すことにより、図8に示されるような流体回路とすることができる。図8に示される流体回路の各部位は、具体的には、以下の配置関係を充足する。なお、図8に示される点A〜Dの定義は上記したとおりである。
(a)流体回路内において検体計量部210は、点Aに対し、検体導入部201よりも遠い位置に配置される。
(b)流体回路内において検体用廃液溜め211は、点Aに対し、検体計量部210よりも遠い位置に配置される。
(c)流体回路内において第1の試薬計量部205は、点Bに対し、検体計量部210よりも遠い位置に配置される。
(d)流体回路内において第1の試薬用廃液溜め208は、点Aに対し、第1の試薬計量部205よりも遠い位置に配置される。
(e)流体回路内において第1の試薬保持部203は、点Aに対し、第1の試薬計量部205よりも近い位置に配置される。
(f)流体回路内において混合部216は、点Cに対し、第1の試薬計量部205よりも遠い位置に配置される。
(g)流体回路内において第2の試薬計量部206は、点Cに対し、混合部216よりも近い位置に配置される。
(h)流体回路内において第2の試薬保持部204は、点Aに対し、第2の試薬計量部206よりも近い位置に配置される。
(i)流体回路内において第2の試薬用廃液溜め209は、点Aに対し、第2の試薬計量部206よりも遠い位置に配置される。
図8に示される流体回路を有するマイクロチップの操作手順(流体処理)は、概略以下のとおりである。まず、検体導入部201から検体を流体回路内に導入した後、マイクロチップに対し、図8における左向きの遠心力を印加する(たとえば中心Aを遠心中心として回転させる)ことにより、検体を検体計量部210に導入して計量するとともに、第1の試薬および第2の試薬をそれぞれ、第1の試薬計量部205、第2の試薬計量部206の左端領域に移動させて計量する。この際、検体計量部210から溢れ出た検体は、検体用廃液溜め211に収容される。また、第1の試薬計量部205、第2の試薬計量部206から溢れ出た試薬は、それぞれ第1の試薬用廃液溜め208、第2の試薬用廃液溜め209に収容される。次に、マイクロチップに対し、図8における下向きの遠心力を印加する(たとえば中心Bを遠心中心として回転させる)ことにより、計量された検体と計量された第1の試薬とを、第1の試薬計量部205にて混合する(一次混合)。この際、計量された第2の試薬は、第2の試薬計量部206内に留まっている。最後に、マイクロチップに対し、図8における右向きの遠心力を印加する(たとえば中心Cを遠心中心として回転させる)ことにより、検体と第1の試薬との混合液と、計量された第2の試薬とを、混合部216にて混合する(二次混合)。これにより、多段階で混合された、検体と第1および第2の試薬との混合液を得る。混合部216内の混合液は、上記したような光学測定により検査・分析に供される。
さらに、本実施形態のマイクロチップは、第3の基板と、基板の両面に設けられた溝を備える第1の基板と、第2の基板とをこの順で貼り合わせてなるマイクロチップであってもよい。この場合、当該マイクロチップは、第3の基板における第1の基板側表面および第1の基板における第3の基板側表面に設けられた溝から構成される第1の流体回路と、第2の基板における第1の基板側表面および第1の基板における第2の基板側表面に設けられた溝から構成される第2の流体回路と、の2層の流体回路を備える。
このような2層の流体回路を有するマイクロチップにおいて、流体回路を構成する各部位は、上記した(a)〜(i)を満足する限り、第1の流体回路内にあってもよく、第2の流体回路内にあってもよい。第1の流体回路と第2の流体回路とは、第1の基板に形成された厚み方向に貫通する1または2以上の貫通穴によって連結されていることが好ましい。
<第2の実施形態>
図9は、本発明の別の好ましい一例のマイクロチップを構成する第1の基板(表面に溝を有する基板)を示す概略上面図であり、当該第1の基板の表面に設けられた溝のパターン(すなわち、マイクロチップの流体回路構造)を説明するための図である。図9に示される第1の基板900の溝形成側表面上に第2の基板を貼り合わせることによって本実施形態のマイクロチップを得ることができる。なお、第2の基板の貼り合わせ面は必ずしも平坦である必要はなく、必要に応じて凹部(溝)や凸部を有していてもよい。
本実施形態のマイクロチップは、図9に示されるように、流体回路を構成する部位として、流体回路内に検体を導入するための検体導入部901、該検体を計量するための検体計量部910、検体の計量時に検体計量部910から溢れ出る検体を収容するための検体用廃液溜め911、第1の試薬を収容するための第1の試薬保持部903、第2の試薬を収容するための第2の試薬保持部904、第1の試薬を計量するための第1の試薬計量部905、第2の試薬を計量するための第2の試薬計量部906、第1の試薬の計量時に第1の試薬計量部905から溢れ出る試薬を収容するための第1の試薬用廃液溜め908、第2の試薬の計量時に第2の試薬計量部906から溢れ出る試薬を収容するための第2の試薬用廃液溜め909、および、第2の試薬を用いた混合を行なうための混合部916を備える。
流体回路内における上記各部位の配置について、図9を参照して詳細に説明する。図9に示されるように、同一平面内に反時計回りに配置された点A’、B’、C’およびD’によって囲まれる領域内にマイクロチップを配置したとき、本実施形態のマイクロチップが有する上記各部位は、次の(a’)〜(i’)を満たすように配置されている。ここで、点B’は、点B’とマイクロチップ中心X’を結ぶ直線が、点A’とマイクロチップ中心X’を結ぶ直線と直交するように配置される。点C’は、点C’とマイクロチップ中心X’を結ぶ直線が、点B’とマイクロチップ中心X’を結ぶ直線と直交するように配置される。また、点D’は、点D’とマイクロチップ中心X’を結ぶ直線が、点C’とマイクロチップ中心X’を結ぶ直線と直交するように配置される。マイクロチップは、上記点A’〜D’によって囲まれる領域の点A’〜D’を含む平面上に、第1の基板の溝が形成されていない面または第2の基板の貼り合わせ面とは反対側の表面を底面として配置される。
まず、(a’)流体回路内において検体計量部910は、点A’に対し、検体導入部901よりも遠い位置に配置される。かかる配置により、たとえば点A’を遠心中心としてマイクロチップを回転させることにより、検体導入部901から導入された検体は、検体計量部910に至り計量される。検体導入部901と検体計量部910とは、流路によって接続されている。なお、検体を検体計量部910に導入するための遠心力は、点A’を遠心中心とする回転によるものに限定されるものではなく、図9における左向きの成分を含む遠心力であればよい。
(b’)流体回路内において検体用廃液溜め911は、点A’に対し、検体計量部910よりも遠い位置に配置される。これにより、検体の計量時(すなわち、図9における左向きの成分を含む遠心力の印加時)に検体計量部910から溢れ出た検体は、検体用廃液溜め911に収容される。検体計量部910と検体用廃液溜め911とは、流路によって接続されている。
(c’)流体回路内において第1の試薬計量部905は、点B’に対し、検体計量部910よりも遠い位置に配置される。これにより、検体計量部910内の検体は、たとえば点B’を遠心中心としてマイクロチップを回転させることにより、第1の試薬計量部905に導入される。検体計量部910と第1の試薬計量部905とは、流路によって接続されている。ここで、本実施形態において、第1の試薬計量部905は、検体と第1の試薬とを混合するための混合部を兼ねている。なお、計量された検体を第1の試薬計量部905に導入するための遠心力は、点B’を遠心中心とする回転によるものに限定されるものではなく、図9における下向きの成分を含む遠心力であればよい。
(d’)流体回路内において第1の試薬用廃液溜め908は、点B’に対し、第1の試薬計量部905よりも遠い位置に配置される。かかる配置により、第1の試薬を第1の試薬計量部905にて計量する際に印加される遠心力により、第1の試薬計量部905から溢れ出た第1の試薬は、第1の試薬用廃液溜め908内に収容される。第1の試薬用廃液溜め908と第1の試薬計量部905とは、流路によって接続されている。
(e’)流体回路内において第1の試薬保持部903は、点B’に対し、第1の試薬計量部905よりも近い位置に配置される。これにより、第1の試薬保持部903内の第1の試薬は、たとえば点B’を遠心中心としてマイクロチップを回転させることにより、第1の試薬計量部905に導入される。第1の試薬保持部903と第1の試薬計量部905とは、流路によって接続されている。なお、第1の試薬を第1の試薬計量部905に導入するための遠心力は、点B’を遠心中心とする回転によるものに限定されるものではなく、図9における下向きの成分を含む遠心力であればよい。
第1の試薬計量部905における、検体計量部910に接続された流路、第1の試薬用廃液溜め908に接続された流路および第1の試薬保持部903に接続された流路の接続位置は特に制限されないが、第1の試薬計量部905における点B’から最も遠い領域にて第1の試薬の計量を行なうことを考慮すれば、第1の試薬保持部903に接続された流路の接続位置は、第1の試薬用廃液溜め908に接続された流路の接続位置より点B’により近いことが好ましい。
(f’)流体回路内において混合部916は、点A’に対し、第1の試薬計量部905よりも遠い位置に配置される。これにより、第1の試薬計量部905にて混合された検体と第1の試薬との混合液は、たとえば点A’を遠心中心としてマイクロチップを回転させた後、たとえば点D’を遠心中心としてマイクロチップを回転させることにより、混合部916に導入される。なお、該混合液を混合部916に導入するための遠心力は、点A’および点D’を遠心中心とする回転によるものに限定されるものではなく、図9における左向きの成分を含む遠心力および図9における上向きの成分を含む遠心力であればよい。
(g’)流体回路内において第2の試薬計量部906は、点A’に対し、混合部916よりも近い位置に配置される。かかる配置により、第2の試薬計量部906にて計量された第2の試薬は、たとえば点A’を遠心中心としてマイクロチップを回転させた後、たとえば点D’を遠心中心としてマイクロチップを回転させることにより、混合部916に導入される。混合部916と第2の試薬計量部906とは、流路によって接続されている。なお、第2の試薬を混合部916に導入するための遠心力は、点A’および点D’を遠心中心とする回転によるものに限定されるものではなく、図9における左向きの成分を含む遠心力および図9における上向きの成分を含む遠心力であればよい。
(h’)流体回路内において第2の試薬保持部904は、点B’に対し、第2の試薬計量部906よりも近い位置に配置される。これにより、第2の試薬保持部904内の第2の試薬は、たとえば点B’を遠心中心としてマイクロチップを回転させることにより、第2の試薬計量部906に導入される。第2の試薬保持部904と第2の試薬計量部906とは、流路によって接続されている。なお、第2の試薬を第2の試薬計量部906に導入するための遠心力は、点B’を遠心中心とする回転によるものに限定されるものではなく、図9における下向きの成分を含む遠心力であればよい。
(i’)流体回路内において第2の試薬用廃液溜め909は、点B’に対し、第2の試薬計量部906よりも遠い位置に配置される。かかる配置により、第2の試薬を第2の試薬計量部906にて計量する際に印加される遠心力により、第2の試薬計量部906から溢れ出た第2の試薬は、第2の試薬用廃液溜め909内に収容される。第1の試薬用廃液溜め909と第2の試薬計量部906とは、流路によって接続されている。
次に、本実施形態のマイクロチップの操作手順(流体処理)について説明する。本実施形態のマイクロチップを用いた流体処理においては、遠心中心として3つの中心が用いられる。まず、検体導入部901から検体を流体回路内に導入した後、マイクロチップに対し、図9における下向きの遠心力を印加する(たとえば中心B’を遠心中心として回転させる)ことにより、第1の試薬保持部903、第2の試薬保持部904内にそれぞれ内蔵されていた第1の試薬、第2の試薬を、それぞれ第1の試薬計量部905、第2の試薬計量部906に導入し、第1の試薬および第2の試薬の同時計量を行なう。この際、第1の試薬計量部905、第2の試薬計量部906から溢れ出た試薬は、それぞれ第1の試薬用廃液溜め908、第2の試薬用廃液溜め909に収容される。
次に、マイクロチップに対し、図9における左向きの遠心力を印加する(たとえば中心A’を遠心中心として回転させる)ことにより、検体を検体計量部910に導入して計量を行なう。この際、検体計量部910から溢れ出た検体は、検体用廃液溜め911に収容される。また、この左向きの遠心力により、計量された第1の試薬および第2の試薬は、それぞれ図9に示される領域M、領域Nに移動する。
次に、マイクロチップに対し、図9における下向きの遠心力を印加する(たとえば中心B’を遠心中心として回転させる)ことにより、計量された検体と計量された第1の試薬とを、第1の試薬計量部905にて混合する(一次混合)。この際、計量された第2の試薬は、再度、第2の試薬計量部906に移動する。
次に、マイクロチップに対し、図9における左向きの遠心力を印加する(たとえば中心A’を遠心中心として回転させる)ことにより、検体と第1の試薬との混合液を再度、領域Mに移動させるとともに、計量された第2の試薬を領域Nに移動させる。最後に、マイクロチップに対し、図9における上向きの遠心力を印加する(たとえば中心D’を遠心中心として回転させる)ことにより、検体と第1の試薬との混合液と、計量された第2の試薬とを、混合部916にて混合する(二次混合)。これにより、多段階で混合された、検体と第1および第2の試薬との混合液を得る。混合部916内の混合液は、上記したような光学測定により検査・分析に供される。
以上に示すような流体回路構造を有する本実施形態のマイクロチップによっても上記第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。
本実施形態のマイクロチップは、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変形を施すことができる。たとえば、図10に示されるように、領域Mに試薬トラップ壁920を設けてもよい。試薬トラップ壁920を設けることにより、計量された第1の試薬の全量が確実に検体と混合されることが保証されるため、マイクロチップを用いた検査・分析の信頼性をさらに向上させることができる。すなわち、図9を参照して、マイクロチップに対して下向きの遠心力を印加して第1の試薬計量部905にて第1の試薬を計量した後、左向きの遠心力を印加を印加して、検体を計量するとともに、計量した第1の試薬を領域Mに移動させ、ついで、再度、下向きの遠心力を印加して、第1の試薬計量部905にて計量された検体と計量された第1の試薬とを混合するが、この際、試薬トラップ壁920を設けない場合には、第1の試薬計量部905の容量は、計量された第1の試薬の体積と同じであるため、計量された検体および/または計量された第1の試薬の幾分か(計量された検体と同量)は、第1の試薬用廃液溜め908に流出することとなる。これにより、計量された第1の試薬および/または計量された検体の全量が混合されないこととなり、このことは検査・分析結果に影響を及ぼし得る。
一方、試薬トラップ壁920を設けると、第1の試薬計量部905にて計量された検体と計量された第1の試薬とを混合するために下向きの遠心力を印加すると、図10に示される第1の試薬Yが残存する。したがって、第1の試薬計量部905にて得られる混合液の体積は、第1の試薬計量部905の容量を超えないため、検体や第1の試薬が第1の試薬用廃液溜め908に流出することはない。残存した第1の試薬Yと混合液との混合は、図9に示されるマイクロチップの流体処理と同様に、次に左向きの遠心力を印加することにより行なうことができる。すなわち、残存した第1の試薬Yと、第1の試薬計量部905にて得られた混合液とは、左向きの遠心力の印加により、領域Mにて混合される。
このように、試薬トラップ壁920を設けて、第1の試薬を多段階で混合することにより、計量された第1の試薬の全量と計量された検体の全量とを確実に混合することが可能となる。
本実施形態のマイクロチップに適用可能なその他の変形については、上記第1の実施形態と同様である。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
2中心タイプのマイクロチップにおける多段階混合(反応)を行なうことが可能な流体回路構造を示す概略図である。 本発明の好ましい一例のマイクロチップを構成する第1の基板(表面に溝を有する基板)を示す概略上面図である。 本発明の別の好ましい一例のマイクロチップを構成する第1の基板(表面に溝を有する基板)を示す概略上面図である。 本発明の別の好ましい一例のマイクロチップを構成する第1の基板(表面に溝を有する基板)を示す概略上面図である。 本発明の別の好ましい一例のマイクロチップを構成する第1の基板(表面に溝を有する基板)を示す概略上面図である。 本発明の別の好ましい一例のマイクロチップを構成する第1の基板(表面に溝を有する基板)を示す概略上面図である。 本発明の別の好ましい一例のマイクロチップを構成する第1の基板(表面に溝を有する基板)を示す概略上面図である。 本発明の別の好ましい一例のマイクロチップを構成する第1の基板(表面に溝を有する基板)を示す概略上面図である。 本発明の別の好ましい一例のマイクロチップを構成する第1の基板(表面に溝を有する基板)を示す概略上面図である。 本発明の別の好ましい一例のマイクロチップを構成する第1の基板(表面に溝を有する基板)を示す概略上面図である。
符号の説明
101,201,901 検体導入部、102 遠心分離部、103,203,903 第1の試薬保持部、104,204,904 第2の試薬保持部、105,205,905 第1の試薬計量部、106,206,906 第2の試薬計量部、107 第1の検体用廃液溜め、108,208,908 第1の試薬用廃液溜め、109,209,909 第2の試薬用廃液溜め、110,210,910 検体計量部、111 第2の検体用廃液溜め、112 第1の待機部、113 第2の待機部、114 第1の混合部、115 第3の待機部、116 第2の混合部、117,217 検出部、200,900 第1の基板、211,911 検体用廃液溜め、216 混合部、218 待機部、220 遠心分離部、221 第1室、222 第2室、230 廃液溜め、920 試薬トラップ壁。

Claims (6)

  1. 基板表面に溝を備える第1の基板と、第2の基板とを貼り合わせてなる、前記溝と前記第2の基板の貼り合わせ面とから構成される流体回路を内部に有するマイクロチップであって、
    前記流体回路は、
    流体回路内に検体を導入するための検体導入部、
    前記検体を計量するための検体計量部、
    前記検体計量部から溢れ出る検体を収容するための検体用廃液溜め、
    第1の試薬および第2の試薬をそれぞれ収容するための第1の試薬保持部および第2の試薬保持部、
    前記第1の試薬および第2の試薬をそれぞれ計量するための第1の試薬計量部および第2の試薬計量部、
    前記第1の試薬計量部および第2の試薬計量部から溢れ出る試薬をそれぞれ収容するための第1の試薬用廃液溜めおよび第2の試薬用廃液溜め、ならびに、
    前記第2の試薬を用いた混合を行なうための混合部、
    を備え、
    同一平面内に反時計回りに配置された点A、B、CおよびDによって囲まれる領域内にマイクロチップを配置したときに、次の(a)〜(i)を満たすマイクロチップ。
    (a)流体回路内において前記検体計量部は、点Aに対し、前記検体導入部よりも遠い位置に配置される。
    (b)流体回路内において前記検体用廃液溜めは、点Aに対し、前記検体計量部よりも遠い位置に配置される。
    (c)流体回路内において前記第1の試薬計量部は、点Bに対し、前記検体計量部よりも遠い位置に配置される。
    (d)流体回路内において前記第1の試薬用廃液溜めは、点Aに対し、前記第1の試薬計量部よりも遠い位置に配置される。
    (e)流体回路内において前記第1の試薬保持部は、点Bに対し、前記第1の試薬計量部よりも近い位置に配置される。
    (f)流体回路内において前記混合部は、点Cに対し、前記第1の試薬計量部よりも遠い位置に配置される。
    (g)流体回路内において前記第2の試薬計量部は、点Cに対し、前記混合部よりも近い位置に配置される。
    (h)流体回路内において前記第2の試薬保持部は、点Bに対し、前記第2の試薬計量部よりも近い位置に配置される。
    (i)流体回路内において前記第2の試薬用廃液溜めは、点Aに対し、前記第2の試薬計量部よりも遠い位置に配置される。
    ここで、前記点Bは、点Bとマイクロチップ中心を結ぶ直線が、前記点Aとマイクロチップ中心を結ぶ直線と直交するように配置される。前記点Cは、点Cとマイクロチップ中心を結ぶ直線が、前記点Bとマイクロチップ中心を結ぶ直線と直交するように配置される。また、前記点Dは、点Dとマイクロチップ中心を結ぶ直線が、前記点Cとマイクロチップ中心を結ぶ直線と直交するように配置される。
  2. 請求項1に記載のマイクロチップにおいて、前記第1の試薬保持部と前記第1の試薬計量部とは同一の部位であるマイクロチップ。
  3. 第3の基板と、基板両面に溝を備える第1の基板と、第2の基板とを貼り合わせてなる請求項1または2に記載のマイクロチップ。
  4. 基板表面に溝を備える第1の基板と、第2の基板とを貼り合わせてなる、前記溝と前記第2の基板の貼り合わせ面とから構成される流体回路を内部に有するマイクロチップであって、
    前記流体回路は、
    流体回路内に検体を導入するための検体導入部、
    前記検体を計量するための検体計量部、
    前記検体計量部から溢れ出る検体を収容するための検体用廃液溜め、
    第1の試薬および第2の試薬をそれぞれ収容するための第1の試薬保持部および第2の試薬保持部、
    前記第1の試薬および第2の試薬をそれぞれ計量するための第1の試薬計量部および第2の試薬計量部、
    前記第1の試薬計量部および第2の試薬計量部から溢れ出る試薬をそれぞれ収容するための第1の試薬用廃液溜めおよび第2の試薬用廃液溜め、ならびに、
    前記第2の試薬を用いた混合を行なうための混合部、
    を備え、
    同一平面内に反時計回りに配置された点A’、B’、C’およびD’によって囲まれる領域内にマイクロチップを配置したときに、次の(a’)〜(i’)を満たすマイクロチップ。
    (a’)流体回路内において前記検体計量部は、点A’に対し、前記検体導入部よりも遠い位置に配置される。
    (b’)流体回路内において前記検体用廃液溜めは、点A’に対し、前記検体計量部よりも遠い位置に配置される。
    (c’)流体回路内において前記第1の試薬計量部は、点B’に対し、前記検体計量部よりも遠い位置に配置される。
    (d’)流体回路内において前記第1の試薬用廃液溜めは、点B’に対し、前記第1の試薬計量部よりも遠い位置に配置される。
    (e’)流体回路内において前記第1の試薬保持部は、点B’に対し、前記第1の試薬計量部よりも近い位置に配置される。
    (f’)流体回路内において前記混合部は、点A’に対し、前記第1の試薬計量部よりも遠い位置に配置される。
    (g’)流体回路内において前記第2の試薬計量部は、点A’に対し、前記混合部よりも近い位置に配置される。
    (h’)流体回路内において前記第2の試薬保持部は、点B’に対し、前記第2の試薬計量部よりも近い位置に配置される。
    (i’)流体回路内において前記第2の試薬用廃液溜めは、点B’に対し、前記第2の試薬計量部よりも遠い位置に配置される。
    ここで、前記点B’は、点B’とマイクロチップ中心を結ぶ直線が、前記点A’とマイクロチップ中心を結ぶ直線と直交するように配置される。前記点C’は、点C’とマイクロチップ中心を結ぶ直線が、前記点B’とマイクロチップ中心を結ぶ直線と直交するように配置される。また、前記点D’は、点D’とマイクロチップ中心を結ぶ直線が、前記点C’とマイクロチップ中心を結ぶ直線と直交するように配置される。
  5. 請求項4に記載のマイクロチップにおいて、前記第1の試薬保持部と前記第1の試薬計量部とは同一の部位であるマイクロチップ。
  6. 第3の基板と、基板両面に溝を備える第1の基板と、第2の基板とを貼り合わせてなる請求項4または5に記載のマイクロチップ。
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