JP2009156682A - 封止用フィルム付きマイクロチップ - Google Patents

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Abstract

【課題】内蔵された試薬の劣化や検査・分析を妨害し得る成分の混入が防止された試薬内蔵型マイクロチップを提供する。
【解決手段】試薬を保持する試薬保持部を内部に備え、該試薬保持部まで貫通する、試薬を注入するための1または複数の貫通口を表面に有するマイクロチップにおける、該貫通口を有する表面上に、貫通口を封止するための封止用フィルムを貼合してなる封止用フィルム付きマイクロチップであって、該封止用フィルムは、マイクロチップ側表面における、貫通口と重なる領域または該領域の一部の表面に粘着剤層を有しない封止用フィルム付きマイクロチップである。
【選択図】図5

Description

本発明は、DNA、タンパク質、細胞、免疫および血液等の生化学検査、化学合成ならびに、環境分析などに好適に使用されるμ−TAS(Micro Total Analysis System)などとして有用なマイクロチップに関し、より詳しくは、検査等の対象となるサンプルと混合するための試薬を、あらかじめマイクロチップ内に内蔵する試薬内蔵型マイクロチップに関する。
近年、医療や健康、食品、創薬などの分野で、DNA(Deoxyribo Nucleic Acid)や酵素、抗原、抗体、タンパク質、ウィルスおよび細胞などの生体物質、ならびに化学物質を検知、検出あるいは定量する重要性が増してきており、それらを簡便に測定できる様々なバイオチップおよびマイクロ化学チップ(以下、これらを総称してマイクロチップと称する。)が提案されている。
マイクロチップはその内部に流体回路を有しており、検査・分析の対象となる検体(たとえば、血液等)を処理するための、あるいは検体と反応させるための試薬をあらかじめ内蔵する試薬内蔵型マイクロチップにあっては、該流体回路は、たとえば試薬を保持する試薬保持部、検体や試薬を計量する計量部、検体と試薬とを混合する混合部、混合液について分析および/または検査するための検出部などの各部位と、これら各部を適切に接続する微細な流路(たとえば、数百μm程度の幅)とから主に構成される(内部に流体回路を有するマイクロチップの一例として、たとえば特許文献1参照)。
このような流体回路を有するマイクロチップは、実験室で行なっている一連の実験・分析操作を、数cm角で厚さ数mm程度のチップ内で行なえることから、検体および試薬が微量で済み、コストが安く、反応速度が速く、ハイスループットな検査ができ、検体を採取した現場で直ちに検査結果を得ることができるなど多くの利点を有し、たとえば血液検査等の生化学検査用などとして好適に用いられている。
試薬内蔵型マイクロチップは、通常、その表面に上記試薬保持部まで貫通する試薬注入口を有しており、マイクロチップ製造段階等で、当該試薬注入口から試薬をあらかじめ導入しておくが、試薬の漏れ出しや蒸発を防止するために、この試薬注入口は、何らかの手段で封止される必要がある。
ここで、たとえば飲料水等の食料品、化粧水、薬品などの液体の封止方法として、アウトガスや溶出等のおそれがないプラスチックフィルムからなるヒートシールによる封止方法が一般的に行なわれている。ヒートシールを用いた封止方法によれば、接着剤や粘着剤を使用しないため、アウトガスや溶出等による内容物の劣化を防止または抑制することが可能である。ヒートシールにより封止されている食料品、化粧水、薬品などの液体の体積は、通常、数mL以上であり、熱容量が大きいため、ヒートシール時の熱負荷により封止された液体が劣化するという問題は生じにくい。
しかし、マイクロチップに封入される試薬の体積は、上記の場合と比べて非常に少ないのが通常であり(たとえば数μL〜数十μL)、ヒートシールによる封止方法を用いた場合、ヒートシール時に加えられる熱負荷によって試薬の温度が上昇し、試薬が劣化するおそれがある。
特開2007−17342号公報
熱を加えない封止方法として、粘着剤を用いて封止用フィルムを貼合する方法が考えられる。しかし、粘着剤は、高分子が絡み合ったゲル状の流動性を有する材料であり、試薬との接触により、粘着剤中の成分が溶出する可能性がある。封止された試薬中に粘着剤からの溶出成分が混入すると、試薬が劣化するか、または検査・分析が溶出成分によって妨害され、正確で信頼性の高い検査・分析を行なえなくなる。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、その目的は、内蔵された試薬の劣化や検査・分析を妨害し得る成分の混入が防止された試薬内蔵型マイクロチップを提供することである。
本発明は、試薬を保持する試薬保持部を内部に備え、該試薬保持部まで貫通する、試薬を注入するための1または複数の貫通口を表面に有するマイクロチップにおける、該貫通口を有する表面上に、貫通口を封止するための封止用フィルムを貼合してなる封止用フィルム付きマイクロチップであって、該封止用フィルムは、マイクロチップ側表面における、貫通口と重なる領域または該領域の一部の表面に粘着剤層を有しない封止用フィルム付きマイクロチップである。
本発明の封止用フィルム付きマイクロチップは、試薬を注入するための複数の貫通口を有していてもよく、この場合、該封止用フィルムは、複数の貫通口と重なる各領域または該各領域の一部の表面に粘着剤層を有しないことが好ましい。
また、貫通口と重なる領域に存在する粘着剤層を有しない部分の面積は、その貫通口の断面積より大きいことが好ましい。
本発明の封止用フィルム付きマイクロチップによれば、試薬注入口の封止が、熱を加えることなく行なわれているため、試薬保持部に内蔵された試薬は、熱による悪影響(劣化等)を受けない。また、封止用フィルムの貼合は、圧力の印加のみによりなされ得るため、ヒートシールによる封止の場合のようにヒータや超音波発振器などを要せず、封止装置を簡略化できる。さらに、試薬と粘着剤との接触を回避または抑制できるため、粘着剤中の成分が溶出し、試薬に混入することを防ぐことができる。したがって、本発明の封止用フィルム付きマイクロチップによれば、正確かつ信頼性の高い検査・分析を行なうことができる。
本発明の封止用フィルム付きマイクロチップは、内部に流体回路を有するマイクロチップ本体と、その表面上に貼合される、試薬を注入するための貫通口(試薬注入口)を封止するための封止用フィルムから構成される。試薬注入口は、後述する試薬保持部まで貫通している。本発明の封止用フィルム付きマイクロチップは、マイクロチップ本体の内部に形成された流体回路の一部としての試薬を保持するための試薬保持部に、試薬注入口から試薬を注入した後、当該試薬注入口の開口を封止用フィルムで封止することにより完成される。ここで、試薬とは、該マイクロチップを用いて行なわれる検査・分析の対象となる検体(たとえば、血液等)を処理する、あるいは検体と反応させるための物質であり、典型的には、溶液状等の液体である。また、検体とは、流体回路内に導入される検査・分析の対象となる試料自体(たとえば血液)または、マイクロチップ内において当該試料から分離された特定成分(たとえば血液から分離された血漿成分)を意味する。
本発明のマイクロチップは、典型的には、これに遠心力を印加可能な装置に載置して使用される。すなわち、マイクロチップに適切な方向の遠心力を印加することにより、検体および試薬の計量、混合等が行なわれ、混合液中の特定成分の検出がなされる。
本発明のマイクロチップが有する流体回路は、少なくとも試薬を保持するための試薬保持部を備えている。マイクロチップ本体表面には、この試薬保持部まで貫通する試薬注入口が設けられており、試薬を試薬保持部に充填可能となっている。流体回路は、試薬保持部のほか、特に限定されるものではないが、典型的には、当該試薬および注入された検体を計量するための各計量部、計量された試薬と検体とを混合するための混合部、ならびに得られた混合液について検査・分析を行なうための検出部などを備える。必要に応じてその他の部位が設けられることもある。
上記各部位は、マイクロチップへの遠心力の印加により、検体や試薬の計量、検体と試薬との混合、得られた混合液の検査・分析等を順次行なうことができるように、適切な位置に配置され、かつ微細な流路を介して適切に接続されている。なお、上記混合液の検査・分析(たとえば、混合液中の特定の対象成分の検出)は、たとえば検出部に光を照射して、出射される光の強度などを検出する、検出部に保持された混合液についての吸収スペクトルを測定する等の光学的測定により行なわれるが、これに限定されるものではない。
本発明の封止用フィルム付きマイクロチップのマイクロチップ本体は、1つの好ましい態様において、基板表面に溝を備える第1の基板と、第2の基板とを貼り合わせてなる。かかるマイクロチップ本体は、その内部に、第1の基板表面に設けられた溝と第2の基板における第1の基板側表面(第2の基板の貼り合わせ面)とから構成される空洞部からなる流体回路を備える。また、本発明のマイクロチップは、別の好ましい態様において、第1の基板と、基板の両面に設けられた溝を備える第2の基板と、第3の基板とをこの順で貼り合わせてなる。かかる3枚の基板からなるマイクロチップは、第1の基板における第2の基板側表面および第2の基板における第1の基板側表面に設けられた溝から構成される第1の流体回路と、第3の基板における第2の基板側表面および第2の基板における第3の基板側表面に設けられた溝から構成される第2の流体回路と、の2層の流体回路を備えている。ここで、2層とは、マイクロチップの厚み方向に関して異なる2つの位置に流体回路が設けられていることを意味する。第1の流路と第2の流路とは、第1の基板に形成された厚み方向に貫通する1または2以上の貫通穴によって連結されていてもよい。
マイクロチップ本体を構成する各基板の材質は、特に制限されず、たとえば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリカーボネート(PC)、ポリスチレン(PS)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリアリレート樹脂(PAR)、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン樹脂(ABS)、塩化ビニル樹脂(PVC)、ポリメチルペンテン樹脂(PMP)、ポリブタジエン樹脂(PBD)、生分解性ポリマー(BP)、シクロオレフィンポリマー(COP)、ポリジメチルシロキサン(PDMS)などの有機材料;シリコン、ガラス、石英などの無機材料等を用いることができる。
第1の基板表面に、流体回路を構成する溝を形成する方法としては、特に制限されず、転写構造を有する金型を用いた射出成形法、インプリント法などを挙げることができる。無機材料を用いて基板を形成する場合には、エッチング法などを用いることができる。
本発明の封止用フィルム付きマイクロチップの大きさは、特に制限されず、縦横数cm程度、厚さ数mm〜1cm程度とすることができる。
以下、実施の形態を示して本発明を詳細に説明する。図1は、本発明に係るマイクロチップ本体の一例を示す外形図であり、図1(a)は上面図、図1(b)は側面図、図1(c)は下面図である。図1に示されるマイクロチップ本体100は、第1の基板101、第2の基板102および第3の基板103をこの順で貼り合わせてなる(図1(b)参照)。第1の基板101には、その厚み方向に貫通する試薬注入口110(本実施形態において合計11個)および検査・分析の対象となる検体をマイクロチップ流体回路内に導入するための検体導入口120が形成されている。各試薬注入口110から試薬を導入した後、マイクロチップ本体100の第1の基板101側表面上に試薬注入口を封止するための封止用フィルムを貼合することにより封止用フィルム付きマイクロチップを得る。
第2の基板102には、その両面に形成された溝および厚み方向に貫通する貫通孔が形成されており、これに第1の基板101および第3の基板103を貼り合わせることによって、マイクロチップ本体内部に2層の流体回路が形成されている。これら2つの流体回路は、第2の基板102に形成された貫通孔によって連通している。なお、本実施形態において、第1の基板101および第3の基板103を透明基板、第2の基板102を黒色基板としているが、これに限定されるものではない。
図2および図3に、それぞれ第2の基板102の上面図および下面図を示す。図2は、第2の基板102の上側(第1の基板101側)流体回路を示しており、図3は、下側(第3の基板103側)流体回路を示している。なお、図3では、図3に示される上側流体回路との対応関係が明確に把握できるよう、左右反転させた状態で第2の基板の下側流体回路を示している。本実施形態のマイクロチップ本体100は、1つの検体について6項目の検査・分析を行なうことができる多項目チップであり、その流体回路は、6項目の検査・分析を行なうことができるよう、6つのセクション(図2におけるセクション1〜6)に分けられている(ただし、検体計量部設置領域(下側流体回路上部領域)においてこれらは互いに接続されている)。各セクションには、試薬が内蔵された試薬保持部が1つまたは2つ設けられている(図2における試薬保持部301a、301b、302a、302b、303a、303b、304a、304b、305a、305bおよび306aの合計11個)。図1における検体導入口120から導入された検体は、血球成分が分離除去された後、各セクションに分配されるとともに計量されると、別途計量された各セクション内の1種または2種の試薬と混合されて、それぞれ検出部311、312、313、314、315、316に導入される。各セクションの各検出部に導入された混合液は、たとえば、マイクロチップ表面と略垂直な方向から検出部に光を照射し、その透過光の透過率を測定する等の光学的測定に供され、該混合液中の特定成分の検出等がなされる。これら一連の処理は、マイクロチップに対して適切な方向の遠心力を印加することにより、試薬、検体またはこれらの混合液を、各セクションに設けられた2層の流体回路内の各部位へ適切な順序で移動させていくことにより行なわれる。マイクロチップへの遠心力の印加は、たとえばマイクロチップを載置するためのマイクロチップ搭載部を有する遠心装置に載置して行なうことができる。
上記各セクションには、その下側流体回路内に、検体を計量する検体計量部(図3における検体計量部401、402、403、404、405、406の合計6個)および試薬を計量する試薬計量部(図3における試薬計量部411a、411b、412a、412b、413a、413b、414a、414b、415a、415bおよび416aの合計11個)が設けられている。各検体計量部は、流路によって直列的に接続されている(図3参照)。また、本発明のマイクロチップにおいては、図2に示されるように、計量時において検体計量部から溢れ出た検体を収容するための溢出検体収容部330および計量時において試薬計量部から溢れ出た試薬を収容するための溢出試薬収容部331a、331b、332a、332b、333a、333b、334a、334b、335a、335bおよび336aが設けられている。なお、溢出検体収容部330は、流路16a(図3参照)、厚み方向に貫通する貫通穴26aおよび流路16b(図2参照)を介して検体計量部406に接続されている。また、各溢出試薬収容部は、対応する各試薬計量部に、流路および貫通穴を介して接続されている。たとえば、セクション1において、試薬保持部301a内に収容される試薬を計量するための試薬計量部411aと、溢れ出た試薬を収容する溢出試薬収容部331aとは、流路11a(図3参照)、厚み方向に貫通する貫通穴21aおよび流路11b(図2参照)を介して接続されている。他の溢出試薬収容部についても同様である。
図4は、図1に示されるマイクロチップ本体100に貼合される封止用フィルムの一例を示す上面図である。本発明において用いられる封止用フィルムは、基材フィルム上に粘着剤層を形成してなるものであり、図4は、封止用フィルム150の粘着剤層側表面を示している。図4に示されるように、封止用フィルム150は、基材フィルム153(図4において図示せず)上に粘着剤をパターン状に塗工してなる。すなわち、封止用フィルム150を図1に示されるマイクロチップ本体100の第1の基板101側表面に貼合した際に、試薬注入口110と重なる領域(図4における粘着剤層を有しない部分152)の表面には粘着剤層を形成せず、それら以外の部分にのみ粘着剤層151を形成している。このように、パターン状に粘着剤層を形成することにより、試薬保持部に内蔵された試薬と粘着剤層との接触を回避することができるため、粘着剤中の成分が溶出し、試薬に混入することを防ぐことができる。
図5は、封止用フィルム150をマイクロチップ本体100に貼合した状態を模式的に示す断面図である。図5に示されるように、各粘着剤層を有しない部分152は、少なくとも、試薬注入口110の開口全体を覆うことが好ましく、具体的には、粘着剤層を有しない部分152の面積は、その直下にある試薬注入口110の断面積(開口面積)より大きいことが好ましい。これにより、封止用フィルム150を圧着によりマイクロチップ本体100に貼合した際、粘着剤層151が粘着剤層を有しない部分152へ広がった場合であっても、粘着剤と試薬保持部301内に収容された試薬Xとの接触を回避することが可能となる。また、マイクロチップの輸送などの何らかの事情により、試薬保持部301内の試薬Xが試薬注入口110方向へ飛び出す場合における、粘着剤と試薬Xとの接触の可能性が低減される。さらに、粘着剤層を有しない部分152の面積をより大きくし、マージンを設けることにより、マイクロチップ本体100との貼合時における試薬注入口110との位置合わせを容易にすることができる。マージン幅は、特に制限されず、たとえば、0.1〜2mm程度とすることができる。
基材フィルム153の材質は、特に制限されず、たとえばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレートなどの樹脂を用いることができる。基材フィルム153の厚みは、たとえば10〜100μm程度である。また、粘着剤層151を構成する粘着剤としては、従来公知のものを用いることができ、たとえばアクリル系粘着剤を好適なものとして挙げることができる。粘着剤層151の厚みは、たとえば10〜20μm程度である。
基材フィルム153上に粘着剤層151を形成する方法としては、従来公知の方法を用いることができ、たとえば、スクリーン印刷などが好適である。
なお、本発明において用いられる封止用フィルムは、図4に示される態様に限定されるものではなく、種々の変形を施すことが可能である。たとえば、粘着剤層を有しない部分の形状は特に制限されず、試薬注入口と同様の形状であってもよく、あるいはこれと異なる形状であってもよい。
粘着剤層を有しない部分は必ずしも試薬注入口の開口全体を覆う必要はなく、その一部であってもよい。また、マイクロチップ本体が複数の試薬注入口を有する場合において、封止用フィルムは、それら試薬注入口の全てに対応する粘着剤層を有しない部分を備えている必要はなく、複数の試薬注入口のうち、いずれか1以上の試薬注入口に対応する粘着剤層を有しない部分を備えていればよい。ただし、粘着剤と試薬との接触をより効果的に回避するためには、封止用フィルムは、全ての試薬注入口に対応する粘着剤層を有しない部分を備えていることが好ましく、また、それぞれの粘着剤層を有しない部分は、試薬注入口の開口全体を少なくとも覆うことが好ましい。
以下、実施例を挙げて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
<実施例1>
図1〜3に示されるマイクロチップ本体の試薬保持部の1つに、血糖値(Glu)検査用試薬を25μL導入した後、図4に示される封止用フィルムを圧着により貼合して封止用フィルム付きマイクロチップを得た。なお、封止用フィルムの基材フィルムはポリエチレンテレフタレートからなり(厚さ:50μm)、粘着剤層(厚み:12μm)はアクリル系粘着剤からなる。また、試薬注入口の開口形状は円形であり、その直径は2.0mmである。封止用フィルムにおける粘着剤層を有しない部分の形状も円形であり、その直径は4mmとした。
上記封止用フィルム付きマイクロチップの第1の基板側(封止用フィルム側)を底面として載置し、温度4℃で19日間保存した。その後、試薬保持部内の試薬を取り出し、吸収スペクトルを測定し、新品の血糖値(Glu)検査用試薬のスペクトルと比較した。その結果、試薬保持部内で保存されていた試薬の吸収スペクトルは、新品のものとほとんど変化がないことがわかった。これにより、本発明の封止用フィルム付きマイクロチップによれば、試薬保持部内で長期間保存した場合であっても、試薬の劣化が起こりにくいことがわかる。
一方、上記封止用フィルムを、上記血糖値(Glu)検査用試薬に浸漬し、温度4℃で80日間保存したところ、吸収スペクトルのパターンが大きく変化し、粘着剤の溶出により、試薬の劣化が起こっていることが確認された。
今回開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明に係るマイクロチップ本体の一例を示す外形図である。 本発明に係るマイクロチップ本体の第2の基板の一例を示す上面図である。 本発明に係るマイクロチップ本体の第2の基板の一例を示す下面図である。 本発明において用いられる封止用フィルムの一例を示す上面図である。 封止用フィルムをマイクロチップ本体に貼合した状態の一例を模式的に示す断面図である。
符号の説明
100 マイクロチップ本体、101 第1の基板、102 第2の基板、103 第3の基板、110 試薬注入口、120 検体導入口、150 封止用フィルム、151 粘着剤層、152 粘着剤層を有しない部分、153 基材フィルム、301a,301b,302a,302b,303a,303b,304a,304b,305a,305b,306a 試薬保持部、311,312,313,314,315,316 検出部、330 溢出検体収容部、331a,331b,332a,332b,333a,333b,334a,334b,335a,335b,336a 溢出試薬収容部、401,402,403,404,405,406 検体計量部、411a,411b,412a,412b,413a,413b,414a,414b,415a,415b,416a 試薬計量部、11a,11b,16a,16b 流路、21a,26a 貫通穴。

Claims (3)

  1. 試薬を保持する試薬保持部を内部に備え、前記試薬保持部まで貫通する、前記試薬を注入するための1または複数の貫通口を表面に有するマイクロチップにおける、前記貫通口を有する表面上に、前記貫通口を封止するための封止用フィルムを貼合してなる封止用フィルム付きマイクロチップであって、
    前記封止用フィルムは、前記マイクロチップ側表面における、前記貫通口と重なる領域または該領域の一部の表面に粘着剤層を有しない、封止用フィルム付きマイクロチップ。
  2. 前記マイクロチップは、前記試薬を注入するための複数の貫通口を有し、
    前記封止用フィルムは、前記複数の貫通口と重なる各領域または該各領域の一部の表面に粘着剤層を有しない、請求項1に記載の封止用フィルム付きマイクロチップ。
  3. 前記貫通口と重なる領域に存在する粘着剤層を有しない部分の面積は、その貫通口の断面積より大きい請求項1または2に記載の封止用フィルム付きマイクロチップ。
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