JP2008101984A - 計量部を有するチップおよびこれを用いた液体試料の計量方法 - Google Patents

計量部を有するチップおよびこれを用いた液体試料の計量方法 Download PDF

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俊 百瀬
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Abstract

【課題】異なる液量の液体試料を計量することができる計量部を有するチップおよびこれを用いた液体試料の計量方法を提供する。
【解決手段】遠心力を利用して液体試料を計量するための計量部を有するチップであって、該計量部は、液体試料導入口および液体試料排出口を有する計量部本体と、2以上の廃液収納部とを含み、該廃液収納部は、第1の空気孔と、第2の空気孔を有する廃液溜と、該第1の空気孔と該廃液溜とを接続する第1の流路と、から構成され、該廃液収納部の各々は、計量部本体の底部からの距離に関して異なる位置で、計量部本体に、第1の流路から延びる第2の流路を介して接続されていることを特徴とするチップ、およびこれを用いた液体試料の計量方法。
【選択図】図1

Description

本発明は、DNA、タンパク質、細胞または血液等の生化学検査に使用するバイオチップや化学合成または環境分析などに使用するμ−TAS(Micro Total Analysis System)などとして有用な、液体試料の計量を行なうための計量部を有するチップに関し、より詳しくは、異なる液量を計量することが可能な計量部を有するチップに関する。
内部に流体回路を有する小型チップ(以下、単にチップと称する。)は、実験室で行なっている一連の実験操作を、数cm角で厚さ数mm程度のチップ内で行なうことから、試料および試薬が微量で済み、コストが安く、反応速度が速く、ハイスループットな検査ができ、試料を採取した現場で直ちに検査結果を得ることができるなど多くの利点を有し、たとえば血液検査等の生化学検査用として好適に用いられている。
ここで、従来のチップの一例を示す。図8は、特許文献1に開示されている試料プロセッサ・カードの平面図である。図8において、血液試料は開口28から導入され、適切な方向の遠心力を印加することにより、試料保持室36に保持された後、試料分離室50に運ばれる。試料分離室50は、血液中の固体粒状物質を分離させるためのものである。次に、固体粒状物質が分離された血液試料は、適切な方向の遠心力のもと、試料保持室61に保持された後、試料計量室63にて計量される。計量時の過剰の血液試料は、溢流室65に溢流される。ついで、計量された血液試料は、反応試剤計量室54で計量された反応試剤と混合室60にて混合・反応し、該反応液はキュベット室62に移送されて光源および検出器を用いて分析、検査される。このように、試料計量室63や反応試剤計量室54のような計量部を有することで、正確な分析を行なうことを可能にする。
しかしながら、上記特許文献1に開示されるチップのように、従来のチップは、それが有する計量部の内容積に相当する一定の液量しか計量することができないのが通常であった。一方、たとえば血液の検査項目によって血液試料の必要量が異なるなど、必要な試料量は常に一定というわけではない。したがって、異なる量の試料を計量しようとする場合には、計量しようとする量に応じたあらたなチップをデザインし直さなければならず、また、異なる量の試料を計量しようとするたびに、異なる容積の計量部を有するチップと交換しなければならないという煩雑さがあった。
特許文献2には、マイクロチップに搭載できる程度に小型で、任意の量の液体を定量的に計量することのできる微量液体制御装置が提案されている。しかし、この装置にはパッシブバルブやガスポンプが用いられており、システムとして非常に複雑である。また、特許文献2に記載の微量液体制御装置は、マイクロチップに搭載して使用されるものであって、マイクロチップとは独立した装置であるため、マイクロチップ自体が計量機能を有しているわけではない。
米国特許第4,883,763号明細書 特開2006−23209号公報
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、その目的は、異なる液量の液体試料を計量することができる計量部を有するチップおよびこれを用いた液体試料の計量方法を提供することである。
本発明は、遠心力を利用して液体試料を計量するための計量部を有するチップであって、該計量部は、液体試料導入口および液体試料排出口を有する計量部本体と、2以上の廃液収納部と、を含み、該廃液収納部は、第1の空気孔と、第2の空気孔を有する廃液溜と、該第1の空気孔と該廃液溜とを接続する第1の流路と、から構成され、該廃液収納部の各々は、計量部本体の底部からの距離に関して異なる位置で、計量部本体に、第1の流路から延びる第2の流路を介して接続されていることを特徴とするチップを提供する。
また本発明は、遠心力を利用して液体試料を計量するための計量部を有するチップであって、該計量部は、第3の流路を介して連結された2以上の計量部本体を含み、該計量部本体のうち、一端に位置する計量部本体は、液体試料導入口および液体試料排出口を有し、該計量部本体の各々には、第1の空気孔と、第2の空気孔を有する廃液溜と、該第1の空気孔と該廃液溜とを接続する第1の流路と、から構成された廃液収納部が、第1の流路から延びる第2の流路を介して接続されていることを特徴とするチップを提供する。
ここで、計量部本体同士を連結する第3の流路の少なくとも一部と、廃液収納部と計量部本体とを接続する第2の流路とは、同一の流路であってもよい。また、2以上の計量部本体は略直線上に配置されていてもよい。
また、本発明は、上記いずれかのチップを用いた液体試料の計量方法であって、以下の工程(a)〜(c)を含むことを特徴とする液体試料の計量方法を提供する。(a)計量されるべき液体試料の体積に応じて、いずれか1つの廃液収納部の第1の空気孔および第2の空気孔のみを開とし、それ以外の第1の空気孔および第2の空気孔を閉とする工程、(b)第1の回転軸を中心とした回転による遠心力を利用して、液体試料をチップ内の計量部に液体試料導入口より導入する工程、(c)第2の回転軸を中心とした回転による遠心力を利用して、液体試料排出口より計量された液体試料を排出する工程。
上記工程(a)における第1の空気孔および第2の空気孔の開閉は、2つの穴を有するシールをチップ表面に貼り付けることによりなされるか、または閉とする第1の空気孔および第2の空気孔に栓をすることによりなされることが好ましい。
本発明のチップおよび液体試料の計量方法によれば、1つのチップで異なる液量を計量することができるため、計量しようとする量に応じたあらたなチップをデザインし直す必要がなく、また、異なる量の試料を計量しようとするたびに、異なる容積の計量部を有するチップと交換しなければならないという煩雑さが解消される。
本発明のチップは、特に限定されるものではないが、たとえば数cm角、厚さ数mm程度の板状であり、その内部に流体回路を有している。流体回路は、液体試料や液体試料との反応に用いる反応試剤を計量するための計量部のほか、通常、液体試料を流体回路内に導入するための試料導入部、反応試剤を貯留する反応試剤保持部、液体試料と反応試剤との混合および反応を行なう混合部、混合液中の対象成分の検出等が行なわれる検出部などの、適切な位置に配置された各部と、これらを連結する流路とから主に構成される。ただし、本発明のチップにおいては、計量部以外の上記された各部をすべて具備する必要はなく、上記各部のうち1つまたは複数部を有しない場合もある。
混合液中の対象成分の検出は、たとえば検出部に光を照射して、出射される光の強度などを検出すること等により行なわれる。典型的には、本発明のチップは、上記流体回路が形成された板状基板と、他の同サイズの板状基板とを、貼り合わせて形成される。
ここで、本発明に係るチップの大きな特徴は、その計量部が異なる複数の液量を計量可能なように構成されている点である。このような構成とすることにより、たとえば、異なる量を計量するたびに異なる容積の計量部を有するチップと交換しなければならないという煩雑さが解消される。以下、実施の形態を示して、本発明を詳細に説明する。
<第1の実施形態>
図1は、本発明の第1の実施形態のチップにおける計量部を模式的に示す平面図である。図1に示される計量部は、液体試料を計量する計量部本体103と、3つの廃液収納部104とから構成される。計量部本体103は、液体試料を計量部本体103に導入するための液体試料導入口101および計量された液体試料を計量部本体103から排出するための液体試料排出口102を有している。
廃液収納部104は、第1の空気孔105と、第2の空気孔106を有する廃液溜107と、該第1の空気孔105と該廃液溜107とを接続する第1の流路108とから構成されている。第1の空気孔105は、廃液収納部104の各々は、計量部本体103の底部からの距離に関して異なる位置(高さ)で計量部本体103に第2の流路109を介して接続されている。ここで、第2の流路109は、上記第1の流路108から延びている。すなわち、廃液収納部104と第2の流路109との接続点は、廃液収納部における第1の流路108上にある。
第1の空気孔105は、液ギレを良くして、上記流路内に液体試料が残らないようにするためのものであり、第1の空気孔がない場合、液がうまく切れず、流路内に残ったり、あるいは計量部本体103から必要以上の液体試料を廃液溜107に送ることになる。また、第2の空気孔106は、廃液溜107に流れ込む液体試料の容積に相当する空気をチップ外に排出し、適切に液体試料が廃液溜107に流れ込むようにするために設けられたものである。通常、第1の空気孔105は、廃液溜107より高い位置に形成される。また、廃液溜107に溢流された液体試料が漏れ出さないようにするため、第2の空気孔106は、廃液溜107内のより高い位置に形成される。なお、本明細書中において、位置が「より高い」とは、液体試料を導入する際に利用される遠心力を発生させるための回転の回転軸により近いことを意味する。これら第1の空気孔105および第2の空気孔106を介して流体回路内は大気、すなわちチップの外と接続されている。
以上のような構成の計量部を有する本実施形態のチップによれば、複数の異なる量を計量することが可能となる。具体的には、本実施形態において、各廃液収納部104は1組の空気孔、第1の空気孔105および第2の空気孔106を有しているが、3組の空気孔のうち、開口させる1組の空気孔を適宜選択することによって、異なる量を計量することが可能となる。すなわち、開口させる1組の空気孔を変更すると、計量部において計量される量が変化する。
なお、計量部本体103の形状は特に限定されるものでなく、計量する量を考慮して適宜選択されるものである。また、各廃液収納部104が接続される位置(計量部本体103の底部からの高さ)も特に限定されるものではなく、計量する量を考慮して適宜選択される。すなわち、計量部本体の形状や各廃液収納部の接続位置を変えることによって、計量される液体試料の量を適宜変更可能である。また、廃液収納部104は、図1においては3つ接続されているが、これに限られず、少なくとも2以上あればよい。廃液収納部104が1つであると、異なる量の液体試料を計量することができなくなる。さらに、図1においては、各廃液収納部104は、計量部本体103の側壁の同じ側(左側)に接続されているが、これに限られるものではなく、いずれかの廃液収納部104を計量部本体103の右側に接続するようにしてもよい。
第1の流路108および第2の流路109の内径は、十分に細いことが好ましく、具体的には50〜1000μm程度であることが好ましく、100〜300μm程度であることがより好ましい。
次に、図2を参照して、本実施形態のチップを用いた液体試料の計量方法を説明する。当該計量方法は、基本的に次の(a)〜(c)の工程を含む。
(a)計量されるべき液体試料の体積に応じて、いずれか1つの廃液収納部の第1の空気孔および第2の空気孔のみを開とし、それ以外の第1の空気孔および第2の空気孔を閉とする工程、
(b)第1の回転軸を中心とした回転による遠心力を利用して、液体試料をチップ内の計量部に液体試料導入口より導入する工程、
(c)第2の回転軸を中心とした回転による遠心力を利用して、液体試料排出口より計量された液体試料を排出する工程。
以下、各工程について詳細に説明する。まず、計量されるべき液体試料の体積に応じて、いずれか1つの廃液収納部の第1の空気孔および第2の空気孔のみを開とし、それ以外の第1の空気孔および第2の空気孔を閉とする(工程(a))。ここで、第1の空気孔および第2の空気孔の開閉は、2つの穴を有するシールを、開とする空気孔と当該2つの穴とが合うように、チップ表面に貼り付けることによりなされてもよく、または閉とする第1の空気孔および第2の空気孔に栓をすることによりなされてもよい。
次に、第1の回転軸を中心とした回転による遠心力を利用して、液体試料をチップ内の計量部に液体試料導入口101より導入する(工程(b))。第1の回転軸とは、たとえば図2(a)に示される回転軸Aのように、液体試料をチップの流体回路内に導入するための開口部(図示せず)から導入された液体試料が計量部本体103内に流れ込むことを可能にするような遠心力をもたらす回転軸である。チップへの遠心力の印加は、典型的にはチップを回転装置に載置してチップを回転させることにより行なう。このとき、工程(a)において、3つの廃液収納部104のうち、いずれの廃液収納部の第1の空気孔105および第2の空気孔106を開とするかにより、計量部において計量される液体試料の量が異なる。
たとえば、図2(a)に示されるように、最も高いところに位置する(すなわち、計量部本体103の底部からの距離が最も長い)廃液収納部104における第1の空気孔105および第2の空気孔106を開とし、かつそれ以外の廃液収納部104における空気孔を閉とした場合には、最も多い液量、すなわち図2(a)に示される容積V1、V2およびV3の合計量を計量することができる。なお、計量される量を超える過剰な液体試料は、第2の流路109を介して廃液溜107に溢流される。また、図2(b)に示されるように、上から2つ目の廃液収納部104における第1の空気孔105および第2の空気孔106を開とし、かつそれ以外の廃液収納部104における空気孔を閉とした場合には、中程度の液量、すなわち図2(b)に示される容積V2およびV3の合計量を計量することができる。図2(c)に示されるように、最も低いところに位置する廃液収納部104における第1の空気孔105および第2の空気孔106を開とし、かつそれ以外の廃液収納部104における空気孔を閉とした場合には、図2(c)に示される容積V3を計量することができる。
続く工程において、第2の回転軸を中心とした回転による遠心力を利用して、液体試料排出口102より計量された液体試料を排出する(工程(c))。第2の回転軸とは、たとえば図2(a)に示される回転軸Bのように、計量部本体103において計量された液体試料が計量部本体103外に排出されることを可能にするような遠心力をもたらす回転軸である。この際、廃液溜107に溢流した液体試料は、第2の回転軸を中心とした回転によっても廃液溜107に留まったままである。なお、計量部本体103から排出された液体試料は、チップ内の計量部とは異なる部分において、必要な処理に供される。たとえば、計量された液体試料は、混合部において反応試剤と混合される。
<第2の実施形態>
図3(a)および(b)は、本発明の第2の実施形態のチップにおける計量部を模式的に示す平面図である。以下では本実施形態に特徴的な部分のみを説明する。それ以外の点については上記第1の実施形態と同様である。図3(a)に示される計量部は、液体試料を計量するための3つの計量部本体302と、3つの廃液収納部308とから構成される。3つの計量部本体302のうち、一端に位置する計量部本体は、液体試料を計量部本体302に導入するための液体試料導入口303および計量された液体試料を計量部本体302から排出するための液体試料排出口304を有している。3つの計量部本体302は、第3の流路301を介して連結され、各廃液収納部308は、第2の流路309を介して計量部本体302に接続されている。廃液収納部308は、上記第1の実施形態と同様に、第1の空気孔305と、第2の空気孔306を有する廃液溜307と、該第1の空気孔305と該廃液溜307とを接続する第1の流路310とから構成されている。このような図3(a)に示される構造は、上記第1の実施形態の変形例とみることができる。すなわち、本実施形態の計量部本体は、第1の実施形態の計量部本体を、第3の流路301を介して連結された3つの計量部本体に分割したものとみることができる。
ここで、各計量部本体302の形状は特に限定されるものでなく、計量する量を考慮して適宜選択されるものである。計量部本体302および廃液収納部308の数は、図3(a)においては3つであるが、これに限定されず、少なくとも2以上あればよい。また、各廃液収納部308が接続される位置は、図3(a)に示されるように、第3の流路301の接続位置より高い位置であってもよく、あるいはそれより低い位置とすることも可能である。また、図3(a)においては、各廃液収納部308は、計量部本体302の側壁の同じ側(左側)に接続されているが、これに限られるものではなく、いずれかの廃液収納部308を計量部本体302の右側に接続するようにしてもよい。さらに、図3(a)において各計量部本体302は、液体試料導入口303および液体試料排出口304を有する計量部本体が最も高い位置に配置され、他端の計量部本体が最も低い位置に配置されるような構成としているが、これらを略直線状に配置するようにしてもよい。
さらに、図3(a)に示される計量部は、たとえば図3(b)に示されるような変形がなされてもよい。すなわち、図3(b)の計量部は、図3(a)における右端の計量部本体と右から2つ目の計量部本体とを接続する第3の流路301が枝分かれしており、枝分かれした先で3つ目の計量部本体が接続されている。これは、右から2つ目の計量部本体と3つ目の計量部本体とが直接接続されている図3(a)の計量部とは異なる構造である。このような枝分かれを有する図3(b)の構成によっても本発明の目的は達成される。
次に、図4を参照して、本実施形態のチップを用いた液体試料の計量方法を説明するが、基本的には第1の実施形態と同様であり、工程(a)において、3つの廃液収納部308のうち、いずれの廃液収納部の第1の空気孔305および第2の空気孔306を開とするかにより、計量部において計量される液体試料の量が異なる。
たとえば図4(a)に示されるように、最も上に位置する(すなわち、最も高いところに位置する)廃液収納部308における第1の空気孔305および第2の空気孔306を開とし、かつそれ以外の廃液収納部308における空気孔を閉とした場合には、最も多少ない液量、すなわち図4(a)に示される容積V1を計量することができる。なお、計量される量を超える過剰な液体試料は、第2の流路309を介して廃液溜307に溢流される。また、図4(b)に示されるように、上から2つ目の廃液収納部308における第1の空気孔305および第2の空気孔306を開とし、かつそれ以外の廃液収納部308における空気孔を閉とした場合には、中程度の液量、すなわち図4(b)に示される容積V1’およびV2の合計量を計量することができる。図4(c)に示されるように、最も下に位置する(すなわち、最も低いところに位置する)廃液収納部308における第1の空気孔305および第2の空気孔306を開とし、かつそれ以外の廃液収納部308における空気孔を閉とした場合には、図4(c)に示される容積V1’、V2’およびV3の合計量を計量することができる。
<第3の実施形態>
図5は、本発明の第3の実施形態のチップにおける計量部を模式的に示す平面図である。以下では本実施形態に特徴的な部分のみを説明する。それ以外の点については上記第1の実施形態と同様である。図5に示される計量部は、液体試料を計量する3つの計量部本体502と、3つの廃液収納部508とから構成される。3つの計量部本体502のうち、一端に位置する計量部本体は、液体試料を計量部本体502に導入するための液体試料導入口503および計量された液体試料を計量部本体502から排出するための液体試料排出口504を有している。3つの計量部本体502は、第3の流路501を介して連結され、各廃液収納部508は、第2の流路509を介して各計量部本体502に接続されている。本実施形態の特徴は、第3の流路501の一部と、第2の流路509とが同一の流路であることである。すなわち、廃液収納部508を構成する第1の空気孔505および廃液溜507は、第3の流路501から分岐した第1の流路510を介して接続されている。このような構造は、上記第2の実施形態の変形例とみることもできる。
ここで、各計量部本体502の形状は特に限定されるものでなく、計量する量を考慮して適宜選択されるものである。計量部本体502および廃液収納部508の数は、図5においては3つであるが、これに限定されず、少なくとも2以上あればよい。また、図5において各計量部本体502は略直線状に配置されているが、図3の計量部のように液体試料導入口503および液体試料排出口504を有する計量部本体を最も高く、他端の計量部本体を最も低く配置するような構成としてもよい。
次に、図6を参照して、本実施形態のチップを用いた液体試料の計量方法を説明するが、基本的には第1の実施形態と同様であり、上記工程(a)において、3つの廃液収納部508のうち、いずれの廃液収納部の第1の空気孔505および第2の空気孔506を開とするかにより、計量部において計量される液体試料の量が異なる。
たとえば図6(a)に示されるように、最も右に位置する廃液収納部508における第1の空気孔505および第2の空気孔506を開とし、かつそれ以外の廃液収納部508における空気孔を閉とした場合には、最も多少ない液量、すなわち図6(a)に示される容積V1を計量することができる。なお、計量される量を超える過剰な液体試料は、第2の流路509を介して廃液溜507に溢流される。また、図6(b)に示されるように、右から2つ目の廃液収納部508における第1の空気孔505および第2の空気孔506を開とし、かつそれ以外の廃液収納部508における空気孔を閉とした場合には、中程度の液量、すなわち図6(b)に示される容積V1およびV2の合計量を計量することができる。図6(c)に示されるように、最も左に位置する廃液収納部508における第1の空気孔505および第2の空気孔506を開とし、かつそれ以外の廃液収納部508における空気孔を閉とした場合には、図6(c)に示される容積V1、V2およびV3の合計量を計量することができる。
以上のように、本発明のチップは計量部に特徴を有するが、流体回路の計量部以外の構造は、従来公知のものを採用することができる。図7は、本発明のチップの一例を模式的に示す平面図である。以下、図7を参照して、本発明のチップを用いた血液試料の検査方法を簡単に述べる。まず、全血、血しょう、血清等の血液試料が試料導入部701より流体回路内に導入される。導入された血液試料は、たとえば回転軸Cを中心した回転による遠心力によって、計量部702に運ばれ計量される。なお、図7に示される計量部702の構造は単に概念的に記載したものであって、実際には図1、図3または図5に示されるような構造を有する。本発明のチップにおいては、上記したように、どの空気孔を開とするかにより計量される量が異なる。ついで、計量された試料は、たとえば回転軸Dを中心した回転による遠心力によって、第1の混合部704に運ばれ、別方向の遠心力により第1の反応試剤保持部705から運ばれてきた反応試剤1と混合される。次に、該混合液は、第2の混合部706に運ばれ、別方向の遠心力により第1の反応試剤保持部707から運ばれてきた反応試剤2とさらに混合される。このようにして第2の混合部706において得られた混合液は、検出部708に導入され、該検出部708に光を照射し、出射される光の強度等を検出するなどの方法により、混合液内の対象成分の検出が行なわれる。なお、上記一連の操作途中において、別の操作が行なわれることがあってもよい。たとえば、試料導入部701と計量部702との間に血液分離部を設けたり、あるいは反応試剤保持部705と第1の混合部704との間に計量部を設けてもよい。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明の第1の実施形態のチップにおける計量部を模式的に示す平面図である。 本発明の第1の実施形態のチップを用いた液体試料の計量方法を説明する平面図である。 本発明の第2の実施形態のチップにおける計量部を模式的に示す平面図である。 本発明の第2の実施形態のチップを用いた液体試料の計量方法を説明する平面図である。 本発明の第3の実施形態のチップにおける計量部を模式的に示す平面図である。 本発明の第3の実施形態のチップを用いた液体試料の計量方法を説明する平面図である。 本発明のチップの一例を模式的に示す平面図である。 従来のチップの一例を示す平面図である。
符号の説明
101,303,503 液体試料導入口、102,304,504 液体試料排出口、103,302,502 計量部本体、104,308,508 廃液収納部、105,305,505 第1の空気孔、106,306,506 第2の空気孔、107,307,507 廃液溜、108,310,510 第1の流路、109,309,509 第2の流路、301,501 第3の流路。

Claims (6)

  1. 遠心力を利用して液体試料を計量するための計量部を有するチップであって、
    前記計量部は、液体試料導入口および液体試料排出口を有する計量部本体と、2以上の廃液収納部と、を含み、
    前記廃液収納部は、第1の空気孔と、第2の空気孔を有する廃液溜と、前記第1の空気孔と前記廃液溜とを接続する第1の流路と、から構成され、
    前記廃液収納部の各々は、前記計量部本体の底部からの距離に関して異なる位置で、前記計量部本体に、前記第1の流路から延びる第2の流路を介して接続されていることを特徴とする、チップ。
  2. 遠心力を利用して液体試料を計量するための計量部を有するチップであって、
    前記計量部は、第3の流路を介して連結された2以上の計量部本体を含み、
    前記計量部本体のうち、一端に位置する計量部本体は、液体試料導入口および液体試料排出口を有し、
    前記計量部本体の各々には、第1の空気孔と、第2の空気孔を有する廃液溜と、前記第1の空気孔と前記廃液溜とを接続する第1の流路と、から構成された廃液収納部が、前記第1の流路から延びる第2の流路を介して接続されていることを特徴とする、チップ。
  3. 前記計量部本体同士を連結する前記第3の流路の少なくとも一部と、前記廃液収納部と前記計量部本体とを接続する前記第2の流路とは、同一の流路であることを特徴とする請求項2に記載のチップ。
  4. 前記2以上の計量部本体は略直線上に配置されていることを特徴とする請求項2または3に記載のチップ。
  5. 請求項1〜4のいずれかのチップを用いた液体試料の計量方法であって、以下の工程(a)〜(c)を含むことを特徴とする、液体試料の計量方法。
    (a)計量されるべき液体試料の体積に応じて、いずれか1つの廃液収納部の第1の空気孔および第2の空気孔のみを開とし、それ以外の第1の空気孔および第2の空気孔を閉とする工程、
    (b)第1の回転軸を中心とした回転による遠心力を利用して、液体試料をチップ内の計量部に液体試料導入口より導入する工程、
    (c)第2の回転軸を中心とした回転による遠心力を利用して、液体試料排出口より計量された液体試料を排出する工程。
  6. 前記工程(a)における第1の空気孔および第2の空気孔の開閉は、2つの穴を有するシールをチップ表面に貼り付けることによりなされるか、または閉とする第1の空気孔および第2の空気孔に栓をすることによりなされる、請求項5に記載の液体試料の計量方法。
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