JP5137014B2 - マイクロチップ - Google Patents

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Description

本発明は、血液等の生化学検査、化学合成ならびに、環境分析などに好適に使用されるμ−TAS(Micro Total Analysis System)などとして有用なマイクロチップに関する。
近年、医療や健康、食品、創薬などの分野で、DNA(Deoxyribo Nucleic Acid)や酵素、抗原、抗体、タンパク質、ウィルスおよび細胞などの生体物質、ならびに化学物質を検知、検出あるいは定量する重要性が増してきており、それらを簡便に測定できる様々なバイオチップおよびマイクロ化学チップ(以下、これらを総称してマイクロチップと称する。)が提案されている。
マイクロチップはその内部に流体回路を有しており、該流体回路は、たとえば、液体試薬を保持する液体試薬保持部、検査・分析の対象となる検体(血液など)あるいは検体中の特定成分や液体試薬を計量するための計量部、検体(あるいは検体中の特定成分)と液体試薬とを混合する混合部、混合液について検査・分析を行なうための検出部などの各部と、これら各部を適切に接続する微細な流路とから構成することができる。
このような流体回路を有するマイクロチップは、実験室で行なっている一連の実験・分析操作を、数cm角で厚さ数mm〜1cm程度のチップ内で行なえることから、検体および液体試薬が微量で済み、コストが安く、反応速度が速く、ハイスループットな検査ができ、検体を採取した現場で直ちに検査結果を得ることができるなど多くの利点を有し、たとえば血液検査などの生化学検査用として好適に用いられている。
ここで、たとえば血液検査用マイクロチップなどにおいては、血液中の血漿成分を用いて各種検査が行なわれることが多いことから、通常、マイクロチップの流体回路は、流体回路内に導入された血液から、遠心分離により血球成分を取り除き、血漿成分を分離、抽出するための血漿分離部(遠心分離部)を備える。たとえば、血液から血漿と血球とを分離させるには、血球分離フィルターや遠心分離後に抽出するなどの方法がある。
特許文献1には、流体回路内に導入された試料から対象成分を取り出すための遠心分離管を備えるマイクロチップが開示されている。図4〜9は、特許文献1に記載のマイクロチップの動作方法を示す概略工程図である。図4〜9に示されるマイクロチップの流体回路は、試料を流体回路内に導入するための取込口105、取込口105に接続された遠心分離管201、調整管接続部241aおよび溜部241bからなる調整管241、取り出された対象成分を計量するための第1秤量部205、試薬550が内蔵された試薬溜219a、219b、対象成分と試薬550との混合が行なわれる1次混合部217および2次混合部220、ならびに、得られた混合液について検査・分析を行なうための光検出路230から主に構成されており、遠心分離管201は、対象成分以外の成分(非対象成分)を主に収容するための第1保持部203を有している(図4参照)。以下、図4〜9を参照して、このマイクロチップの動作方法の概略を示す。
まず、取込口105から、遠心分離管201と調整管接続部241aとが満たされるように試料500を導入する(図4参照)。次に、第1回転軸310を中心としてマイクロチップを回転させることにより、境界B−B’より遠心分離管201側の試料500を遠心分離管201内で遠心分離する(図5参照)。この際、試料500中の対象成分510以外の非対象成分520は、第1保持部203内に収容される。境界B−B’より調整管241側の試料500は、溜部241bに導入される。また、この第1回転軸310を中心とする回転により、試薬溜219aおよび219bに収容されていた試薬550は、1次混合部217に導入される。
次に、第2回転軸311を中心としてマイクロチップを回転させることにより、遠心分離された対象成分510を遠心分離管201から第1秤量部205に導入する(図6参照)。第1秤量部205から溢れた対象成分510は、第1秤量部205に接続された廃液溜207に導入される。ついで、再度、第1回転軸310を中心としてマイクロチップを回転させることにより、第1秤量部205内の対象成分510を1次混合部217に導入し、試薬550と混合させる(図7参照)。
次に、さらに第1回転軸310を中心としてマイクロチップを回転させることにより、得られた混合物質560を2次混合部220に導入し、さらに混合する(図8参照)。最後に、第2回転軸311を中心としてマイクロチップを回転させることにより、混合物質560を光検出路230に導入する(図9参照)。光検出路230に導入された混合物質560は、光導入口233から光を導入し、光導出口235から取り出された透過光の透過量を測定するなどの光学測定に供されて、検査・分析が行なわれる。
以上のように、特許文献1に記載のマイクロチップによれば、第1回転軸310および第2回転軸311の2つの回転軸を用いてマイクロチップを回転させ、適切な方向の遠心力を印加することにより、試料中の対象成分の抽出、対象成分の計量、試薬との混合などの処理を行なうことが可能である。
しかし、特許文献1に記載のマイクロチップでは、対象成分510を計量するために第2回転軸311を中心としてマイクロチップを回転させた場合や、混合物質560を光検出路230に導入するために第2回転軸311を中心としてマイクロチップを回転させた場合に、第1保持部203内に保持されていた非対象成分520や対象成分510が流出する可能性があった。また、第1回転軸310を中心としてマイクロチップを回転させて、流体回路内に導入された試料500を第1保持部203に導入する際、第1保持部203内に気体(空気)が入り込み、該気体が排出されることなく、残存してしまう可能性があった。
そして、特許文献1に記載のマイクロチップでは、対象成分510のみではなく、非対象成分520も同時に検査、分析を行なうことができなかった。具体的に、たとえば、マイクロチップを用いて全血を検査、分析を行なう際に、血漿と血球とを同時に取り出すことは困難であった。
国際公開第05/033666号パンフレット
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、その目的は、比重が異なる第1対象物質および第2対象物質が混合している検体、たとえば血漿と血球とが混合している血液において、該第1対象物質および第2対象物質を分離し、双方を同時に検出・分析等できるマイクロチップを提供することである。
本発明者は、上記課題を解決するためには、検体中の該第1対象成分と該第2対象成分とを遠心分離により分離するための遠心分離部を、第2対象成分を収容するための収容部および、第1対象成分を主に収容するための計量部の2つの部位を含む構成とし、かつ、遠心分離部に2つ以上の開口を付与すればよいことを見出した。また、該遠心分離部について、当該収容部を形成する壁面の形状と、当該計量部を形成する壁面の形状とを調製することで、たとえば、第1対象成分と第2対象成分とを同時に取り出すことができることを見出した。すなわち、本発明は以下のとおりである。
本発明は、少なくとも、基板表面に設けられた溝を備える第1の基板と、第2の基板とを貼り合わせてなり、溝と第2の基板の第1の基板側表面とからなる流体回路を内部に有するマイクロチップであって、マイクロチップは、その一表面から流体回路まで貫通する、検体を流体回路内に導入するための検体導入口を有し、流体回路は、検体を遠心分離により第1対象成分と第2対象成分とに分離するための遠心分離部を備え、遠心分離部は、検体導入口側に設けられすぼまった開口部を有する、U字型に形成された壁面で構成される収容部と、開口部の検体導入口側方向に設けられ、収容部と開口部で接続している計量部と、計量部と収容部とを形成する内壁に沿って収容部における開口部より内部にまで配置され、かつ、端部が収容部の内壁とは接触しない第1の壁面と、収容部を形成する内壁と第1の壁面とによって形成された第1の流路と、計量部を形成する別側の内壁に沿って収容部における開口部にまで配置された第2の壁面と、計量部を形成する内壁と第2の壁面とによって形成された第2の流路と、第2の壁面と第1の壁面とによって形成された検体導入部と、第2の壁面の端部と第1の壁面との間に形成され、かつ、検体導入口と収容部の内部とを接続する第3の流路とを備えるマイクロチップに関する。
また、本発明のマイクロチップにおいて、第1対象成分を検定する第1検定部と、第2対象成分を検定する第2検定部とをさらに備え、検体導入部と第1の流路とは、第1検定部に接続されており、第2の流路は、第2検定部に接続されていることが好ましい。
また、本発明のマイクロチップにおいて、第2の流路の幅は、第1の流路の幅より小さいことが好ましい。
また、本発明のマイクロチップにおいて、第1の流路は、マイクロチップの外部と流体回路とを連結する空気穴に、接続されていることが好ましい。
また、本発明のマイクロチップにおいて、第1対象成分と第2対象成分とが分離される界面は、収容部における開口部に生じるよう設定されることが好ましい。
第1の壁面が沿って配置されている収容部の内壁は、くの字型に屈折していることが好ましい。
本発明において、検体としては血液を挙げることができ、対象成分としては血漿成分を挙げることができる。この場合、本発明のマイクロチップは、血液検査用として好適に用いることができる。ただし、本発明に係るマイクロチップは、血液だけにとどまらず、比重が異なる物質が混合している検体についても、同様に検出・分析等できる。
本発明のマイクロチップによると、比重が異なる第1対象物質および第2対象物質が混合している検体、たとえば血漿と血球とが混合している血液において、該第1対象物質および第2対象物質を分離し、双方を同時に検出・分析等できる。
本発明のマイクロチップは、1つの好ましい態様において、基板表面に溝を備える第1の基板と、第2の基板とを貼り合わせてなる。かかるマイクロチップは、その内部に、第1の基板表面に設けられた溝と第2の基板における第1の基板側表面(第2の基板の貼り合わせ面)とから構成される空洞部からなる流体回路を備える。
また、本発明のマイクロチップは、別の好ましい態様において、第3の基板と、基板の両面に設けられた溝を備える第1の基板と、第2の基板とをこの順で貼り合わせてなる。かかる3枚の基板からなるマイクロチップは、第3の基板における第1の基板側表面(第3の基板の貼り合わせ面)および第1の基板における第3の基板側表面に設けられた溝から構成される第1の流体回路と、第2の基板における第1の基板側表面(第2の基板の貼り合わせ面)および第1の基板における第2の基板側表面に設けられた溝から構成される第2の流体回路と、の2層の流体回路を備えている。ここで、2層とは、マイクロチップの厚み方向に関して異なる2つの位置に流体回路が設けられていることを意味する。第1の流体回路と第2の流体回路とは、第1の基板に形成された厚み方向に貫通する1または2以上の貫通穴によって連結されていてもよい。
本発明のマイクロチップを構成する各基板の材質は、特に制限されず、たとえば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリカーボネート(PC)、ポリスチレン(PS)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリアリレート樹脂(PAR)、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン樹脂(ABS)、塩化ビニル樹脂(PVC)、ポリメチルペンテン樹脂(PMP)、ポリブタジエン樹脂(PBD)、生分解性ポリマー(BP)、シクロオレフィンポリマー(COP)、ポリジメチルシロキサン(PDMS)などの有機材料;シリコン、ガラス、石英などの無機材料等を用いることができる。
第1の基板表面に、流体回路を構成する溝を形成する方法としては、特に制限されず、転写構造を有する金型を用いた射出成形法、インプリント法などを挙げることができる。無機材料を用いて基板を形成する場合には、エッチング法などを用いることができる。
本発明のマイクロチップにおいて、流体回路(2層の流体回路を備える場合には、第1の流体回路および第2の流体回路)は、流体回路内の流体(特には、液体)に対して適切な様々な処理を行なうことができるよう、流体回路内の適切な位置に配置された種々の部位を備えており、これらの部位は、微細な流路を介して適切に接続されている。
本発明のマイクロチップにおいて、流体回路は、上記部位の1つとして、マイクロチップ内に導入された検体を、遠心分離により対象成分と非対象成分とに分離するための遠心分離部を備える。ここで、本明細書中において「検体」とは、流体回路内に導入される検査・分析の対象となる物質(たとえば血液)を意味する。また、本明細書中において「対象成分」とは、マイクロチップ内で調製される、検査・分析に供される試料を構成する検体中の特定成分を意味し、典型的には、マイクロチップ内にあらかじめ保持されていた液体試薬と混合または反応される検体中の特定成分である。検体が血液である場合、第1対象成分としては、血漿成分を挙げることができ、第2対象成分としては、血球成分を挙げることができる。
本発明のマイクロチップは、検体導入口を有しており、当該検体導入口を通して流体回路内に検体が導入される。検体導入口は、マイクロチップ一表面から流体回路まで貫通する貫通口として構成することができる。具体的には、マイクロチップが上記基板表面に溝を備える第1の基板と第2の基板とから構成される場合、検体導入口は、当該第1の基板を厚み方向に貫通する貫通する貫通口とすることができる。また、マイクロチップが第3の基板と、基板の両面に設けられた溝を備える第1の基板と、第2の基板とをこの順で貼り合わせてなる場合、検体導入口は、当該第3の基板(または第1の基板)を厚み方向に貫通する貫通する貫通口とすることができる。上記遠心分離部は、当該検体導入口と流路を介して接続されており、検体導入口から注入された検体を遠心分離部に導入可能となっている。
本発明において流体回路は、遠心分離部以外の部位を備えていてもよく、かかる部位としては、たとえば液体試薬を保持するための液体試薬保持部、対象成分を計量するための対象成分計量部、液体試薬を計量するための液体試薬計量部、対象成分と液体試薬とを混合するための混合部、得られた混合液(上記した検査・分析に供される試料)についての検査・分析(たとえば、混合液中の特定成分の検出または定量)を行なうための検出部などを挙げることができる。本発明のマイクロチップは、これら例示された部位のすべてを有していてもよく、いずれか1以上を有していなくてもよい。また、これら例示された部位以外の部位を有していてもよい。
なお、「液体試薬」とは、上記対象成分と混合または反応させるための物質(試薬)であり、通常、マイクロチップ使用前にあらかじめ流体回路の液体試薬保持部に内蔵されている。対象成分と液体試薬とを混合させることによって最終的に得られた混合液は、特に限定されないが、たとえば、該混合液が収容された部位(たとえば検出部)に光を照射して透過する光の強度(透過率)を検出する方法等の光学測定などに供され、検査・分析が行なわれる。
検体からの対象成分の抽出(第1対象成分と第2対象成分との分離)、対象成分および/または液体試薬の計量、対象成分と液体試薬との混合、得られた混合液の検出部への導入などのような流体回路内における流体処理は、マイクロチップに対して、適切な方向の遠心力を順次印加することにより行なうことができる。マイクロチップへの遠心力の印加は、典型的には、マイクロチップを、これに遠心力を印加可能な装置(遠心装置)に載置して行なわれる。以下、本発明のマイクロチップを実施の形態を示してより詳細に説明する。
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を説明する。なお、以下の図面において同一または相当する部分には、同一の参照符号を付し、その説明は繰り返さない。また、図面における長さ、大きさ、幅などの寸法関係は、図面の明瞭化と簡略化のために適宜に変更されており、実際の寸法を表してはいない。
図1は、本発明のマイクロチップの好ましい一例を示す概略上面図である。図2は、図1における一部を拡大した模式的な上面図である。
以下、図1および図2に基づいて説明する。まず、本実施形態のマイクロチップの構造について説明する。本実施形態のマイクロチップは、表面上に流体回路を構成する溝および厚み方向に貫通する貫通穴を備えた第1の基板の溝形成側表面に第2の基板を貼り合わせて作製されている。図1は、かかるマイクロチップの第1の基板側表面を示す上面図となっている。実際には、流体回路を構成する溝は、第1の基板における図1に示される表面とは反対側表面(第2の基板との貼り合わせ面)に形成されているが、流体回路構造を明確に把握できるよう、溝のパターンを実線で示している。
そして、本実施形態のマイクロチップは、その一表面から流体回路まで貫通する、検体を流体回路内に導入するための検体導入口2を有する。そして、該流体回路は、検体を遠心分離により第1対象成分と第2対象成分とに分離するための遠心分離部1を備える。図2は、図1における遠心分離部1を拡大した上面図である。図2に示すように、遠心分離部1は、検体導入口2側に設けられ、すぼまった開口部10を有するU字型に形成された壁面で構成される収容部14と、開口部10の検体導入口2側方向に設けられ、収容部14と開口部10で接続している計量部13とを含む。ここで、本実施形態のマイクロチップにおいて、U字型の収容部14とは、略U字型であればよく、図1に示すマイクロチップの短手方向における一定の長さを有し、かつ、開口部10の方向に向かって、該収容部10を形成する壁面がすぼまっている形状であればよい。収容部14は、矢印94の方向に遠心力を印加した際に検体を収容するための部位である。そして、該開口部10で計量部13は、収容部10と接続されている。計量部13を形成する壁面は、該開口部10から、検体導入口2側方向に向かって広がっていることが好ましい。また、該計量部13を形成する壁面と、該収容部14を形成する壁面とは、一続きの壁面となっていることが好ましい。
そして、遠心分離部1には、計量部13と収容部14とを形成する内壁に沿って収容部14における開口部10より内部にまで配置された第1の壁面16が備えられている。また、収容部14を形成する内壁と第1の壁面16とによって形成された第1の流路15が形成されており、第1の壁面16における収容部14の内部の端部は、収容部14の内壁とは接触しない。そして、遠心分離部1には、第1の壁面16が配置された別端における計量部13を形成する内壁に沿って開口部10にまで配置された第2の壁面17が備えられている。また、計量部13を形成する内壁と第2の壁面17とによって形成された第2の流路12が形成されており、第2の流路12と収容部14とは、接続されている。また、図2に示すように、第2の壁面17は、略L字型に形成されており、開口部10から検体導入口2側方向に向かう第1の壁面16と、略平行であることが好ましい。
そして、本実施形態のマイクロチップは、第2の壁面17と第1の壁面16とで形成された検体導入部11と、第2の壁面17の端部と第1の壁面16との間に形成されかつ検体導入口2と収容部16の内部とを接続する第3の流路18とを備える。
また、第1の流路15は、マイクロチップの外部と第1の流路は、マイクロチップの外部と流体回路とを連結する空気穴30に、接続されている。第1の流路15と該空気穴30とが接続されることによって、遠心分離部1全体に空気がたまることはなく、流路における液切れの劣化も起こりにくい。また、検体導入口もマイクロチップの外部と接続されている。
また、本実施形態のマイクロチップにおいて、第3の流路18の幅W3は、第2の流路12の幅W2より小さいことが好ましい。また、第3の流路18の幅W3は、第1の流路15の幅W1より小さいことが好ましい。これは、後述する遠心分離部1における流体の動作において、遠心力を印加後に、検体を第1対象成分と第2対象成分とに別々に回収する際に影響するためである。具体的には、W1は0.2μm以下、W2は0.3μm以下、W3は0.15μm以下に設定することができる。
そして、計量部13と、収容部16とは、本実施形態のマイクロチップにおける検体によって適宜その体積が設定される。具体的には、図1のマイクロチップにおける計量部13の短手方向の幅W4と、収容部16の短手方向の幅W5とを調整し、第1対象成分と第2対象成分とが分離される界面がすぼまった開口部10に生じるようにする。また、第1の流路15と第2の流路12は、図2における位置関係において、収容部14よりも上に形成されていることが好ましい。
また、第1の壁面16が沿って配置されている収容部16の内壁は、くの字型に屈折していることが好ましく、具体的には、図2においてθ1は90〜120度であることが好ましい。これは、後述するように、遠心力を印加後、第1対象成分のみを計量部13から取り出すときに第1対象成分が、流体回路内で、引きずられを起こすことを防止できるためである。
また、図1に示すマイクロチップにおいて、第1対象成分を検定する第1検定部と、第2対象成分を検定する第2検定部と、をさらに備え、第1の流路15と検体導入部とは、第1検定部に接続されており、第2の流路12は、第2検定部に接続されている。第1検定部および第2検定部を備えることによって、第1対象成分および第2対象成分のいずれの検査結果をも同時に得ることができる。第1検定部および第2検定部の形状等は適宜設定することができる。
本実施形態においては、矢印94の方向に遠心力を印加した後に、第1対象成分のみが検体導入部11と第1の流路15とから取り出され、第2対象成分は、第2の流路12から取り出される。
そして、本実施形態のマイクロチップの内部に形成された流体回路は、検体を流体回路内に導入するための検体導入口2に接続された、検体を第1対象成分と第2対象成分とに分離するための遠心分離部1、遠心分離部1の検体導入部11に接続された、検体を計量するための計量部13、計量時に計量部13から溢れた検体を収容するための廃液溜め(図1中位置を示さず)、液体試薬A(図示せず)、および、第1対象成分と第2対象成分について検査・分析を行なうための第1検出部および第2検出部(図1中位置を示さず)から主に構成される。検体導入口1は、第1の基板を厚み方向に貫通する貫通口となっている。
上記遠心分離部1のような構成によれば、遠心分離により分離され、収容部14に収容された第2対象成分(たとえば血球成分。ただし、収容部14に収容される液体は、第2対象成分とともに、一部の第1対象成分を含み得る。)が、分離された第1対象成分(たとえば血漿)を検体導入部11から取り出すための遠心力などの、その後の遠心力の印加により検体導入部11方向へ流出することを防ぐことができる。すなわち、遠心分離より分離され、計量部13内に収容された第1対象成分のみを検体導入部11から取り出すための遠心力(図1における右向きの遠心力)を印加すると、収容部14内に収容された第2対象成分は、検体導入部11方向ではなく、第1の流路15でせき止められることとなるため、当該第2対象成分が検体導入部11の方向へ流出してしまうことを防止できる。
また、検体を導入するための検体導入部11とは別に、第2の流路12を備えることから、検体を遠心分離部1に導入する際、遠心分離部1内の気体(空気)を、第1の流路15の方向へ逃がすことが可能となるため、気体(空気)が遠心分離部1に残存するのを防止することができる。これにより、検体、第1対象成分および第2対象成分の流れがスムーズとなり、各流路における液切れがよくなる。
さらに、第3の流路18と収容部14との接続位置に第2の流路12を接続することにより、気体(空気)を当該接続位置に気体(空気)が導入可能となるため、図1における右向きの遠心力を印加して第1対象成分を検体導入部11から取り出す際、計量部13内の第1対象成分が収容部14の方へ流出してしまうことを防止することが可能となる。
ここで、第2の流路12および第1の流路15は、収容部14の開口部10から、図1における上方向に延びていることが好ましく、該第2の流路12と該第1の流路15とが略V字型を形成することがさらに好ましい。このような形状とすることにより、図3(d)において第2の流路12内部の溶液が抜け易くなり、第1の流路15内の溶液は流出に制限が加わるという効果を得ることができる。
上記のように、本実施形態かかる構成によれば、遠心分離された計量部13内の第1対象成分を検体導入部11から取り出すの遠心力(図1における右向きの遠心力)を印加した際、分離された収容部14内の第2対象成分が検体導入部11から同時に取り出されることを防止できる。
収容部14の形状は、特に制限されるものではないが、収容部14を構成する溝底面(したがって流体回路の深さ)に傾斜を設けて当該傾斜領域より底部側の領域における溝の深さをより深くすることが好ましい。これにより、小さい面積で多くの量の第2対象成分を収容することができる。第1の流路15の位置も、特に制限されないが、その上部(検体導入口2側)に設けられることが必要である。これは、過剰の血液が入ってきた場合の廃液処理が容易であることと、全血計量の見積もりが容易になるためである。
ここで、図3は、本実施形態におけるマイクロチップの遠心分離について示す模式的な工程図である。以下、図3を参照して該マイクロチップにおける検体の動作について説明する。
まず、図3(a)のように何も検体が導入されていない遠心分離部に対して、矢印90の方向に遠心力を印加することで、図3(b)のように検体(血液)を検体導入部11から導入する。このとき、計量部13によって検査に不必要な量の検体は、第1の流路15から排出される。該第1の流路は、廃液溜め(図示せず)にも接続されている。そして、図3(c)のように、さらに矢印90の方向に遠心力を印加することで、検体20を第1対象成分21と、第2対象成分22と、中間層23とに分離する。
ここで、検体を検体導入部11から開口部10を通して収容部14および計量部13内に導入する際、遠心分離部1内に存在していた気体(空気)は、第1の流路15を通って、空気穴方向へ移動するか、もしくは検体導入口から排出されるため、気体(空気)が遠心分離部1内に残存することはない。
次に、図3(d)のように、矢印91の方向に遠心力を印加することで、第1対象成分21のみが検体導入部11および第1の流路15から取り出される。取り出された第1対象成分は、上述した通り第1検定部に導入される。このとき、図3(e)のような状態で矢印91の方向に遠心力を印加することで、開口部10のあたりで第1対象成分と第2対象成分とが分離されて第2対象成分のみが収容部14に残るよう設定されている。
そして、最後に、図3(f)のように、本実施形態のマイクロチップに矢印92の方向に遠心力を印加することで、第2対象成分22のみを取り出すことができる。取り出された第1対象成分は、上述した通り第2検定部に導入される。
本実施形態のマイクロチップによると、血漿を使用するGlu、AST、ALT、UA、Creと、血球を使用するHbAlCなどを同時に検査することができる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明のマイクロチップの好ましい一例を示す概略上面図である。 図1における一部を拡大した模式的な上面図である。 本実施形態におけるマイクロチップの遠心分離について示す模式的な工程図である。 特許文献1に記載のマイクロチップの動作方法を示す概略工程図である。 特許文献1に記載のマイクロチップの動作方法を示す概略工程図である。 特許文献1に記載のマイクロチップの動作方法を示す概略工程図である。 特許文献1に記載のマイクロチップの動作方法を示す概略工程図である。 特許文献1に記載のマイクロチップの動作方法を示す概略工程図である。 特許文献1に記載のマイクロチップの動作方法を示す概略工程図である。
符号の説明
1 遠心分離部、2 検体導入口、10 開口部、11 検体導入部、12 第2の流路、13 計量部、14 収容部、15 第1の流路、16 第1の壁面、17 第2の壁面、18 第3の流路、20 検体、21 血漿、22 血球、23 中間層、30 空気穴、90,91,92,94 矢印。

Claims (6)

  1. 少なくとも、基板表面に設けられた溝を備える第1の基板と、第2の基板とを貼り合わせてなり、前記溝と前記第2の基板の前記第1の基板側表面とからなる流体回路を内部に有するマイクロチップであって、
    前記マイクロチップは、その一表面から前記流体回路まで貫通する、検体を前記流体回路内に導入するための検体導入口を有し、
    前記流体回路は、前記検体を遠心分離により第1対象成分と第2対象成分とに分離するための遠心分離部を備え、
    前記遠心分離部は、
    前記検体導入口側に設けられすぼまった開口部を有する、U字型に形成された壁面で構成される収容部と、
    前記開口部の前記検体導入口側方向に設けられ、前記収容部と前記開口部で接続している計量部と、
    前記計量部と前記収容部とを形成する内壁に沿って前記収容部における前記開口部より内部にまで配置され、かつ、端部が前記収容部の内壁とは接触しない第1の壁面と、
    前記収容部を形成する内壁と第1の壁面とによって形成された第1の流路と、
    前記計量部を形成する別側の内壁に沿って前記収容部における前記開口部にまで配置された第2の壁面と、
    前記計量部を形成する内壁と第2の壁面とによって形成された第2の流路と、
    前記第2の壁面と前記第1の壁面とによって形成された検体導入部と、
    前記第2の壁面の端部と前記第1の壁面との間に形成され、かつ、前記検体導入口と前記収容部の内部とを接続する第3の流路と、を備えるマイクロチップ。
  2. 前記第1対象成分を検定する第1検定部と、前記第2対象成分を検定する第2検定部と、をさらに備え、
    前記検体導入部と前記第1の流路とは、前記第1検定部に接続されており、
    前記第2の流路は、前記第2検定部に接続されている請求項1に記載のマイクロチップ。
  3. 前記第3の流路の幅は、前記第2の流路の幅より小さい請求項1または2に記載のマイクロチップ。
  4. 前記第1の流路は、前記マイクロチップの外部と前記流体回路とを連結する空気穴に、接続されている請求項1〜3のいずれかに記載のマイクロチップ。
  5. 前記第1対象成分と前記第2対象成分とが分離される界面は、前記収容部における開口部に生じる請求項1〜4のいずれかに記載のマイクロチップ。
  6. 前記第1の壁面が沿って配置されている前記収容部の内壁は、くの字型に屈折している請求項1〜5のいずれかに記載のマイクロチップ。
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