JP2009156719A - 超電導磁場発生装置、超電導磁場発生装置の着磁方法および核磁気共鳴装置 - Google Patents

超電導磁場発生装置、超電導磁場発生装置の着磁方法および核磁気共鳴装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2009156719A
JP2009156719A JP2007335480A JP2007335480A JP2009156719A JP 2009156719 A JP2009156719 A JP 2009156719A JP 2007335480 A JP2007335480 A JP 2007335480A JP 2007335480 A JP2007335480 A JP 2007335480A JP 2009156719 A JP2009156719 A JP 2009156719A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
magnetic field
superconductor
superconducting
correction coil
correction
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2007335480A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5360638B2 (ja
Inventor
Yoshitaka Ito
佳孝 伊藤
Masaaki Yoshikawa
雅章 吉川
Takashi Nakamura
高志 仲村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
IMURA ZAIRYO KAIHATSU KENKYUSH
IMRA Material R&D Co Ltd
RIKEN Institute of Physical and Chemical Research
Original Assignee
IMURA ZAIRYO KAIHATSU KENKYUSH
IMRA Material R&D Co Ltd
RIKEN Institute of Physical and Chemical Research
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by IMURA ZAIRYO KAIHATSU KENKYUSH, IMRA Material R&D Co Ltd, RIKEN Institute of Physical and Chemical Research filed Critical IMURA ZAIRYO KAIHATSU KENKYUSH
Priority to JP2007335480A priority Critical patent/JP5360638B2/ja
Publication of JP2009156719A publication Critical patent/JP2009156719A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5360638B2 publication Critical patent/JP5360638B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Abstract

【課題】超電導体の筒内空間においてできるだけ均一な磁場を広範囲に発生することができる超電導磁場発生装置、その着磁方法および超電導磁場発生装置を利用する核磁気共鳴装置を提供する。
【解決手段】超電導磁場発生装置は、超電導遷移温度以下で磁場を捕捉することにより磁場を発すると共に筒内空間10を有する筒状の超電導体1と、超電導体1を冷却する冷却装置と、超電導体1を収容する真空断熱容器3と、超電導体1の筒内空間10の磁場分布を補正すると共に超電導体1の仮想中心軸11が延びる方向における長さLが超電導体1の長さ以下に設定されている補正コイル4とを具備する。
【選択図】図1

Description

本発明は超電導磁場発生装置、超電導磁場発生装置の着磁方法および核磁気共鳴装置に関する。
特許文献1は、筒状の高温超電導体を着磁してその中空部に磁場を発生させ、その磁場内に試料と検出コイルを配置してNMR信号を検出するNMR分析装置を開示している。着磁は、超電導マグネットにより均一な磁場を発生させ、その磁場中に高温超電導体を挿入し、冷凍機により超電導体を超電導転移温度以下に冷却した後、超電導磁石の発生磁場を停止することにより、磁場を高温超電導体に捕捉させる。この技術によれば、バルク(塊)状の高温超電導体を着磁して磁場を発生させるので、従来からある超電導コイルによるものに比べNMR分析装置のマグネットが小型で簡便になる。
特許文献2は、高温超電導体を着磁した後、一度超電導遷移温度より低い温度まで上昇させてから冷却して磁場の強度や分布を制御する超電導体磁場応用装置の制御方法とそれを用いた核磁気共鳴装置、超伝導磁石装置を開示している。このものによれば、発生磁場の大きさと分布を所望の大きさに制御し、かつ一定に保持することが出来る。
特許文献3は、筒状の超電導バルク体の両端の臨界電流密度を中央部より高くした磁場発生装置および核磁気共鳴装置を開示している。ここで、超電導バルクの中央部付近における均一磁場な範囲が広い磁場発生装置を提供でき、これを用いて小型で高感度・高分解能な核磁気共鳴装置が可能になる。
特許文献4は、筒状の超電導バルク体の端の磁化率を中央部より小さくした超電導磁場発生装置とその着磁方法、核磁気共鳴装置を開示している。超電導バルクの磁化率と形状を一定の条件を満たすように設定することにより、超電導バルクの中央部付近に均一な磁場空間を形成できる。
特許文献5は、ピン止め効果を有する高温超電導体の外周側にバイアス磁石を同軸的に配置し、高温超電導体に囲まれた空間が所望の磁場分布となるように、バイアス磁石により高温超電導体の周囲から磁場を形成し、その後、高温超電導体が高温超電導状態を保つように冷却して所望の磁場部分布の転写を行い、転写後に高温超伝導体の周囲の磁場を取り除くといったMRI装置およびMRI装置製造方法を開示している。そして、バイアス磁石として永久磁石またはソレノイドが採用されている。筒形状のバイアス磁石の軸長は、筒形状の高温超電導体の軸長よりもかなり長く設定されている。従って、筒形状のバイアス磁石の軸長の端部は、筒形状の高温超電導体の軸長の端部よりも軸長方向において外方に突出している。
特開2002−006021号公報 特開2002−008917号公報 特開2007−129158号公報 特開2006−207857号公報 特開平9−201347号公報
ところで、NMR装置のマグネット等に代表される磁気装置には、高い磁場均一性(例えば1ppm以下)が要求されており、通常、マグネット本体の室温ボア(円筒空間)に補正コイルを追加して目標とする磁場均一性を実現する。超電導バルクを用いた特許文献1のNMR装置のマグネットでは、着磁により超電導体に捕捉される磁場を利用するが、バルク超電導体の筒内空間は狭く、磁場分布を補正する補正コイルの大きさや数は限られるため、筒内空間に補正コイルを入れて高い磁場均一性を得るのは難しい。磁場均一性を高めるには、筒状の超電導体の長さを長くして筒内空間に入れる補正コイルの大きさや数を制限する必要があるが、これは、NMR装置のマグネットの小型化というメリットを損なうものであり、また、コスト的にも不利であった。
特許文献2によれば、超電導バルクを着磁した後に、超電導バルクの温度を変化させて磁場の強度や分布を調整するが、超電導バルクの温度を部分的に変化させることは難しく、細かい磁場分布の補正は出来なかった。
特許文献3によれば、超電導バルクの両端部の臨界電流密度を中央部より高くすることにより、着磁後に磁場が端部から抜ける現象(磁束クリープ)を抑制している。これによれば、磁場分布の時間的な変化は抑制できるが、磁場均一性に関する空間的な補正はできない。
特許文献4によれば、着磁した後に磁場分布を補正するのではなく、着磁の時点で超電導体に如何に均一な磁場を印加して捕捉させるかについて工夫を行っている。超電導バルクの着磁の際にはppmオーダで均一な磁場を印加するが、超電導体自身が持つ磁化で印加磁場が乱れ、結果として着磁後の磁場分布の均一性が得られないというのが本質的な問題である。これに対し、超電導バルクの両端部の磁化率を中央部より小さくし、磁化率と外形寸法を一定の条件を満たすように設定することにより、超電導バルクの磁化の影響を最小化して筒内空間の中央部の磁場均一性を向上させている。しかしながら、この技術では、超電導バルクの構成で印加磁場の分布が決まるので、一度バルク構成を決めると印加磁場の均一性を上げることは困難であった。また、超電導バルクの厚みを増加すると、筒内空間中央部の中心軸方向の印加磁場分布が磁化の影響を受けて下に凸状から上に凸状に変化する性質を利用し、磁化の大きい中央部のバルクの厚みをその境界の寸法に一致させることで磁場の均一化を行っているので、寸法条件が厳しく厚みのズレによって磁場均一性が大きく変化する恐れがあった。また、原理的に均一な磁場が得られる範囲が限られており、それ以上に均一磁場空間を広げることは困難であった。
特許文献5によれば、前述したように、筒形状のバイアス磁石の軸長は、筒形状の高温超電導体の軸長よりも長く設定されている。従って、筒形状のバイアス磁石の軸長の端部は、筒形状の高温超電導体の軸長の端部よりも軸長方向において外方に突出している。この場合、超電導体の筒内空空間において広い磁場均一領域を得るには限界がある。更に、バイアス磁石がソレノイドであるときには、単位時間あたりのジュール発熱量が増加する。
本発明は上記した実情に鑑みてなされたものであり、超電導体の筒内空間においてできるだけ均一な磁場を広範囲に発生することができる超電導磁場発生装置、その着磁方法、および、超電導磁場発生装置を利用する核磁気共鳴装置を提供することを課題とする。
様相1に係る超電導磁場発生装置は、超電導遷移温度以下で磁場を捕捉することにより磁場を発すると共に筒内空間を有する筒状の超電導体と、超電導体を冷却する冷却装置と、超電導体を収容する断熱容器と、超電導体の筒内空間の磁場分布を補正すると共に超電導体の仮想中心軸が延びる方向における長さが超電導体の長さ以下に設定されている補正コイルとを具備していることを特徴とする。
この場合、筒状の超電導体、冷却装置、断熱容器、補正コイルが設けられているので、外部磁場印加装置によって超電導体に磁場を印加させて超電導体を着磁させる際において、補正コイルに通電して補正コイルにより磁場を補正すれば、超電導体に実際に印加される磁場分布に対して補正コイルによる磁場によって補正することができる。故に、超電導体の筒内空間においてできるだけ均一な磁場を広範囲に発生することができる超電導磁場発生装置が得られる。
更に、補正コイルのうち、超電導体の仮想中心軸が延びる方向における長さは、超電導体の長さ(超電導体の仮想中心軸に沿った方向の長さ)以下に設定されている。このため補正コイルによって補正するとき、補正コイルの通電によるジュール熱が低減され、単位時間あたりの補正コイルの発熱量が抑制される。故に冷却装置に与える負荷を低減される。ここで、上記した『以下』とは、超電導体の仮想中心軸が延びる方向における長さは、超電導体の長さ(超電導体の仮想中心軸に沿った方向の長さ)と同じであっても良いし、それ未満であっても良いという意味である。
ここで、筒状の超電導体とは、内径、外径、高さで規定される形状だけなく、超電導体の仮想中心軸に対して軸対称な回転体形状を含めたものをいう。筒状は、円筒状および角筒状を含む意味であり、仮想中心軸の軸直角方向に沿った断面形状を問わない。補正コイルは、超電導体の筒内空間の磁場分布を補正する磁場を発生させる導電材料を意味する。従って、補正コイルは、超電導体の筒内空間の磁場分布を補正する磁場を発生させる超電導体に沿って配置されているものであれば良く、補正コイルの形状は、螺旋巻回構造に限定されるものではなく、超電導体に印加させる磁場を補正する様々な形態によって変更することができる。
冷却装置としては、超電導体を冷却できるものであれば何でも良く、GM(Gifford−McMahon)冷凍機、スターリング冷凍機、パルス管冷凍機等の蓄冷型冷凍機を用いることができる。NMR用のマグネットを用いる場合は、振動の少ないパルス管冷凍機が好ましい。
上記した様相1によれば、補正コイルは、超電導体の仮想中心軸が延びる方向の磁場を補正するコイルであり、その仮想中心軸が延びる方向の長さが超電導体の長さ以下であるように設定されている。この場合、NMR用マグネット等の磁気装置として用いる場合には、超電導体の筒内空間において、特に測定試料を設置する場所について印加磁場をできるだけ均一にすることが好ましい。
ここで、筒内空間の仮想中心軸が延びる方向における印加磁場を補正する際、補正コイルの軸長方向の長さが長いと、仮想中心軸方向の磁場分布の大きな変化を補正することは可能である。しかしながら試料設置場所の狭い範囲での分布の歪み(曲率半径の小さい歪み)を補正することは困難になる。
また、補正に必要な電流を補正コイルに通電するとき、補正コイルの軸長寸法が長いほど、補正コイルが発生するジュール発熱が大きくなる。故に、補正コイルを冷凍機で冷却する際の冷却装置の熱負荷が大きくなって超電導体を所定の温度まで冷却できなくなるおそれがある。この場合、超電導体を所定の温度まで冷却させるために大型の冷却装置が必要になる等の問題が生じるおそれがある。この点について本発明に係る超電導磁場発生装置によれば、補正コイルの軸長方向の長さ寸法を超電導体の軸長(高さ)以下に設定しているので、狭い範囲の分布の歪みを補正できると同時に、補正コイルの発熱を抑制させることができ、冷却装置の小型化に有利である。
様相2によれば、上記様相において、補正コイルは、超電導体に外側に配置されていることを特徴とする。補正コイルは超電導体の外側に配置されているので、超電導体の全体に印加される磁場を良好に補正することができ、より効果的に超電導体に対して磁場補正するのに有利となる。補正コイルは超電導体に対して同軸的に配置することができる。
様相3によれば、上記様相において、補正コイルは複数のコイルから成ることを特徴とする。この場合、補正コイルは複数のコイルで形成されているので、超電導体に対して複雑な印加磁場分布の補正が可能になる。補正コイル数が多いほど、より複雑な補正が可能になる利点が得られる。
様相4によれば、上記様相において、補正コイルは断熱容器の内部に配置されていることを特徴とする。この場合、補正コイルは断熱容器の内部に配置されている。補正コイルを超電導体の近傍に巻くことができるので、曲率半径のより小さな磁場分布の歪みを補正することができる。また、断熱容器の外壁面には、補正コイルによる突起が生じないので、超電導体の着磁を行う際に用いる超電導マグネット等の着磁用のマグネットの内径を小さくできる利点が得られる。
様相5によれば、上記様相において、補正コイルは、冷却装置により冷却されるように配置されていることを特徴とする。この場合、補正コイルは冷却装置で冷却されるので、補正コイルの電気抵抗が低下する。よって、少ない電力で超電導体の磁場の乱れを補正できる。また、補正コイルは冷却装置で効果的に冷却されるため、補正コイルの発熱が少なくなり、超電導体を安定的に冷却できる。
様相6によれば、上記様相において、補正コイルは、超電導材料で形成されている超電導補正コイルであり、超電導補正コイルの超電導遷移温度が超電導体より高いことを特徴とする。この場合、補正コイルは超電導材料で形成されているため、補正コイルは、着磁される超電導体より高い超電導遷移温度を持つ。このため電気抵抗が少ない状態で(実質的にゼロで)補正コイルに電流を流すことができ、超電導体の磁場が大きな乱れを発生しているときであっても、補正コイルによる磁場を大きくでき、超電導体の磁場を良好に補正できる。また、補正コイルのジュール発熱が実質的になくなるので、着磁される超電導体への熱的影響がなく安定に冷却できる利点が得られる。
様相7によれば、上記様相において、補正コイルは、外部磁場印加装置により超電導体を着磁する際の磁場分布補正に用いられることを特徴とする。補正コイルは外部磁場印加装置により超電導体を着磁する際の磁場分布補正に用いるので、印加磁場の乱れを補正することができる。故に、できるだけ均一な磁場を広範囲に発生させることができる超電導磁場発生装置が得られる。
様相8によれば、上記様相において、超電導体は、超電導体の仮想中心軸が延びる方向における少なくも1方の端を形成する第1部位と、第1部位の磁化率と異なる磁化率をもつ第2部位とを備えており、超電導体の第1部位の磁化率が、第2部位の磁化率よりも小さく設定されていることを特徴とする。この場合、端部の磁化率が中央部の磁化率よりも小さな超電導体を用いるので、超電導バルクの構成で決めた磁場分布をより一層均一に補正することができ、より均一な磁場を広範囲に発生する超電導磁場発生装置が得られる。
様相9によれば、超電導体は臨界電流密度の異なる部分からなり、前記超電導体のうちの仮想中心軸が沿った方向における少なくとも一方の端部の臨界電流密度が、中央部の臨界電流密度よりも大きく設定されていることを特徴とする。この場合、超電導体の端部の臨界電流密度が中央部より大きい超電導体を用いるので、均一な磁場を広範囲に時間的に安定して発生する超電導磁場発生装置が得られる。
様相10によれば、超電導体は、その主成分がRE−Ba−Cu−O(REはY,La,Nd,Sm,Eu,Gd,Er,Yb,Dy,Hoのうちの1種以上)で表される組成を有することを特徴とする。この場合、主成分がRE−Ba−Cu−O(REはY,La,Nd,Sm,Eu,Gd,Er,Yb,Dy,Hoのうちの1種以上)で表される超電導体は、特に溶融法で作製することにより、大きな磁場を捕捉できる。溶融法は超電導体を構成する材料を溶融し、その後、凝固させて超電導体を形成する方法である。この場合、超電導となる母相に絶縁相が微細に分散した組織を形成することができる。この場合、微細に分散した絶縁相が磁場のピン止め点として働くため、捕捉磁場が大きい超電導体が得られる。例えば、超電導体を構成する超電導バルクの配合組成については、主成分としては、REBaCu7−X(RE123相)、REBaCuO(RE211相)、および/または、REBaCu10(RE422相)とすることができる。超電導バルクの添加成分としては、例えば、Pt、Ag、Rhのうち1種または2種以上を単体または化合物の形で含有することができる。但し、これに限定されるものではなく、公知の超電導材料を用いることができる。
様相11に係る超電導磁場発生装置の着磁方法は、超電導遷移温度以下で磁場を捕捉することにより磁場を発すると共に筒内空間を有する筒状の超電導体と、超電導体を冷却する冷却装置と、超電導体を収容する断熱容器とを具備する超電導磁場発生装置における超電導体を着磁する着磁方法において、(A)外部磁場印加装置により、超電導体に超電導体の超電導遷移温度以上で磁場を印加する磁場印加工程と、(B)超電導体の近傍に設けられ外部の補正コイルにより、超電導体の筒内空間の磁場分布を補正する磁場補正工程と、(C)磁場を印加して補正した状態で、冷却装置により、超電導体を超電導遷移温度以下に冷却する冷却工程と、(D)外部磁場印加装置または補正コイルにより印加した磁場を解除する磁場停止工程と、を順に実施することを特徴とする。
上記した外部磁場印加装置は、一般的には、超電導体の外側に配置されている。外部磁場印加装置としては超電導マグネット等が例示される。この場合、従来の(A)磁場印加工程、(C)冷却工程、(D)磁場停止工程に加え、新たに(B)外部の補正コイルによる磁場補正工程を追加している。このため、超電導体に印加される磁場を磁場補正工程において補正することができる。ひいてはできるだけ均一な磁場を広範囲に発生するように超電導磁場発生装置の超電導体を着磁することができる。上記した(A)の磁場印加工程と(B)補正コイルによる磁場補正工程とは、時間的にずらして実施することができるが、場合によっては時間的に同時に実施しても良い。『時間的に同時に実施』とは、磁場印加工程および磁場補正工程とが時間的に完全に重複している形態と、磁場印加工程および磁場補正工程とが時間的に一部に重複している形態とを含む。外部の補正コイルとは、超電導磁場発生装置の断熱容器の外部に配置されている補正コイルを意味する。
また様相12に係る超電導磁場発生装置の着磁方法は、超電導遷移温度以下で磁場を捕捉することにより磁場を発する筒内空間を有する筒状の超電導体と、超電導体を冷却する冷却装置と、超電導体を収容する断熱容器と、断熱容器内に配置され超電導体の筒内空間の磁場分布を補正する補正コイルとを具備する超電導磁場発生装置の着磁方法において、
(A)外部磁場印加装置により、超電導体に超電導遷移温度以上で磁場を印加する磁場印加工程と、(B)補正コイルにより、超電導体の筒内空間の磁場分布を補正する磁場補正工程と、(C)磁場を印加して補正した状態で、冷却装置により、超電導体を超電導遷移温度以下に冷却する冷却工程と、(D)外部磁場印加装置または補正コイルにより印加した磁場を解除にする磁場停止工程とを順に実施することを特徴とする。
この場合、補正コイルは超電導磁場発生装置の断熱容器内に内蔵されているので、(A)磁場印加工程で磁場印加に使用する外部磁場印加装置に合わせて、印加磁場を補正することができる利点が得られる。上記した(A)の磁場印加工程と(B)補正コイルによる磁場補正工程とは、時間的にずらして実施することができるが、場合によっては同時に実施しても良い。『時間的に同時に実施』とは、磁場印加工程および磁場補正工程とが時間的に完全に重複している形態と、磁場印加工程および磁場補正工程とが時間的に一部に重複している形態とを含む。
様相13によれば、磁場補正工程は、超電導体の超電導遷移温度と、超電導遷移温度よりも+10℃との間の温度領域において行われることを特徴とする。この場合、超電導体の超電導遷移温度をTcとすると、磁場補正工程は、Tc〜(Tc+10℃°)との間で実施される。上記した温度領域における着磁の際には、基本的に超電導遷移温度で印加されている磁場の分布が超電導体に捕捉される。一般に超電導体の磁化は温度に依存しており、温度により変わる。その結果、超電導体自身の磁化による磁場分布の乱れも温度に依存し、温度より変化する。この点について、(B)磁場補正工程を、超電導遷移温度と超電導遷移温度よりも+10℃との間の温度領域で行うので、より正確な磁場の補正が可能となる。
様相14によれば、補正コイルは、超電導体よりも高い超電導遷移温度を有する超電導補正コイルであり、磁場補正工程を、超電導補正コイルの超電導遷移温度より低く超電導体の超電導遷移温度より高い温度で行うことを特徴とする。この場合、補正コイルは、着磁される超電導体より高い超電導遷移温度を持つ超電導体からなり、(B)磁場補正工程を補正コイルの超電導遷移温度より低く着磁される超電導体の遷移温度より高い温度で行うので、電気抵抗が実質的にゼロの段階で補正コイルに電流を流すことができ、大きな磁場の乱れを補正できる。また、補正コイルのジュール発熱が抑制されるため、着磁される超電導体への熱的影響がなく安定に冷却できる。
様相15によれば、磁場印加工程と磁場補正工程とを同時に行うことを特徴とする。この場合、(A)磁場印加工程と(B)磁場補正工程を時間的に同時に行うので、より短い時間で着磁を行うことができる利点が得られる。同時とは、磁場印加工程と磁場補正工程とが時間的に完全にあるいは部分的に重複していることを意味する。
様相16に係る核磁気共鳴装置は、上記した様相に係る超電導磁場発生装置をマグネットとして備えることを特徴とする。この場合、上記した様相に係る超電導磁場発生装置をマグネットとすることで、小型で高性能な核磁気共鳴装置が得られる。
本発明によれば、超電導体の筒内空間にできるだけ均一な磁場を広範囲に発生することができ、更に、補正コイルが単位時間に発熱する発熱量を少なくすることができる効果を有する超電導磁場発生装置その着磁方法を提供することができる。更に、上記した効果を有する超電導磁場発生装置を利用する核磁気共鳴装置を提供することができる。
以下、本発明の実施形態を説明する。
<実施形態1>
図1は実施形態1を示す。本実施形態に係る超電導磁場発生装置は、超電導遷移温度以下で磁場を捕捉することにより磁場を発すると共に筒内空間10を有する仮想中心軸11(仮想中心線)を有する超電導バルクで形成された筒状(円筒状)の超電導体1と、超電導体1を冷却する冷却装置2(冷凍機)と、超電導体1を収容する断熱室30をもつ真空断熱容器3(材質:アルミニウム合金等の非磁性材料)と、超電導体1の筒内空間10の磁場分布を補正するための補正コイル4とを備えている。断熱室30は高真空状態に維持される。
寒冷が発生するコールドヘッド22と冷却装置2との間には、コールドヘッド22を冷却するための冷却機構20が設けられている。真空断熱容器3は、先端壁3aと周壁3bとをもち、先端壁3aから筒内空間10に挿入されたパイプ35とをもつ。パイプ35は、断熱室30内の真空維持のための底壁36を有する。パイプ35内は空間10cとされており、検査対象物を配置できる。このように筒内空間10に挿入されたパイプ35内の空間10c内に検査対象物が挿入されるため、超電導体1の筒内空間10における磁場をできるだけ均一にすることが好ましい。
補正コイル4は、超電導体1の仮想中心軸11に沿って延びるコイル軸芯40をもつ筒形状をなすコイルであり、超電導体1とほぼ同軸的に配置されている。補正コイル4において、超電導体1の仮想中心軸11が延びる方向の長さLは、超電導体1の高さH(超電導体1の軸長方向の長さ寸法に相当する)以下に設定されている。従って、L≦Hの関係に設定されている。補正コイル4は、超電導体1の軸長方向の中央に配置されている。但し、これに限定されない。
上記した補正コイル4は、超電導体1の外周側を同軸に包囲する単数のコイルから成り、超電導体1の外周側に配置されている。補正コイル4においては、電流はコイル軸芯40の回りを流れる。図1に示すように、補正コイル4は、真空断熱容器3の断熱室30の内部に配置されている。この結果、補正コイル4は、冷却装置2により冷却されるように配置されている。補正コイル4は、超電導体1を着磁する際の磁場分布補正に用いる。超電導体1は、その主成分がRE−Ba−Cu−O(REはY,La,Nd,Sm,Eu,Gd,Er,Yb,Dy,Hoのうちの1種以上)で表される組成を有する。具体的には、本実施形態によれば、超電導体1を構成する超電導バルクは、REBaCu7−X(RE123相)、REBaCuO(RE211相)、Pt、AgOの各原料粉末を所定の比率に配合し、溶融法により形成されている。超電導バルクは、超電導となる母相に絶縁相が微細に分散した組織を形成することができる。この場合、微細に分散した絶縁相が磁場のピン止め点として働くため、捕捉磁場が大きい超電導体1が得られる。
更に説明を加える。図1に示すように、筒状の超電導バルクで形成された超電導体1の仮想中心軸11が延びる方向の印加磁場分布を補正する補正コイル4が設けられている。補正コイル4は、冷却装置2のコールドヘッド22に超電導体1を固定するための筒形状の試料ホルダ5(材質:アルミニウム合金)に保持されている。ここで、補正コイル4は超電導体1と一緒に冷却装置のコールドベッド22で冷却される。このため補正コイル4の電気抵抗が小さくなり、少ない電力で磁場の乱れを補正することができる。補正コイル4は超電導線材で作製しても良いし、超電導線材以外の導電材料で形成しても良い。補正コイル4が超電導線材で作製されている場合には、電気抵抗が実質的にゼロで補正コイル4での発熱が抑制されるので、超電導バルクで形成された超電導体1への熱的影響が抑制される。即ち、補正コイル4が超電導材料で形成されている超電導補正コイルである場合には、超電導補正コイルの超電導遷移温度が超電導体1よりも高いことが好ましい。この場合、補正コイル4は超電導材料で形成されているため、補正コイル4は、着磁される超電導体1より高い超電導遷移温度を持つ。このため電気抵抗が少ない状態で(実質的にゼロで)補正コイル4に電流を流すことができ、超電導体1の磁場が大きな乱れを発生しているときであっても、補正コイル4による磁場を大きくでき、超電導体1の磁場を良好に補正できる。また、補正コイル4のジュール発熱が実質的になくなるので、着磁される超電導体1への熱的影響がなく安定に冷却できる利点が得られる。
本実施形態によれば、コールドヘッド22、超電導体1、試料ホルダ5、補正コイル4は、内部を真空にした断熱室30を形成する真空断熱容器3内に収納されている。真空断熱容器3および試料ホルダ5は、磁場分布に乱れを起こさないようアルミニウム合金(非磁性材料)製となっている。アルミニウム合金に代えて、オーステナイト系のステンレス鋼、セラミックスで形成しても良い。断熱室30を形成する真空断熱容器3の上部には、先の塞がった底部36を有する有底状のパイプ35が筒内空間10内において同軸的に取り付けられている。これにより筒状の超電導体1の内周側には、大気に連通して大気圧に維持される空間10cが形成されている。例えば、本装置をNMR装置のマグネット6として使用する際には、この筒内空間10内の空間10c内に被測定物を配置することにより、NMR分析を行うことができる。
本実施形態によれば、補正コイル4は真空断熱容器3の内部に配置されているため、補正コイル4を超電導体1の近傍に巻いて配置することができ、曲率半径のよりも小さな磁場分布の歪みを補正することができる。また、真空断熱容器3の外壁面には補正コイル4による突起が生じないので、超電導体1の着磁を行う際に用いる超電導マグネット等の着磁用のマグネットの内径を小さくできる利点が得られる。また、補正コイル4は、冷却装置2により冷却されるように配置されている。このため、補正コイル4は冷却装置2で冷却されるので、補正コイル4の電気抵抗が低下する。よって、少ない電力で超電導体1の磁場の乱れを補正できる。また、補正コイル4は冷却装置2で効果的に冷却されるため、補正コイル4の発熱が少なくなる。
本実施形態によれば、補正コイル4は、外部磁場印加装置により超電導体1を着磁する際の磁場分布補正に用いられる。補正コイル4は外部磁場印加装置により超電導体1を着磁する際の磁場分布補正に用いるので、印加磁場の乱れを補正することができる。故に、できるだけ均一な磁場を広範囲に発生させることができる超電導磁場発生装置が得られる。
本実施形態によれば、磁場補正工程は、超電導体1の超電導遷移温度と、超電導遷移温よりも+10℃との間の温度領域において行われる。この場合、超電導体1の超電導遷移温度をTcとすると、磁場補正工程は、Tc〜(Tc+10℃)との間で実施される。上記した温度領域における着磁の際には、基本的に超電導遷移温度で印加されている磁場の分布が超電導体1に捕捉される。一般に超電導体1の磁化は温度に依存しており、温度により変わる。その結果、超電導体1自身の磁化による磁場分布の乱れも温度に依存し、温度より変化する。この点について、(B)磁場補正工程を、超電導遷移温度と超電導遷移温度よりも+10℃との間の温度領域で行うので、より正確な磁場の補正が可能となる。
<実施形態2>
図2は実施形態2を示す。本実施形態は実施形態1と基本的には同様の構成および作用効果を奏する。以下、異なる部分を中心として説明する。冷却装置2は2段の冷凍機とされている。第2コールドヘッド22sの極低温の冷却温度は、1段目の第1コールドヘッド22fの極低温の冷却温度よりも低い。この場合、図2に示すように、第1コールドヘッド22fと補正コイル4との間には輻射シールド24(伝熱部材)が配置されている。第1コールドヘッド22fは補正コイル4に筒形状の輻射シールド24を介して熱的に接触しており、補正コイル4を冷却する。輻射シールド24の基端24aは第1コールドヘッド22fに熱的に接触している。輻射シールド24の先端24cは真空断熱容器3の先端壁3aに対面しつつ接近している。輻射シールド24は超電導体1および試料ホルダ5の外周側に、補正コイル4の内周側に配置されている。補正コイル4は輻射シールド24により保持されても良いし、他の部材で保持されても良い。
2段目の第2コールドヘッド22sで超電導体1を冷却する。実施形態1との違いは、補正コイル4は輻射シールド24(材質:銅合金等の非磁性および熱伝導性を有する材料)に熱的に接触しており、輻射シールド24で低温に冷却されている。故に補正コイル4の冷却を超電導体1の冷却と分離している。これにより補正コイル4が通電されるときに、補正コイル4がジュール発熱するときであっても、補正コイル4による超電導体1の温度上昇を抑制することができる利点が得られる。また、1段目の第1コールドヘッド22fに筒形状の輻射シールド24を超電導体1に対してほぼ同軸的に取り付けることができるので、超電導体1全体を均一により低温に冷却することができる。
<実施形態3>
図3および図4は実施形態3を示す。本実施形態は上記した実施形態1,2と基本的には同様の構成および作用効果を奏する。以下、異なる部分を中心として説明する。超電導体1として、溶融法で合成したGd−Ba−Cu−O系の超電導バルク(40Kでの臨界電流密度Jc=6×10A/m、100Kでの比透磁率μr=1.01)を用いる。以下、臨界電流密度は40Kを基準とする。比透磁率μrは100Kを基準とする。
図3は超電導磁場発生装置の発生磁場分布を示す。図3に示すように、超電導体1の外径Do60mm、内径Di16mm、高さ(超電導体1の仮想中心軸11が延びる方向の寸法)H60mmである。補正コイル4については、外径Eo80mm、内径Ei76mm、長さL26mmである。図3において、超電導体1の仮想中心軸11が延びる方向をz方向として示す。超電導体1の半径方向(軸直角方向)をr方向として示す。ここで、筒内空間10においてz方向における所定位置(超電導体1の軸長方向の中心)を、z方向の0点とする。筒内空間10において仮想中心軸11上の点をr方向における0点とする。
図4は、外部磁場印加装置および補正コイル4(L=26ミリメートル)を用いて超電導体1を着磁する形態を示す。図4に示すように、1ppm以下のできるだけ均一な磁場を発生する市販のNMR用超電導マグネット6を着磁用のマグネット(外部磁場印加装置)として用いて行なう。超電導マグネット6は、断熱室30aをもつ真空断熱容器3aに収容されており、超電導磁場発生装置の超電導体1を外周側から同軸的に包囲している。着磁の手順は以下のとおり(表1,表2参照)。表1は、補正コイルで補正する場合を示す。表1は、補正コイルで補正しない場合を示す。
Figure 2009156719
Figure 2009156719
(A)磁場印加工程……表1に示すように、超電導体1の温度Tを超電導遷移温度Tcを超える温度にする(T>Tc)。この状態で、(1)超電導マグネット6(図4参照)に図示する方向に電流を流す。これにより所定の磁場(5T)を、超電導体1の仮想中心軸11が延びる方向の上向きに印加する。この際、超電導マグネット6の磁場は1ppm以下の均一性がある。但し、超電導体1自身の磁化の影響を受け、実際の印加磁場は乱れた分布となる。
(B)磁場補正工程……表1に示すように、(1)超電導マグネット6の磁場を印加したまま、(2)補正コイル4に超電導マグネット6とは逆向き(仮想中心軸11が延びる方向の下向き)の磁場を発生させるように、補正コイル4に電流を流す。これにより印加磁場の分布を所定の形状になるように補正する(T>Tc)。なお、磁場印加工程(A)と磁場補正工程(B)とは時間をおいて実施されているが、これに限らず、時間的に全く同時に、あるいは、時間的に重複させて実施してもよい。
(C)冷却工程……表1に示すように、(1)超電導マグネット6による磁場と(2)補正コイル4による磁場との双方を印加したまま、超電導体1の温度TをTc未満に冷却する(T<Tc)。
(D)磁場停止工程……表1に示すように、超電導体1の温度Tを臨界温度Tc未満に保持した状態(T<Tc)で、(1)超電導マグネット6による磁場と(2)補正コイル4による磁場との双方をゼロにする。この際、図3に示すように、補正された印加磁場分布を維持するように、円筒形状をなす超電導体1の内部に超電導電流が誘起される。その結果、超電導体1の筒内空間10内に均一磁場空間が形成される。なお、超電導体1の温度TがTc未満(T<Tc)であれば、冷却工程の途中で磁場を停止してもよい。また、磁場を停止した後、超電導体1を更に冷却してもよい。
本実施形態によれば、上記した(A)磁場印加工程では超電導マグネット6により5Tの磁場を超電導体1に印加し、(B)磁場補正工程では、補正コイル4に流すコイル電流の電流密度を16A/mmとしている。これにより補正コイル4による磁場を、超電導マグネット6による磁場の向きと反対向きとなるように印加している(図4参照)。なお、超電導マグネット6による磁場、コイル電流の電流密度は、これらに限定されるものではない。
上記した磁場補正工程はシミュレーション解析処理により行った。シミュレーション解析処理については、磁場解析ソフトによりおこなった。表1において、シミュレーション解析は、(A)磁場印加工程〜(D)磁場停止工程まで実施した。
図5は、超電導体1の筒内空間10における印加磁場と捕捉磁場との分布(Z方向の磁場分布)を示す。図5において、横軸はz方向における距離を示し、縦軸はΔBz/Bo(ppm)を示す。Boはz=0ミリメートル(0点)における磁束密度を示す。ΔBzは仮想中心軸上の距離zにおける磁束密度B(z)とBoとの差、つまり、B(z)−Bo示す。
ここで、 図5において、『H60Gdt0』において、『H60』は超電導体1の仮想中心軸11に沿った方向の高さ(軸長寸法)が60ミリメートルであることを示す。『Gd』はGd系の超電導バルクを超電導体1として使用していることを示す。『t0』は超電導マグネット6で磁場を印加している状態であることを示す。また、『H60Gd−16A/mm』において、『H60』は超電導体1の軸長が60ミリメートルであることを示す。『16A/mm』は、補正時において補正コイル4に電流を通電しており、通電している電流の電流密度が16A/mmであることを示す。
図6は、超電導体1の筒内空間10における印加磁場と捕捉磁場との分布(r方向における磁場分布)示す。図6において、横軸はr方向における距離を示し、縦軸はΔBz/Bo(ppm)を示す。ここで、図5および表1において、超電導マグネット6により磁場を超電導体1に印加するものの、磁場を補正コイル4で補正しないときの印加磁場分布を○(白丸,特性線A1)として示す。そのまま補正コイル4で補正しないで、磁場停止工程後の発生磁場分布(捕捉磁場分布)を▲(黒印三角,特性線A2)として示す。超電導マグネット6により磁場を超電導体1に印加するものの、補正コイル4に通電して印加磁場補正を行ったときの印加磁場分布を◇(白菱形,特性線A3)として示す。磁場停止工程後における発生磁場分布(捕捉磁場分布)を■(黒印四角,特性線A4)として示す。
図5に示す特性線A2によれば、補正コイル4による補正前では、z方向において、1ppm以下の磁場均一性が得られる均一磁場空間は、0点から片側で0.75ミリメートルである。従ってz方向における両側を考慮すると、0.75ミリメートル×2=1.5ミリメートルであり、狭い範囲である。これに対して、図5に示す特性線A4によれば、補正コイル4による補正後では、z方向において、1ppm以下の磁場均一性が得られる均一磁場空間は、0点から片側で7.5ミリメートルである。従ってz方向における両側を考慮すると、7.5ミリメートル×2=15ミリメートルであり、広い範囲である。
図6に示す特性線A2によれば、補正コイル4による補正前では、r方向において、1ppm以下の磁場均一性が得られる均一磁場空間は、0点から片側で1ミリメートルである。従ってr方向における両側を考慮すると、1ミリメートル×2=2ミリメートルであり、狭い範囲である。これに対して、図6に示す特性線A4によれば、補正コイル4による補正後では、r方向において、1ppm以下の磁場均一性が得られる均一磁場空間は、0点から片側で5ミリメートルである。従ってr方向における両側を考慮すると、5ミリメートル×2=10ミリメートルであり、広い範囲である。
上記した図5および図6に示すように、補正コイル4による磁場の補正がない場合(補正前)には、1ppm以下の磁場均一性が得られる均一磁場空間は、ほぼφ2mm×LA1.5mmであり、狭い範囲である。これに対して、印加磁場補正をすることにより、均一磁場空間は、φ10mm×LA15mmとなり、広い範囲となり、超電導体1は均一磁場を広範囲に発生することができることがわかる。
本実施形態によれば、図3に示すように、補正コイル4による磁場の向きを超電導マグネット6の磁場と逆向きにしている。但し、補正コイル4に流す電流の向きは、これに限定されるものではなく、必要に応じて両者を同じ向きにしてもよい。なお、上記した超電導体1を形成するGd−Ba−Cu−O系の超電導バルクとしては、例えば、Gd123:Gd211=3:1(モル比)に対して、0.5mass%Pt、10mass%AgOを添加することで形成できる。但し、超電導バルクの組成はこれに限定されるものではない。
<実施形態4>
図7〜図9は実施形態4を示す。本実施形態は上記した実施形態と基本的には同様の構成、および作用効果を有する。実施形態1を示す装置を用いた。この場合、Gd系の超電導体1の替わりに、Gd系よりも磁化が小さいEu系のバルク超電導体1(Eu−Ba−Cu−O系のバルク超電導体1(Jc=6×10A/m、μr=1.001)を超電導体1として用いる。超電導体1の寸法は、外径Do60mm、内径Di16mm、高さH60mmとした。超電導マグネット6による印加磁場は5Tで、実施形態3と同じである。本実施形態においては、シミュレーション解析によれば、磁場補正工程では、補正コイル4(L=26ミリメートル,L<H)に流すコイル電流の電流密度を2A/mmとしている。補正コイル4による磁場は、超電導マグネット6による磁場の向きと反対向きとなるように印加している(図7参照)。
図8および図9はシミュレーション解析による補正結果を示す。特性線A1(○)、特性線A2(▲),特性線A3(◇),特性線A4(■)は前述同様である。この場合、前述したように、補正時において補正コイル4の電流の電流密度を2A/mmとした。そして、超電導マグネット6により印加される磁場と逆向きの磁場を補正コイル4により超電導体1に印加させる。
図8に示す特性線A2によれば、補正コイル4による補正前では、z方向において、1ppm以下の磁場均一性が得られる均一磁場空間は、0点から片側で2ミリメートルである。従ってz方向における両側を考慮すると、2ミリメートル×2=4ミリメートルである。これに対して、図8に示す特性線A4によれば、補正コイル4による補正後では、z方向において、1ppm以下の磁場均一性が得られる均一磁場空間は、0点から片側で6ミリメートルである。従ってz方向における両側を考慮すると、6ミリメートル×2=12ミリメートルであり、広い範囲である。
図9に示す特性線A2によれば、補正コイル4による補正前では、r方向において、1ppm以下の磁場均一性が得られる均一磁場空間は、0点から片側で3ミリメートルである。従ってr方向における両側を考慮すると、3ミリメートル×2=6ミリメートルである。これに対して、図9に示す特性線A4によれば、補正コイル4による補正後では、r方向において、1ppm以下の磁場均一性が得られる均一磁場空間は、0点から片側で7ミリメートルである。従ってr方向における両側を考慮すると、7ミリメートル×2=14ミリメートルとなる。
これにより、1ppm以下の均一磁場空間については、補正コイル4による補正なしの場合には、φ6mm×LA4mmであった。これに対して補正コイル4に通電して補正した場合には、φ14mm×LA12mmに拡大できることがわかる。なお、上記した超電導体1を形成するEu−Ba−Cu−O系の超電導バルクとしては、例えば、Eu123:Eu211=100:35(モル比)に対して、0.5mass%Pt、20mass%AgOを添加することで形成できる。但し、超電導バルクの組成はこれに限定されるものではない。
<実施形態5>
図10〜図12は実施形態5を示す。本実施形態は上記した実施形態と基本的には同様の構成、および作用効果を有する。この場合、超電導体1は、超電導体1の仮想中心軸11が延びる方向における両方の端を形成する筒形状(円筒形状)の端部121(第1部位)と、端部121(第1部位)の磁化率と異なる磁化率をもつ筒形状(円筒形状)の中央部120(第2部位)とを積層方向(仮想中心軸11が延びる方向)において積層して形成されている。ここで、超電導体1の端部121(第1部位)の磁化率は、中央部120(第2部位)の磁化率よりも小さく設定されている。
また、臨界電流密度Jcに着目すると、超電導体1は、超電導体1の積層方向において臨界電流密度Jcの異なる部分からなり、超電導体1のうちの仮想中心軸11が沿った方向における両方の端部121と、端部121で挟持された中央部120とを備えている。端部121の電流密度Jcは、中央部120の臨界電流密度Jcよりも大きく設定されている。
換言すると、Gd−Ba−Cu−O系の超電導体1で形成された中央部120を、Sm−Ba−Cu−O系の超電導体1で形成された2つの端部121で、軸長方向において図略の保持具により圧着しつつ挟み込んでいる。これにより図10に示す超電導積層体が形成されている。超電導積層体の外径Do、内径Diはいずれも60mm、16mmである。Gd系の中央部120の高さH1は40mmであり、Sm系の端部の高さH2は10mmである。
100Kでの比透磁率μrについて、Gd系の超電導バルクで形成されている中央部120では1.01であり、Sm系の超電導バルクで形成されている端部121では1.00035である。故に、積層方向の両端に配置されている端部の比透磁率μrは、積層方向における中央に配置されている中央部の比透磁率μrよりも小さく設定されている。40Kでの臨界電流密度Jcについては、Gd系の超電導体1で形成されている中央部は6×10A/mであり、Sm系の超電導体1で形成されている端部121は1×10A/mである。従って、超電導体1のうち積層方向において、両端の端部121のJcは、中央部120のJcよりも大きく設定されている。この場合、均一な磁場を広範囲に時間的に安定して発生させるのに有利となる。
図11および図12はシミュレーション解析結果を示す。図11は、超電導体1の筒内空間10における印加磁場と捕捉磁場との分布(Z方向の分布)を示す。図12は、超電導体1の筒内空間10における印加磁場と捕捉磁場との分布(r方向における分布)示す。この場合、補正特における補正コイル4の電流の電流密度を2A/mmとしている。ここで、印加磁場を補正コイル4で補正しないときの印加磁場分布を○(特性線A1)として示す。発生磁場分布(捕捉磁場分布)を▲(特性線A2)として示す。補正コイル4に通電して印加磁場補正を行ったときの印加磁場分布を◇(特性線A3)として示す。磁場停止工程後における発生磁場分布(捕捉磁場分布)を■(特性線A4)として示す。
図11および図12に示すように、補正コイル4による印加磁場補正がない場合には、1ppm以下の磁場均一性が得られる均一磁場空間は、ほぼφ3mm×LA3mmであった。これに対して、補正コイル4で磁場補正することにより、均一磁場空間は、φ5mm×LA7mmとなり、均一磁場を広範囲に発生することができた。
なお本実施形態によれば、補正コイル4による磁場の向きを超電導マグネット6の磁場と逆向きにしている。但し、補正コイル4に流す電流の向きは、これに限定されるものではなく、必要に応じて両者を同じ向きにしてもよい。なお、上記した超電導体1を形成するSm−Ba−Cu−O系の超電導バルクとしては、例えば、Sm123:Sm211=3:1(モル比)に対して、0.5mass%Pt、20mass%AgOを添加することで形成できる。但し、超電導バルクの組成はこれに限定されるものではない。
<実施形態6>
図13〜図15は実施形態6を示す。本実施形態は上記した実施形態と基本的には同様の構成、および作用効果を有する。本実施形態では、超電導体1として、Eu−Ba−Cu−O系の筒形状の中央部120を、Sm−Ba−Cu−O系の筒形状の端部121で積層方向(超電導体1の仮想中心軸11が延びる方向)において挟み込んだ超電導積層体を用いる。換言すると、図13に示すように、超電導体1は、超電導体1の仮想中心軸11が延びる方向における両方の端を形成する円筒形状の端部121(第1部位)と、端部121(第1部位)の磁化率と異なる磁化率をもつ円筒形状の中央部120(第2部位)とを積層して形成されている。超電導体1の端部121(第1部位)の磁化率は、中央部120(第2部位)の磁化率よりも小さく設定されている。
また、臨界電流密度Jcに着目すると、図13に示すように、超電導体1は臨界電流密度の異なる部分を積層して形成されており、超電導体1のうちの仮想中心軸11が沿った方向における2つの端部121と、2つの端部で挟持された中央部120とを備えている。ここで、端部121の臨界電流密度Jcは、中央部120の臨界電流密度Jcよりも大きく設定されている。
換言すると、超電導体1として、Eu系の超電導バルクで形成された中央部120を、Sm系の超電導バルクで形成された2つの端部121で、軸長方向(積層方向)において挟み込むことにより、超電導積層体Bが形成されている。この場合、均一な磁場を広範囲に時間的に安定して発生させるのに有利となる。
超電導積層体の外径Do、内径Diはいずれも60mm、16mmである。Eu系の中央部120の高さH1は40mm、Sm系の端部121の高さH2は15mmである。電流密度Jcについては、Eu系の中央部120では6×10A/m、Sm系の端部121では1×10A/mであり、両端の端部121の電流密度Jcは中央部120の電流密度Jcよりも大きい。
比透磁率μrについては、Eu系の端部121では1.001であり、Sm系の端部121では1.00035で、両端の端部121の比透磁率μrが中央部120のμrよりも小さい。図14および図15はシミュレーション解析結果を示す。本実施形態によれば、補正コイル4の電流の電流密度を0.4A/mmとする。これにより1ppm以下の磁場均一磁場空間を、補正なしのφ9mm×LA8mmから、φ13mm×LA15mmに拡大できることがわかる。
<実施形態7>
図16は実施形態7を示す。本実施形態は上記した実施形態と基本的には同様の構成、および作用効果を有する。図3に示す実施形態3で用いたGd−Ba−Cu−O系超電導バルクで形成された超電導体1(外径Do60mm、内径Di16mm、高さH60mm、比透磁率μr=1.01)について、実施形態1の装置構成を用いて補正コイル4(外径80mm、内径76mm)の長さLを変えて印加磁場の補正を行った(図17参照)。このときにおける印加磁場分布(図17)と補正コイル4の単位時間あたりの発熱量(図18)をシミュレーション解析により調べた。
図17において、『L10』は補正コイル4の長さが10ミリメールの場合、即ち、超電導体1の軸長さ(高さ)よりも短い場合を示す。『L60』は補正コイル4の長さが60ミリメールの場合、即ち、超電導体1の軸長(高さ)と等しい場合を示す。『L140』は補正コイル4の長さが140ミリメールの場合、即ち、超電導体1の軸長よりも長い場合を示す。
図17において『H60Gdt0』は、高さ60ミリメートルのGd系の超電導バルクで形成されている超電導体1を用いていることを示す。『toは、超電導マグネットで磁場を印加している状態であることを示す』 『L10J20.5』は、補正コイル4の長さLが10ミリメートルであり、補正コイル4の電流密度Jが20.5A/mm2であることを示す。
図17に示すように、L10mm:20.5A/mm、L20mm:11.5A/mm、L30mm:9.22A/mm、L40mm:8.8A/mm、L50mm:9.3A/mm、L60mm:10.55A/mm、L70mm:12.5A/mm、L80mm:15.1A/mm、L90mm:18.5A/mm、L100mm:22.8A/mm、L110mm:28.3A/mm、L120mm:35.1A/mm、L130mm:43.2A/mm、L140mm:53A/mmについて、調べた。その結果を図17に示す。図17に示すように、●として示すように、補正コイル4による補正がなされていないとき、1ppm以下の磁場均一領域は狭い範囲である。これに対して、補正コイル4による補正がなされたときには、補正コイル4の長さがL10(10ミリメートル)〜L60(60ミリメートル)の範囲のとき、1ppm以下の磁場均一領域を広くすることができることがわかる。
即ち、図17に示すように、補正コイル4の長さLが60ミリメートル以下である場合には、補正コイル4の長さLが短いほど、補正後の印加磁場の1ppmの領域はz方向において広くなることがわかる。また、補正コイル4の長さLが超電導バルクの高さ60mmよりも長くなると、z方向において、1ppmの均一磁場空間の領域を増大させる効果は緩和されるものの、補正コイル4の単位時間あたりの発熱量が指数関数的に増加する(図18参照)。
なお、図18に示す特性線W1によれば、補正コイル4の単位時間あたりの発熱量は、超電導体1の高さHが60ミリメートルのとき、L20〜40ミリメートルで最小域を形成し、殊にL30mm付近で最小を示す。上記した結果から、超電導体1においては、補正コイル4の長さLは超電導バルクで形成されている超電導体1の高さHよりも短い方が、発熱量が少なくなる。したがって、冷却装置に対する熱負荷が小さくなり、印加磁場分布をより広い領域で均一に補正できることがわかる。換言すると、超電導体1の高さHを100と相対表示するとき、補正コイル4の長さLは、33〜66程度、あるいは、40〜50程度にできる。但し、必要に応じて相対表示で10〜90,20〜80としても良い。
<実施形態8>
図19および図20は実施形態8を示す。本実施形態は上記した実施形態と基本的には同様の構成、および作用効果を有する。実施形態7と同様にして、Gd系の超電導バルクよりも磁化率(透磁率)が小さい性質を有するSm−Ba−Cu−O系の超電導バルクで形成されている超電導体1(外径Do60mm、内径Di16mm、高さH80mm、比透磁率μr=1.00035)を用いたときにおける補正コイル4の長さLと、印加磁場分布と補正コイル4の単位時間あたりの発熱量(図20参照)との関係をシミュレーション解析により調べた。
この場合、L10mm:0.52A/mm、L20mm:0.285A/mm、L30mm:0.225A/mm、L40mm:0.21A/mm、L50mm:0.22A/mm、L60mm:0.24A/mm、L70mm:0.27A/mm、L80mm:0.33A/mm、L90mm:0.4A/mm、L100mm:0.49A/mm、L110mm:0.61A/mm、L120mm:0.76A/mm、L130mm:0.94A/mm、L140mm:1.15A/mmについて調べた。この場合においても、補正により磁場均一領域が広くなる。
また、補正コイル4の単位時間あたりの発熱量は指数関数的に増加する(図20)。なお、超電導体1の高さHが80ミリメートルのとき、補正コイル4の単位時間あたりの発熱量は、L20〜40ミリメートルにおいて最小域を示す。殊に補正コイル4の長さLが30mmで、発熱量は最小となる。換言すると、超電導体1の高さHを100と相対表示するとき、補正コイル4の長さLは、25〜50程度、あるいは、30〜40程度にできる。但し、必要に応じて相対表示で10〜90,20〜80としても良い。以上により、磁化率の小さいSm系の超電導バルクで形成されている超電導体1についても、補正コイル4の長さLが超電導バルクの高さHよりも短い方が冷却装置に対する熱負荷が小さくなり、印加磁場分布をより広い領域で均一に補正できることがわかる。
<実施形態9>
図21及び図22は実施形態9を示す。本実施形態は上記した実施形態と基本的には同様の構成、および作用効果を有する。本実施形態では、超電導体1として、Eu−Ba−Cu−O系の筒形状の中央部120を、Sm−Ba−Cu−O系の筒形状の端部121で積層方向(超電導体1の仮想中心軸11が延びる方向)において挟み込んだ超電導積層体を超電導体1として用いる。換言すると、図21に示すように、超電導体1は、超電導体1の仮想中心軸11が延びる方向における両方の端を形成する円筒形状の端部121(第1部位)と、端部121(第1部位)の磁化率と異なる磁化率をもつ円筒形状の中央部120(第2部位)とを積層して形成されている。超電導体1の端部121(第1部位)の磁化率は、中央部120(第2部位)の磁化率よりも小さく設定されている。この場合、後述するように均一な磁場を広範囲に時間的に安定して発生させる超電導磁場発生装置を提供するのに有利となる。ここで、端部121の臨界電流密度Jcは中央部120の臨界電流密度Jcよりも大きく設定されている。
ここで、Sm系の端部121(高さ15mm)と、Eu系の中央部120と(高さ40mm)と、Sm系の端部120(高さ15mm)とを積層方向において積層させた超電導積層体(外径60mm、内径16mm、全高70mm)を用い、補正コイル4の長さLを変化させたとき、印加磁場分布と補正コイル4の単位時間あたりの発熱量とをシミュレーション解析により調べた。この場合においても、磁場均一領域を広くできる。超電導体1の高さHが70ミリメートルのとき、補正コイル4の単位時間あたりの発熱量については、補正コイル4の長さL20〜40ミリメートルで最小領域が得られた。特に、L30ミリメートルで発熱量が最小となり、補正コイル4の長さLが超電導バルクの高さ70mmより長くなると、発熱量が指数関数的に増加することがわかる(図22)。上記したことからSm/Eu/Smの積層バルクで形成された超電導体1においても、補正コイル4の長さLが超電導体1の高さHよりも短い方が、冷却装置2に対する熱負荷が小さくなり、より効率的に印加磁場分布を均一に補正できることがわかる。なお、超電導体1の高さHを100と相対表示するとき、中央部120は30〜90、40〜80にできる。各端部120は5〜30にできる。
<実施形態10>
図23は実施形態10を示す。本実施形態は上記した実施形態と基本的には同様の構成、および作用効果を有する。図23に示すように、本実施形態では、超電導体1として、Eu−Ba−Cu−O系の筒形状の中央部120を、Sm−Ba−Cu−O系の筒形状の端部121で積層方向(超電導体1の仮想中心軸11が延びる方向)において挟み込んだ超電導積層体を超電導体1として用いる。換言すると、図23に示すように、超電導体1は、超電導体1の仮想中心軸11が延びる方向における両方の端を形成する円筒形状の端部121(第1部位)と、端部121(第1部位)の磁化率と異なる磁化率をもつ円筒形状の中央部120(第2部位)とを積層して形成されている。超電導体1の端部121(第1部位)の磁化率は、中央部120(第2部位)の磁化率よりも小さく設定されている。ここで、端部121の臨界電流密度Jcは中央部120の臨界電流密度Jcよりも大きく設定されている。この場合、後述するように均一な磁場を広範囲に時間的に安定して発生させる超電導磁場発生装置を提供するのに有利となる。
ここで本実施形態によれば、超電導体1の内径Diは、実施形態9の内径よりも大きく設定されている。Sm系の端部121(高さ26mm)と、Eu系の中央部120(高さ48mm)と、Sm系(高さ26mm)の端部121とを積層方向に積層した積層バルクで形成した超電導体1(外径60mm、内径24mm、全高100mm)とした。この場合、補正コイル4の単位時間あたりの発熱量(図24)をシミュレーション解析により調べた。
図24は、補正コイル4の長さLを変化させたとき補正コイル4の発熱特性をシミュレーション解析した結果を示す。補正コイル4の単位時間あたりの発熱量については、L20〜50ミリメートル付近で最小域が得られた。殊に、補正コイル4の長さLが30mmのとき、補正コイル4の発熱量は最小となり、補正コイル4の長さLが超電導体1の高さH(100mm)よりも長くなると、発熱量は指数関数的に増加するため、好ましくないことがわかる(図24)。上記したことから、内径が大きいSm/Eu/Smの積層バルクで形成されている超電導体1においても、補正コイル4の長さLが超電導体1の高さHよりも短い方が、冷却装置に対する熱負荷が小さく、より効率的に印加磁場分布を均一に補正できることがわかる。
<実施形態11>
図25は実施形態11を示す。本実施形態は上記した実施形態と基本的には同様の構成、および作用効果を有する。実施形態1において、超電導体1の仮想中心軸(z軸)方向において補正コイル4(第1補正コイル41および第2補正コイル42)を2個直列に、且つ、超電導体1の仮想中心軸11に対してほぼ同軸的に配置した構造をもつ超電導磁場発生装置が用いられている。第1補正コイル41および第2補正コイル42は同じサイズ(外径Eo80mm、内径Ei76mm、長さLA10mm)とされている。第1補正コイル41および第2補正コイル42は、超電導バルクで形成されている超電導体1の高さ方向(軸長方向)において、超電導体1の中心点に対して上下対称の位置に配置されている。且つ、第1補正コイル41および第2補正コイル42は、電流の向きが互いに逆になるように、電源(図示せず)に接続されている。第1補正コイル41および第2補正コイル42同士の間隔(gap)を、0,10,20,30,40,50,60ミリメートルにそれぞれ設定した。
補正コイル4に電流密度1A/mmを流したときにおける補正コイル4の発生磁場分布(シミュレーション解析)を図26に示す。特性線C1は、gapが0ミリメートルでLが20ミリメートルのときを示す。特性線C2は、gapが10ミリメートルでLが30ミリメートルのときを示す。特性線C3は、gapが20ミリメートルでLが40ミリメートルのときを示す。特性線C4は、gapが30ミリメートルでLが50ミリメートルのときを示す。特性線C5は、gapが40ミリメートルでLが60ミリメートルのときを示す。特性線C6は、gapが50ミリメートルでLが70ミリメートルのときを示す。特性線C7は、gapが60ミリメートルでLが80ミリメートルのときを示す。
第1補正コイル41および第2補正コイル42に通電することにより補正すれば、磁場均一領域を広くすることができる。2つの第1補正コイル41および第2補正コイル42の電流の向きを互いに逆にすることにより、超電導体1の仮想中心軸11が延びる方向における印加磁場分布の直線的な傾きを補正することができる(1次の補正)。
第1補正コイル41と第2補正コイル42とのgapの間隔が広くなるに従って、z=0近傍における磁場分布の勾配は、増加している。勾配が大きい方が良好である。従って特性線C2,C3,C4,C5,C6,C7は良好である。特性線C5に示すように、gapが40mm(L60mm)近傍で最大となった後に減少する。これより、同じ電流で磁場分布の1次の補正をするのに、第1補正コイル4および第2補正コイル4を合わせた両端の長さLがコイル外径以下の範囲において最適なコイル間隔が存在することがわかる。
<実施形態12>
図27および図28は実施形態12を示す。本実施形態は上記した実施形態と基本的には同様の構成、および作用効果を有する。第1補正コイル41および第2補正コイル42の斜視図を図28に示す。図27および図28に示すように、超電導体1の径方向であるr方向(x方向)において第1補正コイル41および第2補正コイル42を並設して用いる場合の超電導磁場発生装置が用いられている。第1補正コイル41および第2補正コイル42の斜視図を図28に示す。
図28に示すように、第1補正コイル41は、一方側(上側)のC形状をなす円弧部41aと、他方側(下側)のC形状をなす円弧部41bと、円弧部41a,41b同士を繋ぐように超電導体1の軸長方向に沿って延びる連接部41cとをもつ。第2補正コイル42は、第1補正コイル41と対称形状をなしており、一方側(上側)のC形状をなす円弧部42aと、他方側(下側)のC形状をなす円弧部42bと、円弧部42a,42b同士を繋ぐように超電導体1の軸長方向に沿って延びる連接部42cとをもつ。
この場合、第1補正コイル41および第2補正コイル42に逆向きに電流を流す。第1補正コイル41および第2補正コイル42に電流を逆向きに流す場合には、r方向(x方向)において図26に類似した補正磁場が形成され、印加磁場分布の直線的な傾きを補正できる(1次の補正)。
<実施形態13>
図29および図30は実施形態13を示す。本実施形態は上記した実施形態と基本的には同様の構成、および作用効果を有する。図29に示すように、超電導体1の径方向であるr方向(x方向)において第1補正コイル41および第2補正コイル42を並設して用いる場合の超電導磁場発生装置が用いられている。第1補正コイル41および第2補正コイル42の斜視図を図30に示す。この場合、第1補正コイル41および第2補正コイル42に同じ向きに電流を流す。図30に示すように、第1補正コイル41は、一方側(上側)のC形状をなす円弧部41aと、他方側(下側)のC形状をなす円弧部41bと、円弧部41a,41b同士を繋ぐように超電導体1の軸長方向に沿って延びる連接部41cとをもつ。第2補正コイル42は、第1補正コイル41と対称形状をなしており、一方側(上側)のC形状をなす円弧部42aと、他方側(下側)のC形状をなす円弧部42bと、円弧部42a,42b同士を繋ぐように超電導体1の軸長方向に沿って延びる連接部42cとをもつ。
第1補正コイル41および第2補正コイル42に電流を同じ向きに流す場合には、r方向(x方向)において、左右対称な印加磁場分布の補正(2次の補正)ができる。
なお、図30に示すように、補正コイル41,42をr方向(x方向)において並設したが、それに直角なr方向(y方向)においても、図示しないものの、第3補正コイルおよび第4補正コイルを配置し、第1補正コイル41、第2補正コイル42、第3補正コイル、第4補正コイルにそれぞれに流す電流の向きや大きさを変えることにより、x−y平面内の印加磁場の歪みを補正できる。
<実施形態14>
図31は実施形態14を示す。本実施形態は上記した実施形態と基本的には同様の構成、および作用効果を有する。本実施形態は、上記した超電導磁場発生装置を核磁気共鳴装置に組み込んだものである。
核磁気共鳴装置200は、上記した超電導磁場発生装置を備える核磁気共鳴装置であり、小型で高性能な核磁気共鳴装置である。その好適な一実施の形態を図30の構成図で示す。本実施形態の核磁気共鳴装置200は、図31に示すように、超電導磁場発生装置100と分析手段300とを備えている。超電導磁場発生装置100の冷却装置2は圧縮機220に接続されており、真空断熱容器3は真空ポンプ230に連通している。破線で示すMは印加時のみ使用する超電導マグネット(外部磁場印加装置)である。また、分析手段300は、高周波発生装置310、パルスプログラマ(送信器)320、高周波増幅器330、プリアンプ(信号増幅器)340、位相検波器(受信器)350、アナログデジタル変換器360、コンピュータ370などからなる。
このような構成を有する核磁気共鳴装置200は、補正可能な均一磁場を発生する超電導磁場発生装置100を備えているので、コンパクトでありかつ高精度のNMR分析を行うことができる。
(そのほか)
本発明は上記した実施形態のみに限定されるものではなく、要旨を逸脱しない範囲内で適宜変更して実施できる。超電導体1は上記した組成に限定されるものではなく、必要に応じて適宜選択できる。積層構造の超電導体においても、端部121と中央部120の組成は上記したものに限定されるものではなく、必要に応じて適宜選択できる。超電導磁場発生装置において用いられている非磁性材料は上記した材料に限定されるものではなく、必要に応じて適宜選択できる。
本発明の超電導磁場発生素子を有する超電導磁場発生装置は、強力な静磁場を均一な分布で発生させることができるので核磁気共鳴装置の磁場発生装置として好適である。また、このような超電導核磁気共鳴装置は、高感度で高分解能を備えかつコンパクトであるので、医療分野におけるMRI装置、あるいは工業用素材や農作物などの成分及び構造分析などに好適に用いることができる。
実施形態1に係り、超電導磁場発生装置を模式的に示す断面図である。 実施形態2に係り、超電導磁場発生装置を模式的に示す断面図である。 実施形態3に係り、超電導体および補正コイルを模式的に示す断面図である。 実施形態3に係り、補正コイルで補正しつつ超電導マグネットで超電導体に磁場を印加して着磁している状態を模式的に示す断面図である。 実施形態3に係り、z方向において1ppm以下の磁場均一性が得られる均一磁場空間を示すグラフである。 実施形態3に係り、r方向において1ppm以下の磁場均一性が得られる均一磁場空間を示すグラフである。 実施形態4に係り、超電導体および補正コイルを模式的に示す断面図である。 実施形態4に係り、z方向において1ppm以下の磁場均一性が得られる均一磁場空間を示すグラフである。 実施形態4に係り、r方向において1ppm以下の磁場均一性が得られる均一磁場空間を示すグラフである。 実施形態5に係り、超電導体および補正コイルを模式的に示す断面図である。 実施形態5に係り、z方向において1ppm以下の磁場均一性が得られる均一磁場空間を示すグラフである。 実施形態5に係り、r方向において1ppm以下の磁場均一性が得られる均一磁場空間を示すグラフである。 実施形態6に係り、超電導体および補正コイルを模式的に示す断面図である。 実施形態6に係り、z方向において1ppm以下の磁場均一性が得られる均一磁場空間を示すグラフである。 実施形態6に係り、r方向において1ppm以下の磁場均一性が得られる均一磁場空間を示すグラフである。 実施形態7に係り、超電導体および補正コイルを模式的に示す断面図である。 実施形態7に係り、z方向において1ppm以下の磁場均一性が得られる均一磁場空間を示すグラフである。 実施形態7に係り、補正コイルの長さLを変化させたときにおける発熱特性を示すグラフである。 実施形態8に係り、超電導体および補正コイルを模式的に示す断面図である。 実施形態8に係り、補正コイルの長さLを変化させたときにおける発熱特性を示すグラフである。 実施形態9に係り、超電導体および補正コイルを模式的に示す断面図である。 実施形態9に係り、補正コイルの長さLを変化させたときにおける発熱特性を示すグラフである。 実施形態10に係り、超電導体および補正コイルを模式的に示す断面図である。 実施形態10に係り、補正コイルの長さLを変化させたときにおける発熱特性を示すグラフである。 実施形態11に係り、超電導体および補正コイルを断熱容器内に備える超電導磁場発生装置を模式的に示す断面図である。 実施形態11に係り、第1補正コイルと第2補正コイルとの間隔を変化させたときにおける補正磁場との関係を示すグラフである。 実施形態12に係り、超電導体および補正コイルを断熱容器内に備える超電導磁場発生装置の要部を模式的に示す断面図である。 実施形態12に係り、超電導体に装備されている補正コイルを模式的に示す斜視図である。 実施形態13に係り、超電導体および補正コイルを断熱容器内に備える超電導磁場発生装置の要部を模式的に示す断面図である。 実施形態13に係り、超電導体に装備されている補正コイルを模式的に示す斜視図である。 実施形態14に係り、超電導磁場発生装置を核磁気共鳴装置に組み込んだ状態を示す構成図である。
符号の説明
100は超電導磁場発生装置、1は超電導体、10は筒内空間、11は仮想中心軸、121は端部、120は中央部、2は冷却装置、22はコールドヘッド、3は真空断熱容器、30は断熱室、4は補正コイル、6は超電マグネット(外部磁場印加装置)を示す。

Claims (16)

  1. 超電導遷移温度以下で磁場を捕捉することにより磁場を発すると共に筒内空間を有する筒状の超電導体と、前記超電導体を冷却する冷却装置と、前記超電導体を収容する断熱容器と、前記超電導体の前記筒内空間の磁場分布を補正すると共に前記超電導体の仮想中心軸が延びる方向における長さが前記超電導体の長さ以下に設定されている補正コイルとを具備していることを特徴とする超電導磁場発生装置。
  2. 請求項1において、前記補正コイルは前記超電導体の外側に配置されていることを特徴とする超電導磁場発生装置。
  3. 請求項1または2において、前記補正コイルは複数のコイルで形成されていることを特徴とする超電導磁場発生装置。
  4. 請求項1〜3のうちのいずれか一項において、前記補正コイルは、前記断熱容器の内部に配置されていることを特徴とする超電導磁場発生装置。
  5. 請求項1〜4のうちのいずれか一項において、前記補正コイルは、前記冷却装置により冷却されるように配置されていることを特徴とする超電導磁場発生装置。
  6. 請求項1〜5のうちのいずれか一項において、前記補正コイルは、超電導材料で形成されている超電導補正コイルであり、前記超電導補正コイルの超電導遷移温度が前記超電導体より高いことを特徴とする超電導磁場発生装置。
  7. 請求項1〜6のうちのいずれか一項において、前記補正コイルは、外部磁場印加装置により前記超電導体を着磁する際の磁場分布補正に用いられることを特徴とする超電導磁場発生装置。
  8. 請求項1〜7のうちのいずれか一項において、前記超電導体は、前記超電導体の前記仮想中心軸が延びる方向における少なくも1方の端を形成する第1部位と、前記第1部位の磁化率と異なる磁化率をもつ第2部位とを備えており、前記超電導体の前記第1部位の磁化率が、前記第2部位の磁化率よりも小さく設定されていることを特徴とする超電導磁場発生装置。
  9. 請求項1〜8のうちのいずれか一項において、前記超電導体は臨界電流密度の異なる部分からなり、前記超電導体のうちの前記仮想中心軸が沿った方向における少なくとも一方の端部の臨界電流密度が、前記超電導体の中央部の臨界電流密度よりも大きく設定されていることを特徴とする超電導磁場発生装置。
  10. 請求項1〜9のうちのいずれか一項において、前記超電導体は、その主成分がRE−Ba−Cu−O(REはY,La,Nd,Sm,Eu,Gd,Er,Yb,Dy,Hoのうちの1種以上)で表される組成を有することを特徴とする超電導磁場発生装置。
  11. 超電導遷移温度以下で磁場を捕捉することにより磁場を発すると共に筒内空間を有する筒状の超電導体と、前記超電導体を冷却する冷却装置と、前記超電導体を収容する断熱容器とを具備する超電導磁場発生装置における前記超電導体を着磁する着磁方法において、
    (A)外部磁場印加装置により、前記超電導体に前記超電導体の超電導遷移温度以上で磁場を印加する磁場印加工程と、
    (B)前記超電導体の近傍に設けられた外部の補正コイルにより、前記超電導体の前記筒内空間の磁場分布を補正する磁場補正工程と、
    (C)磁場を印加して補正した状態で、前記冷却装置により、前記超電導体を超電導遷移温度以下に冷却する冷却工程と、
    (D)前記外部磁場印加装置または前記補正コイルにより印加した磁場を解除する磁場停止工程とを含むことを特徴とする超電導磁場発生装置の着磁方法。
  12. 超電導遷移温度以下で磁場を捕捉することにより磁場を発すると共に筒内空間を有する筒状の超電導体と、前記超電導体を冷却する冷却装置と、前記超電導体を収容する断熱容器と、前記断熱容器内に配置され前記超電導体の筒内空間の磁場分布を補正する補正コイルとを具備する超電導磁場発生装置の着磁方法において、
    (A)外部磁場印加装置により、前記超電導体に前記超電導体の超電導遷移温度以上で磁場を印加する磁場印加工程と、
    (B)前記補正コイルにより、前記超電導体の筒内空間の磁場分布を補正する磁場補正工程と、
    (C)磁場を印加して補正した状態で、前記冷却装置により、前記超電導体を超電導遷移温度以下に冷却する冷却工程と、
    (D)前記外部磁場印加装置または前記補正コイルにより印加した磁場を解除する磁場停止工程とを含むことを特徴とする超電導磁場発生装置の着磁方法。
  13. 請求項11または12において、前記磁場補正工程を前記超電導体の超電導遷移温度と前記超電導遷移温度よりも+10℃との間の温度領域において行うことを特徴とする超電導磁場発生装置の着磁方法。
  14. 請求項11〜13のうちのいずれか一項において、前記補正コイルは、前記超電導体よりも高い超電導遷移温度を有する超電導補正コイルであり、前記磁場補正工程を、前記超電導補正コイルの超電導遷移温度より低く前記超電導体の超電導遷移温度より高い温度で行うことを特徴とする超電導磁場発生装置の着磁方法。
  15. 請求項11〜14のうちのいずれか一項において、前記磁場印加工程と前記磁場補正工程とを同時に行うことを特徴とする超電導磁場発生装置の着磁方法。
  16. 請求項1〜10のうちの一項に記載の前記超電導磁場発生装置をマグネットとして備えることを特徴とする核磁気共鳴装置。
JP2007335480A 2007-12-27 2007-12-27 超電導磁場発生装置、超電導磁場発生装置の着磁方法および核磁気共鳴装置 Expired - Fee Related JP5360638B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007335480A JP5360638B2 (ja) 2007-12-27 2007-12-27 超電導磁場発生装置、超電導磁場発生装置の着磁方法および核磁気共鳴装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007335480A JP5360638B2 (ja) 2007-12-27 2007-12-27 超電導磁場発生装置、超電導磁場発生装置の着磁方法および核磁気共鳴装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2009156719A true JP2009156719A (ja) 2009-07-16
JP5360638B2 JP5360638B2 (ja) 2013-12-04

Family

ID=40960896

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007335480A Expired - Fee Related JP5360638B2 (ja) 2007-12-27 2007-12-27 超電導磁場発生装置、超電導磁場発生装置の着磁方法および核磁気共鳴装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5360638B2 (ja)

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013140128A (ja) * 2012-01-06 2013-07-18 Jeol Resonance Inc Nmr装置のセットアップ方法
WO2015015892A1 (ja) * 2013-07-31 2015-02-05 株式会社日立製作所 磁場発生装置、それを用いた磁気共鳴イメージング装置、および、高温超電導バルク体の着磁装置
JP2016006825A (ja) * 2014-06-20 2016-01-14 アイシン精機株式会社 超電導磁場発生装置、超電導磁場発生方法及び核磁気共鳴装置
WO2018021506A1 (ja) 2016-07-27 2018-02-01 新日鐵住金株式会社 バルクマグネット構造体及びnmr用バルクマグネットシステム
WO2018021507A1 (ja) * 2016-07-27 2018-02-01 新日鐵住金株式会社 バルクマグネット構造体、これを用いたnmr用マグネットシステム、およびバルクマグネット構造体の着磁方法
JP2021048226A (ja) * 2019-09-18 2021-03-25 アイシン精機株式会社 超電導体の着磁方法
EP4053860A1 (en) 2021-03-05 2022-09-07 Bruker Switzerland AG A method for charging a superconductor bulk magnet by field-cooling, with at least one non-homogeneous magnetic field component of the applied charger magnetic field

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP3910651B1 (en) 2020-05-14 2022-10-26 Bruker Switzerland AG Superconducting magnet system, with individual temperature control of axially stacked bulk sub-magnets
EP4177624A1 (en) 2021-11-09 2023-05-10 Bruker Switzerland AG A method for homogenizing a magnetic field profile of a superconductor magnet system, in particular with feedback by a measured magnetic field profile

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH10116721A (ja) * 1996-10-11 1998-05-06 Railway Technical Res Inst 超電導バルク体マグネット
JP2006034528A (ja) * 2004-07-26 2006-02-09 Ge Medical Systems Global Technology Co Llc 磁気共鳴イメージング装置およびマグネットシステム
JP2007129158A (ja) * 2005-11-07 2007-05-24 Aisin Seiki Co Ltd 磁場発生装置及び核磁気共鳴装置

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH10116721A (ja) * 1996-10-11 1998-05-06 Railway Technical Res Inst 超電導バルク体マグネット
JP2006034528A (ja) * 2004-07-26 2006-02-09 Ge Medical Systems Global Technology Co Llc 磁気共鳴イメージング装置およびマグネットシステム
JP2007129158A (ja) * 2005-11-07 2007-05-24 Aisin Seiki Co Ltd 磁場発生装置及び核磁気共鳴装置

Cited By (16)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013140128A (ja) * 2012-01-06 2013-07-18 Jeol Resonance Inc Nmr装置のセットアップ方法
WO2015015892A1 (ja) * 2013-07-31 2015-02-05 株式会社日立製作所 磁場発生装置、それを用いた磁気共鳴イメージング装置、および、高温超電導バルク体の着磁装置
JP2016006825A (ja) * 2014-06-20 2016-01-14 アイシン精機株式会社 超電導磁場発生装置、超電導磁場発生方法及び核磁気共鳴装置
US9564262B2 (en) 2014-06-20 2017-02-07 Aisin Seiki Kabushiki Kaisha Superconducting magnetic field generating device, superconducting magnetic field generating method, and nuclear magnetic resonance apparatus
US10712411B2 (en) 2016-07-27 2020-07-14 Nippon Steel Corporation Bulk magnet structure and bulk magnet system for NMR
WO2018021507A1 (ja) * 2016-07-27 2018-02-01 新日鐵住金株式会社 バルクマグネット構造体、これを用いたnmr用マグネットシステム、およびバルクマグネット構造体の着磁方法
JPWO2018021506A1 (ja) * 2016-07-27 2019-06-13 日本製鉄株式会社 バルクマグネット構造体及びnmr用バルクマグネットシステム
JPWO2018021507A1 (ja) * 2016-07-27 2019-06-27 日本製鉄株式会社 バルクマグネット構造体、これを用いたnmr用マグネットシステム、およびバルクマグネット構造体の着磁方法
WO2018021506A1 (ja) 2016-07-27 2018-02-01 新日鐵住金株式会社 バルクマグネット構造体及びnmr用バルクマグネットシステム
JP2020129685A (ja) * 2016-07-27 2020-08-27 日本製鉄株式会社 バルクマグネット構造体、これを用いたnmr用マグネットシステム、およびバルクマグネット構造体の着磁方法
JP7060034B2 (ja) 2016-07-27 2022-04-26 日本製鉄株式会社 バルクマグネット構造体の着磁方法、これを用いたnmr用マグネットシステム
JP2021048226A (ja) * 2019-09-18 2021-03-25 アイシン精機株式会社 超電導体の着磁方法
JP7279590B2 (ja) 2019-09-18 2023-05-23 株式会社アイシン 超電導体の着磁方法
EP4053860A1 (en) 2021-03-05 2022-09-07 Bruker Switzerland AG A method for charging a superconductor bulk magnet by field-cooling, with at least one non-homogeneous magnetic field component of the applied charger magnetic field
JP2022136030A (ja) * 2021-03-05 2022-09-15 ブルーカー スウィッツァーランド アー・ゲー 印加される励磁磁場の少なくとも1つの不均一磁場成分を用い、磁場中冷却によって超伝導バルク磁石を励磁するための方法
JP7232944B2 (ja) 2021-03-05 2023-03-03 ブルーカー スウィッツァーランド アー・ゲー 印加される励磁磁場の少なくとも1つの不均一磁場成分を用い、磁場中冷却によって超伝導バルク磁石を励磁するための方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP5360638B2 (ja) 2013-12-04

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5360638B2 (ja) 超電導磁場発生装置、超電導磁場発生装置の着磁方法および核磁気共鳴装置
US5936498A (en) Superconducting magnet apparatus and magnetic resonance imaging system using the same
JP4317646B2 (ja) 核磁気共鳴装置
JP2010272633A (ja) 超電導マグネット
JPS63157411A (ja) 磁気共鳴映像装置
CN101019036A (zh) 带有铁辅助磁场梯度系统的磁共振成像系统
JP2009000517A (ja) セラミック巻型を持つヒートパイプ冷却型超伝導磁石
EP1923714A2 (en) Superconductive magnet with shielded refrigerator
US6545474B2 (en) Controlling method of superconductor magnetic field application apparatus, and nuclear magnetic resonance apparatus and superconducting magnet apparatus using the method
JP2009106742A (ja) 磁気共鳴撮像システム向けのマグネットアセンブリ
JP4806742B2 (ja) 磁場発生装置及び核磁気共鳴装置
WO2015079921A1 (ja) 磁気共鳴イメージング装置
JP2014053479A (ja) 超電導体、超電導磁石、超電導磁場発生装置及び核磁気共鳴装置
US7924011B2 (en) Ferromagnetic shield for magnetic resonance imaging
JP2005152632A (ja) 補助的な静磁場成形コイルを利用するmriシステム
US8171741B2 (en) Electrically conductive shield for refrigerator
JP2006038446A (ja) 遮蔽された蓄熱材を備える磁石システム
JP2004177363A (ja) 磁気シールド装置及び生体磁場計測装置
JP2006294664A (ja) 断熱真空冷却容器
JP6941703B2 (ja) 強磁性シールドを介したフィールドクーリングにより超伝導バルク磁石を磁化するための超伝導磁石装置および方法
JP6369851B2 (ja) 磁場発生装置及び磁場発生方法
JPWO2015015892A1 (ja) 磁場発生装置、それを用いた磁気共鳴イメージング装置、および、高温超電導バルク体の着磁装置
JP7131010B2 (ja) 超電導バルクの着磁方法
JP2003159230A (ja) 超電導磁石及びそれを用いた磁気共鳴イメージング装置
Nguyen et al. The Vienna nuclear demagnetization refrigerator

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20101119

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20101122

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20120518

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120529

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120730

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20121220

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130218

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130801

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130823

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5360638

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313117

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees