JP7279590B2 - 超電導体の着磁方法 - Google Patents

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Description

本発明は、超電導体の着磁方法に関する。
核磁気共鳴(NMR)は、静磁場中に置かれた試料の原子核に電磁波(ラジオ波)を印加したときに発生する原子核スピン(磁気モーメント)の共鳴現象である。核磁気共鳴装置(NMR装置)は、斯かる共鳴現象をNMR信号(NMRスペクトル)として検出して、試料の構造を解析する機器である。試料が置かれる静磁場の磁場強度が大きい程、NMR信号の感度と分解能が高くなるため、NMR装置には強い磁場を発生するための磁場発生装置が備えられる。
強磁場を発生させるために、磁場発生装置に塊(バルク)状の超電導体が用いられることがある。この場合、超電導遷移温度が高く且つ冷却が比較的容易な、第二種超電導体からなる塊(バルク)状の超電導体(超電導バルク)が好ましく用いられる。
NMR装置の磁場発生装置に用いられる超電導バルクは、例えば中空円筒状に形成される。この場合、以下の手順で超電導バルクが着磁される。
(1)磁場印加工程
磁場印加工程では、中空円筒状の超電導バルクの超電導遷移温度(臨界温度)Tcよりも高い温度T1にて、超電導バルクの軸方向に磁束が通るように、超電導バルクの軸方向に沿って磁場(印加磁場)が超電導バルク及び超電導バルクのボア(内周空間)に印加される。
(2)磁場中冷却工程
磁場中冷却工程では、上記のように磁場が印加された超電導バルクが、超電導遷移温度Tcよりも低い着磁温度T0まで冷却される。
(3)着磁工程(減磁工程)
着磁工程では、超電導バルクの温度を着磁温度T0に維持したまま、印加磁場を除去する(印加磁場がゼロにされる)。
着磁工程にて印加磁場が除去された場合、印加磁場を維持するように超電導バルク内に超電導電流が誘起される。こうして超電導バルク内に超電導電流が流れることにより、超電導バルクのボア内に印加された磁場が保持され、軸方向に磁束が通る磁場が形成される。すなわち、着磁工程にて、超電導バルクが印加された磁場を捕捉することにより、超電導バルクが着磁されて、磁場(捕捉磁場)が発生する。捕捉磁場が発生している超電導バルクのボア内には試料が置かれる空間(室温ボア空間)が形成される。この室温ボア空間には、NMRスペクトル信号を検出するためのプローブが配置される。このプローブに、測定試料が入った試料管を挿入して、NMRスペクトルの測定を行う。
NMR装置によって試料の分子構造を解析するに当たり、室温ボア空間を含む超電導バルクのボア内の磁場の均一性が低い場合、得られるNMRスペクトルがブロードとなり、或いはサイドバンドと呼ばれるサテライトピークが多数検出される。この場合、試料の分子構造を適切に識別することができない。よって、NMR装置に用いられる磁場発生装置は、強磁場を発生することができ、且つ超電導バルクのボア内の磁場の均一性を高めることができるように構成されているのが好ましい。従って、従来から、磁場発生装置に適用される中空円筒状の超電導バルクのボア内の磁場の均一性を高める開発が進められている。
特許文献1は、中空円筒状であって軸方向両端部の臨界電流密度が軸方向中央部の臨界電流密度よりも高くなるように形成された超電導バルクを開示する。中空円筒状の超電導バルクの両端の臨界電流密度を高めることにより、着磁後の超電導バルクのボア内の均一磁場領域を広くすることができる。
特許文献2は、中空円筒状であって軸方向両端部の内径よりも軸方向中央部の内径が大きくなるように形成された超電導バルクを開示する。中空円筒状の超電導バルクの両端の内径を小さくすることにより、超電導バルクの磁化に依らず、着磁後の超電導バルクのボアの中央領域に均一な磁場空間を形成することができる。
特許文献3は、超電導体が円筒状の外側超電導体とその内周に配置された円筒状の内側超電導体とにより構成されている磁場発生装置を開示する。外側超電導体と内側超電導体の臨界電流密度の異方性を利用することにより、着磁後の超電導体のボア内に均一な磁場空間を形成することができる。
特開2007-129158号公報 特開2014-053479号公報 特開2016-006825号公報
(発明が解決しようとする課題)
上記した特許文献1乃至3は、超電導バルクの磁化の影響や、超電導バルクの材料組織の不均一性の影響によって、磁場印加工程にて軸方向に均一な磁場を印加しているにもかかわらず、捕捉磁場が不均一になることに対する方策を提案している。従って、基本的には磁場印加工程にて超電導バルクに印加する磁場は軸方向に沿って均一にされる。しかしながら、磁場印加工程にてこのような均一磁場を印加した場合には、以下に示す問題が発生し、この問題は上記特許文献1乃至3に示す技術を用いても解決することができない。
上記した磁場印加工程、磁場中冷却工程、着磁工程を経て超電導バルクが着磁された場合、超電導バルク内に存在するピン止め点にて磁束がピン止めされることにより、磁場印加工程にて超電導バルク内に進入した磁束が保持される。しかし、中空円筒状の超電導バルクのボア内には磁場を維持するピン止め点が無い(すなわち超電導バルクが存在しない)。このため、ボア内に印加されていた磁場は、着磁工程の実施によって超電導バルク内に誘起される超電導電流により生じる磁場により保持されることになる。ここで、円筒状の超電導バルクの軸長が無限である場合には、超電導バルクの軸方向における境界(端部)が存在しないため、超電導バルク内を流れる超電導電流によって生じる捕捉磁場の強度を軸方向における任意位置にて一定にすることができる。このため印加磁場が軸方向に均一である場合、捕捉磁場も軸方向に均一にすることができる。
しかし、実際の超電導バルクの軸方向長さは有限であるので、超電導バルクのボアの軸方向における端部付近の領域では、形状の境界(端部)の影響を受ける。具体的には、印加磁場が軸方向に均一である場合、着磁工程の実施によってボアの軸方向中央位置周辺の領域(軸方向中央領域)に形成される捕捉磁場の強度は印加磁場の強度と同程度にすることができるものの、軸方向中央領域よりも端部寄りの領域である軸方向端部領域では、印加磁場の強度と同程度の捕捉磁場を形成するための超電導電流が不足する。その結果、印加磁場が軸方向に均一であっても、超電導バルクのボアの軸方向端部領域に形成される捕捉磁場の強度が軸方向中央領域に形成される捕捉磁場の強度に対して低下する。これにより、捕捉磁場の軸方向における均一領域(軸方向均一領域)が狭まる。このような傾向は、ボアの径が大きくなるほど顕著である。従って、磁場印加工程にて印加する磁場が軸方向に沿って均一であっても、中空円筒状の超電導体の軸方向長さが有限であることに起因して、ボアの軸方向における捕捉磁場の均一性が悪化するといった問題がある。
そこで本発明は、磁場印加工程にて中空円筒状の超電導体(超電導バルク)及びそのボアに磁場を印加する際における印加磁場強度の分布を調整することによって、超電導体のボア内の捕捉磁場の軸方向均一領域を拡大することができる、超電導体の着磁方法を提供することを、目的とする。
(課題を解決するための手段)
上記した課題を解決するために、本発明は、中空円筒状の超電導体(1)の超電導遷移温度(Tc)よりも高い温度にて、超電導体及び超電導体のボアに対し、超電導体の軸方向に沿って磁場を印加する磁場印加工程と、磁場が印加された超電導体を超電導遷移温度以下に冷却する磁場中冷却工程と、超電導体を超電導遷移温度以下の温度に維持したまま磁場印加工程にて印加されている磁場を除去することによって、超電導体を着磁する着磁工程と、を含む、超電導体の着磁方法であって、磁場印加工程にて、超電導体の軸方向における中央位置(z=0)と端部位置(z=H/2,-H/2)との間の中間位置(z=X1,X2,X3,X4,-X1,-X2,-X3,-X4)の磁場強度(B1,B3,B6,B8)が、中央位置の磁場強度(B0)よりも高く且つ極大となるように、磁場が印加される、超電導体の着磁方法を提供する。
本発明によれば、磁場印加工程にて、超電導体の軸方向中央位置よりも端部側の中間位置の磁場強度が、軸方向中央位置の磁場強度よりも高くなるように、印加磁場強度分布が調整される。このため、磁場印加工程の実施によって、超電導体の軸方向端部領域には、軸方向中央位置の印加磁場強度よりも高い磁場が印加される領域が存在する。これにより、着磁工程の実施によって、超電導体の軸方向における端部寄りの位置にてより多くの超電導電流を超電導体内に流すことができる。こうして端部寄りの位置により多く流れる超電導電流によって、超電導体の軸方向端部領域において境界(端部)の影響を受けて不足する超電導電流が補われ、その結果、捕捉磁場の軸方向均一領域を拡大することができる。
また、磁場印加工程にて、超電導体の軸方向中央位置と軸方向端部位置との間の中間位置にて磁場強度が極大となるように、印加磁場強度分布が調整される。このため、軸方向端部位置の磁場が最も大きくなるように印加磁場強度分布が調整される場合と比較して、印加磁場強度分布を設定するために必要な磁場の大きさを相対的に小さくすることができる。その結果、磁場印加工程にて印加磁場を発生する磁場印加装置のコンパクト化及びコストダウンを図ることができる。
本発明において、「中間位置」は、超電導体の軸方向中央位置よりも軸方向端部寄りであって且つ軸方向端部位置よりも軸方向中央寄りの軸方向領域内の位置であり、軸方向中央位置と軸方向端部位置との間を二等分する軸方向位置(以下、等分位置)ではない。この中間位置は、印加磁場が軸方向に均一である場合に着磁工程により超電導体に流れる超電導電流が径方向の全域に流れる領域よりも、軸方向中央位置寄りの軸方向位置であるとよい。また、中間位置は、印加磁場が軸方向に均一である場合に捕捉磁場が低下する軸方向領域内の位置であるとよい。さらに、中間位置は、等分位置から軸方向端部位置までの軸方向領域内の位置であるとよい。
磁場印加工程では、超電導体の軸方向における端部位置の磁場強度(B2,B7)が中央位置の磁場強度以下となるように、磁場が印加されるとよい。これによれば、磁場印加工程にて印加磁場強度分布を設定するために必要な磁場の大きさをより小さくすることができ、より一層、磁場印加装置のコンパクト化及びコストダウンを図ることができる。
また、磁場印加工程にて、超電導体の軸方向における中央位置から中間位置までの間の軸方向領域に亘る磁場強度が、中央位置における磁場強度と中間位置における磁場強度との間の範囲内にあるように、磁場が印加されるとよい。これによれば、超電導体の軸方向における中央位置から中間位置までの間の軸方向領域にて、ボアに形成される捕捉磁場を軸方向に亘ってより均一化することができる。
この場合、磁場印加工程にて、超電導体の軸方向における中央位置から中間位置に向かって磁場強度が漸増するように、磁場を印加することができる。
或いは、磁場印加工程にて、超電導体の軸方向における中央位置から中央位置と中間位置との間の所定位置(X5,-X5,X6,-X6)までの間の軸方向領域に亘って磁場強度が略一定であり、所定位置から中間位置に向かって磁場強度が漸増するように、超電導体に磁場を印加することもできる。これによれば、超電導体のボアの軸方向における中央付近の捕捉磁場の均一性をより高めることができる。
図1は、本実施形態に係る超電導体を備える磁場発生装置を上下方向に沿った中心線を含む平面で切断した断面を表す概略図である。 図2は、磁場印加工程にて印加される磁場(印加磁場)が矢印で示された、磁場発生装置の概略断面図である。 図3は、着磁工程の実施によって超電導体内に流れる超電導電流と、その超電導電流によってボアに形成される捕捉磁場が示された、磁場発生装置の概略断面図である。 図4は、実施例1に係る印加磁場強度分布を示す図である。 図5は、実施例2に係る印加磁場強度分布を示す図である。 図6は、比較例1に係る印加磁場強度分布を示す図である。 図7は、比較例2に係る印加磁場強度分布を示す図である。 図8は、実施例1、実施例2、比較例1、及び比較例2における印加磁場強度分布を印加磁場シフト量分布により表したグラフである。 図9は、磁場解析により得られた捕捉磁場の強度分布を捕捉磁場シフト量分布により表す図である。 図10は、超電導体の任意の軸方向位置のボアに形成される捕捉磁場及び、その捕捉磁場を形成するために超電導体内に超電導電流が流れる領域が示された、超電導体の概略断面図である。 図11は、任意の軸方向位置が超電導体の上端側に近い位置である場合に、その任意の軸方向位置のボアに形成される捕捉磁場及びその捕捉磁場を形成するために超電導体内に超電導電流が流れる領域が示された、超電導体の概略断面図である。 図12は、任意の軸方向位置が図11に示す位置からさらに上端に近い位置である場合に、その任意の軸方向位置のボアに形成される捕捉磁場及びその捕捉磁場を形成するために超電導体内に超電導電流が流れる領域が示された、超電導体の概略断面図である。 図13は、印加磁場強度分布が軸方向に均一である場合に、着磁後の超電導体に流れる超電導電流の径方向領域が模式的に示された、超電導体1の概略断面図である。 図14は、印加磁場強度分布が、実施例1、実施例2、及び比較例1に示すような印加磁場強度分布である場合に、着磁後の超電導体に流れる超電導電流の径方向領域が模式的に示された、超電導体の概略断面図である。 図15は、実施例1、実施例2、及び比較例1に係る印加磁場強度分布を併記したグラフである。 図16は、変形例1に係る印加磁場強度分布を示す図である。 図17は、変形例2に係る印加磁場強度分布を示す図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。図1は、本実施形態に係る超電導体(超電導バルク)を備える磁場発生装置100を上下方向に沿った中心線を含む平面で切断した断面を表す概略図である。図1に示すように、磁場発生装置100は、超電導体1と、冷却装置2と、コールドヘッド3と、ホルダ4と、真空断熱容器5とを備える。
超電導体1は、図1に示すように、同一形状に成形された複数の円筒状の超電導バルクを軸方向に沿って同軸的に積み重ねることによって、中空円筒状に形成される。図1においては、4個の円筒状の超電導バルクが、下から上に向かってこの順に軸方向に沿って同軸的に積み重ねられることにより、超電導体1が形成される。超電導バルクの個数は特に限定されない。なお、一つの超電導バルクによって中空円筒状の超電導体1を構成してもよい。このような中空円筒状の超電導体1は、軸方向における一方端面1a(下端面)及び他方端面1b(上端面)、外周面1c、内周面1dを有する。一方端面1a及び他方端面1bの形状は、リング形状である。超電導体1の内周面1dに囲まれた空間が、超電導体1のボア(内周空間)である。
超電導体1は高温超電導材料により形成される。本実施形態においては、超電導体1は、RE-Ba-Cu-O(REはYを含む希土類元素)系超電導体であり、周知の溶融法により形成される。超電導体1は、c軸方向を積層方向(層に垂直な方向)とする層状の結晶構造を持ち、結晶構造のc軸の方向が超電導体1の軸方向に一致するように種結晶から結晶成長させることにより形成される。
冷却装置2は、超電導体1の超電導遷移温度(臨界温度)Tc(例えば90K)以下の冷熱、例えば50K程度の冷熱を生成できるものであればどのようなものであってもよい。冷却装置2として、パルス管冷凍機、GM冷凍機、スターリング冷凍機を例示することができる。
冷却装置2にコールドヘッド3が取り付けられる。コールドヘッド3は、冷却装置2が生成した冷熱を外部に伝達するための冷熱伝達部材である。コールドヘッド3は、熱伝導率が高く且つ非磁性の材質により形成される。本実施形態では、コールドヘッド3は銅により形成される。
コールドヘッド3は、柱状に形成された軸部31と、円板状に形成されたステージ部32とを有する。軸部31の一方の端部(図1において下端部)が冷却装置2の冷熱生成部分(図示省略)に接触される。例えば、冷却装置2がパルス管冷凍機である場合、軸部31の一方の端部は冷熱生成部分としての蓄冷管の低温端部に接触され、冷却装置2がGM冷凍機である場合、軸部31の一方の端部は冷熱生成部分としての膨張空間を画成するシリンダ部分に接触される。図1において、軸部31は冷却装置2の上側に設けられる。軸部31の上端(他方の端部)に円板状のステージ部32が連続的に且つ同軸的に形成される。このステージ部32の図1において上面に超電導体1の一方端面1aが接触するように、超電導体1が同軸的に載置される。これにより超電導体1がコールドヘッド3に熱的に接触される。
ステージ部32上に同軸的に載置される超電導体1の外周側にホルダ4が配設される。ホルダ4は、超電導体1の外周面1cに対面して超電導体1をその外周側から覆う円筒状の部分と、円筒状の部分の上端から径内方に延設されて超電導体1の他方端面1b(上端面)に対面し、超電導体1を上側から覆う円板状の部分とを有する。また、ホルダ4の円筒状の部分の下端から径外方にフランジ状の部分が延設されており、このフランジ状の部分がステージ部32の上面の外周縁部に載置される。
真空断熱容器5は、コールドヘッド3のステージ部32の外径よりも大きい内径を有する円筒形状の本体部51と、本体部51の図1において下端から径外方に放射状に延設されることによりリング状に形成された固定部52と、本体部51の図1において上端から径内方に放射状に延設されることによりリング状に形成されたカバー部53とを有する。固定部52が冷却装置2の上面に気密的に固定される。本体部51は、固定部52から図1の上方に延設されるとともに、その内周空間に、コールドヘッド3、ホルダ4、及び超電導体1を収納するように、これらの構成要素と同軸的に配設される。このとき、カバー部53は、ホルダ4の円板状の部分の上側に所定の間隔を開けて離間配置する。
真空断熱容器5が備えるリング状のカバー部53の中央には、軸方向に貫通する円孔54が形成される。円孔54の径は、超電導体1の内径よりも僅かに小さい。また、円孔54の中心軸は、超電導体1のボアの中心軸に一致する。この円孔54を通じて、試料容器6が本体部51の内周空間内に挿入される。
試料容器6は、有底円筒状の容器部61と、容器部61の開口端から径外方に放射状に延設されたリング状の蓋部62とを有する。蓋部62の外径は、真空断熱容器5のカバー部53に設けられた円孔54の直径よりも大きい。また、容器部61の外径は、円孔54の径と等しいか又は僅かに小さい。そして、容器部61が円孔54から下方に向かって本体部51の内周空間内に差し込まれるとともに、蓋部62がカバー部53の上面に載置される。円孔54の中心軸は超電導体1の内周空間(ボア)の中心軸に一致するので、本体部51の内周空間内に差し込まれた容器部61は、超電導体1のボア(内周空間)に進入する。つまり、容器部61は超電導体1のボア内に配設される。容器部61内の空間に、例えばNMR装置にて分析される試料が載置される。容器部61内の空間は、超電導体1のボアのほぼ中央に設けられる。この空間を、室温ボア空間Rと呼ぶ。
また、試料容器6の容器部61の図1において上側部分の外周面と、円孔54を形成するカバー部53の内周壁面との対面部分が、図示しない封止手段により気密的に封止される。これによりカバー部53に形成された円孔54と容器部61との間の隙間が塞がれる。また、上述のように真空断熱容器5の固定部52は冷却装置2に気密的に固定されている。従って、真空断熱容器5、試料容器6及び冷却装置2に囲まれた密閉空間Mが冷却装置2の図1において上方に形成される。この密閉空間M内に、超電導体1、コールドヘッド3、及びホルダ4が配設される。真空断熱容器5は、アルミニウム合金等の非磁性材料で形成される。
上記構成の磁場発生装置100の超電導体1を着磁するためには、この磁場発生装置100が磁場印加装置10に組み込まれる。磁場印加装置10には図1に示すように円柱状の挿入孔10Aが形成されており、超電導体1を着磁する際にはこの挿入孔10Aに真空断熱容器5が同軸的に挿通される。これにより、真空断熱容器5内の超電導体1、及び、超電導体1のボア内に形成される室温ボア空間Rが、挿入孔10A内に同軸的に配置する。
また、磁場印加装置10は、超電導体1及びそのボアに対して磁場(印加磁場)を印加するためのコイル11を備える。このコイル11は、挿入孔10Aに挿通されている真空断熱容器5の本体部51の外周回りであって且つ真空断熱容器5内の超電導体1と同軸配置するように、磁場印加装置10に組み込まれている。コイル11の軸方向長さは、超電導体1の軸方向長さよりも長い。また、コイル11の軸方向における上端部が超電導体1の軸方向における上端部よりも上方に位置し、コイル11の軸方向における下端部が超電導体1の軸方向における下端部よりも下方に位置するように、すなわちコイル11の軸方向における配設領域に超電導体1の軸方向における配設領域が含まれるように、コイル11が超電導体1に対して配置する。
上記のようにして磁場発生装置100が磁場印加装置10に組み込まれた後に、超電導体1が着磁される。本実施形態において、超電導体1の着磁方法は、減圧工程、磁場印加工程、磁場中冷却工程、着磁工程(減磁工程)を含む。
減圧工程では、図1において図示しない排気装置を用いて密閉空間Mの内部を排気する。これにより、密閉空間M内の気圧が、例えば0.1Pa以下の真空状態にされる。
磁場印加工程では、磁場印加装置10を作動させることにより、超電導体1の超電導遷移温度Tcよりも高い磁場印加温度Tmにて、超電導体1及び超電導体1のボアを含む空間に磁場を印加する。これにより、超電導体1及びそのボアに対し、超電導体1の軸方向に沿って磁束が通過するような磁場が印加される。図2は、磁場印加工程にて印加される磁場(印加磁場)が矢印で示された、磁場発生装置100の概略断面図である。図2に示すように、印加磁場は、超電導体1及びそのボア内の空間に、超電導体1及びボアの軸方向に沿って下から上に向かって磁束が通過するように形成される。
磁場中冷却工程では、磁場印加装置10の作動によって超電導体1及びそのボアに対して磁場が印加された状態のまま、冷却装置2を作動させる。これにより冷却装置2が冷熱を生成し、生成した冷熱がコールドヘッド3に伝達され、さらにコールドヘッド3のステージ部32から超電導体1に伝達される。これにより、超電導体1が、超電導遷移温度Tc以下の着磁温度T0、例えば50Kに冷却される。冷却装置2による冷却により超電導体1の温度が超電導遷移温度Tc以下の温度にまで低下した場合、超電導体1が超電導状態にされる。
なお、磁場印加工程の実施後に磁場中冷却工程を実施してもよいが、磁場中冷却工程の途中で磁場印加工程を実施してもよい。この場合、磁場中冷却工程にて超電導体1が超電導遷移温度Tcよりも高い磁場印加温度Tmまで冷却されたときに、磁場印加工程が実施される。
着磁工程では、超電導体1の温度を超電導遷移温度Tc以下の着磁温度T0に維持したまま、磁場印加装置10の作動を停止させる。これにより印加磁場が取り除かれる。すると、印加磁場の除去に伴う磁場強度の変化を受けて、磁場の状態を復元するように超電導体1内に超電導電流が誘起される。超電導電流は、超電導体1の中心軸に垂直な平面内を、超電導体1の中心軸を中心として周方向に流れる円電流である。このようにして誘起された超電導電流が超電導体1内を流れることにより磁場が発生する。すなわち超電導体1が着磁される。超電導体1の着磁により発生する磁場は、基本的には、磁場発生装置100の作動により発生していた印加磁場と同じ磁場である。つまり、超電導体1が磁場発生装置100の作動により発生していた印加磁場を捕捉する。超電導体1が印加磁場を捕捉することにより超電導体1のボア内に磁場が発生する。磁場の捕捉によって発生した磁場を、捕捉磁場と呼ぶこともある。
図3は、着磁工程の実施によって超電導体1内に流れる超電導電流と、その超電導電流によってボアに形成される捕捉磁場が示された、磁場発生装置100の概略断面図である。図3に示すように、超電導電流は、中空円筒状の超電導体1の周方向に沿って流れるように形成される。そして、ボア内(室温ボア空間R内)の捕捉磁場は、図3の矢印にて示されるように、下から上に向かって磁束が通過するように、形成される。
このように、磁場印加工程、磁場中冷却工程、着磁工程を経て、超電導体1が着磁される。ここで、本実施形態においては、上記の工程のうち、磁場印加工程に特徴を有する。具体的には、中空円筒状の超電導体1の軸方向における印加磁場の強度分布に特徴を有する。以下、本実施形態の磁場印加工程を、実施例として、比較例とともに説明する。
(実施例1)
図4は、実施例1に係る印加磁場強度分布を示す図であり、横軸が超電導体1の軸方向位置zを表し、縦軸が印加磁場強度Bを表す。図4の横軸に関し、z=0の位置は、超電導体1の軸方向における中央位置であり、z=H/2は、超電導体1の軸方向における上端位置(端部位置)であり、z=-H/2は、超電導体1の軸方向における下端位置(端部位置)である。なお、Hは、超電導体1の軸方向長さである。また、図4及び後述する図5乃至図7において、z=0の軸方向位置(軸方向中央位置)における印加磁場強度BがB0で表される。また、図4及び後述する図5乃至図7に示す印加磁場強度分布は、例えば、超電導体1のボアの軸中心、すなわち室温ボア空間Rの中心軸線に沿った強度分布である。ただし、ボア内の印加磁場の軸方向における強度分布は、軸中心以外の位置においても概ね同様の傾向を示す。
図4に示すように、実施例1では、印加磁場強度Bは、超電導体1の軸方向中央位置(z=0の位置)から軸方向中央位置と両端位置(z=H/2の位置又はz=-H/2の位置)との間の中間位置(z=X1の軸方向位置又はz=-X1の軸方向位置)の間の軸方向領域において、軸方向中央位置から中間位置に向かって漸増し、中間位置(X1,-X1)にて極大の印加磁場強度B1となる。そして、中間位置(X1,-X1)からさらに両端位置(軸方向端部位置)に向かって印加磁場強度が減少し、軸方向端部位置における印加磁場強度B2は中央位置(z=0の位置)における印加磁場強度B0よりも小さい。つまり、実施例1では、超電導体1の軸方向中央位置と軸方向端部位置との間の中間位置の印加磁場強度B1が、軸方向中央位置の印加磁場強度B0よりも高く且つ極大となり、軸方向端部位置における印加磁場強度B2が軸方向中央位置における印加磁場強度B0以下となり、軸方向中央位置から中間位置までの間の軸方向領域に亘る印加磁場強度が軸方向中央位置における印加磁場強度B0と中間位置における印加磁場強度B1との間の範囲内にあり、且つ、軸方向中央位置から中間位置に向かって印加磁場強度が漸増するように、磁場が印加される。この例において、中間位置(X1,-X1)は、軸方向中央位置と軸方向端部位置との間を二等分する軸方向位置である等分位置(X0,-X0)よりも、軸方向端部位置に近い位置である。
(実施例2)
図5は、実施例2に係る印加磁場強度分布を示す図であり、横軸が軸方向位置zを表し、縦軸が印加磁場強度Bを表す。図5に示すように、実施例2では、印加磁場強度Bは、超電導体1の軸方向中央位置(z=0の位置)から軸方向中央位置と両端位置(z=H/2の位置又はz=-H/2の位置)との間の中間位置(z=X2の軸方向位置又はz=-X2の軸方向位置)の間の軸方向領域において、軸方向中央位置から中間位置に向かって漸増し、中間位置(X2,-X2)にて極大の印加磁場強度B3となる。そして、中間位置(X2,-X2)からさらに両端位置(軸方向端部位置)に向かって印加磁場強度が減少する。また、両端位置における印加磁場強度B4は軸方向中央位置(z=0の位置)における印加磁場強度B0よりも大きい。つまり実施例2では、超電導体1の軸方向中央位置と軸方向端部位置との間の中間位置の印加磁場強度B3が、軸方向中央位置の印加磁場強度B0よりも高く且つ極大となり、軸方向端部位置における印加磁場強度B4が軸方向中央位置における印加磁場強度B0以上となり、軸方向中央位置から中間位置までの間の軸方向領域に亘る印加磁場強度が軸方向中央位置における印加磁場強度B0と中間位置における印加磁場強度B4との間の範囲内にあり、且つ、軸方向中央位置から中間位置に向かって印加磁場強度が漸増するように、磁場が印加される。
(比較例1)
図6は、比較例1に係る印加磁場強度分布を示す図であり、横軸が軸方向位置zを表し、縦軸が印加磁場強度Bを表す。図6に示すように、比較例1では、印加磁場強度は、超電導体1の軸方向中央位置(z=0の位置)から両端位置(z=H/2の位置及びz=-H/2の位置)に向かって増加し、両端位置(軸方向端部位置)にて最大の印加磁場強度B5となる。つまり、比較例1に示す印加磁場強度分布においては、軸方向中央位置から軸方向端部位置まで印加磁場強度が漸増しており、超電導体1の軸方向領域内、すなわち軸方向位置-H/2~H/2の範囲内に印加磁場強度の極大値が存在しない。比較例1では、このような印加磁場強度分布を有するように、磁場印加工程にて超電導体1に磁場が印加される。
上記した実施例1、実施例2、及び比較例1に示す印加磁場強度分布によれば、いずれも、軸方向中央位置よりも端部側の領域(軸方向端部領域)に、軸方向中央位置の印加磁場強度よりも高い強度の磁場が印加される領域が存在する。
(比較例2)
図7は、比較例2に係る印加磁場強度分布を示す図であり、横軸が軸方向位置zを表し、縦軸が印加磁場強度Bを表す。図7に示すように、比較例2では、印加磁場強度Bは、超電導体1の軸方向に亘って一定の印加磁場強度B0である。比較例2では、このような印加磁場強度分布を有するように、磁場印加工程にて超電導体1に磁場が印加される。
図8は、上記実施例1、実施例2、比較例1、及び比較例2における印加磁場強度分布を、印加磁場シフト量分布により表したグラフである。図8の横軸は軸方向位置zを表し、縦軸は印加磁場シフト量であり、ΔB/B0により表される。ここで、図8における印加磁場強度B0は、軸方向中央位置(z=0)の印加磁場強度であり、ΔBは、所定の軸方向位置zの印加磁場強度Bと軸方向中央位置の印加磁場強度B0との差(B-B0)である。また、図8のグラフA1(シンボル:□)が、実施例1に係る印加磁場シフト量分布を表し、グラフB1(シンボル:△)が、実施例2に係る印加磁場シフト量分布を表し、グラフC1(シンボル:○)が、比較例1に係る印加磁場シフト量分布を表し、グラフD1(シンボル:◇)が、比較例2に係る印加磁場シフト量分布を表す。また、図8には、超電導体1の軸方向中央位置(z=0の位置)から一方の端部位置(z=H/2)までの軸方向領域における印加磁場シフト量分布が示される。超電導体1の軸方向中央位置(z=0)から他方の端部位置(z=-H/2)までの軸方向領域における印加磁場シフト量分布は、図8に示す分布と同一である。図4乃至図7と図8とを比較してわかるように、図4乃至図7により表される印加磁場強度分布は、図8により表される印加磁場シフト量分布とほぼ同じ分布曲線を描く。
磁場印加工程にて上記した実施例1、実施例2、比較例1、及び比較例2に示すような印加磁場強度分布の磁場を印加し、その後、磁場中冷却工程、着磁工程を経て超電導体1を着磁した場合に、超電導体1の軸方向に沿った捕捉磁場強度分布がどのようになるかを、磁場解析により調査した。この場合において、超電導体1の形状及び電流密度は以下のように設定した。
超電導体1の外径:64mm
超電導体1の内径:32mm
超電導体1の高さ(軸方向長さ)H:134mm
超電導体1の臨界電流密度Jc:4.7×10A/m
図9は、磁場解析により得られた捕捉磁場の強度分布を、捕捉磁場シフト量分布により表す図である。図9の横軸は軸方向位置zであり、縦軸は捕捉磁場シフト量であり、ΔB/B0により表される。ここで、図9における捕捉磁場強度B0は、軸方向中央位置(z=0)の捕捉磁場強度であり、ΔBは、所定の軸方向位置zの捕捉磁場強度Bと軸方向中央位置の捕捉磁場強度B0との差(B-B0)である。また、図9のグラフA2(シンボル:□)は、実施例1に係る捕捉磁場シフト量分布を表し、グラフB2(シンボル:△)は、実施例2に係る捕捉磁場シフト量分布を表し、グラフC2(シンボル:○)は、比較例1に係る捕捉磁場シフト量分布を表し、グラフD2(シンボル:◇)は、比較例2に係る捕捉磁場シフト量分布を表す。なお、図9に示す各グラフは、超電導体1の軸方向中央位置(z=0)から一方の端部位置(z=H/2)に向かって所定の長さL0に亘って磁場解析した結果により得られた捕捉磁場シフト量分布である。
図9において、捕捉磁場シフト量分布が水平であるほど、捕捉磁場強度が軸方向に亘り均一であることを表す。また、軸方向位置z=0の位置(軸方向中央位置)では、捕捉磁場シフト量は0である。本実施形態では、軸方向位置z=0における捕捉磁場シフト量からの変位が±1ppm以下である軸方向領域を、軸方向均一領域と定義する。
図9からわかるように、実施例1、実施例2、及び比較例1に係る捕捉磁場シフト量分布によれば、概ね、軸方向位置z=0(軸方向中央位置)から軸方向位置z=L1までの範囲に亘り、捕捉磁場シフト量の変化量が±1ppm以下である。すなわち、これらの例においては、軸方向均一領域の長さが概ねL1である。これに対し、比較例2に係る捕捉磁場シフト量分布によれば、軸方向位置z=0(軸方向中央位置)から軸方向位置z=L2までの範囲に亘り、捕捉磁場シフト量の変化量が±1ppm以下である。すなわち、比較例2においては、軸方向均一領域の長さがL2である。ここで、図9からわかるようにL1はL2よりも大きい。従って、実施例1、実施例2、及び比較例1に係る印加磁場強度分布にて磁場を印加することにより、捕捉磁場の軸方向均一性領域が、比較例2に比べて大きくなることがわかる。
また、比較例2では、超電導体1の軸方向に亘って均一に磁場を印加している。一方、実施例1、実施例2、及び比較例1では、超電導体1の軸方向中央位置(z=0の位置)よりも端部側の領域に、軸方向中央位置の印加磁場強度よりも高い磁場が印加される領域が存在する。従って、磁場印加工程において、超電導体1の軸方向中央位置(z=0の位置)の印加磁場強度B0よりも端部寄りの印加磁場強度が大きくなるように印加磁場強度分布を調整することにより、捕捉磁場の軸方向均一領域を拡大できることがわかる。その理由については、以下のように考えることができる。
磁場印加工程にて中空円筒状の超電導体の軸方向に沿って磁束が通過するように磁場を印加した場合、着磁工程の実施によって超電導体内を通過する磁束が超電導体内のピン止め点にてピン止めされる。一方、超電導体1のボアはピン止め点が存在しない単なる空間であるので、ボア内に印加されていた磁場を維持するために超電導体1内に円周方向に環状に超電導電流が誘起される。環状に誘起された超電導電流により、ボア内に磁場(捕捉磁場)が発生する。ここで、中空円筒状の超電導体の軸方向長さが無限であると仮定した場合、超電導体の軸方向端部が存在しないので、ボア内の捕捉磁場は超電導体1の形状の境界(端部)の影響を受けない。このため超電導体1に環状に流れる超電導電流の大きさ(すなわち、超電導電流密度(一定値)×径方向電流領域)が軸方向に一定であれば、任意の軸方向位置にて捕捉磁場の強度は一定になる。
しかしながら、実際には、超電導体1の軸方向長さは有限である。この場合、ボア内の捕捉磁場は超電導体1の形状の境界(端部)の影響を受ける。特に、ボア内のうち軸方向における両端付近に形成される捕捉磁場が、形状の境界の影響を受ける。これについて以下に説明する。まず、着磁される円筒状の超電導体1の軸方向が上下方向に一致していると仮定する。また、超電導体1の任意の軸方向位置のボアには、その任意の軸方向位置から上側にΔz離れた軸方向位置までの軸方向領域を形成する超電導体、及び、その任意の軸方向位置から下側にΔz離れた軸方向位置までの軸方向領域を形成する超電導体、のそれぞれに環状に流れる超電導電流により、捕捉磁場が形成されると仮定する。また、印加磁場工程にて、超電導体1の軸方向に沿って均一な磁場(磁場強度Bs)が印加されていたと仮定する。
図10は、超電導体1の任意の軸方向位置zのボアに形成される捕捉磁場及び、その捕捉磁場を形成するために超電導体1内に超電導電流が流れる領域が示された、超電導体1の概略断面図である。図10に示すように、超電導体1のうち、任意の軸方向位置zから上側にΔz離れた軸方向位置zuまでの軸方向領域を形成する部分を上側超電導領域1Uとし、任意の軸方向位置zから下側にΔz離れた軸方向位置zdまでの軸方向領域を形成する部分を下側超電導領域1Dとする。そして、任意の軸方向位置zのボアに形成される捕捉磁場が、上側超電導領域1U内を流れる超電導電流及び下側超電導領域1D内を流れる超電導電流により、図10の矢印のように形成される。
ここで、任意の軸方向位置zが、図10に示すように超電導体1の軸方向における中央付近の位置である場合、その任意の軸方向位置zからΔzだけ上下方向に移動した軸方向位置にも超電導体が存在する。従って、任意の軸方向位置zのボアに磁場強度Bsの捕捉磁場を形成するために十分な超電導電流を、上側超電導領域1U及び下側超電導領域1Dに流すことができる。なお、図10に示すような場合には、磁場強度Bsの捕捉磁場を形成するために環状に流れる超電導電流は、超電導体(上側超電導領域1U及び下側超電導領域1D)の外周側のみに流れ、内周側には流れていない。言い換えれば、超電導体1の軸方向中央位置付近の捕捉磁場を印加磁場と同じように形成するために十分な超電導電流を超電導体1に流すことができるように、超電導体1の径方向長さが余裕をもって設計される。図10には、上側超電導領域1U及び下側超電導領域1Dの外周面から径内方に向かって距離r1の径方向領域に超電導電流が流れ、それよりも内側の領域には超電導電流が流れない状態が示される。
図11は、任意の軸方向位置zが超電導体1の上端側に近い位置である場合に、その任意の軸方向位置zのボアに形成される捕捉磁場及びその捕捉磁場を形成するために超電導体1内に超電導電流が流れる領域が示された、超電導体1の概略断面図である。任意の軸方向位置zが図11に示すように超電導体1の軸方向端部位置(上端位置)に近い領域に位置する場合、任意の軸方向位置zから下側にΔz離れた軸方向位置zdには超電導体1は存在するものの、任意の軸方向位置zから上側にΔz離れた軸方向位置zuには超電導体1は存在しない。よって、上側超電導領域1Uの軸方向長さが下側超電導領域1Dの軸方向長さよりも短くなる。この場合、上側超電導領域1Uにおいては、任意の軸方向位置zのボアに磁場強度Bsの捕捉磁場を形成するために、超電導電流が流れる径方向領域が拡大される。このため図11に示すように、上側超電導領域1U内に超電導電流が流れる径方向領域(r2)が、下側超電導領域1D内に超電導電流が流れる径方向領域(r1)よりも、内径側に拡大されている。つまり、上側超電導領域1Uでは、超電導電流が流れる軸方向領域が制限される代わりに、超電導電流が流れる径方向領域が拡大される。
図12は、任意の軸方向位置zが図11に示す位置からさらに上端に近い位置である場合に、その任意の軸方向位置zのボアに形成される捕捉磁場及びその捕捉磁場を形成するために超電導体1内に超電導電流が流れる領域が示された、超電導体1の概略断面図である。任意の軸方向位置zが図12に示すように超電導体1の軸方向における上端により近い領域に位置する場合、上側超電導領域1Uの軸方向長さがさらに短くなる。このため、任意の軸方向位置zのボア内に磁場強度Bsの捕捉磁場を形成するために、上側超電導領域1Uに超電導電流が流れる径方向領域がさらに拡大されて、全径方向領域に亘り、超電導電流が流れることになる。
任意の軸方向位置zが図12に示す位置からさらに上端に近い位置である場合、上側超電導領域1Uの軸方向長さはさらに短くなる。この場合、その位置のボアに磁場強度Bsの捕捉磁場を形成するために、上側超電導領域1Uに超電導電流が流れる径方向領域をさらに拡大したいが、図12に示す位置にて既に全径方向領域に超電導電流が流れているために、それ以上超電導電流が流れる領域を拡大することができない。このため、図12に示す軸方向位置よりも端部位置に近い領域の位置のボアには、磁場強度Bsの捕捉磁場を形成するための超電導電流が不足し、その結果、捕捉磁場強度が低下する。このように、磁場印加工程にて軸方向に均一に印加磁場を印加した場合に、超電導体1の端部領域では、捕捉磁場強度が低下する。
図13は、印加磁場強度分布が比較例2に示すように軸方向に均一である場合に、着磁後の超電導体1に流れる超電導電流の径方向領域が模式的に示された、超電導体1の概略断面図である。図13において、超電導電流が流れる領域1Aと超電導電流が流れない領域1Bとの境界が破線で示される。図13に示すように、超電導体1の軸方向中央領域では、超電導電流が超電導体1の径外方側にのみ流れ、径内方側には流れていない。つまり、超電導体1の軸方向中央領域では、超電導電流が流れる領域に余裕がある。また、超電導体1の軸方向中央領域から端部領域に向かうにつれて、超電導電流が流れる径方向領域が内径側に拡大していき、超電導体1の端部では径方向の全域に超電導電流が流れる。また、超電導体1の軸方向端部では、径方向の全域に超電導電流が流れているにもかかわらず、均一な捕捉磁場を形成するための超電導電流が不足する。このため軸方向端部では磁束が径外方に広がることにより磁束密度が低下する。すなわち捕捉磁場強度が低下する。このように、磁場印加工程にて軸方向に均一な磁場を超電導体1に印加した場合、超電導体1の軸方向端部領域では、超電導体1の境界(端部)の影響を受けて、捕捉磁場強度が低下する。
これに対し、実施例1、実施例2、及び比較例1では、磁場印加工程にて、軸方向端部領域に軸方向中央位置の印加磁場強度よりも高い強度の磁場が印加される領域が存在するように、印加磁場強度分布が調整される。
図14は、印加磁場強度分布が、実施例1、実施例2、及び比較例1に示すような印加磁場強度分布である場合に、着磁後の超電導体1に流れる超電導電流の径方向領域が模式的に示された、超電導体1の概略断面図である。図14において、超電導電流が流れる領域1Aと超電導電流が流れない領域1Bとの境界が破線で示される。これらの例においては、超電導体1の軸方向における端部寄り(軸方向端部領域)の印加磁場強度が、軸方向中央位置の印加磁場強度よりも強いため、着磁工程の実施により軸方向端部領域のボア内に捕捉すべき磁場強度が軸方向中央位置付近のボア内に捕捉すべき磁場強度よりも強い。このため図14に示すように、軸方向端部領域にてより強い磁場を捕捉するために超電導電流が径方向の全域に流れる領域が図13に示す場合よりも広い。具体的には、図14によれば、図13に示す場合よりも、より軸方向中央領域に近い位置から端部位置までの広い軸方向領域に亘り、超電導電流が径方向の全域に流れる領域が形成される。こうして超電導電流が径方向全域に流れる領域が軸方向中央位置側に拡大されることにより、印加磁場が均一である場合に軸方向端部領域にて不足していた超電導電流が補われる。従って、軸方向端部領域における磁束の広がりを抑えることができ、それにより軸方向端部領域における磁束密度の低下(捕捉磁場強度の低下)を抑えることができる。その結果、捕捉磁場の均一領域を軸方向に沿って伸ばすことができ、これにより、捕捉磁場強度の軸方向均一領域を拡大することができる。
また、図9からわかるように、実施例1、実施例2、及び比較例1において、軸方向均一領域の長さに大差はない。また、実施例1及び実施例2においては超電導体1の軸方向中央位置と軸方向端部位置との間の中間位置にて印加磁場強度が極大となるように印加磁場強度分布が設定される。一方、比較例1においては超電導体1の軸方向における配設領域内にて印加磁場強度が極大となる位置は存在せず、超電導体1の軸方向中央位置から端部位置に亘って印加磁場強度が漸増している。つまり、比較例1によれば、超電導体1の軸方向領域内において、軸方向端部位置の印加磁場強度が最も大きい。
図15は、実施例1、実施例2、及び比較例1に係る印加磁場強度分布を併記したグラフである。図15において、グラフAが実施例1に係る印加磁場強度分布を表し、グラフBが実施例2に係る印加磁場強度分布を表し、グラフCが比較例1に係る印加磁場強度分布を表す。図15からわかるように、比較例1に係る印加磁場強度分布によれば、軸方向端部位置付近に印加する磁場強度が高い。このため軸方向端部にて強い印加磁場を発生させるために磁場発生装置が大型化するとともにコストアップする。これに対し、実施例1及び実施例2に係る印加磁場強度分布によれば、軸方向端部位置付近に印加すべき磁場強度は比較例1と比べて低い。よって、安価且つコンパクトな磁場印加装置を用いて、印加磁場強度分布を実施例1及び実施例2に示すように調整することができる。
このように、本実施形態(実施例1及び実施例2)によれば、磁場印加工程にて、超電導体1の軸方向中央位置と軸方向端部位置との間の中間位置の磁場強度が、軸方向中央位置の磁場強度よりも高く且つ極大となるように、磁場を印加することにより、捕捉磁場の軸方向均一領域を拡大することができるとともに、磁場印加装置を安価に且つコンパクトに構成することができる。
印加磁場強度の極大値を超電導体1の軸方向におけるどの位置に設定するのが最適であるかは、すなわち中間位置をどこに設定するかは、超電導体の特性や形状、印加する磁場の強度等に影響されるので、一概には言えない。ただし、印加磁場が軸方向に均一である場合に着磁工程の実施により超電導電流が径方向の全域に流れる軸方向領域に中間位置を設定すると、中間位置における超電導電流を増やすことができない。このため中間位置は、印加磁場が軸方向に均一である場合に着磁工程の実施により超電導電流が径方向の全域に流れる軸方向領域よりも、軸方向軸方向中央位置寄りの軸方向位置であるとよい。また、印加磁場が軸方向に均一である場合に着磁工程の実施により捕捉される磁場が均一である領域、すなわち軸方向中央位置に近い位置に中間位置を設定しても、その位置では捕捉磁場を増やす必要がないので効果が無い。従って、中間位置は、印加磁場が軸方向に均一である場合に着磁工程の実施により捕捉される磁場が低下する軸方向領域内の位置であるとよい。一般的に、中間位置は、超電導体1の軸方向中央位置から端部位置までの間を等分する等分位置から端部位置までの軸方向領域内の位置であるとよい。
また、図15に示すように、実施例1における超電導体1の軸方向端部位置の印加磁場強度は、実施例2における超電導体1の軸方向端部位置の印加磁場強度よりも小さい。具体的には、実施例1においては、軸方向端部位置の印加磁場強度は軸方向中央位置の印加磁場強度よりも低く、これに対し、実施例2においては、軸方向端部位置の印加磁場強度は軸方向中央位置の印加磁場強度よりも高い。従って、印加磁場強度分布を実施例1に示すように調整することにより、すなわち軸方向端部位置における印加磁場強度を軸方向中央位置における印加磁場強度よりも小さくすることにより、磁場印加装置をより安価に且つコンパクトに構成することができる。
(変形例1)
図16は、変形例1に係る印加磁場強度分布を示す図であり、横軸が軸方向位置zを表し、縦軸が印加磁場強度を表す。この図16に示す印加磁場強度分布によれば、軸方向中央位置(z=0)と軸方向端部位置(z=H/2,-H/2)との間の中間位置(X3,-X3)の印加磁場強度B6が軸方向中央位置の印加磁場強度B0よりも高く且つ極大となり、軸方向端部位置の印加磁場強度B7が軸方向中央位置の印加磁場強度B0よりも小さくなり、軸方向中央位置から中間位置までの軸方向領域の印加磁場強度は軸方向中央位置の印加磁場強度B0と中間位置の印加磁場強度B6との間の範囲内の磁場強度となるように、磁場が印加される。さらに、軸方向中央位置から、軸方向中央位置と中間位置との間の所定位置である第一位置(X5,-X5)までの軸方向領域に亘り、印加磁場強度がB0で略一定であり、第一位置(X5,-X5)から中間位置に向かって印加磁場強度が漸増するように、磁場が印加される。
図16に示すように印加磁場を与えた場合であっても、軸方向端部領域に軸方向中央領域の印加磁場強度よりも高い印加磁場が印加される領域が存在するために、軸方向端部領域における超電導電流の不足が補われ、その結果、捕捉磁場の軸方向均一領域を拡大することができる。また、軸方向中央位置を含む軸方向領域(-X5~X5)の印加磁場がほぼフラット(略一定)であるため、軸方向中央領域における捕捉磁場強度の均一性をより高めることができる。
(変形例2)
図17は、変形例2に係る印加磁場強度分布を示す図であり、横軸が軸方向位置zを表し、縦軸が印加磁場強度を表す。この図17に示す印加磁場強度分布によれば、軸方向中央位置(z=0)と軸方向端部位置(z=H/2,-H/2)との間の中間位置(X4,-X4)の印加磁場強度B8が軸方向中央位置の印加磁場強度B0よりも高く且つ極大となり、軸方向端部位置の印加磁場強度B9が軸方向中央位置の印加磁場強度B0よりも大きくなり、軸方向中央位置から中間位置までの軸方向領域の印加磁場強度は軸方向中央位置の印加磁場強度B0と中間位置の印加磁場強度B8との間の範囲内の磁場強度となるように、磁場が印加される。さらに、軸方向中央位置から、軸方向中央位置と中間位置との間の所定位置である第二位置(X6,-X6)までの軸方向領域に亘り、印加磁場強度がB0で略一定であり、第一位置(X6,-X6)から中間位置に向かって印加磁場強度が漸増するように、磁場が印加される。
図17に示すように印加磁場を与えた場合であっても、軸方向端部領域に軸方向中央領域の印加磁場強度よりも高い強度の印加磁場が印加される領域が存在するために、軸方向端部領域における捕捉磁場の低下が補われ、その結果、捕捉磁場の軸方向均一領域を拡大することができる。また、軸方向中央位置を含む軸方向領域(-X6~X6)の印加磁場がほぼフラット(略一定)であるため、軸方向中央領域における捕捉磁場強度の均一性をより高めることができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。本発明は、その趣旨を逸脱しない限りにおいて、変形可能である。
1…超電導体、1D…下側超電導領域、1U…上側超電導領域、2…冷却装置、3…コールドヘッド、4…ホルダ、5…真空断熱容器、6…試料容器、10…磁場印加装置、11…コイル、100…磁場発生装置、M…密閉空間、R…室温ボア空間、X1,X2,X3,X4,-X1,-X2,-X3,-X4…中間位置

Claims (5)

  1. 中空円筒状の超電導体の超電導遷移温度よりも高い温度にて、前記超電導体及び前記超電導体のボアに対し、前記超電導体の軸方向に沿って磁場を印加する磁場印加工程と、
    磁場が印加された前記超電導体を超電導遷移温度以下に冷却する磁場中冷却工程と、
    前記超電導体を前記超電導遷移温度以下の温度に維持したまま前記磁場印加工程にて印加されている磁場を除去することによって、前記超電導体を着磁する着磁工程と、
    を含む、超電導体の着磁方法であって、
    前記磁場印加工程にて、前記超電導体の軸方向における中央位置と端部位置との間の中間位置の磁場強度が、中央位置の磁場強度よりも高く且つ極大となるように、磁場が印加される、超電導体の着磁方法。
  2. 請求項1に記載の超電導体の着磁方法において、
    前記磁場印加工程にて、前記超電導体の軸方向における端部位置の磁場強度が中央位置の磁場強度以下となるように、磁場が印加される、超電導体の着磁方法。
  3. 請求項1又は2に記載の超電導体の着磁方法において、
    前記磁場印加工程にて、前記超電導体の軸方向における中央位置から前記中間位置までの間の軸方向領域に亘る磁場強度が、前記中央位置における磁場強度と前記中間位置における磁場強度との間の範囲内にあるように、磁場が印加される、超電導体の着磁方法。
  4. 請求項3に記載の超電導体の着磁方法において、
    前記磁場印加工程にて、前記超電導体の軸方向における中央位置から前記中間位置に向かって磁場強度が漸増するように、磁場が印加される、超電導体の着磁方法
  5. 請求項3に記載の超電導体の着磁方法において、
    前記磁場印加工程にて、前記超電導体の軸方向における中央位置から前記中央位置と前記中間位置との間の所定位置までの間の軸方向領域に亘って磁場強度が略一定であり、前記所定位置から前記中間位置に向かって磁場強度が漸増するように、前記超電導体に磁場を印加する、超電導体の着磁方法。
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