JP2006332499A - バルク超電導体のパルス着磁方法及び超電導磁石装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】従来よりも高い磁場を捕捉することができるバルク超電導体のパルス着磁方法およびその方法を効率よく実現可能な超電導磁石装置を提供すること。
【解決手段】バルク超電導体のパルス着磁方法において、バルク超電導体を、超電導転移温度以下の保持温度T1に保持し、パルス磁場B1を印加して、バルク超電導体の中心の捕捉磁場が0.1テスラ超え、2.0テスラ未満となるようにバルク超電導体に磁場を捕捉させる1次着磁工程と、バルク超電導体を保持温度T1よりも低い保持温度T2(<T1)に冷却保持し、パルス磁場B1よりも高いパルス磁場B2(>B1)を印加することにより、捕捉磁場を増大させる2次着磁工程とを含む。
【選択図】図10
【解決手段】バルク超電導体のパルス着磁方法において、バルク超電導体を、超電導転移温度以下の保持温度T1に保持し、パルス磁場B1を印加して、バルク超電導体の中心の捕捉磁場が0.1テスラ超え、2.0テスラ未満となるようにバルク超電導体に磁場を捕捉させる1次着磁工程と、バルク超電導体を保持温度T1よりも低い保持温度T2(<T1)に冷却保持し、パルス磁場B1よりも高いパルス磁場B2(>B1)を印加することにより、捕捉磁場を増大させる2次着磁工程とを含む。
【選択図】図10
Description
本発明は、バルク超電導体を強力な磁石として使用するためにパルス磁場を用いて着磁する方法に関する。
バルク超電導体を超電導永久磁石として応用する際に、バルク超電導体に磁場を捕捉させる方法(着磁する方法)として最も一般的なものは、静磁場を用いる磁場中冷却着磁法(Field Cooled Magnetization;FCM)である。これは、超電導転移温度Tc以上の温度において静磁場を印加し、Tc以下の温度にバルク超電導体を冷却して磁場を捕捉させた後、外部磁場を取り除いて着磁する方法である。
また、静磁場によるもう一つの着磁方法として、バルク超電導体をTc以下に冷却した後に静磁場を印加して着磁するゼロ磁場冷却法もあるが、同じ性能に着磁するのにより強い磁力を必要とするため、あまり一般的ではない。
また、静磁場によるもう一つの着磁方法として、バルク超電導体をTc以下に冷却した後に静磁場を印加して着磁するゼロ磁場冷却法もあるが、同じ性能に着磁するのにより強い磁力を必要とするため、あまり一般的ではない。
上記FCMは、現在最も多く磁場を捕捉させることができる方法である。しかし、FCMを実施するには、強い静磁場をバルク超電導体に長時間にわたって印加する必要があること、着磁後に超電導体の温度を保ったまま使用したい場所に移動させるのが不便なことから、利用する場所において着磁する必要があるが、大型の超電導マグネットを移設することは実質的に困難なことなど、実用的には問題が多い。
そのため、簡易な手段でバルク超電導体を着磁する方法として、パルス磁場を超電導体に印加して着磁するパルス着磁方法(Pulse Field Magnetization;PFM)が開発された。このパルス着磁方法は、超強力な永久磁石として使用する場合に、小型の装置で実現でき、簡便で、移動可能でもあり、非常に優れている。
ところが、パルス磁場着磁においては、急激な磁束の侵入による大きな温度上昇のため、捕捉される磁場の大きさが上記磁場中冷却着磁法(FCM)による捕捉磁場に比べて小さいという欠点を有している(例えば、非特許文献1、2参照)。
このような欠点を克服すべく、パルス着磁方法の改良の提案がなされているが(例えば、特許文献1〜4、非特許文献3〜5参照)、いまだ十分ではなく、改良の余地が残されている。
このような欠点を克服すべく、パルス着磁方法の改良の提案がなされているが(例えば、特許文献1〜4、非特許文献3〜5参照)、いまだ十分ではなく、改良の余地が残されている。
本発明は、かかる従来の問題点に鑑みてなされたもので、従来よりも高い磁場を捕捉することができるバルク超電導体のパルス着磁方法およびその方法を効率よく実現可能な超電導磁石装置を提供しようとするものである。
第1の発明は、バルク超電導体の外周側に着磁コイルを配置し、該着磁コイルに電流を流してパルス磁場を発生させることにより、上記バルク超電導体を着磁するバルク超電導体のパルス着磁方法において、
上記バルク超電導体を、超電導転移温度以下の保持温度T1に保持し、パルス磁場B1を印加して、上記バルク超電導体の中心の捕捉磁場が0.1テスラ超え、2.0テスラ未満となるように上記バルク超電導体に磁場を捕捉させる1次着磁工程と、
上記バルク超電導体を上記保持温度T1よりも低い保持温度T2(<T1)に冷却保持し、上記パルス磁場B1よりも高いパルス磁場B2(>B1)を印加することにより、捕捉磁場を増大させる2次着磁工程とを含むことを特徴とするバルク超電導体のパルス着磁方法にある(請求項1)。
上記バルク超電導体を、超電導転移温度以下の保持温度T1に保持し、パルス磁場B1を印加して、上記バルク超電導体の中心の捕捉磁場が0.1テスラ超え、2.0テスラ未満となるように上記バルク超電導体に磁場を捕捉させる1次着磁工程と、
上記バルク超電導体を上記保持温度T1よりも低い保持温度T2(<T1)に冷却保持し、上記パルス磁場B1よりも高いパルス磁場B2(>B1)を印加することにより、捕捉磁場を増大させる2次着磁工程とを含むことを特徴とするバルク超電導体のパルス着磁方法にある(請求項1)。
本発明のパルス着磁方法は、上記のごとく、少なくとも上記1次着磁工程と2次着磁工程とを含んでおり、2次着磁工程を行う際のバルク超電導体の保持温度T2を1次着磁工程の場合よりも低くし、かつ、2次着磁工程を行う際に印加するパルス磁場B2を1次着磁工程の場合よりも高くする。さらに、上記1次着磁工程において着磁する捕捉磁場の大きさを、上記のごとく1テスラ程度(0.1テスラ超え、2.0テスラ未満)の範囲に制限する。これらの条件を必須とすることによって、従来のパルス着磁方法よりも高い磁場をバルク超電導体に捕捉させることができる。
これまでの多くのパルス着磁方法に関する報告結果は、バルク超電導体の正確な温度の測定が行われておらず、温度の記述があるとしても冷却装置の温度であり、バルク超電導体の温度ではない。本発明では、バルク超電導体の温度測定の重要性を指摘し、発熱解析を系統的に行うことによって完成したものである。
すなわち、上記1次着磁工程においては、超電導転移温度以下ではあるが比較的高い保持温度T1にバルク超電導体を保持し、その温度でパルス磁場B1を印加する(第1段階)。このとき、捕捉させる磁場を、バルク超電導体の中心において上記の範囲の1テスラ程度に制限し、最適化する。
次いで、上記2次着磁工程では、1次着磁工程の場合よりも低い保持温度T2(<T1)にバルク超電導体を冷却保持し、その状態で、1次着磁工程の場合よりも高いパルス磁場B2(>B1)を印加する(第2段階)。
このような条件の異なる着磁工程を少なくとも上記第1段階と第2段階に分けて行うことにより、従来よりも高い磁場を捕捉することが可能となる。
次いで、上記2次着磁工程では、1次着磁工程の場合よりも低い保持温度T2(<T1)にバルク超電導体を冷却保持し、その状態で、1次着磁工程の場合よりも高いパルス磁場B2(>B1)を印加する(第2段階)。
このような条件の異なる着磁工程を少なくとも上記第1段階と第2段階に分けて行うことにより、従来よりも高い磁場を捕捉することが可能となる。
上記1次着磁工程においてバルク超電導体に捕捉させる磁場が0.1テスラ以下の場合には、その後の上記2次着磁工程での高いパルス磁場B2を印加した際の温度上昇が大きくなりすぎて捕捉磁場の向上が十分に得られない。一方、上記1次着磁工程においてバルク超電導体に捕捉させる磁場が2.0テスラ以上の場合には、1次着磁による既に存在する磁束(のメモリ効果)ために、新たな磁場の進入を防げられることから、2次着磁工程での捕捉磁場の向上が十分に得られない。
上記第1の発明のパルス着磁方法は、従来よりあるパルス着磁方法を実施するための超電導磁石装置を用いた場合においても、バルク超電導体の温度調整とパルス磁場の大きさを変更設定できる限り、非常に有効に利用できる。一方、従来よりも効率よく上記優れたパルス着磁方法を実施するための超電導磁石装置としては、次の第2の発明がある。
第2の発明は、パルス着磁方法を実施するための超電導磁石装置であって、
断熱容器内に配設された上記バルク超電導体と、該バルク超電導体を載置して冷却するためのコールドステージを備えた冷凍機と、上記バルク超電導体にパルス磁場を印加するための着磁コイルとを有してなり、
上記バルク超電導体は、ab面を主面として両面に露出させた扁平形状を呈する疑似単結晶の酸化物超電導体よりなると共に、上記主面と直交する面である外周側面が放熱部材により覆われており、上記主面の一方と上記放熱部材の端面から上記コールドステージに吸熱されるよう該コールドステージ上に配設されていることを特徴とする超電導磁石装置にある(請求項5)。
断熱容器内に配設された上記バルク超電導体と、該バルク超電導体を載置して冷却するためのコールドステージを備えた冷凍機と、上記バルク超電導体にパルス磁場を印加するための着磁コイルとを有してなり、
上記バルク超電導体は、ab面を主面として両面に露出させた扁平形状を呈する疑似単結晶の酸化物超電導体よりなると共に、上記主面と直交する面である外周側面が放熱部材により覆われており、上記主面の一方と上記放熱部材の端面から上記コールドステージに吸熱されるよう該コールドステージ上に配設されていることを特徴とする超電導磁石装置にある(請求項5)。
本発明の超電導磁石装置において注目すべき点は、上記バルク超電導体が上記放熱部材を備えており、バルク超電導体のab面よりなる一方の主面からだけではなく、上記放熱部材の端面からも上記コールドステージに伝熱させ、吸熱させるように構成してあることである。すなわち、上記放熱部材を熱の通り道として積極的に利用し、バルク超電導体から放熱部材を介して上記コールドステージに放熱する伝熱ルートを確保するするのである。なお、バルク超電導体及び放熱部材と上記コールドステージとは、直接当接させてもよいが、間に伝熱特性に優れた部材を介在させる構造としてもよい。いずれの構成についても、上記放熱部材全体の熱伝導率をバルク超電導体よりも高くすることが必要である。
このような放熱部材を備えた構成を取ることによって、上記着磁コイルを用いて発生させたパルス磁場をバルク超電導体に印加させた際にバルク超電導体が発熱するが、その放熱を、バルク超電導体の露出面からだけでなく、上記放熱部材を介してバルク超電導体の側面からも行うことができる。そのため、効率のよい放熱特性が得られ、上述した第1発明のパルス着磁方法をより効率よく実施することができる。
なお、本発明の超電導磁石装置は、上記第1の発明のパルス着磁方法に限らず、従来からあるあるいは今後開発されるパルス着磁方法のいずれにおいても有効である。
なお、本発明の超電導磁石装置は、上記第1の発明のパルス着磁方法に限らず、従来からあるあるいは今後開発されるパルス着磁方法のいずれにおいても有効である。
上記第1の発明においては、上記2次着磁工程を行った後に、さらに、前回の着磁工程における保持温度Tn-1(nは3以上の自然数)よりも低い保持温度Tn(<Tn-1)に冷却保持すると共に、前回の着磁工程におけるパルス磁場Bn-1よりも高いパルス磁場Bn(>Bn-1)を印加する追加着磁工程を1回又は複数回追加することができる(請求項2)。
すなわち、上記1次着磁工程及び2次着磁工程という2段階の着磁工程に加えて、3段階目以上の着磁工程である上記追加着磁工程を行うことにより、より高い捕捉磁場状態を得ることができる場合がある。
すなわち、上記1次着磁工程及び2次着磁工程という2段階の着磁工程に加えて、3段階目以上の着磁工程である上記追加着磁工程を行うことにより、より高い捕捉磁場状態を得ることができる場合がある。
なお、追加着磁工程においては、前回の着磁工程における保持温度Tn-1(nは3以上の自然数)よりも低い保持温度Tn(<Tn-1)に冷却保持すると共に、前回の着磁工程におけるパルス磁場Bn-1よりも高いパルス磁場Bn(>Bn-1)を印加する。例えば、上記2次着磁工程直後の追加着磁工程においては、前回の着磁工程(2次着磁工程)における保持温度T2よりも低い保持温度T3に冷却保持すると共に、前回の着磁工程におけるパルス磁場B2よりも高いパルス磁場B3を印加する。さらにもう一回追加着磁工程を行う場合には、前回の着磁工程(2次着磁工程直後の追加着磁工程)における保持温度T3よりも低い保持温度T4に冷却保持すると共に、前回の着磁工程におけるパルス磁場B3よりも高いパルス磁場B4を印加する。さらに追加する場合にも同様とする。
また、上記各着磁工程では、それぞれパルス磁場の印加を複数回行うことが好ましい(請求項3)。この場合には、各着磁工程での目標とする磁場をより確実に得ることができる。なお、この各着磁工程でのパルス磁場の複数回の印加についてより具体的に説明すると、例えば、1次着磁工程でパルス磁場を2回印加する場合には、保持温度T1に保持した状態でのパルス磁場B1の印加を2回行うことを意味し、1次着磁工程中の第1回目のパルス磁場B1の印加が完了した後は再度バルク超電導体の温度を保持温度T1に保持してから第2回目のパルス磁場B1を印加する。
なお、上記保持温度T1、T2、Tn(nは3以上の自然数)に保持されているか否かの判断は、全く誤差のない範囲にまで限定する必要はなく、常識的な誤差範囲を含んで判断される。1つの判断として、±2℃の範囲内であれば同一温度として判断することができる。
また、上記パルス磁場B1、B2、Bn(nは3以上の自然数)の大きさについても、全く誤差のない範囲にまで限定する必要はなく、常識的な誤差範囲を含んで判断される。1つの判断として、±0.2テスラの範囲であれば同一パルス磁場と判断することができる。
また、上記パルス磁場B1、B2、Bn(nは3以上の自然数)の大きさについても、全く誤差のない範囲にまで限定する必要はなく、常識的な誤差範囲を含んで判断される。1つの判断として、±0.2テスラの範囲であれば同一パルス磁場と判断することができる。
また、上記バルク超電導体は、ab面を主面として両面に露出させた扁平形状を呈する疑似単結晶の酸化物超電導体よりなり、そのab面に垂直なc軸方向に上記パルス磁場を印加することが好ましい(請求項4)。
上記の扁平形状とすることにより、パルス磁場の印加が容易となる。具体的な扁平形状としては、円盤状、円環状、多角形の板状等様々な形状を取ることができるが、特に、点対称な形状である円盤状が好ましい。
また、上記バルク超電導体としては、上記のごとく、疑似単結晶の酸化物超電導体であることが好ましい。これらは、比較的高温で優れた超電導特性を発揮するので、本発明の方法を用いることが非常に有効である。具体的な酸化物超電導体としては、RE系超電導体、例えば、Y−Ba−Cu−O系、Sm−Ba−Cu−O系、Gd−Ba−Cu−O系等や、Dy−Ba−Cu−O系、例えば、Ho−Ba−Cu−O系、Yb−Ba−Cu−O系等がある。
上記の扁平形状とすることにより、パルス磁場の印加が容易となる。具体的な扁平形状としては、円盤状、円環状、多角形の板状等様々な形状を取ることができるが、特に、点対称な形状である円盤状が好ましい。
また、上記バルク超電導体としては、上記のごとく、疑似単結晶の酸化物超電導体であることが好ましい。これらは、比較的高温で優れた超電導特性を発揮するので、本発明の方法を用いることが非常に有効である。具体的な酸化物超電導体としては、RE系超電導体、例えば、Y−Ba−Cu−O系、Sm−Ba−Cu−O系、Gd−Ba−Cu−O系等や、Dy−Ba−Cu−O系、例えば、Ho−Ba−Cu−O系、Yb−Ba−Cu−O系等がある。
第2の発明の超電導磁石装置においては、上記のごとく、バルク超電導体の外周側面に放熱部材を積極的に設ける。この場合、放熱部材の構成としては、バルク超電導体そのものよりも伝熱性が優れていれば、様々な構成を取ることができる。
特に、上記放熱部材は金属製であることが好ましい(請求項6)。たとえばステンレス鋼等の鉄系合金やアルミニウム合金等に代表される金属は伝熱性に優れ、上記放熱部材として適している。また、金属製の放熱部材は、上記バルク超電導体に直接接触させて配置することが最も好ましい。一方、製造上の問題あるいは密着性等の改善のため、金属製の放熱部材とバルク超電導体との間に、間隙を埋める材料を介在させることも可能であるが、この場合の介在材料は、放熱部材全体の熱伝導率をバルク超電導体よりも低下させないことを条件とすることが必要である。
特に、上記放熱部材は金属製であることが好ましい(請求項6)。たとえばステンレス鋼等の鉄系合金やアルミニウム合金等に代表される金属は伝熱性に優れ、上記放熱部材として適している。また、金属製の放熱部材は、上記バルク超電導体に直接接触させて配置することが最も好ましい。一方、製造上の問題あるいは密着性等の改善のため、金属製の放熱部材とバルク超電導体との間に、間隙を埋める材料を介在させることも可能であるが、この場合の介在材料は、放熱部材全体の熱伝導率をバルク超電導体よりも低下させないことを条件とすることが必要である。
上記放熱部材としては、バルク超電導体が円盤状の場合には、リング形状のもの(放熱リング)が適しているが、これに限定されることなく様々な形状を採用することができる。例えば、多角形状、角形、菱形その他の様々な形にすることができる。また、内周形状と外周形状を変えることもできる。
そして、上記放熱部材としては、熱伝導率が100mW/cmK以上の材料を用いて構成することが好ましい。この優れた熱伝導率の発揮により、より優れた放熱効果を得ることができる。
また、上記放熱部材は、切れ目のない環状のステンレス鋼とすることができる(請求項7)。すなわち、ステンレス鋼を上記放熱部材として採用した場合、パルス磁場印加の際に放熱部材に渦電流が生じるという心配がないので、切れ目のない環状形状とすることが好ましい。これにより、放熱部材を強度を維持する部材としても兼用させることができ、耐久性の向上を図ることができる。
なお、上記ステンレス鋼としては、フェライト系、オーステナイト系等の種類があるが、いずれでもよい。オーステナイト系は非磁性であるため最も望ましい。なお、ステンレス鋼に代えて他の鉄系合金を用いることもできる。
なお、上記ステンレス鋼としては、フェライト系、オーステナイト系等の種類があるが、いずれでもよい。オーステナイト系は非磁性であるため最も望ましい。なお、ステンレス鋼に代えて他の鉄系合金を用いることもできる。
また、上記放熱部材は、切れ目を設けた環状のアルミニウム合金とすることもできる(請求項8)。すなわち、アルミニウム合金を上記放熱部材として採用した場合には、パルス磁場印加の際に、放熱部材に渦電流が生じて発熱してしまうおそれがある。そのため、環状形状とせず、切れ目を設けることにより、渦電流の発生を抑制することが可能となる。
また、上記放熱部材は、切れ目を設けた環状のアルミニウム合金よりなる内管と、該内管の外周側に配設された切れ目のない環状のステンレス鋼よりなる外管とを組み合わせた複層管とすることもできる(請求項9)。この場合には、渦電流防止のために切れ目を設けたアルミニウム合金の強度的に不利な面を上記ステンレス鋼によって補うことができる。
(実施例1)
本発明の実施例に係るパルス着磁方法につき、図1〜図10を用いて説明する。
本例では、従来よりある一般的な超電導磁石装置1を用いて、パルス着磁方法を実施する。
超電導磁石装置1は、図1、図2に示すごとく、断熱容器2内に配設されたバルク超電導体3と、該バルク超電導体3を載置して冷却するためのコールドステージ51を備えた冷凍機5と、上記バルク超電導体3にパルス磁場を印加するための着磁コイル6とを有してなる。
本発明の実施例に係るパルス着磁方法につき、図1〜図10を用いて説明する。
本例では、従来よりある一般的な超電導磁石装置1を用いて、パルス着磁方法を実施する。
超電導磁石装置1は、図1、図2に示すごとく、断熱容器2内に配設されたバルク超電導体3と、該バルク超電導体3を載置して冷却するためのコールドステージ51を備えた冷凍機5と、上記バルク超電導体3にパルス磁場を印加するための着磁コイル6とを有してなる。
着磁コイル6は、断熱容器2内のバルク超電導体3の外周を囲う位置に配置されており、パルス電源61に対してシャント抵抗62、デジタルオシロスコープ63等を有する電気回路64を介して接続されている。また、着磁コイル6は、図示しない液体窒素に漬してある。
図2に示すごとく、断熱容器2内には、冷凍機から延ばされた伝熱ロッドの先端に設けられた円盤状のコールドステージ51が配置されている。コールドステージ51の上には、サファイア板22が載置され、さらにその上に配されたインジウムフォイル23を介してバルク超電導体3が配設されている。なお、サファイア板22は、熱伝導性向上を目的に配設したものであり、インジウムフォイル23は、軟らかなバルク超電導体3とサファイア板22との密着性の向上を目的として介在させたものである。なお、サファイア板22は、他のステンレス鋼のような磁性鉄よりなるヨーク等に変更することもできる。また、伝熱性および密着性が確保されれば、サファイア板22及びインジウムフォイル23を無くしてバルク超電導体3を直接コールドステージ51に接触させてもよい。
図2に示すごとく、断熱容器2内には、冷凍機から延ばされた伝熱ロッドの先端に設けられた円盤状のコールドステージ51が配置されている。コールドステージ51の上には、サファイア板22が載置され、さらにその上に配されたインジウムフォイル23を介してバルク超電導体3が配設されている。なお、サファイア板22は、熱伝導性向上を目的に配設したものであり、インジウムフォイル23は、軟らかなバルク超電導体3とサファイア板22との密着性の向上を目的として介在させたものである。なお、サファイア板22は、他のステンレス鋼のような磁性鉄よりなるヨーク等に変更することもできる。また、伝熱性および密着性が確保されれば、サファイア板22及びインジウムフォイル23を無くしてバルク超電導体3を直接コールドステージ51に接触させてもよい。
また、袋ナットであるカップ25は、バルク超電導体3をコールドステージ51に固定する役割をもつステンレス鋼製部材である。
また、これらのコールドステージ51からバルク超電導体3までの部分は、断熱容器2の内壁からの熱放射を遮断し、最低到達温度を所望の温度に保持する目的のために、アルミ箔のようなフィルム形状の反射材料よりなるスーパーインシュレーション26により覆ってある。そして、その周囲全体を上記断熱容器2により覆い、断熱容器2内全体を真空状態にできるように構成してある。
また、これらのコールドステージ51からバルク超電導体3までの部分は、断熱容器2の内壁からの熱放射を遮断し、最低到達温度を所望の温度に保持する目的のために、アルミ箔のようなフィルム形状の反射材料よりなるスーパーインシュレーション26により覆ってある。そして、その周囲全体を上記断熱容器2により覆い、断熱容器2内全体を真空状態にできるように構成してある。
次に、本例のバルク超電導体3は、図3に示すごとく、c軸に配向した円盤状(直径45mm、厚さ15mm)を呈する疑似単結晶の酸化物超電導体(GdBaCuO)よりなる。より具体的には、GdBa2Cu3OyとGd2BaCuO5とが1.0:0.4のモル分率で含まれており、さらに、Ag2Oが10.0質量%、Ptが0.5質量%含有されている。
また、バルク超電導体3は、ab面を主面31、32として両面に露出させており、主面31、32と直交する面である外周側面33は、従来と同様に、エポキシ樹脂を含浸させた状態としてある。なお、放熱部材を配設した構成については、後述する。
また、バルク超電導体3には、図3に示すごとく、中心磁場を計測する中心位置Cと外周端から5mmの外周位置Eの2箇所のバルク表面に磁場測定用のホールセンサを配設し、また、中心から2mmの位置Tの表面に温度測定用の熱電対を配設した。
また、バルク超電導体3は、ab面を主面31、32として両面に露出させており、主面31、32と直交する面である外周側面33は、従来と同様に、エポキシ樹脂を含浸させた状態としてある。なお、放熱部材を配設した構成については、後述する。
また、バルク超電導体3には、図3に示すごとく、中心磁場を計測する中心位置Cと外周端から5mmの外周位置Eの2箇所のバルク表面に磁場測定用のホールセンサを配設し、また、中心から2mmの位置Tの表面に温度測定用の熱電対を配設した。
次に、上記超電導磁石装置1を用いて、パルス着磁を行う本例の方法について説明する。
<1次着磁工程>
1次着磁工程では、バルク超電導体(以下、適宜、バルク体という)3を、超電導転移温度以下の保持温度T1(約45K)に保持した状態での、パルス磁場B1(約4.5T)の印加を2回行った。以下、それぞれの印加をNo.1、No.2と表す。
そして、この1次着磁工程では、最終的にバルク超電導体3の中心の捕捉磁場が1テスラ程度(0.1テスラ超え、2.0テスラ未満)となるようにバルク超電導体に磁場を捕捉させることを目的とした。
より具体的には、No.1は、保持温度T1=45K、パルス磁場B1=4.54Tであり、No.2は、保持温度T1=48K、パルス磁場B1=4.60Tである。
<1次着磁工程>
1次着磁工程では、バルク超電導体(以下、適宜、バルク体という)3を、超電導転移温度以下の保持温度T1(約45K)に保持した状態での、パルス磁場B1(約4.5T)の印加を2回行った。以下、それぞれの印加をNo.1、No.2と表す。
そして、この1次着磁工程では、最終的にバルク超電導体3の中心の捕捉磁場が1テスラ程度(0.1テスラ超え、2.0テスラ未満)となるようにバルク超電導体に磁場を捕捉させることを目的とした。
より具体的には、No.1は、保持温度T1=45K、パルス磁場B1=4.54Tであり、No.2は、保持温度T1=48K、パルス磁場B1=4.60Tである。
<2次着磁工程>
2次着磁工程では、バルク超電導体3を保持温度T1よりも低い保持温度T2(約28K)に冷却保持した状態での、上記パルス磁場B1よりも高いパルス磁場B2(約6.6T)の印加を3回行った。以下、それぞれの印加をNo.3、No.4、No.5と表す。
より具体的には、No.3は、保持温度T2=29K、パルス磁場B2=6.72Tであり、No.4は、保持温度T2=28K、パルス磁場B1=6.59Tであり、No.5は、保持温度T2=28K、パルス磁場B2=6.70Tである。
なお、保持温度T1、T2は、いずれも、適宜、保持温度Tsとして表し、パルス磁場B1、B2は、いずれも、適宜、パルス磁場Bexとして表す。
2次着磁工程では、バルク超電導体3を保持温度T1よりも低い保持温度T2(約28K)に冷却保持した状態での、上記パルス磁場B1よりも高いパルス磁場B2(約6.6T)の印加を3回行った。以下、それぞれの印加をNo.3、No.4、No.5と表す。
より具体的には、No.3は、保持温度T2=29K、パルス磁場B2=6.72Tであり、No.4は、保持温度T2=28K、パルス磁場B1=6.59Tであり、No.5は、保持温度T2=28K、パルス磁場B2=6.70Tである。
なお、保持温度T1、T2は、いずれも、適宜、保持温度Tsとして表し、パルス磁場B1、B2は、いずれも、適宜、パルス磁場Bexとして表す。
以上の条件でパルス着磁方法を実施した結果を、図4〜図10を用いて説明する。
図4〜図7は、それぞれNo.1からNo.4のパルス磁場印加時の、印加磁場μ0Haと、上記位置CとEでの局所磁場BL(C)とBL(E)の時間変化を示す。また、図5〜図7には、バルク超電導体3の上表面から3.5mm上方で捕捉磁場分布を測定した結果を挿入図として示してある。
図4〜図7は、それぞれNo.1からNo.4のパルス磁場印加時の、印加磁場μ0Haと、上記位置CとEでの局所磁場BL(C)とBL(E)の時間変化を示す。また、図5〜図7には、バルク超電導体3の上表面から3.5mm上方で捕捉磁場分布を測定した結果を挿入図として示してある。
図4に示すごとく、No.1については、保持温度Ts=45Kまで冷却された最初の状態のバルク体に、パルス磁場Bex=4.54Tが印加された。その結果、BL(C)とBL(E)は、15msで最高値となるまで上昇し、その後、磁束クリープによって、最終の安定値までゆっくり減少する。
BL(E)の最高値はBexに非常に近い値となった。
一方、BL(C)は0.9T程度にとどまった。
BL(E)の最高値はBexに非常に近い値となった。
一方、BL(C)は0.9T程度にとどまった。
図5に示すごとく、No.2は、Ts=48Kにおいて、Bex=4.60Tのパルス磁場をバルク超電導体に印加したものである。その結果、BL(E)の最高値は、2.9T程度にとどまった。これは、すでに捕捉された磁束が、更なる磁束の侵入を妨害することを示している。
また、同図中の捕捉磁場の分布は、バルク体の中心の不均一な性質と、比較的に低い最高値を示している。そして、このNo.2の結果、バルク超電導体の中心に捕捉された磁場は、1.0T程度(0.1T超え、2.0T未満の範囲)になっていることがわかる。
また、同図中の捕捉磁場の分布は、バルク体の中心の不均一な性質と、比較的に低い最高値を示している。そして、このNo.2の結果、バルク超電導体の中心に捕捉された磁場は、1.0T程度(0.1T超え、2.0T未満の範囲)になっていることがわかる。
図8は、各パルス磁場をかけた後の温度の時間変化T(K)を示している。
同図から知られるように、No.1については、Tは徐々に上昇し、10sで最高値60Kとなり、その後、20minで、開始温度まで徐々に減少していく。No.1の温度上昇ΔT(およそ15K)は、主にピンニング損失による発熱Qpから生ずると考えられる。
No.2については、ΔTは、Qpの減少による結果として、およそ4Kまで劇的に減少した。また、粘性損失Qvの方がQpよりも強くでていると考えられる。
No.2では結果として、図5に示すごとく、BL(C)が、0.9Tから1.0Tまでわずかに増加した。
同図から知られるように、No.1については、Tは徐々に上昇し、10sで最高値60Kとなり、その後、20minで、開始温度まで徐々に減少していく。No.1の温度上昇ΔT(およそ15K)は、主にピンニング損失による発熱Qpから生ずると考えられる。
No.2については、ΔTは、Qpの減少による結果として、およそ4Kまで劇的に減少した。また、粘性損失Qvの方がQpよりも強くでていると考えられる。
No.2では結果として、図5に示すごとく、BL(C)が、0.9Tから1.0Tまでわずかに増加した。
次に、2次着磁工程におけるNo.3では、図6に示すごとく、バルク体を保持温度Ts=29Kまで冷却したあと、高いパルス磁場Bex=6.72Tを印加した。
同図に示すごとく、BL(C)とBL(E)は、いずれもおよそ5.2Tの最高値をとるまで上昇し、その後、徐々に減少する。BL(C)の上昇時間は、BL(E)の上昇時間に比べて長い。
同図に示すごとく、BL(C)とBL(E)は、いずれもおよそ5.2Tの最高値をとるまで上昇し、その後、徐々に減少する。BL(C)の上昇時間は、BL(E)の上昇時間に比べて長い。
No.4については、図7に示すように、保持温度Ts=28Kまで冷却した後、パルス磁場Bex=6.59Tのパルス磁場をかけた。
その結果、同図に示すごとく、BL(C)の最高値が5.1Tにとどまっている間に、BL(E)の最高値は4.6Tまで減少した。
そして、捕捉磁場BT Pは、4.47Tで存続する。ここで、上記捕捉磁場BT Pは、バルク超電導体3の表面中央(C)の位置で測定された値である。
その結果、同図に示すごとく、BL(C)の最高値が5.1Tにとどまっている間に、BL(E)の最高値は4.6Tまで減少した。
そして、捕捉磁場BT Pは、4.47Tで存続する。ここで、上記捕捉磁場BT Pは、バルク超電導体3の表面中央(C)の位置で測定された値である。
このような高い捕捉磁場が得られたのは、No.3において捕捉磁場BT P=2.70Tを予め捕捉していたことによって、No.4での温度上昇がΔTが抑えられ、この小さい温度上昇ΔTによって、No.4での磁束の漏れが阻止されるためであると考えられる。
図8に示すごとく、No.3については上昇温度Tの最高値は54Kであったが、その場合とBexの強さが同じにもかかわらず、No.4については、49Kまでしか上昇しなかった。
図8に示すごとく、No.3については上昇温度Tの最高値は54Kであったが、その場合とBexの強さが同じにもかかわらず、No.4については、49Kまでしか上昇しなかった。
また、No.4の結果、バルク体の上3.5mmの空間、すなわち、断熱容器の外面における捕捉磁場BT OUTと合計捕捉磁束ФT OUTは、それぞれ約2.45Tと、17.02×10-4Wbであった。
No.5の結果、BT P値は4.47Tのままで、ФT OUTは、17.35Wbまでわずかに増加した。温度上昇の減少によると考えられる。本例の場合には、No.5はバルク体を効果的に磁化するために必須ではない。
No.5の結果、BT P値は4.47Tのままで、ФT OUTは、17.35Wbまでわずかに増加した。温度上昇の減少によると考えられる。本例の場合には、No.5はバルク体を効果的に磁化するために必須ではない。
(比較例1、2)
比較のために、同じ保持温度Tsにおいて同じ強度のパルス磁場Bexを5回印加した例を行った。Ts=45KにおいてBex=4.5Tを5回印加した場合を比較例1(適宜、SPA(Bex=4.5T)と表す)とし、Ts=29KにおいてBex=6.6Tを5回印加した場合を比較例2(適宜、SPA(Bex=6.6T)と表す)とした。
比較のために、同じ保持温度Tsにおいて同じ強度のパルス磁場Bexを5回印加した例を行った。Ts=45KにおいてBex=4.5Tを5回印加した場合を比較例1(適宜、SPA(Bex=4.5T)と表す)とし、Ts=29KにおいてBex=6.6Tを5回印加した場合を比較例2(適宜、SPA(Bex=6.6T)と表す)とした。
図9は、実施例1(適宜、MMPMSと表す)及び比較例1、2における、バルク体の温度上昇の最大値ΔTmaxと印加したパルス磁場の回数(パルス数)との関係を示している。
図10は、実施例1及び比較例1、2における、捕捉磁場BT Pとパルス数との関係を示している。
図10は、実施例1及び比較例1、2における、捕捉磁場BT Pとパルス数との関係を示している。
これらの図から知られるように、比較例1、2(SPA(Bex=4.5T)、SPA(Bex=6.6T))では、パルス数の増加に伴いΔTmaxは徐々に減少し、BT Pは徐々に増加している。そして、両方の値は、最終の値で飽和している。これらの結果から、ピンニング損失による発熱Qpが、BT Pの増加分に直接関係していることがわかる。
また、図9、図10より知られるごとく、実施例1(MMPMS)と比較例2(SPA(Bex=6.6T))とは、No.3(Bex=6.6T、Ts=29K)のあとのΔTmaxとBTがほぼ同じであった。しかしながら、No.4の後のBT Pは、保持温度Tsと印加したパルス磁場Bexとがほとんど等しいにもかかわらず、大きく異なった。
この結果は、パルス磁場をかける前のBT PやTsのような巨視的な条件のみによって、得られる捕捉BT Pの値を正確に予測できないことを示している。一方、微視的な条件である捕捉磁場分布のようなほかのパラメータは、パルス着磁方法による捕捉磁場BT Pの値を決定的に左右するかもしれない。
しかしながら、本例の結果からは、開始温度Tsの適切な選択と、各段階でのパルス磁場Bexの最適化は、結果的に4Tを超える高いBT P値に達するために非常に重要であることがわかる。そして、1次着磁工程と2次着磁工程の各段階で、同じ強度を有するパルスの連続的な適用(複数回のパルス磁場の印加)は、温度上昇の減少に非常に効果的であり、少なくとも、各保持温度Tsごとに同じパルス磁場Bexを2回印加することが非常に有効である。
なお、上記実施例1と同じ手順を行うことによって、再現性のテストを行ったが、上記位置Cにおいての捕捉磁場BT Pが4.2Tとなり、再現性があることが確認された。
(実施例2)
本例は、実施例1におけるパルス着磁方法をより効率よく実施できる超電導磁石装置を得るために、超電導磁石装置1に用いるバルク超電導体3の構成を変更して、最適な構成を求めた。
本例では、放熱部材を外周側面に配設した複数種類のバルク超電導体と、放熱部材を備えていないバルク超電導体、合計5種類を準備し、放熱性の評価を行った。
本例は、実施例1におけるパルス着磁方法をより効率よく実施できる超電導磁石装置を得るために、超電導磁石装置1に用いるバルク超電導体3の構成を変更して、最適な構成を求めた。
本例では、放熱部材を外周側面に配設した複数種類のバルク超電導体と、放熱部材を備えていないバルク超電導体、合計5種類を準備し、放熱性の評価を行った。
図11に示すバルク超電導体3は、その外周側面に、切れ目のない環状のステンレス鋼(SUS304)よりなる放熱部材41を直接配設した構成を有するものである(以下、これを「SUS品」と表す)。
図12に示すバルク超電導体3は、その外周側面に、切れ目420を設けた環状のアルミニウム合金(純アルミ又はアルミニウムを主体とする合金)よりなる放熱部材42を直接配設した構成を有するものである(以下、これを「Al-cut品」と表す)。
また、上記構成で切れ目を設けていないもの(以下、「Al-non-cut品」と表す)も準備した。
図12に示すバルク超電導体3は、その外周側面に、切れ目420を設けた環状のアルミニウム合金(純アルミ又はアルミニウムを主体とする合金)よりなる放熱部材42を直接配設した構成を有するものである(以下、これを「Al-cut品」と表す)。
また、上記構成で切れ目を設けていないもの(以下、「Al-non-cut品」と表す)も準備した。
図13に示すバルク超電導体3は、その外周側面に、切れ目430を設けた環状のアルミニウム合金よりなる内管431と、内管431の外周側に配設された切れ目のない環状のステンレス鋼(SUS304)よりなる外管432とを組み合わせた複層管よりなる放熱部材43を直接配設した構成を有するものである(以下、これを「Double品」と表す。
また、バルク超電導体の側面外周部を露出させ、放熱部材を配設した構成のものも準備した(以下、これを「without品」と表す)。
また、バルク超電導体の側面外周部を露出させ、放熱部材を配設した構成のものも準備した(以下、これを「without品」と表す)。
放熱性の評価は、実施例1と基本構成が同じの超電導磁石装置1に、上記5種類のバルク超電導体をセットして、所定の条件でパルス磁場を印加し、その際のバルク超電導体及び放熱部材の温度変化を測定することにより行った。また、バルク超電導体のセットは、必ず、放熱部材がコールドステージ状の上記インジウムフォイル23(図2)に接触するように配置した。
まず、SUS品、Al-non-cut品、及びAl-cut品の3種類について、バルク体の発熱が無い保持温度Ts=100Kでパルス磁場Bex=6.04Tを印加し、各部の温度変化を測定した。温度測定点は、図14、図15に挿入図としてしめしたP1〜P5及びRingと示した合計6点である。
SUS品の測定結果を図14、Al-non-cut品の測定結果を図15、Al-cut品の測定結果を図16に示す。いずれも横軸が時間、縦軸が温度である。
図14より知られるごとく、SUS品の場合には、渦電流による発熱はほとんど無いことがわかる。一方、図15より知られるごとく、Al-non-cut品の場合には、放熱部材が初期に急激に温度上昇しており、渦電流の影響が大きいことがわかる。また、図16より知られるごとく、Al-cut品の場合には、切れ目430の存在により、渦電流の影響を緩和することができ、急激な発熱を抑制できることがわかる。
図14より知られるごとく、SUS品の場合には、渦電流による発熱はほとんど無いことがわかる。一方、図15より知られるごとく、Al-non-cut品の場合には、放熱部材が初期に急激に温度上昇しており、渦電流の影響が大きいことがわかる。また、図16より知られるごとく、Al-cut品の場合には、切れ目430の存在により、渦電流の影響を緩和することができ、急激な発熱を抑制できることがわかる。
次に、SUS品、Al-cut品、Double品、及びwithout品の4種類を用い、保持温度Ts=40K、パルス磁場Bex=4.70Tを5回連続して印加した場合の、第1回目の印加(No.1)と第5回目の印加(No.5)の場合の、P1点の温度(T1)の変化、P4点の温度(T4)の変化、Ringの温度(TRing)の変化を、それぞれ測定した。その結果を図17〜図19に示す。いずれの図も、横軸が時間、縦軸が温度である。
図17及び図18より知られるごとく、放熱部材を配設した場合には、いずれもwithout品よりもバルク超電導体の高い放熱性が得られた。また、図17〜図19より知られるごとく、放熱部材を備えたものの中では、総合的に見て、Double品が最も優れた放熱特性を示した。
(実験例)
本例では、実施例1の優れた効果を裏付けることを目的とした実験例を示す。
上述したように、バルク超電導体の超強力磁石としての応用・実用化を目指す際に、安価でコンパクトなパルス着磁方法(PFM)は重要な技術である。しかし一般的に磁場中冷却着磁法(FCM)に比べPFMでは、77K以下で半分程度の捕捉磁場BT Pしか達成できなかった。その理由は磁束が超伝導体中を運動することによって生じる発熱が温度上昇となって超伝導体のピンニング力を低下させることにあり、一般的にピンニング損失、粘性力損失と呼ばれている。低いBT Pの原因がこれらの発熱によって生じる温度上昇であることは一般的に知られているが、これまで詳細な実験データは存在しなかった。
本例では、実施例1の優れた効果を裏付けることを目的とした実験例を示す。
上述したように、バルク超電導体の超強力磁石としての応用・実用化を目指す際に、安価でコンパクトなパルス着磁方法(PFM)は重要な技術である。しかし一般的に磁場中冷却着磁法(FCM)に比べPFMでは、77K以下で半分程度の捕捉磁場BT Pしか達成できなかった。その理由は磁束が超伝導体中を運動することによって生じる発熱が温度上昇となって超伝導体のピンニング力を低下させることにあり、一般的にピンニング損失、粘性力損失と呼ばれている。低いBT Pの原因がこれらの発熱によって生じる温度上昇であることは一般的に知られているが、これまで詳細な実験データは存在しなかった。
本例では、20Kまで冷却したバルク体へのパルス着磁を行い、温度上昇と捕捉磁場の関係を検討し、捕捉磁場向上の可能性を探った。また温度上昇から発熱量を算出し、ピンニング損失・粘性損失別に考察することで磁束の捕捉特性を詳細にすることを目的とした。
<実験方法>
実験装置は、基本的に実施例1の超電導磁石装置1の構成と同じである。バルク超電導体としては、溶融法で作製したSm系超伝導バルク体(直径φ=45mm、厚みh=15mm;同和鉱業製)を、上・下面の樹脂含浸を取り除いて用いた。温度測定のための熱電対は、後述する図20の挿入図に示すごとく、バルク中央に1箇所[T1]、Growth Sector Boundary(GSB)に囲まれた領域の4箇所[T2−T5]の計5箇所に貼り付けた。さらに、T1横のホールセンサーで捕捉磁場BT Pを測定した。
実験装置は、基本的に実施例1の超電導磁石装置1の構成と同じである。バルク超電導体としては、溶融法で作製したSm系超伝導バルク体(直径φ=45mm、厚みh=15mm;同和鉱業製)を、上・下面の樹脂含浸を取り除いて用いた。温度測定のための熱電対は、後述する図20の挿入図に示すごとく、バルク中央に1箇所[T1]、Growth Sector Boundary(GSB)に囲まれた領域の4箇所[T2−T5]の計5箇所に貼り付けた。さらに、T1横のホールセンサーで捕捉磁場BT Pを測定した。
バルク体を保持温度Ts=20K、30K、40Kに冷却した後、Bex=3.83〜6.04Tのパルス磁場(立ち上がり時間:12ms)を各5回繰り返し印加(以下、No.1〜No.5し、それぞれのバルク体の上昇温度T(K)と、捕捉磁場BT P(T)を測定した。また、デジタルオシロスコープによってPFM中の印加磁場μ0Haと局所的な磁場BTの時間依存性も測定した。パルス印加後、磁場分布(バルク体表面3mm上部)の測定も行った。
<実験結果>
図20及び図21に各温度におけるNo.1印加時の最大温度上昇ΔTmaxおよび総磁束量ΦTの印加磁場依存性を示す。
ΔTmaxはバルク体周辺部(T2〜T5)の平均である。図20より知られるごとく、印加磁場の増加と共にΔTmaxは大きくなる。これは、高磁場側ほどバルク体内で磁束の運動が激しいことを表している。また、低温になるほど比熱が小さくなるためΔTmaxは大きくなり、高磁場側ほど保持温度Ts=40Kとの差が大きくなる。
保持温度Ts=20Kにおける最大温度上昇は、パルス磁場Bex=6.04Tの場合でで約43Kにもなる。
図20及び図21に各温度におけるNo.1印加時の最大温度上昇ΔTmaxおよび総磁束量ΦTの印加磁場依存性を示す。
ΔTmaxはバルク体周辺部(T2〜T5)の平均である。図20より知られるごとく、印加磁場の増加と共にΔTmaxは大きくなる。これは、高磁場側ほどバルク体内で磁束の運動が激しいことを表している。また、低温になるほど比熱が小さくなるためΔTmaxは大きくなり、高磁場側ほど保持温度Ts=40Kとの差が大きくなる。
保持温度Ts=20Kにおける最大温度上昇は、パルス磁場Bex=6.04Tの場合でで約43Kにもなる。
一方、図21において、低磁場(3.83T)では温度が高いほど総磁束量は大きいが、高磁場(5.53T以上)では逆に温度が低いほど総磁束量は大きいことが分かる。これは低温化によってバルク体の臨界電流密度Jcが向上し、ピンニング力が増大したためである。低磁場ではピンニング力が強すぎて、中心まで十分に磁束が侵入できなかったため、20Kの結果は40Kよりも下回っている。しかし、高磁場になり20Kでも十分に磁化されるとピンニング力が強い20Kの方がより多くの磁束を捕捉することができるため、図21のような結果になる。また、同じ高磁場でもパルス磁場Bex=6.04Tでは磁束の運動が激しく、温度上昇が大きすぎてJcが低下し、総磁束量が減少する結果となった。
これらの結果をさらに厳密に考察するために、PFM中の局所的な磁化過程を次式のように観察した。
M=BT−μ0Ha (1)
Mは磁化、BTとμ0Haはデジタルオシロスコープで観察した捕捉磁場と印加磁場である。(1)式で描くことができる磁化曲線でのヒステリシス損失は、着磁過程に伴うエネルギー損失ということでピンニング損失と考えることができる。
M=BT−μ0Ha (1)
Mは磁化、BTとμ0Haはデジタルオシロスコープで観察した捕捉磁場と印加磁場である。(1)式で描くことができる磁化曲線でのヒステリシス損失は、着磁過程に伴うエネルギー損失ということでピンニング損失と考えることができる。
図22に、上記のように算出したピンニング損失の印加磁場依存性を示す。挿入図として(1)式から得られる磁化曲線を示す。保持温度Ts=20Kでパルス磁場Bex=5.53T印加中のものである。ゼロ磁場冷却(ZFC)ではバルク体の中心まで磁束が侵入することができないために終始、ほぼ完全反磁性の振る舞いを示す。磁化曲線の励磁過程ではZFCと同様に完全反磁性を示すがピーク磁場に近づくにつれて徐々に磁束が中に侵入し始める。磁束の侵入に伴い、磁化はプラスに転じ、最終的な磁化の値が捕捉磁場となる。
ピンニング損失は印加磁場の増大と共に大きくなる。20Kに比べて低磁場では40Kの方が大きくなる。逆に高磁場になると20Kの方が大きくなり、図21に示す場合とと非常に類似した振る舞いをもつことがわかる。ピンニング力増大の影響が高磁場側において大きく、総磁束量の向上につながっていることを示している。
<結論>
低温における温度上昇と捕捉磁場の関係を明らかにし、捕捉磁場向上の可能性を考察した。その結果、低温では比熱の減少により温度上昇は大きくなるが、ピンニング力の効果が大きいため捕捉磁場は向上した。ただし、高ピンニング力となる20Kで低磁場を印加しても磁束がバルク体内に侵入できないため捕捉磁場は小さい。より高磁場でのPFMが有効である。
低温における温度上昇と捕捉磁場の関係を明らかにし、捕捉磁場向上の可能性を考察した。その結果、低温では比熱の減少により温度上昇は大きくなるが、ピンニング力の効果が大きいため捕捉磁場は向上した。ただし、高ピンニング力となる20Kで低磁場を印加しても磁束がバルク体内に侵入できないため捕捉磁場は小さい。より高磁場でのPFMが有効である。
1 超電導磁石装置
3 バルク超電導体
41〜43 放熱部材
3 バルク超電導体
41〜43 放熱部材
Claims (9)
- バルク超電導体の外周側に着磁コイルを配置し、該着磁コイルに電流を流してパルス磁場を発生させることにより、上記バルク超電導体を着磁するバルク超電導体のパルス着磁方法において、
上記バルク超電導体を、超電導転移温度以下の保持温度T1に保持し、パルス磁場B1を印加して、上記バルク超電導体の中心の捕捉磁場が0.1テスラ超え、2.0テスラ未満となるように上記バルク超電導体に磁場を捕捉させる1次着磁工程と、
上記バルク超電導体を上記保持温度T1よりも低い保持温度T2(<T1)に冷却保持し、上記パルス磁場B1よりも高いパルス磁場B2(>B1)を印加することにより、捕捉磁場を増大させる2次着磁工程とを含むことを特徴とするバルク超電導体のパルス着磁方法。 - 請求項1において、上記2次着磁工程を行った後に、さらに、前回の着磁工程における保持温度Tn-1(nは3以上の自然数)よりも低い保持温度Tn(<Tn-1)に冷却保持すると共に、前回の着磁工程におけるパルス磁場Bn-1よりも高いパルス磁場Bn(>Bn-1)を印加する追加着磁工程を1回又は複数回追加することを特徴とするバルク超電導体のパルス着磁方法。
- 請求項1又は2において、上記各着磁工程では、それぞれパルス磁場の印加を複数回行うことを特徴とするバルク超電導体のパルス着磁方法。
- 請求項1〜3のいずれか1項において、上記バルク超電導体は、ab面を主面として両面に露出させた扁平形状を呈する疑似単結晶の酸化物超電導体よりなり、そのab面に垂直なc軸方向に上記パルス磁場を印加することを特徴とするバルク超電導体のパルス着磁方法。
- バルク超電導体のパルス着磁方法を実施するための超電導磁石装置であって、
断熱容器内に配設された上記バルク超電導体と、該バルク超電導体を載置して冷却するためのコールドステージを備えた冷凍機と、上記バルク超電導体にパルス磁場を印加するための着磁コイルとを有してなり、
上記バルク超電導体は、ab面を主面として両面に露出させた扁平形状を呈する疑似単結晶の酸化物超電導体よりなると共に、上記主面と直交する面である外周側面が放熱部材により覆われており、上記主面の一方と上記放熱部材の端面から上記コールドステージに吸熱されるよう該コールドステージ上に配設されていることを特徴とする超電導磁石装置。 - 請求項5において、上記放熱部材は金属製であることを特徴とする超電導磁石装置。
- 請求項6において、上記放熱部材は、切れ目のない環状のステンレス鋼よりなることを特徴とする超電導磁石装置。
- 請求項6において、上記放熱部材は、その磁場印加方向に沿う方向の切れ目を設けた環状のアルミニウム合金よりなることを特徴とする超電導磁石装置。
- 請求項6において、上記放熱部材は、切れ目を設けた環状のアルミニウム合金よりなる内管と、該内管の外周側に配設された切れ目のない環状のステンレス鋼よりなる外管とを組み合わせた複層管であることを特徴とする超電導磁石装置。
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