JP2009156038A - 液封式ポンプ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ケーシングの内部に封じた液体を羽根車で回転させることにより生じる封液環と、羽根車の羽根間に形成される空間のピストン作用により気体の吸入および圧縮を行う液封式ポンプにおいて、ケーシングと羽根車が最接近する頂部側におけるケーシングの曲率中心を羽根車中心方向に移すことにより羽根車先端との隙間を大きく形成することを特徴としている。
【選択図】図2
Description
羽根とボス面と液面に囲まれた空間が拡大縮小することによって、吸入、圧縮が行われる。ここで、羽根車と一緒に回転する封液と静止したケーシングとの間の摩擦のために、動力の損失が生じる。
(2)運転条件によっては、頂部と反対側(ケーシングと羽根車の羽根が最も離れる位置およびこの近辺)において液面から羽根先端が離れ、二つ(あるいはさらに多く)の作動空間がつながり、封量が低下することが生じる。
また、本発明は、液封式ポンプのケーシング内面の径を軸方向の中央部において両端部より小さく形成して羽根先端が封液環から離れることを防止することを目的とするものである。
なお、本明細書において、「液封式ポンプの頂部」とは、「ケーシングと羽根車の羽根が最も接近する位置およびその近辺」を、「液封式ポンプの頂部側」とは、「ケーシングと羽根車の羽根が最も接近する位置を中心として±90°の範囲内の部分」を、また、「液封式ポンプの頂部と反対側」とは、「ケーシングと羽根車の羽根が最も離れる位置を中心として±90°の範囲内の部分」をいう。
(2)また、本発明の液封式ポンプは、上記(1)において、液封式ポンプの頂部側におけるケーシングの曲率中心が複数存在することを特徴としている。
(3)また、本発明の液封式ポンプは、略円筒形のケーシングと、その内部に偏心して取り付けられた複数の羽根を有する羽根車と、羽根車側方に設けられた、外部から気体を吸引する吸気ポート及びケーシング内の気体の一部を吐き出す吐出ポートを備え、ケーシングの内部に封じた液体を羽根車で回転させることにより生じる封液環が、羽根車の羽根間に形成される空間に対して働くピストン作用により気体の吸入および圧縮を行う液封式ポンプにおいて、液封式ポンプの頂部と反対側におけるケーシングの曲率中心を羽根車中心方向に移すことにより羽根車先端との距離を狭く形成することを特徴としている。
(4)また、本発明の液封式ポンプは、上記(3)において、液封式ポンプの頂部と反対側におけるケーシングの曲率中心が複数存在することを特徴としている。
(5)また、本発明の液封式ポンプは、略円筒形のケーシングと、その内部に偏心して取り付けられた複数の羽根を有する羽根車と、羽根車側方に設けられた、外部から気体を吸引する吸気ポート及びケーシング内の気体の一部を吐き出す吐出ポートを備え、ケーシングの内部に封じた液体を羽根車で回転させることにより生じる封液環が、羽根車の羽根間に形成される空間に対して働くピストン作用により気体の吸入および圧縮を行う液封式ポンプにおいて、ケーシング内面の径を軸方向の中央部において両端部より小さく形成することを特徴としている。
(1)液封式ポンプの頂部側におけるケーシングと羽根車先端との隙間を大きく形成することにより、封液のケーシングとの摩擦が小さくなり、液封式ポンプを駆動する動力を小さくすることができる。
(2)液封式ポンプの頂部と反対側におけるケーシングと羽根車先端との距離を狭くするように形成することにより、液面から羽根先端が離れることを防止できる。
(3)液封式ポンプのケーシング内面の径を軸方向の中央部において両端部より小さく形成することにより、封液が付着する両端部壁面とは異なり速度が速いため封液環の深さが薄くなり、羽根先端が封液環から離れやすくなることを防止することができる。
液封式ポンプには、円筒形のケーシング20内に羽根車21が偏心して設けられ、該羽根車21は矢印R方向に回転する。また、ケーシング20の内部には、吸気ポート22及び吐出ポート23が備えられている。
図1において、点aは略円筒形のケーシング20の中心位置を示すもので、外側の破線26は点aを中心とする直径Dの円であって、羽根車とケーシングが再接近する頂部で羽根車とケーシングが接する場合のケーシングを示している。また、点bは羽根車21の中心位置を示しており、内側の破線27は点bを中心とする直径dの円である。
そこで、図1に示すように、ケーシング20の径を大きくすれば、頂部におけるケーシング20と羽根車21の先端との隙間dlが大きくなり、封液24のケーシング20との摩擦を小さくすることができる。
しかしながら、図1に示すように、ケーシング20の径を単純に大きくすると、その分だけ封液24の量が増大し、液封式ポンプを駆動する動力が大きくなる。
図2において、図1と同じ符号は同じ部材を意味しており、外側の破線26は羽根車とケーシングが再接近する頂部で羽根車とケーシングが接する場合のケーシングの位置を示す。
封液24のケーシング20内面との摩擦は頂部付近において特に大きいが、頂部におけるケーシング20内面と羽根車21の先端との隙間dlを大きく形成することにより、摩擦を減らすことができる。
図3において、図1と同じ符号は同じ部材を意味しており、外側の破線26は従来のケーシングの位置を示す。
液封式ポンプのケーシング20と羽根車21が最接近する頂部と反対側におけるケーシング20bと羽根車21先端との距離を狭くするように形成することにより、液面25から羽根21a先端が離れることを防止できる。
図4において、図1と同じ符号は同じ部材を意味している。
本発明においても、予めケーシング20の内部に注入された液体(封液)24が、羽根車21により回転され、遠心力でケーシング20の内壁に押し付けられるよう回転することにより、封液環が形成される。この際、軸方向両側の仕切板に接触する封液には、仕切板壁面に付着する力が作用する。このため、気液境界面25の軸方向における形状は、軸方向中央部において径が大きく、軸方向両側において径が小さいものとなる。
図5は、ケーシング20内面の径を軸方向中央部において両端部より小さく形成した状態を示すもので、上方が液封式ポンプの頂部を示している。この例では、図(a)に示す形状のように、軸方向中央部の径が最小になるようにケーシング20内面にライナー30を固着するもので、ライナー30は、図(b)に示すように、液封式ポンプの頂部と反対側に三日月状に施されている。ライナー30を施す代わりにケーシング20自体の形状をこのように形成しても良い。このような形状とすることにより、気液境界面25は羽根先端が封液環から離れないように形成される。
21 羽根車
21a 羽根
21s 短い羽根
22 吸気ポート
23 吐出ポート
24 液体(封液)
25 気液境界面
26 外側の破線
27 内側の破線
28 ボス部
30 ライナー
G 気室
Claims (5)
- 略円筒形のケーシングと、その内部に偏心して取り付けられた複数の羽根を有する羽根車と、羽根車側方に設けられた、外部から気体を吸引する吸気ポート及びケーシング内の気体の一部を吐き出す吐出ポートを備え、ケーシングの内部に封じた液体を羽根車で回転させることにより生じる封液環が、羽根車の羽根間に形成される空間に対して働くピストン作用により気体の吸入および圧縮を行う液封式ポンプにおいて、液封式ポンプの頂部側におけるケーシングの曲率中心を羽根車中心方向に移すことにより羽根車先端との隙間を大きく形成することを特徴とする液封式ポンプ。
- 液封式ポンプの頂部側におけるケーシングの曲率中心が複数存在することを特徴とする請求項1記載の液封式ポンプ。
- 略円筒形のケーシングと、その内部に偏心して取り付けられた複数の羽根を有する羽根車と、羽根車側方に設けられた、外部から気体を吸引する吸気ポート及びケーシング内の気体の一部を吐き出す吐出ポートを備え、ケーシングの内部に封じた液体を羽根車で回転させることにより生じる封液環が、羽根車の羽根間に形成される空間に対して働くピストン作用により気体の吸入および圧縮を行う液封式ポンプにおいて、液封式ポンプの頂部と反対側におけるケーシングの曲率中心を羽根車中心方向に移すことにより羽根車先端との距離を狭く形成することを特徴とする液封式ポンプ。
- 液封式ポンプの頂部と反対側におけるケーシングの曲率中心が複数存在することを特徴とする請求項3記載の液封式ポンプ。
- 略円筒形のケーシングと、その内部に偏心して取り付けられた複数の羽根を有する羽根車と、羽根車側方に設けられた、外部から気体を吸引する吸気ポート及びケーシング内の気体の一部を吐き出す吐出ポートを備え、ケーシングの内部に封じた液体を羽根車で回転させることにより生じる封液環が、羽根車の羽根間に形成される空間に対して働くピストン作用により気体の吸入および圧縮を行う液封式ポンプにおいて、ケーシング内面の径を軸方向の中央部において両端部より小さく形成することを特徴とする液封式ポンプ。
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