JP2002332978A - 液封式ポンプ - Google Patents

液封式ポンプ

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JP2002332978A JP2001140420A JP2001140420A JP2002332978A JP 2002332978 A JP2002332978 A JP 2002332978A JP 2001140420 A JP2001140420 A JP 2001140420A JP 2001140420 A JP2001140420 A JP 2001140420A JP 2002332978 A JP2002332978 A JP 2002332978A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 装置の大型化、コストの増大を招くことな
く、吸入量の増加を図ることが可能な液封式ポンプを提
供する。 【解決手段】 ケーシング1と、その内部に偏心して取
り付けられた羽根車4と、羽根車側方に吸気ポート8及
び吐出ポート9を備えた液封式ポンプにおいて、余剰封
液の主たる排出口である吐出ポート9の他に、ケーシン
グ1の外周部の、吐出ポート9の位相位置に略相当する
位相位置に、余剰封液を排出するための封液排出口11
を設け、ポンプ内部を環流している余剰封液を効率よく
排出して、余剰封液の排出時の動力の増加を防ぎ、該液
封式ポンプの運転効率を向上させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、円筒形のケーシン
グと多数の羽根枚数を持つ羽根車を有し、羽根車の回転
によって生じる封液環により気体の圧送を行う液封式ポ
ンプに関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】図4及
び図5(a),(b)は、従来の液封式ポンプの一例を示す
図である。この従来の液封式ポンプは、円筒形のケーシ
ング1と、その内部に偏心して取り付けられた多数の羽
根4aを有する羽根車4と、羽根車4の側方に設けられ
た吸気ポート8及び吐出ポート9を備えた構成を有して
いる。
【0003】この液封式ポンプにおいては、予めケーシ
ング1の内部に注入された液体(封液)13が、羽根車
4により、図5(a)の矢印Rで示す方向に回転し、遠心
力でケーシング1の内壁に押し付けられるよう回転する
ことにより、封液環Lが形成されるとともに、羽根車4
の羽根4aと、封液環Lの気液境界面10に囲まれた気
室Gが形成される。そして、この気室Gは、ケーシング
1と羽根車4の中心が偏っていることから、羽根車4が
一回転する間に拡大、縮小することになる。
【0004】また、羽根車4の側方(軸方向両側)に設
けられた仕切板3には、吸気ポート8及び吐出ポート9
が配設されており、吸気ポート8は気室Gが拡大する位
相、吐出ポート9は気室Gが縮小する位相にあって、そ
れぞれ外部の吸気口6、吐出口7に連通している。そし
て、気室Gの拡大に伴い、吸気口6を経て、外部の気体
が吸気ポート8より吸入され、気液境界面10のピスト
ン作用により圧縮昇圧された後、吐出ポート9からケー
シング1の外部に吐き出される。上記の一連の動作によ
り、気体が圧送され、ポンプとしての機能が発揮される
ことになる。
【0005】ところで、上述の封液13は、(1)上述
の封液環Lの形成による気体の吸引と圧送を行う機能、
(2)気体圧送に伴って発生する気体圧縮熱を吸収する
機能、(3)摺動部をシールする機能などの諸機能を発
揮する。
【0006】そして、これらの機能のうち(2)の、気
体圧送に伴って発生する気体圧縮熱を吸収する工程にお
いて、封液環Lの温度が上昇する。気室Gは常に封液環
Lと接しているため、封液環Lの温度が上昇すると気室
Gに占める蒸気分圧の割合が増加し、ポンプ吸入性能の
低下を招くことになる。そこで、液封式ポンプにおいて
は、封液13を常時補給し、同量を余剰封液として吐出
気体とともに吐出ポート9から連続的に排出し、封液環
Lの温度上昇を抑えている。
【0007】また、回転部の羽根車4と固定部の仕切板
3との間には、機能上、わずかではあるが隙間が維持さ
れており、このわずかな隙間に、ポンプ内の圧力差によ
り高圧側から低圧側に流体の流れが生じ、特に気体の流
れは吸入性能の低下をもたらすことになる。そこで、こ
の流れを防止するため、上記(3)のように、封液13
を摺動部に導いてシールを行っている。シールに要する
封液量は、運転時の圧力差と羽根車4のボス径によって
概略が定まり、特に真空ポンプとしての用途では、羽根
車4のボス径(羽根車外径に略比例)に依存した量とな
る。
【0008】ところで、液封式ポンプは、その作動機構
において気体の吸排気を羽根車の径方向に行うもの(内
気口型)と、羽根車の軸方向に行うもの(側気口型)に
大別される。また、羽根車が一回転する間に気体の吸排
気を一回行う一作動式と、羽根車が一回転する間に気体
の吸排気を二回行う二作動式があり、一作動式のケーシ
ング断面は円形であり、二作動式のケーシング断面は楕
円形であることが特徴である。一般には、構造の簡易
さ、設計の自由度の高さから側気口型が多く製作されて
おり、上述の図4及び図5(a),(b)に示した液封式ポ
ンプは、この側気口型、一作動式の液封式ポンプであ
る。
【0009】また、液封式ポンプにおいて、その吸入量
Qは Q=2λ・π・D・N・W・E となる。但し、各記号λ,π,D,N,W,Eは、それ
ぞれ、 λ:係数 D:羽根車外径 W:羽根車幅 E:偏心量(羽根車回転中心とケーシング中心との差) N:羽根車回転速度 である。
【0010】また、液封式ポンプにおいて、羽根車周速
度をUとすると U=π・D・N の関係があり、この値は真空ポンプの場合ほぼ一定の値
となる。また、偏心量Eは、羽根車外径Dに比例する値
で、E=a・Dで表すことができる。ここでaは定数で
ある。以上より、吸入量Qは、羽根車外径Dと羽根車幅
Wに比例した量となる。従って、吸入量Qを大きくする
ためには、羽根車外径Dを大きくするか、あるいは羽根
車幅Wを大きくすることが必要になる。
【0011】羽根車外径Dを大きくしようとすると、羽
根車外径Dの増加に伴ってケーシングその他の部品の側
断面積が大きくなり、ポンプが大型化して質量とコスト
の増加を招くという問題点がある。
【0012】また、羽根車幅Wを大きくすることは、羽
根車幅/羽根車外径比(W/D)が大きくなることにつ
ながり、W/Dが1を超えると、ポンプ性能の低下を招
くことになる。すなわち、上述の動作説明からも明らか
なように、ポンプ内部の液体は、吸入工程では羽根車の
回転方向において、ボスから径方向外側に向かって移動
し、圧縮行程では逆に、径方向外側からボスの方向に向
かって移動する。そして、気体の吸排気を羽根車の軸方
向に行う側気口型の液封式ポンプでは、吸入気体及び封
液の排出の際に、特に封液に対して、軸方向への大きな
方向変化が余儀なくされる。したがって、W/Dが大き
くなった場合、特に封液の排出時の損失が増加し、ポン
プ性能の低下、すなわち、吸入量の低下と動力の増加を
招くことになる。
【0013】また、液封式ポンプにおいて、吐出ポート
は、ケーシングの径方向には羽根車のボス径と羽根車の
外径の間で、封液環の気液境界面に近い形状で形成され
ている。この吐出ポートを径方向に必要以上に大きくす
ると、気液境界面の圧力バランスが崩れ、結果として吸
入量の低下を引き起こすことになる。このように、吐出
ポートは、性能を維持する見地から、適切な大きさとす
ることが必要になる。また、通常、単位時間あたりに補
給される封液量は、吸入気体量に略比例するように制御
されている。これは、ポンプ動力が吸入気体量に比例す
ることから、ポンプ内における封液の温度が、所定の温
度以上に高くならないようにするための処置である。
【0014】ところで、ある大きさの液封式ポンプの形
状を変更し、吸入量を増加しようとした場合、羽根車外
径Dを変更せずに、羽根車幅Wを広げることにより対応
しようとしても、上述のような性能維持の見地から、吐
出ポートの形状を大きく変更することはできないのが実
情である。
【0015】そのため、増量した気体と封液に対して相
対的に吐出ポートは狭くなり、気体及び封液の排出速度
は増加する(吐出ポートの単位面積あたりの排出速度が
増大する)ことになる。吐出ポートにおける損失は、気
体と液体では密度が大きく異なるため、液体における損
失が主となるが、封液の排出速度が増加することによ
り、動力損失が増加する。また、封液排出時の損失増加
とは別に、ケーシングの軸方向への流体移動距離の増加
による損失の増加も生じる。
【0016】したがって、これまでは、吸入量の増加要
求に対し、動力増加による効率低下の回避を重視する見
地から、吸入性能の低下を招かないように、羽根車幅W
/羽根車外径D比を1程度にとどめながら、羽根車外径
Dを大きくし、吐出ポートを拡大することにより、吐出
流速と流体移動距離の増加を抑え、動力の増加を抑えて
きた。
【0017】しかし、上述のように、羽根車外径Dを大
きくし、吐出ポートを拡大することにより、吸入量を増
加させるようにした場合、製品の大型化及びコストの上
昇を招くという問題点がある。
【0018】また、羽根車幅Wを広げるようにした場
合、全体のサイズをそれほど大きくすることなく、吸入
量の増加を図ることが可能になるため、小型で吸入量の
多い液封式ポンプを実現することが可能になるが、動力
増加による効率低下など、性能特性が悪化するという問
題点があり、これまで、あまり採用されることはなかっ
た。
【0019】本発明は、上記実情に鑑みてなされたもの
であり、装置の大型化、コストの増大を招くことなく、
吸入量の増加を図ることが可能な液封式ポンプを提供す
ることを目的とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明(請求項1)の液封式ポンプは、円筒形のケ
ーシングと、その内部に偏心して取り付けられた多数の
羽根を有する羽根車と、羽根車側方に設けられた、外部
から気体を吸引する吸気ポート及びケーシング内の気体
及び液体の一部を吐き出す吐出ポートを備え、ケーシン
グの内部に封じた液体を羽根車で回転させることにより
生じる封液環と、羽根車の羽根間に形成される空間のピ
ストン作用により気体の圧送を行う液封式ポンプにおい
て、余剰封液の主たる排出口である吐出ポートの他に、
ケーシング外周部の、前記吐出ポートの位相位置に略相
当する位相位置に、余剰封液を排出するための封液排出
口を設けたことを特徴としている。
【0021】余剰封液の主たる排出口である吐出ポート
の他に、ケーシング外周部の、吐出ポートの位相位置に
略相当する位相位置に、余剰封液を排出するための封液
排出口を設けることにより、ポンプ内部の余剰封液を外
部に効率よく排出することが可能になり、吸入量を低下
させることなく、封液排出に伴う動力損失を軽減して、
小型、大容量で効率の良好な液封式ポンプを提供するこ
とが可能になる。すなわち、本発明の液封式ポンプにお
いては、ケーシング外周部の、吐出ポートの位相位置に
略相当する位相位置に設けた封液排出口から、余剰封液
を効率よく排出できるようにして、動力の増加にかかわ
る余剰封液排出時の損失を抑制するようにしているの
で、従来の液封式ポンプに比して小型、大容量で効率の
良好な液封式ポンプを提供することが可能になる。な
お、本発明において、「ケーシング外周部の、前記吐出
ポートの位相位置に略相当する位相位置」とは、封液排
出口の、羽根車回転方向の位置(位相位置)が、羽根車
側方に配設された吐出ポートの、羽根車回転方向の位置
(位相位置)とほぼ同じであるような位置を意味する概
念である。
【0022】また、請求項2の液封式ポンプは、羽根の
幅と羽根の直径の比(羽根幅/羽根径比)が1を超えて
いることを特徴としている。
【0023】羽根の幅と羽根の直径の比(羽根幅/羽根
径比)が1を超えるような大きさになると、従来の側気
口型の液封式ポンプにおいては、封液の排出時に損失が
増加し、ポンプ性能の低下、すなわち、吸入量の低下と
動力の増加を招くという問題を生じやすいが、このよう
な場合に、本発明を適用することにより、効率よく封液
の排出を行うことができるようになり、従来の液封式ポ
ンプに比して小型、大容量で効率の良好な液封式ポンプ
を提供することが可能になり、特に有意義である。
【0024】また、請求項3の液封式ポンプは、ケーシ
ング外周部に余剰封液排出口を有する上記液封式ポンプ
において、液封式ポンプの吸入圧力の変化に応じて、余
剰封液の排出量が制御されるように構成されていること
を特徴としている。
【0025】ケーシング外周部に余剰封液排出口を有す
る液封式ポンプにおいて、液封式ポンプの吸入圧力の変
化に応じて、余剰封液の排出量を制御するように構成し
た場合、例えば、高真空域で封液の抜き出しを止めるこ
とが可能になり、高真空域での吸入性能を向上させるこ
とが可能になるなど、最も良好な運転性能を発揮させる
ことが可能になる。
【0026】また、請求項4の液封式ポンプは、前記封
液排出口が、吸入開始位置である上死点を基準とした場
合の、前記羽根車の回転方向300〜360゜の位置に
配設されていることを特徴としている。
【0027】封液排出口を、吸入開始位置である上死点
を基準とした場合の、羽根車の回転方向300〜360
゜の位置に配設することにより、液封式ポンプの機能を
損なうことなく、封液の一部を効率よくケーシングの外
部に排出することが可能になり、本発明を実効あらしめ
ることができる。なお、封液排出口の配設位置は、羽根
車の回転方向300〜330゜の範囲とすることがより
望ましい。
【0028】また、請求項5の液封式ポンプは、前記封
液排出口が、ケーシングの軸方向両端側を除いた中央よ
りの位置に配設されていることを特徴としている。
【0029】封液排出口を、吸気ポート及び吐出ポート
が配設されている羽根車側方ではなく、ケーシング外周
部の軸方向の中央よりの位置に設けることにより、吸気
ポート及び吐出ポートからの本来の吸気及び吐出を円滑
に行わせつつ、封液の一部を封液排出口から効率よく排
出することが可能になり、本発明をさらに実効あらしめ
ることが可能になる。
【0030】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を示し
て、その特徴とするところをさらに詳しく説明する。
【0031】図1及び2は本発明の実施形態にかかる液
封式ポンプの構成を示す図である。この液封式ポンプ
は、円筒形ケーシング1と、その内部に偏心して取り付
けられた多数の羽根4aを有する羽根車4と、羽根車4
の側方に設けられた吸気ポート8及び吐出ポート9を備
えており、羽根の幅と羽根の直径の比(羽根幅/羽根径
比)が1を超えるように構成されている。
【0032】この液封式ポンプにおいては、予めケーシ
ング1の内部に注入された液体(封液)13が、シャフ
ト5の回転にともなって回転する羽根車4により、図2
の矢印Rで示す方向に回転し、遠心力でケーシング1の
内壁に押し付けられるよう回転することにより、封液環
Lが形成されるとともに、羽根車4の羽根4aと、封液
環Lの気液境界面10に囲まれた気室Gが形成されるよ
うに構成されている。そして、ケーシング1と羽根車4
の中心が偏っていることから、気室Gは、羽根車4が一
回転する間に拡大、縮小する。
【0033】また、羽根車4の側方に設けられた仕切板
3には、吸気ポート8及び吐出ポート9が配設されてお
り、吸気ポート8は、気室Gが拡大する位相、吐出ポー
ト9は気室Gが縮小する位相にあって、それぞれ外部の
吸気口6、吐出口7に連通しており、気室Gの拡大に伴
って吸気口6を経て、外部の気体(吸入気体Gin)が吸
気ポート8より吸入され、気液境界面10のピストン作
用により圧縮昇圧された後、この圧縮気体(吐出気体G
out)が吐出ポート9から吐き出されるように構成され
ている。したがって、上記の一連の動作により、気体が
圧送され、ポンプとしての機能が発揮されることにな
る。
【0034】そして、この実施形態の液封式ポンプにお
いては、ケーシング1の外周部の、仕切板3に形成され
た吐出ポート9の開口位置に相当する位相角度の位置
に、ケーシング1の軸方向に所定の間隔をおいて2つの
封液排出口11が設けられている。すなわち、この液封
式ポンプにおいては、2つの封液排出口11が、吸気ポ
ート8及び吐出ポート9の配設されたケーシング1の軸
方向両端側を除いた中央よりの位置に配設されている。
【0035】また、封液排出口11は、吸入開始位置で
ある上死点Aを基準(0゜)とした場合の、羽根車4の
回転方向300〜330゜の位相位置に(図2のB〜C
の範囲)配設されている。なお、この封液排出口11に
は、配管が接続され、流量制御手段12が組み込まれて
いる。なお、流量制御手段12の二次側は、ポンプサイ
ドカバー2の気体出口圧力領域や吐出配管に接続され、
大気に開放されることになる。
【0036】また、この実施形態の液封式ポンプにおい
ては、流量制御手段12が、圧力センサー14の出力に
より開閉制御され、液封式ポンプの吸込圧力にしたがっ
て、流量(封液排出量)の制御が行われるように構成さ
れている。
【0037】この実施形態の液封式ポンプは、上述のよ
うに、吐出ポート9の他に、ケーシング1の外周部の、
吐出ポート9の位相位置に略相当する位相位置に、封液
排出口11を設けているので、羽根4aの幅Wと羽根4
aの直径Dの比(羽根幅/羽根径比)が1以上である場
合にも、ポンプ内部の余剰封液を外部に効率よく排出す
ることが可能になり、吸入量を低下させることなく、封
液排出に伴う動力損失を軽減して、液封式ポンプの小型
化、大容量化、効率の向上を図ることができる。
【0038】また、封液排出口11が、吸気ポート8及
び吐出ポート9が配設されている羽根車4の側方ではな
く、ケーシング1の外周部の軸方向の中央よりの位置に
配設されているので、吸気ポート8及び吐出ポート9か
らの吸気及び吐出を円滑に行わせつつ、封液排出口11
から封液13を効率よくケーシング1の外部に排出する
ことが可能になり、本発明をさらに実効あらしめること
ができる。
【0039】また、流量制御手段12により、液封式ポ
ンプの吸込圧力にしたがって、流量(封液排出量)の制
御を行うようにしているので、例えば、高真空域で封液
の抜き出しを止めることが可能になり、高真空域での吸
入性能を向上させることが可能となるなど、最も良好な
運転性能を発揮させることができる。
【0040】なお、図3は、本発明の実施形態にかかる
液封式ポンプと、従来の液封式ポンプの性能を示す線図
である。図3より、本発明の液封式ポンプの方が、従来
の液封式ポンプよりも、軸動力が小さいのに、大きな吸
入量を達成することができており、効率が向上している
ことがわかる。これは、羽根車幅/羽根車外径比>1で
ある場合においても、封液13が効率よく封液排出口1
1から排出されるため、低真空域において、従来技術で
のポンプ所要動力以下で同量気体を吸入することが可能
になることによるものである。
【0041】なお、上記実施形態では、2つの封液排出
口11が、ケーシング1の軸方向両端側を除いた中央よ
りの位置に配設されている場合を例にとって説明した
が、封液排出口の具体的な配設位置及び配設個数は、上
記実施形態に限定されるものではなく、液封式ポンプの
具体的な構造などを考慮して、適当な位置に、任意の個
数の封液排出口を配設することが可能である。
【0042】本発明は、さらにその他の点においても、
上記実施形態に限定されるものではなく、ケーシングの
具体的な形状、吸気ポート及び吐出ポートの具体的な形
状や配設位置、羽根の幅と羽根の直径の比(羽根幅/羽
根径比)、液封式ポンプの吸入圧力の変化に応じて余剰
封液の排出量を制御するため制御手段の構成などに関
し、発明の要旨の範囲において、種々の応用、変形を加
えることが可能である。
【0043】
【発明の効果】上述のように、本発明(請求項1)の液
封式ポンプは、余剰封液の主たる排出口である吐出ポー
トの他に、ケーシング外周部の、吐出ポートの位相位置
に略相当する位相位置に、余剰封液を排出するための封
液排出口を設けるようにしているので、ポンプ内部の余
剰封液を外部に効率よく排出することが可能になり、吸
入量を低下させることなく、封液排出に伴う動力損失を
軽減して、小型、大容量で効率の良好な液封式ポンプを
提供することが可能になる。すなわち、本発明の液封式
ポンプにおいては、ケーシング外周部の、吐出ポートの
位相位置に略相当する位相位置に設けた封液排出口か
ら、余剰封液を効率よく排出できるようにして、動力の
増加にかかわる余剰封液排出時の損失を抑制するように
しているので、低真空域で従来技術でのポンプ所要動力
以下で同量気体を吸入することが可能で、従来の液封式
ポンプに比して小型、大容量で効率の良好な液封式ポン
プを提供することができる。
【0044】また、羽根の幅と羽根の直径の比(羽根幅
/羽根径比)が1を超えるような大きさになると、従来
の側気口型の液封式ポンプにおいては、封液の排出時に
損失が増加し、ポンプ性能の低下、すなわち、吸入量の
低下と動力の増加を招くという問題を生じやすいが、請
求項2の液封式ポンプのように、かかる場合に、本発明
を適用することにより、効率よく封液の排出を行うこと
ができるようになり、従来の液封式ポンプに比して小
型、大容量で効率の良好な液封式ポンプを提供すること
が可能になり、特に有意義である。
【0045】また、請求項3の液封式ポンプのように、
ケーシング外周部に余剰封液排出口を有する液封式ポン
プにおいて、液封式ポンプの吸入圧力の変化に応じて、
余剰封液の排出量を制御するように構成した場合、例え
ば、高真空域で封液の抜き出しを止めることが可能にな
り、高真空域での吸入性能を向上させることが可能にな
るなど、最も良好な運転性能を発揮させることが可能に
なる。
【0046】また、請求項4の液封式ポンプのように、
封液排出口を、吸入開始位置である上死点を基準とした
場合の、羽根車の回転方向300〜360゜の位置に配
設することにより、液封式ポンプの機能を損なうことな
く、封液の一部を効率よくケーシングの外部に排出する
ことが可能になり、本発明を実効あらしめることができ
る。
【0047】また、請求項5の液封式ポンプのように、
封液排出口を、吸気ポート及び吐出ポートが配設されて
いる羽根車側方ではなく、ケーシング外周部の軸方向の
中央よりの位置に設けるようにした場合、吸気ポート及
び吐出ポートからの本来の吸気及び吐出を円滑に行わせ
つつ、封液の一部を封液排出口から効率よく排出するこ
とが可能になり、本発明をさらに実効あらしめることが
可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態にかかる液封式ポンプの構
造を示す一部断面正面図である。
【図2】図1の液封式ポンプの要部構成を示す側面断面
図である。
【図3】本発明の一実施形態にかかる液封式ポンプと、
従来の液封式ポンプの性能を比較した線図である。
【図4】従来の液封式ポンプの構造を示す一部断面正面
図である。
【図5】(a)は図4の従来の液封式ポンプの要部構成を
示す側面断面図、(b)図4の従来の液封式ポンプの要部
構成を示す正面図である。
【符号の説明】
1 ケーシング 2 ポンプサイドカバー 3 仕切板 4 羽根車 4a 羽根 5 シャフト 6 吸気口 7 吐出口 8 吸気ポート 9 吐出ポート 10 気液境界面 11 封液排出口 12 流量制御手段 13 液体(封液) 14 圧力センサー R インペラ回転方向(封液回転方向) G 気室及びその回転方向 L 封液環及びその回転方向 Gin 吸入気体 Gout 吐出気体 A 上死点(吸入開始点) B 上死点より300°回転した位置 C 上死点より330°回転した位置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 石井 丈士 鳥取県西伯郡会見町円山1番地 株式会社 粟村製作所内 Fターム(参考) 3H029 AA07 AA17 AB02 AB06 BB09 BB42 CC23 CC25 CC32

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】円筒形のケーシングと、その内部に偏心し
    て取り付けられた多数の羽根を有する羽根車と、羽根車
    側方に設けられた、外部から気体を吸引する吸気ポート
    及びケーシング内の気体及び液体の一部を吐き出す吐出
    ポートを備え、ケーシングの内部に封じた液体を羽根車
    で回転させることにより生じる封液環と、羽根車の羽根
    間に形成される空間のピストン作用により気体の圧送を
    行う液封式ポンプにおいて、 余剰封液の主たる排出口である吐出ポートの他に、ケー
    シング外周部の、前記吐出ポートの位相位置に略相当す
    る位相位置に、余剰封液を排出するための封液排出口を
    設けたことを特徴とする液封式ポンプ。
  2. 【請求項2】羽根の幅と羽根の直径の比(羽根幅/羽根
    径比)が1を超えていることを特徴とする請求項1記載
    の液封式ポンプ。
  3. 【請求項3】ケーシング外周部に余剰封液排出口を有す
    る上記液封式ポンプにおいて、液封式ポンプの吸入圧力
    の変化に応じて、余剰封液の排出量が制御されるように
    構成されていることを特徴とする請求項1又は2記載の
    液封式ポンプ。
  4. 【請求項4】前記封液排出口が、吸入開始位置である上
    死点を基準とした場合の、前記羽根車の回転方向300
    〜360゜の位置に配設されていることを特徴とする請
    求項1〜3のいずれかに記載の液封式ポンプ。
  5. 【請求項5】前記封液排出口が、ケーシングの軸方向両
    端側を除いた中央よりの位置に配設されていることを特
    徴する請求項1〜4のいずれかに記載の液封式ポンプ。
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