JP2005344511A - 2段型水封式ポンプ - Google Patents

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Abstract

【課題】軸受に大きな負荷がかからない、耐久性を有する2段型水封式ポンプを提供すること。
【解決手段】封水を収容したケーシング2と、共通する駆動軸4に設けられた第1羽根車31及び第2羽根車32とを備えた2段型水封式ポンプにおいて、ケーシング2を、第1羽根車21が位置する第1円筒胴21と、第2羽根車32が位置する第2円筒胴22とに分割するとともに、第1円筒胴21の中心21Pと第2円筒胴22の中心22Pとが駆動軸4に対して相互に180゜位相が異なるように偏芯して形成する。
【選択図】図1

Description

本発明は、2段型水封式ポンプに関し、特に、2段型水封式真空ポンプのラジアル荷重を低減するようにした水封式ポンプに関するものである。
従来、2段型水封式ポンプは、図3〜図4に示すように、封水を収容した円筒状のケーシング2と、このケーシング2の中心2Pから距離Eだけ偏芯した位置3Pを中心に回転する、ほぼ放射状に形成した羽根を有する羽根車3とを配設してなり、電動機(図示省略)等によって回転駆動される駆動軸4を介して羽根車3を回転することによって、ケーシング2の内周面にケーシング2内に収容した封水によって環状の液膜Fを形成するように構成されている。
そして、この水封式ポンプ50は、羽根車3の隣接し合う羽根と環状の液膜Fとによって形成される独立した気室Aが、羽根車3の回転に伴って拡大縮小を繰り返すため、その気体膨張行程部分に吸込ポート7aを、気体圧縮行程部分に吐出ポート8bを、それぞれ形成することにより、吸込ポート7aに接続した吸込口7から気体を吸い込み、この吸い込んだ気体を吐出ポート8bに接続した吐出口8から吐き出して、気体を送り出す構造となっている。
しかしながら、この水封式ポンプ50は、その構造上、羽根車3(駆動軸4)に、吐出側の高圧と吸込側の低圧との差に起因する大きなラジアル荷重F0が発生し、軸受に大きな負荷がかかることになる。
すなわち、ケーシング2を第1円筒胴21、第2円筒胴22及び中間体23より構成し、第1円筒胴21内に第1羽根車31を、第2円筒胴22内に第2羽根車32を、それぞれ位置させるようにした2段型水封式ポンプの場合、第1羽根車31及び第2羽根車32(駆動軸4)に対して、第1円筒胴21及び第2円筒胴22とが同一方向に偏芯しており、第1羽根車31及び第2羽根車32が共に同一方向のラジアル荷重F1、F2を受け、フロントカバー5及びリヤカバー6に配備した軸受11a、11bに大きな負荷がかかり、軸受11a、11bの耐久性の点で問題があった。
また、第1円筒胴21の吐出ポート8aと、第2円筒胴22の吸込ポート7bとは、駆動軸4を挟んでほぼ逆方向に位置することとなるため、第1円筒胴21の吐出ポート8aから第2円筒胴22の吸込ポート7bへの気体の通路10を中間体23によって形成する必要があり、構造が複雑化するという問題があった。
本発明は、上記従来の2段型水封式ポンプの有する問題点に鑑み、軸受に大きな負荷がかからない、耐久性を有する2段型水封式ポンプを提供することを第1の目的とする。
また、本発明は、2段型水封式ポンプの第1円筒胴の吐出ポートから第2円筒胴の吸込ポートへの気体の通路を簡易に形成することができる2段型水封式ポンプを提供することを第2の目的とする。
上記第1の目的を達成するため、本発明の2段型水封式ポンプは、封水を収容したケーシングと、共通する駆動軸に設けられた第1羽根車及び第2羽根車とを備えた2段型水封式ポンプにおいて、前記ケーシングを、第1羽根車が位置する第1円筒胴と、第2羽根車が位置する第2円筒胴とに分割するとともに、第1円筒胴の中心と第2円筒胴の中心とが駆動軸に対して相互に180゜位相が異なるように偏芯して形成したことを特徴とする。
この場合において、上記第2の目的を達成するため、第1円筒胴と第2円筒胴との仕切り板を貫通させて、第1円筒胴の吐出ポート及び第2円筒胴の吸込ポートを形成することができる。
また、駆動軸を、1個の軸受によって片持ち式に支持するようにすることができる。
本発明の2段型水封式ポンプによれば、2段型水封式ポンプのケーシングを、第1羽根車が位置する第1円筒胴と、第2羽根車が位置する第2円筒胴とに分割するとともに、第1円筒胴の中心と第2円筒胴の中心とが駆動軸に対して相互に180゜位相が異なるように偏芯して形成することによって、吐出側の高圧と吸込側の低圧との差に起因して発生するラジアル荷重を第1羽根車と第2羽根車とで相殺して、軸受にかかる荷重を小さく抑えることができ、耐久性を向上することができる。
また、第1円筒胴と第2円筒胴との仕切り板を貫通させて、第1円筒胴の吐出ポート及び第2円筒胴の吸込ポートを形成することが可能となり、これにより、2段型水封式ポンプの構造を簡易化することができる。
また、駆動軸を、1個の軸受によって片持ち式に支持するようにすることにより、2段型水封式ポンプの構造を一層簡易化することができる。
以下、本発明の2段型水封式ポンプの実施の形態を、図面に基づいて説明する。
図1〜図2に、本発明の2段型水封式ポンプの一実施例を示す。
この2段型水封式ポンプ1は、従来の2段型水封式ポンプと同様、ケーシング2を第1円筒胴21と第2円筒胴22に分割して形成し、ケーシング2内に封水を収容するようにする。
第1円筒胴21及び第2円筒胴22には、第1羽根車31及び第2羽根車32を位置させ、電動機(図示省略)等によって回転駆動される共通の駆動軸4を介して第1羽根車31及び第2羽根車32を回転させることによって生じる遠心力で、第1円筒胴21及び第2円筒胴22の内周面にケーシング2内に収容した封水によって環状の液膜Fを形成するように構成する。
この共通する駆動軸4に設けられた第1羽根車31と第2羽根車32の軸心は、駆動軸4の軸心Pと一致させて構成する。
そして、第1羽根車31が位置する第1円筒胴21の中心21Pと、第2羽根車32が位置する第2円筒胴22の中心22Pとを、駆動軸4の軸心P(第1羽根車31と第2羽根車32の軸心)に対して相互に180゜位相が異なるように、軸心Pから距離Eだけそれぞれ偏芯(図2において、第1円筒胴21の中心21Pに対して、第2円筒胴22の中心22Pが、駆動軸4の軸心Pを挟んで、距離2Eだけ上方に位置するように)するように構成する。
なお、本実施例においては、第1羽根車31及び第2羽根車32は、駆動軸4に形成したスペーサ部4aを挟んで、固定手段4b、4cによって駆動軸4に位置決めされ、固定するようにしている。
駆動軸4は、吸入口7を備えたフロントカバー5に配設した1個の軸受11によって片持ち式(オーバーハング式)に支持されるようにしている。
これにより、部品点数を少なくして、2段型水封式ポンプの構造を簡易化することができる。
第1円筒胴21と第2円筒胴22との仕切り板を構成する第1円筒胴21の底板21aには、第1円筒胴21の吐出ポート8a及び第2円筒胴22の吸込ポート7bを構成する貫通孔からなる共通ポート9を形成する。
第2円筒胴22の底板22aには、第2円筒胴22の吐出ポート8bを形成し、吐出口8と連通させる。
第2円筒胴22は、従来の2段型水封ポンプのリヤカバーを兼ねるもので、本実施例においては、軸受を設ける必要がないため、吐出口8を背面に向けて形成するようにしているが、吸入口7と同じ上方に向けて形成することもできる。
上記の構成からなる2段型水封式ポンプ1は、第1円筒胴21の吸込ポート7aに接続した吸込口7から気体を吸い込み、この吸い込んだ気体を第1円筒胴21(第1羽根車31)から第1円筒胴21の吐出ポート8a、第2円筒胴22の吸込ポート7b及び第2円筒胴22(第2羽根車32)を介して、第2円筒胴22の吐出ポート8bに接続した吐出口8から吐き出して、気体を送り出す構造となっている。
ところで、本実施例においては、第2円筒胴22及び第2羽根車32は、第1円筒胴21及び第1羽根車31と比べて、通過する気体の圧力が高く、体積流量が小さいため、その幅を、第1円筒胴21及び第1羽根車31の幅の約1/2程度に形成するようにしている。
このことにより、第1羽根車31に発生するラジアル荷重F1は、第2羽根車32に発生するラジアル荷重F2の約2倍程度となる。
したがって、本実施例のように駆動軸4を片持ち式(オーバーハング式)に支持する構造とする場合には、軸受11から第1羽根車31の中心までの距離L1と、軸受11から第2羽根車32の中心までの距離L2としたとき、L1×F1=L2×F2となるような位置に軸受11を配置することによって、第1羽根車31に発生するラジアル荷重F1と、第2羽根車32に発生するラジアル荷重F2とによる軸受11の位置におけるモーメントを相殺して「ゼロ」にすることができる。
また、第1羽根車31に発生するラジアル荷重F1は、第2羽根車32に発生するラジアル荷重F2の約2倍程度(F1=F2×2)となるため、図3に示す従来の2段型水封式ポンプの場合、2個の軸受11a、11bの各々にかかる荷重Fは、
F=(F1+F2)/2=1.5F2
となるのに対して、本実施例の場合、1個の軸受11にかかる荷重Fは、
F=(F1−F2)=F2
となり、軸受荷重を2/3に低減することができる。
以上、本発明の水封式ポンプについて、その実施例に基づいて説明したが、本発明は上記実施例に記載した構成に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において適宜その構成を変更することができるものである。
以上、本発明の2段型水封式ポンプは、軸受にかかる荷重を小さく抑えることができ、耐久性を向上することができ、さらに、構造を簡易化することができることから、小形化が必要な2段型水封式ポンプに特に好適に用いることができる。
本発明の2段型水封式ポンプの一実施例を示す正面断面図である。 図1のX−X線の断面図である。 従来の2段型水封式ポンプを示す正面断面図である。 図3のY−Y線の断面図である。
符号の説明
1 2段型水封式ポンプ
2 ケーシング
11 軸受
21 第1円筒胴
21P 第1円筒胴の中心
22 第2円筒胴
22P 第2円筒胴の中心
31 第1羽根車
32 第2羽根車
7 吸込口
7a 吸込ポート
7b 吸込ポート
8a 吐出ポート
8b 吐出ポート

Claims (3)

  1. 封水を収容したケーシングと、共通する駆動軸に設けられた第1羽根車及び第2羽根車とを備えた2段型水封式ポンプにおいて、前記ケーシングを、第1羽根車が位置する第1円筒胴と、第2羽根車が位置する第2円筒胴とに分割するとともに、第1円筒胴の中心と第2円筒胴の中心とが駆動軸に対して相互に180゜位相が異なるように偏芯して形成したことを特徴とする2段型水封式ポンプ。
  2. 第1円筒胴と第2円筒胴との仕切り板を貫通させて、第1円筒胴の吐出ポート及び第2円筒胴の吸込ポートを形成したことを特徴とする請求項1記載の2段型水封式ポンプ。
  3. 駆動軸を、1個の軸受によって片持ち式に支持するようにしたことを特徴とする請求項1又は2記載の2段型水封式ポンプ。
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