JP2009155767A - 柔軟剤組成物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】特定のモノマー単位(A)、(B)を、特定のモル比で含有する高分子化合物(a)、メチルジエタノールアミン及びトリエタノールアミンから選ばれるアルカノールアミン(b1)と特定の脂肪酸又はその低級アルキルエステル(b2)とを、特定のモル比で反応させて得られるエステル化合物を4級化した4級アンモニウム塩(b)、並びに、ClogPが4を超える香料化合物(c)を含有する柔軟剤組成物。
【選択図】なし
Description
<(a)成分>
下記一般式(1)で示される化合物、又はその酸塩もしくは4級塩に由来するモノマー単位(A)及び、下記一般式(2)で示される化合物に由来するモノマー単位(B)を含有し、モノマー単位(A)とモノマー単位(B)の合計中、モノマー単位(A)の割合が(A)/〔(A)+(B)〕=20〜100モル%である、高分子化合物。
<(b)成分>
メチルジエタノールアミン及びトリエタノールアミンから選ばれるアルカノールアミン(b1)と炭素数8〜26の脂肪酸又はその低級アルキル(アルキル基の炭素数1〜3)エステル(b2)とを、〔(b1)中の水酸基のモル数/(b2)のモル数〕=1/0.5〜1/1で反応させて得られるエステル化合物を、さらに4級化して得られる4級アンモニウム塩。
<(c)成分>
ClogPが4を超える香料化合物。
モノマー単位(A)の由来となる、一般式(1)で表される化合物のうち、Xは−COO−R6−、−CONR7−R8−(R6、R7、R8は前記の意味を表す)が好ましく、R4、R5はメチル基、又はエチル基が好ましい。また、好ましい具体的な化合物としてXが−COO−R6−である化合物としては、アクリル酸N,N−ジメチルアミノエチル、アクリル酸N,N−ジメチルアミノメチル、アクリル酸N,N−ジメチルアミノブチル、アクリル酸N,N−ジメチルアミノプロピル、メタクリル酸N,N−ジメチルアミノエチル、メタクリル酸N,N−ジメチルアミノメチル、メタクリル酸N,N−ジメチルアミノブチル、メタクリル酸N,N−ジメチルアミノプロピル、アクリル酸N,N−ジエチルアミノエチル、アクリル酸N,N−ジエチルアミノメチル、アクリル酸N,N−ジエチルアミノブチル、アクリル酸N,N−ジエチルアミノプロピル、メタクリル酸N,N−ジエチルアミノエチル、メタクリル酸N,N−ジエチルアミノメチル、メタクリル酸N,N−ジエチルアミノブチル、メタクリル酸N,N−ジエチルアミノプロピル等が挙げられる。さらに好ましい化合物としては、アクリル酸N,N−ジメチルアミノエチル、アクリル酸N,N−ジメチルアミノメチル、アクリル酸N,N−ジメチルアミノプロピル、メタクリル酸N,N−ジメチルアミノエチル、メタクリル酸N,N−ジメチルアミノメチル、メタクリル酸N,N−ジメチルアミノプロピル、アクリル酸N,N−ジエチルアミノエチル、アクリル酸N,N−ジエチルアミノメチル、アクリル酸N,N−ジエチルアミノプロピル、メタクリル酸N,N−ジエチルアミノエチル、メタクリル酸N,N−ジエチルアミノメチル、メタクリル酸N,N−ジエチルアミノプロピルが挙げられる。
(b)成分は、メチルジエタノールアミン及びトリエタノールアミンから選ばれるアルカノールアミン(b1)と炭素数8〜26の脂肪酸又はその低級アルキル(アルキル基の炭素数1〜3)エステル(b2)とを、〔(b1)中の水酸基のモル数/(b2)のモル数〕=1/0.5〜1/1で反応させて得られる構造をしたエステル化合物を、さらに4級化して得られる構造をした4級アンモニウム塩である。
本発明の柔軟剤組成物は、ClogPが4を超える香料化合物を含有する。ここで、logPとは、有機化合物の水と1−オクタノールに対する親和性を示す係数である。1−オクタノール/水分配係数Pは、1−オクタノールと水の2液相の溶媒に微量の化合物が溶質として溶け込んだときの分配平衡で、それぞれの溶媒中における化合物の平衡濃度の比であり、底10に対するそれらの対数logPの形で示すのが一般的である。
p-t-B.C.H.A、BENZYL SALICYLATE、DAMASCENONE、LIMONENE、TERPINOLENE、ALDEHYDE C-11、HEXYL CINNAMIC ALDEHYDE、PATCHOULI ALCOHOL、AMBROXAN、PEARLIDE、PENTALIDE
本発明の柔軟剤組成物は、(a)成分を0.005〜10質量%、更に0.05〜5質量%、特に0.5〜3質量%含有することが好ましい。また、(b)成分を3〜30質量%、更に5〜25質量%、特に10〜20質量%含有することが好ましい。また、(c)成分を0.05〜5質量%、更に0.3〜3質量%、特に0.5〜2質量%含有することが好ましい。なお、本発明の柔軟剤組成物が液体の場合、残部は全部又は主に水である。
(合成例1)
メタクリル酸N,N−ジメチルアミノエチル(分子量:157.21)36.0g、ブチルメタクリレート(分子量:142.2)14.0g、エタノール180.0gを均一に混合し、内容量300mLのガラス製セパラブルフラスコに入れ、窒素雰囲気下で一定時間攪拌した。そこに2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)(V−65;和光純薬工業(株)製)1.41gをエタノール20.0gに溶解した溶液を添加し、60℃付近まで昇温した。60〜70℃付近で合計8時間保持することで重合・熟成した。そこにエタノール100.0gを加えて希釈した後、室温まで降温した。この反応溶液をイオン交換水4000.0g中に滴下して再沈殿精製し、沈殿物を乾燥してポリマー1を得た。ポリマーのMwは12800であった(水/エタノール=7/3系、ポリエチレンオキシド換算)。また1H−NMRにより分析したポリマーの組成は仕込みモノマー組成どおり(DMAEMA/BMA=70/30(モル比))であった。
(合成例2)
ポリマー2:DMAEMA/BMA=65/35、Mw11400
(合成例3)
ポリマー3:DMAEMA/BMA=55/45、Mw10200
(合成例4)
ポリマー4:DMAEMA/BMA=40/60、Mw6500
内容量1Lのガラス製セパラブルフラスコを一定時間窒素置換した。そこにエタノール46.8gを添加し、撹拌しながら内温が78〜80℃になるまで加熱し、保持した。ジメチルアミノエチルメタクリレート300.00g、2,2'−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)(V−65B;和光純薬工業(株)製)7.11g、エタノール114.3gを予め均一に混合し、この溶液を上記フラスコ中に3時間かけて一定速度で滴下した。次に、V−65B 11.85gをエタノール47.4gに溶解した溶液を上記フラスコ中に4時間かけて一定速度で滴下した。滴下終了後、80℃付近で2時間保持することでポリジメチルアミノエチルメタクリレート(ポリマー5)のエタノール溶液を得た。ポリマーのMwは11200であった。また1H−NMRにより分析したポリマーの組成は仕込みモノマー組成どおりであった。
・ポリマー6:ポリジアリルジメチルアンモニウムクロライド、Poly(diallyldimethylammonium chloride), low molecular weight(MW:100,000〜200,000、アルドリッチ製)
・ポリマー7(比較化合物):QDM/BMA=10/90、Mw12000
・DMAEMA:メタクリル酸N,N−ジメチルアミノエチル
・DADMAC:ジアリルジメチルアンモニウムクロライド
・QDM:N,N,N−トリメチル−N−(2−メタクリロイルオキシエチル)アンモニウムクロライド
・BMA:ブチルメタクリレート
攪拌機、窒素導入管、温度計、及び脱水管を具備する1L4つ口フラスコにトリエタノールアミンと、牛脂脂肪酸とパーム油由来脂肪酸を質量比で1/1で混合し部分的に水添した脂肪酸混合物(AV=206mgKOH/g、ヨウ素価38、不飽和基を2個有する脂肪酸の含有量7モル%)とを1/1.65のモル比〔(トリエタノールアミン中の水酸基のモル数)/(脂肪酸混合物のモル数)=1/0.55〕で混合した溶液500gを仕込み、攪拌下窒素を導入し、生成する水を脱水管で系外に除去しながら約3時間かけて180℃まで加熱した。180〜230℃の温度にさらに5時間保持し、反応物の一部を採取し、AVとSVを測定し、AV=2.5mgKOH/g、SV=163.2mgKOH/gであることを確認した後、室温まで冷却した。
攪拌機、窒素導入管、温度計、及び脱水管を具備する1L4つ口フラスコにメチルジエタノールアミンと、牛脂脂肪酸とパーム油由来脂肪酸を質量比で1/1で混合し部分的に水添した脂肪酸混合物(AV=206mgKOH/g、ヨウ素価25)とを1/1.9のモル比〔(メチルジエタノールアミン中の水酸基のモル数)/(脂肪酸混合物のモル数)=1/0.95〕で混合した溶液500gを仕込み、攪拌下窒素を導入し、生成する水を脱水管で系外に除去しながら約3時間かけて180℃まで加熱した。180〜230℃の温度にさらに5時間保持し、反応物の一部を採取し、AVとSVを測定し、AV=6mgKOH/g、SV=178mgKOH/gであることを確認した後、室温まで冷却した。
(1)前処理方法
あらかじめ、市販の弱アルカリ性洗剤(花王(株)アタック)を用いて、木綿メリヤス24枚、木綿タオル24枚をそれぞれ日立全自動洗濯機NW-6CYで5回洗浄を繰り返し、室内乾燥することによって、過分の薬剤を除去した(洗剤濃度0.0667質量%、水道水47L使用、水温20℃、洗浄10分、ため濯ぎ2回)。
はじめに、(a)成分1.9%(質量%、以下特記しない限り同様)、(b)成分17.0%、(c)成分1.5%になるようそれぞれを水と混合し、塩酸にてpH=2にして60℃に加熱し撹拌した。その後、室温まで冷却し柔軟剤組成物を調製した。これを水で3700倍希釈し、(a)成分5ppm、(b)成分46ppm、(c)成分4ppmの試験用処理液を得た。
上記の方法で調製した試験用処理液(52.5g)をNo.11の規格瓶に入れた。さらに、前処理を行った木綿メリヤス布(10cm×10cm、2.1g)を入れ、マグネティックスターラー(スターラーピースの長さ4.5cm×径1cm、回転数200rpm)で5分間攪拌するモデル柔軟処理を行った。処理前の試験用処理液中の香料化合物含有量(x)と処理後の香料化合物含有量(y)の差分〔(x)−(y)〕をタオルに吸着している量として、処理前の香料化合物含有量(x)に対する割合(百分率)、すなわち、〔(x)−(y)〕/(x)×100を香料化合物の吸着率(%)とする。その結果を表1に示す。なお、処理前後の試験用処理液中の香料化合物の含有量は、下記の液体クロマトグラフィー装置を用いて測定した。
液体クロマトグラフィー装置:HITACHI L−6000
カラム:Lichrospher 100 RP−18(e) 5μm 125mm×4φ
カラム温度:40℃
溶離剤:アセトニトリル/水=7/3(質量比)の混合溶液
流速:1.0mL/min
検出器:UV(220nm)
(a)成分として合成例1の方法で調製したポリマー1、(b)成分として前記(b−1)又は(b−2)、及び(c)成分としてClogPの異なる各種香料化合物、を用いて、上述した調製方法と同様に試験用処理液を調製し、実施例1と同様に処理を行い、吸着率を求めた。また、(a)成分を配合しない試験用処理液〔(a)成分の配合量の分を水に置き換える〕についても吸着率を求めた。その結果を表3に示した。
合成例1の方法で調製したポリマー1〔(a)成分〕、前記(b−1)又は(b−2)〔(b)成分〕、及び実施例2において効果の高かったパーライド〔(c)成分〕を用いて、(a)成分0〜3.7%、(b)成分17.0%、(c)成分1.5%になるようそれぞれを混合し、塩酸にてpH=2にして60℃に加熱し撹拌した。なお、(a)〜(c)成分の三者の質量比は、表4の数値となるように調整した。その後、室温まで冷却し柔軟剤組成物を調製した。これを水で3700倍希釈し、(a)成分0〜10ppm、(b)成分46ppm、(c)成分4ppmの試験用処理液を得た。この試験用処理液を用いて実施例1と同様に処理を行い香料の吸着率を測定した。その結果を表4に示す。ブランクは、(a)成分0ppm〔(a)成分なし〕、(b)成分46ppm、(c)成分4ppmの試験用処理液である。
Claims (4)
- 下記(a)成分、(b)成分及び(c)成分を含有する柔軟剤組成物。
<(a)成分>
下記一般式(1)で示される化合物、又はその酸塩もしくは4級塩に由来するモノマー単位(A)及び、下記一般式(2)で示される化合物に由来するモノマー単位(B)を含有し、モノマー単位(A)とモノマー単位(B)の合計中、モノマー単位(A)の割合が(A)/〔(A)+(B)〕=20〜100モル%である、高分子化合物。
〔式中、R1、R2は、それぞれ独立に水素原子、又はメチル基を示し、R3は−COOM(Mは水素原子、又はアルカリ金属原子)、又は水素原子を示す。Xは−COO−R6−、−CONR7−R8−、又は−CH2−を示す。R4はXが−CH2−の場合には一般式(3)
で表される基を示し、Xがそれ以外の場合は炭素数1〜3のアルキル基、又は炭素数1〜3のヒドロキシアルキル基を示す。R5は炭素数1〜3のアルキル基、炭素数1〜3のヒドロキシアルキル基、又は水素原子を示す。R6、R8は、それぞれ独立に炭素数2〜3のアルキレン基、R7は水素原子、又は炭素数1〜3のアルキル基を示す。〕
(式中、R11、R12は、それぞれ独立に水素原子、又は炭素数1〜3のアルキル基を示し、Yはアリール基、−O−CO−R13、−COO−R14、又は−CONR15−R16を示す。R13、R14、R16は、それぞれ独立に炭素数1〜5のアルキル基もしくはアルケニル基を示し、R15は水素原子、又は炭素数1〜3のアルキル基を示す。)
<(b)成分>
メチルジエタノールアミン及びトリエタノールアミンから選ばれるアルカノールアミン(b1)と炭素数8〜26の脂肪酸又はその低級アルキル(アルキル基の炭素数1〜3)エステル(b2)とを、〔(b1)中の水酸基のモル数/(b2)のモル数〕=1/0.5〜1/1で反応させて得られるエステル化合物を、さらに4級化して得られる4級アンモニウム塩。
<(c)成分>
ClogPが4を超える香料化合物。 - (a)成分、(b)成分及び(c)成分の含有量の合計中、(c)成分の含有量の割合が、(c)成分/〔(a)成分+(b)成分+(c)成分〕×100で、0.05〜30質量%である請求項1の柔軟剤組成物。
- (a)成分、(b)成分及び(c)成分の含有量の合計中、(a)成分の含有量の割合が、(a)成分/〔(a)成分+(b)成分+(c)成分〕×100で、0.01〜30質量%である請求項1又は2の柔軟剤組成物。
- 請求項1〜3の何れか1項記載の柔軟剤組成物で、繊維製品を処理する方法。
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