JP2009155588A - ポリアミド樹脂およびその製造方法ならびにその繊維 - Google Patents
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Abstract
【課題】紡糸時の球晶生成抑制が可能で、結果として毛羽の生成が少なくかつ熱寸法安定性が優れたポリアミド繊維を得ることができるポリアミド組成物およびその製造方法の提供する。
【解決手段】主としてポリヘキサメチレンアジパミドを含むポリアミド樹脂であって、該ポリアミド樹脂中に結晶核剤となる添加物を含有せず、該ポリアミド樹脂中の球晶径が10μm以下であって、該ポリアミド樹脂の結晶化温度Tcが下記aおよびb式を満たすことを特徴とするポリアミド樹脂。Tc(270)−Tc(300)≧20・・・・aTc(300)≦190・・・・bここでTc(T)は、示差走査熱分析(DSC)により最高温度T℃で溶融する条件で測定した降温結晶化温度を示す。
【選択図】なし
【解決手段】主としてポリヘキサメチレンアジパミドを含むポリアミド樹脂であって、該ポリアミド樹脂中に結晶核剤となる添加物を含有せず、該ポリアミド樹脂中の球晶径が10μm以下であって、該ポリアミド樹脂の結晶化温度Tcが下記aおよびb式を満たすことを特徴とするポリアミド樹脂。Tc(270)−Tc(300)≧20・・・・aTc(300)≦190・・・・bここでTc(T)は、示差走査熱分析(DSC)により最高温度T℃で溶融する条件で測定した降温結晶化温度を示す。
【選択図】なし
Description
本発明は、ポリアミド樹脂およびその製造方法ならびにその繊維に関する。詳しくは、結晶核剤を添加することなく球晶が微細化され、かつ熱劣化物の少ないポリアミド樹脂およびその製造方法ならびにその繊維に関する。更に詳しくは、溶融紡糸時の球晶の生成が少なく、特にタイヤコードやエアバック基布等の産業資材繊維原料として用いた際に、毛羽の生成が少なくかつ熱寸法安定性に優れた製品を得ることができるポリアミド樹脂およびその製造方法ならびにその繊維に関する。
ポリヘキサメチレンアジパミドは、機械的強度が高く、優れた耐熱性、耐摩耗性、耐薬品性を有することから、衣料用繊維、産業用繊維、エンジニアリング樹脂として種々の分野で広く応用されている。
特に、産業用繊維では、その高強度、高タフネス、高耐疲労性等の特徴を活かし、タイヤコ−ドやエアバッグ用途として広く利用されている。
タイヤコード用途としては、トラック、バス、建設車両、航空機等の重車両用タイヤとして利用されており、特に航空機用タイヤでは、より軽量化および離発着回数を増加させるため、一層の高強度化、高タフネス化、および高耐疲労性化が求められている。
エアバッグ用途としては、近年、世界的な自動車生産量の拡大、エアバッグ装着率の向上、エアバッグ装着部位の拡大等により、エアバッグ用基布の需要が増加している。エアバッグ用ポリヘキサメチレンアジパミド繊維の増産要請と共に、エアバッグ用基布の生産効率を高めるため、高速製織性に優れたポリヘキサメチレンアジパミド繊維が求められている。即ち、毛羽の少ないポリヘキサメチレンアジパミド繊維の供給が最大の課題となっている。
タイヤコード用として求められる高強度、高タフネス、および高耐疲労性、そして、エアバック用として求められる毛羽の少ないポリヘキサメチレンアジパミド繊維の製造は、紡糸時に生成する球晶を減少させることで達成可能である。球晶が生成した場合、延伸時の高配向化が妨げられ、高強度、高タフネス繊維得ることが困難となり、糸切れや毛羽発生の原因となる。
球晶の生成には種々の要因が影響するが、紡糸時に生成する球晶に関しては、原料ポリアミドポリマ自体に含まれる微少異物が原因になることや、再溶融時にポリアミドポリマが熱分解することによって生成した微小異物が球晶核となることや、耐熱剤等の添加剤が熱分解して微小な異物を生成し、それらが球晶核となることなどが推定される。特に、ポリヘキサメチレンアジパミドを主たる構造とするポリアミド樹脂は、加熱によりゲル化しやすい特性を持っていることから、球晶核となる微小異物を生成しやすいと考えられる。また、球晶生成は、上記球晶核の生成に加え、球晶の成長によっても形成されるため、結晶化速度にも依存する。特に、ポリヘキサメチレンアジパミドを主たる構造とするポリアミド樹脂は結晶化速度が速いために、球晶生成とそれによる製糸障害が顕著である。
球晶生成抑制技術としては、特許文献1のように、共重合成分を微量共重合して結晶化速度を低下させる方法や、文献2のように、ある特定の融点を有する化合物を微量添加する方法などが知られている。
特許文献1は、主としてポリヘキサメチレンアジパミド単位からなるポリアミドに、特定の直鎖状脂肪族ジアミンとジカルボン酸からなるアミド単位を0.5〜20mol%共重合させ、かつカルボキシル基濃度とアミノ基濃度との比が特定範囲に入るように末端基濃度をコントロ−ルすることで、熱安定性の改善、ゲル発生や球晶抑制、連続バッチ性の改善を図ることが記載されている。
しかしながら、該手法ではゲル発生に対しての抑制効果は認められるものの、球晶抑制効果としての効果は大きくない。実施例によると共重合サンプルを295℃で溶融紡糸した際の球晶発生度は52〜60%であり、球晶抑制効果が十分であるとは言えない。また、共重合したポリアミドの融点は、ヘキサメチレンアジパミドホモポリマの融点より3〜6℃低いため、熱寸法安定性が低下し、これらが要求される利用分野での適用は困難である。
特許文献2は、ポリヘキサメチレンアジパミドの重合過程において融点270〜300℃の化合物を微量添加することで、重合直後のポリマに対する結晶化抑制効果が著しいにもかかわらず、再溶融後の繊維構造形成過程で結晶化が進みやすいポリアミド樹脂が得られることが記載されている。該手法は、溶融紡糸条件におけるTcが185℃であり球晶抑制効果はあるが、融点がヘキサメチレンアジパミドホモポリマと比較すると0.3〜2.2℃低下し、熱寸法安定性は低下していた。また、添加する化合物の粒径および重合時間、温度等の条件によりポリマの特性が変化することから、品質の安定管理の観点からは満足できるものではなかった。
本発明の特徴としている球晶の微細化に関する技術に関しては、従来からタルク、シリカ、グラファイト等の無機粒子、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム等の金属酸化物およびナイロン6Tやナイロン66/6T等の高融点ポリアミドを結晶核剤として用いる手法が広く知られている。
例えば特許文献3では結晶性ポリアミドと低結晶性または非晶性ポリアミドおよび膨潤性層状珪酸塩からなるポリアミド樹脂の球晶は直径が平均1μm以下であることが記載されている。該特許文献では、潤性層状珪酸塩が核剤となり結晶化を促進している。このように、結晶核剤を入れることで微細球晶を得ることは可能であるが、紡糸温度付近である300℃付近で溶融紡糸した際についても該核剤によって結晶化は促進される。よって、本発明の目的である球晶の抑制されたポリアミド繊維は得ることはできない。
結晶核剤を添加することなく結晶が微細化できる手法としては、特許文献4に記載されている。該特許文献には、ポリアミドを溶融流動状態で形成するのに先立ち条帯又は線条の形で250〜350%に延伸することにより、均一な微細結晶構造をもつポリアミド成型物が得られることが記載されている。しかし、延伸した結晶は、延伸方向に配向されてできたものであり、本発明の意図する球状の結晶とは異なるものである。また、延伸によって得られる結晶は微細構造であっても無定形帯域においても結晶化が進んでおり、再溶融時に球晶が抑制されるものではない。
また、本発明の製造方法の特徴として挙げている溶融重合にてプレポリマを得、その後、固相重合にて重合度を上げるという一般的な製造方法は従来から用いられている手法である。特許文献5には、白色度が高く、機械的性質の優れたポリアミドを効率よく製造する技術として、溶融重合の最高到達温度、最終到達圧力、および固相重合の重合温度を特定の範囲にしている。しかしながら同文献で具体的に開示された方法によって得られたポリアミド樹脂中の球晶は微細であるものの、再溶融して得られた繊維中にも球晶が多く生成し、毛羽の生成が少ないポリアミド繊維を得ることはできないという問題があった。
特開2000‐53763号公報
特開2007−254945号公報
特開2003‐119375号公報
特公昭36‐7034号公報
特開平5‐170895号公報
本発明では、上記課題を解決するために、添加剤を加えることなくポリアミド樹脂中の球晶を微細化すること、および熱劣化物に微細異物を最小限に抑えることで結晶化速度を低下させ、紡糸時の球晶生成抑制が可能で、結果として毛羽の生成が少なくかつ熱寸法安定性が優れたポリアミド繊維を得ることができるポリアミド組成物およびその製造方法の提供を課題とする。
上記課題を解決するため、本発明は以下の構成からなる。
(1)主としてポリヘキサメチレンアジパミドを含むポリアミド樹脂であって、該ポリアミド樹脂中に結晶核剤となる添加物を含有せず、該ポリアミド樹脂中の球晶径が10μm以下であって、該ポリアミド樹脂の結晶化温度Tcが下記aおよびb式を満たすことを特徴とするポリアミド樹脂。
Tc(270)−Tc(300)≧20・・・・a
Tc(300)≦190・・・・b
ここでTc(T)は、示差走査熱分析(DSC)により最高温度T℃で溶融する条件で測定した降温結晶化温度を示す。
Tc(300)≦190・・・・b
ここでTc(T)は、示差走査熱分析(DSC)により最高温度T℃で溶融する条件で測定した降温結晶化温度を示す。
(2)ヘキサメチレンジアミンおよびアジピン酸を主たる重合原料として二段階に分けて重合しポリアミド樹脂を製造する工程において、第一段階では溶融物が250℃以下の温度で溶融重合を行い、硫酸相対粘度1.6以下のポリアミドプレポリマを得た後、第二段階では該ポリアミドプレポリマの温度が180℃以下の温度で固相重合することを特徴とする、ポリアミド樹脂の製造方法。
(3)(1)または(2)記載のポリアミド樹脂を溶融紡糸して得たポリアミド繊維。
(4)溶融紡糸して得られた糸の断面積に占める球晶の面積が10%以下である、(4)記載のポリアミド繊維。
本発明によって、織物用特にタイヤコードやエアバック基布用ポリアミド繊維原料として好適な、紡糸時の球晶生成抑制が可能で結果として毛羽の生成が少ない製糸収率、品位に優れかつ熱寸法安定性が優れたポリアミド繊維を得ることができるポリアミド組成物が得られる。その結果、成型性や製織性、品位が優れ、かつ熱寸法安定性が優れた織物が得られる。
本発明について、以下に詳述する。
本発明のポリアミド樹脂は、主としてポリヘキサメチレンアジパミドを含むポリアミド樹脂であって、該ポリアミド樹脂中に結晶核剤となる添加物を加えることなく、該ポリアミド樹脂中の球晶径が10μm以下であることを特徴とするポリアミド樹脂である。
本発明でいう、主としてポリヘキサメチレンアジパミドを含むポリアミド樹脂とは、該樹脂中のポリヘキサメチレンアジパミド単位が90重量%以上であるものを示し、好ましくは95重量%以上である。
このポリアミド樹脂は、該ポリアミド樹脂中に結晶核剤となる添加物を加えることなく、非常に微細な球晶を持つ。
本発明でいう結晶核剤とは、ポリアミド樹脂の結晶核となって結晶化を促進する物質である。具体的には、ガラス粉末、チタン酸カリウムウィスカ、酸化亜鉛ウィスカ、硼酸アルミニウムウィスカ、ワラステナイト、ゼオライト、セリサイト、カオリン、マイカ、クレー、パイロフィライト、ベントナイト、アスベスト、タルク、アルミナシリケートなどの珪酸塩、アルミナ、シリカ、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、酸化チタン、酸化鉄などの金属酸化物、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ドロマイトなどの炭酸塩、硫酸カルシウム、硫酸バリウムなどの硫酸塩、ガラスフレーク、ガラスビーズ、セラミックビーズ、窒化ホウ素、炭化珪素、ナイロン6Tやナイロン66/6Tなどのポリヘキサメチレンよりも高融点のポリアミド樹脂などが挙げられる。ただしこれらの結晶核剤も、その添加量や粒度などによっては結晶核剤としての効果を発現しないこともあるため、本発明では添加物を配合しない場合の最終的に得られるポリアミド樹脂中の最大球晶径(後述)に対する、添加物を配合した場合の最大球晶径の比率が、3/4以上である場合は、結晶核剤となる添加剤を含有しているとはみなさない。本発明においては、上記比率が4/5以上であることが好ましい。
球晶径が10μm以下であることは、ポリアミド樹脂中に微細な球晶が分散している状態を表す。ポリアミド樹脂などの合成樹脂の様々な特性は、一般にその合成樹脂の結晶構造が影響しており、樹脂中の結晶がより細かく構成されているほど、該樹脂中の特性は均一になる。通常の重合方法で製造した樹脂では球晶の最大長さが80〜90μmと大きく、さらに大小様々な球晶が存在する。溶融紡糸において、球晶を均一に融解できる点、およびポリアミド樹脂特性の均一性の点から、本発明ではポリアミド樹脂中の球晶径が10μm以下であることが必要であり、好ましくは5μm以下である。
本発明において球晶径が上記範囲以下であるということは、サンプルから、薄片を切り取り、偏光顕微鏡で100倍で観察し、得られた画像をプリントアウトして、断面における球晶径を求める操作を8視野で行い、その中の最大球晶の径を最大球晶径としたときに最大球晶径が上記範囲内であることを意味する。
本発明における、熱寸法安定性に優れ、かつ、球晶の少ないポリアミド繊維を得ることが可能である効果を有する本発明のポリアミド樹脂は、下記式aおよびbを満足することによって特徴付けることができる。
Tc(270)−Tc(300)≧20・・・・a
Tc(300)≦190・・・・b
ここでTc(T)は、温度T℃で溶融して測定した結晶化温度を示す。
Tc(300)≦190・・・・b
ここでTc(T)は、温度T℃で溶融して測定した結晶化温度を示す。
上記結晶化温度Tcは、示差走査型熱量計を用い、サンプル量4mg、昇温速度80℃/分で温度T℃まで昇温し、温度T℃で6分間保持し、その後、降温速度80℃/分で降温した際に観測される、結晶化に基づく発熱ピークのピークトップ温度を結晶化温度Tc(T)とする(ただしn数を5とする平均値として求めるものとする)。
上記式aは、ポリヘキサメチレンアジパミドの一般的な溶融紡糸温度である300℃まで昇温・溶融した後、冷却結晶化したときの結晶化温度Tc(300)が、ポリヘキサメチレンアジパミドの融点以上であるが比較的低温である270℃で溶融した後、冷却結晶化したときの結晶化温度Tc(270)に比較して20℃以上低いことを表している。すなわち本発明のポリアミド組成物は比較的高温で溶融した場合には、結晶化温度が低く結晶化しにくく、逆に比較的低温で溶融した場合には結晶化温度が高く結晶化しやすいことを示している。
Tc(300)が低いことは、糸球晶を抑制し毛羽の少ないポリアミド繊維が得やすいことを意味し、Tc(270)が高いことは、ポリアミド組成物の繊維構造形成過程で結晶化が進み易いことを示す。このことは、延伸によって配向した繊維構造が熱固定され易いことを意味し熱寸法安定性に優れたポリアミド繊維が得やすいことを意味する。紡糸時の球晶抑制効果と熱寸法安定性を両立するためにはその温度差が20℃以上であることが必要であり、22℃以上であることが好ましい。上限としては50℃以下であることが、上記特性の十分な効果が得られるという点で好ましい。
通常の重合手法で得たポリヘキサメチレンアジパミドの場合は、Tc(300)とTc(270)の温度差は通常12℃程度である。また、球晶抑制技術として従来から知られている、例えばラクタムなどの共重合ポリアミドは、Tc(270)とTc(300)共に低下するが、Tc(300)よりもTc(270)の低下が大きいため温度差は小さい。また、一方、タルク、シリカなどの無機微粒子を結晶化核剤として添加した場合は、Tc(270)とTc(300)が共に上昇するが、Tc(270)よりもTc(300)の上昇が大きいため、共重合の場合と同様に温度差は小さくなる。さらに、先に記述した、融点270〜300℃の化合物を添加する技術についても16〜17℃程度である。本温度差が20℃以上のポリアミド組成物では紡糸時の球晶抑制効果と熱寸法安定性を十分に両立することができる。
上記式bは、本発明のポリアミド組成物は300℃まで昇温・溶融した後、冷却結晶化したときの結晶化温度Tc(300)が190℃以下であることを示している。これは、ポリヘキサメチレンアジパミド単体の結晶化温度(193℃)よりも3℃以上低いことを意味しており、ポリヘキサメチレンアジパミドの一般的な溶融紡糸温度である300℃まで昇温・溶融した場合、通常の重合手法で得たポリヘキサメチレンアジパミドよりも結晶化速度が遅く、球晶の発生が抑えられる事を意味している。結晶化温度Tc(300)が190℃を越える場合は結晶化速度が十分遅くないために球晶の発生を抑制することができず毛羽の生成が少ないポリアミド繊維を得ることができない。Tc(300)は186℃以下であることが好ましい。下限としては178℃以上である。
また式bは同時に結晶核剤を添加していないことを示している。結晶核剤を添加した場合には結晶化速度は速くなるため、通常の手法で得たポリヘキサメチレンアジパミドのTc(300)である190℃よりも高い値となる。
本発明のポリアミド組成物は前記特徴を有するが、Tc(270)は好ましくは200℃〜225℃である。上記範囲にあるときに繊維構造形成時の結晶化が極めて良好で、寸法安定性に優れた繊維を得ることができる。
上記本発明のポリアミド組成物は、ヘキサメチレンジアミンおよびアジピン酸を重合原料として重合しポリヘキサメチレンアジパミドを製造する工程において、溶融物が250℃以下の温度で重合を行い、かつ、得られた特定粘度のポリアミド樹脂を固相重合する工程において、ポリマ温度が180℃以下の温度で重合度を上げることで製造が可能である。
ヘキサメチレンジアミンおよびアジピン酸を重合しポリヘキサメチレンアジパミドを製造する方法には一般に連続重合法およびバッチ重合法があるが、必ずしもこのような装置のみに限定するわけではない。バッチ重合法による本発明ポリアミド組成物の製造法の概略を示すと以下の通りである。
すなわち、アジピン酸とヘキサメチレンジアミンとの等モル塩(以下AH塩)の水溶液を耐圧の反応容器に仕込み、内圧が1.7〜1.8MPaに到達するまで密閉加熱を行なう。その内圧を維持しながら系内の水を留去し、内温が目的の温度に達するまで加熱を行い、その後、プレポリマを水中に吐出、固化させる。
更に詳述すると、オートクレーブに、AH塩を50〜90重量%の水溶液として仕込む。オートクレーブ内の酸素を追い出すために空間部を窒素置換後、内圧が上昇し1.7〜1.8MPaに到達するまで圧力を逃がさないように時間加熱を行う。内圧が上昇し1.7〜1.8MPaまで到達したら内圧を維持するように調整しながら系内の水を留去し、内温が250℃以下の目的の温度に到達するまで加熱を継続する。圧力を維持し、系内の水を除去する時間は0.5〜1.0時間である。内温が目的の温度に到達したら、吐出バルブを開け、プレポリマを水中にフラッシュし固化させる。
プレポリマ溶融物の温度が250℃を超えると、結晶構造が大きくなり、最終的に得られるポリアミド樹脂中の結晶構造の最大長さが10μmを越えるため不適当である。プレポリマ溶融物の最高温度は250〜200℃が好ましい。200℃未満であると、圧力が1.7MPaまで上がらない。また、200℃未満で得られたプレポリマは重合度が上がっておらず、引き続く固相重合の時間が長くなる。
重合時間は原料仕込み後の加熱開始から重合終了しオートクレーブから排出するまでの時間で1〜4時間が好ましい。重合時間が4時間を超えると、ポリマの熱劣化による微小異物の発生が著しく、本発明の効果が得られない場合がある。
プレポリマの硫酸相対粘度は1.6以下である必要があり、好ましくは1.2〜1.6、さらに好ましくは1.2〜1.5である。1.6を越えると球晶径が10μmより大きくなり、目的の効果が得られない。1.2を下回ると、未反応のモノマおよび水溶性のオリゴマの含有量が増え、オートクレーブから排出したプレポリマの回収率が減少する傾向にある。なお、上記硫酸相対粘度は、試料0.25gを98%硫酸25mlに溶解し、オストワルド粘度計を用いて25℃で測定し、ポリマ溶液と硫酸の落下秒数の比から求められる値である。
引き続いて行う固相重合は、得られたプレポリマをポリマ温度が180℃以下の温度で処理して重合度を上げることが重要ある。この工程では、通常用いられるバッチ式固相重合装置や連続式重合装置等が代表されるが、必ずしもこのような装置の使用に限らない。また、重合で発生した水の留去は減圧や窒素気流による方法などが代表されるがこの限りではない。バッチ式固相重合装置による減圧下での固相重合方法の概略は以下のとおりである。
密閉式重合装置内にプレポリマを仕込み、13Pa以下の減圧下にて目的の重合度に達するまで固相重合を行う。固相重合は180℃以下の範囲で行い、150〜180℃が好ましい。150℃未満であると固相重合時間が長くなる。また、固相重合時間は30時間以内が好ましく、30時間を超えると熱劣化により目的の効果が得られない場合がある。
本発明のポリアミド組成物の製造方法では、必要に応じて本発明の目的を阻害しない範囲において、モノカルボン酸を添加しポリヘキサメチレンアジパミドの末端を封鎖することができる。例示すれば酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸、エナント酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、ウンデカン酸、ラウリル酸、トリデカン酸、ミリスチン酸、ミリストレイン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、アラキン酸のような脂肪族モノカルボン酸、シクロヘキサンカルボン酸、メチルシクロヘキサンカルボン酸のような脂環式モノカルボン酸、安息香酸、トルイル酸、エチル安息香酸、フェニル酢酸のような芳香族モノカルボン酸などが挙げられる。上記モノカルボン酸の好ましい使用量は重合原料であるAH塩に対して通常0〜1mol%であり、好ましくは0〜0.5mol%である。
また、本発明のポリアミド組成物の製造方法では、ポリヘキサメチレンアジパミドは必要に応じて本発明の目的を阻害しない範囲において、主構成単位であるヘキサメチレンジアミン単位とアジピン酸単位以外に他の1種または2種以上の他のラクタム単位、ジカルボン酸単位、ジアミン単位を含むことが可能である。これら単位を形成するための原料(共重合成分)を例示すれば、バレロラクタム、エナントラクタム、カプリルラクタム、ウンデカラクタム、ラウロラクタム、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸、ブラシリン酸、テトラデカン二酸、ペンタデカン二酸、オクタデカン二酸のような脂肪族ジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、1,4−ジアミノブタン、1,5−ジアミノペンタン、1,7−ジアミノヘプタン、1,8−ジアミノオクタン、1,9−ジアミノノナン、1,10−ジアミノデカン、1,11−ジアミノウンデカン、1,12−ジアミノドデカン、1,13−ジアミノトリデカン、1,14−ジアミノテトラデカン、1,15−ジアミノペンタデカン、1,16−ジアミノヘキサデカン、1,17−ジアミノヘプタデカン、1,18−ジアミノオクタデカン、1,19−ジアミノノナデカン、1,20−ジアミノエイコサン、ジエチルアミノプロピルアミン、シクロヘキサンジアミン、ビス−(4−アミノヘキシル)メタン、キシリレンジアミンなどが挙げられる。これら共重合成分の使用量はポリヘキサメチレンアジパミドの原料モノマ100重量部に対して0〜0.8重量部であることが好ましく、0〜0.4重量部であることが熱寸法安定性の点より好ましい。
また本発明のポリアミド組成物の製造法では、目的を阻害しない範囲内で酸化防止剤や耐熱安定剤(ヒンダードフェノール系、ヒドロキノン系、ホスファイト系およびこれらの置換体、ハロゲン化銅、ヨウ素化合物等)、耐候剤(レゾルシノール系、サリシレート系、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系、ヒンダードアミン系等)、離型剤及び滑剤(脂肪族アルコール、脂肪族アミド、脂肪族ビスアミド、ビス尿素及びポリエチレンワックス等)、可塑剤(p−オキシ安息香酸オクチル、N−ブチルベンゼンスルホンアミド等)、帯電防止剤(アルキルサルフェート型アニオン系帯電防止剤、4級アンモニウム塩型カチオン系帯電防止剤、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレートのような非イオン系帯電防止剤、ベタイン系両性帯電防止剤等)を任意の時点で添加することができる。
本発明のポリアミド組成物より得られる繊維は、織物用特にタイヤコードやエアバック基布用ポリアミド繊維原料として好適な、紡糸時の球晶生成抑制が可能で結果として毛羽の生成が少ない製糸収率、品位に優れかつ熱寸法安定性が優れたポリアミド繊維を得ることができるポリアミド組成物が得られる。その結果、成型性や製織性、品位が優れ、かつ熱寸法安定性が優れた織物が得られる。
また、本発明のポリアミド組成物より得られる毛羽の生成が少ないポリアミド繊維として、溶融紡糸して得られた糸の断面積に占める球晶の面積(球晶生成度)が10%以下であることが必要である。好ましくは7%以下である。
以下に、実施例によって本発明を具体的に説明するが、実施例に記載した特性値の測定法は以下の通りである。
(1)硫酸相対粘度:試料0.25gを98%硫酸25mlに溶解し、オストワルド粘度計を用いて25℃で測定した。相対粘度はポリマ溶液と硫酸の落下秒数の比から求めた。
(2)球晶径:サンプルから、薄片を切り取り、偏光顕微鏡で100倍で観察し、得られた画像をプリントアウトして、断面における球晶径を求めた。該操作を8視野で行い、その中の最大球晶の径を最大球晶径とした。
(3)融点(Tm):Perkin−Elmer社製Diamond DSCの示差走査型熱量計を用いて測定した。サンプル量4mg、昇温速度80℃/分で完全に溶融させた後、降温速度80℃/分で冷却し、さらに昇温速度80℃/分で昇温させた時の融解に基づく吸熱ピークのピークトップ温度を融点Tmとした(n数5で測定し、その平均値を求めた)。
(4)結晶化温度(Tc):Perkin−Elmer社製DSC−7型の示差走査型熱量計を用いて測定した。サンプル量4mg、昇温速度80℃/分で温度T℃まで昇温し、温度T℃で6分間保持し、その後、降温速度80℃/分で降温した際に観測される、結晶化に基づく発熱ピークのピークトップ温度を結晶化温度Tc(T)としたn数5で測定し、その平均値を求めた。
(5)球晶生成度:得られた糸をパラフィンで包埋して切片を取り、この切片をスライドグラス上で、キシレンを滴下してパラフィンを溶解除去し、観察用試料とした。偏光顕微鏡で200倍で観察し、画像をプリントアウトして、断面に占める球晶の面積(%)を求めた。
実施例1
80Lのオートクレーブに、ヘキサメチレンジアミンとアジピン酸との塩であるヘキサメチレンジアンモニウムアジペート(AH塩)の85重量%水溶液12kgを量仕込み、オートクレーブ内の酸素を追い出すために空間部を窒素置換した。その後、密閉系でオートクレーブを290℃で90分加熱し、内圧が1.7MPaまで上昇した時点(内温215℃)で、圧力を維持するようにオートクレーブ上部のバルブを開け圧力を制御した。25分加熱し、系内の水分を留去し、内温が250℃に到達した時点で重合缶下部の吐出バルブを開き、プレポリマを水中にフラッシュし、固化させた。プレポリマの硫酸相対粘度は1.41であった。
80Lのオートクレーブに、ヘキサメチレンジアミンとアジピン酸との塩であるヘキサメチレンジアンモニウムアジペート(AH塩)の85重量%水溶液12kgを量仕込み、オートクレーブ内の酸素を追い出すために空間部を窒素置換した。その後、密閉系でオートクレーブを290℃で90分加熱し、内圧が1.7MPaまで上昇した時点(内温215℃)で、圧力を維持するようにオートクレーブ上部のバルブを開け圧力を制御した。25分加熱し、系内の水分を留去し、内温が250℃に到達した時点で重合缶下部の吐出バルブを開き、プレポリマを水中にフラッシュし、固化させた。プレポリマの硫酸相対粘度は1.41であった。
次に、プレポリマを内容量165Lのバッチ式固相重合装置に仕込み、180℃、24時間、13Pa以下減圧下にて固相重合を行った。得られたポリマの粘度は2.92であった。
得られたポリアミド組成物をエクストルーダー型紡糸機で溶融紡糸した。紡糸温度を300℃、紡糸パック中で20μ金属フィルタ−を用いて濾過した後、直径0.3mmで孔数36の口金を用いて紡糸し、ポリアミド繊維を得た。
実施例2
オートクレーブの加熱温度を260℃とした以外は、実施例1と同様にしてプレポリマを得た。昇温開始〜内圧1.7MPaとなるまで125分、内圧維持〜内温が250℃となるまで76分であり、合計の重合時間は201分であった。なお、その後の固相重合条件については実施例1と同様の条件で行った。
オートクレーブの加熱温度を260℃とした以外は、実施例1と同様にしてプレポリマを得た。昇温開始〜内圧1.7MPaとなるまで125分、内圧維持〜内温が250℃となるまで76分であり、合計の重合時間は201分であった。なお、その後の固相重合条件については実施例1と同様の条件で行った。
実施例3
溶融重合における溶融物の到達温度(プレポリマの最高温度)を220℃とした以外は、実施例1と同様の方法でプレポリマを得た。昇温開始〜内圧1.7MPaとなるまでに86分、内圧維持〜内温220℃となるまで4分であった。得られたプレポリマの硫酸相対粘度は1.22であった。その後の固相重合条件は実施例1と同様に180℃で行った。固相重合時間は28時間であった。
溶融重合における溶融物の到達温度(プレポリマの最高温度)を220℃とした以外は、実施例1と同様の方法でプレポリマを得た。昇温開始〜内圧1.7MPaとなるまでに86分、内圧維持〜内温220℃となるまで4分であった。得られたプレポリマの硫酸相対粘度は1.22であった。その後の固相重合条件は実施例1と同様に180℃で行った。固相重合時間は28時間であった。
実施例4、5
溶融重合については実施例1と同様の条件で重合を行い、プレポリマを得た。引き続く固相重合は、温度を表1に記載の温度とした以外は実施例1と同様の条件で行った。
溶融重合については実施例1と同様の条件で重合を行い、プレポリマを得た。引き続く固相重合は、温度を表1に記載の温度とした以外は実施例1と同様の条件で行った。
比較例1
80Lのオートクレーブに、ヘキサメチレンジアミンとアジピン酸との塩であるヘキサメチレンジアンモニウムアジペート(AH塩)の85重量%水溶液12kgを量仕込み、オートクレーブ内の酸素を追い出すために空間部を窒素置換した。その後、密閉系でオートクレーブを290℃で90分加熱し、内圧が1.7MPaまで上昇した時点(内温215℃)で、圧力を維持するようにオートクレーブ上部のバルブを開け圧力を制御した。25分加熱し系内の水分を留去し、内温が250℃に到達した時点から内圧を50分で0.1MPaまで徐々に放圧した。さらに真空ポンプを用いて系内の圧力を0.05MPaまで減じ5間維持し重合を終えた。このときの内温は285℃であった。合計の重合時間は180分であった。次に、重合により得られたポリアミド組成物を直径約3mmのストランド状に押し出し、長さ約4mmにカッティングし、ペレットを得た。ポリアミド組成物の硫酸相対粘度は2.78であった。その後、実施例1と同様の方法で固相重合を行い、硫酸相対粘度2.92のポリマを得た。
80Lのオートクレーブに、ヘキサメチレンジアミンとアジピン酸との塩であるヘキサメチレンジアンモニウムアジペート(AH塩)の85重量%水溶液12kgを量仕込み、オートクレーブ内の酸素を追い出すために空間部を窒素置換した。その後、密閉系でオートクレーブを290℃で90分加熱し、内圧が1.7MPaまで上昇した時点(内温215℃)で、圧力を維持するようにオートクレーブ上部のバルブを開け圧力を制御した。25分加熱し系内の水分を留去し、内温が250℃に到達した時点から内圧を50分で0.1MPaまで徐々に放圧した。さらに真空ポンプを用いて系内の圧力を0.05MPaまで減じ5間維持し重合を終えた。このときの内温は285℃であった。合計の重合時間は180分であった。次に、重合により得られたポリアミド組成物を直径約3mmのストランド状に押し出し、長さ約4mmにカッティングし、ペレットを得た。ポリアミド組成物の硫酸相対粘度は2.78であった。その後、実施例1と同様の方法で固相重合を行い、硫酸相対粘度2.92のポリマを得た。
比較例2
溶融重合については、プレポリマの最高温度を270℃とした以外は実施例1と同様の条件で重合を行った。なお、プレポリマの硫酸相対粘度は1.62であった。得られたプレポリマは実施例1と同様の条件で固相重合を行った。
溶融重合については、プレポリマの最高温度を270℃とした以外は実施例1と同様の条件で重合を行った。なお、プレポリマの硫酸相対粘度は1.62であった。得られたプレポリマは実施例1と同様の条件で固相重合を行った。
比較例3
溶融重合は加熱温度(プレポリマの最高温度)を265℃とした以外は実施例1と同様の手法で行った。重合時間は180分であった。固相重合は230℃で行い、重合時間12時間であった。その他は実施例1と同様の条件で行った。
溶融重合は加熱温度(プレポリマの最高温度)を265℃とした以外は実施例1と同様の手法で行った。重合時間は180分であった。固相重合は230℃で行い、重合時間12時間であった。その他は実施例1と同様の条件で行った。
比較例4
原料仕込み段階において、タルク(日本タルク社製)を表2記載の添加率にて添加した以外は比較例1と同様にポリアミド組成物を得た。
原料仕込み段階において、タルク(日本タルク社製)を表2記載の添加率にて添加した以外は比較例1と同様にポリアミド組成物を得た。
比較例5
原料仕込み段階において、ナイロン46(アルドリッチケミカル社製、融点:293℃)を表2に記載の量を添加した以外は比較例1と同様にポリアミド組成物を得た。なお、添加したナイロン46はあらかじめミキサーで粉砕し、36メッシュを通過し、100メッシュにとどまる粉末を使用した。
原料仕込み段階において、ナイロン46(アルドリッチケミカル社製、融点:293℃)を表2に記載の量を添加した以外は比較例1と同様にポリアミド組成物を得た。なお、添加したナイロン46はあらかじめミキサーで粉砕し、36メッシュを通過し、100メッシュにとどまる粉末を使用した。
本発明のポリアミド組成物およびその製造方法は、織物用特にタイヤコードやエアバック基布用ポリアミド繊維原料として好適な、毛羽の生成が少なくかつ熱寸法安定性に優れたポリアミド繊維を得ることができる。
Claims (4)
- 主としてポリヘキサメチレンアジパミドを含むポリアミド樹脂であって、該ポリアミド樹脂中に結晶核剤となる添加物を含有せず、該ポリアミド樹脂中の球晶径が10μm以下であって、該ポリアミド樹脂の結晶化温度Tcが下記aおよびb式を満たすことを特徴とするポリアミド樹脂。
Tc(270)−Tc(300)≧20・・・・a
Tc(300)≦190・・・・b
ここでTc(T)は、示差走査熱分析(DSC)により最高温度T℃で溶融する条件で測定した降温結晶化温度を示す。 - ヘキサメチレンジアミンおよびアジピン酸を主たる重合原料として二段階に分けて重合しポリアミド樹脂を製造する工程において、第一段階では溶融物が250℃以下の温度で溶融重合を行い、硫酸相対粘度1.6以下のポリアミドプレポリマを得た後、第二段階では該ポリアミドプレポリマの温度が180℃以下の温度で固相重合することを特徴とする、ポリアミド樹脂の製造方法。
- 請求項1記載のポリアミド樹脂を溶融紡糸して得たポリアミド繊維。
- 溶融紡糸して得られた糸の断面積に占める球晶の面積が10%以下である、請求項3記載のポリアミド繊維。
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JP2007338430A JP2009155588A (ja) | 2007-12-28 | 2007-12-28 | ポリアミド樹脂およびその製造方法ならびにその繊維 |
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