JP2009154431A - 射出成形金型および射出成形方法 - Google Patents

射出成形金型および射出成形方法 Download PDF

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Abstract

【課題】合成樹脂の射出成形において金型からの離型抵抗が大きい成形品、特に抜き勾配が少なく変形が起こり易い成形品を射出成形により不良なく且つ短納期で製作する射出成形金型および射出成形方法を提供する。
【解決手段】キャビティ10に射出されて固化した成形品は型開きにより固定型2から離型され、エジェクタピン21により金型入子14と共に外部に排出される。長形の位置決め固定部材19aと短形の位置決め固定部材19bとが交換された後、外周枠部17が成形品から分離される。次に短形の位置決め固定部材19bが抜き取られた後、芯部15が成形品から分離される。最後に深溝対応薄板枠部16が成形品から分離される。
【選択図】 図1

Description

本発明は、合成樹脂の射出成形において、金型からの離型抵抗が大きい成形品、特に抜き勾配が少なく、変形が起こり易い成形品を射出成形により不良なく且つ短納期で製作する射出成形金型および射出成形方法に関する。
一般に成形品は、射出成形の離型過程において破損や変形を起こしやすいが、このような成形品の破損や変形を防ぐ方法として、一般的に行なわれている方法としては、金型が型開きしているところに、離型剤を噴霧して、成形品と金型の離型抵抗を減らして、金型から成形品を容易に離型させて成形品を得る方法が知られている。
また、成形品の破損や変形を防いだ成形用金型としては、例えば、特開2005−205600号公報に開示された「成形用型および成形品の製造方法」がある。
この方法は、固定側型板と可動側型板とを当接させて、成形室に連通してゲート、厚肉部室、薄肉部室、ランナ、スプルを形成し、溶融樹脂をスプルを介して成形室に充填固化させ、各室にて成形品、ゲート部、厚肉部、薄肉部、ランナ部およびスプル部が互いに連結された連結体を形成する。
薄肉部室は厚肉部室及びランナのいずれよりも上下方向の寸法が小さく、成形品室及び厚肉部室は固定側型板と可動側型板とを離隔したときに成形品及び厚肉部が可動側型板に固着して連結体が可動側型板側に残る形状となっている。
ランナ部をエジェクタピンで押して離型させ、ランナ部を掴んで厚肉部から成形品へと順次離型可能であり、成形品を変形や破損なく離型できるというものである。
特開2005−205600号公報
しかしながら、上記の従来技術には、以下の問題点があった。先ず、離型抵抗を減らすために型開きしている金型に離型剤を噴霧する方法は、離型剤を金型に噴霧することにより、成形品の表面に光沢むらなどが発生して、成形品表面の品質劣化が引き起こされていた。
また、特開2005−205600号公報に開示されている「成形用型および成形品の製造方法」においては、スプル、ランナ、ゲートの流動経路の形状に制約がある。それは流動経路本来の目的である成形機と金型の成形品を形成するキャビティ部とをつなぐ役割の他に、離型抵抗を調整する役割を持たせているからである。
その結果、良好な成形品を得るために、また、試行錯誤による金型の調整で手間が掛かり、このため準備時間の長大化や成形品製作費用の上昇を招いて問題となっていた。
また、流動経路の形状に制約を受けるのは、成形品の不良現象のうち、例えば、ウェルドライン(weld line:分流した樹脂の合流点にできる模様)や、ジェッティング(jetting:成形品のゲート付近の表面に残される蛇行状の模様)など、樹脂の流動が原因で発生する不良現象が発生してしまった場合に、その問題を解決することができず、成形品の品質を落とすことになっていた。
本発明は、 以上のような課題に鑑みてなされたものであって、合成樹脂の射出成形において、金型からの離型抵抗が大きい成形品、特に抜き勾配が少なく、変形が起こり易い成形品を射出成形により不良なく且つ短納期で製作する射出成形金型および射出成形方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の射出成形金型は、射出成形後に固定型と可動型とを離型して成形品を取り出す射出成形金型において、成形品を転写し、一部または全部を成形品と共に取り出した後、複数に分解できる金型入子部品と、複数の金型入子部品を組み立てて一体化するとき複数の金型入子部品を位置決め固定し、複数の金型入子部品を個々に分解するとき所定の順序で一個ごとに分解可能に位置決め固定を順次解除する複数の位置決め固定部材と、を有することを特徴とする。
また、本発明の射出成形方法は、射出成形後に固定型と可動型とを離型して成形品を取り出す射出成形方法において、固定型と可動型のいずれか一方に、複数に分解できる金型入子部品を組み込む工程と、固定型、可動型、及び金型入子部品により成形品を転写する工程と、転写された成形品と共に複数の金型入子部品の一部または全部を取り出す工程と、取り出した複数の金型入子部品を一体化結合させている位置決め固定部材の金型入子部品との係合を変更して、複数の金型入子部品の一方を他方に対して分解可能にする工程と、を含むことを特徴とする。
本発明によれば、射出成形の射出工程、冷却工程の後、金型から成形品を離型する工程において、成形品と共に取り出した金型入子部品を順次取り外していくことで、徐々に離型抵抗を減らし、所望の成形品を変形させることなく、しかも安価かつ短納期で製作することができる射出成形金型および射出成形方法を提供することが可能となる。
また、複数の位置決め固定部材を棒状部材とすることにより、位置決め固定部材との係合部が位置決め固定部材の径方向に回転自在となり、分割される金型の着脱が円滑に行なわれ、成形品を得るための繰り返し工程が短縮されて成形品製作原価が低減すると共に、加工が簡単なため金型の価格を抑えることができて、経済的である。
以下、図面を参照して本発明の実施形態について詳細に説明する。
(第1の実施の形態)
図1は、第1の実施形態における金型の全体の構成を模式的に示す側断面図である。
図2は、上記金型の中に成形品がある状態の金型を透視的に示す斜視図である。図1及び図2に示すように、金型(射出成形金型)1は、固定金型(固定型)2と可動金型(可動型)3により構成されている。
一方の固定金型2は、樹脂注入部4、固定側取付け板5、固定側型板6により構成されている。樹脂注入部4と固定側取付け板5には、スプルー7が形成され、固定側型板6には、上記のスプルー7と連通して二方に分岐するランナー8と、これらのランナー8の端部にそれぞれ連通するゲート9が形成されている。
他方の可動金型3は、可動側取付け板11、スペーサブロック12、及び可動側型板13を備え、可動側型板13に穿設した凹部には、金型入子14が組み付けられている。
金型入子14は、複数の部品が組み合わされて(組み立てられて)、すなわち中心部となる直方体形状の芯部15、芯部15の外周面を覆って芯部15よりも高さが高い枠形状の深溝対応薄板枠部16、及び深溝対応薄板枠部16の下部側の外周を覆って可動側型板13の凹部に嵌合される外周枠部17で構成されている。
なお芯部15の上面側は矩形状の凸部となっている。外周枠部17の一側面17aには、孔18が穿設されており、この孔18に対応して、深溝対応薄板枠部16及び芯部15にも孔が穿設されている。
これらの孔には、上記複数の部品を一体化、又は一体化された複数の部品を所定の手順で分解可能にする複数(本例では二種類)の位置決め固定部材19a及び19bが挿通される。
位置決め固定部材19a及び19bは、長形と短形の棒状部材から成り、詳しくは後述するが、組み合わされた(組み立てられた)金型入子14の各部品を所定の順序で個々に分解する工程の途中で、長形から短形への交換して使用される。
上記の外周枠部17の上面は、可動側型板13のパーティング面(parting face)20と同一平面を形成している。
また、可動金型3の可動側取付け板11には、エジェクタピン(ejector-pin:突出しピン)21と、このエジェクタピン21を支持するエジェクタプレート22が、昇降可能に保持されている。
この構成において、固定型2と可動型3からなる成形品に対応する空隙であるキャビティ10の周囲は、固定側型板6と金型入子14で構成されている。上記のゲート9は、このキャビティ10に連通している。このキャビティ10に、ゲート9から溶融した成形用樹脂が射出されて金型を転写され、成形品が製作される。
図2は、成形された成形品が上記の金型1の中にある状態の金型1を透視的に示す斜視図である。尚、図2には、図1と同一の構成部分には図1と同一の番号を付与して示している。また、図2では、樹脂注入部4、スプルー7、ランナー8、ゲート9、エジェクタピン21等の図示は省略している。
図2に示すように、固定金型2と可動金型3の金型入子14とで形成されるキャビティ10内には、成形品23が成形されている。
図3は、固定金型2と可動型3が離型した後、成形された成形品23が可動型3の金型入子14に密着している状態を示す可動型3の斜視図である。尚、図3には、図1及び図2と同一の構成部分には図1及び図2と同一の番号を付与して示している。また、図3には、エジェクタピン21等の図示は省略している。
図4(a) は成形品23と金型入子14と長形の位置決め固定部材19aとが一体になって、可動型3の外部に取り出され状態を示す斜視図であり、同図(b) は、成形品23の離型性を無視して(破損や変形を無視して)成形品23を除去した後の、部品が一体化されたままの金型入子14を示す斜視図である。
換言すれば、図4(b) は、射出成形の前段工程で金型1が型開きしているときに可動型3の可動側型板13に組み込まれる金型入子14を示している。
ここで、4(a) に示す成形品23の、破損や変形等の不具合なく金型から離型されて製作が完成したときの形状を詳しく説明する。
図5(a) は完成した成形品23の斜視図であり、同図(b) は同図(a) の天地を逆にした斜視図である。図5(a) に示すように、成形品23は殆ど傾斜部の無い長方形の箱形で、上面は高くて比較的幅の広い縁部と、それより低い中央部とで段差が形成され、更に中央部の中央には大孔24が形成されている。
この箱形の下面は、同図(b) に示すように全面的に開放されており、大孔24が形成されている上面の裏側周囲には、深溝対応薄板枠部16により形成された深溝部25が形成されている。
図5(a) に示す成形品23の、図1及び図2の固定型3側から見た斜視図側は意匠形状であるが、射出成形での加工法では、広い縁部のように肉厚部があると、樹脂の収縮にバラツキがでてしまい、成形不良であるヒケが発生してしまう。
肉厚の差が少なければ、射出成形機(図示せず)による、成形条件のうち特に圧力のパラメータを変化させることにより、ヒケがない成形品を得ることができるが、肉厚の差が大きければ、成形品の意匠部分に影響のない部分の肉厚を変化させる必要がある。その結果として、図5(b) に示す深溝部25のような肉逃げと呼ばれる形状が必要となる。
しかし、この深溝部25は、成形品23が金型入子14から離型するときの離型抵抗を増大させ、通常の射出成形用の金型であれば離型工程で変形や破損を招く可能性が高いことは言うまでもない。つまり、この成形品23は、一見して金型との離型性に多くの難点を有する形状であることが分かる。
しかし、本実施の形態の金型入子14を用いれば、成形品23と金型との離型を容易に行うことができる。
図6は、図4(b) を矢印A方向から見た金型入子14の断面図を示している。図6に示すように、金型入子14は、中央に芯部15があり、その周囲を囲繞して深溝対応薄板枠部16がある。更にその下部外側は外周枠部17で構成されている。
外周枠部17の一部分には、その一側面17aから孔加工(孔18)が施されており、その孔加工は、深溝対応薄板枠部16の対応する位置を貫通し、芯部15の対応する部分には止まり穴の加工が施されている。
また、長形の位置決め固定部材19aは、外周枠部17、深溝対応薄板枠部16および芯部15に施された孔加工部に対し、いわゆる、「ゆるみばめ」の嵌め合い状態になるよう、孔加工部の径と長形の位置決め固定部材19aの径が調整されている。
長形の位置決め固定部材19aの長さは、芯部15の孔加工部の止まっているところまで押し込んだ状態で、一側面17aの面から外部にはみ出ることが無いように調整されている。
また、短形の位置決め固定部材19bは、長形の位置決め固定部材19aと差し替えて使用する金型部品であり、径方向の大きさは、長形の位置決め固定部材19aと同様であり、長さについては、芯部15の孔加工部の止まっているところまで押し込んだ状態で深溝対応薄板枠部16の側面からはみ出ることが無いように調整されている。
以下、本実施の形態の作用を説明する。金型1内の成形品23を転写するための空隙であるキャビティ10に、樹脂が充填され、その樹脂が成形品23として固化するまでの工程は、一般の射出成形と同様である(図2参照)。
金型1内で樹脂が固化すると、射出成形機(図示せず)の動作によって、金型1の型開き動作が開始される。型開き動作で、固定型2と可動型3は、パーティング面20(図1参照)を境に引き離される。
その時、成形品23に対する離型抵抗のバランスとしては、樹脂が流働可能の状態から固化する過程で収縮が起こり、金型入子14に成形品23が抱き付く力が発生するので、成形品23は、固定型2の側にとられることはなく、図3に示したように、可動型3の側に付いてくることとなる。
型開き動作完了後、図3に示す状態において、射出成形機のエジェクタロッド(図示せず)による突き出し動作により、エジェクタプレート22が押されて金型入子14方向に前進し、エジェクタプレート22に植設されているエジェクタピン21(図1参照)も同時に金型入子14方向に押されることになる。
その結果、可動側型板13から金型入子14(芯部15、深溝対応薄板枠部16、外周枠部17、長形の位置決め固定部材19a)が成形品23と共に排出され、図4(a) に示す状態となる。
図4(a),(b) に示すように、金型入子14の外周枠部17の一側面17aには、孔18の内部の一側面17aの面からやや引き込んだ位置で、内部に挿通されている長形の位置決め固定部材19aの端部が覗いている。
図4(a) に示す状態において、長形の位置決め固定部材19aを引き抜いて、それと交換に、短形の位置決め固定部材19bを奥まで挿通する。
長形の位置決め固定部材19aを引き出すときは、長形の位置決め固定部材19aの外側端面に形成されているメスネジ穴に、特には図示しないが、オスネジが切られている先細治具の先端を螺合させて引き出す。
短形の位置決め固定部材19bを挿入するときは、同じく短形の位置決め固定部材19bの外側端面に形成されているメスネジ穴に、オスネジが切られている先細治具の先端を螺合させて、短形の位置決め固定部材19bを先細治具の先端に保持したのち、孔18から挿入し、螺合を解除して先細治具のみを引き抜く。
尚、位置決め固定部材19a及び19bの孔8への挿通や引き出しには、メスネジ穴とオスネジの螺合に限ることなく、例えば、位置決め固定部材の外側端面に、切り欠きによる凸部を設け、この凸部をピンセットの先端で把持して、挿通や引き出しの作業を行うようにしてもよい。
このように、長形の位置決め固定部材19aを引き抜いたことにより、外周枠部17は長形の位置決め固定部材19aによる位置決め固定の一体化から解除され、図4(a) の一体化状態から分解可能な状態となる。
また、長形の位置決め固定部材19aに代わって短形の位置決め固定部材19bが挿入されたことにより、芯部15と深溝対応薄板枠部16との一体化は維持されている(図1参照)。
この状態で、外周枠部17を成形品23に対して下方へずらすことで、外周枠部17を金型入子14から分解して取り外すことができる。
図7(a) は、外周枠部17を取り外した後の成形品23と、この成形品23とまだ一体となっている残る金型入子の芯部15と深溝対応薄板枠部16を示す斜視図であり、同図(b) は取り外した外周枠部17を示す斜視図である。
図7(a) に示す深溝対応薄板枠部16の、外周枠部17の孔18に対応していた面の部分には、孔18と同様の孔26が形成されている。そして、孔26の面からやや引き込んだ位置で、内部に挿通されている短形の位置決め固定部材19bの端部が覗いている。
上記の工程を行なう際、長形の位置決め固定部材19aおよび短形の位置決め固定部材19bを交換することなく、ただ単に、長形の位置決め固定部材19aを外して、外周枠部17を成形品23から取り外そうとすると、外周枠部17と深溝対応薄板枠部16とが、いわゆる「かじり」の状態となって引っ掛かってしまい、成形品23に対し、まっすぐ下方へ移動させることができなくなり、変形の離型不良が発生してしまう。
この本実施の形態において例として示すように、箱型形状である成形品23の場合は、離型の最適な順序としては、固定側型板6、外周枠部17、芯部15、深溝対応薄板枠部16の順であり、深溝対応薄板枠部16が、外周枠部17に引っ掛かり、下方へ移動してしまうことは避けなければならない。
このため、長形の位置決め固定部材19aと短形の位置決め固定部材19bを、外周枠部17を下方へ移動させて取り外すタイミングで交換する必要がある。
図7(a) の状態となった後、短形の位置決め固定部材19bを取り外す。その後、手で持てるほどの軽量であれば成形品23を手に持ち、重量などの条件で成形品23を手に持つことができなければ図示しない冶工具を使用して、芯部15を浮かせた状態にし、成形品23の上面部分(矩形状の凸部)からプラスチックハンマ(図示せず)を用いて、芯部15を徐々に下方へ移動させて成形品23を取り外す。
もし、成形品23の上面部分に大穴24がなく、プラスチックハンマなどを用いて芯部15を下方へ移動できない場合は、芯部15の下方の端面にネジ山を切っておき、そのネジ山に螺合させたネジを使って、成形品23に対して芯部15を下方へ移動させることもできる。
図8(a) は、芯部15を取り外した後の成形品23と、この成形品23とまだ一体となっている残る金型入子14の深溝対応薄板枠部16を示す斜視図であり、同図(b) は取り外した芯部15を示す斜視図である。
図8(b) に示す芯部15の、深溝対応薄板枠部16の孔26に対応していた面の部分には、孔26と同様の孔27が形成されている。短形の位置決め固定部材19bを取り外されているので、もはや、ここには存在しない。
この状態で、成形品23に密着しているのは、深溝対応薄板枠部16のみとなり、離型抵抗は、金型入子14と成形品23を可動型3から取り外した直後よりはるかに低減できている。したがって、深溝対応薄板枠部16を容易に下方へ移動することが可能である。
これにより、所望の成形品23を、破損も変形もない状態で得ることができる。
図9(a) は、上記のようにして得られた成形品23の意匠形状を示す斜視図であり、同図(b) は下方に引き抜いた深溝対応薄板枠部16を示す斜視図である。この図9(a) に示す成形品23の状態が、図5(a) に示しと同一のものである。
このようにして成形品23を得た後は、図6のごとく、金型入子14を組立て、可動型3の可動側型板13に組み付けた後、成形機の型締め動作を開始して、射出成形の工程を繰り返すことで、同一の成形品を多数得ることができる。
このように、本実施の形態によれば、成形機の型開き動作により、固定型と可動型が引き離された後、長さの異なる位置決め固定部材を、入れ替えることで、離型抵抗の少ない順から金型入子の部品を成形品から離型させることが可能になり、内部に深溝部を有する意匠形状の多数の成形品を、破損も変形もさせることなく、安価かつ短納期で得ることができる。
図10(a),(b) は、本実施の形態における金型入子の変形例を2例示す図である。尚、図10(a),(b) は、それぞれ図6の丸bで囲んで示した部分の、変形例の拡大図である。
図10(a) に示す位置決め固定部材は、接離により長形と短形に形成可能な二種類の棒状部材28a及び28bから成る。同図(a) に示すように、金型入子14の複数の部品(芯部15、深溝対応薄板枠部16、外周枠部17)を組み立てて一体化するとき、二種類の棒状部材28a及び28bは、それらの端部での接合により長形化されて用いられる。接合により2本合わせて長形化されたときの長さは、図1ないし図8に述べた長形の位置決め固定部材19aの長さと同一である。
また、図7ないし図9で述べたように金型入子14の複数の部品(芯部15、深溝対応薄板枠部16、外周枠部17)を所定の順序で個々に分解するときは、図7(a),(b) に示した外周枠部17を取り除く最初の分解時には、二種類の棒状部材28a及び28bの接合が解除されて、外側の棒状部材28aが除去される。
そして、図8(a),(b) に示した芯部15を取り除く次の分解時には、残る棒状部材28bが除去される。棒状部材28bの長さは、図1ないし図8に述べた短形の位置決め固定部材19bの長さと同一である。
また、図10(b) に示す位置決め固定部材は、長形と短形の二種類の棒状部材から成る。これら二種類の棒状部材は、それぞれ図1ないし図8に述べた長形の位置決め固定部材19a及び短形の位置決め固定部材19bと同一のものであってもよいし、長さがそれぞれ同一であれば、径は異なるものであってもよい。
これら二種類の棒状部材は、図10(b) に示すように、金型入子14の複数の部品(芯部15、深溝対応薄板枠部16、外周枠部17)を組み立てて一体化するときは、長形と短形の二種類の棒状部材が共に用いられる。
そして、金型入子14の複数の部品を所定の順序で個々に分解するときは、外周枠部17を取り除く最初の分解時に長形の棒状部材19aが除去される。そして、芯部15を取り除く次の分解時に短形の棒状部材19bが除去される。
以上説明した通り、本発明に係る射出成形金型および射出成形法によれば、射出成形の射出工程、冷却工程の後、金型から成形品を離型する工程において、成形品から金型部品を順次取り外していくことで、徐々に離型抵抗を減らすことを実現し、所望の成形品を変形させることなく製作可能な金型を安価かつ短納期で製作することができ、その結果、品質の良い成形品を安価かつ短納期で得ることができる。
なお、本発明は、上記実施の形態に限定されるものでなく、実施段階では、その要旨を変更しない範囲で種々変形することが可能である。
第1の実施形態における金型の全体の構成を模式的に示す側断面図である。 第1の実施形態における金型の中に成形された成形品がある状態の金型を透視的に示す斜視図である。 第1の実施形態における金型の固定型と可動型が離型した後、成形された成形品が可動型の金型入子に密着している状態を示す可動型の斜視図である。 (a) は成形品と金型入子と長形の位置決め固定部材とが一体になって外部に取り出され状態を示す斜視図、(b) は成形品が成形される前の可動型に組み込まれる金型入子を示す斜視図である。 (a) は完成した成形品の斜視図、(b) は(a) の天地を逆にした斜視図である。 図4(b) を矢印A方向から見た金型入子の断面図である。 (a) は外周枠部を取り外した後の成形品と、成形品とまだ一体となっている残る金型入子を示す斜視図、(b) は取り外した外周枠部を示す斜視図である。 (a) は芯部を取り外した後の成形品と、成形品とまだ一体となっている残る金型入子の深溝対応薄板枠部を示す斜視図、(b) は取り外した芯部を示す斜視図である。 (a) は本実施の形態において得られた成形品の意匠形状を示す斜視図、(b) は下方に引き抜いた深溝対応薄板枠部を示す斜視図である。 (a),(b) は本実施の形態における金型入子の変形例を2例示す図である。
符号の説明
1 金型
2 固定型
3 可動型
4 樹脂注入部
5 固定側取付け板
6 固定側型板
7 スプルー
8 ランナー
9 ゲート
10 キャビティ
11 可動側取付け板
12 スペーサブロック
13 可動側型板
14 金型入子
15 芯部
16 深溝対応薄板枠部
17 外周枠部
17a 一側面
18 孔
19a 長形の位置決め固定部材
19b 短形の位置決め固定部材
20 パーティング面
21 エジェクタピン(ejector-pin:突出しピン)
22 エジェクタプレート
23 成形品
24 大穴
25 深溝部
26、27 孔
28a、28b 棒状部材

Claims (6)

  1. 射出成形後に固定型と可動型とを離型して成形品を取り出す射出成形金型において、
    前記成形品を転写し、一部または全部を前記成形品と共に取り出した後、複数に分解できる金型入子部品と、
    複数の前記金型入子部品を組み立てて一体化するとき複数の前記金型入子部品を位置決め固定し、複数の前記金型入子部品を個々に分解するとき所定の順序で一個ごとに分解可能に位置決め固定を順次解除する複数の位置決め固定部材と、
    を有することを特徴とする射出成形金型。
  2. 複数の前記位置決め固定部材は、複数の前記金型入子部品が個々に分解されるとき、分解により前記組み立てから除去される部品に係合している位置決め固定部材から順次除去される、ことを特徴とする請求項1記載の射出成形金型。
  3. 前記位置決め固定部材は、長形と短形の二種類の棒状部材から成り、
    長形の棒状部材は、複数の前記金型入子部品を組み立てて一体化するとき用いられ、
    短形の棒状部材は、複数の前記金型入子部品を所定の順序で個々に分解するとき、最初の分解時に前記長形の棒状部材と交換して用いられ、次の分解時に除去される、
    ことを特徴とする請求項1記載の射出成形金型。
  4. 前記位置決め固定部材は、長形と短形の二種類の棒状部材から成り、
    複数の前記金型入子部品を組み立てて一体化するとき前記長形と短形の二種類の棒状部材が共に用いられ、
    複数の前記金型入子部品を所定の順序で個々に分解するとき、最初の分解時に前記長形の棒状部材が除去され、次の分解時に前記短形の棒状部材が除去される、
    ことを特徴とする請求項1記載の射出成形金型。
  5. 前記位置決め固定部材は、接離により長形と短形に形成可能な二種類の棒状部材から成り、
    複数の前記金型入子部品を組み立てて一体化するとき、二種類の棒状部材が接合により長形化されて用いられ、
    複数の前記金型入子部品を所定の順序で個々に分解するとき、最初の分解時に前記二種類の棒状部材の接合が解除されて外側の棒状部材が除去され、次の分解時に残る棒状部材が除去される、
    ことを特徴とする請求項1記載の射出成形金型。
  6. 射出成形後に固定型と可動型とを離型して成形品を取り出す射出成形方法において、
    前記固定型と前記可動型のいずれか一方に、複数に分解できる金型入子部品を組み込む工程と、
    前記固定型、前記可動型、及び前記金型入子部品により前記成形品を転写する工程と、
    転写された成形品と共に複数の前記金型入子部品の一部または全部を取り出す工程と、
    取り出した複数の前記金型入子部品を一体化結合させている位置決め固定部材の前記金型入子部品との係合を変更して、複数の前記金型入子部品の一方を他方に対して分解可能にする工程と、
    を含むことを特徴とする射出成形方法。
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