JP2009154199A - エレクトロスラグ溶接用ソリッドワイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】大入熱でも安定して高靭性の溶接部を得ることができるエレクトロスラグ溶接用ソリッドワイヤを提供する。
【解決手段】めっきなしソリッドワイヤであって、ワイヤ本体は、C:0.02乃至0.12質量%、Si:0.1乃至0.8質量%、Mn:0.5乃至2.0質量%、P:0.025質量%以下、S:0.025質量%以下、Cu:0.8質量%以下、Mo:0.10乃至1.50質量%、N:0.010質量%以下を含有し、残部がFe及び不可避的不純物からなる組成を有する。ワイヤ本体の表面には、ワイヤ本体10kgあたり0.3乃至1.20gの鉱物系油及び植物系油の1種以上が付着しており、前記ワイヤ本体の長手方向の算術平均粗さRaは0.1乃至0.5μmである。
【選択図】図3

Description

本発明は、大入熱で優れた靭性の溶接部を得ることができるエレクトロスラグ溶接用ソリッドワイヤに関する。
一般に、エレクトロスラグ溶接は1パスで高能率な施工が可能であるが、何らかの理由で溶接が停止すると、板厚が大きく開先が閉口しているため、手直しに膨大な労力とコストが生じ、生産性が著しく低下する。
また、溶接が途中で停止すると、継手の性能にも悪影響を及ぼす。例えば、溶接が途中で停止し、溶接の復帰に時間を要した場合、母材が冷えるため、溶接が停止しなかった場合と比較して、深い溶込みが得られなくなる。更に、停止から復帰する際、ビード上のスラグを完全に除去できず、溶接金属中にスラグを巻き込むといった悪影響を挙げることができる。
一方、従来のエレクトロスラグ溶接用ワイヤには、表面に銅めっきが施されている。銅めっきにより期待される効果は、ワイヤとコンタクトチップとの通電性の向上である。しかし、銅めっきが均一であれば通電性の向上効果が得られるが、エレクトロスラグ溶接では、1パスに要するワイヤ長が他の溶接法に比べて膨大であり、そのような均一な銅めっき層をワイヤ全長にわたり確保することは極めて困難である。
実際には、めっき厚が不均一であったり、銅めっきが局所的に酸化していたり、鋼線と銅めっきとの間に非導電性の不純物が存在すると、ワイヤとコンタクトチップとの通電性が劣化し、溶接電流には乱れが生じ、入熱にばらつきが生じる。最悪の場合、溶接電源が電流の変化に追従できなくなり、溶接停止に至る。
これに対し、特許文献1では、銅めっきを施したワイヤに潤滑混合物を塗布したワイヤを使用して、ワイヤの送給性を改善することにより、この問題点を解決しようとしているが、このような対策をとっても、溶接停止の防止にとって未だ不十分である。本願発明者等は、この原因として、溶接停止のような不具合は、ワイヤの送給性というよりも、銅めっきの性状に起因するところが大きいことを見出した。
また、不均一な銅めっきは、溶接停止だけではなく、溶接部の機械的性質にも大きな影響を与える。これは、めっきのばらつきによって、ワイヤとコンタクトチップの導電性が経時的に変化することにより、溶接中の電流及び電圧、即ち、入熱が変動するためである。結果として、溶接部を微視的に見た場合、場所によって入熱が変動するため、機械的性質も変動することとなる。
近時、建築分野では、生産効率向上の観点から、溶接の大入熱化の要求が高まるとともに、構造物の耐震性向上の要求も高まり、大入熱でも高く安定した靭性が得られる溶接継手が求められている。エレクトロスラグ溶接においても、特許文献2のように大入熱溶接で靱性が向上するワイヤが提案されているが、これは溶接が健全に行われた場合にのみ達成され、入熱のばらつきが大きかったり、溶接が停止した場合には上述の理由から、所望の性能が得られないことが容易に想像できる。
特許第3707554号公報 特開2005−349466号公報
上述の如く、従来、溶接の大入熱化の要求の高まりにともない、エレクトロスラグ溶接における大入熱化に際し、安定して高靭性の溶接金属を得ることができる技術の開発が要望されているが、それを実現できるエレクトロスラグ溶接用ソリッドワイヤは得られていない。
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたものであって、大入熱でも安定して高靭性の溶接部を得ることができるエレクトロスラグ溶接用ソリッドワイヤを提供することを目的とする。
本発明に係るエレクトロスラグ溶接用ソリッドワイヤは、めっきなしソリッドワイヤである。そして、ワイヤ本体は、
C:0.02乃至0.12質量%
Si:0.1乃至0.8質量%
Mn:0.5乃至2.0質量%
P:0.025質量%以下
S:0.025質量%以下
Cu:0.8質量%以下
Mo:0.10乃至1.50質量%
N:0.010質量%以下
を含有し、残部がFe及び不可避的不純物からなる組成を有する。
また、ワイヤ本体の表面には、ワイヤ本体10kgあたり0.3乃至1.20gの鉱物系油及び植物系油の1種以上が付着している。
更に、前記ワイヤ本体の長手方向の算術平均粗さRaは0.1乃至0.5μmである。
このエレクトロスラグ溶接用ソリッドワイヤにおいて、更に、Ni:1.40質量%以下、Ti:0.10乃至0.25質量%、B:0.0010乃至0.0200質量%、Al:0.015乃至0.050質量%からなる群から選択された少なくとも1種類以上を含有することが好ましい。
本発明のエレクトロスラグ溶接用ソリッドワイヤによれば、大入熱の溶接条件でエレクトロスラグ溶接した場合であっても、溶接電流及び溶接電圧により決まる溶接入熱の経時変動を極めて小さくして入熱を安定化させることができ、溶接を停止することなく、高靭性な溶接部を安定して得ることができ、継手性能を向上させることができる。
以下、本発明の実施の形態について添付の図面を参照して具体的に説明する。本発明者等は、エレクトロスラグ溶接を行う際に、ワイヤ表面のCuめっき及びワイヤ中の成分から溶接金属に添加されるCuの影響について検討した。その結果、Cuめっきを設けず、また、ワイヤ本体の組成を適切に規定すると共に、ワイヤ本体の表面に所定の油分を設け、更に、ワイヤ本体表面の算術平均粗さを所定の範囲に規定することにより、溶接電流及び溶接電圧の経時変動、即ち、溶接入熱の経時変動を極めて安定化させることができることを見出した。このように、大入熱の溶接入熱の経時変動を安定化させることにより、溶接が停止することなく、溶接部全長に亘って従来よりも高靭性の溶接金属を安定して形成することができ、これにより、継手性能が向上する。
工業的には、銅めっきを完全に均一化することは、極めて難度が高く、高コスト、低生産性にならざるを得ない。そこで、本願発明者等は、従来の考えを転換し、むしろ銅めっきを施さない方が、エレクトロスラグ溶接では通電安定性の面で有利であると考えた。更に、ガスシールドアーク溶接では、銅めっきがないと、アーク熱の影響で、チップの磨耗が著しくなるが、アークが発生せず、抵抗発熱のみでワイヤを溶融するエレクトロスラグ溶接では、この欠点も生じない。そこで、本発明においては、銅めっきを施さない。
次に、ワイヤ本体の組成について説明する。
「C:0.02乃至0.12質量%」
Cは、溶接金属の強度を向上させるために必要な元素であるが、必要以上に添加すると靱性が低下する。強度向上のために、0.02質量%以上添加する必要があり、0.12質量%を超えて添加すると靭性が低下する。このため、Cは0.02乃至0.12質量%とする。
「Si:0.1乃至0.8質量%」
Siは、溶融金属中で脱酸剤として作用し、湯流れを安定化させる作用がある。このため、Siが0.1質量%未満では湯流れが不安定となり、靱性がばらつき、安定した継手性能が得られない。一方で、Siは溶接金属の焼入れ性を向上させる元素でもあるため、Siを過剰に添加すると、溶接金属が硬くなり、靱性が低下する。このため、Siは0.1乃至0.8質量%添加する。
「Mn:0.5乃至2.0質量%」
Mnは、焼入れ性を向上させるとともに脱酸剤としての作用があるが、Mnが0.5質量%未満では、脱酸不足となり、溶接部の引張強度と靱性が不安定となる。一方、Mnを過剰に添加すると、過度の焼入れにより、溶接金属の靱性が低下する。よって、Mnは0.5乃至2.0質量%添加する。
「P:0.025質量%以下」
「S:0.025質量%以下」
P及びSは、積極的に添加しても、溶接安定性に大きな影響を与えないが、ワイヤ成分として不可避的に含まれる成分である。これらの成分がワイヤに過剰に含まれると、溶接金属の高温割れ及び靱性低下を引き起こすため、これらの成分の上限値は夫々0.025質量%とする。
「Cu:0.8質量%以下」
Cuは、溶接金属の強度を向上させる効果があるが、Cuを過剰に添加すると、溶接金属に割れが生じやすくなる。このため、Cuの上限値を0.8質量%とする。
「Mo:0.10乃至1.50質量%」
Moは、粒界フェライトの生成を防止する作用を有するため、大入熱エレクトロスラグ溶接において、粒界フェライトの生成を抑制して引張強度及び靱性を確保するために必須の添加元素である。Moが0.10質量%未満では、その添加効果が得られず、逆に、Moを1.50質量%を超えて過剰に添加した場合には、溶接金属が硬くなり、高靱性が得られなくなる。このため、Moの含有量は、0.10乃至1.50質量%とする。
「N:0.010質量%以下」
Nは、ワイヤ本体中に不可避的に含まれる元素であるが、このNの含有量が多いほど、溶接金属中のNも高くなり、靱性低下の原因となる。このため、Nの含有量は0.010質量%以下とする。
「Ni:1.40質量%以下」
Niは靱性を向上させる効果があるが、Niを添加すると溶接金属が硬くなるため、Niを選択的に添加する場合は、Ni含有量は1.40質量%以下に抑える必要がある。
「Ti:0.10乃至0.25質量%」
Tiは、溶接金属中で酸化物を形成して、強度及び靱性を向上させる元素であるが、Tiが0.10質量%未満では、靱性向上の効果が得られない。また、溶接金属中にTiが過剰に入ると、余剰Tiが介在物となり、溶接金属の靱性を低下させる。このため、Tiは選択的に添加するが、その添加量は、0.10乃至0.25質量%とする。
「B:0.0010乃至0.0200質量%」
Bは、粒界に偏析し、粒界フェライトを抑制して靭性を向上させる効果があるが、高温割れを起こしやすくする元素でもある。このため、この靭性向上効果を得るためにBは選択的に添加するが、その場合は、ワイヤ中にBを0.010質量%以上添加することが必要である。一方、Bを添加する場合は、高温割れを回避するために、その含有量を0.0200質量%以下に抑える必要がある。
「Al:0.015乃至0.050質量%」
Alは、脱酸効果が高く、少量の添加により、溶接金属中の酸素が低下し、溶接金属の靭性を向上させる効果がある。しかし、Alを過剰に添加すると、溶接金属の割れ感受性が高まる。このため、Alを添加する場合は、0.015乃至0.050質量%とする。
「Cuめっき:Cuめっきを施さない」
ワイヤ本体の表面に、Cuめっきを施すと、工業的に不可避な現象であるCuめっき層の酸化、剥離、めっき層内部に含まれる不純物、めっき厚の変動による電流不安定に起因して、溶接停止が発生し、更に溶接入熱が不安定となる。これによって、溶接金属には、靱性のばらつきが生じる。
「油量:ワイヤ表面に、ワイヤ本体10kgあたりに鉱物系油及び植物系油の1種以上を0.3乃至1.20g付着」
油量がワイヤ10kg当たり0.3g未満であると、ワイヤの潤滑性が低下し、送給負荷が大きくなって溶接が停止してしまう。一方、油量がワイヤ10kg当たり1.20gを超えると、油状固形物がチップと水冷ノズルとの結合部付近に堆積し、堆積物が一定量を超えると、ワイヤによって押し出されてアークが不安定になる。
「算術平均粗さ:ワイヤの長手方向の算術平均粗さRaは0.1乃至0.5μm」
ワイヤ表面に凹凸を付与することによって、凹形状内部に適量油を分布させ送給ケーブルが長い場合でも、油によって安定した送給を確保でき、更にチップ/ワイヤ間に多点通電点を確保することができ、通電が安定化する。なお、ワイヤの長手方向の算術平均粗さRaの調整はダイス引抜き方式ではなく、ローラ圧延押し出しによる伸線方式で実施することが好ましい。
このローラ圧延押し出し伸線は、半円状の溝を周方向に設けた1対の回転ローラを回転軸を平行にして配置し、線材を前記溝の部分で圧延することにより、線材を細径化する伸線手段である。このローラの表面粗度を調整した圧延ローラを使用し、ローラ表面の凹凸をワイヤ表面に転写することで、ワイヤの平均粗さRaを調整することができる。
算術平均粗さRaは、JIS B 0601に従いワイヤ長手方向の算術平均組さを測定することができる。そして、本発明においては、この算術平均粗さRaを、0.1μm以上とする。Raが0.1μm未満であると、送給ケーブルが長い場合、油がコンジットライナの内壁に持ち去さられてしまい、ワイヤとチップとの間の送給抵抗が大きくなる。また、ワイヤとチップとの間の通電点が単点化し、ワイヤがチップに融着しやすくなって溶接が不安定となる。一方、Raが0.5μmを超えると、過剰な凹凸によってチップとワイヤとの給電が不安定となり、入熱が大きくばらつくため、溶接が停止する虞がある。このため、ワイヤの長手方向の算術平均粗さRaを0.1乃至0.5μmとする。
以下、本発明の効果を実証するために行った試験の結果について説明する。下記表1は、母材(鋼板)の組成を示す。また、図1は、溶接試験において組み立てられた試験材の断面を示し、下記表2はその各部材の寸法を示す。図1に示すスキンプレート1及びダイアフラム2は、表1に示す組成を有する鋼板であり、当金3をスキンプレート1に対してギャップ25mmで設置した。
下記表3−1,表3−2、表3−3、表3−4は、本発明の実施例及び比較例のソリッドワイヤの組成を示す。これらの表に記載のワイヤ組成において、残部はFe及び不可避的不純物である。このソリッドワイヤの直径は全て1.6mmであった。フラックスはJIS Z3353 FS−FG3適合品を用いた。
溶接条件はワイヤ送給速度を7.8m/分と一定にし、ワイヤ径は1.6mm、溶接電圧は52V、溶接速度は1.45cm/分とした。送給抵抗を比較的厳しい条件とするため、コンジットライナを6mとし、その途中で半径を30cmで1周させ、比較的大きな送給抵抗を付与した。
得られた試験結果を下記表4−1,表4−2に示す。
Figure 2009154199
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表4−1,表4−2において、総合評価は、(1)入熱の標準偏差が100kJ/cm以下、(2)溶接が停止しないこと、(3)引張強度が490MPa以上であること、(4)UT検査で割れが発生しないこと、(5)衝撃値の3回の測定値が夫々50J以上であり、衝撃値の平均値も70J以上であること、の全ての条件が満足された場合に、○を付した。更に、(1)乃至(4)の全てを満足すると共に、衝撃値の3回の測定値が夫々70J以上であり、衝撃値の平均値も100J以上である場合に、◎を付した。一方、上記(1)乃至(5)の条件を1つでも満足しない場合に、×を付した。
入熱の標準偏差の評価方法は、溶接開始から終了までサンプリングレートを50/秒として、電流及び電圧を測定し、溶接速度を加味して計算された入熱から標準偏差を算出した。なお、溶接速度はワイヤ送給速度を一定としているため、1.45cm/分と一定にして計算した。また、溶接が停止した場合は、停止に至るまでの電流と電圧を評価した。
このように、入熱を標準偏差で評価する理由は、図2に示すように送給系が厳しく、めっきが不均一である場合、溶接中の電流と電圧が変動し、溶接位置毎に入熱も変動し、結果として、この入熱の変動が衝撃値のばらつきに影響することを見出したからである。
一方、めっきなしワイヤでは、図3に示すように、溶接中の電流電圧がばらつかず、従って、安定した靱性を得ることができる。
図2及び図3は、いずれも、横軸に溶接位置をとり、縦軸に溶接電流、溶接電圧、平均入熱をとり、各溶接位置における溶接電流及び溶接電圧と平均入熱の変化を示すグラフ図である。図2は比較例であり、図3は実施例である。電流及び電圧の計測サンプリング周波数は、50/秒とした。そして、溶接長10mmあたりの平均入熱を算出した。
この図2及び図3の比較からわかるように、めっきなしソリッドワイヤの場合(図3)は、めっきを有するソリッドワイヤに比較して、溶接速度及び溶接電流の変動が小さく、このため、平均入熱の変動も小さい。
表4−1,4−2の衝撃値は、JIS Z2202 4号試験片を使用し、図4に示すように、溶接金属5の中心部にノッチ先端が位置するような試験片3を、溶接金属5から3本採取した。衝撃試験方法はJIS Z2242に基づいて実施した。ノッチは2mmVとし、試験温度は0℃とした。
引張試験は、図5に示すように、溶接金属5の中央部から平行部の直径が12.5mmの試験片7を採取し、JIS Z3111に基づいて引張試験を実施した。
その結果、表4−1,表4−2に示すように、本発明の実施例の場合は、衝撃値及び引張強度がいずれも高いものであった。また、本発明の実施例の場合は、溶接停止になることがなく、超音波検査でも、溶接欠陥は認められなかった(○と表示)。これに対し、比較例の場合は、溶接停止が発生したか、又は衝撃値が低く、若しくは、引張強度が低いものであった。
溶接試験板の組立状態を示す断面図である。 比較例の溶接電流、溶接電圧、平均入熱の変化を示す波形図である。 実施例の溶接電流、溶接電圧、平均入熱の変化を示す波形図である。 衝撃試験片の採取位置を示す断面図である。 引張試験片の採取位置を示す断面図である。
符号の説明
1:スキンプレート
2:ダイヤフラム
3:当金
5:溶接金属
7:試験片

Claims (2)

  1. めっきなしソリッドワイヤであって、
    ワイヤ本体は、
    C:0.02乃至0.12質量%
    Si:0.1乃至0.8質量%
    Mn:0.5乃至2.0質量%
    P:0.025質量%以下
    S:0.025質量%以下
    Cu:0.8質量%以下
    Mo:0.10乃至1.50質量%
    N:0.010質量%以下
    を含有し、残部がFe及び不可避的不純物からなる組成を有し、
    ワイヤ本体の表面には、ワイヤ本体10kgあたり0.3乃至1.20gの鉱物系油及び植物系油の1種以上が付着しており、
    前記ワイヤ本体の長手方向の算術平均粗さRaは0.1乃至0.5μmであることを特徴とするエレクトロスラグ溶接用ソリッドワイヤ。
  2. 更に、Ni:1.40質量%以下、Ti:0.10乃至0.25質量%、B:0.0010乃至0.0200質量%、Al:0.015乃至0.050質量%からなる群から選択された少なくとも1種類以上を含有することを特徴とする請求項1に記載のエレクトロスラグ溶接用ソリッドワイヤ。
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