JP2009150520A - 減速機 - Google Patents

減速機 Download PDF

Info

Publication number
JP2009150520A
JP2009150520A JP2007330743A JP2007330743A JP2009150520A JP 2009150520 A JP2009150520 A JP 2009150520A JP 2007330743 A JP2007330743 A JP 2007330743A JP 2007330743 A JP2007330743 A JP 2007330743A JP 2009150520 A JP2009150520 A JP 2009150520A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
input shaft
eccentric
eccentric body
speed reducer
gear
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2007330743A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5188799B2 (ja
Inventor
Hikarikaku Tamura
光拡 田村
Masahito Ikegami
雅人 池上
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Heavy Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Heavy Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Heavy Industries Ltd filed Critical Sumitomo Heavy Industries Ltd
Priority to JP2007330743A priority Critical patent/JP5188799B2/ja
Priority to DE112008003469T priority patent/DE112008003469B4/de
Priority to KR1020107008434A priority patent/KR101107995B1/ko
Priority to CN200880116444.4A priority patent/CN101868648B/zh
Priority to PCT/JP2008/072836 priority patent/WO2009081793A1/ja
Priority to TW97149579A priority patent/TW200946798A/zh
Publication of JP2009150520A publication Critical patent/JP2009150520A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5188799B2 publication Critical patent/JP5188799B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Retarders (AREA)

Abstract

【課題】入力軸と入力軸に設けられた偏心体とを有する減速機において、構造的な特徴を持たせることで入力軸の回転により発生する熱を効率よく放熱可能とする。
【解決手段】入力軸102と、該入力軸102に設けられた偏心体104と、該偏心体104に形成された偏心部104A、104Bの半径方向外側に設けられた外歯歯車108、110と、該外歯歯車108、110と内接噛合する内歯歯車122とを備え、該外歯歯車108、110と内歯歯車122との相対回転を出力として取出す減速機100であって、前記入力軸102が、その軸心O部分に中空部102Aを有して前記偏心体104と一体形成されており、前記入力軸102の前記中空部102A側であって、前記偏心体104の形成されている軸方向位置に、前記偏心部104A、104Bの幅よりも広い凹部102Bが全周に亘って設けられている。
【選択図】図1

Description

本発明は、放熱構造を有する減速機に関する。
従来、入力軸と、該入力軸に設けられた偏心体と、該偏心体に形成された偏心部の半径方向外側に設けられた外歯歯車と、該外歯歯車と内接噛合する内歯歯車とを備え、該外歯歯車と内歯歯車との相対回転を出力として取出す減速機が知られている(例えば、特許文献1参照)。このような減速機では、入力軸が回転すると、入力軸に設けられた偏心体が、該入力軸と一体となって回転する。すると、偏心体の偏心部の外側に設けられた外歯歯車が、その内側に設けられた偏心体軸受を介して揺動運動を行うこととなる。そして、揺動運動する外歯歯車が内歯歯車と内接噛合して、その内歯歯車との噛合により発生する外歯歯車と内歯歯車との相対回転が出力される。
この種の減速機の分野においても小型化・高出力化が進んでいる。
特開2001−187945号公報
上述したような減速機の場合、入力軸は高速に回転するので、偏心体の偏心部表面と偏心体軸受表面との間、及び偏心体軸受表面と偏心体軸受表面と接触する外歯歯車との間で摩擦損失が生じて大きな熱が発生する。すなわち発熱の問題は、上記減速機において高速で回転する入力軸とそこに設けられた偏心体に最も過酷に集中することとなる。そして、この発熱は、減速機の耐久性に大きく影響し、該減速機の小型化、高出力化の障害となる。
本発明は、このような問題点を解決するべくなされたものであって、入力軸と入力軸に設けられた偏心体とを有する減速機において、構造的な特徴を持たせることで入力軸の回転により発生する熱を効率よく放熱可能とすることをその目的としている。
本発明は、入力軸と、該入力軸に設けられた偏心体と、該偏心体に形成された偏心部の半径方向外側に設けられた外歯歯車と、該外歯歯車と内接噛合する内歯歯車とを備え、該外歯歯車と内歯歯車との相対回転を出力として取出す減速機であって、前記入力軸が、その軸心部分に中空部を有して前記偏心体と一体形成されており、前記入力軸の前記中空部側であって、前記偏心体の形成されている軸方向位置に、前記偏心部の幅よりも広い凹部が全周に亘って設けられていることで、上記課題を解決するものである。
このような構成を採用した結果、凹部のないときに比べて、入力軸の中空部側の偏心体付近の表面積がより増加する。このため、熱抵抗を下げることが可能となり、中空部における放熱効果が増大する。
又、凹部を形成することで、入力軸の金属量が少なくなるので、その分の熱容量を下げることができるため、凹部付近での放熱効果を更に増大させることができ、軽量化も実現できる。
又、本発明では、この効果を最大限に引き出すために、敢えて偏心体を入力軸と一体形成し、その結果、肉厚化した部分に、前記凹部を形成するようにしている。偏心体を、キー、あるいはスプライン等を利用して入力軸に組込む構造の場合、偏心体の装着部分は、当該キー、あるいはスプライン等の存在によりむしろ強度が低下し、十分な深さの凹部を形成できない。本発明では、偏心体の分だけ肉厚となっている部分に凹部を形成できるので、強度を低下させることなく、深い凹部を形成でき、大きな放熱効果及び重量軽減効果を発揮させることができる。
又、深い凹部が、中空部側において全周に亘って偏心部の幅よりも広く設けられているので、入力軸と偏心体とで構成される部分の金属量が少なくなり、減速機自体を軽くすることが可能である。
又、偏心部の両側に、偏心体を支持する軸受が設けられ、軸受の更に外側の少なくとも一方に、軸心から軸受までの距離に比べ、軸心から短い距離で入力軸に当接するシール部材が設けられている場合には、シール部材の半径を小さくすることができ、シール性能を向上させることができる。そして、偏心体の軸径に比べて入力軸の軸径を小さくできるので、重量軽減の効果も有する。
なお、凹部に、より熱伝導率の高い部材を積極的に配置したときは、入力軸と偏心体とで構成される部分の熱容量が少ないので、入力軸と偏心体とで構成される部分の熱を迅速に奪うことが可能となる場合がある。
入力軸と入力軸上に設けられた偏心体を有する減速機において、入力軸の回転により発生する熱を効率よく放熱することが可能となる。
以下、添付図面を参照しつつ、本発明の実施形態の一例について詳細に説明する。
<第1、第2実施形態>
図1は本発明の第1実施形態に係る減速機の側断面図、図2は図1に示す減速機に扁平モータを適用した場合の一例を示す図である。これらを用いて、第1実施形態の説明をする。
最初に、減速機100の構成について説明する。
減速機100は、図1に示す如く、入力軸102と、該入力軸102に設けられた偏心体104と、該偏心体104に形成された偏心部104A、104Bの半径方向外側に設けられた外歯歯車108、110と、該外歯歯車108、110と内接噛合する内歯歯車122とを備える。
前記入力軸102は、シール部材144の外側において軸径d1であり、軸心O部分に中空部102A(内径D1)を有している。そして、入力軸102は、軸径d1よりわずかに太い軸径の部分でシール部材144、146と当接している。第1軸受140と第2軸受142との間の入力軸102の外周には偏心体104が設けられて(第1軸受140、第2軸受142の部分において軸径d2)、入力軸102と偏心体104とは一体形成されている。このため、図1に示す如く、偏心体104の軸径d2は、入力軸102の軸径d1よりも大となる関係を有する(d2>d1)。なお、偏心体104の外周に第1、第2軸受140、142が設けられるため、入力軸102は軸心Oを中心に回転可能とされている。
前記偏心体104の外周には、2つの偏心部104A、104Bが、それぞれ約180°位相が異なるように形成されて、偏心体用軸受106A、106Bと当接している。偏心体軸受106A、106Bは内輪、外輪を有しておらず、転動体(ころ)自身であり、その転動体が直接外歯歯車108、110と偏心部104A、104Bに当接している。
入力軸102、より具体的には、入力軸102の中空部120A側であって、偏心体104の形成されている軸方向位置には、2つの偏心部104A、104Bの合計の幅qよりも広い単一の凹部102B(段差Sで幅Q)が、全周に亘って設けられている。すなわち、凹部102Bが設けられた部分の入力軸102の内径D2は、凹部102Bの設けられていない部分の入力軸102の内径D1よりも大となる関係を有する(D2>D1)。
このように、入力軸102と偏心体104とが一体形成されているので、段差Sである深い凹部102Bを入力軸102に形成することができる。このため、偏心体104部分の肉厚(d2―D2)/2と、偏心体104の設けられていない部分の入力軸102の肉厚(d1−D1)/2とを同等にするといった、肉厚関係の設計調整が自在である。そして、軽量化しつつ回転負荷に応じて、減速機100が、使用上十分な強度を保持することを可能としている。
前記外歯歯車108、110は、2つの同一の形状の歯車から構成することができ、偏心部104A、104Bの外側に設けられている。そして、中心孔108B、110Bにて偏心体用軸受106A、106Bと当接すると同時に、外ピン116を内歯とする内歯歯車122に内接噛合している。外歯歯車108、110には複数の内ピン孔108A、110Aが設けられ、該内ピン孔108A、110Aに内ローラ114を介して内ピン112が遊嵌されている。この内ピン112は、円盤形状の第1フランジ118と一体的に形成されている。このため、内ピン112が第1フランジ118に片持ち状態でも、減速機100全体を薄型にしつつ、減速機100が高い剛性を保つことを可能としている。
前記第1フランジ118は、第1軸受140を介して偏心体104を支持して、入力軸102を回転可能にしている。また、この第1フランジ118に対して、外歯歯車108、110を挟んで反対側に円盤形状の第2フランジ124が配置されている。偏心体104は、第2軸受142を介して、該第2フランジ124に回転自在に支持されている。すなわち、偏心部104A、104Bの両側に、偏心体104を支持する第1軸受140と第2軸受142とが設けられている。なお、第2フランジ124は、ボルト126を介して内歯歯車122と一体的に連結固定されている。図面上は現れていないが、外歯歯車108、110の歯の数と、外ピン116(内歯歯車122の内歯)との数には僅少の差(1乃至3程度)が設けられている。
第1フランジ118の半径方向最も外側には、内歯歯車122を覆い囲む態様で、ケーシングを兼ねた枠体120がボルト127によって第1フランジ118に連結固定されている。また、当該枠体120と内歯歯車122とは、クロスローラ軸受128を介して相対的に回転可能に支持されている。即ち、クロスローラ軸受128を中心に見れば、この枠体120がクロスローラ軸受128の外輪として機能し、一方、内歯歯車122がこのクロスローラ軸受128の内輪として機能するような構成とされている。
前記内歯歯車122と枠体120との間には、シール部材130が配置されている。また、第1フランジ118と入力軸102の間であって、第1軸受140の外側(図1において右側)には、シール部材144が配置されている。また、第2フランジ124と入力軸102の間であって、第2軸受142の外側(図1において左側)には、シール部材146が配置されている。また、第1フランジ118と枠体120との連結部分にはOリング148が配置されている。これらシール部材130、144、146及びOリング148によって減速機100の内部が密閉されている。
なお、上述してきた如く、第1軸受140、第2軸受142は、偏心体104を支持している。それに対して、シール部材144、146は、第1軸受140、第2軸受142の外側において、偏心体104が設けられていない位置の入力軸102に当接している。すなわち、シール部材144、146は、軸心Oから第1軸受140、第2軸受142までの距離に比べ、軸心Oから短い距離で入力軸102に当接している。このため、シール部材144、146の半径は小さくて済むことから入力軸102周りでシールする長さは、偏心体104周りでシールする場合に比べて短くなり、結果的にシール性能を向上させることができる。そして、入力軸102の軸径d1が小さい分だけ、重量を軽減することが可能となる。
なお、減速機100の内部には、潤滑剤としてのグリースやギアオイル(図示しない)が収容されている。なお、収容される潤滑剤は、減速機100の運転時において少なくとも一部が流動化する種類の潤滑剤であればよく、常温において必ずしも液体の潤滑剤に限られるものではない。
前記減速機100に、例えば、扁平モータを適用した場合の一例を、図2を用いて説明する。
扁平モータ150は、入力軸102に設けられ、電磁コイル154を有するステータ152と、磁石158を有するロータ156と、を備える。
前記ステータ152は、モータケーシング162と一体形成され、半径方向(軸心と直交する方向)において、磁石158と所定の間隔で対峙している。ステータ152に設けられた電磁コイル154は軸方向にスペースを占有しやすい。このため、扁平モータ150が減速機100に接続されたときに、電磁コイル154を収納可能な溝部118Aが第1フランジ118の表面に形成されている。前記ロータ156は、スプライン160を介して入力軸102に取り付けられ、ロータ156の外周に磁石158が配置される。
扁平モータ150は、モータケーシング162をエンドカバー164で挟み込んで、ボルト127で減速機100と一体的に固定することができる。なお、レゾルバ166は、磁気センサの一種であり、入力軸102に取り付けられて、扁平モータ150の回転を検出するために用いられる(若しくはエンコーダ等の光学式センサを用いることもできる)。
次に、減速機100の作用について説明する。
入力軸102に対して動力源(図示しない)、若しくは図2で示した扁平モータ150からの動力(回転力)が伝達されると、当該入力軸102に一体形成されている偏心体104の偏心部104A、104Bが偏心回転する。この偏心部104A、104Bの偏心した回転は、偏心体用軸受106A、106Bを介して外歯歯車108、110へと伝達される。即ち、外歯歯車108、110が軸心Oに対して揺動を始める。一方で、この外歯歯車108、110には固定された内ピン112が挿入されているため自転が規制され、外歯歯車108、110は揺動のみを行うこととなる。また、前述したとおり、この外歯歯車108、110の歯の数と内歯歯車122の外ピン116の数との間には僅少の差(歯数差)が設けられているため、内歯歯車122は外歯歯車108、110が1回揺動回転する毎に当該歯数差分だけ自転(外歯歯車108,110に対して相対回転)することとなる。なお、外歯歯車108、110の揺動成分は、外歯歯車108、110と内ピン112及び内ローラ114との遊嵌によって吸収される。内歯歯車122の自転は、第1フランジ118に連結固定されている枠体120との間に配置されているクロスローラ軸受128によってスムースに行われ、該内歯歯車122とボルト126を介して一体回転する第2フランジ124を介して取り出される。
なお、本実施形態において、第2フランジ124が固定されている場合は、入力軸102の回転が減速された上で第1フランジ118(即ち、枠体120)の回転として出力される。
入力軸102の回転により、偏心部104A、104B、偏心体用軸受106A、106B、及び外歯歯車108、110の間で摩擦による熱が発生するが、この熱は、中空部102A側の凹部102Bに円滑に放出される。このとき、入力軸102の回転により、中空部102A側において、空気の強制対流がなされる。そのため、凹部102Bの存在によって放熱表面積が増加していることと相まって、中空部102Aにおける放熱効果が一層増大する。
又、凹部102Bを形成することで、入力軸102の金属量が少なくなるので、その分の熱容量を下げることができる。そして、偏心体104の中空部102A側に、偏心部104A、104Bの合計の幅qよりも広い凹部102B(段差Sで幅Q)が存在することにより、偏心体104に集中する熱は円滑に中空部102Aに放出される。そして、凹部102Bがないときに比べて、入力軸102の回転により、凹部102B付近での放熱効果を更に増大させることができる。
又、本実施形態では、偏心体104を入力軸102と一体形成し、その結果、肉厚化した部分に、凹部102Bを形成している。偏心体104を、キー、あるいはスプライン等を利用して入力軸102に組込む構造の場合には、入力軸102の偏心体104の装着部分は、当該キー、あるいはスプライン等の存在によりむしろ強度が低下し、十分な深さの凹部102Bを形成できない。それに対して、本実施形態では、偏心体104の分だけ肉厚となっている部分に凹部102Bを形成できるので、強度を低下させることなく、深い凹部102Bを形成でき、大きな放熱効果及び重量軽減効果を発揮させることができる。
又、深い凹部102Bが、中空部102A側において全周に亘って偏心部104A、104Bの合計した幅qよりも広く(軸方向に長く)設けられているので、入力軸102と偏心体104とで構成される部分の金属量が少なくなり、減速機100自体を軽くすることが可能である。
又、偏心部104A、104Bの両側に、偏心体104を支持する第1軸受140、第2軸受142が設けられている。そして、第1軸受140、第2軸受142の更に外側に、軸心Oから第1軸受140、第2軸受142までの距離に比べ、軸心Oから短い距離で入力軸102に当接するシール部材144、146が設けられている。このため、シール部材144、146の半径を小さくすることができるのでシールする距離が短く、シール性能を向上させることができる。そして、偏心体104の軸径d2に比べて入力軸102の軸径d1を小さくできるので、重量軽減の効果も有する。
なお、凹部102Bに、より熱伝導率の高い部材を積極的に配置したときは、入力軸102と偏心体104とで構成される部分の熱容量が少ないので、入力軸102と偏心体104とで構成される部分の熱を迅速に奪うことが可能となる。例えば、入力軸102、偏心体104の金属がステンレスであれば、前記部材として、銅や鉄などの熱伝導率のより高い金属を用いることができる。又、例えば、グラファイトシートを用いた場合には、その熱伝導率の異方性により、軸方向に高効率に熱を伝導することができ、偏心体104の放熱を極めて効果的に行うことができる。その他、例えば、DLC(ダイヤモンドライクカーボン)を凹部102Bに直接形成して、高効率で放熱を実現することもできる。
すなわち、入力軸102と入力軸102に設けられた偏心体104を有する減速機100において、入力軸102の回転により発生する熱を効率よく放熱することが可能となる。
本実施形態においては、凹部102Bは図1の形態(入力軸102の中空部102A側に単一な凹形状)で設けられていたが、本発明はこれに限定されるものではない。図3に示す本発明の第2実施形態の減速機101の如く、凹部102Cが複数の溝を有して、その溝がスパイラル状に設けられていてもよい。この場合には、多数の溝により、中空部102A側の熱抵抗がより低くなり、放熱と急速冷却が容易になされる。更に、入力軸102の回転により、中空部102Aに存在する冷却媒体となる空気を一方向へ積極的に導くので、より放熱効果を増大させることができる。なお、このような効果は、前記溝が中空部102Aにおいて、連続的に、あるいは断続的(冷却ファンのように中空部102Aの周方向に規則的に設けられた場合も含む)に、設けてあっても顕著な効果を示すものである。
又、本実施形態においては、凹部102Bの幅Qは2つの偏心部104A、104Bの合計の幅qよりも大きいが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、凹部102Bの幅が1つの偏心部104Aの幅以上であってもよい。その場合においても、その放熱や軽量化などにおいて、相応の本発明の効果を有するからである。あるいは、偏心部が、3つ以上であれば、凹部の幅がその合計の偏心部の幅以上であってもよい。
又、本実施形態においては、2つのシール部材144、146が、いずれも軸心Oから第1軸受140、第2軸受142までの距離に比べ、軸心Oから短い距離で入力軸102に当接していたが、本発明はこれに限定されるものではない。いずれか1つのシール部材が上記条件を満たせばよい。
又、本実施形態においては、図1〜3に示すような内接揺動噛合型遊星歯車減速機を対象としていたが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、外歯歯車が撓むことによって内歯歯車との相対回転を取り出す、いわゆる「撓み噛み合い式の遊星減速機」にも適用でき、そこで外歯歯車を撓ませるために用いられるウェーブジェネレータのような楕円体及びその楕円外周部などもそれぞれ、本発明の偏心体及び偏心部とみなすことができる。
本実施形態の凹部102Bに、例えば、カーボンブラックなどを含む塗料を塗布して、輻射される熱を増大させて、より放熱効果を顕著にすることもできる。
<第3実施形態>
図4は本発明の第3実施形態に係るモータ一体型の減速機の側断面図、図5は図4のV−V線に沿う偏心体204の断面図である。これらを用いて、第3実施形態を説明する。
最初に、モータ一体型の減速機200の構成について説明する。
モータ一体型の減速機200は、図4に示す如く、軸心O付近にロータとステータからなるモータが配置されたものであり、その減速機部分の構成は、図1に示した第1実施形態とほぼ同一である。そのため、主にモータを構成するロータ及びステータについて説明を行い、他の部分については図4中で対応部位に、図1で示す構成要素の符号と下2桁が同一の符号を付すにとどめ、説明を省略する。
前記ロータは、図4、図5に示す如く、偏心体204と一体形成された入力軸202自体で構成され、その凹部202Bの周方向等間隔に複数の磁石258を配置することで実現される。磁石258としては、例えばフェライト磁石(ステンレスに比べ、比重が軽く、比熱が小さく、熱伝導率が高い)を用いることができる。ロータは、磁石258の厚みTを段差Sよりも薄く形成して凹部202Bに配置することで、熱抵抗を低くすることができる。又、図5に示す如く、磁石258が、凹部202Bの周方向等間隔に隙間Lを開けて配置されるため、その隙間Lの部分における熱抵抗は、第1実施形態で示したように小さい。そのため、ロータ全体においても、熱抵抗は低く、且つ熱容量を少なくすることができる。更に、ロータの比熱を小さく、そして重量を軽くすることができる。
前記ステータは、図4に示す如く、第1フランジ218に一体形成された突起部218Aを中空部202Aに配置して、そこに複数の電磁コイル254を取り付けることで構成することができる。このような構成により、電磁コイル254に流す電流を制御することで、ロータである入力軸202を回転させることができる。
なお、第2フランジ224は、軸心Oに開口を有さないので、モータへのごみなどの流入を防止することができる。
次に、モータ一体型の減速機200の作用について説明する。ここで、減速機部分の作用については、第1実施形態の減速機とほぼ同一であるので省略し、入力軸202における放熱について説明する。
入力軸202(ロータ)の回転により、偏心部204A、204B、偏心体用軸受206A,206B、及び外歯歯車208、210の間で摩擦による熱が発生するが、この熱は、凹部202Bに円滑に放出される。このとき、入力軸202(ロータ)の回転により、中空部202A側において、空気の強制対流がなされる。中空部202A側に配置された磁石258の厚みTは段差Sよりも薄いので、凹部202Bのない状態に比べて、磁石258の部分での熱抵抗を小さくすることができる。更に、磁石258は、間隔Lを空けて凹部202Bに配置されているので、間隔Lにおける熱抵抗は低い。このため、入力軸202(ロータ)全体として熱抵抗を下げることが可能となり、中空部202Aにおける放熱効果が一層増大する。
又、複数の磁石258を配置しても、磁石258は凹部202Bを全て埋め尽くしていないため、熱容量を下げることができる。そして、中空部202A側に、偏心部204A、204Bの合計の幅qよりも広い凹部202B(段差Sで幅Q)が存在することにより、偏心体204に集中する熱は円滑に中空部202A側に放出される。そして、凹部202Bがないときに比べて、入力軸202の回転により、凹部202Bや磁石258の配置された場所での放熱効果を更に増大させることができる。
又、モータを減速機部分の中空部に配置したので、モータ一体型の減速機200は、モータを外付けする場合に比べて、小型で、且つ軽量の減速機付モータを実現することができる。そのため、小型で、高出力が要求されるロボットハンドなどの分野等に適用を容易にすることができる。そして、その際に、モータは減速機内部に密封された状態となるので、モータの外力による損傷や汚れ等を防止することができる。
本実施形態においては、磁石258をフェライト磁石としていたが、本発明はこれに限定されるものではない。
又、本実施形態では、ロータに磁石258を用いて凹部202Bに磁石258を配置したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、凹部202Bに電磁コイル254を設けてもよい。又、凹部202Bに、ロータ構成要素のうちの少なくとも一部を備えているだけでもよい。
本発明の第1実施形態に係る減速機の側断面図 図1の減速機に扁平モータを適用した場合の一例を示す図 本発明の第2実施形態に係る減速機の側断面図 本発明の第3実施形態に係るモータ一体型の減速機の側断面図 図4のV−V線に沿う偏心体204の断面図
符号の説明
100、101、200…減速機
102、202…入力軸
102A、202A…中空部
102B、102C、202B…凹部
104、204…偏心体
104A、104B、204A、204B…偏心部
106A、106B、206A、206B…偏心体用軸受
108、110、208、210…外歯歯車
122、222…内歯歯車
130、144、146、230、244、246…シール部材
140、240…第1軸受
142、242…第2軸受
150…扁平モータ
152…ステータ
154、254…電磁コイル
156…ロータ
158、258…磁石
D1…入力軸の内径
D2…凹部が設けられた部分の内径
d1…入力軸の軸径
d2…偏心体の軸径
L…磁石の間隔
O…軸心
q…2つの偏心部の合計の幅
Q…凹部の幅
S…凹部の段差
T…磁石の厚み

Claims (4)

  1. 入力軸と、該入力軸に設けられた偏心体と、該偏心体に形成された偏心部の半径方向外側に設けられた外歯歯車と、該外歯歯車と内接噛合する内歯歯車とを備え、該外歯歯車と内歯歯車との相対回転を出力として取出す減速機であって、
    前記入力軸が、その軸心部分に中空部を有して前記偏心体と一体形成されており、
    前記入力軸の前記中空部側であって、前記偏心体の形成されている軸方向位置に、前記偏心部の幅よりも広い凹部が全周に亘って設けられている
    ことを特徴とする減速機。
  2. 請求項1において、
    前記偏心部が複数設けられている場合には、前記凹部がそれら複数の偏心部の合計の幅よりも広く設けられている
    ことを特徴とする減速機。
  3. 請求項1又は2において、
    前記偏心部の両側に、前記偏心体を支持する軸受が設けられ、
    該軸受の更に外側の少なくとも一方に、前記軸心から該軸受までの距離に比べ、該軸心から短い距離で該入力軸に当接するシール部材が設けられている
    ことを特徴とする減速機。
  4. 請求項1乃至3のいずれかに記載された減速機にモータを一体化したモータ一体型の減速機であって、
    前記凹部に前記モータのロータの少なくとも一部を配置し、前記中空部に前記モータのステータを配置したことを特徴とするモータ一体型の減速機。
JP2007330743A 2007-12-21 2007-12-21 減速機 Active JP5188799B2 (ja)

Priority Applications (6)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007330743A JP5188799B2 (ja) 2007-12-21 2007-12-21 減速機
DE112008003469T DE112008003469B4 (de) 2007-12-21 2008-12-16 Untersetzungsgetriebe
KR1020107008434A KR101107995B1 (ko) 2007-12-21 2008-12-16 감속기
CN200880116444.4A CN101868648B (zh) 2007-12-21 2008-12-16 减速机
PCT/JP2008/072836 WO2009081793A1 (ja) 2007-12-21 2008-12-16 減速機
TW97149579A TW200946798A (en) 2007-12-21 2008-12-19 Reduction gear

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007330743A JP5188799B2 (ja) 2007-12-21 2007-12-21 減速機

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2009150520A true JP2009150520A (ja) 2009-07-09
JP5188799B2 JP5188799B2 (ja) 2013-04-24

Family

ID=40919851

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007330743A Active JP5188799B2 (ja) 2007-12-21 2007-12-21 減速機

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5188799B2 (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102297244A (zh) * 2010-06-22 2011-12-28 住友重机械工业株式会社 偏心摆动型减速机
KR20190062183A (ko) * 2017-11-28 2019-06-05 스미도모쥬기가이고교 가부시키가이샤 기어모터 및 그 조립방법
JP2019217573A (ja) * 2018-06-18 2019-12-26 住友重機械工業株式会社 ロボット及び撓み噛合い式歯車装置
US11174918B2 (en) 2018-06-22 2021-11-16 Sumitomo Heavy Industries, Ltd. Reduction gear

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5592523U (ja) * 1978-12-21 1980-06-26
JP2001012515A (ja) * 1999-06-29 2001-01-16 Tochigi Fuji Ind Co Ltd カップリング及びデファレンシャル装置
JP2001187945A (ja) * 1999-12-28 2001-07-10 Sumitomo Heavy Ind Ltd 内接噛合遊星歯車構造を採用した変速機のシリーズ
JP2006090518A (ja) * 2004-09-27 2006-04-06 Ntn Corp 動力伝達装置

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5592523U (ja) * 1978-12-21 1980-06-26
JP2001012515A (ja) * 1999-06-29 2001-01-16 Tochigi Fuji Ind Co Ltd カップリング及びデファレンシャル装置
JP2001187945A (ja) * 1999-12-28 2001-07-10 Sumitomo Heavy Ind Ltd 内接噛合遊星歯車構造を採用した変速機のシリーズ
JP2006090518A (ja) * 2004-09-27 2006-04-06 Ntn Corp 動力伝達装置

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102297244A (zh) * 2010-06-22 2011-12-28 住友重机械工业株式会社 偏心摆动型减速机
JP2012007637A (ja) * 2010-06-22 2012-01-12 Sumitomo Heavy Ind Ltd 偏心揺動型の減速機
KR20190062183A (ko) * 2017-11-28 2019-06-05 스미도모쥬기가이고교 가부시키가이샤 기어모터 및 그 조립방법
JP2019097364A (ja) * 2017-11-28 2019-06-20 住友重機械工業株式会社 ギヤモータ及びその組立方法
US10989276B2 (en) 2017-11-28 2021-04-27 Sumitomo Heavy Industries, Ltd. Gear motor and assembling method thereof
JP7085822B2 (ja) 2017-11-28 2022-06-17 住友重機械工業株式会社 ギヤモータ及びその組立方法
KR102553651B1 (ko) * 2017-11-28 2023-07-07 스미도모쥬기가이고교 가부시키가이샤 기어모터 및 그 조립방법
JP2019217573A (ja) * 2018-06-18 2019-12-26 住友重機械工業株式会社 ロボット及び撓み噛合い式歯車装置
JP7122883B2 (ja) 2018-06-18 2022-08-22 住友重機械工業株式会社 ロボット
US11174918B2 (en) 2018-06-22 2021-11-16 Sumitomo Heavy Industries, Ltd. Reduction gear

Also Published As

Publication number Publication date
JP5188799B2 (ja) 2013-04-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR101107995B1 (ko) 감속기
US7211016B2 (en) Geared motor with planetary gear assembly
US10236747B2 (en) Strain wave gearing with built-in motor
CN102195401B (zh) 电动旋转致动器
JP5703959B2 (ja) インホイールモータ
JP4732079B2 (ja) 減速機
US20030085628A1 (en) Electric rotating machine
JP5879822B2 (ja) インホイールモータ
KR102519998B1 (ko) 구동 장치
US11063497B2 (en) Drive device
JP5188799B2 (ja) 減速機
WO2011108479A1 (ja) インホイールモータ駆動装置およびその設計方法
JP5807429B2 (ja) ハブベアリング、減速機構およびインホイールモータ
JP2009030684A (ja) 磁気歯車減速機
JP2009250358A (ja) 磁気歯車減速機
TW202012811A (zh) 驅動裝置
US11088589B2 (en) Power transmission device
JP2007104764A (ja) ハイブリッド車両の駆動装置
JP2004117303A (ja) 相対回転状態検知装置
JP6376978B2 (ja) ギヤモータ
JP2019039472A (ja) 駆動装置
JP2016161064A (ja) 内接噛合遊星歯車機構
JP4856857B2 (ja) コリオリ運動歯車装置
JP2007006648A (ja) ホイールモーター
JP2012184786A (ja) 複合遊星歯車機構及び減速モータ

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20101115

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130115

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130123

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20160201

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5188799

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150