JP2009030684A - 磁気歯車減速機 - Google Patents

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一敬 原
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Abstract

【課題】歯車の噛合部が非接触である磁気歯車減速機において、減速比を大きく取ることができ、一般の接触式の歯車と同程度の伝達トルク/体積重量を得ることの可能な磁気歯車減速機の構造を提供する。
【解決手段】入力軸102に設けられた偏心体108と、該偏心体108が嵌合され、該偏心体108により揺動回転する第1磁気歯車110と、該第1磁気歯車110と軸方向において対峙して磁気的噛合すると共に、ケーシング118、120、122に固定されて該第1磁気歯車110の歯数より僅少の差で歯数の多い第2磁気歯車116と、前記第1磁気歯車110に設けられたキャリアピン孔114に遊嵌され、該第1磁気歯車110の回転成分を取出すキャリアピン124と、該キャリアピン124に連結された出力軸130と、を有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、磁気を利用した歯車により非接触でトルクを伝達する磁気歯車減速機に関する。
減速機の主流は、インボリュートの平又ははす歯歯車を用い、その歯数比によって減速を行うものである。このような減速機は自動車をはじめ、あらゆる産業において広く用いられている。
この種の減速機の問題点としては、減速機の歯車を構成する金属同士の接触に起因するものがほとんどである。それは、接触による振動・騒音の発生、歯車の寿命、及び潤滑油を必ず必要とすること、などである。
これに対し、その問題を解決する1つの方法として減速機を用いず、モータと負荷をダイレクトで結合することが挙げられる。モータの回転速度を制御するドライバの性能が向上し、また、永久磁石を用いた小型のモータが製作可能となるなど技術的な進展があったこと、また、クリーンルームなど従来の工場とは異なる環境の工場に設置するなど潤滑剤を使用する減速機の存在をなくしたいという環境側からの要請によるものである。
しかし、モータドライバの低速回転における効率の問題や、価格の問題、またモータの小型化に限界がある点などにより、容易に置き換えができない事情も存在する。今後もこのような減速機が必要とされる領域が存在し、その領域はロボットなど装置の小型化が必然とされる分野では成長を続けていくと考えられる。
こういった状況の中で、前記問題を解決するもう1つの方法として、金属の接触をなくし磁気による吸引・反発により減速機構を実現するための歯車及び歯車機構の使用が挙げられる。例えば、歯車の歯面に磁力を付加し、互いに反発する力により噛合する歯車同士の空隙を確保して、歯車同士を非接触にする特許文献1に示す磁気歯車が提案されている。また、対峙させた磁気歯を有する回転円盤の磁気歯の比により、入力された回転を減速する特許文献2に示す磁気歯車が提案されている。
特公平6−52096号公報 特開2005−114162号公報
しかしながら、特許文献1に示す磁気歯車では、単位体積又は単位重量あたりの伝達トルク(以下伝達トルク/体積重量)は小さくならざるを得ず、急激な負荷変動時には歯面が接触することがあり、また伝達トルクの脈動が発生し易いなどの構造的な欠陥が内在する。
また、特許文献2に示す磁気歯車においては、減速比を大きくしようとすると磁気歯の噛合い面積が小さくなりすぎるために減速比を大きく取れず、また、伝達トルク/体積重量は、一般のインボリュート形状の歯形を用いた減速機の1/4から1/5になってしまうという問題が生じていた。
本発明は、前記従来の問題点を解決するべくなされたもので、歯車の噛合部が非接触である磁気歯車減速機において、減速比を大きく取ることができ、一般の接触式の歯車と同程度の伝達トルク/体積重量を得ることの可能な磁気歯車減速機の構造を提供することを課題とする。
本発明は、入力軸に設けられた偏心体と、該偏心体が嵌合され、該偏心体により揺動回転する第1磁気歯車と、該第1磁気歯車と軸方向において対峙して磁気的噛合すると共に、ケーシングに固定されて該第1磁気歯車の歯数より僅少の差(1乃至5)で歯数の多い第2磁気歯車と、前記第1磁気歯車に設けられたキャリアピン孔に遊嵌され、該第1磁気歯車の回転成分を取出すキャリアピンと、該キャリアピンに連結された出力軸と、を有することにより前記課題を解決したものである。
本発明によれば、第1磁気歯車が、偏心体の回転によりケーシングに固定された第2磁気歯車と非接触で磁気的噛合して揺動回転する。このとき、第1磁気歯車に設けられたキャリアピン孔に遊嵌されたキャリアピンにより第1磁気歯車の回転成分が取出される。減速比は、第1磁気歯車の歯数に対する第2磁気歯車と第1磁気歯車歯数との歯数の僅少の差(1乃至5)で定まるので、例えば、第1磁気歯車の歯数の対の数が50対で歯数の対の数の差(僅少の差)が1の場合には、1/50という高い減速比を実現することができる。
本発明によれば、磁気歯の噛合面積を飛躍的に増やすことができ、一般の減速機と伝達トルク/体積重量において同程度の値を得ることができる。
また、減速機が小型である場合には、例えば、自己潤滑性素材で形成されている偏心体を使用することで、潤滑油を使用しないようにすることが可能である。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態の例を詳細に説明する。
図1は本実施形態に係る磁気歯車減速機の断面図、図2は偏心体を示す縦断面図及び測面図、図3は第1磁気歯車を模式的に示す正面図及び側面図、図4は第2磁気歯車を模式的に示す正面図及び側面図、図5は第1及び第2磁気歯車の噛合状態を表すスケルトン図、である。
最初に、本実施形態の磁気歯車減速機の構成について、図1から図4を用いて説明する。
磁気歯車減速機100は、入力軸102に設けられた偏心体108と、偏心体108が嵌合されて、該偏心体108により揺動回転する第1磁気歯車110と、を有する。又、磁気歯車減速機100は、第1磁気歯車110と軸方向において対峙して磁気的噛合する第2磁気歯車116であって、磁気歯車減速機100のケーシングに固定されて第1磁気歯車110の歯数より僅少の差で歯数の多い第2磁気歯車116を有する。更に、磁気歯車減速機100は、前記第1磁気歯車110に設けられたキャリアピン孔114に遊嵌され、第1磁気歯車110の回転成分を取出すキャリアピン124と、該キャリアピン124に連結された出力軸130と、を有する。
なお、磁気的な噛合、あるいは磁気的噛合とは、第1磁気歯車110に交互に異極配列されて着設された放射状形状に成形された永久磁石(単に磁気歯と称する)のN(S)極(N(S)極磁気歯と称する)が非接触で、対峙する第2磁気歯車116に交互に異極配列されて着設されたS(N)極磁気歯と図1の入力軸102の方向で重なり磁気的に引き合う状態をいうものとする。また、磁気歯はN極磁気歯とS極磁気歯で対を成すため、歯数は、磁気歯の対の数で数えるものとする。
以下、各構成要素について詳細に説明する。
前記入力軸102は、図1に示す如く、一対の軸受104、106によって軸支されている。軸受104は、ケーシングを形成する入力段カバー120によって、軸受106は、出力軸130と一体であるフランジ体128の内面によって、支えられている。偏心体108は、軸受104、106の間の入力軸102に取付けられて固定されている。図2に示す如く、偏心体108の中心と入力軸102の中心は、偏心量e1だけずれている。そして、偏心体108は、入力軸102周りに位置がずれないようにキー溝108aを有する。また、偏心体108は、後述する第1及び第2磁気歯車110、116の磁気的吸着を防止して、一定の間隔を空けるための第1磁気歯車止め108bが形成されている。なお、ケーシングは、入力段カバー120、ケーシング本体118、出力段カバー122から構成される。
前記第1磁気歯車110は、図3に示す如く、その歯先外径がd2の円盤形状を有する。その外周に沿って、N極磁気歯とS極磁気歯とが交互に異極配列されて着設されている。すなわち、図3に示す如く、第1磁気歯車110の円周上には歯先外径d2、歯元内径D2の円環状のN、S極磁気歯群(単に磁気歯群と称する)が構成される。このとき、これらN及びS極磁気歯の形成形状は、例えば、インボリュート形状とすることができる。なお、第1磁気歯車110は、中央部に偏心体孔112を有し、偏心体108の外周に嵌合されている。すなわち、第1磁気歯車110の内側に偏心体108が配置される。また第1磁気歯車110は、その他にも貫通した2以上のキャリアピン孔114、例えば、4つを同一円周上に等間隔に有し、平行ローラ126が遊嵌される。なお、図1に示す平行ローラ126の直径d1は、式(1)で示すように、キャリアピン孔114の直径D1から偏心体108の偏心量e1の2倍を引いた値以下である。
d1≦D1―2*e1 ・・・・(1)
第1磁気歯車110は、偏心体108の回転により揺動回転し、第2磁気歯車116と磁気的噛合する。第1磁気歯車110の磁気歯の対の数は、本実施形態では例えば、永久磁石のN、S極で50対(N極磁気歯数50とS極磁気歯数50)とすることができる。
前記第2磁気歯車116は、歯先外径がd3の円盤形状を有し、ケーシングを形成する出力段カバー122に固定されている。第2磁気歯車116は、第1磁気歯車110と同様に、外周に沿って、N極磁気歯とS極磁気歯とが交互に異極配列されて着設されている。すなわち、図4に示す如く、第2磁気歯車116の円周上には歯先外径d3、歯元内径D3の円環状の磁気歯群が構成される。このとき、これら磁気歯の形成形状は、例えば、第1磁気歯車110と円滑に噛合するインボリュート形状とすることができる。ここで、第1及び第2磁気歯車110、116が互いにほぼ全周に渡り対峙するので、第1磁気歯車110の磁気歯群の歯先外径d2が、第2磁気歯車116の磁気歯群の歯先外径d3以下であり、第2磁気歯車116の磁気歯群の歯元内径D3以上である。そして、第1磁気歯車110は揺動回転したときにも第2磁気歯車116とほぼ全周に渡り対峙するために、第2磁気歯車116の磁気歯群の歯元内径D3は第1磁気歯車110の磁気歯群の歯先外径d2から偏心体108の偏心量e1の2倍を引いた値以下とするのが好ましい。また、第1磁気歯車の磁気歯群の歯元内径D2は第2磁気歯車の磁気歯群の歯先外径d3から偏心体108の偏心量e1の2倍を引いた値以下とするのが好ましい。すなわち以下の式(2)、(3)、(4)を満たすと良好な噛合が実現できる。
D3≦d2≦d3 ・・・・(2)
D3≦d2―2*e1 ・・・・(3)
D2≦d3―2*e1 ・・・・(4)
第2磁気歯車116は、僅少の差(1乃至5)で第1磁気歯車110よりも磁気歯の対の数が多くなるように設定されるが、例えば、歯数の対の数の差を1に設定し、永久磁石のN、S極で51対(N極磁気歯数51とS極磁気歯数51)とすると1/50という大きな減速比が得られると共に、第1磁気歯車110と第2磁気歯車116の磁気的噛合も円滑に行わせることができる。
前記キャリアピン124が連結固定されているフランジ体128は、第2磁気歯車116の軸方向外側に配されている。キャリアピン124にはパイプ状の平行ローラ126が挿嵌され、平行ローラ126は第1磁気歯車110のキャリアピン孔114に遊嵌されている。従ってキャリアピン124は、第2磁気歯車116と非接触で磁気的噛合する第1磁気歯車110の回転成分を取出す軸として機能する。
前記出力軸130は、キャリアピン124と連結されたフランジ体128と一体であり、一対の軸受132、134を介して出力段カバー122によって支持されている。
次に、本実施形態の作用を説明する。
入力軸102を介して図示しない動力源から動力が伝達されると、入力軸102に取付け固定された偏心体108も偏心回転する。本実施形態では、最大に偏心している回転角度のときに最も強力に磁気的噛合がなされる構成としているため、作用的には偏心体108の偏心方向が円周方向に移動することで、第1磁気歯車110と第2磁気歯車116との磁気歯が円周方向で順番に噛合して、その噛合位置が順次ずれていくことになる。第2磁気歯車116がケーシングに固定されていることにより、偏心体108が1回転した段階で第1磁気歯車110は、第2磁気歯車116との磁気歯の対の数の差、すなわち1対分だけ、偏心体108の回転方向と逆方向に回転する。この回転成分、すなわち自転成分が、キャリアピン孔114に遊嵌されたキャリアピン124及び平行ローラ126を介してフランジ体128に取出される。この際に平行ローラ126がキャリアピン124を中心に回転する。なお、第1磁気歯車110の揺動成分はキャリアピン孔114に対するキャリアピン124及び平行ローラ126の遊嵌によって吸収されているので、第1磁気歯車110の自転成分のみが取出される。従って、入力軸102の回転は、(第1磁気歯車110と第2磁気歯車116の磁気歯の対の数の差)/(第1磁気歯車110の磁気歯の対の数)にまで減速されることとなる。本実施形態においては、第1磁気歯車110の磁気歯の対の数は50、第2磁気歯車116の磁気歯の対の数は51、歯数の対の数の差は1であるので、減速比は、1/50である。このフランジ体128の減速された回転は、フランジ体128と一体に形成された出力軸130へと伝達され、図示しない負荷へ動力を伝達することとなる。
上述のように、第1磁気歯車110の歯数の対の数が50対で、歯数の対の数の差(僅少の差)が1なので、1/50という高い減速比を実現することができる。
又、第1磁気歯車110と第2磁気歯車116において、式(2)、(3)、(4)を満足するので、偏心体108により、第1磁気歯車110が揺動回転しても、第1磁気歯車110と第2磁気歯車116とは、永久磁石のN極とS極とを交互に異極配列して円環状に着設された放射状の磁気歯群のほぼ全周に渡り対峙する。ここで、図5に、第1磁気歯車110の磁気歯の対の数が50対で、第2磁気歯車116の磁気歯の対の数が51対の場合における磁気的噛合状態を示す。第1磁気歯車110においては、ハッチング部分をS極、白抜きをN極として、第2磁気歯車116においては、ハッチング部分をN極、白抜きをS極としている。すなわち、白抜き部分、及びハッチング部分同士が重なるときに、強い磁気的噛合いが生じていることを示す。図5から明らかなように、円周の1/3を優に超える円周部分Aで相互の磁気歯が強固に噛合している。これは、この円周部分Aで第2磁気歯車116側からの十分な噛合反力を得られていることを示している。円周部分C及びDでは磁気的噛合がなされていないが、第1及び第2磁気歯車110、116の円周部分Aの直径方向反対側で、図5の円周部分Bでも相互の磁気歯が強固に噛合している。従って、円周部分Bでも第2磁気歯車116側からの十分な噛合反力を得られていることを示している。従って、遊星歯車のように歯車の一端で噛合わせが生じる場合に比べて、本実施形態では大きな伝達トルク/体積重量を伝達することが可能となることは明らかである。加えて、第1及び第2磁気歯車110、116の磁気歯は放射状であるので、磁気的噛合わせ面積を増やすことができる。
又、本実施形態に示すように、第1及び第2磁気歯車110、116の放射状の磁気歯がインボリュート形状であるために、磁気的噛合わせ面積を飛躍的に増やすことができるので、伝達トルクを更に大きくすることができ、一般の減速機と伝達トルク/体積重量において同程度の値を得ることができる。
又、本実施形態の磁気歯車減速機100は、金属の歯同士の接触がなく、磁気歯による噛合を行うので、次のような効果を併せて得ることができる。振動・騒音の発生が防止できるので高効率で、音の静かな減速機を実現することが可能である。また、金属疲労や磨耗などによる歯車の寿命もないので、メンテナンスフリーあるいはメンテナンスサイクルの長い減速機を実現することができる。
又、第1磁気歯車110と第2磁気歯車116は非接触であり、磁気的な噛合により動力を伝達するために、従来の機械的な歯車の噛合によって生じていた応力集中を低減出来るので、従来必要とされた歯車の噛合のための局所的な高い剛性を必要とせず、磁気歯車減速機100の全体として構造を軽量・簡略化することができる。
入力軸102の偏心体108は一般に鋼製のものを用いるので、例えば、□200mm程度の大きさの減速機であった場合には、第1磁気歯車110と第2磁気歯車116を含めて偏心体108を潤滑油に浸けるか、偏心体108をグリース封止式のものにする必要があるが、本実施形態の磁気歯車減速機100が小型の場合においては、偏心体108、キャリアピン124、平行ローラ126、あるいはその表面を自己潤滑性素材で形成することができ(例えば、金属性すべり軸受の採用、あるいはプラスチック化やフッ素樹脂コーティング)、その際には、伝達トルクが小さく、摺動する際の摩擦力によるロスも少なく、更に物理的な摺動部分も少ないので、摺動抵抗を低減でき、潤滑油を全く使用しないことにすることも可能である。なお、その際には出力軸130に、同様の自己潤滑性素材である、例えば、プラスチックを使用することも可能である。
上記実施形態では、第1磁気歯車110の磁気歯の対の数が50対で、第2磁気歯車116の磁気歯の対の数が51対であったが、本発明はこれに限定されるものではない。又、第1磁気歯車110の磁気歯の対の数と、第2磁気歯車116の磁気歯の対の数との差が1だけでなく、1乃至5の僅少の差とすることも本発明に含まれる。
又、磁気歯車減速機100は、上記に限定されるものではなく、例えば、平行ローラ126を使用せずに、キャリアピン124だけをキャリアピン孔114に遊嵌させてもよい。この場合には平行ローラ126を備えるよりも低コストとすることができる。
又、本実施形態のように、第1磁気歯車110が1つに限定されるものではない。複数の第1及び第2磁気歯車110、116を有して、例えば、第2磁気歯車112を2つの第1磁気歯車110で挟む構造とすることもできる。この場合には、第1磁気歯車110と第2磁気歯車116との磁気的噛合面積を更に増やすことができるため、より大きな伝達トルク/質量体積とすることが可能である。
又、本実施形態では、偏心量e1、第1磁気歯車110、及び第2磁気歯車116は式(2)〜(4)を満足していたが、本発明はこれらの式に限定されるものではない。すなわち、本実施形態で示した式(2)〜(4)を満たさないときであっても、第2磁気歯車116が第1磁気歯車110の歯数のよりも僅少の差だけ歯数が多く、且つ第1磁気歯車110が第2磁気歯車116に対して揺動回転している磁気歯車減速機100であれば、本発明に含まれる。例えば、第1磁気歯車110が第2磁気歯車116に対して揺動回転したときにほぼ全周で重ならずに一部でのみ重なるような偏心量e1の設定であっても、あるいは、第1磁気歯車110、及び第2磁気歯車116を他の形状的な条件によって設定しても、本発明はそのように設定された磁気歯車減速機100に適用可能である。更には、磁気歯の歯数の対の数の差が2、あるいは3であるときには、第1磁気歯車110、及び第2磁気歯車116が重なる領域内で、磁気的噛合が複数個所生じることとなるが、この場合も本発明の設計裁量の範囲で大きな伝達トルク/体積重量の実現が可能である。特に、第1磁気歯車110が第2磁気歯車116に対して揺動回転したときに全周で重ならずに一部でのみ重なるように上記条件を設定したときには、その重なる部分だけで磁場解析を行い、最適な設計を行うことが可能となるので、第1磁気歯車110と第2磁気歯車116の設計を容易にすることも可能である。
本実施形態に係る磁気歯車減速機の断面図 偏心体を示す縦断面図及び測面図 第1磁気歯車を模式的に示す正面図及び側面図 第2磁気歯車を模式的に示す正面図及び側面図 第1及び第2磁気歯車の噛合状態を表すスケルトン図
符号の説明
100…磁気歯車減速機
102…入力軸
104、106、132、134…軸受
108…偏心体
108a…キー溝
108b…第1磁気歯車止め
110…第1磁気歯車
112…偏心体孔
114…キャリアピン孔
116…第2磁気歯車
118…ケーシング本体
120…入力段カバー
122…出力段カバー
124…キャリアピン
126…平行ローラ
128…フランジ体
130…出力軸

Claims (7)

  1. 入力軸に設けられた偏心体と、
    該偏心体が嵌合され、該偏心体により揺動回転する第1磁気歯車と、
    該第1磁気歯車と軸方向において対峙して磁気的噛合すると共に、ケーシングに固定されて該第1磁気歯車の歯数より僅少の差で歯数の多い第2磁気歯車と、
    前記第1磁気歯車に設けられたキャリアピン孔に遊嵌され、該第1磁気歯車の回転成分を取出すキャリアピンと、
    該キャリアピンに連結された出力軸と、
    を有することを特徴とする磁気歯車減速機。
  2. 請求項1において、
    前記第1及び第2磁気歯車は、永久磁石のN極とS極とを交互に異極配列して円環状に着設された放射状の磁気歯群を有する円盤である
    ことを特徴とする磁気歯車減速機。
  3. 請求項2において、
    前記第1磁気歯車の磁気歯群の歯先外径は、前記第2磁気歯車の磁気歯群の歯先外径以下で、且つ該第2磁気歯車の磁気歯群の歯元内径以上である
    ことを特徴とする磁気歯車減速機。
  4. 請求項3において、
    前記第2磁気歯車の磁気歯群の歯元内径が前記第1磁気歯車の磁気歯群の歯先外径から前記偏心体の偏心量の2倍を引いた値以下であり、
    且つ、該第1磁気歯車の磁気歯群の歯元内径が該第2磁気歯車の磁気歯群の歯先外径から該偏心体の偏心量の2倍を引いた値以下である
    ことを特徴とする磁気歯車減速機。
  5. 請求項1乃至4のいずれかにおいて、
    前記偏心体が、自己潤滑性素材で形成されている
    ことを特徴とする磁気歯車減速機。
  6. 請求項1乃至5のいずれかにおいて、
    前記キャリアピンの少なくとも表面が、自己潤滑性素材で形成されている
    ことを特徴とする磁気歯車減速機。
  7. 請求項1乃至6のいずれかにおいて、
    前記第1及び第2磁気歯車が複数存在するときに、該第2磁気歯車が2つの該第1磁気歯車で挟まれている
    ことを特徴とする磁気歯車減速機。
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