JP2015121239A - 偏心揺動型減速機 - Google Patents

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信也 井田
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信也 井田
康夫 鳥越
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康夫 鳥越
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【課題】減速比を低下させることなく、軸断面を有効に活用し、強度を確保し、大型化しないようにケーブル等の通し穴を確保する。【解決手段】中心軸2を有する本体4の外周を回転可能にされた内歯車10と、内歯車に噛み合い偏心回転する外歯歯車12と、外歯歯車に開けられた第一貫通穴12cと相対回転可能にされた偏心カム14a,14bを有するクランク軸14を駆動する駆動機構を備えた偏心揺動型減速機1において、クランク軸と本体とを貫通する第二貫通穴17を設ける。また、本体の中心軸に沿って、本体中空穴3を貫通させる。駆動機構は、駆動歯車8と本体中空穴軸端に中空平歯車7と噛み合うクランク軸端に設けられたクランク軸平歯車15とを備える。さらに、分割された本体を結合するボルト6にボルト貫通穴6aを設け、本体及びボルトを貫通する第四貫通穴18を設ける。【選択図】 図1

Description

本発明は、産業用ロボットの関節部などに用いられる偏心揺動型減速機に関し、特にケーブル、配管、伝達軸等の必要部材を通す中空穴を有する偏心揺動型減速機に関する。
従来、ケーブル等を偏心揺動型減速機に設けられた中空穴を通すことにより、ロボットのスリム化、外観の改善を図っている。例えば、特許文献1の第一実施例においては、中空穴を有する本体を二個の支持部に分け、中空内筒歯車を支持部間に配置する。この中空内筒歯車とかみ合う歯車を有するクランク軸を配置し、クランク軸に設けられた偏心カム部を外歯車の径方向貫通穴に転動体を介して揺動させ、本体外周に回転可能に配置された内歯車と外歯車とをかみ合わせさせることにより減速させる。この本体の中心軸に沿って設けられた中空穴にケーブル等を通す。さらに、この中空穴に加え、外歯車を挟持する本体の支持部及び外歯車を貫通する貫通穴を設けて、さらに多くのケーブル等を通過可能にしている。
また、同特許文献1の第二実施例においては、クランク軸を中心軸とし、クランク軸に中空穴を設けている。クランク軸に設けられた偏心カム部を外歯車の径方向貫通穴に転動体を介して揺動させ、本体外周に回転可能に配置された内歯車とかみ合わせさせることにより減速させる。この本体の中心軸に沿って設けられた中空穴にケーブル等を通すようにしている。第一実施例と同様に、この中空穴に加え、外歯車を挟持する本体の支持部及び外歯車を貫通する貫通穴を設けて、さらに多くのケーブル等を通すようにしている。
特開2009−24738号公報
しかし、前述の特許文献1のものは、本体(支持部)及び外歯車に貫通穴を設けるので、第一実施例においては、クランク軸の数や締結部材の数に制限され、貫通穴の数またはスペースを確保するためには大型となる。さらには、部品も複雑で点数も多い。また、円筒外歯車が本体(支持部)中央にあるので、別に外部からの駆動を伝達する駆動歯車を内部まで導入するため、さらに、軸断面の余裕が小さくなるという問題があった。また、第二実施例においては、本体や偏心外歯車の断面に余裕があるので、貫通穴を容易に設けることができるが、クランク軸を中心軸とし、一段減速機構となるので、減速比が小さくなるという問題があった。
本発明の課題は前述した問題点に鑑みて、構造を複雑化することなく、ケーブル等の挿通穴を多数確保し、軸断面を有効に活用し、強度を確保し、大型化することなく、減速比の高い偏心揺動型減速機を提供することである。
本発明においては、中心軸を有する本体と、前記本体の外周を前記中心軸回りに回転可能にされた内歯車と、前記内歯車に噛み合いかつ前記中心軸回りに偏心回転する外歯歯車と、前記外歯歯車の径方向に前記中心軸と平行に開けられた第一貫通穴と、前記第一貫通穴と摺接又は転動体を介して前記第一貫通穴と相対回転可能にされた偏心カムと、前記偏心カムが設けられ前記本体に前記中心軸と平行に軸支されたクランク軸と、前記本体外部の駆動源から前記クランク軸を駆動する駆動機構と、を備えた偏心揺動型減速機であって、前記クランク軸と、前記本体と、を前記中心軸と平行に貫通する第二貫通穴が設けられた偏心揺動型減速機を提供することにより前述した課題を解決した。
即ち、遊星歯車であるクランク軸に第二貫通穴を設け、これにケーブル等の必要部材を通すようにしたので、他の位置に改めて貫通穴を設ける必要はない。また、請求項2に記載の発明においては、従来の中空穴と同様に、前記本体の中心軸に沿って、本体中空穴を貫通して設けるのが好ましい。
また、請求項3に記載の発明においては、前記駆動機構は、前記本体中空穴軸端に回転可能に設けられた中空平歯車と、前記中空平歯車と噛み合う前記駆動源に接続された駆動歯車と、前記中空平歯車と噛み合い前記クランク軸端に設けられたクランク軸平歯車と、からなる偏心揺動型減速機とした。即ち、駆動機構の伝達平歯車をそれぞれ本体端に設けるようにした。
さらに、請求項4に記載の発明においては、前記本体は少なくとも軸方向に分割可能にされており、前記分割された本体を軸方向に結合固定するボルトと、前記ボルトが螺合する雌ねじと、前記外歯歯車の第一貫通穴間に設けられ、前記ボルトが挿通される前記本体の結合部が貫通する第三貫通穴と、を有し、前記分割された本体と、前記ボルトと、前記雌ねじと、を前記中心軸と平行に貫通する第四貫通穴が設けられている偏心揺動型減速機とした。クランク軸に加え、本体を構成する結合部分にも(第四)貫通穴を設けケーブル等の通し穴を確保した。
本発明によれば、クランク軸に(第二)貫通穴を設け、他の位置に改めて貫通穴を設ける必要はないので、軸断面を減じることなく、強度を確保しながら、小型でバランスを損なうことは少ない。また、第二貫通穴を有するクランク軸は遊星歯車であるので、主軸をクランク軸とした場合に比べ高い減速比を確保できるのである。
また、請求項2に記載の発明においては、本体の中心軸に沿って、従来と同様に本体中空穴を貫通して設けるので断面を確保できる。また、請求項3に記載の発明においては、駆動機構の伝達平歯車をそれぞれ本体端に設けるようにしたので、構造が簡単で、軸断面の減少も少ない。
さらに、請求項4に記載の発明においては、クランク軸に加え、本体を構成する結合部分にも第四貫通穴を設けたので、軸断面を大きく変化させることなくケーブル等の通し穴(貫通穴)を確保し、より多くのケーブル等を確保あるいは余裕をもって通すことができる。
本発明の実施の形態を示す偏心揺動型減速機の縦断面図(図2のA−A線断面図)である。 図1の右側面図である。 図2のB−B線部分断面図である。
本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。図1,2に示すように、本実施の形態の偏心揺動型減速機1は、中心軸2を中心とした中空穴3を有する本体4が設けられている。本体4は図1で見て右側の駆動側支持部4a、と左側の支持部4bとに軸方向に分割され、ボルト5,6により一体に結合されている。本体はキャリアとも呼ばれる。本体中空穴3の軸端に中空平歯車7が回転可能に設けられている。中空平歯車7は、回転駆動される駆動歯車8と噛み合い、中心軸2回りに回転する。さらに、本体4の外周には軸受9a,9bを介して内歯車10が中心軸2回りに回転可能に設けられている。内歯車端にはシール11が設けられ軸受9bを保護する。
内歯車10の内歯10aは多数のピンが内側に並べることにより形成されている。この内歯を形成するすべてのピン10aと接触、噛み合いまたは内接し、中心軸2回りに偏心回転する外歯を有する二枚の外歯歯車12,12が軸方向に併設されている。外歯12a,12aのそれぞれの歯数は内歯10aの歯数より1歯から5歯程度少ない。二枚の外歯歯車は同形状であり、偏心方向が中心軸2に対して互いに180°位相がずれている。外歯歯車12,12の中心は中空貫通穴12b,12bが設けられ、外歯歯車12が内歯10aに対して噛み合い偏心回転しても、中空貫通穴12bの内側縁部が本体4の中空穴3の内側にはみ出さないようにされている。
また、外歯歯車12,12の径方向に、中心軸2と平行に第一貫通穴12c,12cが開けられている。この第一貫通穴12cの内周面に対して多数のころ(転動体)13を介して偏心カム14a,14bが回転自在に設けられている。偏心カムはクランク軸14に一体に設けられている。偏心カム14a,14bは偏心方向が中心軸2に対して互いに180°位相がずれている。クランク軸14は本体4の駆動側支持部4a、支持部4bに両側を軸受15a,15bに中心軸2と平行に軸支されている。
クランク軸14の軸端には従動平歯車15が一体に設けられ、中空平歯車7と噛み合うようにされている。クランク軸14を貫通してクランク軸貫通穴16があけられ、本体4の支持部4b側のクランク軸心14cと同心に本体貫通穴4cが開けられている。クランク軸貫通穴16と本体貫通穴4cとで第二貫通穴17が形成されている。本体貫通穴4cの径はクランク軸を軸支する軸受15a,15bを挿入可能な径とされる。
外歯歯車12,12の径方向の第一貫通穴12cとほぼ同径位置に第一貫通穴とは離隔して、中心軸2と平行に第三貫通穴12d,12dが開けられている。本体4の支持部4bには結合部4d,4eが形成され、第三貫通穴12dを通って、駆動側支持部4aに延出し当接する。これにより、結合部4d,4eの両端面部間に二枚の外歯歯車12,12が収納されている。
駆動歯車8と軸心が異なる結合部4eには、図3に示すように、駆動側支持部4aにボルト6が貫通するボルト穴4f及びボルト頭座ぐり4gが開けられる。さらに、支持部4b側に設けられたボルトが螺合する雌ねじ4hの下穴4iが貫通している。ボルト頭座ぐり4gと、ボルト貫通穴6aと、雌ねじ4h内径と、下穴4iとで、第四貫通穴18が形成されている。
かかる偏心揺動型減速機1においては、本体4を固定した場合は、駆動歯車8からの入力回転は、中空平歯車7で減速される。さらに、中空平歯車7はクランク軸6の従動平歯車15に噛み合い、クランク軸14を回転させる。クランク軸が回転すると、第一貫通穴12cにころ13を介して回転する偏心カム14a,14bのカム運動により外歯歯車12が内歯10aに噛み合いながら揺動偏心運動して内歯車10を回転させる。かかる偏心揺動型減速機の回転動作については従来と同様であるので、詳細については説明を省略する。
特に本発明の実施の形態においては、従来より知られている本体中空穴3に加え、クランク軸14側に設けられた第二貫通穴17、さらには本体締結用ボルト6側に設けられた第四貫通穴18を用いてより多くのケーブルや配管、ホース、伝達軸等の各種の挿通部材を適宜通すことができる。また、クランク軸14、結合ボルト5,6の配置は従来とほぼ同じ配置が可能であり、取り付け寸法や、取扱いに大きな変化がなく、設計や組み付けも容易である。さらには、遊星運動をするクランク軸14の遊星運動部の駆動機構を本体中空軸端に設けるので構造が簡単であり、駆動用歯車7,8,15を減速機内部にまで没入させる必要がなく断面を有効に使用可能である。
1 偏心揺動型減速機
2 中心軸
3 本体中空穴
4 本体(キャリア)
4e 結合部
4h 雌ねじ
6 ボルト
7 中空平歯車
8 駆動歯車
10 内歯車
12 外歯歯車
12c 第一貫通穴
12d 第三貫通穴
13 転動体(ころ)
14 クランク軸
14a、14b 偏心カム
15 クランク軸平歯車
17 第二貫通穴
18 第四貫通穴

Claims (4)

  1. 中心軸を有する本体と、前記本体の外周を前記中心軸回りに回転可能にされた内歯車と、前記内歯車に噛み合いかつ前記中心軸回りに偏心回転する外歯歯車と、前記外歯歯車の径方向に前記中心軸と平行に開けられた第一貫通穴と、前記第一貫通穴と摺接又は転動体を介して前記第一貫通穴と相対回転可能にされた偏心カムと、前記偏心カムが設けられ前記本体に前記中心軸と平行に軸支されたクランク軸と、前記本体外部の駆動源から前記クランク軸を駆動する駆動機構と、を備えた偏心揺動型減速機であって、前記クランク軸と、前記本体と、を前記中心軸と平行に貫通する第二貫通穴が設けられていることを特徴とする偏心揺動型減速機。
  2. 前記本体の中心軸に沿って、本体中空穴が貫通して設けられていることを特徴とする請求項1記載の偏心揺動型減速機。
  3. 前記駆動機構は、前記本体中空穴軸端に回転可能に設けられた中空平歯車と、前記中空平歯車と噛み合う前記駆動源に接続された駆動歯車と、前記中空平歯車と噛み合い前記クランク軸端に設けられたクランク軸平歯車と、からなることを特徴とする請求項2記載の偏心揺動型減速機。
  4. 前記本体は少なくとも軸方向に分割可能にされており、前記分割された本体を軸方向に結合固定するボルトと、前記ボルトが螺合する雌ねじと、前記外歯歯車の第一貫通穴間に設けられ、前記ボルトが挿通される前記本体の結合部が貫通する第三貫通穴と、を有し、前記分割された本体と、前記ボルトと、前記雌ねじと、を前記中心軸と平行に貫通する第四貫通穴が設けられていることを特徴とする請求項1又は2又は3記載の偏心揺動型減速機。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN104964004A (zh) * 2015-07-21 2015-10-07 巨轮股份有限公司 一种工业机器人rv减速器
CN110242708A (zh) * 2019-05-12 2019-09-17 天津大学 二级封闭式偏心盘摆动活齿减速器

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