JP2009150232A - 内燃機関におけるバルブリフト可変式動弁装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】バルブリフト可変式動弁装置では、バルブリフト可変用操作軸の軸部材に支点ローラを取り付けるために、支点ローラの取付位置の両側が他の部分より大径になり、その結果、環状のベアリングを使用することができなかった。
【解決手段】揺動アームの一端部に接触するカムが回転することによって揺動アームが支点ローラとの接触点を中心に揺動し、その他端部にバルブを開閉させるカム面を設け、支点ローラにおける揺動アームに対する接触点をバ
ルブリフト可変用操作軸の回転にて揺動アームの長手方向に移動し得るように構成してなるバルブリフト可変式動弁装置において、バルブリフト可変用操作軸が、支点ローラを取り付ける凹部と、支点ローラを回転可能に支持してその凹部に着脱可能に取り付けられる分割部材とを備え、支点ローラが取り付けられた分割部材が凹部から取り外された状態においてその凹部近傍の最大外径部分が軸受け取付部に設定されている。
【選択図】図2
【解決手段】揺動アームの一端部に接触するカムが回転することによって揺動アームが支点ローラとの接触点を中心に揺動し、その他端部にバルブを開閉させるカム面を設け、支点ローラにおける揺動アームに対する接触点をバ
ルブリフト可変用操作軸の回転にて揺動アームの長手方向に移動し得るように構成してなるバルブリフト可変式動弁装置において、バルブリフト可変用操作軸が、支点ローラを取り付ける凹部と、支点ローラを回転可能に支持してその凹部に着脱可能に取り付けられる分割部材とを備え、支点ローラが取り付けられた分割部材が凹部から取り外された状態においてその凹部近傍の最大外径部分が軸受け取付部に設定されている。
【選択図】図2
Description
本発明は、内燃機関におけるバルブリフト可変式動弁機構に関し、特にそのバルブリフト可変用操作軸に関するものである。
従来、自動車などの車両に搭載される内燃機関では、吸気バルブと排気バルブとの少なくとも一方のバルブを、動弁装置によりクランク軸の回転に同期させて開閉している。そして、近年においては、燃費や出力などの向上を図るために、バルブを開く際のそのバルブのリフト量を、内燃機関の運転中に所望に応じて変更できるようにしたバルブリフト可変式動弁装置が知られている。
特許文献1に記載のバルブリフト可変式動弁装置は、吸気バルブと排気バルブとの少なくとも一方のバルブと、クランク軸に連動して回転するカム軸に設けたカムとの間に、長手方向の中程部にバルブリフト可変用操作軸に回転可能に設けた支点ローラを接触させてなる揺動アームを配設し、この揺動アームの一端部をカムに、そのカムの回転によって揺動アームが支点ローラとの接触点を中心にして揺動するように接触させておき、揺動アームの他端部に、揺動アームの揺動によってバルブを開閉するカム面を設け、支点ローラにおける揺動アームに対する接触点をバルブリフト可変用操作軸の回転にて揺動アームの長手方向に移動することによってバルブにおけるバルブリフトを任意に変更する構成である。
特開2007−270741号公報
ところで、上述のバルブリフト可変式動弁装置では、バルブリフト可変用操作軸の軸本体となる軸部材に支点ローラを取り付けるために、支点ローラの取付位置の両側が他の部分より大径になっている。すなわち、支点ローラは、バルブリフト可変用操作軸の軸部材の外周面より半分以上突出した状態に取り付ける必要があるため、その回転軸の中心は軸部材の外周面より外側に配置する必要がある。このため、支点ローラの回転軸を受けるためにその位置の軸部材の直径が他の部分の直径より大きくしてある。
一方、バルブリフト可変用操作軸は、支点ローラの両側部分に軸受けを配置して、シリンダヘッドに回転可能に取り付けられるものである。この場合に、上述したように、支点ローラの取付位置の近傍において大径が存在するために、例えば円環状のベアリングに軸部材を通すことができない。したがって、ベアリングは、いわゆる半割ベアリングと呼ばれる環状のものを二分割したものを使用するものである。
しかしながら、ベアリング径が大きくなることでメカニカルロスが大きくなったり、精度が低下したりすることあった。また、半割ベアリングであると、部品点数が多くなるとともに、軸部材を挟み込まなければ軸受けを組み立てることができないため、組み付けの作業性が低下し、その結果製造費用を押し上げるものとなった。
そこで本発明は、このような不具合を解消することを目的としている。
すなわち、本発明の内燃機関におけるバルブリフト可変式動弁装置は、吸気バルブ及び排気バルブのうち少なくとも一方のバルブとクランク軸に連動して回転するカム軸に設けたカムとの間に、軸受け部により回転可能に支持されるバルブリフト可変用操作軸に回転可能に設けた支点ローラが長手方向の中程部に当てられる揺動アームを配設し、この揺動アームの一端部に接触するカムが回転することによって揺動アームが支点ローラとの接触点を中心に揺動するように構成する一方、揺動アームの他端部に揺動アームの揺動によってバルブを開閉させるカム面を設け、さらに、支点ローラにおける揺動アームに対する接触点をバルブリフト可変用操作軸の回転にて揺動アームの長手方向に移動し得るように構成してなる内燃機関におけるバルブリフト可変式動弁装置において、バルブリフト可変用操作軸が、支点ローラを取り付ける凹部と、支点ローラを回転可能に支持してその凹部に着脱可能に取り付けられる分割部材とを備え、支点ローラが取り付けられた分割部材が凹部から取り外された状態においてその凹部近傍の最大外径部分が軸受け取付部に設定されてなることを特徴とする。
このような構成によれば、分割部材を凹部から取り外すことにより、操作軸から支点ローラが分離される。この結果、操作軸はその外周表面から突出する部分がなくなるものとなる。したがって、凹部近傍の最大外径部分に設定される軸受け取付部に対して、環状の軸受けを用いることが可能になる。
本発明は、以上説明したように、分割部材を凹部から取り外すことにより、操作軸から支点ローラが分離され、操作軸がその外周表面から突出する部分をなくした状態になるので、凹部近傍の最大外径部分に設定される軸受け取付部に対して、環状の軸受けを用いることができる。したがって、二分割の軸受けを使用する場合に比べて、軸受けにおける部品点数を少なくすることができ、それゆえ組み付け工数を少なくすることができ、コストの低減を図ることができる。
以下、本発明の一実施形態を、図面を参照して説明する。
以下に説明する実施形態の内燃機関すなわちエンジンは、例えば四気筒のものである。図1は、一気筒の吸気バルブ1に適用されるバルブリフト可変式動弁装置3を、その側面つまりカム5が取り付けられるカム軸4の軸方向から見た場合の構造を模式的に示す図面である。すなわち、エンジンは、そのシリンダヘッドにバルブリフト可変式動弁装置3を備えている。この実施形態においては、吸気バルブ1に対してのみバルブリフト可変式動弁装置3を適用するものを説明するが、排気バルブにも適用するもの、つまり吸気バルブ1と排気バルブとにバルブリフト可変式動弁装置2を適用するものであってもよい。また排気バルブにのみ適用するものであってもよい。
バルブリフト可変式動弁装置3は、クランク軸に連動して回転するカム軸4に設けたカム5が一端部に接触する揺動アーム6、揺動アーム6の長手方向の中程部に接触する支点部たる支点ローラ7を備えてなるバルブリフト可変用操作軸(以下、操作軸と称する)8、揺動アーム6をカム5の方向に付勢する圧縮バネ9及び揺動アーム6の他端部である下端部に接触するロッカアーム10を主として構成されるものである。
バルブリフト可変式動弁装置3は、エンジンを運転すると、カム軸4が回転し、カム軸4に設けたカム5が揺動アーム6を押すことで、揺動アーム6の下端に形成されたカム面6aによりロッカアーム10が押され、吸気バルブ1を開閉させるものである。すなわち、カム軸4が回転してカム5が揺動アーム6を押すと、揺動アーム6は、圧縮バネ9の付勢力に抗して支点ローラ7との接触点を支点として揺動する。
この場合に、揺動アーム6と支点ローラ7との接触点の位置により吸気バルブ1のバルブリフト量が制御される。すなわち、エンジンの運転状態に応じて、操作軸8を制御することにより変更される。そして制御軸8が正転及び逆転されることにより、支点ローラ7は揺動アーム6の長手方向に沿って移動する。このように操作軸8の回転を制御することによって、揺動アーム6と支点ローラ7との接触点を所望の位置に設定するものである。そして揺動アーム6と支点ローラ7との接触点が変わることにより、揺動アーム6が揺動する量が変化し、ロッカアーム10の押し下げ量が変化する。したがって、吸気バルブ1のバルブリフト量が制御されるものである。
このような構成において、操作軸8は、図2〜4に示すように、軸本体8aと、その軸本体8aの長手方向に所定の間隔、つまり各吸気バルブ1に対応する間隔により取り付けられる支点ローラ7と、支点ローラ7を回転可能に支持する分割部材11と、支点ローラ7を構成する回転軸7aを抑えるリング体12とを備えている。軸本体8aは、ほぼ丸棒部材からなり、分割部材11が着脱可能に取り付けられ、その分割部材11により取り付けられる支点ローラ7を取り付ける凹部13と、リング体12の位置決めをする取付溝14とを備えている。支点ローラ7は、肉厚の円筒体からなるローラ体7bと、ローラ体7bを回転可能に支持する回転軸7aとからなる。回転軸7aは、ローラ体7bの中心孔7cに挿入されるものである。分割部材11は、一対をなす直方体形状の部材からなり、回転軸7aが挿入される軸受け凹部11aを有している。分割部材11の少なくとも一方には、リング体12の厚みに対応する幅を有するスリット11bが形成してある。リング体12は、弾性力を有する部材により形成してあり、円環の一部が切断された形状をしている。そして、リング体12は、その切断された部分の間隔を狭くする方向、言い換えれば切断された部分の端部が相寄る方向に弾性力を発揮するものである。
軸本体8aの凹部13は、基本的には、直方体形状に形成されている。凹部13は、その両端部分13aが分割部材11の挿入側端部11cの形状に合わせてほぼ直方体に形成してあり、両端部分13aの間に存在する中間部分13bにおいては、ほぼ四角錐台形状に形成してある。図3に、両端部分13aの断面形状を、また図4に中間部分13bの断面形状をそれぞれ示す。なお、この凹部13の中間部分13bの形状については特に限定されるものではなく、支点ローラ7が内面に接触しない形状で、かつ軸本体8aの強度を低下させない形状であればよい。
操作軸8は、支点ローラ7が軸本体8aに組み付けられる前に、環状のベアリング15に挿入されるものである。すなわち、支点ローラ7を組み付けていない軸本体8aは、凹部13、取付溝14及び端部16を除くその全長において同じ太さをしている。したがって、環状のベアリング15を嵌める場合に、外径が異なることで環状のベアリング15の移動が阻害されることがない。それゆえ、環状のベアリング15を軸本体8aしたがって操作軸8の、凹部13近傍に軸受け取付部17を設定するものである。この軸受け取付部17は、エンジン100の運転時に、支点ローラ7に揺動アームから力が加わるため、支点ローラ7の両端近傍である凹部13近傍に設定するものである。この実施形態では、上述したように、軸本体8aの外径が、凹部13、取付溝14及び端部16以外は同一径であるので、凹部13近傍が最大外径部分である。
操作軸8は、次に説明するようにして組み立てる。まず、軸本体8aの軸受け取付部17に環状のベアリング15を組み付ける。この実施形態においては、軸本体8aは凹部13、取付溝14及び端部16を除いて同じ外径であるので、環状のベアリング15をそれぞれの凹部13の両側近傍の軸受け取付部17に嵌めていく。この後、それぞれの凹部13に、分割部材11を嵌め込む。そして回転軸7aがローラ体7bにセットされた支点ローラ7を、凹部13に配置するとともに、支点ローラ7の回転軸7aをそれぞれの分割部材11の軸受け凹部11aに挿入して支持させる。
このようにしてそれぞれの支点ローラ7を凹部13に取り付けた後、支点ローラ7が凹部13から脱落しないように、リング体12を嵌め込む。リング体12は、その端部を離れる方向に開いた状態で軸本体8aの取付溝14に嵌めるようにする。そして、取付溝14内を移動させて、リング体12の端部を回転軸7aに係合させる。これによって、回転軸7aは、リング体12により押さえつけられて、支点ローラ7が軸本体8aから抜け落ちなくなる。
このように、操作軸8は、環状のベアリング15に軸本体8aを貫通させるだけでベアリング15を組み付けることができる。したがって、ベアリング15の組み付けが容易になるほか、種類の豊富な環状のベアリングの中から選定することができるので、安価に調達することができる。
しかも、支点ローラ7を分割部材11により組み付けるようにすることで、支点ローラ7の組み付け部分を他より太径にする必要がなくなる。つまり、軸強度上は不要な太径部を除去することで、操作軸8の強度を変えることなく軽量化することができる。そして、軸本体8aの小径化に伴って、環状のベアリング15はその内径の小さなものでも使用することができるようになる。そして、環状のベアリング15を取り付ける軸受け取付部17を焼き入れするに際しても、このように軸本体8a自体が従来のものより細いので、良好に焼き入れすることができるとともに、その費用を抑えることができる。
なお、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではない。
その他、各部の具体的構成についても上記実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
1…吸気バルブ
4…カム軸
5…カム
6…揺動アーム
7…支点ローラ
8…バルブリフト可変用操作軸
11…分割部材
13…凹部
17…軸受け取付部
4…カム軸
5…カム
6…揺動アーム
7…支点ローラ
8…バルブリフト可変用操作軸
11…分割部材
13…凹部
17…軸受け取付部
Claims (1)
- 吸気バルブ及び排気バルブのうち少なくとも一方のバルブとクランク軸に連動して回転するカム軸に設けたカムとの間に、軸受け部により回転可能に支持されるバルブリフト可変用操作軸に回転可能に設けた支点ローラが長手方向の中程部に当てられる揺動アームを配設し、
この揺動アームの一端部に接触するカムが回転することによって揺動アームが支点ローラとの接触点を中心に揺動するように構成する一方、揺動アームの他端部に揺動アームの揺動によってバルブを開閉させるカム面を設け、
さらに、支点ローラにおける揺動アームに対する接触点をバルブリフト可変用操作軸の回転にて揺動アームの長手方向に移動し得るように構成してなる内燃機関におけるバルブリフト可変式動弁装置において、
バルブリフト可変用操作軸が、支点ローラを取り付ける凹部と、支点ローラを回転可能に支持してその凹部に着脱可能に取り付けられる分割部材とを備え、支点ローラが取り付けられた分割部材が凹部から取り外された状態においてその凹部近傍の最大外径部分が軸受け取付部に設定されてなる内燃機関におけるバルブリフト可変式動弁装置。
Priority Applications (1)
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JP2007326344A JP2009150232A (ja) | 2007-12-18 | 2007-12-18 | 内燃機関におけるバルブリフト可変式動弁装置 |
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JP2009150232A true JP2009150232A (ja) | 2009-07-09 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US9587531B2 (en) | 2014-12-04 | 2017-03-07 | Hyundai Motor Company | Variable valve lift apparatus |
-
2007
- 2007-12-18 JP JP2007326344A patent/JP2009150232A/ja active Pending
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US9587531B2 (en) | 2014-12-04 | 2017-03-07 | Hyundai Motor Company | Variable valve lift apparatus |
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