JP2009149747A - 漂白助剤、および該漂白助剤を含有する漂白助剤粒子 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明の漂白助剤は、(a)ポリカルボン酸系高分子化合物と、(b)マンガンおよび/または銅化合物とを含有することを特徴とする。また、本発明の漂白助剤粒子は、前記漂白助剤、および(c)バインダー化合物を含有することを特徴とする。
【選択図】なし
Description
また、特許文献5には、金属錯体による染着を抑制するために、金属錯体からなる漂白活性化触媒と界面活性剤とバインダー化合物を含有する造粒物の形態とすることが記載されている。
Nature,VOL.369(1994)637〜639頁 J.Am.Chem.Soc,VOL.115(1993)1772〜1773頁
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、微量で過酸化水素系化合物の漂白効果を促進できる漂白助剤、および該漂白助剤を含有する漂白助剤粒子を提供することを課題とする。
すなわち、本発明の第一の態様は、(a)ポリカルボン酸系高分子化合物と、(b)マンガンおよび/または銅化合物とを含有することを特徴とする漂白助剤である。
また、本発明の漂白助剤は、前記(a)成分が、下記一般式(I)または(II)のいずれかの構造を構成単位とする高分子化合物であることが好ましい。
また、本発明の漂白助剤は、前記(a)成分が、アクリル酸とマレイン酸の共重合物であることが好ましい。
また、本発明の第二の態様は、上記のいずれか一項に記載の漂白助剤と、(c)バインダー化合物を含有することを特徴とする漂白助剤粒子である。
<漂白助剤(A)>
本発明の漂白助剤(以下、漂白助剤(A)と呼ぶ。)は、例えば漂白剤組成物などにおいて、漂白効果を奏する酸化反応成分とともに使用されることによって、酸化促進効果を発揮するものであって、(a)ポリカルボン酸系高分子化合物(以下、(a)成分と略す。)と、(b)マンガンおよび/または銅化合物(以下、(b)成分と略す。)とを含有して構成される。
なお、本明細書において「漂白効果」とは、例えば紅茶などの色素が沈着して形成された染みを薄く、または除去できる効果のことを言う。
本発明の漂白助剤(A)を構成する(a)成分として、ポリカルボン酸系高分子化合物とは、構成単位中にカルボキシル基を有する数平均分子量1000以上の重合物を意味し、数平均分子量としては、2000〜200000の範囲が好ましく、5000〜10000の範囲がより好ましい。数平均分子量が2000以下であると酸化触媒としての性能が低下し、200000以上であると粘度の上昇に伴い取り扱いが困難となる。これらは1種単独又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。
また、本発明の漂白助剤は、(a)成分が下記一般式(I)または(II)のいずれかの構造を構成単位とする高分子化合物であることが好ましい。
本発明の漂白助剤(A)を構成する(b)成分としては、漂白剤組成物や溶媒として水が使用されることが多いため、水に投入された場合にそれらのイオンを発生するものが好ましく、水溶性金属塩が好ましい。水溶性金属塩としては、硝酸塩、硫酸塩、塩化物、酢酸塩、過塩素酸塩、アセチルアセトナート塩、クエン酸塩、シアン化塩、シュウ酸塩、塩化アンモニウム塩、酒石酸塩などが挙げられる。
マンガンの場合には、硝酸マンガン、硫酸マンガン、塩化マンガン、酢酸マンガン、過塩素酸マンガン、マンガンアセチルアセトナートなどが好ましく、銅の場合には、硝酸銅、硫化銅、硫酸銅、塩化銅、酢酸銅、クエン酸銅、シアン化銅、シュウ酸銅、塩化アンモニウム銅、酒石酸銅、過塩素酸銅などが好ましい。
また、銅化合物とマンガン化合物では、過酸化水素系化合物の安定性に優れる点でマンガン化合物が特に好ましい。
これらは1種単独又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。
錯体の具体的な製造方法としては、まず、溶媒中に、(b)成分と配位子となる(a)成分とを加えて溶解し、さらに必要に応じてアルカリ剤を添加し、好ましくは室温〜100℃、さらに好ましくは25℃程度の室温下にて攪拌して、これらを反応させる(反応工程)。攪拌時間は、好ましくは1分間以上、さらには好ましくは1分〜5時間、より好ましくは10分間程度である。反応工程終了後、ただちに反応液から溶媒を減圧留去して、反応工程で生成した固体状錯体と副生塩とを混合物の形態で回収する(回収工程)。
また、こうして得られた漂白助剤(A)には、さらに(a)成分および/または(b)成分を加えるなどして、マンガンおよび/または銅の量や配位子の量を適宜調整してから使用してもよい。
アルカリ剤としては、トリエチルアミン、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウムなどが使用できる。
また、(b)成分としては、溶媒に溶解してマンガンおよび/または銅イオンを発生するものが好ましく、先に例示した各種水溶性金属塩の他、使用する溶媒に可溶な他の塩(例えば、有機溶媒可溶性塩など)や、過マンガン酸カリウムなどを用いることもできる。溶媒としては、上述したように、好ましくは水が使用されることから、(b)成分としては水溶性金属塩を使用することが好ましい。
本発明の漂白助剤粒子(以下、漂白助剤粒子(E)と呼ぶ。)は、上記の漂白助剤(A)、および(c)バインダー化合物(以下、(c)成分と略す。)を含有して造粒される。
漂白助剤粒子(E)の粒子径は、溶解性、安定性、被処理物への影響の点から、平均粒子径が200〜1000μmが好ましく、より好ましくは300〜700μmである。該粒子径が上記範囲の下限値以上であると、漂白助剤粒子(E)の良好な保存安定性が得られるとともに、(b)成分と被処理物との直接接触が良好に抑制されて被処理物の損傷が防止される。また該粒子径が上記範囲の上限値以下であると、漂白助剤粒子(E)の溶解性が良好であり漂白効果が効率良く得られる。
ここでの平均粒子径は、下記に詳述する分級操作を用いた測定方法により求めた質量基準のメジアン径である。
なお漂白助剤粒子(E)が、後述する表面被覆剤で表面被覆されている場合、上記した漂白助剤粒子(E)の粒子径は、表面被覆前の粒子径を指すものとする。
まず、測定対象物(サンプル)について、目開き1,680μm、1,410μm、1,190μm、1,000μm、710μm、500μm、350μm、250μm、149μmの9段の篩と受け皿を用いて分級操作を行う。分級操作は、まず受け皿の上方に該9段の篩を、上に向かって目開きが次第に大きくなるように積み重ね、最上部の目開き1,680μmの篩の上から100g/回のサンプルを入れる。次いで、蓋をしてロータップ型ふるい振盪機(飯田製作所社製、タッピング:156回/分、ローリング:290回/分)に取り付け、10分間振動させた後、それぞれの篩および受け皿上に残留したサンプルを篩目ごとに回収して、サンプルの質量を測定する。
受け皿と各篩との質量頻度を積算していくと、積算の質量頻度が、50%以上となる最初の篩の目開きをaμmとし、aμmよりも一段大きい篩の目開きをbμmとし、受け皿からaμmの篩までの質量頻度の積算をc%、またaμmの篩上の質量頻度をd%として、下記数式(1)より平均粒子径(質量50%)を求める。
本発明の漂白助剤粒子(E)中に含まれる漂白助剤(A)の粒子径は、漂白助剤(A)の溶解性、および漂白助剤(A)による被処理物への影響と重要な関係がある。具体的には、漂白助剤(A)の粒子径が大きいほど溶解性が低下するため、直接被処理物と接触する機会が増す。したがって、粒子径が大きい漂白助剤(A)が多く存在するほど、被処理物への染着やダメージが大きくなる。
ここでの平均粒子径及び粒度分布は、レーザー光散乱法(例えば、粒度分布測定装置(LDSA−3400A(17ch)、東日コンピューターアプリケーションズ(株)製を使用)によって測定した値である。
平均粒子径は体積基準のメジアン径である。
本発明の漂白助剤粒子(E)を構成する(c)成分の例としては、各種ノニオン活性剤や炭素数12〜20の飽和脂肪酸、平均分子量500〜25000のポリエチレングリコール等が好ましい。これらは1種単独又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。
ポリエチレングリコールとしては、融点50〜65℃のポリエチレングリコール4000(平均分子量2600〜3800)〜6000(平均分子量7300〜9300)が好ましく、特にポリエチレングリコール6000(平均分子量7300〜9300)が好ましい。
炭素数12〜20の飽和脂肪酸としては、炭素数14〜20のものが好ましく、より好ましくは炭素数14〜18の飽和脂肪酸である。
なお、本発明におけるポリエチレングリコールの平均分子量は、化粧品原料基準(第2版注解)記載の平均分子量を示す。ポリアクリル酸やその塩の質量平均分子量は、ポリエチレングリコールを標準物質とするゲルパーミエーションクロマトグラフィー法による測定値である。
(c)成分の配合量が5質量%未満であると、漂白助剤粒子(E)の強度や安定性が著しく低下する場合があり、また、90質量%を超えると、漂白助剤(A)の酸化促進効果を阻害する場合がある。
本発明の漂白助剤粒子(E)中には、(a)〜(c)成分の他に、溶解促進成分、他の過酸化水素分解抑制成分や繊維の損傷・変褪色抑制成分、表面被覆剤、キレート剤などを配合することができる。
溶解促進成分としては、水溶性塩や界面活性剤が挙げられ、(a)〜(c)成分の配合量を規定したのち、漂白助剤粒子(E)全体のバランス成分として任意量を配合することができる。
水溶性塩としては、特に制限されることなく、無機塩、有機塩のいずれも使用することができる。具体的には、アルカリ金属を対イオンとする硫酸塩、炭酸塩、硝酸塩、塩化物、硼酸塩、燐酸塩、珪酸塩等の各種無機塩や、同じくアルカリ金属を対イオンとする酢酸塩、クエン酸塩、シュウ酸塩、フマル酸塩等が挙げられる。これらの中では、価格、安全性、安定性の点で硫酸ナトリウムが特に好ましい。
界面活性剤としては、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤のいずれからも選ぶことができ、これらは1種単独又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。
特に好ましい界面活性剤としては、炭素数10〜20のアルキル硫酸塩又はアルケニル硫酸塩、炭素鎖長14のα−オレフィンスルホン酸ナトリウム、アミンオキサイド等である。
過酸化水素分解抑制成分や繊維の損傷・変褪色抑制成分の例としては、粘土鉱物、層状シリケート、繊維パウダー、およびアスコルビン酸やメトキシフェノール等の抗酸化剤が挙げられる。これらの中では、繊維パウダーの1種であるセルロースパウダー、または、メトキシフェノールが特に好ましい。
繊維パウダーとして、水不溶性又は水難溶性の繊維パウダーを配合することができる。
ここでいう水不溶性又は水難溶性繊維パウダーとは、25℃脱イオン水100gに対する溶解度が0.1g未満の繊維パウダーである。繊維パウダーは、例えば繊維、凍結した繊維、または溶媒に分散させた繊維を、粉砕機等を用いて粉砕、破砕して得られる。
繊維パウダーの例としては、粉末セルロース、シルクパウダー、ウールパウダー、ナイロンパウダー、ポリウレタンパウダー等が挙げられる。
粉末セルロースは、針葉樹や広葉樹等の木材;麻類、ミツマタ、コウゾ、ガンピ、ワラ、バガス、タケ等の葉繊維、茎繊維、およびジン皮繊維;モメン、キワタ、カポック等の種子毛繊維等を精製したもの、必要に応じて部分的に加水分解したもの、または綿、麻、レーヨン等に加工されたものから得られ、非結晶性部分を有するものである。
好ましく使用できる市販品の例としては、KCフロックW−400G(日本製紙株式会社製)、ArbocelBE−600/10、ArbocelBE−00、ArbocelBE−600/30、ArbocelFD−600/30、Arbocel TF30HG、ArbocelWW−40、ArbocelBC−200、ArbocelBE−600/20(いずれもレッテンマイヤー社製)、出光シルクパウダー(出光石油化学株式会社製)、シルクパウダー(大東化成工業株式会社製)、2002EXDNATCOS
Type−S(Elf Atochem社製)等が挙げられる。
ここでの平均粒子径又は平均繊維長の値は、日本薬局方に記載された粒度の試験に準じた篩い分けによる粒度分布から算出される値であり、体積基準のメジアン径である。
好適な大きさの繊維パウダーを得るには、市販品の中から好ましい範囲に含まれるものを選別してもよく、好ましい大きさになるように、粉砕や篩い分け等をしてもよい。
本発明において繊維パウダーは必須ではないが、これを漂白助剤粒子(E)に含有させることにより、製造性を向上させる効果、および被処理物へのダメージをより抑制する効果が得られる。
漂白助剤粒子(E)中における繊維パウダーの含有量は、1〜50質量%が好ましく、5〜30質量%がより好ましい。上記範囲を超えると造粒が困難になる虞や、造粒物の強度が低下する場合があり、上記範囲未満では被処理物のダメージ抑制効果が充分に得られない場合がある。
表面被覆剤としては、吸油性担体粒子であればいずれも使用することができる。吸油担体としての機能を有する粒子であると、漂白助剤粒子(E)表面に付着しやすく、製造上好ましい。
表面被覆剤の例としては、A型ゼオライト、P型ゼオライト、シリカ、珪藻土等を挙げることができる。具体的には、シリカ、A型ゼオライト等が好適である。漂白助剤粒子(E)への付着性を考慮すると吸油性担体の平均粒子径が10〜100μmであることが好ましい。
キレート剤としては、主に水道水中、あるいは汚れに含まれる多価金属イオンを捕捉すると考えられるものであって、これを水に溶かしたときに、多価金属イオンを捕捉する作用を有するものであれば特に制限はないが、例えばトリポリリン酸塩等の無機ポリリン酸塩化合物;1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸、エタン−1,1−ジホスホン酸またはそれらの塩等のホスホン酸類;クエン酸、リンゴ酸、イミノジコハク酸、3ヒドロキシイミノジコハク酸、またはそれらの塩等のヒドロキシカルボン酸類;エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、ニトリロ三酢酸(NTA)、ジエチレントリアミノ五酢酸、メチルグリシンジ酢酸またはそれらの塩等のアミノポリカルボン酸類等が好ましく用いられる。
有機キレート剤としてホスホン酸系キレート剤、カルボン酸系キレート剤が好ましく、アミノポリカルボン酸系キレート剤がより好ましい。
塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩や、モノエタノールアミン塩、ジエタノールアミン塩等のアルカノールアミン塩等が挙げられる。
生分解性の良好なキレート剤としては、たとえばメチルグリシンジ酢酸塩(MGDA)、β−アラニンジ酢酸塩(ADAA)、イソセリンジ酢酸塩(ISDA)、アスパラギン酸ジ酢酸塩(ASDA)、セリンジ酢酸塩(SDA)、グルタミン酸ジ酢酸塩(GLDA)、イミノジコハク酸塩(IDS)、ヒドロキシイミノジコハク酸塩(HIDS)等が知られている。
上記の成分の他に、漂白助剤粒子(E)に、後述の押出造粒法を用いて製造する場合には、粘度を調整して製造性を向上させるために、クエン酸ナトリウム、硫酸ナトリウム、4ホウ酸ナトリウム等の有機又は無機塩を配合すること、および/または粉砕助剤としてA型ゼオライト等のアルミノ珪酸塩を配合することが好ましい。これらを配合する場合の配合量は、漂白助剤粒子(E)中3〜50質量%が好ましく、より好ましくは5〜40質量%である。
例えば、酸化チタン、酸化鉄、コバルトフタロシアニン、群青、紺青等を好適に使用できる。これらの色素は、造粒の際に、ポリエチレングリコール(PEG)等のバインダー成分に溶解又は分散して用いるのが好ましい。
漂白助剤粒子(E)の製造方法としては、特に制限されるものではないが、その例としては、(a)〜(c)成分、および任意成分を混合機や混練機等で混合した後、押出成型機を用いて、多孔ダイスやスクリーンを通して直系1mm程度のヌードル状に押出し、破砕する方法、溶解した(c)成分に(a)、(b)成分および任意成分を溶解、分散させ、ミキサー中で塊状物質を成型後、粉砕機で粉砕する方法、撹拌造粒機、容器回転型造粒機又は流動床造粒機等を用いて、(a)成分、および(b)成分を混合後、該混合物を攪拌または流動させながら液状の(c)成分、または(c)成分の水溶液を添加する方法等が挙げられる。
また、(a)、(b)成分は別々に造粒して製品中で混合して使うこともできる。
本発明の漂白助剤粒子(E)は、前述の表面被覆剤で表面被覆してもよい。表面被覆は、漂白助剤粒子(E)と表面被覆剤をよく混合することにより、漂白助剤粒子(E)の表面に表面被覆剤を付着させる方法で行うことができる。
混合方法は特に限定されないが、例えば、漂白助剤粒子(E)と表面被覆剤を、リボンミキサーやトロンメル等で混合する方法が挙げられる。また、過剰の表面被覆剤は、ふるい等によって漂白助剤粒子(E)と分離して除去することが好ましい。
また、漂白剤組成物などに酸化反応成分とともに使用することで、高い漂白効果を発現させることができる。
(a)成分として、表1に示す3種類のポリカルボン酸系高分子P、Q、Rを用いた。(以下、高分子P、Q、Rと略す。)
イオン交換水200ml中に、(a)成分として、高分子Pの40%水溶液47.5gを添加し、60℃で10分間攪拌して溶解させた。次に、(b)成分として、硫酸銅(II)5水和物(関東化学株式会社製)1.0gをイオン交換水10gに室温で溶解させた。これらの水溶液を混合した後、室温で10分間攪拌して反応させた。その後、反応液から、減圧下150℃で水を留去することにより、アミノポリカルボン酸系高分子である高分子Pの銅錯体L1を、副生する硫酸ナトリウムとともに得た。
イオン交換水200ml中に、高分子Pの40%水溶液47.5gを添加し、60℃で10分間攪拌して溶解させた。次に硫酸マンガン(II)5水和物(関東化学株式会社製)1.0gをイオン交換水10gに室温で溶解させた。これらの水溶液を混合した後、室温で10分間攪拌して反応させた。その後、反応液から、減圧下、150℃で水を留去することにより、アミノポリカルボン酸系高分子である高分子Pのマンガン錯体M1を、副生する硫酸ナトリウムとともに得た。
イオン交換水200ml中に、高分子Qの40%水溶液47.5gを添加し、60℃で10分間攪拌して溶解させた。次に遷移金属イオン源である硫酸銅(II)5水和物(関東化学株式会社製)1.0gをイオン交換水10gに室温で溶解させた。これらの水溶液を混合した後、室温で10分間攪拌して反応させた。その後、反応液から、減圧下、150℃で水を留去することにより、アクリル酸/マレイン酸共重合体である高分子Qの銅錯体L2を、副生する硫酸ナトリウムとともに得た。
イオン交換水200ml中に、高分子Qの40%水溶液47.5gを添加し、60℃で10分間攪拌して溶解させた。次に遷移金属イオン源である硫酸銅(II)5水和物(関東化学株式会社製)1.0gをイオン交換水10gに室温で溶解させた。これらの水溶液を混合した後、室温で10分間攪拌して反応させた。その後、反応液から、減圧下、150℃で水を留去することにより、アクリル酸/マレイン酸共重合体である高分子Qの銅錯体M2を副生する硫酸ナトリウムとともに得た。
(a)〜(c)成分と、溶解促進剤、表面被覆剤を用いて、以下に示す3通りの方法で漂白助剤粒子(E)を製造した。各成分の組成を表2、3に示す。
(b)成分75g、硫酸ナトリウム(四国化成工業株式会社製 中性無水芒硝)2405gを株式会社マツボー社製レディゲミキサーM20型に投入し、攪拌させながら(a)成分および(c)成分をかねたポリカルボン酸系高分子水溶液(高分子PまたはQ)370gをゆっくりと滴下し、更に攪拌させながら微粉シリカ(株式会社トクヤマ製トクシール)150gを添加することにより、目的の漂白助剤粒子(E)を得た。
(a)〜(c)成分、合計500gを表2の比率となるように株式会社クリモト鉄工所製連続ニーダーKRS−S1型に投入し、65℃で混練後、直径1mmの多孔性スクリーンを通して押出すことにより、ヌードル状の固形物を得た。
この固形物を岡田精工株式会社製NEW SPEED MILLを用いて破砕することにより、漂白助剤粒子(E)を得た。
(a)〜(c)成分、合計500gを表2、3の比率となるように、押出造粒法と同様に65℃で混練後、多孔性スクリーンを通さずに押し出すことにより、塊状の固形物を得た。
この塊状固形物を数センチ角の塊に粉砕後、押出造粒法と同様に破砕することにより、酸化触媒粒子を得た。
(漂白剤組成物1の調整)
表4に示した組成物500gに上記漂白触媒粒子12gを配合し、均一に混合することにより、漂白剤組成物1を得た。
表5に示した組成物700gに上記漂白触媒粒子7gを配合し、均一に混合することにより、漂白剤組成物2を得た。
(カレー汚染布の調製)
5分間熱湯で温めたレトルトカレー(ボンカレーゴールド中辛(大塚食品株式会社製、内容量200g/1パック))5パック分を、カーゼを用いてろ過し、固形物を取り除き、その液に25×30cmの平織り木綿布(#100)5枚を浸し、30分間温めながら均一に付着させた。布を取り出し、洗液に色の付かなくなるまで水道水ですすぎ、脱水し、自然乾燥した後、5×5cmの試験片とし、実験に供した。
上記漂白剤組成物1が0.5質量%濃度(25℃の脱イオン水及び塩化カルシウムを用いて3°DH硬水に調製)の試験溶液200mLを調製し、これに上記で得られた汚染布5枚を1時間つけ置きした。その後、水道水すすぎ2分、脱水1分を行い、25℃で12時間風乾した。
原布及び洗浄前後の反射率は日本電色工業株式会社製 NDR−101DPで460nmのフィルターを使用して測定し、次式により洗浄漂白力を求め、漂白性能の評価を行った。漂白力は5枚の汚染布に対する漂白力の平均値を求め、下記に示す4段階の評価基準により評価した。
基準組成(25℃、3°DH、30分間つけ置き)
過炭酸ナトリウム50%、炭酸ナトリウム50%(漂白率45%)
×:基準組成に比べて漂白力が低い。
△:基準組成に比べて漂白力が同等以上0%以上+10%未満。
○:基準組成に比べて漂白力が高く、+10%以上15%未満。
◎:基準組成に比べて漂白力が著しく高く、+15%以上。
結果を表2、3に示す。
(紅茶汚染布の調製)
紅茶汚染布日東紅茶(黄色パッケージ)84gを4Lの水道水にて15分間煮沸した後、糊抜きしたサラシ木綿でこし、この液に35×35cmの平織り木綿布(#100)120gを浸し、15分間煮沸した。そのまま火よりおろし、2時間放置後、自然乾燥させ、洗液に色の付かなくなるまで水道水で洗浄し、脱水し、プレスした後、5×5cmの試験片とし、実験に供した。
上記の紅茶汚染布5枚を自動食器洗い乾燥機「松下電器産業株式会社製、機種NP−40SX2」に装填し、調製した漂白剤組成物2を6g使用して標準コース洗浄を行った。仕上がり具合をそれぞれの評価基準に基づいて官能評価した。漂白力はカレー染みと同様に評価した。
カレー汚染布漂白試験と同様に、上記漂白剤組成物2が0.5質量%濃度(25℃の脱イオン水及び塩化カルシウムを用いて3°DH硬水に調製)の試験溶液200mLを調製し、これに上記で得られた汚染布5枚を1時間つけ置きした。その後、水道水すすぎ2分、脱水1分を行い、25℃で12時間風乾した。
原布及び洗浄前後の反射率は日本電色工業株式会社製 NDR−101DPで460nmのフィルターを使用して測定し、上記数式(2)により洗浄漂白力を求め、漂白性能の評価を行った。漂白力は5枚の汚染布に対する漂白力の平均値を求め、下記に示す4段階の評価基準により評価した。
基準組成(25℃、3°DH、30分間つけ置き)
過炭酸ナトリウム50%、炭酸ナトリウム50%(漂白率45%)
×:基準組成に比べて漂白力が低い。
△:基準組成に比べて漂白力が同等以上0%以上+10%未満。
○:基準組成に比べて漂白力が高く、+10%以上15%未満。
◎:基準組成に比べて漂白力が著しく高く、+15%以上。
結果を表2、3に示す。
上記漂白剤組成物1について以下の方法で過酸化水素安定性試験を行った。容器(詰替えパウチ3層構造 外からポリエチレン/ポリプロピレン/ナイロン=130μm/25μm/15μm、直径0.3mmのピンホール有り)に、漂白剤組成物400gを入れ、45℃、25℃リサイクル条件(45℃・湿度85%16h,25℃・湿度65%8h)にて2W保存後、ヨードメトリー法にて過酸化水素(過炭酸ナトリウム)の安定性評価を行った。
過炭酸ナトリウムの残存率の数値から、以下の5段階で過酸化水素安定性を評価した。
5点:90%超過。
4点:80%超過〜90%以下。
3点:70%超過〜80%以下。
2点:60%超過〜70%以下。
1点:40%超過〜60%以下。
0点:0%〜40%以下。
結果を表2、3に示す。
比較例1、2では(a)成分を含まないために、漂白力、過酸化水素安定性ともに低かった。比較例3では(b)成分を含まないために、過酸化水素安定性は高いものの漂白力が低かった。比較例4では、(a)成分、(b)成分ともに含まないために、過酸化水素安定性は高いものの漂白力が低かった。なお、比較例5は、(a)〜(c)成分をいずれも含まないベース組成物(J)であり、過酸化水素安定性は十分であるが、除菌力は無い。
Claims (4)
- (a)ポリカルボン酸系高分子化合物と、(b)マンガンおよび/または銅化合物とを含有することを特徴とする漂白助剤。
- 前記(a)成分が、下記一般式(I)または(II)のいずれかの構造を構成単位とする高分子化合物であることを特徴とする請求項1に記載の漂白助剤。
- 前記(a)成分が、アクリル酸とマレイン酸の共重合物であることを特徴とする請求項1または2に記載の漂白助剤。
- 請求項1〜3のいずれか1項に記載の漂白助剤、および(c)バインダー化合物を含有することを特徴とする漂白助剤粒子。
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