JP2009148655A - 炭化水素の接触分解用触媒組成物およびその製造方法 - Google Patents

炭化水素の接触分解用触媒組成物およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 高沸点留分を効果的にガソリン、灯軽油留分に分解するができる。
【解決手段】 この炭化水素の接触分解用触媒組成物は、フォージャサイト型ゼオライトと無機酸化物マトリックスとからなり、該フォージャサイト型ゼオライトの形状が平板状であり、平均平面幅(W)が0.02〜2μmの範囲にあり、平均厚み(T)が0.01〜0.5μmの範囲にあり、アスペクト比(W)/(T)が2〜10の範囲にある。
【選択図】 図1

Description

本発明は、平板状のフォージャサイト型ゼオライトと無機酸化物マトリックスとからなる炭化水素接触分解用触媒組成物に関する。
従来、ガソリン製造プロセスの1つとして軽油等の炭化水素の流動接触分解プロセスが知られている。第1次石油ショック以降、特に近年の原油価格の高騰により、残渣油などの劣質な重質炭化水素油を接触分解の原料油として用いるケースが増加している。
残渣油は高沸点の炭化水素を含むが、芳香族性に富むとともにV、Ni、Fe等の金属を含有している。原料油が芳香族性に富む場合、コーク(通常、水素/炭素比が2以下の炭化水素)が生成しやすく、有用なガソリン、灯油、軽油留分への選択性が低いという問題がある。また、V、Ni、Fe等の金属を含有しているためによりコークの生成を促進するとともにガス(炭素数2以下の炭化水素であり、以下、ドライガスということがある。)が増加する問題がある。
さらに、流動接触分解プロセスは、コークが析出した反応後の触媒を再生塔にてコークを燃焼除去して再生し、これを反応塔に戻し、連続的に運転される。
この時、コーク生成量が高い場合、再生塔での温度が高くなり過ぎるため、装置的な問題とともに触媒が失活する問題があった。このため、コーク生成を抑制するために残渣油と軽油あるいは減圧軽油とを混合して用いることが行われている。
一方、接触分解用触媒としては、フォージャサイト型ゼオライトと無機酸化物マトリックスからなる触媒が知られている。例えば、ゼオライトとして耐水熱性、耐メタル性等に優れた超安定性ゼオライト(Ultra Stable Zeolite)を用いることが開示されている(特公平4−12754号公報)。
また、微細なフォージャサイト型ゼオライトを含む接触分解触媒を減圧軽油の接触分解に用いるとガソリン、灯油留分の生成量が増加するが、一方で耐熱性に乏しいことも周知である。
本願出願人は、平均粒子径が0.5μm以下で、アスペクト比が2以上のフォージャサイト型ゼオライトおよびその製造方法を開示しており、該ゼオライトが触媒、吸着剤として有用であることも開示している(特開平10−067514号公報)。
また、本願出願人は、平均粒子径が0.8μm以下と小さく、アスペクト比が7以上の板状フォージャサイト型ゼオライトおよびその製造方法を開示しており、該ゼオライトが分離膜、ハイドロクラッキング、アルキレーションなどの触媒、触媒担体、吸着剤等として有用であることも開示している(特開2004−315338号公報)。
特公平4−12754号公報 特開平10−067514号公報 特開2004−315338号公報
前記した状況下、本願発明者等は鋭意検討した結果、特定の平板状のフォージャサイト型ゼオライトを用いると、コーク生成量を増加させることなくガソリンおよび/または灯軽油留分の生成量を増加させることができることを見出して本発明を完成するに至った。
本発明は、軽油、減圧軽油、残渣油等の接触分解において、ガソリン、灯軽油留分の生成量が多く、コークの生成量が少ない、すなわち、高沸点留分を効果的にガソリン、灯軽油留分に分解することのできる炭化水素接触分解用触媒組成物を提供することを目的とする。
本発明の炭化水素接触分解用触媒組成物は、フォージャサイト型ゼオライトと無機酸化物マトリックスとからなり、該フォージャサイト型ゼオライトの形状が平板状であり、平均平面幅(W)が0.02〜2μmの範囲にあり、平均厚み(T)が0.01〜0.5μmの範囲にあり、アスペクト比(W)/(T)が2〜10の範囲にあることを特徴とする。
前記平板状フォージャサイト型ゼオライトの含有量が5〜50重量%の範囲にあることが好ましい。
前記平板状フォージャサイト型ゼオライトのSiO2/Al23モル比が3〜20の範囲にあることが好ましい。
前記ゼオライトが下記の工程(a)〜(d)からなる方法よって製造され、得られるフォージャサイト型ゼオライトの形状が平板状であり、平均平面幅(W)が0.02〜0.5μmの範囲にあり、平均厚み(T)が0.01〜0.2μmの範囲にあり、アスペクト比(W)/(T)が2〜10の範囲にある平板状フォージャサイト型ゼオライトを用いることが好ましい。
(a)酸化物モル比が下記の範囲にあるマトリックスヒドロゲルスラリーを調製する工程
2O/Al23 = 2.0〜5.0(Mはアルカリ金属を示す)
SiO2/Al23 = 5〜16
2O/Al23 = 2000〜5000
(b)酸化物モル比が下記の範囲にあるヒドロゲルスラリーを調製し、これを0〜50℃で100〜1000時間熟成して透明性シード溶液を調製する工程
2O/Al23 = 12〜18(Mはアルカリ金属を示す)
SiO2/Al23 =14〜20
2O/Al23 = 100〜2000
(c)マトリックスヒドロゲルスラリーと透明性シード溶液とを混合して酸化物モル比が下記の範囲にある混合ヒドロゲルスラリーを調製する工程
2O/Al23 =5.0〜15.0(Mはアルカリ金属を示す)
SiO2/Al23 =6.0〜20.0
2O/Al23 =1000〜3000
(d)混合ヒドロゲルスラリーを50〜120℃で12〜96時間水熱処理して結晶化する工程
前記工程(b)における熟成後の透明性シード溶液中に含まれるシリカ・アルミナゲル粒子の平均粒子径が0.01〜0.5μmの範囲にあることが好ましい。
前記マトリックスヒドロゲルスラリーと前記透明性シード溶液の混合割合が、Al23モル比で1/0.5〜1/1.5の範囲であることが好ましい。
本発明は、無機酸化物マトリックス前駆体および平均平面幅(W)が0.02〜0.5μmの範囲にあり、平均厚み(T)が0.01〜0.2μmの範囲にあり、アスペクト比(W)/(T)が2〜10の範囲にある平板状フォージャサイト型ゼオライトを含む混合スラリーを、噴霧乾燥して球状粒子とし、これを洗浄、乾燥する炭化水素接触分解用触媒組成物の製造方法において、前記ゼオライトが下記の工程(a)〜(d)により調製されることを特徴とする。
(a)酸化物モル比が下記の範囲にあるマトリックスヒドロゲルスラリーを調製する工程
2O/Al23 = 2.0〜5.0(Mはアルカリ金属を示す)
SiO2/Al23 = 5〜16
2O/Al23 = 2000〜5000
(b)酸化物モル比が下記の範囲にあるヒドロゲルスラリーを調製し、これを0〜50℃で100〜1000時間熟成して透明性シード溶液を調製する工程
2O/Al23 = 12〜18(Mはアルカリ金属を示す)
SiO2/Al23 =14〜20
2O/Al23 = 100〜2000
(c)マトリックスヒドロゲルスラリーと透明性シード溶液とを混合して酸化物モル比が下記の範囲にある混合ヒドロゲルスラリーを調製する工程
2O/Al23 =5.0〜15.0(Mはアルカリ金属を示す)
SiO2/Al23 =6.0〜20.0
2O/Al23 =1000〜3000
(d)混合ヒドロゲルスラリーを50〜120℃で12〜96時間水熱処理して結晶化する工程
本発明によれば、ゼオライトが平板状のフォージャサイト型ゼオライトであるために、軽油、残渣油等の接触分解において高いガソリン選択性を有するとともに、高沸点留分に対する分解活性に優れる一方で、コークの生成量が少なく、灯軽油留分選択性が高いという優れた分解特性を有する炭化水素の接触分解用触媒組成物を提供することが可能である。
以下に本発明に係る炭化水素接触分解用触媒組成物について具体的に説明する。
本発明に係る炭化水素接触分解用触媒組成物は、フォージャサイト型ゼオライトと無機酸化物マトリックスとからなり、該フォージャサイト型ゼオライトの形状が平板状であり、平均平面幅(W)が0.02〜2μmの範囲にあり、平均厚み(T)が0.01〜0.5μmの範囲にあり、アスペクト比(W)/(T)が2〜10の範囲にあることを特徴としている。
本発明の炭化水素接触分解用触媒組成物は、流動接触分解プロセスに用いることを主目的としているが、固定床あるいは移動床プロセスに用いられるビード、ペレット等の成型触媒を排除するものではない。
平板状フォージャサイト型ゼオライト
本発明の炭化水素接触分解用触媒組成物を構成するフォージャサイト型ゼオライトは、形状が平板状であり、平均平面幅(W)が0.02〜2μm、さらには0.04〜0.5μmの範囲にあることが好ましい。なお、平面幅(W)とはフォージャサイト型ゼオライト粒子の最大径を意味する。
平均平面幅(W)が0.02μm未満のものは得ることが困難であり、得られたとしても結晶性が低く、充分な活性が得られない場合がある。
平均平面幅(W)が2μmを越えると、仮にアスペクト比が2〜10の範囲にあったとしても、単位重量当たりのゼオライトの外部表面積が低下するためか、前記した優れた分解特性、即ち、軽油、残渣油等の接触分解において高いガソリン選択性を有するとともに、高沸点留分に対する分解活性に優れる一方で、コークの生成量が少なく、灯軽油留分選択性が高いと云う効果が得られない場合がある。
平均厚み(T)は0.01〜0.5μm、さらには0.01〜0.2μmの範囲にあることが好ましい。
平均厚み(T)が0.01μm未満のものは得ることが困難であり、得られたとしても結晶性が低く、充分な活性が得られない場合がある。
平均厚み(T)が0.5μmを越えるとアスペクト比が2〜10の範囲にあったとしても、単位重量当たりのゼオライトの外部表面積が低下するためか高沸点留分に対する分解活性が不充分となる。また、平均厚みの薄いゼオライトに比して拡散に時間がかかり、ゼオライト粒子内での分解生成物炭化水素の滞留時間が長くなることからコークの生成、ガスの生成が増大するため、前記した優れた分解特性が得られない場合がある。
アスペクト比(W)/(T)の測定は、ゼオライトの透過型電子顕微鏡写真(TEM)または走査型電子顕微鏡写真(SEM)を撮影し、ゼオライト粒子の形状を観察し、50個のゼオライト粒子について平面幅および厚みを測定し、これらの平均値として平均平面幅(W)と平均厚み(T)を求め、(W)を(T)で除して求めることができる。
炭化水素接触分解用触媒組成物中の平板状フォージャサイト型ゼオライトの含有量は5〜50重量%、さらには10〜45重量%の範囲にあることが好ましい。
フォージャサイト型ゼオライトの含有量が5重量%未満の場合は、高沸点留分に対する分解活性が不充分で、ガソリンおよび/または灯軽油留分の収率が不充分となる場合がある。一方、フォージャサイト型ゼオライトの含有量が50重量%を越えると、高沸点留分に対する分解活性は高いものの、ゼオライトの含有量が多すぎて、流動接触分解触媒の場合は耐摩耗性が不充分となる場合がある。また、ビード、ペレット等の成型触媒として用いる場合は強度が不充分となる場合がある。
前記平板状フォージャサイト型ゼオライトのSiO2/Al23モル比は3〜20、さらには5〜15の範囲にあることが好ましい。
SiO2/Al23モル比が3未満の場合は、耐熱性、耐水熱性が不充分で、高温で反応、再生が行われる流動接触分解プロセスではゼオライトの結晶性が低下し、活性が不充分となる場合がある。一方、SiO2/Al23モル比が20を超えると、耐熱性、耐水熱性に優れるものの活性が不充分となる場合がある。
なお、フォージャサイト型ゼオライトのSiO2/Al23モル比が6を越えるものは直接合成法で得ることは困難であり、合成できたとしても長時間を要したり、結晶性が不充分となることがある。このため、先ず、SiO2/Al23モル比が3〜6のNaYフォージャサイト型ゼオライトを合成し、アンモニウム交換し、ついで水熱処理、必要に応じて酸処理により脱アルミをしてSiO2/Al23モル比を高くして用いられる。
前記平板状フォージャサイト型ゼオライトは、形状およびSiO2/Al23モル比が前記した範囲にあれば、従来公知の流動接触分解触媒用のフォージャサイト型ゼオライトと同様にして製造することができる。また、得られるゼオライトの組成、物理性状も従来公知の範囲内のゼオライトも使用することができ、例えば、特開2004−315338号公報(特許文献3)に開示した微粒の平板状ゼオライトは好適に用いることができる。
本発明に用いるフォージャサイト型ゼオライトは、下記の方法よって製造された平板状フォージャサイト型ゼオライトであることが好ましい。
この方法では、平均平面幅(W)が0.02〜0.5μmの範囲にあり、平均厚み(T)が0.01〜0.2μmの範囲にあり、平均平面幅(W)と平均厚み(T)との比(W)/(T)が2〜10の範囲にある平板状のフォージャサイト型ゼオライトを得ることができる。
(a)酸化物モル比が下記の範囲にあるマトリックスヒドロゲルスラリーを調製する工程
2O/Al23 = 2.0〜5.0(Mはアルカリ金属を示す)
SiO2/Al23 = 5〜16
2O/Al23 = 2000〜5000
(b)酸化物モル比が下記の範囲にあるヒドロゲルスラリーを調製し、これを0〜50℃で100〜1000時間熟成して透明性シード溶液を調製する工程
2O/Al23 = 12〜18(Mはアルカリ金属を示す)
SiO2/Al23 =14〜20
2O/Al23 = 100〜2000
(c)マトリックスヒドロゲルスラリーと透明性シード溶液とを混合して酸化物モル比が下記の範囲にある混合ヒドロゲルスラリーを調製する工程
2O/Al23 =5.0〜15.0(Mはアルカリ金属を示す)
SiO2/Al23 =6.0〜20.0
2O/Al23 =1000〜3000
(d)混合ヒドロゲルスラリーを50〜120℃で12〜96時間水熱処理して結晶化する工程
マトリックスヒドロゲルスラリー
マトリックスヒドロゲルスラリーのM2O/Al23モル比は2.0〜5.0、さらには2.5〜4.5の範囲にあることが好ましい。
マトリックスヒドロゲルスラリーのM2O/Al23モル比が2.0未満の場合は、フォージャサイト型ゼオライトが得られないか、得られたとしても結晶化に長時間を要し、マトリックスヒドロゲルスラリーのM2O/Al23モル比が5.0を越えてもフォージャサイト型ゼオライトが得られないか、他の結晶型のゼオライトが生成したり、得られたとしてもSiO2/Al23モル比の低いフォージャサイト型ゼオライトが生成する傾向がある。
マトリックスヒドロゲルスラリーのSiO2/Al23モル比は5〜16、さらには8〜11の範囲にあることが好ましい。
マトリックスヒドロゲルスラリーのSiO2/Al23モル比が5未満の場合はフォージャサイト型ゼオライトが生成しないか、生成しても他の結晶型のゼオライトが生成、混在することがある。
マトリックスヒドロゲルスラリーのSiO2/Al23モル比が16を越えると結晶化に長時間を要したり、結晶化しても結晶性が不充分となる傾向がある。
マトリックスヒドロゲルスラリーのH2O/Al23モル比は2000〜5000、さらには3000〜4000の範囲にあることが好ましい。
マトリックスヒドロゲルスラリーのH2O/Al23モル比が2000未満の場合は、微細なフォージャサイト型ゼオライトの凝集体として得られ、実質的に粒子径が大きく、かつ粒子径分布が広範囲にわたることがある。
マトリックスヒドロゲルスラリーのH2O/Al23モル比が5000を越えると結晶化に長時間を要したり、結晶化しても結晶性が不充分となる傾向がある。
マトリックスヒドロゲルスラリー中のSiO2−Al23としての濃度は0.1〜20重量%、さらには0.5〜5重量%の範囲にあることが望ましい。
マトリックスヒドロゲルスラリーのシリカ、アルミナ源としては、SiO2−Al23複合酸化物ゾルを用いることが好ましい。
このようなSiO2−Al23複合酸化物ゾルは、例えば、特開平5−132309号公報に記載されている方法で製造される。即ち、アルカリ金属、アンモニウムまたは有機塩基の珪酸塩と、アルカリ可溶のアルミナ化合物とを、それぞれ所定の割合でpH10以上のアルカリ水溶液中に同時に添加し、この反応液のpHを制御せずにコロイド粒子を生成させて、SiO2−Al23複合酸化物ゾルを調製することができる。
本発明で使用されるSiO2−Al23複合酸化物ゾルの分散質である微粒子は、その粒子径が5〜200nmの範囲にあるのが望ましい。該微粒子の粒子径が5nmより小さい場合には、該複合酸化物ゾルは安定性が劣ることがあり、また、200nmより大きい場合には、反応性が低くなるためか所望のゼオライトが得られないことがある。該微粒子の望ましい粒子径は10〜100nmの範囲である。
透明性シード溶液
透明性シード溶液のM2O/Al23モル比は12〜18、さらには13〜17の範囲にあることが好ましい。
透明性シード溶液のM2O/Al23モル比が12未満の場合は、透明性シード溶液の透明性が低く、即ち、大きなゲル状粒子が残存し、このようなシードを用いて結晶化を行っても所望の微細なフォージャサイト型ゼオライトが得られないことがある。
透明性シード溶液のM2O/Al23モル比が18を越えると透明性はあるもののシード機能が無いためかフォージャサイト型ゼオライトが得られないことがある。
透明性シード溶液のSiO2/Al23モル比は14〜20、さらには15〜19の範囲にあることが好ましい。
透明性シード溶液のSiO2/Al23モル比が前記範囲にない場合はフォージャサイト型ゼオライトが生成しないか、生成しても他の結晶型のゼオライトが生成し混在することがある。
透明性シード溶液のH2O/Al23 モル比は100〜2000、さらには200〜1000の範囲にあることが好ましい。
透明性シード溶液のH2O/Al23 モル比が100未満の場合は透明性シード溶液の透明性が低く、即ち、大きなゲル状粒子が残存し、このようなシードを用いて結晶化を行っても所望の微細なフォージャサイト型ゼオライトが得られないことがある。
透明性シード溶液のH2O/Al23 モル比が2000を越えると得られるフォージャサイト型ゼオライトの粒子径が所望の範囲を超えて大きくなる傾向がある。
透明性シード溶液を調製するには、前記酸化物モル比の範囲内にあり、後述する透明性の溶液が得られれば特に制限はないが、アルカリ源としては、水酸化ナトリウムが常用され、アルミナ源としてはアルミン酸ソーダ、アルミナゾル、アルミナゲル、アルミナ微粉末等、シリカ源としてはケイ酸ソーダ、シリカゾル、シリカゲル、シリカ微粉末等が好適に用いられる。
これらの原料は混合した後、0〜50℃の温度範囲で100〜1000時間熟成することが必要である。
熟成温度が0℃未満の場合は、原料を混合した直後に白濁したヒドロゲルスラリー(ゲル状凝集物分散液)が透明化するのに長時間を要し、これを用いて混合ヒドロゲルスラーとし結晶化させても、平均粒子径が0.01〜0.5μmの微細で比較的均一な粒子径分布を有するフォージャサイト型ゼオライトを得ることは困難である。
熟成温度が50℃を越えると、白濁したヒドロゲルスラリー(ゲル状凝集物分散液)が透明化することもなく、これを用いて混合ヒドロゲルスラーとし結晶化をしても平均粒子径が0.5μmを越え、微細なフォージャサイト型ゼオライトを得ることは困難である。
好ましい熟成温度は、10〜40℃であり、特に、20〜30℃が最適である。
熟成時間が100時間未満の場合は、前記した白濁したヒドロゲルスラリーが透明化しない場合があり、これを用いて混合ヒドロゲルスラーとし結晶化をしても平均粒子径が0.5μmを越え、微細なフォージャサイト型ゼオライトを得ることは困難である。
熟成時間が1000時間を越えると、透明性シード溶液中のシリカ・アルミナ粒子が粒子成長するためか、これを用いて混合ヒドロゲルスラーとし結晶化をしても平均粒子径が0.5μmを越えることがある。
上記条件で熟成した後の透明性シード溶液中のシリカ・アルミナゲル粒子の平均粒子径は0.01〜0.5μm、さらには0.1〜0.5μmの範囲にあることが好ましい。
シリカ・アルミナゲルの平均粒子径が0.01μm未満の場合は、シード機能を有しないためかフォージャサイト型ゼオライトが得られない場合がある。
シリカ・アルミナゲル粒子の平均粒子径が0.5μmを越えると所望の微細なフォージャサイト型ゼオライトを得ることは困難である。
混合ヒドロゲルスラリー
本発明では前記マトリックスヒドロゲルスラリーと前記透明性シード溶液とを混合する。混合する際の比率は、前記マトリックスヒドロゲルスラリー中のAl23のモル数と前記透明性シード溶液中のAl23のモル数とのモル比が1/0.5〜1/1.5の範囲であることが望ましい。
この割合が1/0.5を超える場合は、ゼオライトの結晶化に長時間を要し、また1/1.5未満の場合は、結晶化は短時間でできるもののゼオライトのシリカ・アルミナ源の利用率が低下し経済的でない。
混合後のヒドロゲルスラリーのM2O/Al23モル比が5.0〜15.0、さらには7.0〜12.0の範囲にあることが好ましい。
混合ヒドロゲルスラリーのM2O/Al23モル比が5.0未満の場合は、フォージャサイト型ゼオライトが得られないか、得られたとしても結晶化に長時間を要し、混合ヒドロゲルスラリーのM2O/Al23モル比が15.0を越えてフォージャサイト型ゼオライトが得られないか、他の結晶型のゼオライトが生成し、得られたとしてもSiO2/Al23モル比の低いフォージャサイト型ゼオライトが生成する傾向がある。
なお、このとき、M2O/Al23モル比が5.0未満の場合は、アルカリ金属水酸化物を加えて前記酸化物モル比の範囲とすることもできる。
混合ヒドロゲルスラリーのSiO2/Al23モル比が6.0〜20.0、さらには8.0〜18.0の範囲にあることが好ましい。
混合ヒドロゲルスラリーのSiO2/Al23モル比が6.0未満の場合は、フォージャサイト型ゼオライトが得られない場合がある。
混合ヒドロゲルスラリーのSiO2/Al23モル比が20.0を越えると、フォージャサイト型ゼオライトが得られないか、得られたとしても結晶度が不充分となる傾向がある。
混合ヒドロゲルスラリーのH2O/Al23モル比が1000〜3000、さらには1500〜2500の範囲にあることが好ましい。
混合ヒドロゲルスラリーのH2O/Al23モル比が1000未満の場合は、得られるフォージャサイト型ゼオライトが凝集体となることがあり、結果的に所望の微細で比較的均一な粒子径分布を有するフォージャサイト型ゼオライトが得られない場合がある。
混合ヒドロゲルスラリーのH2O/Al23モル比が3000を越えると結晶化に長時間を要したり、結晶化しても結晶性が不充分となる傾向がある。
本発明では、混合ヒドロゲルスラリーを、周知の方法で結晶化が生起する温度で結晶化に充分な時間水熱処理する。具体的には、50〜120℃、さらには60〜100℃で12〜96時間水熱処理することが好ましい。
水熱処理温度が50℃未満の場合は、結晶度が不充分であったり、結晶度の高いフォージャサイト型ゼオライトを得るには長時間を必要とする。
水熱処理温度が120℃を越えると、粒子径が所望の範囲を超えて大きくなる場合がある。
水熱処理後、周知の方法によりスラリーを濾過し、固形分を分離し、洗浄し、必要に応じて乾燥してゼオライト粒子を回収する。
このようにして得られるゼオライトは、平均平面幅(W)が0.02〜0.5μmの範囲にあり、平均厚み(T)が0.01〜0.2μmの範囲にあり、平均平面幅(W)と平均厚み(T)との比(W)/(T)が2〜10の範囲にある平板状のフォージャサイト型ゼオライトである。
また、得られるゼオライトの組成は、酸化物として、M2O・Al23・nSiO2・mH2Oで表される。ここで、Mはアルカリ金属であるが、通常Naが用いられ、NaY(アルカリとしてNaを含み、SiO2/Al23モル比が3以上)と呼ばれることがある。nはAl23を1モルとしたときのSiO2のモル数であり、3〜6の範囲にあり、mは結晶水等水のモル数である。
この段階で、ゼオライトはアルカリを含んでいるためにそのまま本発明の炭化水素接触分解用触媒組成物に用いても分解活性を発現することはなく、従来公知の方法でアルカリを低減し、必要に応じて加熱処理、水熱処理等して用いられる。
例えば、(1)希土類イオン交換したRE(La,Ce)−Na−Y、(2)アンモニウムイオン交換したNH4−Na−Y、NH4−Na−Yを焼成したH−Na−Y、(3)希土類イオンおよびアンモニウムイオン交換したRE(La,Ce)−NH4−Na−Y、RE(La,Ce)−H−Na−Y、(4)NH4−Na−Yを水蒸気雰囲気中で加熱処理した超安定性Y型ゼオライト(USY)、(5)USYを酸処理等したゼオライト(HUSY)、(6)希土類イオン交換したRE(La,Ce)−USY、HUSY等が挙げられる。また、これらは必要に応じて混合して用いることもできる。
本発明では、特に、残渣油等の高沸点炭化水素油を接触分解する場合、前記(4)、(5)、(6)のゼオライトが推奨される。これら、NH4−Na−Yを水蒸気雰囲気中で加熱処理して単位格子定数(UD)が24.25〜24.60Åの範囲にある超安定性Y型ゼオライト(USY)は、ゼオライト結晶骨格構造を構成するSiO2/Al23モル比が高く、耐熱性、耐水熱性に優れ、また、フォージャサイト型ゼオライト固有の孔径が約7Åのミクロポア以外に孔径が4〜25nmのメソポアが生成しているため、さらに高いガソリン、軽油留分選択性を有する炭化水素接触分解用触媒組成物を得ることができる。
無機酸化物マトリックス
無機酸化物マトリックスとしては、従来公知の無機酸化物マトリックスを用いることができ、例えば、シリカ・アルミナ、シリカ・マグネシア、シリカ・ジルコニア等の多孔質無機複合酸化物が挙げられる。
また、シリカゾル、アルミナゾル等をバインダーとして用い、カオリン、モンモリロナイト等の粘土鉱物をフィラーとして含む無機酸化物マトリックスも好適に用いることができる。
さらに、アルカリ土類酸化物、希土類化合物、アルミナ、マンガン化合物等を原料油中のNi、V、Fe等を補足し失活させる成分として、あるいは原料油中の硫黄成分を吸着・除去する成分として含んでいてもよい。
炭化水素接触分解用触媒組成物中の無機酸化物マトリックスの含有量は50〜95重量%、さらには55〜90重量%の範囲にあることが好ましい。
炭化水素接触分解用触媒組成物の製造方法
本発明の炭化水素接触分解用触媒組成物は、前記平板状フォージャサイト型ゼオライトと前記無機酸化物マトリックスの前駆体とを含む混合スラリーを、従来の炭化水素接触分解用触媒組成物の製造方法と同様に、噴霧乾燥して球状粒子とし、これを洗浄、乾燥することにより製造することができる。
以下に実施例を示し、本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
平板状NaYフォージャサイト型ゼオライト(FZ1)の合成
透明性シード溶液(S1)の調製
Na2O17wt%、Al2322wt%を含有するアルミン酸ナトリウム溶液57.0gに、37.2wt%の水酸化ナトリウム水溶液187.4gを攪拌しながら加えた。この溶液を攪拌しながら、シリカ濃度24wt%の3号水硝子549.8gを純水205.8gで希釈した水溶液に20℃、8.1g/minで添加した。その組成は酸化物モル比で次の通りである。
Na2O/Al23 = 16.0
SiO2/Al23 = 17.9
2O/Al23 = 332
これを約1時間攪拌した後30℃で16時間静置し、この水溶液を20℃で400時間熟成を行い透明性シード溶液(S1)の調製を行った。透明性シード溶液(S1)中のシリカ・アルミナ粒子の平均粒子径は0.3μmであった。
マトリックスヒドロゲルスラリー(M1)の調製
平均粒子径50Å、シリカ濃度20wt%のシリカゾル40.4gを純水2864.0gで希釈したものを80℃に加温した。この希釈ゾルに、SiO2として24.0wt%の3号水硝子279.5gを純水3356.4gで希釈した溶液と、Al23として22.0wt%のアルミン酸ナトリウム62.9gを純水3574.0gで希釈した溶液を、4時間かけて同時添加した。
さらに、Na2Oとして3wt%の水酸化ナトリウム111.0gを1時間かけて添加した。その間、希釈ゾルの温度を80℃に保持した。
添加終了後、このゾルを室温まで冷却し、マトリックスヒドロゲルスラリー(M1)9000gを得た。
このマトリックスヒドロゲルスラリー(M1)の組成は酸化物モル比で次の通りである。
Na2O/Al23 = 4.3
SiO2/Al23 = 9.3
2O/Al23 = 3660
マトリックスヒドロゲルスラリー(M1)中のシリカ・アルミナ粒子の粒子径は0.02〜0.04μmであった。
混合ヒドロゲルスラリー(MH1)の調製
マトリックスヒドロゲルスラリー(M1)9000gを攪拌しながら、前記透明シード溶液(S1)1000gを加え、30分室温で攪拌混合して混合ヒドロゲルスラリー(MH1)を調製した。混合ヒドロゲルスラリー(MH1)の組成は酸化物モル比で次の通りである。
Na2O/Al23 = 9.9
SiO2/Al23 = 13.4
2O/Al23 = 2072
この混合ヒドロゲルスラリー(MH1)を結晶化槽に移し、攪拌することなく95℃で48時間水熱処理を行って結晶化させた。水熱処理後、結晶生成物を取り出し、濾過、洗浄、乾燥してNaYフォージャサイト型ゼオライト(FZ1)を得た。
NaYフォージャサイト型ゼオライト(FZ1)についてX線回折法により結晶化度、電子顕微鏡による平均平面幅、平均厚みを求め、化学分析によりSiO2/Al23を求め、これらの結果を表1に示した。また、電子顕微鏡写真を図1に示した。
結晶化度は、X線回折で(331)、(511)、(440)、(533)、(642)および(555)面の総ピーク高さ(H)を求め、基準に市販のフオージャサイト型ゼオライト(ユニオンカーバイド社製:SK-40)について同様に総ピーク高さ(H。)を求め、次式により求めた。
結晶化度=H/H。X100(%)
USYフォージャサイト型ゼオライト(FZ1)の調製
NaYフォージャサイト型ゼオライト(FZ1)を3モル倍の濃度10wt%の硫安を用いて80℃でpH4.5にて10分間NH4イオン交換を行いスラリーをフィルターにて濾別、純水で掛け水洗浄したNa2O残存量を3.5重量%のNH4Yを調製した。このNH4Yを130℃で一晩乾燥後、600℃にて30分間スティーミングしてUSYフォージャサイトゼオライト(FZ1)を調製した。
得られたUSYフォージャサイト型ゼオライト(FZ1) について、X線回折法により格子定数を測定し、BET法により比表面積を測定し、これらの結果を表1の触媒に使用したゼオライト欄に示した。
炭化水素接触分解用触媒組成物(FCCZ1)の調製
<FCC触媒調合工程>
濃度25重量%の硫酸溶液4.0kgを激しく攪拌しながらSiO2濃度15重量%のJIS3号水硝子溶液8.2kg加え、pH1.6のシリカバインダー用ケイ酸液を調製した。このケイ酸液をSiO2基準で1000g計り取り、USYフォージャサイト型ゼオライト(FZ1)をシリカ−アルミナ基準で1500gと、平均粒子径が約1μmのジョージアカオリンを乾燥基準で2200gと、平均粒子径が10μmの活性アルミナ(住友化学社製:BK−112)を乾燥基準で250gと平均粒子径が約10μmの二酸化マンガン50gを攪拌しながら混合スラリー(1)を調製した。得られた混合スラリー(1)は、固形分濃度が32.0質量%、pHが2.85、温度が35℃であった。
<噴霧乾燥工程>
混合スラリー(1)を入口温度が280℃、出口温度が150℃に設定された噴霧乾燥機で噴霧乾燥を行い、平均粒子径が65μmの球状粒子を得た。
<洗浄及び乾燥工程>
容量40Lの容器に、65℃の純水20Lと、得られた球状粒子4000gとを入れ、65℃で5分間攪拌し、ついで、ブフナーロートで濾過した後、65℃の純水で充分に洗浄した。
容量40Lの容器に、65℃の純水20L、洗浄ケーキおよび硫酸アンモニウム670gを入れ、60℃で20分間攪拌した後、ブフナーロートで濾過し、65℃の純水で充分に洗浄した。この操作を2回繰り返した後、再度、洗浄ケーキを65℃の純水20Lに再懸濁し、ついで、塩化レアアース溶液にて触媒中のゼオライトに対して酸化物基準でRE23として10重量%となるようにイオン交換した。その後、触媒を濾過分離し、ついで、130℃で12時間乾燥して炭化水素接触分解用触媒組成物(FCCZ1)を調製した。
得られた炭化水素接触分解用触媒組成物(FCCZ1)について、残存Na2O量、RE23量を分析し表1に示した。また、見掛け比重(ABD)と比表面積を測定し、結果を表1に示した。
接触分解性能評価
次に、接触分解性能評価を以下の通り実施し、結果を表2に示した。
炭化水素接触分解用触媒組成物(FCCZ1)を600℃で2時間焼成した。ついで、ナフテン酸ニッケル及びナフテン酸バナジウムをニッケル(Ni)が1500ppm、バナジウム(V)が2500ppmとなるようにベンゼンに溶解した溶液を焼成した触媒に吸収させ、ついで、600℃で燃焼して、有機物を除去し、更に780℃で13時間100%水蒸気で処理した後、反応試験装置(ザイテル社製:ACE−R+の流動床式MAT)を使用して、以下の測定条件で減圧軽油の流動接触分解性能の評価を行った。
原料油:脱硫減圧軽油(DSVGO)50質量%+脱硫常圧蒸留残渣油(DSAR)50質量%
反応温度:520℃
触媒重量基準の空間速度(WHSV):8質量%/質量%
触媒/油比:3.75、5.0、6.0の3水準
生成油のカット温度
ガソリン:C5〜200℃
ライトサイクルオイル(LCO):200〜380℃
ヘビーサイクルオイル(HCO):380℃以上
ここで、触媒/油比が5.0の場合の結果を表に示す。また、触媒/油比を変更した結果から同一分解率(70.0Vol%)におけるHCOおよびコーク収率を求め、結果を表に示す。
なお、ここで、分解率=100−(LCO+HCO)(wt%)である。
炭化水素接触分解用触媒組成物(FCCZ2)の調製
実施例1において、USYフォージャサイト型ゼオライト(FZ1)を1000g、ジョージアカオリンを2700g用いた以外は同様にして炭化水素接触分解用触媒組成物(FCCZ2)を調製した。
得られた炭化水素接触分解用触媒組成物(FCCZ2)について実施例1と同様の評価を行い、結果を表に示した。
炭化水素接触分解用触媒組成物(FCCZ3)の調製
実施例1において、USYフォージャサイト型ゼオライト(FZ1)を2000g、ジョージアカオリンを1700g用いた以外は同様にして炭化水素接触分解用触媒組成物(FCCZ3)を調製した。
得られた炭化水素接触分解用触媒組成物(FCCZ3)について実施例1と同様の評価を行い、結果を表に示した。
NH 4 Yフォージャサイト型ゼオライト(FZ4)の調製
実施例1と同様にして合成したNaYフォージャサイト型ゼオライト(FZ1)を3モル倍の濃度10wt%の硫安を用いて80℃でpH4.5にて10分間NH4イオン交換を行った。次いで、スラリーをフィルターにて濾別し、純水で掛け水洗浄してNa2O残存量が3.5重量%のNH4Yを調製した。
このNH4Yを130℃で一晩乾燥後、550℃で2時間空気中で焼成した後、再度、3モル倍の濃度10wt%の硫安を用いて80℃でpH4.5にて10分間NH4イオン交換を行った。次いで、スラリーをフィルターにて濾別し、純水で掛け水洗浄してNa2O残存量が0.8重量%のNH4Yフォージャサイト型ゼオライト(FZ4)を得た。
得られたNH4Yフォージャサイト型ゼオライト(FZ4)について、X線回折法により格子定数を測定し、BET法により比表面積を測定し、これらの結果を表1の触媒に使用したゼオライト欄に示した。
炭化水素接触分解用触媒組成物(FCCZ4)の調製
実施例1において、USYフォージャサイト型ゼオライト(FZ1)1000gの代わりにNH4Yフォージャサイト型ゼオライト(FZ4)1300gを用いた以外は同様にして炭化水素接触分解用触媒組成物(FCCZ4)を調製した。
得られた炭化水素接触分解用触媒組成物(FCCZ4)について実施例1と同様の評価を行い、結果を表に示した。
REYフォージャサイト型ゼオライト(FZ5)の調製
実施例1と同様にして合成したNaYフォージャサイト型ゼオライト(FZ1)を1.5モル倍の濃度5wt%の塩化レアアース溶液を用いて80℃でpH4.5にて10分間、REイオン交換を行った。次いで、スラリーをフィルターにて濾別し、純水で掛け水洗浄してNa2O残存量が4.5重量%、RE23が14.8重量%のREYを調製した。このREYを130℃で一晩乾燥後600℃にて2時間、空気中で焼成しREYフォージャサイト型ゼオライト(FZ5) を得た。得られたREYフォージャサイト型ゼオライト(FZ5)について、X線回折法により格子定数を測定し、BET法により比表面積を測定し、これらの結果を表1の触媒に使用したゼオライト欄に示した。
炭化水素接触分解用触媒組成物(FCCZ5)の調製
実施例1において、USYフォージャサイト型ゼオライト(FZ1)1500gの代わりにREYフォージャサイト型ゼオライト(FZ5)1150gを用いた以外は同様にして炭化水素接触分解用触媒組成物(FCCZ5)を調製した。
得られた炭化水素接触分解用触媒組成物(FCCZ5)について実施例1と同様の評価を行い、結果を表に示した。
平板状NaYフォージャサイト型ゼオライト(FZ2)の合成
透明性シード溶液(S2)の調製
実施例1において、透明性シード水溶液を20℃で900時間熟成した以外は同様にして透明性シード溶液(S2)の調製を行った。透明性シード溶液(S2)中のシリカ・アルミナ粒子の平均粒子径は0.3μmであった。
ついで、透明性シード溶液(S2)を用いた以外は実施例1と同様にしてNaYフォージャサイト型ゼオライト(FZ2)を得た。
NaYフォージャサイト型ゼオライト(FZ2)についてX線回折法により結晶化度、電子顕微鏡による平均平面幅、平均厚みを求め、化学分析によりSiO2/Al23を求め、これらの結果を表1に示した。
USYフォージャサイト型ゼオライト(FZ2)の調製
実施例1において、NaYフォージャサイト型ゼオライト(FZ2)を用いた以外は同様にしてUSYフォージャサイト型ゼオライト(FZ2)を調製した。
得られたUSYフォージャサイト型ゼオライト(FZ2)について、X線回折法により格子定数を測定し、BET法により比表面積を測定し、これらの結果を表1の触媒に使用したゼオライト欄に示した。
炭化水素接触分解用触媒組成物(FCCZ6)の調製
実施例1において、USYフォージャサイト型ゼオライト(FZ1)の代わりにUSYフォージャサイト型ゼオライト(FZ2)を用いた以外は同様にして炭化水素接触分解用触媒組成物(FCCZ6)を調製した。
得られた炭化水素接触分解用触媒組成物(FCCZ6)について実施例1と同様の評価を行い、結果を表に示した。
平板状NaYフォージャサイト型ゼオライト(FZ3)の合成
透明性シード溶液(S3)の調製
実施例1において、透明性シード水溶液を20℃で200時間熟成した以外は同様にして透明性シード溶液(S3)の調製を行った。透明性シード溶液(S3)中のシリカ・アルミナ粒子の平均粒子径は0.4μmであった。
ついで、透明性シード溶液(S3)を用いた以外は実施例1と同様にしてNaYフォージャサイト型ゼオライト(FZ3)を得た。
NaYフォージャサイト型ゼオライト(FZ3)についてX線回折法により結晶化度、電子顕微鏡による平均平面幅、平均厚みを求め、化学分析によりSiO2/Al23を求め、これらの結果を表1に示した。
USYフォージャサイト型ゼオライト(FZ3)の調製
実施例1において、NaYフォージャサイト型ゼオライト(FZ3)を用いた以外は同様にしてUSYフォージャサイト型ゼオライト(FZ3)を調製した。
得られたUSYフォージャサイト型ゼオライト(FZ3)について、X線回折法により格子定数を測定し、BET法により比表面積を測定し、これらの結果を表1の触媒に使用したゼオライト欄に示した。
炭化水素接触分解用触媒組成物(FCCZ7)の調製
実施例1において、USYフォージャサイト型ゼオライト(FZ1)の代わりにUSYフォージャサイト型ゼオライト(FZ3)を用いた以外は同様にして炭化水素接触分解用触媒組成物(FCCZ7)を調製した。
得られた炭化水素接触分解用触媒組成物(FCCZ7)について実施例1と同様の評価を行い、結果を表に示した。
平板状NaYフォージャサイト型ゼオライト(FZ4)の合成
透明性シード溶液(S4)の調製
Na2O17wt%、Al2322wt%を含有するアルミン酸ナトリウム溶液57.0gに、37.2wt%の水酸化ナトリウム水溶液187.4gを攪拌しながら加えた。この溶液を攪拌しながらシリカ濃度24wt%の3号水硝子604.6gを純水150.8gで希釈した水溶液に20℃、8.1g/minで添加した。その組成は酸化物モル比で次の通りである。
Na2O/Al23 = 16.5
SiO2/Al23 = 19.6
2O/Al23 = 323
これを約1時間攪拌した後30℃で16時間静置し、この水溶液を20℃で400時間熟成を行い透明性シード溶液(S4)の調製を行った。透明性シード溶液(S4)中のシリカ・アルミナ粒子の平均粒子径は0.35μmであった。
ついで、透明性シード溶液(S4)を用いた以外は実施例1と同様にしてNaYフォージャサイト型ゼオライト(FZ4)を得た。
NaYフォージャサイト型ゼオライト(FZ4)についてX線回折法により結晶化度、電子顕微鏡による平均平面幅、平均厚みを求め、化学分析によりSiO2/Al23を求め、これらの結果を表1に示した。
USYフォージャサイト型ゼオライト(FZ4)の調製
実施例1において、NaYフォージャサイト型ゼオライト(FZ4)を用いた以外は同様にしてUSYゼオライト(FZ4)を調製した。
得られたUSYフォージャサイト型ゼオライト(FZ4)について、X線回折法により格子定数を測定し、BET法により比表面積を測定し、これらの結果を表1の触媒に使用したゼオライト欄に示した。
炭化水素接触分解用触媒組成物(FCCZ8)の調製
実施例1において、USYゼオライト(FZ1)の代わりにUSYゼオライト(FZ4)を用いた以外は同様にして炭化水素接触分解用触媒組成物(FCCZ8)を調製した。
得られた炭化水素接触分解用触媒組成物(FCCZ8)について実施例1と同様の評価を行い、結果を表に示した。
平板状NaYフォージャサイト型ゼオライト(FZ5)の合成
透明性シード溶液(S5)の調製
実施例1において、透明性シード水溶液を40℃で200時間熟成した以外は同様にして透明性シード溶液(S5)の調製を行った。透明性シード溶液(S5)中のシリカ・アルミナ粒子の平均粒子径は0.40μmであった。
ついで、透明性シード溶液(S5)を用いた以外は実施例1と同様にしてNaYフォージャサイト型ゼオライト(FZ5)を得た。
NaYフォージャサイト型ゼオライト(FZ5)についてX線回折法により結晶化度、電子顕微鏡による平均平面幅、平均厚みを求め、化学分析によりSiO2/Al23を求め、これらの結果を表1に示した。
USYゼオライト(FZ5)の調製
実施例1において、NaYフォージャサイト型ゼオライト(FZ5)を用いた以外は同様にしてUSYフォージャサイト型ゼオライト(FZ5)を調製した。
得られたUSYフォージャサイト型ゼオライト(FZ5)について、X線回折法により格子定数を測定し、BET法により比表面積を測定し、これらの結果を表1の触媒に使用したゼオライト欄に示した。
炭化水素接触分解用触媒組成物(FCCZ9)の調製
実施例1において、USYフォージャサイト型ゼオライト(FZ1)の代わりにUSYフォージャサイト型ゼオライト(FZ5)を用いた以外は同様にして炭化水素接触分解用触媒組成物(FCCZ9)を調製した。
得られた炭化水素接触分解用触媒組成物(FCCZ9)について実施例1と同様の評価を行い、結果を表に示した。
比較例1
USYフォージャサイトゼオライト(RFZ1)の調製
NaYフォージャサイト型ゼオライト(触媒化成工業(株)製:T90、SiO2/Al23=5.1、平均粒子径:2.0μm、アスペクト比:1、比表面積725m2/g)を3モル倍の濃度10wt%の硫安を用いて80℃でpH4.5にて10分間NH4イオン交換を行った。次いで、スラリーをフィルターにて濾別し、純水で掛け水洗浄してNa2O残存量が4.6重量%のNH4Yを調製した。このNH4Yを130℃で一晩乾燥後、650℃にて30分間スティーミングしてUSYフォージャサイトゼオライト(RFZ1)を調製した。
得られたUSYフォージャサイト型ゼオライト(RFZ1) について、X線回折法により格子定数を測定し、BET法により比表面積を測定し、これらの結果を表1の触媒に使用したゼオライト欄に示した。
炭化水素接触分解用触媒組成物(FCCRZ1)の調製
実施例1において、USYフォージャサイト型ゼオライト(FZ1)の代わりにUSYフォージャサイト型ゼオライト(RFZ1)を用いた以外は同様にして炭化水素接触分解用触媒組成物(FCCRZ1)を調製した。
得られた炭化水素接触分解用触媒組成物(FCCRZ1) について実施例1と同様の評価を行い、結果を表に示した。
比較例2
NH 4 Yフォージャサイト型ゼオライト(RFZ2)の調製
NaYフォージャサイト型ゼオライト(触媒化成工業(株)製:T90、SiO2/Al23=5.1、平均粒子径:2.0μm、アスペクト比:1、比表面積725m2/g)を3モル倍の濃度10wt%の硫安を用いて80℃でpH4.5にて10分間NH4イオン交換を行った。次いで、スラリーをフィルターにて濾別し、純水で掛け水洗浄してNa2O残存量が4.6重量%のNH4Yを調製した。このNH4Yを130℃で一晩乾燥後、600℃で2時間空気中で焼成した後、再度、3モル倍の濃度10wt%の硫安を用いて80℃でpH4.5にて10分間NH4イオン交換を行った。次いで、スラリーをフィルターにて濾別、純水で掛け水洗浄したNa2O残存量を1.0重量%のNH4Yフォージャサイト型ゼオライト(RFZ2)を得た。得られたNH4Yフォージャサイト型ゼオライト(RFZ2)について、X線回折法により格子定数を測定し、BET法により比表面積を測定し、これらの結果を表1の触媒に使用したゼオライト欄に示した。
炭化水素接触分解用触媒組成物(FCCRZ2)の調製
実施例4において、NH4Yフォージャサイト型ゼオライト(FZ4)の代わりにNH4Yフォージャサイト型ゼオライト(RFZ2)を用いた以外は同様にして炭化水素接触分解用触媒組成物(FCCRZ2)を調製した。
得られた炭化水素接触分解用触媒組成物(FCCRZ2) について実施例1と同様の評価を行い、結果を表に示した。
比較例3
REYゼオライト(RFZ3)の調製
NaYフォージャサイト型ゼオライト(触媒化成工業(株)製:T90、SiO2/Al23=5.1、平均粒子径:2.0μm、アスペクト比:1、比表面積725m2/g)を1.5モル倍の濃度5wt%の塩化レアアース溶液を用いて80℃でpH4.5にて10分間、REイオン交換を行った。次いで、スラリーをフィルターにて濾別し、純水で掛け水洗浄してNa2O残存量が5.1重量%、RE23で15.2重量%のREYを調製した。このREYを130℃で一晩乾燥後600℃にて2時間、空気中で焼成しREYフォージャサイト型ゼオライト(RFZ3) を得た。
得られたREYフォージャサイト型ゼオライト(RFZ3)について、X線回折法により格子定数を測定し、BET法により比表面積を測定し、これらの結果を表1の触媒に使用したゼオライト欄に示した。
炭化水素接触分解用触媒組成物(FCCRZ3)の調製
実施例5において、REYフォージャサイト型ゼオライト(FZ5)の代わりにREYフォージャサイト型ゼオライト(RFZ3)を用いた以外は同様にして炭化水素接触分解用触媒組成物(FCCZ5)を調製した。
得られた炭化水素接触分解用触媒組成物(FCCRZ3) について実施例1と同様の評価を行い、結果を表に示した。
比較例4
平板状NaYフォージャサイト型ゼオライト(RFZ1)の合成
透明性シード溶液(RS1)の調製
実施例1において、透明性シード水溶液を20℃で40時間熟成した以外は同様にして透明性シード溶液(RS1)の調製を行った。透明性シード溶液(RS1)中のシリカ・アルミナ粒子の平均粒子径は2.6μmであった。
ついで、透明性シード溶液(RS1)を用いた以外は実施例1と同様にしてNaYフォージャサイト型ゼオライト(RFZ1)を得た。
NaYフォージャサイト型ゼオライト(RFZ1)について結晶化度、格子定数、平均平面幅、平均厚み、組成、比表面積を測定し、結果を表1に示した。
USYゼオライト(RFZ4)の調製
実施例1において、NaYフォージャサイト型ゼオライト(RFZ1) を用いた以外は同様にしてUSYフォージャサイト型ゼオライト(RFZ4)を調製した。
得られたUSYフォージャサイト型ゼオライト(RFZ4) について、X線回折法により格子定数を測定し、BET法により比表面積を測定し、これらの結果を表1の触媒に使用したゼオライト欄に示した。
炭化水素接触分解用触媒組成物(FCCRZ4)の調製
実施例1において、USYフォージャサイト型ゼオライト(FZ1)の代わりにUSYフォージャサイト型ゼオライト(RFZ4)を用いた以外は同様にして炭化水素接触分解用触媒組成物(FCCRZ4)を調製した。
得られた炭化水素接触分解用触媒組成物(FCCRZ4) について実施例1と同様の評価を行い、結果を表に示した。
実施例1で得られたNaYフォージャサイト型ゼオライト(FZ1)の電子顕微鏡写真である。

Claims (7)

  1. フォージャサイト型ゼオライトと無機酸化物マトリックスとからなり、該フォージャサイト型ゼオライトの形状が平板状であり、平均平面幅(W)が0.02〜2μmの範囲にあり、平均厚み(T)が0.01〜0.5μmの範囲にあり、アスペクト比(W)/(T)が2〜10の範囲にあることを特徴とする炭化水素接触分解用触媒組成物。
  2. 前記平板状フォージャサイト型ゼオライトの含有量が5〜50重量%の範囲にあることを特徴とする請求項1に記載の炭化水素接触分解用触媒組成物。
  3. 前記平板状フォージャサイト型ゼオライトのSiO2/Al23モル比が3〜20の範囲にあることを特徴とする請求項1または2に記載の炭化水素接触分解用触媒組成物。
  4. 前記ゼオライトが下記の工程(a)〜(d)からなる方法よって製造され、得られるフォージャサイト型ゼオライトの形状が平板状であり、平均平面幅(W)が0.02〜0.5μmの範囲にあり、平均厚み(T)が0.01〜0.2μmの範囲にあり、アスペクト比(W)/(T)が2〜10の範囲にある平板状フォージャサイト型ゼオライトを用いることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の炭化水素接触分解用触媒組成物。
    (a)酸化物モル比が下記の範囲にあるマトリックスヒドロゲルスラリーを調製する工程
    2O/Al23 = 2.0〜5.0(Mはアルカリ金属を示す)
    SiO2/Al23 = 5〜16
    2O/Al23 = 2000〜5000
    (b)酸化物モル比が下記の範囲にあるヒドロゲルスラリーを調製し、これを0〜50℃で100〜1000時間熟成して透明性シード溶液を調製する工程
    2O/Al23 = 12〜18(Mはアルカリ金属を示す)
    SiO2/Al23 =14〜20
    2O/Al23 = 100〜2000
    (c)マトリックスヒドロゲルスラリーと透明性シード溶液とを混合して酸化物モル比が下記の範囲にある混合ヒドロゲルスラリーを調製する工程
    2O/Al23 =5.0〜15.0(Mはアルカリ金属を示す)
    SiO2/Al23 =6.0〜20.0
    2O/Al23 =1000〜3000
    (d)混合ヒドロゲルスラリーを50〜120℃で12〜96時間水熱処理して結晶化する工程
  5. 工程(b)における熟成後の透明性シード溶液中に含まれるシリカ・アルミナゲル粒子の平均粒子径が0.01〜0.5μmの範囲にあることを特徴とする請求項4に記載の炭化水素接触分解用触媒組成物。
  6. 前記マトリックスヒドロゲルスラリーと前記透明性シード溶液の混合割合が、Al23モル比で1/0.5〜1/1.5の範囲であることを特徴とする請求項4または5に記載の炭化水素接触分解用触媒組成物。
  7. 無機酸化物マトリックス前駆体および平均平面幅(W)が0.02〜0.5μmの範囲にあり、平均厚み(T)が0.01〜0.2μmの範囲にあり、アスペクト比(W)/(T)が2〜10の範囲にある平板状フォージャサイト型ゼオライトを含む混合スラリーを、噴霧乾燥して球状粒子とし、これを洗浄、乾燥する炭化水素接触分解用触媒組成物の製造方法において、前記ゼオライトが下記の工程(a)〜(d)により調製されることを特徴とする、炭化水素接触分解用触媒組成物の製造方法。
    (a)酸化物モル比が下記の範囲にあるマトリックスヒドロゲルスラリーを調製する工程
    2O/Al23 = 2.0〜5.0(Mはアルカリ金属を示す)
    SiO2/Al23 = 5〜16
    2O/Al23 = 2000〜5000
    (b)酸化物モル比が下記の範囲にあるヒドロゲルスラリーを調製し、これを0〜50℃で100〜1000時間熟成して透明性シード溶液を調製する工程
    2O/Al23 = 12〜18(Mはアルカリ金属を示す)
    SiO2/Al23 =14〜20
    2O/Al23 = 100〜2000
    (c)マトリックスヒドロゲルスラリーと透明性シード溶液とを混合して酸化物モル比が下記の範囲にある混合ヒドロゲルスラリーを調製する工程
    2O/Al23 =5.0〜15.0(Mはアルカリ金属を示す)
    SiO2/Al23 =6.0〜20.0
    2O/Al23 =1000〜3000
    (d)混合ヒドロゲルスラリーを50〜120℃で12〜96時間水熱処理して結晶化する工程
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