JP2000086233A - 鉄含有結晶性アルミノシリケート - Google Patents

鉄含有結晶性アルミノシリケート

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JP2000086233A
JP2000086233A JP10261589A JP26158998A JP2000086233A JP 2000086233 A JP2000086233 A JP 2000086233A JP 10261589 A JP10261589 A JP 10261589A JP 26158998 A JP26158998 A JP 26158998A JP 2000086233 A JP2000086233 A JP 2000086233A
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iron
crystalline aluminosilicate
oil
catalyst
containing crystalline
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JP10261589A
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Akira Iino
明 飯野
Mitsuru Yoshida
充 由田
Kazuhiro Inamura
和浩 稲村
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Idemitsu Kosan Co Ltd
Original Assignee
Idemitsu Kosan Co Ltd
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  • Silicates, Zeolites, And Molecular Sieves (AREA)
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  • Production Of Liquid Hydrocarbon Mixture For Refining Petroleum (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 高い中間留分の収率を維持した炭化水素
油の水素化分解触媒の成分として好適な鉄含有結晶性ア
ルミノシリケートを提供する。 【解決手段】 昇温プログラム還元により算出される不
活性鉄化合物含有率〔Fe〕dep が25%以下で、少なくと
も一つの高温還元ピーク温度(℃)が(−300×UD+832
0)より高い鉄含有結晶性アルミノシリケート。( UDは
鉄含有結晶性アルミノシリケートの格子定数 (Å))

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規な鉄含有結晶
性アルミノシリケートとその製造方法及び該鉄含有結晶
性アルミノシリケートを成分とした触媒を用いた水素化
分解処理油の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、石油精製分野においては、原油は
重質化傾向にあり、一方石油製品の需要は次第に軽質化
が進行しつつある。そこで、特に、常圧残渣油等の重質
油から質の高い白油の生産技術は重要な課題となってい
る。また、従来、常圧残渣油等に比べ、比較的穏和な条
件で精製されていた減圧軽油や分解軽油についても原油
重質化により、運転の過酷度は増大する傾向にある。将
来の環境規制に対応するための硫黄分、芳香族分の精製
技術に関しても重質化する原料油は益々困難度を増大さ
せている。そのため、重質炭化水素の水素化分解精製触
媒として、ゼオライト(結晶性アルミノシリケート)触
媒の開発が積極的になされてきた。
【0003】重質油を分解し、軽油,ガソリン等付加価
値の高い製品にするために、これまで、多くのゼオライ
ト触媒が提案されてきた。例えば、脱アルミニウムした
フォージャサイトゼオライトからなる拡大細孔ゼオライ
トを含む触媒(特開昭58−147495号公報)、シ
リカ/アルミナ(モル比)が50以上の大細孔ゼオライ
トを含む触媒(特公平4−12317号公報)、2.0
0未満のNH3 −TPD(Temperature Programmed Des
orption :計画昇温脱離)酸性度強さを有する低酸性度
ゼオライトを含む触媒(特公平6−55951号公報)
などが開示されている。以上はゼオライトの持つ強い酸
性度を制御し、水素化分解における過分解を抑制して中
間留分増産能を高めようとしている。しかしながら、過
分解抑制という点で効果があるが、分解も抑制されるた
め中間留分増産技術として十分ではない。水素化分解活
性を向上させ、中間留分収率も増大させる技術として鉄
の水素化能を利用し、高い分解活性を持たせた鉄含有ゼ
オライト触媒(特開昭58−103588号公報,特開
昭59−92026号公報,特開昭59−121115
号公報,特開昭63−64914号公報)がある。これ
らの鉄含有ゼオライト触媒は鉱酸や低pHの鉄塩溶液に
て脱落アルミニウムを洗浄するのと同時にゼオライト骨
格からの脱アルミニウムも行いゼオライトの酸性度を制
御している。したがって、実質的には骨格の結晶化度は
低下している。さらにその工程において水素化能を有す
る鉄をゼオライト骨格に担持し水素化分解能を向上させ
ている。しかしながら、脱アルミニウムを起こさせ、鉄
を高分散に担持するこの方法も沈着鉄の妨害による酸性
質低下の抑制がまだ不十分であり、水素化分解の分解活
性が十分でない。
【0004】鉄含有ゼオライトの沈着鉄生成要因として
は、鉄塩溶液処理中に生成する水和酸化鉄によるもの
と、スチーミングゼオライトから脱落したアルミニウム
がゼオライトの表面を覆い、その表面アルミニウムと鉄
塩が反応し、鉄が沈着しやすくなっているものと考えら
れている。特公平6−74135号公報には、原料のス
チーミングゼオライトを鉱酸で一度洗浄することによっ
て鉄の状態が改善された鉄含有ゼオライトが開示されて
いる。しかし、従来の鉄含有ゼオライトに比べ、かなり
の改善効果が見られるものの、沈着鉄はまだ十分に取り
除かれていないので、水素化分解活性は十分ではなかっ
た。また、製造コストも高いという欠点があった。
【0005】また、水素化分解活性を向上させ、中間留
分収率も増大させるために行う処理としてスチーミング
処理や鉱酸処理、またはその両方の処理があるが、それ
らの処理から脱落したアルミニウムだけを十分に洗い流
す方法としては、特開平3−45513号公報や特開平
8−66634号公報が提案されている。これらはゼオ
ライトの骨格構造の結晶化度を実質的に保持しているの
で、さらなる骨格のアルミニウムの脱落による酸量低減
が不十分であり、中間留分収率は十分に増大しない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記観点か
らなされたもので、下記の三つを目的としている。本発
明の第一の目的は、中間留分の収率を維持しつつ、高い
水素化分解活性を有する炭化水素油の水素化分解触媒の
成分として好適な新規な鉄含有結晶性アルミノシリケー
トを提供することにある。
【0007】本発明は、また、本発明の鉄含有結晶性ア
ルミノシリケートを簡便に実用的に製造することができ
る鉄含有結晶性アルミノシリケートの製造方法を提供す
ることも目的としている。本発明は、更にまた、本発明
の新規な鉄含有結晶性アルミノシリケートを成分とした
触媒を使用して、特に重質油をはじめとする各種の炭化
水素油の水素化分解処理を、中間留分の収率を維持しつ
つ、高い分解活性で行うことができる方法を提供するこ
とも目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、スチーミング結
晶性アルミノシリケートを、鉄の硫酸塩で処理すること
により本発明の鉄含有結晶性アルミノシリケートを見出
し、この知見に基づいて本発明を完成するに至った。
【0009】すなわち、本発明の要旨は次の通りであ
る。 (1) 下記の(A)〜(C)を満足することを特徴と
する新規な鉄含有結晶性アルミノシリケート。 (A)酸化物の形態で表わした主な組成が、一般式 aFe2O3・Al2O3 ・bSiO2 ・nH2O ・・・〔I〕 〔式中、nは 1〜30の実数を示し、またa及びbは次の
関係を満たす実数である。 15<b< 100、 0.005<a/b<0.15〕 で表わされる。
【0010】(B)昇温プログラム還元により計算され
る不活性鉄化合物含有率〔Fe〕depが25%以下である。 (C)少なくとも一つの高温部還元ピーク温度Thが、式 Th>(−300 ×UD+8320)℃ 〔式中、UDは鉄含有結晶性アルミノシリケートの格子定
数Åを示し、 24.20〜 24.40の範囲にある実数であ
る。〕の範囲にある。
【0011】(2) 赤外線吸収スペクトルにおいて測
定される末端SiOH(シラノール)基/ブレンステッ
ド酸比が 0.5〜 2である(1)記載の鉄含有結晶性アル
ミノシリケート。 (3) 触媒の細孔径50〜300Åの範囲の細孔の容
積が、細孔径600Å以下の細孔の全容積の15〜45
%である(1)または(2)記載の鉄含有結晶性アルミ
ノシリケート。 (4) 触媒の細孔径100〜300Åの範囲の細孔の
容積が、細孔径600Å以下の細孔の全容積の5〜35
%である(1)〜(3)のいずれかに記載の鉄含有結晶
性アルミノシリケート。
【0012】(5) アルミナに対するシリカの比率
(モル比)が 3.5以上である結晶性アルミノシリケート
をスチーミング処理して得られるスチーミング結晶性ア
ルミノシリケートを鉱酸で処理し、次いで該鉱酸の存在
下鉄の硫酸塩を用いて処理することを特徴とする(1)
〜(4)のいずれかに記載の鉄含有結晶性アルミノシリ
ケートの製造方法。 (6) 鉱酸が硫酸である(5)記載の鉄含有結晶性ア
ルミノシリケートの製造方法。
【0013】(7) (1)〜(4)のいずれかに記載
の鉄含有結晶性アルミノシリケート5〜85重量%と、無
機酸化物95〜15重量%からなる担体に、周期律表第 6、
8、9及び10族金属のうち少なくとも一種を担持してな
る、炭化水素油の水素化分解触媒。 (8) 無機酸化物がアルミナで、担体に担持してなる
金属がモリブデンおよび、ニッケル又はコバルトである
(7)記載の水素化分解触媒。
【0014】(9) (7)または(8)に記載の水素
化分解触媒を用いて炭化水素油の水素化分解処理を行う
水素化分解処理油の製造方法。 (10) 水素化分解処理される炭化水素油が残渣油で
ある(9)記載の水素化分解処理油の製造方法。 (11) 水素化分解処理される炭化水素油が重質留出
油である(9)記載の水素化分解処理油の製造方法。
【0015】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態を説
明する。本発明の新規な鉄含有結晶性アルミノシリケー
トは、酸化物の形態で表わした主な組成が前記一般式
〔I〕で表わされるものである。この一般式中nは1 〜
30の実数を示し、またbは15<b< 100、好ましくは18
<b<45であり、またa,bの関係は 0.005<a/b<
0.15、好ましくは0.01<a/b<0.08を満たすものであ
る。またこの鉄含有結晶性アルミノシリケートには、少
量のNa2O等のアルカリ金属酸化物やCaO 等のアルカリ土
類金属等が含有されていてもよい。
【0016】一般に鉄含有結晶性アルミノシリケートに
は、以下のような様々な形態の鉄化合物が存在してい
る。すなわち、 単に結晶性アルミノシリケートに物理吸着している不
活性な鉄化合物。この鉄化合物は水素雰囲気下におい
て、 500℃以下でFe3+→Fe0 に一段で還元される。
【0017】結晶性アルミノシリケートの骨格と規則
正しく相互作用している鉄化合物。これにはイオン交換
鉄化合物や結晶性アルミノシリケート骨格を構成する鉄
化合物及び本発明による新規な鉄化合物等様々な形態の
鉄化合物が存在する。これらの鉄化合物は水素雰囲気下
において、低温部(室温〜700 ℃)でFe3+→Fe2+に、高
温部( 700〜1200℃)でFe2+→Fe0 に二段で還元され
る。
【0018】の鉄化合物は昇温プログラム還元(TPR
)測定によって計算される不活性鉄化合物含有率〔F
e〕dep によって判別でき、の鉄化合物は同じくTPR
測定の高温還元ピークによって判別できる。本発明の鉄
含有結晶性アルミノシリケートは、上記TPR 測定により
計算される〔Fe〕dep が25%以下、好ましくは20%以下
である。また、少なくとも一つの高温還元ピーク温度Th
が 式 Th>(−300 ×UD+8320)℃、好ましくは、式 Th>(−300 ×UD+8330)℃である。
【0019】ここで、TPR 測定とは、水素流通下で試料
を加熱昇温する際の水素消費量を測定するものである。
この水素による金属酸化物の還元挙動から、試料中の金
属の状態を容易に知ることができる。本発明の鉄含有結
晶性アルミノシリケートに見られるTPR 測定による還元
ピークには、低温部の還元ピークと高温部の還元ピーク
が認められる。ここで、低温部の還元ピークとして、Fe
3+がFe2+に還元される際の還元ピークが室温〜 700℃の
範囲に認められ、また高温部の還元ピークとして、Fe2+
がFe0 に還元される際のピークが(−300 ×UD+8320)
℃を超える範囲に認められる。従来、例えば、特公平6
−74135号公報に記載されているTPR 測定における
高温部の還元ピークは 700〜(−300 ×UD+8320)℃の
範囲にあり、本発明の高温部の還元ピークは高温側にシ
フトしている。前記公報には、高温部の還元ピークは活
性が高い鉄含有ゼオライトほど低温側にシフトすると記
載されているので、それと異なる挙動を示しており、本
発明は新規な鉄化合物が形成されていると推定される。
なお、本発明におけるUDは、鉄含有結晶性アルミノシリ
ケートの結晶格子定数で、24.20〜 24.40Åの範囲であ
る。
【0020】ところで、本発明の鉄含有結晶性アルミノ
シリケート中のFe種は、高温部の還元ピーク面積(高温
ピーク面積,Sh)(高温部の水素消費量に対応)と低温
部の還元ピーク面積(低温ピーク面積,Sl)(低温部の
水素消費量に対応)との比率は、その還元される原子価
から計算して理想的にはSh/Sl=2 になるはずである。し
かし、ここで不活性(不純物)鉄化合物が存在すると、
その還元ピークは低温部に現れるため上記比率は 2より
小さくなる。したがって不活性鉄化合物含有率〔Fe〕de
p は、
【0021】
【数1】
【0022】により定義することができる。この〔Fe〕
dep で評価したときに、本発明の鉄含有結晶性アルミノ
シリケートは25%以下、好ましくは20%以下のものであ
る。また、本発明の鉄含有アルミノシリケートにおい
て、赤外線吸収スペクトル(IRスペクトル)において
測定される末端SiOH基/ブレンステッド酸比が 0.5
〜 2の範囲であることが望ましい。この比が 0.5未満で
は酸性質が強すぎて炭化水素油の水素化分解用触媒に用
いた場合に過分解を起こしやすくなる場合がある。一
方、この比が大きすぎると酸性質が弱くなりすぎて分解
能が低下する場合がある。分解能及び過分解抑制のバラ
ンスの面から、 0.6〜 1.5の範囲が特に望ましい。
【0023】本発明の鉄含有結晶性アルミノシリケート
は、上記の各性状を有し、鉄含有の形態が従来の物に比
べて全く新しいものである。次に、本発明の鉄含有結晶
性アルミノシリケートを製造するにあたっては、下記に
述べる方法で行うのが好ましい。原料の結晶性アルミノ
シリケートとして、フォージャサイト型ゼオライト、Y
型ゼオライト、βゼオライト等が用いられるが、なかで
もアルミナに対するシリカの比率(モル比)、つまりSi
O2/Al2O3が3.5 以上、好ましくは4.6 以上のフォージャ
サイト型ゼオライトが用いられる。また、この結晶性ア
ルミノシリケートにはNa2Oが 2.4重量%以下程度含有さ
れていてもよく、好ましくはその含有量は 1.8重量%以
下程度である。
【0024】まず、上記の如き結晶性アルミノシリケー
トをスチーミング処理してスチーミング結晶性アルミノ
シリケートとする。ここでスチーミング処理の条件とし
ては、様々な状況に応じて適宜選定すればよいが、一般
には温度 540〜 810℃の水蒸気の存在下で処理するのが
好ましい。水蒸気は、外部から導入してもよいし、ゼオ
ライトに含む物理吸着水や結晶水を使用してもよい。生
成したスチーミング結晶性アルミナシリケートは水を加
え、スラリー状態としておく。
【0025】次に、このようなスチーミング処理して得
られたスチーミング結晶性アルミノシリケートに鉱酸を
加え、混合攪拌処理することによって、ゼオライト構造
骨格からの脱アルミニウムと脱落アルミニウムの洗浄を
行う。該鉱酸としては各種のものが挙げられるが、塩
酸,硝酸,硫酸などが一般的であり、そのほかリン酸,
過塩素酸,ペルオクソ二スルホン酸,二チオン酸,スル
ファミン酸,ニトロソスルホン酸等の無機酸、ギ酸,ト
リクロロ酢酸,トリフルオロ酢酸等の有機酸などを用い
ることもできる。添加すべき鉱酸の量は、結晶性アルミ
ノシリケート 1kgあたり 0.5〜15モルとし、好ましくは
3〜11モルとする。鉱酸濃度は 0.5〜50重量%溶液、好
ましくは 1〜20重量%溶液である。処理温度は、室温〜
100℃、好ましくは50〜 100℃である。処理時間は0.1
〜12時間である。
【0026】その後引き続いてこの系に鉄の硫酸塩を加
えて混合攪拌処理することによって、鉄の担持、ゼオラ
イト構造骨格からの脱アルミニウムと脱落アルミニウム
の洗浄を行う。この鉄の硫酸塩処理を行う場合、状況に
より異なり一義的に決定することはできないが、通常は
処理温度30〜 100℃、好ましくは50〜80℃、処理時間0.
1〜12時間、好ましくは 0.5〜 5時間とし、処理pH 2.0
以下、好ましくは 1.5以下の範囲で適宜選定すればよ
い。鉄の硫酸塩の種類は、硫酸第一鉄,硫酸第二鉄を挙
げることができるが、硫酸第二鉄が好ましい。この鉄の
硫酸塩はそのまま加えることもできるが、溶液として加
えることが好ましい。この際の溶液は鉄塩を溶解するも
のであればよいが、水,アルコール,エーテル,ケトン
等が好ましい。また、加える鉄の硫酸塩の濃度は、通常
は0.02〜10.0モル/リットル 、好ましくは0.05〜 5.0モル/リットル
である。
【0027】なお、この鉱酸と鉄の硫酸塩を加えて結晶
性アルミノシリケートを処理するにあたっては、そのス
ラリー比、すなわち、処理溶液容量(リットル)/アルミノ
シリケート重量(kg)は、 1〜50の範囲が好都合であ
り、特に 5〜30が好適である。本願の製造方法によれ
ば、結晶性アルミノシリケートを低pH領域で脱アルミ
ニウムを行うと同時に硫酸鉄塩で担持することにより、
結晶性アルミノシリケートの酸性質の制御および鉄の微
細化による水素化能の付与が効果的に働き、より高い分
解能を発現させているものと考えられる。
【0028】上述の如く得られる鉄含有結晶性アルミノ
シリケートは、さらに必要に応じて水洗,乾燥,焼成を
適宜行うことができるが、好ましくは搬送が容易である
程度の乾燥までがよい。得られた鉄含有結晶性アルミノ
シリケートは、効率よい重質油水素化処理触媒を製造す
る原料とするための細孔分布として、細孔径50〜30
0Åの範囲の細孔の容積が細孔径600Å以下の細孔の
全容積にたいして15〜45%、細孔径100〜300
Åの範囲の細孔の容積が細孔径600Å以下の細孔の全
容積にたいして5〜35%であることが望ましい。これ
らの範囲より少ない場合は水素化分解活性が低下し、中
間留分得率も低下する。多い場合はゼオライトの結晶性
が維持できなくなり、ゼオライトとしての分解機能は消
失する。さらに同様の理由により、細孔径50〜300
Åの範囲の細孔の容積が細孔径600Å以下の細孔の全
容積にたいして20〜40%、細孔径100〜300Å
の範囲の細孔の容積が細孔径600Å以下の細孔の全容
積にたいして10〜30%であることがより好ましい。
なお、細孔分布はBJH法により窒素ガス吸着法で求め
たものである。
【0029】本発明の炭化水素油の水素化分解処理方法
に使用する触媒の担体は、前記の鉄含有結晶性アルミノ
シリケート 5〜85重量%と無機酸化物95〜15重量%から
なるものである。好適な上記の割合は原料の炭化水素油
によって異なる。すなわち、減圧残渣油,常圧残渣油等
の重質残渣油を原料油として使用する場合、鉄含有結晶
性アルミノシリケートの割合は20〜75重量%で、45〜70
重量%がさらに好適である。また、減圧軽油や重質軽油
を原料油として使用する場合、鉄含有結晶性アルミノシ
リケートの割合は 5〜60重量%で、 5〜40重量%がさら
に好適である。
【0030】該無機酸化物は通常の接触分解に用いられ
る多孔質で非晶質の無機酸化物であり、含水酸化物、例
えばベーマイトゲル,アルミナゾルなどのアルミナある
いはシリカゾルなどのシリカまたはシリカ−アルミナ、
ボリアーアルミナなどが用いられる。鉄含有アルミノシ
リケートの割合が少なすぎると、所望の中間留分を得る
のに高い反応温度を必要とし、その結果触媒の寿命に悪
影響を与える。又、鉄含有アルミノシリケートの割合が
多すぎると、分解活性は向上するが、過分解によりナフ
サ,ガスが多く中間留分の選択性が下がる。
【0031】上記の鉄含有結晶性アルミノシリケートと
無機酸化物からなる組成物を30〜200 ℃で、0.1 〜24時
間乾燥させ、次いで、 300〜 750℃(好ましくは 450〜
700℃)で、 1〜10時間(好ましくは 2〜 7時間)焼成
し担体とする。次に、この担体に担持する金属成分は、
前述の如く周期律第 6、 8、 9、10族金属のうちの少な
くとも一種である。ここで周期律表第 6族に属する金属
としては、Mo,Wが好ましく、また第 8〜10族に属す
る金属としては、Ni,Co,Feが好ましい。二種類
の金属の組合せとしては、Ni−Mo,Co−Mo,N
i−W,Co−Wなどが挙げられ、なかでもCo−M
o,Ni−Moが好ましい。上記活性成分である金属の
担持量は、特に制限はなく各種条件に応じて適宜選定す
ればよいが、通常は第 6族の金属は、触媒全体の 0.5〜
24重量%、好ましくは 5〜18重量%、第 8〜10族の金属
は、触媒全体の 0.1〜20重量%、好ましくは1〜 8重量
%である。
【0032】上記活性成分を担体に担持するにあたって
は、含浸法,混練法,共沈法などの公知の方法を採用で
きる。上記の活性成分を担体に担持したものを30〜200
℃で、 0.1〜24時間乾燥させ、次いで、 300〜 750℃
(好ましくは 450〜 700℃)で、 1〜10時間(好ましく
は 2〜 7時間)焼成し触媒として仕上げる。
【0033】活性成分の金属を担体に担持した触媒の物
性は、表面積(BET法) 100〜 600m2/g、好ましくは
150〜 500m2/g、細孔容積(残渣油用の触媒の場合は水
銀圧入法、また留出油用の触媒の場合は窒素吸着法)0.
20〜0.80cc/g、好ましくは0.30〜0.60cc/g、平均細孔直
径(残渣油用の触媒の場合は水銀圧入法、また留出油用
の触媒の場合は窒素吸着法)70〜 200Å、好ましくは70
〜 180Åである。なお、常圧残渣油,減圧残渣油等の重
質残渣油を原料油として使用する場合、水銀圧入法で測
定した場合、細孔径 1,000Å以上の細孔容積が 0.1cc/g
以上であるのが好ましい。
【0034】本発明の炭化水素油の水素化分解処理を行
う水素化分解処理油の製造方法は、上述の触媒を用いて
炭化水素油を水素化分解処理することにより達成され
る。ここで水素化分解処理すべき原料炭化水素油として
は、特に制限はなく種々のものが可能であるが、常圧残
渣油,減圧残渣油,溶剤脱瀝残渣油,接触分解残渣油,
ビスブレーキング油,原油,抜頭原油等の残渣分を含む
炭化水素油(以上、残渣油と言う)や重質軽油,減圧軽
油,分解軽油,コーカーガス油,溶剤脱瀝油のような重
質留出油、あるいはこれらを含む混合油が特に好適な原
料油である。また、その他の原料炭化水素油としてはコ
ールタール,タールサンド油,シェールオイルなどが挙
げられる。
【0035】本発明の製造方法により炭化水素油を水素
化分解処理するにあたっては、従来から水素化分解処理
に採用されている広範囲の反応条件を採用すればよい。
具体的な反応条件は、原料油の種類などにより変動し、
一義的に定めることはできないが、通常は反応温度 320
〜 550℃、好ましくは 350〜 430℃、水素分圧10〜300k
g/cm2 、好ましくは50〜150kg/cm2 、水素/油(比) 1
00〜2000nm3/キロリットル、好ましくは 300〜1000nm3/キロリット
ル、液空間速度(LHSV) 0.1〜5h-1、好ましくは0.2〜2.
0h-1の範囲で適宜選定すればよい。
【0036】通常、ナフサおよび灯軽油の製造を目的と
して残渣油を処理して水素化分解油を製造する場合は3
0〜80%の得率で水素化分解する事が多い。あまり分
解率をあげるとガスの発生が増えたり、触媒の劣化が早
まることがある。重質留出油を処理して水素化分解油を
製造する場合は100%近くまで分解率を上げてもガス
の発生は残渣油の処理よりは少なく、高分解率でナフサ
および灯軽油の製造に利用することができる。また、生
成油の一部をリサイクルして水素化分解処理することに
より、分解率をあげてもガスの発生を抑えたり、触媒の
劣化を防ぐことができる。
【0037】さらに、本発明の水素化分解処理方法で
は、本発明の触媒を単独で用いてもよいが、一般の水素
化処理触媒と組み合わせたものを用いてもよい。
【0038】
〔実施例1〕
(1)鉄含有結晶性アルミノシリケートの調製 合成Na-Yゼオライト(Na2O含量13.3重量%,SiO2/Al2O3
モル比5.0 )をアンモニウム交換し、NH4-Y ゼオライト
(Na2O含量 1.3重量%)を得た。これを 580℃でスチー
ミング処理してスチーミングゼオライトを得た。10kgの
スチーミングゼオライトを純水115リットル に懸濁させた
後、該懸濁液を75℃に昇温し30分間攪拌した。次いでこ
の懸濁液に10重量%硫酸溶液63.7kgを35分間で添加し、
更に濃度0.57モル/リットル の硫酸第二鉄溶液11.5kgを10分間
で添加し、添加後更に30分間攪拌した後、濾過、洗浄
し、固形分濃度30.5重量%の鉄含有結晶性アルミノシリ
ケートスラリーIを得た。
【0039】この鉄含有結晶性アルミノシリケートスラ
リーIの一部をとり乾燥したのち、細孔構造を測定し
た。細孔構造としては、600Å以下の細孔容積は0.
5393cc/g、600Å以下の細孔容積に占める5
0〜300Åの細孔容積の割合は22.8%、さらに、
100〜300Åの細孔容積の割合は15.6%であっ
た。
【0040】(2)アルミナスラリーの調製 内容積200リットル のスチームジャケット付ステンレス容器
に、アルミン酸ナトリウム溶液(Al2O3 換算濃度 5.0重
量%)80kg及び50重量%のグルコン酸溶液240gを入れ、
60℃に加熱した。次いで硫酸アルミニウム溶液(Al2O3
換算濃度 2.5重量%)88kgを別容器に準備し、15分間で
pH 7.2になるように該希釈硫酸アルミニウム溶液を添加
し水酸化アルミニウムスラリー(調合スラリーI)を得
た。該調合スラリーIを更に60℃に保ったまま、60分間
熟成した。次いで、前記調合スラリー全量を平板フィル
ターにより脱水し、60℃の 0.3重量%アンモニア水600リ
ットル で洗浄し、アルミナケーキとした。該アルミナケー
キの一部を純水と15重量%のアンモニア水を用い、アル
ミナ濃度12.0重量%、pH10.5のスラリーを得た。このス
ラリーを還流器付のステンレス製熟成タンクに入れ攪拌
しながら95℃で 8時間熟成した。次いで、この熟成スラ
リーに純水を加え、アルミナ濃度 9.0重量%に希釈した
後、攪拌機付オートクレーブに移し 145℃で 5時間熟成
した。更にAl 2O3 換算濃度で20重量%となるように加熱
濃縮すると同時に脱アンモニアし、アルミナスラリーA
を得た。
【0041】(3)触媒の調製 3200gの鉄含有結晶性アルミノシリケートスラリー
I(30.5重量%濃度)と2625gのアルミナスラリー
A(20重量%濃度)をニーダーに加え、加熱、攪拌しな
がら押し出し成形可能な濃度に濃縮した後、1/16インチ
サイズの三葉型ペレット状に押し出し成形した。次い
で、110 ℃で16時間乾燥した後、550 ℃で3時間焼成
し、鉄含有結晶性アルミノシリケート/アルミナ(固形
分換算重量比)で 65/35の実施例1の担体Iを得た。
【0042】次いで、三酸化モリブデンと炭酸コバルト
を純水に懸濁したものを90℃に加熱し、次いでリンゴ酸
を加え溶解させた。この溶解液を担体Iにそれぞれ触媒
全体に対してMoO3として10.0重量%,CoO として4.25重
量%になるように含浸し、次いで乾燥させ、 550℃で 3
時間焼成し、触媒Iを得た。この触媒は比表面積455m2/
g、細孔容積0.62cc/g、細孔径 1,000Å以上の細孔容積
0.13cc/gであった。なお、実施例1〜3および比較例
1、2は比表面積はBET法、細孔容積、細孔分布は水
銀圧入法で測定したものである。
【0043】〔実施例2〕実施例1の(3)において、
鉄含有結晶性アルミナシリケート/アルミナ(固形分換
算重量比)を60/40 に代えた以外は、同様にして担体II
を得、更に同様に金属を含浸して触媒IIを得た。この触
媒は比表面積 463m2/g、細孔容積0.63cc/g、細孔径 1,0
00Å以上の細孔容積0.13cc/gであった。(触媒Iと同様
の測定方法) 〔実施例3〕実施例1の(3)において、鉄含有結晶性
アルミナシリケート/アルミナ(固形分換算重量比)を
10/90 に代えた以外は、同様にして担体III を得た。更
に炭酸コバルトを炭酸ニッケルに変えて、NiO として4.
25重量%、MoO3として15.0重量%になるように金属を含
浸した以外は実施例1の(3)と同様にして触媒IIIを
得た。この触媒は、減圧軽油,重質軽油,コーカーガス
油等の原料油の水素化分解処理に使用することができ
る。
【0044】〔実施例4〕 (1)鉄含有結晶性アルミノシリケートの調製 実施例1の(1)と同じようにして鉄含有結晶性アルミ
ノシリケートIの調製を行った。 (2)アルミナスラリーの調製 実施例1の(2)で得られた調合スラリーI100kg
を攪拌機および外部循環ライン付きのタンクに張り込
み、60℃に保ちながら外部循環10m3 /hrで30
分間攪拌しアルミナシードを作った。次に外部循環はそ
のままにして、アルミン酸ナトリウム水溶液(Al2O3
算濃度5重量%)150kg/hr、硫酸アルミニウム
水溶液(同2.5重量%)160kg/hrで同時に3
時間添加して調合スラリーIIを得た。なお、タンク内
のpHは常に7.0〜7.5となるよう硫酸アルミニウ
ム水溶液の添加量を調整した。調合スラリーII(アル
ミナ換算)3kgを平板フィルターで脱水し、60℃ア
ンモニア水(0.3重量%濃度)300リットルで洗浄
した。この洗浄ケーキに脱イオン水とアンモニア水(1
5重量%濃度)加え、pH10.5でスラリー(アルミ
ナ換算濃度19重量%)とし、これを95℃で30時間
攪拌熟成しアルミナスラリーBを得た。
【0045】(3)触媒の調製 鉄含有結晶性アルミノシリケートスラリーIとアルミナ
スラリーBを固形分換算で重量比が10/90となるよ
うにニーダーに導入し加熱、攪拌しながら押し出し成形
可能な濃度に濃縮した後、押出成形機で1/16インチサイ
ズの円柱型ペレット状に成形した。次いで、110 ℃で16
時間乾燥した後、550 ℃で 3時間焼成し担体IVを得
た。
【0046】更に炭酸コバルトを炭酸ニッケルに変え
て、NiO として4.25重量%、MoO3として15.0重量%にな
るように金属を含浸した以外は実施例1の(3)と同様
にして触媒IVを得た。この触媒は比表面積275m2/
g、細孔容積0.58cc/g、平均細孔径104Åであった。
なお、実施例4、5比較例3、4については比表面積は
BET法、細孔容積、細孔分布は窒素吸着法で測定した
ものである。
【0047】〔実施例5〕鉄含有結晶性アルミノシリケ
ートスラリーIとアルミナスラリーBを固形分換算で重
量比が15/85となるように調整した以外は実施例4
と同じ方法で担体Vを製造し、これを水蒸気存在雰囲気
下650 ℃で3時間焼成して調製した以外は実施例4と同
じ方法で触媒Vを得た。この触媒は比表面積221m2/
g、細孔容積0.51cc/g、平均細孔径115Åであっ
た。(触媒IVと同様の測定法) 〔実施例6〕 (1)鉄含有結晶性アルミノシリケートの調製 実施例1の(1)と同じようにして鉄含有結晶性アルミ
ノシリケートIの調製を行った。
【0048】(2)アルミナスラリーDの調製 200Lのスチームジャケット付きステンレス容器にア
ルミン酸ナトリウム溶液(Al2 3 換算濃度5.0重
量%)80kg、および50重量%のグルコン酸溶液2
40gを入れ、60℃に加熱した。次いで、硫酸アルミ
ニウム溶液(Al2 3 換算濃度2.5重量%)88k
gを15分間でpH7.2になるように調整しながら添
加し、アルミニウムスラリー(調合スラリー)を得た。
【0049】この調合スラリーを平板フィルターにより
脱水し、60℃の0.3重量%アンモニア水で洗浄し洗
浄アルミナケーキを得た。この洗浄アルミナケーキに1
5重量%アンモニア水と純水を加え、固形分濃度(Al
2 3 として)12重量%、pH10.5のスラリーを
得た。これを還流噐付きステンレス製熟成タンクで攪拌
しながら、95℃で8時間熟成したのち、加熱濃縮し、
脱アンモニアと水分の一部除去により、固形分濃度(A
2 3 として)20重量%のアルミナスラリーDを得
た。
【0050】(3)触媒の調製 上記アルミナスラリーDにAl2 3 /B2 3 の重量
比で85/15となるようにほう酸を添加しアルミナー
ほう酸スラリーを得た。このアルミナーほう酸スラリー
と鉄含有結晶性アルミノシリケートスラリーIを固形分
換算で重量比が90/10となるようにニーダーに導入
し加熱、攪拌しながら押し出し成形可能な濃度に濃縮し
た後、押出成形機で1.8mmサイズの穴径のダイスを
用いて円柱型ペレット状に成形した。次いで、110 ℃で
12時間乾燥した後、550 ℃で 3時間焼成し担体Xを得
た。
【0051】更に炭酸コバルトを炭酸ニッケルに変え
て、NiO として4.25重量%、MoO3として15.0重量%にな
るように金属を含浸した以外は実施例1の(3)と同様
にして触媒Xを得た。この触媒Xの平均細孔径は71
Å,比表面積275m2/g、細孔容積0.40cc/gであっ
た。(実施例4と同様の測定法) 〔実施例7〕 (1)鉄含有結晶性アルミノシリケートの調製 実施例1の(1)と同じようにして鉄含有結晶性アルミ
ノシリケートIの調製を行った。
【0052】(3)触媒の調製 アルミナーほう酸スラリーと鉄含有結晶性アルミノシリ
ケートスラリーIを固形分換算で重量比が85/15と
し〔実施例6〕と同様の操作で担体XIを得た。この担
体XIに〔実施例6〕と同様にして金属分を含浸させ
た。これを550℃で焼成して触媒XIを得た。この触
媒XIの平均細孔径は69Å,比表面積288m2/g、細
孔容積0.37cc/gであった。(実施例4と同様の測定
法) 〔実施例8〕 (1)鉄含有結晶性アルミノシリケートの調製 実施例1の(1)と同じようにして鉄含有結晶性アルミ
ノシリケートIの調製を行った。
【0053】(2)アルミナスラリーEの調製 200Lのスチームジャケット付きステンレス容器にア
ルミン酸ナトリウム溶液(Al2 3 換算濃度5.0重
量%)80kg、および50重量%のグルコン酸溶液2
40gを入れ、60℃に加熱した。次いで、硫酸アルミ
ニウム溶液(Al2 3 換算濃度2.5重量%)88k
gを15分間でpH7.2になるように調整しながら添
加し、アルミニウムスラリー(調合スラリー)を得た。
【0054】この調合スラリーを平板フィルターにより
脱水し、60℃の0.3重量%アンモニア水で洗浄し洗
浄アルミナケーキを得た。この洗浄アルミナケーキに、
シリカコロイド(SiO2 換算濃度20.5重量%:触
媒化成工業株式会社製Cataloid Sl−3
0)、15重量%アンモニア水と純水を加え、固形分濃
度(Al2 3 +SiO2 として)12重量%、pH1
0.5のスラリーを得た。このスラリーはAl2 3
SiO2 の重量比で90/10であった。これを還流噐
付きステンレス製熟成タンクで攪拌しながら、95℃で
8時間熟成したのち、加熱濃縮し、脱アンモニアと水分
の一部除去により、固形分濃度(Al2 3 +SiO2
として)20重量%のアルミナシリカスラリー(アルミ
ナスラリーEと呼ぶ)を得た。
【0055】(3)触媒の調製 上記アルミナスラリーEと鉄含有結晶性アルミノシリケ
ートスラリーIを固形分換算で重量比が15/85とな
るようにニーダーに導入し加熱、攪拌しながら押し出し
成形可能な濃度に濃縮した後、押出成形機で1.8mm
サイズの穴径のダイスを用いて円柱型ペレット状に成形
した。次いで、110 ℃で12時間乾燥した後、スチーム
存在下650℃、3時間焼成し担体XIIを得た。
【0056】更に炭酸コバルトを炭酸ニッケルに変え
て、NiO として4.25重量%、MoO3として15.0重量%にな
るように金属を含浸した以外はこの担体XIIに〔実施
例6〕と同様にして金属分を含浸させた。これを550
℃で焼成して触媒XIIを得た。この触媒XIIの平均
細孔径は70Å,比表面積303m2/g、細孔容積0.4
4cc/gであった。(実施例4と同様の測定法) 〔実施例9〕実施例1の(3)において、鉄含有結晶性
アルミナシリケート/アルミナ(固形分換算重量比)を
55/45に代えた以外は、実施例1の(3)と同様に
して担体XIIIを得、更に同様に金属を含浸して触媒
XIIIを得た。この触媒は比表面積403m2/g、細孔
容積0.60cc/g、細孔径 1,000Å以上の細孔容積0.
10cc/gであった。(触媒Iと同様の測定方法) 〔実施例10〕 (1)鉄含有結晶性アルミノシリケートの調製 合成Na-Yゼオライト(Na2O含量13.3重量%,SiO2/Al2O3
モル比5.0 )をアンモニウム交換し、NH4-Y ゼオライト
(Na2O含量 1.3重量%)を得た。これを 580℃でスチー
ミング処理してスチーミングゼオライトを得た。10kgの
スチーミングゼオライトを純水115リットル に懸濁させた
後、該懸濁液を75℃に昇温し30分間攪拌した。次いでこ
の懸濁液に10重量%硫酸溶液53.9kgを35分間で添加し、
更に濃度0.57モル/リットル の硫酸第二鉄溶液11.5kgを10分間
で添加し、添加後更に30分間攪拌した後、濾過、洗浄
し、固形分濃度30.5重量%の鉄含有結晶性アルミノシリ
ケートスラリーIVを得た。この鉄含有結晶性アルミノ
シリケートスラリーIVの格子定数は24.38Å、鉄
含有量は4.8重量%(Fe2 3 換算)、SiO2
Al2 3 比(モル比)は24.7、比表面積は751
m2/gであった。
【0057】(2)触媒の調製 上記鉄含有結晶性アルミノシリケートスラリーIVと実
施例1の(2)で得られたアルミナスラリーAとを重量
比で55/45(固形分換算重量比)とした以外は実施
例1の(3)と同様の方法で担体XIVおよび触媒XI
Vを得た。この触媒XIVは比表面積416m2/g、細孔
容積0.66cc/g、細孔径 1,000Å以上の細孔容積0.
13cc/gであった。なお、比表面積はBET法、細孔容
積、細孔分布は水銀圧入法で測定したものである。
【0058】〔比較例1〕 (1)鉄含有結晶性アルミノシリケートの調製 合成Na-Yゼオライト(Na2O含量13.3重量%,SiO2/Al2O3
モル比5.0 )をアンモニウム交換し、NH4-Y ゼオライト
(Na2O含量 1.3重量%)を得た。これを 580℃でスチー
ミング処理してスチーミングゼオライトを得た。10kgの
スチーミングゼオライトを純水115リットル に懸濁させた
後、該懸濁液を75℃に昇温し30分間攪拌した。次いでこ
の懸濁液に10重量%硝酸溶液81.9kgを35分間で添加し、
更に濃度0.57モル/リットル の硝酸第二鉄溶液23.0kgを10分間
で添加し、添加後更に30分間攪拌した後、濾過、洗浄
し、固形分濃度30.5重量%の鉄含有結晶性アルミノシリ
ケートスラリーIIを得た。
【0059】(2)アルミナスラリーの調製 実施例1に同じ。 (3)触媒の調製 3200gの鉄含有結晶性アルミノシリケートスラリー
II(30.5重量%濃度)と2625gのアルミナスラリー
A(20重量%濃度)をニーダーに加え、加熱、攪拌しな
がら押し出し成形可能な濃度に濃縮した後、1/16インチ
サイズの三葉型ペレット状に押し出し成形した。次い
で、 110℃で16時間乾燥した後、 550℃で3時間焼成
し、鉄含有結晶性アルミノシリケート/アルミナ(固形
分換算重量比)で 65/35の担体VIを得た。
【0060】次いで、三酸化モリブデンと炭酸コバルト
を純水に懸濁したものを90℃に加熱し、次いでリンゴ酸
を加え溶解させた。この溶解液を担体VIにそれぞれ触媒
全体に対してMoO3として10.0重量%,CoO として4.25重
量%になるように含浸し、次いで乾燥させ、 550℃で 3
時間焼成し、触媒VIを得た。この触媒は比表面積455m2/
g、細孔容積0.62cc/g、細孔径 1,000Å以上の細孔容積
0.13cc/gであった。(触媒Iと同様の測定方法) 〔比較例2〕 (1)鉄含有結晶性アルミノシリケートの調製 合成Na-Yゼオライト(Na2O含量13.3重量%,SiO2/Al2O3
モル比5.0 )をアンモニウム交換し、NH4-Y ゼオライト
(Na2O含量 1.3重量%)を得た。これを 580℃でスチー
ミング処理してスチーミングゼオライトを得た。10kgの
スチーミングゼオライトを純水200リットル に懸濁させた。
次いでこの懸濁液に濃度0.57モル/リットル の硝酸第二鉄溶液
46.1kgを10分間で添加し、添加後更に 5分間攪拌した
後、次いでこの懸濁液を室温から75℃まで35分間で添加
した。昇温途中で懸濁液の温度が60℃に達した時点で10
重量%硝酸41.0kgを35分間で添加した。次いで、懸濁液
を30分間攪拌した後、濾過、洗浄し、 120℃で 4時間乾
燥させて固形分濃度52.3重量%の鉄含有結晶性アルミノ
シリケートIII を得た。
【0061】(2)アルミナスラリーの調製 内容積200リットル のスチームジャケット付ステンレス容器
に、アルミン酸ナトリウム溶液(Al2O3 換算濃度 5.0重
量%)80kg及び50重量%のグルコン酸溶液240gを入れ、
60℃に加熱した。次いで硫酸アルミニウム溶液(Al2O3
換算濃度2.5 重量%)88kgを別容器に準備し、15分間で
pH 7.2になるように該希釈硫酸アルミニウム溶液を添加
し水酸化アルミニウムスラリー(調合スラリーI)を得
た。該調合スラリーIを更に60℃に保ったまま、60分間
熟成した。次いで、前記調合スラリー全量を平板フィル
ターにより脱水し、60℃の 0.3重量%アンモニア水600リ
ットル で洗浄し、アルミナケーキとした。該アルミナケー
キの一部を純水と15重量%のアンモニア水を用い、アル
ミナ濃度12.0重量%、pH10.5のスラリーを得た。このス
ラリーを還流器付のステンレス製熟成タンクに入れ攪拌
しながら95℃で 8時間熟成した。更にAl2O3 換算濃度で
20重量%となるように加熱濃縮すると同時に脱アンモニ
アし、アルミナスラリーCを得た。
【0062】(3)触媒の調製 鉄含有結晶性アルミノシリケートIII 746g(52.3重量%
濃度)とアルミナスラリーC600g(35重量%濃度)を捏
和・混練した後、押し出し成形し、乾燥空気で200℃、4
時間乾燥処理後、ロータリーキルンで 550℃、 3時間
焼成することにより、鉄含有アルミノシリケート/アル
ミナ(固形分換算重量比)で 65/35の担体Vを得た。
【0063】次いで、三酸化モリブデンと炭酸コバルト
を純水に懸濁したものを90℃に加熱し、次いでリンゴ酸
を加え溶解させた。この溶解液を担体VIIにそれぞれ触
媒全体に対してMoO3として10.0重量%,CoO として4.25
重量%になるように含浸し、次いでロータリーキルンを
用いて乾燥させ、 550℃で 3時間焼成し、触媒VIIを得
た。この触媒は比表面積 435m2/g、細孔容積0.62cc/g、
細孔径 1,000Å以上の細孔容積0.13cc/gであった。(触
媒Iと同様の測定方法) 〔比較例3〕鉄含有結晶性アルミノシリケートスラリー
Iのかわりに鉄含有結晶性アルミノシリケートスラリー
IIを用いて担体VIIIを調製した以外は実施例4と同様
にして触媒VIIIを調製した。この触媒は比表面積244
m2/g、細孔容積0.59cc/g、細孔径139Åであっ
た。(実施例4と同様の測定方法) 〔比較例4〕水蒸気存在雰囲気下650 ℃で3時間焼成し
て担体IXを調製した以外は比較例3と同様にして触媒
IXを調製した。この触媒は比表面積179m2/g、細孔
容積0.54cc/g、細孔径137Åであった。(実施例
4と同様の測定方法)以上調製した鉄含有結晶アルミノ
シリケートについて諸物性の測定を、触媒について水素
化分解活性の評価を下記の通り行った。
【0064】(I)鉄含有結晶性アルミノシリケートの
諸物性 (a) TPR測定 上記で得られた鉄含有結晶性アルミノシリケートを乾
燥、整粒したものを100mg 石英ガラス管に充填し、乾燥
空気流通下で 377℃で 2時間焼成した。室温まで冷却し
た後、水素−アルゴン混合ガス気流中で数時間保持し
た。その後、10℃/分の昇温速度で1077℃まで昇温し、
この間の水素の物質収支を測定した。なお、水素の量は
熱伝導度検出器(TCD )にて求めた。得られた〔Fe〕de
p 及び高温側還元ピークの温度を第1表に示す。
【0065】(b)格子定数〔UD〕の測定 上記で得られた鉄含有結晶性アルミノシリケートを乾燥
させたものとシリコン内部標準粉末をよく混合、粉砕し
X線粉末回折用サンプルホルダーに充填した。これをCu
管球,印加電圧40KV,印加電流40mVにてステップスキャ
ンで測定し、得られたピーク角度より鉄含有結晶性アル
ミノシリケートの格子定数〔UD〕を算出した。結果を第
1表に示す。
【0066】(c)末端SiOH基/ブレンステッド酸
比の測定 乾燥した粉末状の試料30mgを直径20mmのウエハーに成形
したものを、1.0 ×10 -4mmHgよりも大きくない圧力に
て、450 ℃で1 時間加熱処理して物理吸着水を除去した
後、室温まで冷却し、赤外分光光度計を用い、透過方式
にてスペクトルを測定する。次に得られたIRスペクト
ルより、3740±10cm-1の吸光度C、3630±10cm-1の吸光
度D及び3560±10cm-1の吸光度Eを計測し、実際のウエ
ハーの重さで割って標準化する。標準化した吸光度をそ
れぞれC’D’E’とすると、末端SiOH基/ブレン
ステッド酸比は、C’/(D’+E’)の式から求めた
値である。結果を第1表に示す。
【0067】(II)触媒の残渣油水素化分解活性評価 (評価結果1:単独評価)成形した触媒のペレット100
ccを高圧固定床反応器に充填し、硫化処理した後、アラ
ビアンヘビー常圧残渣油を原料油として、反応温度 400
℃,液空間速度(LHSV)0.3h-1,水素分圧135kg/cm2
水素/油比1,000nm3/キロリットル の条件で水素化分解処理を
行った。得られた生成油を蒸留ガスクロマトグラフィー
法により分析を行い、343 + ℃留分(343 ℃より高い温
度の留分)分解率,中間留分(171〜343 ℃留分)収率
及び脱硫率を求め、触媒I,II, XIII,XIV ,VI, VII
につき常圧残渣油の水素化分解活性を評価した。原料常
圧残渣油の性状を第2表に、触媒I,II,XIII,XIV ,
VI, VII の結果を第3表に示す。
【0068】触媒Iの鉄含有結晶性アルミノシリケート
含量65重量%に対し、触媒IIは60重量%に低減すること
により、中間留分の収率は向上している。また、脱硫活
性においても、アルミナ含量の増加に伴い 4重量%ほど
増大している。このように高活性な鉄含有結晶性アルミ
ノシリケートを触媒成分とすることにより、結晶性アル
ミノシリケートを低減、アルミナの増量ができ、中間留
分収率の向上が可能となる。また、触媒コストの低減が
可能である。
【0069】(評価結果2:組合せ評価)市販の1/1
6インチ三つ葉型の水素化脱メタル処理触媒(触媒化成
工業株式会社製CDS−DM5(アルミナ担体ニッケ
ル、モリブデン系))480CC、1/16インチ三つ
葉型の水素化脱硫触媒(触媒化成工業株式会社製CDS
−R25H(アルミナ担体コバルト、モリブデン系))
400CC、前記で調製した触媒を560CC、前記水
素化脱硫触媒560CCの順で高圧固定床反応器に充填
し、通常の方法で硫化処理した。その後アラビアンライ
ト系原油から得た常圧残渣油を原料油として、反応温度
400℃、LHSVは0.25、水素分圧120 kg/cm
2 ,水素/油比1,000nm3/キロリットル の条件以外は上記(評
価2:組合せ評価)と同様の操作により触媒I,II, XI
II,VIの水素化分解活性を評価した。原料常圧残渣油の
性状を第4表に、触媒I,II, XIII,VIの評価結果を第
5表に示す。
【0070】(評価結果3:組合せ評価)原料油を第6
表に示す性状の混合油(プロパン脱歴アスファルトと減
圧残油を混合した油60容量%、分解軽油容量40%の
混合油)とした以外は上記(評価2:組合せ評価)と同
様の操作により触媒I,II, XIII,VI, VII の水素化分
解活性を評価した。触媒I,II, XIII,VI, VII の評価
結果を第7表に示す。
【0071】(III)触媒の重質留出油水素化分解活性評
価 (評価結果4:組合せ評価)市販の1/16インチ円柱
型の水素化処理触媒(触媒化成工業株式会社製HT−D
7(アルミナ担体コバルト、モリブデン系))50C
C、前記で調製した触媒を50CCの順で高圧固定床反
応器に充填し、通常の方法で硫化処理した。その後中東
系原油から得た重質軽油Iを原料油として、液空間速度
(LHSV)1.0h-1,水素分圧110kg/cm2 ,水素/油比1,00
0nm3/キロリットル の条件で水素化分解処理を行った。反応温
度は385℃に調節した。原料重質軽油Iの性状を第8
表に示す。触媒IV、V、VIII、IXにつき得られた活
性評価の結果等を第9表に示す。
【0072】(評価結果5:組合せ評価)第8表に性状
を示す原料重質軽油IIを用いた以外は(評価結果4:
組合せ評価)と同様にして触媒X、XI、XIIを評価
した。触媒X、XI、XIIの活性評価結果等を第10
表に示す。 (評価結果6:組合せ評価)市販の1/16インチ円柱
型の水素化処理触媒(触媒化成工業株式会社製HT−D
7(アルミナ担体コバルト、モリブデン系))50C
C、前記で調製した触媒を40CC、前記水素化処理触
媒10CCの順で高圧固定床反応器に充填し、反応温度
を原料油中の360℃以上の留分の分解率が65%とな
るように調節した以外は(評価4:組合せ評価)と同様
の操作により水素化分解処理を行った。触媒IV、V、
VIII、IXにつき得られた活性評価の結果等を第11表
に示す。
【0073】(評価結果7:組合せ評価)第8表に性状
を示した原料重質軽油IIを用いた以外は(評価結果
6:組合せ評価)と同様にして触媒X、XI、XIIを
評価した。触媒X、XI、XIIの活性評価結果等を第
12表に示す。 (評価結果8:単独評価)前記で調製した触媒IV10
0CCを高圧固定床反応器に充填し、通常の方法で硫化
処理した。その後、前記重質軽油Iを原料油として、反
応温度385℃、液空間速度(LHSV)1.0h-1,水素分圧
110kg/cm2 ,水素/油比1,000nm3/キロリットルの条件で水素
化分解処理を行った。触媒IVにつき得られた活性評価
の結果等を第13表に示す。
【0074】(評価結果9:組合せ評価)市販の1/1
6インチ円柱型の水素化処理触媒(触媒化成工業株式会
社製HT−D7(アルミナ担体コバルト、モリブデン
系))50CC、前記で調製した触媒を40CC、前記
水素化処理触媒10CCの順で高圧固定床反応器に充填
し、反応温度を390℃とし、原料重質軽油IIを用
い、水素分圧をそれぞれ80 kg/cm2 、50 kg/cm2
調節した以外は(評価4:組合せ評価)と同様の操作に
より水素化分解処理を行った。触媒XIにつき各水素分
圧で得られた活性評価の結果等を第14表に示す。
【0075】
【表1】
【0076】
【表2】
【0077】
【表3】
【0078】
【表4】
【0079】
【表5】
【0080】
【表6】
【0081】
【表7】
【0082】
【表8】
【0083】
【表9】
【0084】
【表10】
【0085】
【表11】
【0086】
【表12】
【0087】
【表13】
【0088】
【表14】
【0089】
【発明の効果】本発明の新規な鉄含有結晶性アルミノシ
リケートを触媒の成分として使用することによって、特
に残渣油、混合重油、重質軽油等の重質油をはじめとす
る各種の炭化水素油の水素化分解処理を、中間留分の収
率を維持しつつ、高い分解活性で行うことができる。さ
らに、重質留出油の場合には鉄含有結晶性アルミノシリ
ケートの含量が少なくても良好な結果を示す。また、脱
硫触媒等との組合せにおいても良好な結果がえられる。
フロントページの続き Fターム(参考) 4G069 AA01 AA03 AA08 BA01A BA01B BA03B BA07A BA07B BA43A BA45A BB02A BB04A BB10C BB18B BC16A BC57A BC59A BC59B BC65A BC66A BC66C BC67A BC67B BC68A BC68B BC69A CC05 DA05 EA02Y EC03Y EC04Y EC06Y EC07Y EC14Y EC15Y EC17Y EC18X EC18Y EC19 EC27 FA01 FB08 FB65 ZA04B ZA33A ZA33B ZC03 ZC04 ZC08 ZD03 ZD04 ZD06 ZE05 ZF02A ZF02B ZF05A ZF05B 4G073 BA36 CZ51 FB03 FB50 FE05 GA01 GA05 GA13 GA14 GB07 UA01 4H029 CA00 DA00

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記の(A)〜(C)を満足することを
    特徴とする新規な鉄含有結晶性アルミノシリケート。 (A)酸化物の形態で表わした主な組成が、一般式 aFe2O3・Al2O3 ・bSiO2 ・nH2O 〔式中、nは 1〜30の実数を示し、またa及びbは次の
    関係を満たす実数である。 15<b< 100、 0.005<a/b<0.15〕 で表わされる。 (B)昇温プログラム還元により計算される不活性鉄化
    合物含有率〔Fe〕dep が25%以下である。 (C)少なくとも一つの高温部還元ピーク温度Thが、式 Th>(−300 ×UD+8320)℃ 〔式中、UDは鉄含有結晶性アルミノシリケートの格子定
    数Åを示し、 24.20〜 24.40の範囲にある実数であ
    る。〕の範囲にある。
  2. 【請求項2】 赤外線吸収スペクトルにおいて測定され
    る末端SiOH(シラノール)基/ブレンステッド酸比
    が 0.5〜 2である請求項1記載の鉄含有結晶性アルミノ
    シリケート。
  3. 【請求項3】 細孔径50〜300Åの範囲の細孔の容
    積が、細孔径600Å以下の細孔の全容積の15〜45
    %である請求項1又は2記載の鉄含有結晶性アルミノシ
    リケート。
  4. 【請求項4】 細孔径100〜300Åの範囲の細孔の
    容積が、細孔径600Å以下の細孔の全容積の5〜35
    %である請求項1〜3のいずれかに記載の鉄含有結晶性
    アルミノシリケート。
  5. 【請求項5】 アルミナに対するシリカの比率(モル
    比)が 3.5以上である結晶性アルミノシリケートをスチ
    ーミング処理して得られるスチーミング結晶性アルミノ
    シリケートを鉱酸で処理し、次いで該鉱酸の存在下鉄の
    硫酸塩を用いて処理することを特徴とする請求項1〜4
    のいずれかに記載の鉄含有結晶性アルミノシリケートの
    製造方法。
  6. 【請求項6】 鉱酸が硫酸である請求項5記載の鉄含有
    結晶性アルミノシリケートの製造方法。
  7. 【請求項7】 請求項1〜4のいずれかに記載の鉄含有
    結晶性アルミノシリケート 5〜85重量%と、無機酸化物
    95〜15重量%からなる担体に、周期律表第 6、 8、 9及
    び10族金属のうち少なくとも一種を担持してなる、炭化
    水素油の水素化分解触媒。
  8. 【請求項8】 無機酸化物がアルミナで、担持してなる
    金属がモリブデンおよび、ニッケル又はコバルトである
    請求項7記載の水素化分解触媒。
  9. 【請求項9】 請求項7または8のいずれかに記載の水
    素化分解触媒を用いて炭化水素油の水素化分解処理を行
    う水素化分解処理油の製造方法。
  10. 【請求項10】 水素化分解処理される炭化水素油が残
    渣油である請求項9記載の水素化分解処理油の製造方
    法。
  11. 【請求項11】 水素化分解処理される炭化水素油が重
    質留出油である請求項9記載の水素化分解処理油の製造
    方法。
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