JP2010215736A - 高オクタン価ガソリン留分の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】LCOなどの高芳香族炭化水素油原料を、水素化分解触媒と接触させ、1環アロマ、特にC8アロマを高比率で含有するナフサ留分、すなわち高オクタン価のガソリン留分を製造する方法を提供する。
【解決手段】高芳香族炭化水素油を、水素化分解触媒と接触させることによって、ガソリン留分を製造する方法において、水素化分解触媒として、耐火性担体に、特定の格子定数、結晶化度、酸量、及び特定の式を満たすOH基の吸光度を有する、超安定Y型ゼオライトを40質量%以上含有する担体を用いる触媒を使用する。
【選択図】なし

Description

本発明は、高オクタン価ガソリン留分の製造方法に関し、より詳しくは、高芳香族炭化水素油原料を、水素化分解触媒と接触させて、高オクタン価のガソリン留分を得る高オクタン価ガソリン留分の製造方法に関するものである。
近年、世界的に自動車が普及し、かつそれが高級化している。したがって、それらに用いる燃料の需要が増大し、かつ高品質化しつつあり、炭素数6〜8の芳香族炭化水素を多量に含む高オクタン価ガソリン留分の必要性は、増大している。
このような状況から、ガソリン留分源となる原料を従来より拡大し、これまでガソリン留分源としては好ましくないとされてきたものについても、技術革新によって、それを可能にしようとする開発が進められている。
なお、ガソリン留分源としては好ましくないとされてきたものは、例えば、分解軽油(LCO)など流動接触分解装置またはコーカー等の熱分解装置由来のものなど、芳香族炭化水素を多く含むものや、オイルサンド等の劣質な油を起源とするものなどがある。これらは、水素化分解工程において、種々の問題を発生する。
このような状況におけるオクタン価ガソリン留分の製造方法の検討については、種々のものがある。
例えば、特許文献1には、ゼオライトを水素化分解触媒として用い、LCO原料から高オクタン価ガソリンを製造する方法が開示されている。
また、特許文献2には、1通過当たりのナフサへの転化率50%以下で、分解生成油を分留し,初留点が165℃〜227℃、終留点が232℃〜260℃を、水素化分解ゾーンへとリサイクルするプロセスが考案されている。しかし、水素化分解触媒も、触媒の酸性質や酸量、並びにシラノール基の量を調整したものではない。
また、特許文献3には、分解軽油を原料とする炭素数6〜8の芳香族炭化水素の製造方法が記載されており、分解触媒についてはモルデナイトおよびβ型ゼオライトで結晶が小さなものが好ましいとされ、Y型ゼオライトについてはシリカアルミナ比が4〜120と広範囲に記載されている。
しかし、上記のいずれのものも、そこで用いられているY型ゼオライトなどは、触媒の活性を左右する酸性質や酸量、並びに水素化分解反応中のコーク生成の抑制効果を左右する水素の酸点への供給に関与するシラノール基の量を調整したものではない。
したがって、高芳香族炭化水油を原料とする水素化分解反応においては、コーク生成の抑制ができないことがあり、また、分解活性が不充分になることがある。
したがって、このような、水素化分解が困難な高芳香族炭化水素油原料を用いる場合であっても、良好な水素化分解が実施でき、高オクタン価のガソリン留分を製造できる技術の出現が求められている。
特開昭61−283687号公報 特開平3−170598号公報 特開2007−154151号公報
LCOなどの高芳香族炭化水素油原料を、水素化分解触媒と接触させ、1環アロマ、特にC8アロマを高比率で含有するナフサ留分、すなわち高オクタン価のガソリン留分を製造する方法を提供することを目的とするものである。
本発明者は、前記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、水素化分解触媒として、特定の構造を有し、かつ酸量、シラノール基の存在量を調整することによって本発明の目的を達成することができることを見出し、この知見に基づいて本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
[1]高芳香族炭化水素油を、水素化分解触媒と接触させることによって、ガソリン留分を製造する方法において、水素化分解触媒として、耐火性担体に下記の(1)〜(3)の条件を満たす超安定Y型ゼオライトを40質量%以上含有する担体を用いる触媒であることを特徴とするガソリン留分の製造方法。
(1)格子定数が2.440nm以下、SiO2/Al23モル比が25以上、結晶化度が50%以上である。
(2)アンモニア昇温脱離法(NH3−TPD法)による酸量が0.2mmol/g以上
(3)赤外分光分析によるOH基の吸収スペクトルにおいて、4種類のOH基の吸光度が下記の(x)と(y)の式を満たす関係にある。
I/II ≧ 1.0 ・・・(x)
II+III+IV ≧ 0.70 ・・・(y)
式中、I、II、III、及びIVは、以下の数値を示す。
I:3740±10cm-1におけるピークトップでの吸光度、
II:3630±10cm-1におけるピークトップでの吸光度、
III:3570±10cm-1におけるピークトップでの吸光度、
IV:3600±10cm-1におけるピークトップでの吸光度
[2]超安定Y型ゼオライトの含有割合が担体全量規準で50〜80質量%であり、当該超安定Y型ゼオライトの格子定数が2.420〜2.440nm、SiO2/Al23モル比が30〜75である前記[1]に記載のガソリン留分の製造方法、
[3]超安定Y型ゼオライトの含有割合が担体全量規準で50〜80質量%であり、当該超安定Y型ゼオライトの格子定数が2.420〜2.435nm、SiO2/Al23モル比が40〜60であり、前記赤外分光分析によるOH基のうち、IVのバンド(3600±10cm-1)とII(3630±10cm-1)のバンドの間に極小値が存在しているゼオライトを用いる、前記[1]又は[2]に記載のガソリン留分の製造方法、
[4]水素化分解触媒が、周期律第6族、第8族、第9族、及び第10族の活性金属のうちの少なくとも一種の活性金属を担持したものである、前記[1]〜[3]のいずれかに記載のガソリン留分の製造方法、
[5]高芳香族炭化水素油を水素化分解触媒と接触させる工程の前段に、高芳香族炭化水素油を水素化処理触媒と接触させる工程を有し、該水素化処理触媒が、周期律第6族の活性金属一種以上、及び周期律第8族、第9族、及び第10族から選ばれる一種以上の活性金属を担持したものである、前記[1]〜[4]のいずれかに記載のガソリン留分の製造方法、
[6]超安定Y型ゼオライトが、スチーミング処理およびその後の酸処理により脱アルミニウムされて調製されたゼオライトである前記[1]〜[5]のいずれかに記載のガソリン留分の製造方法、
[7]高芳香族炭化水素油を水素化分解触媒と、反応温度300〜450℃,水素分圧3〜15MPa,液空間速度(LHSV)0.3〜3.0h-1,水素/油比300〜3000Nm3/klの条件で接触させることを特徴とする、前記[1]〜[6]のいずれかに記載のガソリン留分の製造方法、
[8]高芳香族炭化水素油が、(R)FCC装置から得られる分解軽油、熱分解軽油、直接脱硫装置、間接脱硫装置から得られる分解軽油の少なくとも一種である、前記[1]〜[7]のいずれかに記載のガソリン留分の製造方法、
を提供するものである。
本発明によれば、LCOなどの高芳香族炭化水素油原料を、特定の水素化分解触媒と接触させることによって、高オクタン価のガソリン留分を製造することができる。
また、本発明によれば、圧力・温度が比較的温和な条件で高オクタン価のガソリン留分を製造できるため、省資源省エネルギーに資する製造方法を提供することができる。
また、本発明によれば、高オクタン価を付与する留分であるとともに、基礎化学原料として有用な炭素数6〜8の芳香族化合物を多く含む留分を提供することができる。
本発明は、高芳香族炭化水素油原料を、水素化分解触媒と接触させることによって、ガソリン留分を製造する方法である。以下、これらについて説明する。
〔高芳香族炭化水素油〕
本発明における水素化分解処理の原料としては、高芳香族炭化水素油が用いられる。高芳香族炭化水素油の芳香族分は、とくに制限はないが、50容量%以上であるものが好ましく、60容量%以上がより好ましく、70容量%以上がさらに好ましく、80容量%以上が特に好ましい。このような炭化水素油は、水素化分解によって、オクタン価が高い芳香族化合物を多く含む留分を得るのに有利だからである。一方、高芳香族炭化水素油の芳香族分の上限については、特に制限はないが、苛酷な分解が要求されることによる水素化分解触媒の劣化を抑制する観点から、95容量%以下のものが好ましい。
なお、ここでいう芳香族炭化水素は、一環、二環、及び三環芳香族炭化水素の合計量であり、例えば、HPLC法(JPI−5S−49−97)によって測定することができるものである。
高芳香族炭化水素油の蒸留性状については、水素化分解処理後にガソリン留分を得る必要があることから、ガソリン留分の蒸留性状より、沸点範囲が高い灯油留分、軽油留分などが好ましく、例えば、エングラー蒸留に基づく10%点と90%点が190℃〜390℃の範囲にあるものが好適であり、200〜380℃の範囲にあるものがより好適であり、210〜370℃の範囲にあるものが特に好適である。
このような、高芳香族炭化水素油の具体例としては、例えば、流動接触分解装置(FCC),重質油流動接触分解装置(RFCC)またはコーカー等の熱分解装置由来のものや、オイルサンド等の劣質な油を起源としたものなどが挙げられる。
その他、高芳香族炭化水素油が有する望ましい性状としては、以下のものが挙げられる。
密度は、通常0.88〜1.00g/cm3の範囲のものが好ましく、0.89〜0.99、さらには0.90〜0.98g/cm3が好適である。密度が0.88g/cm3以上であれば、有効な芳香族炭化水素量を確保することができ、1.00g/cm3以下であれば、触媒の劣化を抑制することができる。
硫黄分については、通常、0.1〜1.0質量%のものが好適である。原料油の窒素分については、3,000質量ppm以下、さらには2,000質量ppm以下、特に1,000質量ppm以下が好適である。
窒素分については、水素化処理後、水素化分解工程前の炭化水素油中に150質量ppm以下、さらには70質量%ppm以下が好ましく、特に10〜50質量ppmが好ましい。窒素分10質量ppmあれば、過分解の問題が生ずる恐れがない。
〔水素化分解触媒〕
本発明においては、耐火性担体に特定の超安定Y型ゼオライトを含む担体を用いる触媒を使用する。
<超安定Y型ゼオライトについて>
本発明においては、超安定Y型ゼオライトとしては、ゼオライトの格子定数、SiO2/Al23モル比(ケイバン比)、結晶化度、酸量、及び赤外分光分析によるOH基の吸収スペクトルが、以下の条件を満たすものを使用する。
前記格子定数については、2.440nm以下であることを要する。格子定数が2.440nmを越えると、耐熱性・耐酸性が低下することがあり、好ましくない。また、格子定数の下限については、特に制限はないが、確実な結晶を保持する点で、2.420nm以上であることがより好ましい。格子定数は、2.420〜2.435nmのものがより好ましい。
前記SiO2/Al23モル比(ケイバン比)は、25以上であることを要する。SiO2/Al23モル比が25未満では、酸量が過多になり、水素化分解反応に用いるとコーキングが進み、触媒性能が劣化する恐れがある。したがって、SiO2/Al23モル比は、30〜75であることが好ましく、40〜60であることがより好ましい。
前記結晶化度については、50%以上であることが必要である。結晶化度が50%未満では、反応に必要な酸強度を有することができなくなることがあり好ましくない。好ましくは60%以上であることが好ましい。
なお、格子定数、SiO2/Al23モル比(ケイバン比)、及び結晶化度は実施例に記載した方法で測定した値である。
前記酸量に関しては、アンモニア昇温脱離法(以下、「アンモニアTPD法」もしくは、「NH3−TPD法」ということがある。)による酸量が0.2mmol/g以上であることが必要である。該酸量が0.2mmol/g未満では、触媒の分解活性が不充分で、水素化分解反応が低下することがある。したがって、酸量は0.3mmol/g以上であることが好ましい。
なお、上記酸量の測定は、アンモニアTPD法によって測定したものであり、実施例で用いた方法と同様の方法で測定した値である。
前記赤外分光分析によるOH基の吸収スペクトルについては、赤外分光分析(IR)4種類のOH基の吸光度が下記の(x)と(y)の式を満たす関係にあるものである。
I/II ≧ 1.0 ・・・(x)
II+III+IV ≧ 0.70 ・・・(y)
式中、I、II、III、及びIVは、以下の数値を示す。
I:3740±10cm-1におけるピークトップでの吸光度、
II:3630±10cm-1におけるピークトップでの吸光度、
III:3570±10cm-1におけるピークトップでの吸光度、
IV:3600±10cm-1におけるピークトップでの吸光度
上記Iは、シラノールに起因するピークであり、II、III及びIVは、Alに架橋した酸性OH基に起因するピークである。
したがって、式(x)は、シラノールの割合が高く、超安定Y型ゼオライトの表面の活性金属から酸点への水素の供給を速やかにするシラノール基が多量に存在していることを示し、式(y)は、水素化分解反応に必要な酸強度を有する酸点(ブレーンステッド酸点)が存在し、分解反応速度を促進することを示す。
このように、式(x)と、式(y)を満たす触媒は、活性金属から酸点への水素の供給が速やかに行われ、水素化分解において、分解活性や芳香族選択性が高く、コークス劣化現象を抑制するなど、良好な水素化分解反応を確保することができる。
本発明に用いる超安定Y型ゼオライトのIRによるOH基の吸収スペクトルは、この波長領域でI〜IVに対応する4つの吸収スペクトルピークもしくは吸収スペクトルバンドを有するが、吸収スペクトルが下記の特徴を有するものがより好ましい。
該吸収スペクトルの特徴とは、IV(3600±10cm-1)のバンドとII(3630±10cm-1)のバンドの間に、極小値が存在する吸収スペクトルである。
この極小値が認められるものは、本反応に必要な酸点の中でも本反応を促進する上で大きな役割を担うIVのバンドを示す酸点が明確に存在していることになるからである。
上記の超安定Y型ゼオライトの製造方法は、例えば、通常Y型ゼオライトを以下の条件でスチーミング熱処理及び酸処理する方法が好適である。
前記スチーミング熱処理としては、Y型ゼオライトを通常540〜810℃、好ましくは、580〜700℃で水蒸気下にて行うことが好ましい。
また、酸処理については、鉱酸、例えば、硫酸、硝酸、塩酸などを加えてpHが1.0〜2.0の処理液を用いて酸処理し、脱アルミニウムおよび脱アルミニウムで発生した脱落アルミニウムの洗浄を行うことが好ましい。
通常、上記の方法で、本発明の格子定数、ケイバン比、結晶化度などを満たす触媒を製造することができる。
なお、酸量を特に高める必要がある場合は、スチーミング処理の条件をマイルドに、例えば、温度を上記範囲内で低めにして行うことによって制御することができる。
また、式(x)のI/IIを特に大きくする必要がある場合は、スチーミングによりゼオライト骨格外に出たアルミを除去することによって大きくなるから、酸処理条件をシビアに、例えば、加える鉱酸の量を増してpHを下げると、式(x)が大きくなる方向にシフトする。
また、式(y)は骨格内のアルミニウムを適度に除去する必要があるが、必要以上に除去しすぎないようにスチーミング温度を前記温度範囲内で制御して、II+III+IV ≧0.70を満たすようにする。仮に試作したゼオライトが式(y)を満たさない場合は、次の試作ではケイバン比が40〜60になるようスチーミング条件を振れば、式(y)を満たす方向にシフトする。
さらにIR吸光スペクトルにおけるIVのバンドとIIのバンドの間の極小値が無い場合は、酸量を高める場合と同様、スチーミング後の酸処理条件をマイルドにすることによって制御することができる。
SiO2/Al23モル比(ケイバン比)は、スチーミング後の酸処理でアルミニウムが除去されることで25以上にできる。スチーミング温度は前述の範囲で高温にするほど、ケイバン比は大きくなる傾向がある。
格子定数は、スチーミングにより低下する。又、その後の酸処理による脱アルミニウムでもさらに低下する。格子定数が所望の値より大きい場合はスチーミングや酸処理をマイルドにすることで、格子径を2.440nm以下に調整できる。
結晶化度は、ゼオライトを酸処理することで低下する傾向があり、酸処理の条件がきついほど低下する傾向が有る。酸処理の前に行う、スチーミング処理を前記範囲内において高温にすると、ゼオライト骨格内のSiO2/Al23モル比は大きくなる方向にシフトし、その結果、ゼオライトの耐酸性が向上するため、続く酸処理を施してもゼオライトの結晶化度を高く維持できる。
上述のように、スチーミング温度と酸処理の濃度をコントロールすることで、ゼオライト骨格内のアルミニウムを骨格外に移動させ、骨格外のアルミニウムを酸で適度に溶解除去することで、所望の酸性質を有する本発明で用いるゼオライトが調製される。
<耐火性担体>
本願発明に用いる水素化分解触媒の担体の成分である超安定Y型ゼオライト以外の耐火性担体は,アルミナ、シリカアルミナ、シリカ、マグネシア、酸化亜鉛、他の結晶性アルミノシリケートなどが挙げられる。これらの中でも、活性金属が凝集し難く、高分散に担持できるという観点からアルミナ、シリカアルミナ、シリカが好ましい。
<担体の構成>
耐火性担体中における前記超安定Y型ゼオライトの含有割合は、超安定Y型ゼオライトが40質量%以上である。耐火性担体中における超安定Y型ゼオライトの含有割合が40質量%以上であることによって、目的とする適度の水素化分解能を得ることができる。
超安定Y型ゼオライトの含有割合は、50〜80質量%であることがより好ましい。
本発明で用いる水素化分解触媒は、上記担体に、周期律第6族、第8族、第9族、及び第10族金属のうちの少なくとも一種の活性金属を担持したものが好ましい。
特に、周期律表第6族金属及び第8〜10族金属をそれぞれ少なくとも一種を担持したものが好ましい。周期律表第6族金属として、モリブデン,タングステンが好適に挙げられ、特にモリブデンが好ましい。また、周期律表第8〜10族の金属としは、コバルト又はニッケルが挙げられる。
これらの金属の担持量は、周期律表第6族金属の場合は、通常金属酸化物として触媒基準で、3〜40質量%、さらに好ましくは5〜35質量%である。第8〜10族金属の場合は、通常0.5〜15質量%、さらに好ましくは1〜10質量%である。
上記で述べた水素化分解触媒は、本発明の高芳香族炭化水素油の水素化分解触媒として有用であるが、さらにそれ以外の炭化水素油の水素化分解触媒としても
有用である。
本発明の高オクタン価ガソリンの製造方法における、水素化分解反応は、通常従来から広く行われている条件で行うことができる。但し、本発明の水素化分解に用いる水素化分解触媒が、分割活性が高いことから、従来から広く行われている条件より比較的温和な条件で実施することができる。
例えば、原料の高芳香族炭化水素油がLCOである場合は,反応温度300〜450℃,水素分圧3〜15MPa,液空間速度(LHSV)0.3〜3.0h-1,水素/油比:300〜3000Nm3/klの条件で水素化分解すればよい。これにより分解率30〜90質量%を得て,分解された軽質留分として硫黄分10ppm以下の超低硫黄ガソリンが,また未分解留分として同じく硫黄分10ppm以下の超低硫黄軽油が製造できる。
なお、ここでいう分解率は、原料油である高芳香族含有炭化水素油を100重量部として、生成したガス、LPG、軽質ガソリン(〜90℃)、重質ガソリン(90〜190℃)、軽油(190℃〜)の物質収支をとることにより、100−軽油重量部として求めた値である。
本発明のガソリンの製造方法においては、水素化分解の前段で、水素化処理し、後段で上記水素化分解を行っても良い。
ここで言う水素化処理とは、本発明の水素化分解触媒を用いる水素化分解処理以外の、高芳香族炭化水素油と水素を反応させる処理であれば特に制限は無く、通常は水素化脱硫、水素化脱窒素、芳香族環の核水素化工程のいずれか一以上の処理を行うことである。
水素化処理触媒としては、周期律第6族の活性金属一種以上、及び周期律第8族、第9族、及び第10族から選ばれる一種以上の活性金属を、アルミナ、シリカ等の耐火性担体(ゼオライトを10質量%以上含む担体を除く)に担持したものである。
この前段としての水素化処理条件としては、反応温度300〜450℃,水素分圧3〜15MPa,液空間速度(LHSV)0.3〜3.0h-1,水素/油比300〜3000Nm3/klの条件で行うことが好ましい。
このようにすることによって、水素を十分に触媒に供給して触媒の劣化を抑える効果がある。
本発明によって、製造される高オクタン価ガソリン留分は、炭素数6〜8の芳香族化合物、特に8の芳香族化合物を多量に、たとえば留分中(沸点範囲90〜190℃)に12%以上含む留分である。したがって、ガソリン原料として有用であり、また、それらを基礎化学原料として有用な炭素数6〜8の芳香族化合物としても利用できる。
次に、本発明を実施例により、さらに詳細に説明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定されるものではない。
[性状の測定方法]
(1)密度 : JIS K2249
(2)窒素分: JIS K2609
(3)硫黄分: JISK2541−2(S<100ppmの場合)、及びJIS K2541−6(S≧0.01質量%の場合)
(4)動粘度(30℃):JIS K2283
(5)エングラー蒸留:JIS K2254
(6)HPLC : JPI−5S−49−97の規定に準拠して測定した。
(7)煙点 : JIS K2537
(8)流動点 : JIS K2269
(9)曇り点 : JIS K2269
(10)ガスクロマトグラフ(GC)全成分分析: JIS K2536−2に準拠して測定した。
[触媒物性評価方法]
(11) 格子定数
XRD法により測定した。すなわち、ゼオライトとシリコン内部標準粉末をよく混合、粉砕しX線粉末回折用ホルダーにセットした。これをCu管球、印加電圧40KV、印加電流40mVにてステップスキャンで操作し、得られたピーク確度よりゼオライトの格子定数を算出した。
(12) 結晶化度
XRD法により測定した。LZY−62(UCC社)のX線回折強度(ピーク高さ)を基準(100%)とし、その相対強度から測定した。
(13) 表面積
BET法により測定した。(P/P0=0.1。P0は液体窒素温度での窒素の飽和蒸気圧、Pは導入した窒素分圧)
ゼオライトの表面積は,窒素ガス吸着(AUTOSORB−3)を使用して測定した。試料約0.1gを量り取り、前処理は400℃3時間、真空排気を行った。測定範囲は、相対圧P/P0=0.005−0.995とし、吸着36点、脱離41点を測定した。表面積は、解析範囲をP/P0=0.1以下でBET多点法により算出した(なお、P0は液体窒素温度での窒素の飽和蒸気圧、Pは導入した窒素分圧)。
(14)SiO2/Al23モル比(ケイバン比)
蛍光X線法(XRF)によりSiおよびAlの濃度を定量分析法にて,測定した。
(15)酸量の測定
アンモニア昇温脱離法(NH3−TPD)法で、以下のようにして測定した。
ゼオライトを測定セルに充填し、Heガスフローで400℃、2時間処理して吸着水の除去を行った。100℃で0.5%NH3/Heガスを60分流して吸着を行った後、Heに室温の飽和水蒸気(25Torr)を同伴させ、100℃で4時間を流通させる。その後、Heを減圧下(140Torr)にて100℃で60分流通させた。次いで、10〜700℃まで20℃/分で昇温して、脱離してくるNH3の定量を質量検出計にて行った。
(16)IRによるOH基の測定(OH−IR)
ゼオライトの表面の水酸基の帰属を確認するめに、OH−IR測定を行った。
日本分光社製FT/IR−550赤外分光測定装置を使用し、透過法で測定した。試料は、メノウ乳鉢で粉砕後、20mgを秤量し、成型圧力:200kg/cm2にて圧縮器でディスク(直径20mmの円柱)に成形した。
IRセルにディスクをセットし、真空下(約1.3×10-4Pa)、400℃で2時間脱水前処理を行った。前処理後、測定装置にIRセルを装着し、OH基の吸収強度を測定した。分解能を4cm-1、積算回数を200回として測定を行った。ベースラインは、4000cm-1と3000cm-1の2点間で直線を引き、吸光度スペクトルを得た。
[超安定Y型ゼオライト(水素化分解触媒)の調製]
製造例1
合成Na−Yゼオライト(Na2O含量13.3質量%,SiO2/Al23モル比5.0)をアンモニウム交換し、NH4−Yゼオライト(Na2O含量1.3質量%)を得た。これを580℃でスチーミング処理してスチーミングゼオライトを得た。1kgのスチーミングゼオライトを純水11.5リットルに懸濁させた後、該懸濁液を75℃に昇温し30分間攪拌した。次いでこの懸濁液に10質量%硫酸溶液6.26kgを35分間で添加し、更に30分間攪拌した後、濾過、洗浄し、固形分濃度30.5質量%のゼオライトスラリーIを得た。このゼオライトスラリーIの一部をとり乾燥したのち、組成分析を行ったところケイバン比39のゼオライトを得た。各種の物性値を表1に示す。
次に、アルミナスラリーの調製を行った。内容積20リットルのスチームジャケット付ステンレス容器に、アルミン酸ナトリウム溶液(Al23換算濃度5.0質量%)8kg及び50質量%のグルコン酸溶液24gを入れ、60℃に加熱した。次いで硫酸アルミニウム溶液(Al23換算濃度2.5質量%)8.8kgを別容器に準備し、15分間でpH7.2になるように該希釈硫酸アルミニウム溶液を添加し水酸化アルミニウムスラリー(調合スラリーI)を得た。該調合スラリーIを更に60℃に保ったまま、60分間熟成した。次いで、前記調合スラリー全量を平板フィルターにより脱水し、60℃の0.3質量%アンモニア水60リットルで洗浄し、アルミナケーキとした。該アルミナケーキの一部を純水と15質量%のアンモニア水を用い、アルミナ濃度12.0質量%、pH10.5のスラリーを得た。このスラリーを還流器付のステンレス製熟成タンクに入れ攪拌しながら95℃で8時間熟成した。次いで、この熟成スラリーに純水を加え、アルミナ濃度9.0質量%に希釈した後、攪拌機付オートクレーブに移し、145℃で5時間熟成した。更にAl23換算濃度で20質量%となるように加熱濃縮すると同時に脱アンモニアし、アルミナスラリーAを得た。
触媒の調製は、402gの結晶性アルミノシリケートスラリーI(30.5質量%濃度)と613gのアルミナスラリーA(20質量%濃度)をニーダーに加え、加熱、攪拌しながら押し出し成形可能な濃度に濃縮した後、1/16インチサイズの三葉型ペレット状に押し出し成形した。次いで、110℃で16時間乾燥した後、550℃で3時間焼成し、鉄含有結晶性アルミノシリケート/アルミナ(固形分換算質量比)で50/50の担体A1を得た。
次いで、三酸化モリブデンと炭酸コバルトを純水に懸濁したものを90℃に加熱し、次いでリンゴ酸を加え溶解させた。この溶解液を担体A1にそれぞれ触媒全体に対して仕込みでMoO3として11質量%,CoOとして4質量%になるように含浸し、次いで乾燥させ、550℃で3時間焼成し、触媒1を得た。この触媒は比表面積455m2/g、細孔容積0.62cc/g、細孔径1,000Å以上の細孔容積0.13cc/gであった。比表面積はBET法、細孔容積、細孔分布は水銀圧入法で測定した。
製造例2
スチーミングゼオライトの硫酸処理での10質量%硫酸溶液の添加量を6.52kgとしたこと以外は、製造例1と同様の方法でケイバン比51の触媒2を得た。これについて実施例1と同様に評価した。物性値を表1に示す。
製造例3
スチーミングゼオライトの硫酸処理での10質量%硫酸溶液の添加量を6.83kgとしたこと以外は、製造例1と同様の方法でケイバン比55の触媒3を得た。これについて実施例1と同様に評価した。物性値を表1に示す。
製造例4
スチーミングゼオライトの硫酸処理での10質量%硫酸溶液の添加量を7.63kgとしたこと以外は、製造例1と同様の方法でケイバン比71の触媒4を得た。これについて実施例1と同様に評価した。物性値を表1に示す。
製造例5(比較製造例1)
スチーミングゼオライトの硫酸処理での10質量%硫酸溶液の添加量を5.03kgとしたこと以外は、製造例1と同様の方法でケイバン比18の触媒5を得た。これについて実施例1と同様に評価した。物性値を表1に示す。
製造例6
スチーミングゼオライトの硫酸処理での10質量%硫酸溶液の添加量を5.65kgとしたこと以外は、製造例1と同様の方法でケイバン比33の触媒6を得た。これについて実施例1と同様に評価した。物性値を表1に示す。
製造例7
スチーミングゼオライトの硫酸処理での10質量%硫酸溶液の添加量を8.36kgとしたこと以外は、製造例1と同様の方法でケイバン比82の触媒7を得た。これについて実施例1と同様に評価した。物性値を表1に示す。
Figure 2010215736
[テトラリンの水素化分解反応]
触媒1、3〜7の水素化分解活性を、テトラリンの水素化分解反応により評価した。
触媒を#32−64メッシュに粉砕した0.25gの触媒をH2S/H2(10%/90%)気流中にて398℃、2時間ガス硫化を行った。スイング式オートクレーブに触媒、原料テトラリン5ccを充填し、昇温前の水素の仕込み圧力を4MPaとした。400℃へ昇温後、1時間、18Strokes/minで反応を行った。反応開始時の圧力は7MPaとなった。反応後の生成物は、GC−FIDにより定量した。
1環芳香族(1A)と、テトラリン以外の水素化生成物(N)の収率(1A+N)を分解率とした。また、芳香族選択性は、1A/(1A+N)から算出した。結果を表2に示す。
Figure 2010215736
表2より、本発明の条件を満たす実施例1〜3の水素化分解触媒は、それらの条件を満たさない比較例1〜3の水素化分解触媒に比べて、テトラリン分解活性及び芳香族選択性が高いことが分る。
[水素化処理触媒の調製]
コバルト・モリブデン・リンの金属溶液は、塩基性炭酸コバルト(FLUKA:CoO;62.3質量%)95g、三酸化モリブデン323g、正リン酸(純度80質量%)39gをイオン交換水1000ccに加えて、攪拌しながら80℃で溶解させ、80℃で濃縮後、室温に冷却、純水にて500ccに定容し、コバルトモリブデン含浸液(S1)を調製した。
CoMo含浸液(S1)を50cc採取し、トリエンチレングリコール6gを添加し、吸水率0.80cc/gのγ−アルミナ担体(A2)100gに、その吸水率に見合うように純水で容積を調整した溶液を、常圧下で含浸し、120℃で16時間乾燥させ水素化処理触媒1を調製した。
[ベンチ試験方法]
高圧固定床流通式のベンチ反応器を2基直列に連結し、水素化分解反応を実施した。触媒は、前段(水素化反応器)に水素化処理触媒1を37.5ミリリットル、後段(水素化分解反応器)に、表1の水素化分解触媒1を50ミリリットル充填した。原料油は水素ガス(ボンベの純水素を昇圧して使用)とともに反応管の上段から導入するダウンフロー形式で流通させて反応評価を行った。前処理として、DMDS(ジメチルジスルフィド)を添加し硫黄濃度を2.0質量%に調整した、密度0.844g/cm3の中東系軽油をベースとする予備硫化油を水素ガスとともに流通させて温度240℃で4時間、290℃で9時間予備硫化を行なった。予備硫化後、硫黄分1.1質量%、密度0.846g/cm3の中東系原油に切り替え、310℃で24時間原料油硫化を行なった。
次に、表3に記載した原料LCO(分解軽油)に切り替えて、水素化分解実験を行なった。反応温度は前段の水素化処理触媒ゾーンを345℃,後段の水素化分解触媒ゾーンを395℃の範囲で等温に制御した。反応圧力は水素化分解反応器出口で6.9MPa、水素/原料油比は水素化反応器入口で2,000Nm3/キロリットル、LHSV(液空間速度)は水素化処理触媒と水素化分解触媒を合計で0.69h-1の条件に調整し、ベンチ試験を行なった。
表1の水素化分解触媒3のベンチ試験方法についても、後段(水素化分解反応器)に充填する水素化分解触媒を触媒3に変えた以外は、触媒1のベンチ試験方法と同様に行った。
[原料油]
表3に原料油となる(R)FCCからのLCOの性状を示す。また,前段の水素化触媒1ゾーン出口の性状も同様に示す。
[原料油および生成油の分析方法]
前記水素化処理触媒1で水素化処理した後の油については、硫化水素を除去するため、窒素を流通し硫化水素ストリッピングを行なった。得られた試料の密度、動粘度(30℃)、HPLC分析を行い、芳香族転化率を求めた。結果を表3の水素化出口油として記載した。
前記水素化分解触媒通過後のガスについては流量を測定するとともにガスクロにて分析し、生成油については秤量し、物質収支をとったところ、最低でも96質量%以上の回収率が得られた。生成油の分析は,密度、硫黄分、窒素分、動粘度(30℃)、エングラー蒸留、HPLC分析を行なった。また,生成油は,2リットルないし4リットル回収しており、15段蒸留を行い、LPG、軽質ガソリン(〜90℃)、重質ガソリン(90〜190℃)、軽油(190℃〜)に分留し、各々の質量を秤量した。重質ガソリンについては、密度、硫黄分、窒素分、エングラー蒸留、GC全成分を行った。また,GC全成分分析結果より計算オクタン価(RON)を求めた。
Figure 2010215736
[水素化分解反応ベンチ試験]
実施例4
表3のLCOを原料にして、反応管に水素化触媒と水素化分解触媒1を37.5ccおよび50cc充填し,水素化分解反応評価した。
実施例5
表3のLCOを原料にして、反応管に水素化触媒と水素化分解触媒3を37.5ccおよび50cc充填し,水素化分解反応評価した。
実施例4及び5のベンチ試験結果で,水素化触媒のゾーンが345℃における各留分の得率および,ヘビーナフサ(HN)の密度,C8芳香族,C8ナフテン,ガスクロの全組成分析による計算オクタン価を表4に示す。
Figure 2010215736
表4より、比較的低い反応温度(390〜395℃)であっても、190℃−留分への転化率が85質量%以上と高いことが分る。また、軽質、重質ナフサの収率が28質量%、45質量%と高く、重質ナフサ中のC8芳香族が15質量%以上と高い。
本発明によれば、LCOなどの高芳香族炭化水素油原料を、特定の水素化分解触媒と接触させることによって、高オクタン価のガソリン留分を製造することができる。また、本発明によれば、圧力・温度が比較的温和な条件で高オクタン価のガソリン留分を製造できるため、省資源省エネルギーに資する製造方法を提供することができる。さらに、本発明によれば、高オクタン価を付与する留分であるとともに、基礎化学原料として有用な炭素数6〜8の芳香族化合物を多く含む留分を提供することができる。したがって、広く産業界において有用な技術と利用できる。

Claims (9)

  1. 高芳香族炭化水素油を、水素化分解触媒と接触させることによって、ガソリン留分を製造する方法において、水素化分解触媒として、耐火性担体に下記の(1)〜(3)の条件を満たす超安定Y型ゼオライトを40質量%以上含有する担体を用いる触媒であることを特徴とするガソリン留分の製造方法。
    (1)格子定数が2.440nm以下、SiO2/Al23モル比が25以上、結晶化度が50%以上である。
    (2)アンモニア昇温脱離法(NH3−TPD法)による酸量が0.2mmol/g以上
    (3)赤外分光分析によるOH基の吸収スペクトルにおいて、4種類のOH基の吸光度が下記の(x)と(y)の式を満たす関係にある。
    I/II ≧ 1.0 ・・・(x)
    II+III+IV ≧ 0.70 ・・・(y)
    式中、I、II、III、及びIVは、以下の数値を示す。
    I:3740±10cm-1におけるピークトップでの吸光度、
    II:3630±10cm-1におけるピークトップでの吸光度、
    III:3570±10cm-1におけるピークトップでの吸光度、
    IV:3600±10cm-1におけるピークトップでの吸光度
  2. 超安定Y型ゼオライトの含有割合が担体全量規準で50〜80質量%であり、当該超安定Y型ゼオライトの格子定数が2.420〜2.440nm、SiO2/Al23モル比が30〜75である請求項1に記載のガソリン留分の製造方法。
  3. 超安定Y型ゼオライトの含有割合が担体全量規準で50〜80質量%であり、当該超安定Y型ゼオライトの格子定数が2.420〜2.435nm、SiO2/Al23モル比が40〜60であり、前記赤外分光分析によるOH基のうち、IVのバンド(3600±10cm-1)とII(3630±10cm-1)のバンドの間に極小値が存在しているゼオライトを用いる、請求項1又は2に記載のガソリン留分の製造方法。
  4. 水素化分解触媒が、周期律第6族、第8族、第9族、及び第10族の活性金属のうちの少なくとも一種の活性金属を担持したものである、請求項1〜3のいずれかに記載のガソリン留分の製造方法。
  5. 高芳香族炭化水素油を水素化分解触媒と接触させる工程の前段に、高芳香族炭化水素油を水素化処理触媒と接触させる工程を有し、該水素化処理触媒が、周期律第6族の活性金属一種以上、及び周期律第8族、第9族、及び第10族から選ばれる一種以上の活性金属を担持したものである、請求項1〜4のいずれかに記載のガソリン留分の製造方法。
  6. 超安定Y型ゼオライトが、スチーミング処理およびその後の酸処理により脱アルミニウムされて調製されたゼオライトである請求項1〜5のいずれかに記載のガソリン留分の製造方法。
  7. 高芳香族炭化水素油を水素化分解触媒と、反応温度300〜450℃,水素分圧3〜15MPa,液空間速度(LHSV)0.3〜3.0h-1,水素/油比300〜3000Nm3/klの条件で接触させることを特徴とする、請求項1〜6のいずれかに記載のガソリン留分の製造方法。
  8. 高芳香族炭化水素油が、(R)FCC装置から得られる分解軽油、熱分解軽油、直接脱硫装置、間接脱硫装置から得られる分解軽油の少なくとも一種である、請求項1〜7のいずれかに記載のガソリン留分の製造方法。
  9. 耐火性担体に下記の(1)〜(3)の条件を満たす超安定Y型ゼオライトを40質量%以上含有する担体を用いることを特徴とする水素化分解触媒。
    (1)格子定数が2.440nm以下、SiO2/Al23モル比が25以上、結晶化度が50%以上である。
    (2)アンモニア昇温脱離法(NH3−TPD法)による酸量が0.2mmol/g以上
    (3)赤外分光分析によるOH基の吸収スペクトルにおいて、4種類のOH基の吸光度が下記の(x)と(y)の式を満たす関係にある。
    I/II ≧ 1.0 ・・・(x)
    II+III+IV ≧ 0.70 ・・・(y)
    式中、I、II、III、及びIVは、以下の数値を示す。
    I:3740±10cm-1におけるピークトップでの吸光度、
    II:3630±10cm-1におけるピークトップでの吸光度、
    III:3570±10cm-1におけるピークトップでの吸光度、
    IV:3600±10cm-1におけるピークトップでの吸光度
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