JPH09296185A - 炭化水素油の水素化処理方法 - Google Patents

炭化水素油の水素化処理方法

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JPH09296185A
JPH09296185A JP9032076A JP3207697A JPH09296185A JP H09296185 A JPH09296185 A JP H09296185A JP 9032076 A JP9032076 A JP 9032076A JP 3207697 A JP3207697 A JP 3207697A JP H09296185 A JPH09296185 A JP H09296185A
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JP
Japan
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iron
oil
weight
crystalline aluminosilicate
hydrocarbon oil
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Application number
JP9032076A
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English (en)
Inventor
Mitsuru Yoshida
充 由田
Akira Iino
明 飯野
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Idemitsu Kosan Co Ltd
Original Assignee
Idemitsu Kosan Co Ltd
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Publication date
Application filed by Idemitsu Kosan Co Ltd filed Critical Idemitsu Kosan Co Ltd
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  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)
  • Production Of Liquid Hydrocarbon Mixture For Refining Petroleum (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 重質軽油,減圧軽油,分解軽油及び溶剤脱瀝
油から選ばれる炭化水素油を原料とし、中間留分の選択
性を維持しつつ、分解活性を上げることができる炭化水
素油の水素化処理方法を提供する。 【解決手段】 重質軽油,減圧軽油,分解軽油及び溶剤
脱瀝油から選ばれる炭化水素油を、水素の存在下、鉄含
有結晶性アルミノシリケート 5〜60重量%と無機酸化物
95〜40重量%とからなる担体に、周期律第 6族に属する
金属及び第 8〜10族に属する金属を担持してなる触媒と
接触させることを特徴とする炭化水素油の水素化処理方
法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、炭化水素油の水素
化処理方法に関し、詳しくは重質軽油、減圧軽油、分解
軽油及び溶剤脱瀝油から選ばれる炭化水素油を原料と
し、効率的に中間留分(灯軽油留分)を得ることができ
る水素化処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、石油精製分野においては、処理す
る原油が重質化する傾向にあり、しかも需要は軽質化が
進行し、需給のバランスを取るために重質留分の軽質留
分への転化が図られている。該重質留分として、重質軽
油,減圧軽油,分解軽油,溶剤脱瀝油などを使用した場
合、良質の軽質油が得られることが知られている。また
その場合の触媒として、アルミナ,シリカ−アルミナ,
チタニアなどの無機酸化物担体に、周期律第 6族に属す
る金属及び周期律第 8〜10族に属する金属を担持したも
のが知られている。しかし、一般に分解活性を上げる
と、中間留分の選択性が下がる傾向にあり、その解決が
要望されていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記観点か
らなされたもので、重質軽油,減圧軽油,分解軽油及び
溶剤脱瀝油から選ばれる炭化水素油を原料とし、中間留
分の選択性を維持しつつ、分解活性を上げることができ
る炭化水素油の水素化処理方法を提供することを目的と
するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、特定割合の鉄含
有結晶性アルミノシリケートと無機酸化物を触媒の担体
に使用することにより、上記の目的を効果的に達成しう
ることを見出し本発明を完成したものである。すなわ
ち、本発明は、重質軽油、減圧軽油、分解軽油及び溶剤
脱瀝油から選ばれる炭化水素油を、水素の存在下、下記
(A)〜(C)の性質を有する鉄含有結晶性アルミノシ
リケート 5〜60重量%と無機酸化物95〜40重量%とから
なる担体に、周期律第 6族に属する金属及び第 8〜10族
に属する金属を担持してなる触媒と接触させることを特
徴とする炭化水素油の水素化処理方法である。 (A)酸化物の形態で表した主な組成が、一般式 aFe2O3・Al2O3 ・bSiO2 ・nH2O ・・・〔I〕 〔式中、nは 0〜30の実数を示し、またa及びbは次の
関係を満たす実数である。15<b<100, 0.005<a/b
<0.15〕で表される。 (B)昇温プログラム還元により計算される不活性鉄化
合物含有率〔Fe〕dep が35%以下である。 (C)少なくとも一つの高温部還元ピーク温度Thが式 700℃≦Th≦(−300 ×UD+8320)℃ 〔式中、UDは鉄含有結晶性アルミノシリケートの格子定
数Åを示す。〕の範囲である。
【0005】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態を説
明する。本発明の方法で処理する炭化水素油は、重質軽
油,減圧軽油,分解軽油及び溶剤脱瀝油から選ばれる。
重質軽油は原油の常圧蒸留により得られる重質の軽油で
あり、減圧軽油は常圧蒸留残渣油の減圧蒸留により得ら
れる軽油であり、分解軽油は重質軽油,減圧軽油又は常
圧蒸留残渣油の流動接触分解により得られる軽油であ
り、溶剤脱瀝油は減圧蒸留残渣油からプロパン等の溶剤
で抽出した留分である。該炭化水素油は、一種又は二種
以上を混合して使用してもよい。
【0006】本発明の担体の一部として使用される鉄含
有結晶性アルミノシリケートは、酸化物の形態で表した
主な組成が前記一般式〔I〕で表されるものである。こ
の一般式中nは0〜30の実数を示し、またbは15<b<
100 、好ましくは18<b<40であり、またa,bの関係
は0.005 <a/b<0.15、好ましくは0.02<a/b<0.
05を満たすものである。またこの鉄含有結晶性アルミノ
シリケートには、少量のNa2O等のアルカリ金属酸化物や
CaO 等のアルカリ土類金属等が含有されていてもよい。
【0007】一般に鉄含有結晶性アルミノシリケートに
は、以下のような様々な形態の鉄化合物が存在してい
る。即ち、 単に結晶性アルミノシリケートに物理吸着している不
活性な鉄化合物。この鉄化合物は水素雰囲気下におい
て、500 ℃以下でFe3+→Fe0 に一段で還元される。 結晶性アルミノシリケートの骨格と規則正しく相互作
用している鉄化合物。これにはイオン交換鉄化合物や結
晶性アルミノシリケート骨格を構成する鉄化合物及び本
発明で使用される鉄化合物等様々な形態の鉄化合物が存
在する。これらの鉄化合物は水素雰囲気下において、低
温部(室温〜700 ℃)でFe3+→Fe2+に、高温部(700 〜
1200℃)でFe2+→Fe0 に二段で還元される。
【0008】の鉄化合物は昇温プログラム還元(TPR
)測定によって計算される不活性鉄化合物含有率〔F
e〕dep によって判別でき、の鉄化合物は同じくTPR
測定の高温還元ピークによって判別できる。本発明で使
用される鉄含有結晶性アルミノシリケートは、上記TPR
測定により計算される〔Fe〕dep が35%以下、好ましく
は30%以下である。また、少なくとも一つの高温還元ピ
ーク温度Thが式700℃≦Th≦(−300 ×UD+8320)℃、
好ましくは式850℃≦Th≦(−300 ×UD+8300)℃の範
囲である。ここで、TPR 測定とは、水素流通下で試料を
加熱昇温する際の水素消費量を測定するものである。こ
の水素による金属酸化物の還元挙動から、試料中の金属
の状態を容易に知ることができる。
【0009】本発明で使用される鉄含有結晶性アルミノ
シリケートに見られるTPR 測定による還元ピークには、
低温部の還元ピークと高温部の還元ピークが認められ
る。ここで、低温部の還元ピークとして、Fe3+がFe2+
還元される際の還元ピークが室温〜700 ℃の範囲に認め
られ、また高温部の還元ピークとして、Fe2+がFe0 に還
元される際のピークが700 ℃〜(−300 ×UD+8320)℃
の範囲に認められる。なお、一般に、高温還元ピーク
は、活性の高い鉄含有結晶性アルミノシリケートほど低
温にシフトする傾向がある。また、ゼオライトの格子定
数が小さくなるほど高温にシフトする傾向にある。ま
た、本発明に使用される鉄含有結晶性アルミノシリケー
トでは、高温還元ピークが二箇所以上あるときには、少
なくともその一つが 700℃から(−300 ×UD+8320)℃
の範囲に認められる。
【0010】ところで、本発明で使用される鉄含有結晶
性アルミノシリケート中のFe種は、高温部の還元ピーク
面積(高温ピーク面積,Sh)(高温部の水素消費量に対
応)と低温部の還元ピーク面積(低温ピーク面積,Sl)
(低温部の水素消費量に対応)との比率は、その還元さ
れる原子価から計算して理想的にはSh/Sl=2 になるはず
である。しかし、ここで不活性(不純物)鉄化合物が存
在すると、低温部のみにピークをもつため上記比率は2
より小さくなる。従って不活性鉄化合物含有率〔Fe〕de
p は、
【0011】
【数1】
【0012】〔式中、Stは全ピーク面積和を示す。〕に
より定義することができる。この〔Fe〕dep で評価した
ときに、本発明で使用される鉄含有結晶性アルミノシリ
ケートは35%以下、特に好ましくは30%以下のものであ
る。本発明で使用される鉄含有結晶性アルミノシリケー
トとしては、上記の各条件を満足するものであれば様々
なものが充当できるが、特に結晶性アルミノシリケート
であるフォージャサイト型あるいはY型ゼオライトが好
ましい。なかでも格子定数が 24.15〜24.40 Åとりわけ
24.20〜24.37 Åのものが最適である。
【0013】本発明で使用される鉄含有結晶性アルミノ
シリケートを製造するにあたっては、下記に述べる方法
で行うのが好ましい。原料としてアルミナに対するシリ
カの比率(モル比)、つまりSiO2/Al2O3が3.5 以上、好
ましくは4.6 以上のフォージャサイト型ゼオライトが用
いられる。また、この結晶性アルミノシリケートにはNa
2Oが2.4 重量%以下程度含有されていてもよく、好まし
くはその含有量は1.8重量%以下程度である。
【0014】まず、上記の如き結晶性アルミノシリケー
トをスチーミング処理してスチーミングアルミノシリケ
ートとする。ここでスチーミング処理の条件としては、
様々な状況に応じて適宜選定すればよいが、一般には温
度 540〜810 ℃の水蒸気の存在下で処理するのが好まし
い。次に、このようなスチーミング処理して得られたス
チーミングアルミノシリケートを、鉱酸で処理する。該
鉱酸としては各種のものが挙げられるが、塩酸,硝酸,
硫酸などが一般的であり、そのほかリン酸,過塩素酸な
どを用いることもできる。添加すべき鉱酸の量は、アル
ミノシリケート 1kgあたり 5〜20モルとし、鉱酸濃度は
0.5〜50重量%溶液、好ましくは 1〜20重量%溶液であ
る。鉱酸の添加の際の温度は、室温〜 100℃、好ましく
は50〜 100℃である。鉱酸を添加する場合、スチーミン
グアルミノシリケートに、あるいはこれに水を加えて得
たスラリーに上述の鉱酸を加えるが、その後引き続いて
この系に鉄塩を加えて処理する。この鉄塩処理を行う場
合、状況により異なり一義的に決定することはできない
が、通常は処理温度 5〜100 ℃、好ましくは50〜90℃、
処理時間 0.1〜24時間、好ましくは 0.5〜 5時間とし、
処理pH 0.5〜 2.5、好ましくは 1.4〜 2.1の範囲で適宜
選定すればよい。鉄塩の種類は特に制限はないが、通常
は塩化第一鉄,塩化第二鉄,硝酸第一鉄,硝酸第二鉄,
硫酸第一鉄,硫酸第二鉄を挙げることができる。この鉄
塩はそのまま加えることもできるが、溶液として加える
ことが好ましい。この際の溶液は鉄塩を溶解するもので
あればよいが、水,アルコール,エーテル,ケトン等が
好ましい。また、加える鉄塩の濃度は、通常は0.02〜1
0.0モル/リットル 、好ましくは0.05〜 5.0モル/リットル である。
さらに、処理溶液容量(リットル)/アルミノシリケート重
量(kg)は、 1〜50の範囲が好都合であり、特に 5〜30
が好適である。上述の如く得られる鉄含有結晶性アルミ
ノシリケートに、さらに必要に応じて水洗,乾燥,焼成
を適宜行うことができる。
【0015】本発明の触媒の担体は、前記した鉄含有結
晶性アルミノシリケート 5〜60重量%と無機酸化物95〜
40重量%からなるものである。好ましくは、前者 5〜40
重量%に対して、後者95〜60重量%である。該無機酸化
物は通常の接触分解に用いられる多孔質で非晶質の無機
酸化物であり、含水酸化物、例えばベーマイトゲル,ア
ルミナゾルなどのアルミナあるいはシリカゾルなどのシ
リカまたはシリカ−アルミナなどが用いられる。鉄含有
アルミノシリケートの割合が少なすぎると、所望の中間
留分を得るのに高い反応温度を必要とし、その結果触媒
の寿命に悪影響を与える。又、鉄含有アルミノシリケー
トの割合が多すぎると、分解活性は向上するが、中間留
分の選択性が下がり、その結果ナフサやガスの生成量が
多くなり好ましくない。
【0016】また、この担体に担持する金属成分は、前
述の如く周期律第 6族に属する金属及び第 8〜10族に属
する金属の両成分であり、この両者を併用することが必
要である。どちらか一方のみの使用では、本発明の目的
を充分に達成することができない。ここで周期律表第 6
族に属する金属としては、MoまたはWが好ましく、ま
た第 8〜10族に属する金属としては、NiまたはCoが
好ましい。好ましい組み合わせは、Mo−Niである。
なお、第 6族の金属,第 8〜10族の金属はそれぞれ一種
ずつ使用してもよいが、それぞれ複数種の金属を混合し
たものを使用してもよい。
【0017】上記活性成分である第 6族,第 8〜10族の
金属の担持量は、特に制限はなく各種条件に応じて適宜
選定すればよいが、通常は第 6族の金属は、触媒全体の
0.5〜24重量%、好ましくは 8〜20重量%、第 8〜10族
の金属は、触媒全体の 0.5〜20重量%、好ましくは 1.5
〜 8重量%である。上記活性成分を担体に担持するにあ
たっては、含浸法,混練法,共沈法などの公知の方法を
採用できる。
【0018】活性成分の金属を担体に担持した触媒の物
性は、表面積 100〜 500m2/g、好ましくは 150〜 400m2
/g、細孔容積0.20〜0.70ミリリットル/g、好ましくは0.30〜0.
60ミリリットル/g、平均細孔直径(水銀圧入法)70〜 150Å、
好ましくは90〜 140Åである。本発明の方法により前述
の炭化水素油を水素化処理するにあたっては、従来から
水素化分解反応に採用されている広範囲の反応条件を採
用すればよい。具体的な反応条件は、原料油の種類など
により変動し、一義的に定めることはできないが、通常
は反応温度 320〜 450℃、好ましくは 350〜 430℃、水
素分圧30〜200kg/cm2 、好ましくは50〜150kg/cm2 、水
素/油(比) 100〜2000nm3/キロリットル、好ましくは300 〜
1000nm3/キロリットル、液空間速度(LHSV) 0.1〜5h-1
好ましくは0.3 〜2.0h-1の範囲で適宜選定すればよい。
さらに、本発明の水素化処理方法では、本発明の触媒を
単独で用いてもよいが、一般の水素化処理触媒と組み合
わせたものを用いてもよい。
【0019】
【実施例】次に、本発明を実施例により具体的に説明す
るが、これらの実施例になんら制限されるものではな
い。 実施例1〜14及び比較例1〜4 (1)アルミナスラリーの調製 (1−1)内容積200リットル のスチームジャケット付ステ
ンレス容器に、アルミン酸ナトリウム溶液(Al2O3 換算
濃度 5.0重量%)80kg及び50重量%のグルコン酸溶液24
0gを入れ、60℃に加熱した。次いで硫酸アルミニウム溶
液(Al2O3 換算濃度2.5 重量%)88kgを別容器に準備
し、15分間でpH7.2 になるように該希釈硫酸アルミニウ
ム溶液を添加し水酸化アルミニウムスラリー(調合スラ
リーI)を得た。該調合スラリーIを更に60℃に保った
まま、60分間熟成した。次いで、前記調合スラリー全量
を平板フィルターにより脱水し、60℃の0.3 重量%アン
モニア水600リットル で洗浄し、アルミナケーキとした。該
アルミナケーキの一部を純水と15重量%のアンモニア水
を用い、アルミナ濃度12.0重量%、pH10.5のスラリーを
得た。このスラリーを還流器付のステンレス製熟成タン
クに入れ攪拌しながら95℃で 8時間熟成した。次いで、
この熟成スラリーに純水を加え、アルミナ濃度9.0 重量
%に希釈した後、攪拌機付オートクレーブに移し145 ℃
で 5時間熟成した。更にAl2O3 換算濃度で20重量%とな
るように加熱濃縮すると同時に脱アンモニアし、アルミ
ナスラリーAを得た。
【0020】(1−2)上記(1−1)の中間で得られ
た調合スラリーI100kg を攪拌機及び外部循環ライン付
内容積1 m3のタンクに張り込み、60℃に保ちながら外部
循環ラインを通して10m3/HR の流速で0.5 時間循環させ
アルミナシードとした。次いで、アルミン酸ナトリウム
水溶液(Al2O3 換算濃度5.0 重量%)を150kg/HRの流量
で、硫酸アルミニウム水溶液(Al2O3 換算濃度2.5 重量
%)を160kg/HRの流量で、外部循環ラインを通じてアル
ミナシードを10m3/HR の流速で循環させながら同時に添
加した。この操作を3時間連続して行った。また、この
間の1m3 タンクのスラリーのpHを硫酸アルミニウム水溶
液の添加量をコントロールすることでpH7.0 〜7.5に保
ち調合スラリーIIを得た。該調合スラリーIIをAl2O3
算で3.0kg を平板フィルターに移し、脱水した後0.3 重
量%アンモニア水(60℃)を300リットル で洗浄した。この
洗浄ケーキに脱イオン水と15重量%のアンモニア水を加
えpH10.5でAl 2O3 換算濃度19重量%のスラリーとし、次
いで95℃で30時間、攪拌熟成し、アルミナスラリーBを
得た。
【0021】(2)鉄含有結晶性アルミノシリケートの
調製 合成Na-Yゼオライト(Na2O含量13.3重量%,SiO2/Al2O3
モル比5.0 )をアンモニウム交換し、NH4-Y ゼオライト
(Na2O含量1.3 重量%)を得た。これを 580℃でスチー
ミング処理してUSY-1 を得た。10kgのUSY-1 を純水200リ
ットル に懸濁させた後、該懸濁液を75℃に昇温し30分間攪
拌した。次いでこの懸濁液に10重量%硝酸溶液81.9kgを
40分間で添加し、更に濃度0.57モル/リットル の硝酸第二鉄溶
液21.9リットルを10分間で添加し、添加後更に30分間攪拌し
た後、濾過、洗浄し、固形分濃度30.5重量%の鉄含有結
晶性アルミノシリケートスラリー(以下「Fe-SHY」とい
う。)を得た。
【0022】(3) TPR測定 上記で得られたFe-SHYを100mg 石英ガラス管に充填し、
乾燥空気流通下で650Kで 2時間焼成した。室温まで冷却
した後、水素−アルゴン混合ガス気流中で数時間保持し
た。その後、10℃/分の昇温速度で 1300Kまで昇温し、
この間の水素の物質収支を測定した。なお、水素の量は
熱伝導度検出器(TCD )にて求めた。得られた〔Fe〕de
p 及び高温側還元ピークの温度を第1表に示す。
【0023】(4)格子定数〔UD〕の測定 上記で得られたFe-SHYとシリコン内部標準粉末をよく混
合、粉砕しX線粉末回折用サンプルホルダーに充填し
た。これをCu管球,印加電圧40KV,印加電流40mVにてス
テップスキャンで測定し、得られたピーク角度よりFe-S
HYの格子定数〔UD〕を算出した。結果を第1表に示す。
【0024】
【表1】
【0025】(5)触媒の調製 (5−1)1230g の鉄含有結晶性アルミノシリケートス
ラリー(30.5重量%濃度)と5625g のアルミナスラリー
A(20重量%濃度)をニーダーに加え、加熱、攪拌しな
がら押し出し成形可能な濃度に濃縮した後、1/16インチ
サイズの三葉型ペレット状に押し出し成形した。次い
で、110 ℃で16時間乾燥した後、550 ℃で3 時間焼成
し、鉄含有結晶性アルミノシリケート/アルミナ(固形
分換算重量比)で25/75の実施例1の担体1を得た。同
様にして、鉄含有結晶性アルミノシリケート/アルミナ
(固形分換算重量比)が、それぞれ30/70 (担体2),
35/65 (担体3),50/50 (担体4),65/35 (担体
5)となるように、担体を得た。
【0026】次いで、三酸化モリブデンと炭酸ニッケル
を純水に懸濁したものを90℃に加熱し、次いでリンゴ酸
を加え溶解させた。この溶解液を担体1〜5にそれぞれ
触媒全体に対してMoO3として15.0重量%,NiO として4.
25重量%になるように含浸し、次いで乾燥、焼成し、触
媒1〜5を得た。その触媒の表面積、細孔容積、平均細
孔直径を測定し、その結果を第2表に示す。
【0027】
【表2】
【0028】(5−2)アルミナスラリーBと鉄含有結
晶性アルミノシリケートスラリー(30.5重量%濃度)を
固形分換算で重量比が90/10 となるようにニーダー中で
混合・濃縮し、可塑性のある捏和物とした。この捏和物
を押し出し成形器で1/16インチサイズの円柱型ペレット
状に成形し、次いで、110 ℃で16時間乾燥した後、乾燥
気流中で550 ℃で3 時間焼成し、担体6を得た。次に、
焼成条件を水蒸気存在雰囲気下650 ℃3 時間焼成した以
外は担体6と同様な方法で担体7を得た。
【0029】アルミナスラリーBと鉄含有結晶性アルミ
ノシリケートスラリーを固形分換算で重量比が75/25 と
なるように混合した以外は、担体7と同様な方法で担体
8を得た。また、アルミナスラリーBと鉄含有結晶性ア
ルミノシリケートスラリーを固形分換算で重量比が35/6
5 となるように混合した以外は、担体6と同様な方法で
担体9を得た。なお、焼成条件を水蒸気存在下650 ℃で
3 時間とした担体7と8の格子定数はそれぞれ24.32 と
24.33 Åであり、鉄含有結晶性アルミノシリケートと同
じであった。
【0030】次いで、三酸化モリブデンと炭酸ニッケル
を純水に懸濁したものを90℃に加熱し、次いでリンゴ酸
を加え溶解させた。この溶解液を担体6〜9にそれぞれ
触媒全体に対してMoO3として15.0重量%,NiO として4.
25重量%になるように含浸し、次いで乾燥、焼成し、触
媒6〜9を得た。その触媒の表面積、細孔容積、平均細
孔直径を測定し、その結果を第3表に示す。
【0031】
【表3】
【0032】(6)水素化処理I(実施例1〜4、比較
例1) 固定床反応器に市販の水素化触媒「HT−D7」(触媒
化成工業株式会社製)50ccと上記(5-1) で得られた触媒
ペレット50ccを高圧固定床反応器に充填し硫化した後、
反応温度 380℃,液空間速度(LHSV)0.5h-1,水素
分圧80kg/cm2,水素/油比700nm3/キロリットル の条件で第4
表に示す重質軽油を通油して水素化処理を行った。 370
+ ℃留分分解率,中間留分(160 〜370 ℃留分)得率及
び中間留分選択性の 400時間目における成績を第5表に
示す。
【0033】
【表4】
【0034】
【表5】
【0035】〔ここで、370+ ℃留分とは370℃以
上の留分をいい、370- ℃留分とは370℃未満の留
分をいう。〕 (7)水素化処理II(実施例5〜8、比較例2) 固定床反応器に市販の水素化触媒「HT−D7」(触媒
化成工業株式会社製)50ccと上記(5-1) で得られた触媒
ペレット50ccを高圧固定床反応器に充填し硫化した後、
370+ ℃留分分解率が70重量%になるように条件を、反
応温度360 〜400 ℃,液空間速度(LHSV)0.5 〜1.
0h-1,水素分圧50〜110 kg/cm2,水素/油比700nm3/キロリ
ットル に設定して第4表に示す重質軽油を通油して水素化
処理を行った。中間留分(160 〜370 ℃留分)得率、中
間留分選択性の 400時間目における成績を第6表に示
す。
【0036】
【表6】
【0037】(8)水素化処理III (実施例9〜11、
比較例3) 固定床反応器に市販の水素化触媒「HT−D7」(触媒
化成工業株式会社製)50ccと上記(5-2) で得られた触媒
ペレット50ccを高圧固定床反応器に充填し硫化した後、
反応温度 385℃,液空間速度(LHSV)1.0h-1,水素
分圧110 kg/cm2,水素/油比1000nm3/キロリットルの条件で第
7表に示す重質軽油を通油して水素化処理を行った。 3
60+ ℃留分分解率,中間留分(135 〜360 ℃留分)得率
及び中間留分選択性の 400時間目における成績を第8表
に示す。
【0038】
【表7】
【0039】
【表8】
【0040】〔ここで、360+ ℃留分とは360℃以
上の留分をいい、360- ℃留分とは360℃未満の留
分をいう。〕 (9)水素化処理IV(実施例12〜14、比較例4) 固定床反応器に市販の水素化触媒「HT−D7」(触媒
化成工業株式会社製)50ccと上記(5-2) で得られた触媒
ペレット50ccを高圧固定床反応器に充填し硫化した後、
360+ ℃留分分解率が70重量%になるように条件を、反
応温度360 〜400 ℃,液空間速度(LHSV)1.0h-1
水素分圧110 kg/cm2,水素/油比1000nm 3/キロリットルに設定
して第7表に示す重質軽油を通油して水素化処理を行っ
た。中間留分(135 〜360 ℃留分)得率、中間留分選択
性の 400時間目における成績を第9表に示す。
【0041】
【表9】
【0042】
【発明の効果】本発明の方法によれば、重質軽油,減圧
軽油,分解軽油及び溶剤脱瀝油から選ばれる炭化水素油
を原料とし、中間留分の選択性を維持しつつ、分解活性
を上げることができ、石油精製の分野で有効な利用が期
待される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07B 61/00 300 C07B 61/00 300

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重質軽油、減圧軽油、分解軽油及び溶剤
    脱瀝油から選ばれる炭化水素油を、水素の存在下、下記
    (A)〜(C)の性質を有する鉄含有結晶性アルミノシ
    リケート 5〜60重量%と無機酸化物95〜40重量%とから
    なる担体に、周期律第 6族に属する金属及び第 8〜10族
    に属する金属を担持してなる触媒と接触させることを特
    徴とする炭化水素油の水素化処理方法。 (A)酸化物の形態で表した主な組成が、一般式 aFe2O3・Al2O3 ・bSiO2 ・nH2O 〔式中、nは 0〜30の実数を示し、またa及びbは次の
    関係を満たす実数である。15<b<100, 0.005<a/b
    <0.15〕で表される。 (B)昇温プログラム還元により計算される不活性鉄化
    合物含有率〔Fe〕dep が35%以下である。 (C)少なくとも一つの高温部還元ピーク温度Thが式 700℃≦Th≦(−300 ×UD+8320)℃ 〔式中、UDは鉄含有結晶性アルミノシリケートの格子定
    数Åを示す。〕の範囲である。
  2. 【請求項2】 担体が、鉄含有結晶性アルミノシリケ−
    ト 5〜40重量%と無機酸化物95〜60重量%とからなるも
    のである請求項1記載の炭化水素油の水素化処理方法。
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