JPH09296185A - 炭化水素油の水素化処理方法 - Google Patents
炭化水素油の水素化処理方法Info
- Publication number
- JPH09296185A JPH09296185A JP9032076A JP3207697A JPH09296185A JP H09296185 A JPH09296185 A JP H09296185A JP 9032076 A JP9032076 A JP 9032076A JP 3207697 A JP3207697 A JP 3207697A JP H09296185 A JPH09296185 A JP H09296185A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- iron
- oil
- weight
- crystalline aluminosilicate
- hydrocarbon oil
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Classifications
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02P—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
- Y02P20/00—Technologies relating to chemical industry
- Y02P20/50—Improvements relating to the production of bulk chemicals
- Y02P20/52—Improvements relating to the production of bulk chemicals using catalysts, e.g. selective catalysts
Landscapes
- Catalysts (AREA)
- Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)
- Production Of Liquid Hydrocarbon Mixture For Refining Petroleum (AREA)
Abstract
(57)【要約】 (修正有)
【課題】 重質軽油,減圧軽油,分解軽油及び溶剤脱瀝
油から選ばれる炭化水素油を原料とし、中間留分の選択
性を維持しつつ、分解活性を上げることができる炭化水
素油の水素化処理方法を提供する。 【解決手段】 重質軽油,減圧軽油,分解軽油及び溶剤
脱瀝油から選ばれる炭化水素油を、水素の存在下、鉄含
有結晶性アルミノシリケート 5〜60重量%と無機酸化物
95〜40重量%とからなる担体に、周期律第 6族に属する
金属及び第 8〜10族に属する金属を担持してなる触媒と
接触させることを特徴とする炭化水素油の水素化処理方
法である。
油から選ばれる炭化水素油を原料とし、中間留分の選択
性を維持しつつ、分解活性を上げることができる炭化水
素油の水素化処理方法を提供する。 【解決手段】 重質軽油,減圧軽油,分解軽油及び溶剤
脱瀝油から選ばれる炭化水素油を、水素の存在下、鉄含
有結晶性アルミノシリケート 5〜60重量%と無機酸化物
95〜40重量%とからなる担体に、周期律第 6族に属する
金属及び第 8〜10族に属する金属を担持してなる触媒と
接触させることを特徴とする炭化水素油の水素化処理方
法である。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、炭化水素油の水素
化処理方法に関し、詳しくは重質軽油、減圧軽油、分解
軽油及び溶剤脱瀝油から選ばれる炭化水素油を原料と
し、効率的に中間留分(灯軽油留分)を得ることができ
る水素化処理方法に関する。
化処理方法に関し、詳しくは重質軽油、減圧軽油、分解
軽油及び溶剤脱瀝油から選ばれる炭化水素油を原料と
し、効率的に中間留分(灯軽油留分)を得ることができ
る水素化処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、石油精製分野においては、処理す
る原油が重質化する傾向にあり、しかも需要は軽質化が
進行し、需給のバランスを取るために重質留分の軽質留
分への転化が図られている。該重質留分として、重質軽
油,減圧軽油,分解軽油,溶剤脱瀝油などを使用した場
合、良質の軽質油が得られることが知られている。また
その場合の触媒として、アルミナ,シリカ−アルミナ,
チタニアなどの無機酸化物担体に、周期律第 6族に属す
る金属及び周期律第 8〜10族に属する金属を担持したも
のが知られている。しかし、一般に分解活性を上げる
と、中間留分の選択性が下がる傾向にあり、その解決が
要望されていた。
る原油が重質化する傾向にあり、しかも需要は軽質化が
進行し、需給のバランスを取るために重質留分の軽質留
分への転化が図られている。該重質留分として、重質軽
油,減圧軽油,分解軽油,溶剤脱瀝油などを使用した場
合、良質の軽質油が得られることが知られている。また
その場合の触媒として、アルミナ,シリカ−アルミナ,
チタニアなどの無機酸化物担体に、周期律第 6族に属す
る金属及び周期律第 8〜10族に属する金属を担持したも
のが知られている。しかし、一般に分解活性を上げる
と、中間留分の選択性が下がる傾向にあり、その解決が
要望されていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記観点か
らなされたもので、重質軽油,減圧軽油,分解軽油及び
溶剤脱瀝油から選ばれる炭化水素油を原料とし、中間留
分の選択性を維持しつつ、分解活性を上げることができ
る炭化水素油の水素化処理方法を提供することを目的と
するものである。
らなされたもので、重質軽油,減圧軽油,分解軽油及び
溶剤脱瀝油から選ばれる炭化水素油を原料とし、中間留
分の選択性を維持しつつ、分解活性を上げることができ
る炭化水素油の水素化処理方法を提供することを目的と
するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、特定割合の鉄含
有結晶性アルミノシリケートと無機酸化物を触媒の担体
に使用することにより、上記の目的を効果的に達成しう
ることを見出し本発明を完成したものである。すなわ
ち、本発明は、重質軽油、減圧軽油、分解軽油及び溶剤
脱瀝油から選ばれる炭化水素油を、水素の存在下、下記
(A)〜(C)の性質を有する鉄含有結晶性アルミノシ
リケート 5〜60重量%と無機酸化物95〜40重量%とから
なる担体に、周期律第 6族に属する金属及び第 8〜10族
に属する金属を担持してなる触媒と接触させることを特
徴とする炭化水素油の水素化処理方法である。 (A)酸化物の形態で表した主な組成が、一般式 aFe2O3・Al2O3 ・bSiO2 ・nH2O ・・・〔I〕 〔式中、nは 0〜30の実数を示し、またa及びbは次の
関係を満たす実数である。15<b<100, 0.005<a/b
<0.15〕で表される。 (B)昇温プログラム還元により計算される不活性鉄化
合物含有率〔Fe〕dep が35%以下である。 (C)少なくとも一つの高温部還元ピーク温度Thが式 700℃≦Th≦(−300 ×UD+8320)℃ 〔式中、UDは鉄含有結晶性アルミノシリケートの格子定
数Åを示す。〕の範囲である。
題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、特定割合の鉄含
有結晶性アルミノシリケートと無機酸化物を触媒の担体
に使用することにより、上記の目的を効果的に達成しう
ることを見出し本発明を完成したものである。すなわ
ち、本発明は、重質軽油、減圧軽油、分解軽油及び溶剤
脱瀝油から選ばれる炭化水素油を、水素の存在下、下記
(A)〜(C)の性質を有する鉄含有結晶性アルミノシ
リケート 5〜60重量%と無機酸化物95〜40重量%とから
なる担体に、周期律第 6族に属する金属及び第 8〜10族
に属する金属を担持してなる触媒と接触させることを特
徴とする炭化水素油の水素化処理方法である。 (A)酸化物の形態で表した主な組成が、一般式 aFe2O3・Al2O3 ・bSiO2 ・nH2O ・・・〔I〕 〔式中、nは 0〜30の実数を示し、またa及びbは次の
関係を満たす実数である。15<b<100, 0.005<a/b
<0.15〕で表される。 (B)昇温プログラム還元により計算される不活性鉄化
合物含有率〔Fe〕dep が35%以下である。 (C)少なくとも一つの高温部還元ピーク温度Thが式 700℃≦Th≦(−300 ×UD+8320)℃ 〔式中、UDは鉄含有結晶性アルミノシリケートの格子定
数Åを示す。〕の範囲である。
【0005】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態を説
明する。本発明の方法で処理する炭化水素油は、重質軽
油,減圧軽油,分解軽油及び溶剤脱瀝油から選ばれる。
重質軽油は原油の常圧蒸留により得られる重質の軽油で
あり、減圧軽油は常圧蒸留残渣油の減圧蒸留により得ら
れる軽油であり、分解軽油は重質軽油,減圧軽油又は常
圧蒸留残渣油の流動接触分解により得られる軽油であ
り、溶剤脱瀝油は減圧蒸留残渣油からプロパン等の溶剤
で抽出した留分である。該炭化水素油は、一種又は二種
以上を混合して使用してもよい。
明する。本発明の方法で処理する炭化水素油は、重質軽
油,減圧軽油,分解軽油及び溶剤脱瀝油から選ばれる。
重質軽油は原油の常圧蒸留により得られる重質の軽油で
あり、減圧軽油は常圧蒸留残渣油の減圧蒸留により得ら
れる軽油であり、分解軽油は重質軽油,減圧軽油又は常
圧蒸留残渣油の流動接触分解により得られる軽油であ
り、溶剤脱瀝油は減圧蒸留残渣油からプロパン等の溶剤
で抽出した留分である。該炭化水素油は、一種又は二種
以上を混合して使用してもよい。
【0006】本発明の担体の一部として使用される鉄含
有結晶性アルミノシリケートは、酸化物の形態で表した
主な組成が前記一般式〔I〕で表されるものである。こ
の一般式中nは0〜30の実数を示し、またbは15<b<
100 、好ましくは18<b<40であり、またa,bの関係
は0.005 <a/b<0.15、好ましくは0.02<a/b<0.
05を満たすものである。またこの鉄含有結晶性アルミノ
シリケートには、少量のNa2O等のアルカリ金属酸化物や
CaO 等のアルカリ土類金属等が含有されていてもよい。
有結晶性アルミノシリケートは、酸化物の形態で表した
主な組成が前記一般式〔I〕で表されるものである。こ
の一般式中nは0〜30の実数を示し、またbは15<b<
100 、好ましくは18<b<40であり、またa,bの関係
は0.005 <a/b<0.15、好ましくは0.02<a/b<0.
05を満たすものである。またこの鉄含有結晶性アルミノ
シリケートには、少量のNa2O等のアルカリ金属酸化物や
CaO 等のアルカリ土類金属等が含有されていてもよい。
【0007】一般に鉄含有結晶性アルミノシリケートに
は、以下のような様々な形態の鉄化合物が存在してい
る。即ち、 単に結晶性アルミノシリケートに物理吸着している不
活性な鉄化合物。この鉄化合物は水素雰囲気下におい
て、500 ℃以下でFe3+→Fe0 に一段で還元される。 結晶性アルミノシリケートの骨格と規則正しく相互作
用している鉄化合物。これにはイオン交換鉄化合物や結
晶性アルミノシリケート骨格を構成する鉄化合物及び本
発明で使用される鉄化合物等様々な形態の鉄化合物が存
在する。これらの鉄化合物は水素雰囲気下において、低
温部(室温〜700 ℃)でFe3+→Fe2+に、高温部(700 〜
1200℃)でFe2+→Fe0 に二段で還元される。
は、以下のような様々な形態の鉄化合物が存在してい
る。即ち、 単に結晶性アルミノシリケートに物理吸着している不
活性な鉄化合物。この鉄化合物は水素雰囲気下におい
て、500 ℃以下でFe3+→Fe0 に一段で還元される。 結晶性アルミノシリケートの骨格と規則正しく相互作
用している鉄化合物。これにはイオン交換鉄化合物や結
晶性アルミノシリケート骨格を構成する鉄化合物及び本
発明で使用される鉄化合物等様々な形態の鉄化合物が存
在する。これらの鉄化合物は水素雰囲気下において、低
温部(室温〜700 ℃)でFe3+→Fe2+に、高温部(700 〜
1200℃)でFe2+→Fe0 に二段で還元される。
【0008】の鉄化合物は昇温プログラム還元(TPR
)測定によって計算される不活性鉄化合物含有率〔F
e〕dep によって判別でき、の鉄化合物は同じくTPR
測定の高温還元ピークによって判別できる。本発明で使
用される鉄含有結晶性アルミノシリケートは、上記TPR
測定により計算される〔Fe〕dep が35%以下、好ましく
は30%以下である。また、少なくとも一つの高温還元ピ
ーク温度Thが式700℃≦Th≦(−300 ×UD+8320)℃、
好ましくは式850℃≦Th≦(−300 ×UD+8300)℃の範
囲である。ここで、TPR 測定とは、水素流通下で試料を
加熱昇温する際の水素消費量を測定するものである。こ
の水素による金属酸化物の還元挙動から、試料中の金属
の状態を容易に知ることができる。
)測定によって計算される不活性鉄化合物含有率〔F
e〕dep によって判別でき、の鉄化合物は同じくTPR
測定の高温還元ピークによって判別できる。本発明で使
用される鉄含有結晶性アルミノシリケートは、上記TPR
測定により計算される〔Fe〕dep が35%以下、好ましく
は30%以下である。また、少なくとも一つの高温還元ピ
ーク温度Thが式700℃≦Th≦(−300 ×UD+8320)℃、
好ましくは式850℃≦Th≦(−300 ×UD+8300)℃の範
囲である。ここで、TPR 測定とは、水素流通下で試料を
加熱昇温する際の水素消費量を測定するものである。こ
の水素による金属酸化物の還元挙動から、試料中の金属
の状態を容易に知ることができる。
【0009】本発明で使用される鉄含有結晶性アルミノ
シリケートに見られるTPR 測定による還元ピークには、
低温部の還元ピークと高温部の還元ピークが認められ
る。ここで、低温部の還元ピークとして、Fe3+がFe2+に
還元される際の還元ピークが室温〜700 ℃の範囲に認め
られ、また高温部の還元ピークとして、Fe2+がFe0 に還
元される際のピークが700 ℃〜(−300 ×UD+8320)℃
の範囲に認められる。なお、一般に、高温還元ピーク
は、活性の高い鉄含有結晶性アルミノシリケートほど低
温にシフトする傾向がある。また、ゼオライトの格子定
数が小さくなるほど高温にシフトする傾向にある。ま
た、本発明に使用される鉄含有結晶性アルミノシリケー
トでは、高温還元ピークが二箇所以上あるときには、少
なくともその一つが 700℃から(−300 ×UD+8320)℃
の範囲に認められる。
シリケートに見られるTPR 測定による還元ピークには、
低温部の還元ピークと高温部の還元ピークが認められ
る。ここで、低温部の還元ピークとして、Fe3+がFe2+に
還元される際の還元ピークが室温〜700 ℃の範囲に認め
られ、また高温部の還元ピークとして、Fe2+がFe0 に還
元される際のピークが700 ℃〜(−300 ×UD+8320)℃
の範囲に認められる。なお、一般に、高温還元ピーク
は、活性の高い鉄含有結晶性アルミノシリケートほど低
温にシフトする傾向がある。また、ゼオライトの格子定
数が小さくなるほど高温にシフトする傾向にある。ま
た、本発明に使用される鉄含有結晶性アルミノシリケー
トでは、高温還元ピークが二箇所以上あるときには、少
なくともその一つが 700℃から(−300 ×UD+8320)℃
の範囲に認められる。
【0010】ところで、本発明で使用される鉄含有結晶
性アルミノシリケート中のFe種は、高温部の還元ピーク
面積(高温ピーク面積,Sh)(高温部の水素消費量に対
応)と低温部の還元ピーク面積(低温ピーク面積,Sl)
(低温部の水素消費量に対応)との比率は、その還元さ
れる原子価から計算して理想的にはSh/Sl=2 になるはず
である。しかし、ここで不活性(不純物)鉄化合物が存
在すると、低温部のみにピークをもつため上記比率は2
より小さくなる。従って不活性鉄化合物含有率〔Fe〕de
p は、
性アルミノシリケート中のFe種は、高温部の還元ピーク
面積(高温ピーク面積,Sh)(高温部の水素消費量に対
応)と低温部の還元ピーク面積(低温ピーク面積,Sl)
(低温部の水素消費量に対応)との比率は、その還元さ
れる原子価から計算して理想的にはSh/Sl=2 になるはず
である。しかし、ここで不活性(不純物)鉄化合物が存
在すると、低温部のみにピークをもつため上記比率は2
より小さくなる。従って不活性鉄化合物含有率〔Fe〕de
p は、
【0011】
【数1】
【0012】〔式中、Stは全ピーク面積和を示す。〕に
より定義することができる。この〔Fe〕dep で評価した
ときに、本発明で使用される鉄含有結晶性アルミノシリ
ケートは35%以下、特に好ましくは30%以下のものであ
る。本発明で使用される鉄含有結晶性アルミノシリケー
トとしては、上記の各条件を満足するものであれば様々
なものが充当できるが、特に結晶性アルミノシリケート
であるフォージャサイト型あるいはY型ゼオライトが好
ましい。なかでも格子定数が 24.15〜24.40 Åとりわけ
24.20〜24.37 Åのものが最適である。
より定義することができる。この〔Fe〕dep で評価した
ときに、本発明で使用される鉄含有結晶性アルミノシリ
ケートは35%以下、特に好ましくは30%以下のものであ
る。本発明で使用される鉄含有結晶性アルミノシリケー
トとしては、上記の各条件を満足するものであれば様々
なものが充当できるが、特に結晶性アルミノシリケート
であるフォージャサイト型あるいはY型ゼオライトが好
ましい。なかでも格子定数が 24.15〜24.40 Åとりわけ
24.20〜24.37 Åのものが最適である。
【0013】本発明で使用される鉄含有結晶性アルミノ
シリケートを製造するにあたっては、下記に述べる方法
で行うのが好ましい。原料としてアルミナに対するシリ
カの比率(モル比)、つまりSiO2/Al2O3が3.5 以上、好
ましくは4.6 以上のフォージャサイト型ゼオライトが用
いられる。また、この結晶性アルミノシリケートにはNa
2Oが2.4 重量%以下程度含有されていてもよく、好まし
くはその含有量は1.8重量%以下程度である。
シリケートを製造するにあたっては、下記に述べる方法
で行うのが好ましい。原料としてアルミナに対するシリ
カの比率(モル比)、つまりSiO2/Al2O3が3.5 以上、好
ましくは4.6 以上のフォージャサイト型ゼオライトが用
いられる。また、この結晶性アルミノシリケートにはNa
2Oが2.4 重量%以下程度含有されていてもよく、好まし
くはその含有量は1.8重量%以下程度である。
【0014】まず、上記の如き結晶性アルミノシリケー
トをスチーミング処理してスチーミングアルミノシリケ
ートとする。ここでスチーミング処理の条件としては、
様々な状況に応じて適宜選定すればよいが、一般には温
度 540〜810 ℃の水蒸気の存在下で処理するのが好まし
い。次に、このようなスチーミング処理して得られたス
チーミングアルミノシリケートを、鉱酸で処理する。該
鉱酸としては各種のものが挙げられるが、塩酸,硝酸,
硫酸などが一般的であり、そのほかリン酸,過塩素酸な
どを用いることもできる。添加すべき鉱酸の量は、アル
ミノシリケート 1kgあたり 5〜20モルとし、鉱酸濃度は
0.5〜50重量%溶液、好ましくは 1〜20重量%溶液であ
る。鉱酸の添加の際の温度は、室温〜 100℃、好ましく
は50〜 100℃である。鉱酸を添加する場合、スチーミン
グアルミノシリケートに、あるいはこれに水を加えて得
たスラリーに上述の鉱酸を加えるが、その後引き続いて
この系に鉄塩を加えて処理する。この鉄塩処理を行う場
合、状況により異なり一義的に決定することはできない
が、通常は処理温度 5〜100 ℃、好ましくは50〜90℃、
処理時間 0.1〜24時間、好ましくは 0.5〜 5時間とし、
処理pH 0.5〜 2.5、好ましくは 1.4〜 2.1の範囲で適宜
選定すればよい。鉄塩の種類は特に制限はないが、通常
は塩化第一鉄,塩化第二鉄,硝酸第一鉄,硝酸第二鉄,
硫酸第一鉄,硫酸第二鉄を挙げることができる。この鉄
塩はそのまま加えることもできるが、溶液として加える
ことが好ましい。この際の溶液は鉄塩を溶解するもので
あればよいが、水,アルコール,エーテル,ケトン等が
好ましい。また、加える鉄塩の濃度は、通常は0.02〜1
0.0モル/リットル 、好ましくは0.05〜 5.0モル/リットル である。
さらに、処理溶液容量(リットル)/アルミノシリケート重
量(kg)は、 1〜50の範囲が好都合であり、特に 5〜30
が好適である。上述の如く得られる鉄含有結晶性アルミ
ノシリケートに、さらに必要に応じて水洗,乾燥,焼成
を適宜行うことができる。
トをスチーミング処理してスチーミングアルミノシリケ
ートとする。ここでスチーミング処理の条件としては、
様々な状況に応じて適宜選定すればよいが、一般には温
度 540〜810 ℃の水蒸気の存在下で処理するのが好まし
い。次に、このようなスチーミング処理して得られたス
チーミングアルミノシリケートを、鉱酸で処理する。該
鉱酸としては各種のものが挙げられるが、塩酸,硝酸,
硫酸などが一般的であり、そのほかリン酸,過塩素酸な
どを用いることもできる。添加すべき鉱酸の量は、アル
ミノシリケート 1kgあたり 5〜20モルとし、鉱酸濃度は
0.5〜50重量%溶液、好ましくは 1〜20重量%溶液であ
る。鉱酸の添加の際の温度は、室温〜 100℃、好ましく
は50〜 100℃である。鉱酸を添加する場合、スチーミン
グアルミノシリケートに、あるいはこれに水を加えて得
たスラリーに上述の鉱酸を加えるが、その後引き続いて
この系に鉄塩を加えて処理する。この鉄塩処理を行う場
合、状況により異なり一義的に決定することはできない
が、通常は処理温度 5〜100 ℃、好ましくは50〜90℃、
処理時間 0.1〜24時間、好ましくは 0.5〜 5時間とし、
処理pH 0.5〜 2.5、好ましくは 1.4〜 2.1の範囲で適宜
選定すればよい。鉄塩の種類は特に制限はないが、通常
は塩化第一鉄,塩化第二鉄,硝酸第一鉄,硝酸第二鉄,
硫酸第一鉄,硫酸第二鉄を挙げることができる。この鉄
塩はそのまま加えることもできるが、溶液として加える
ことが好ましい。この際の溶液は鉄塩を溶解するもので
あればよいが、水,アルコール,エーテル,ケトン等が
好ましい。また、加える鉄塩の濃度は、通常は0.02〜1
0.0モル/リットル 、好ましくは0.05〜 5.0モル/リットル である。
さらに、処理溶液容量(リットル)/アルミノシリケート重
量(kg)は、 1〜50の範囲が好都合であり、特に 5〜30
が好適である。上述の如く得られる鉄含有結晶性アルミ
ノシリケートに、さらに必要に応じて水洗,乾燥,焼成
を適宜行うことができる。
【0015】本発明の触媒の担体は、前記した鉄含有結
晶性アルミノシリケート 5〜60重量%と無機酸化物95〜
40重量%からなるものである。好ましくは、前者 5〜40
重量%に対して、後者95〜60重量%である。該無機酸化
物は通常の接触分解に用いられる多孔質で非晶質の無機
酸化物であり、含水酸化物、例えばベーマイトゲル,ア
ルミナゾルなどのアルミナあるいはシリカゾルなどのシ
リカまたはシリカ−アルミナなどが用いられる。鉄含有
アルミノシリケートの割合が少なすぎると、所望の中間
留分を得るのに高い反応温度を必要とし、その結果触媒
の寿命に悪影響を与える。又、鉄含有アルミノシリケー
トの割合が多すぎると、分解活性は向上するが、中間留
分の選択性が下がり、その結果ナフサやガスの生成量が
多くなり好ましくない。
晶性アルミノシリケート 5〜60重量%と無機酸化物95〜
40重量%からなるものである。好ましくは、前者 5〜40
重量%に対して、後者95〜60重量%である。該無機酸化
物は通常の接触分解に用いられる多孔質で非晶質の無機
酸化物であり、含水酸化物、例えばベーマイトゲル,ア
ルミナゾルなどのアルミナあるいはシリカゾルなどのシ
リカまたはシリカ−アルミナなどが用いられる。鉄含有
アルミノシリケートの割合が少なすぎると、所望の中間
留分を得るのに高い反応温度を必要とし、その結果触媒
の寿命に悪影響を与える。又、鉄含有アルミノシリケー
トの割合が多すぎると、分解活性は向上するが、中間留
分の選択性が下がり、その結果ナフサやガスの生成量が
多くなり好ましくない。
【0016】また、この担体に担持する金属成分は、前
述の如く周期律第 6族に属する金属及び第 8〜10族に属
する金属の両成分であり、この両者を併用することが必
要である。どちらか一方のみの使用では、本発明の目的
を充分に達成することができない。ここで周期律表第 6
族に属する金属としては、MoまたはWが好ましく、ま
た第 8〜10族に属する金属としては、NiまたはCoが
好ましい。好ましい組み合わせは、Mo−Niである。
なお、第 6族の金属,第 8〜10族の金属はそれぞれ一種
ずつ使用してもよいが、それぞれ複数種の金属を混合し
たものを使用してもよい。
述の如く周期律第 6族に属する金属及び第 8〜10族に属
する金属の両成分であり、この両者を併用することが必
要である。どちらか一方のみの使用では、本発明の目的
を充分に達成することができない。ここで周期律表第 6
族に属する金属としては、MoまたはWが好ましく、ま
た第 8〜10族に属する金属としては、NiまたはCoが
好ましい。好ましい組み合わせは、Mo−Niである。
なお、第 6族の金属,第 8〜10族の金属はそれぞれ一種
ずつ使用してもよいが、それぞれ複数種の金属を混合し
たものを使用してもよい。
【0017】上記活性成分である第 6族,第 8〜10族の
金属の担持量は、特に制限はなく各種条件に応じて適宜
選定すればよいが、通常は第 6族の金属は、触媒全体の
0.5〜24重量%、好ましくは 8〜20重量%、第 8〜10族
の金属は、触媒全体の 0.5〜20重量%、好ましくは 1.5
〜 8重量%である。上記活性成分を担体に担持するにあ
たっては、含浸法,混練法,共沈法などの公知の方法を
採用できる。
金属の担持量は、特に制限はなく各種条件に応じて適宜
選定すればよいが、通常は第 6族の金属は、触媒全体の
0.5〜24重量%、好ましくは 8〜20重量%、第 8〜10族
の金属は、触媒全体の 0.5〜20重量%、好ましくは 1.5
〜 8重量%である。上記活性成分を担体に担持するにあ
たっては、含浸法,混練法,共沈法などの公知の方法を
採用できる。
【0018】活性成分の金属を担体に担持した触媒の物
性は、表面積 100〜 500m2/g、好ましくは 150〜 400m2
/g、細孔容積0.20〜0.70ミリリットル/g、好ましくは0.30〜0.
60ミリリットル/g、平均細孔直径(水銀圧入法)70〜 150Å、
好ましくは90〜 140Åである。本発明の方法により前述
の炭化水素油を水素化処理するにあたっては、従来から
水素化分解反応に採用されている広範囲の反応条件を採
用すればよい。具体的な反応条件は、原料油の種類など
により変動し、一義的に定めることはできないが、通常
は反応温度 320〜 450℃、好ましくは 350〜 430℃、水
素分圧30〜200kg/cm2 、好ましくは50〜150kg/cm2 、水
素/油(比) 100〜2000nm3/キロリットル、好ましくは300 〜
1000nm3/キロリットル、液空間速度(LHSV) 0.1〜5h-1、
好ましくは0.3 〜2.0h-1の範囲で適宜選定すればよい。
さらに、本発明の水素化処理方法では、本発明の触媒を
単独で用いてもよいが、一般の水素化処理触媒と組み合
わせたものを用いてもよい。
性は、表面積 100〜 500m2/g、好ましくは 150〜 400m2
/g、細孔容積0.20〜0.70ミリリットル/g、好ましくは0.30〜0.
60ミリリットル/g、平均細孔直径(水銀圧入法)70〜 150Å、
好ましくは90〜 140Åである。本発明の方法により前述
の炭化水素油を水素化処理するにあたっては、従来から
水素化分解反応に採用されている広範囲の反応条件を採
用すればよい。具体的な反応条件は、原料油の種類など
により変動し、一義的に定めることはできないが、通常
は反応温度 320〜 450℃、好ましくは 350〜 430℃、水
素分圧30〜200kg/cm2 、好ましくは50〜150kg/cm2 、水
素/油(比) 100〜2000nm3/キロリットル、好ましくは300 〜
1000nm3/キロリットル、液空間速度(LHSV) 0.1〜5h-1、
好ましくは0.3 〜2.0h-1の範囲で適宜選定すればよい。
さらに、本発明の水素化処理方法では、本発明の触媒を
単独で用いてもよいが、一般の水素化処理触媒と組み合
わせたものを用いてもよい。
【0019】
【実施例】次に、本発明を実施例により具体的に説明す
るが、これらの実施例になんら制限されるものではな
い。 実施例1〜14及び比較例1〜4 (1)アルミナスラリーの調製 (1−1)内容積200リットル のスチームジャケット付ステ
ンレス容器に、アルミン酸ナトリウム溶液(Al2O3 換算
濃度 5.0重量%)80kg及び50重量%のグルコン酸溶液24
0gを入れ、60℃に加熱した。次いで硫酸アルミニウム溶
液(Al2O3 換算濃度2.5 重量%)88kgを別容器に準備
し、15分間でpH7.2 になるように該希釈硫酸アルミニウ
ム溶液を添加し水酸化アルミニウムスラリー(調合スラ
リーI)を得た。該調合スラリーIを更に60℃に保った
まま、60分間熟成した。次いで、前記調合スラリー全量
を平板フィルターにより脱水し、60℃の0.3 重量%アン
モニア水600リットル で洗浄し、アルミナケーキとした。該
アルミナケーキの一部を純水と15重量%のアンモニア水
を用い、アルミナ濃度12.0重量%、pH10.5のスラリーを
得た。このスラリーを還流器付のステンレス製熟成タン
クに入れ攪拌しながら95℃で 8時間熟成した。次いで、
この熟成スラリーに純水を加え、アルミナ濃度9.0 重量
%に希釈した後、攪拌機付オートクレーブに移し145 ℃
で 5時間熟成した。更にAl2O3 換算濃度で20重量%とな
るように加熱濃縮すると同時に脱アンモニアし、アルミ
ナスラリーAを得た。
るが、これらの実施例になんら制限されるものではな
い。 実施例1〜14及び比較例1〜4 (1)アルミナスラリーの調製 (1−1)内容積200リットル のスチームジャケット付ステ
ンレス容器に、アルミン酸ナトリウム溶液(Al2O3 換算
濃度 5.0重量%)80kg及び50重量%のグルコン酸溶液24
0gを入れ、60℃に加熱した。次いで硫酸アルミニウム溶
液(Al2O3 換算濃度2.5 重量%)88kgを別容器に準備
し、15分間でpH7.2 になるように該希釈硫酸アルミニウ
ム溶液を添加し水酸化アルミニウムスラリー(調合スラ
リーI)を得た。該調合スラリーIを更に60℃に保った
まま、60分間熟成した。次いで、前記調合スラリー全量
を平板フィルターにより脱水し、60℃の0.3 重量%アン
モニア水600リットル で洗浄し、アルミナケーキとした。該
アルミナケーキの一部を純水と15重量%のアンモニア水
を用い、アルミナ濃度12.0重量%、pH10.5のスラリーを
得た。このスラリーを還流器付のステンレス製熟成タン
クに入れ攪拌しながら95℃で 8時間熟成した。次いで、
この熟成スラリーに純水を加え、アルミナ濃度9.0 重量
%に希釈した後、攪拌機付オートクレーブに移し145 ℃
で 5時間熟成した。更にAl2O3 換算濃度で20重量%とな
るように加熱濃縮すると同時に脱アンモニアし、アルミ
ナスラリーAを得た。
【0020】(1−2)上記(1−1)の中間で得られ
た調合スラリーI100kg を攪拌機及び外部循環ライン付
内容積1 m3のタンクに張り込み、60℃に保ちながら外部
循環ラインを通して10m3/HR の流速で0.5 時間循環させ
アルミナシードとした。次いで、アルミン酸ナトリウム
水溶液(Al2O3 換算濃度5.0 重量%)を150kg/HRの流量
で、硫酸アルミニウム水溶液(Al2O3 換算濃度2.5 重量
%)を160kg/HRの流量で、外部循環ラインを通じてアル
ミナシードを10m3/HR の流速で循環させながら同時に添
加した。この操作を3時間連続して行った。また、この
間の1m3 タンクのスラリーのpHを硫酸アルミニウム水溶
液の添加量をコントロールすることでpH7.0 〜7.5に保
ち調合スラリーIIを得た。該調合スラリーIIをAl2O3 換
算で3.0kg を平板フィルターに移し、脱水した後0.3 重
量%アンモニア水(60℃)を300リットル で洗浄した。この
洗浄ケーキに脱イオン水と15重量%のアンモニア水を加
えpH10.5でAl 2O3 換算濃度19重量%のスラリーとし、次
いで95℃で30時間、攪拌熟成し、アルミナスラリーBを
得た。
た調合スラリーI100kg を攪拌機及び外部循環ライン付
内容積1 m3のタンクに張り込み、60℃に保ちながら外部
循環ラインを通して10m3/HR の流速で0.5 時間循環させ
アルミナシードとした。次いで、アルミン酸ナトリウム
水溶液(Al2O3 換算濃度5.0 重量%)を150kg/HRの流量
で、硫酸アルミニウム水溶液(Al2O3 換算濃度2.5 重量
%)を160kg/HRの流量で、外部循環ラインを通じてアル
ミナシードを10m3/HR の流速で循環させながら同時に添
加した。この操作を3時間連続して行った。また、この
間の1m3 タンクのスラリーのpHを硫酸アルミニウム水溶
液の添加量をコントロールすることでpH7.0 〜7.5に保
ち調合スラリーIIを得た。該調合スラリーIIをAl2O3 換
算で3.0kg を平板フィルターに移し、脱水した後0.3 重
量%アンモニア水(60℃)を300リットル で洗浄した。この
洗浄ケーキに脱イオン水と15重量%のアンモニア水を加
えpH10.5でAl 2O3 換算濃度19重量%のスラリーとし、次
いで95℃で30時間、攪拌熟成し、アルミナスラリーBを
得た。
【0021】(2)鉄含有結晶性アルミノシリケートの
調製 合成Na-Yゼオライト(Na2O含量13.3重量%,SiO2/Al2O3
モル比5.0 )をアンモニウム交換し、NH4-Y ゼオライト
(Na2O含量1.3 重量%)を得た。これを 580℃でスチー
ミング処理してUSY-1 を得た。10kgのUSY-1 を純水200リ
ットル に懸濁させた後、該懸濁液を75℃に昇温し30分間攪
拌した。次いでこの懸濁液に10重量%硝酸溶液81.9kgを
40分間で添加し、更に濃度0.57モル/リットル の硝酸第二鉄溶
液21.9リットルを10分間で添加し、添加後更に30分間攪拌し
た後、濾過、洗浄し、固形分濃度30.5重量%の鉄含有結
晶性アルミノシリケートスラリー(以下「Fe-SHY」とい
う。)を得た。
調製 合成Na-Yゼオライト(Na2O含量13.3重量%,SiO2/Al2O3
モル比5.0 )をアンモニウム交換し、NH4-Y ゼオライト
(Na2O含量1.3 重量%)を得た。これを 580℃でスチー
ミング処理してUSY-1 を得た。10kgのUSY-1 を純水200リ
ットル に懸濁させた後、該懸濁液を75℃に昇温し30分間攪
拌した。次いでこの懸濁液に10重量%硝酸溶液81.9kgを
40分間で添加し、更に濃度0.57モル/リットル の硝酸第二鉄溶
液21.9リットルを10分間で添加し、添加後更に30分間攪拌し
た後、濾過、洗浄し、固形分濃度30.5重量%の鉄含有結
晶性アルミノシリケートスラリー(以下「Fe-SHY」とい
う。)を得た。
【0022】(3) TPR測定 上記で得られたFe-SHYを100mg 石英ガラス管に充填し、
乾燥空気流通下で650Kで 2時間焼成した。室温まで冷却
した後、水素−アルゴン混合ガス気流中で数時間保持し
た。その後、10℃/分の昇温速度で 1300Kまで昇温し、
この間の水素の物質収支を測定した。なお、水素の量は
熱伝導度検出器(TCD )にて求めた。得られた〔Fe〕de
p 及び高温側還元ピークの温度を第1表に示す。
乾燥空気流通下で650Kで 2時間焼成した。室温まで冷却
した後、水素−アルゴン混合ガス気流中で数時間保持し
た。その後、10℃/分の昇温速度で 1300Kまで昇温し、
この間の水素の物質収支を測定した。なお、水素の量は
熱伝導度検出器(TCD )にて求めた。得られた〔Fe〕de
p 及び高温側還元ピークの温度を第1表に示す。
【0023】(4)格子定数〔UD〕の測定 上記で得られたFe-SHYとシリコン内部標準粉末をよく混
合、粉砕しX線粉末回折用サンプルホルダーに充填し
た。これをCu管球,印加電圧40KV,印加電流40mVにてス
テップスキャンで測定し、得られたピーク角度よりFe-S
HYの格子定数〔UD〕を算出した。結果を第1表に示す。
合、粉砕しX線粉末回折用サンプルホルダーに充填し
た。これをCu管球,印加電圧40KV,印加電流40mVにてス
テップスキャンで測定し、得られたピーク角度よりFe-S
HYの格子定数〔UD〕を算出した。結果を第1表に示す。
【0024】
【表1】
【0025】(5)触媒の調製 (5−1)1230g の鉄含有結晶性アルミノシリケートス
ラリー(30.5重量%濃度)と5625g のアルミナスラリー
A(20重量%濃度)をニーダーに加え、加熱、攪拌しな
がら押し出し成形可能な濃度に濃縮した後、1/16インチ
サイズの三葉型ペレット状に押し出し成形した。次い
で、110 ℃で16時間乾燥した後、550 ℃で3 時間焼成
し、鉄含有結晶性アルミノシリケート/アルミナ(固形
分換算重量比)で25/75の実施例1の担体1を得た。同
様にして、鉄含有結晶性アルミノシリケート/アルミナ
(固形分換算重量比)が、それぞれ30/70 (担体2),
35/65 (担体3),50/50 (担体4),65/35 (担体
5)となるように、担体を得た。
ラリー(30.5重量%濃度)と5625g のアルミナスラリー
A(20重量%濃度)をニーダーに加え、加熱、攪拌しな
がら押し出し成形可能な濃度に濃縮した後、1/16インチ
サイズの三葉型ペレット状に押し出し成形した。次い
で、110 ℃で16時間乾燥した後、550 ℃で3 時間焼成
し、鉄含有結晶性アルミノシリケート/アルミナ(固形
分換算重量比)で25/75の実施例1の担体1を得た。同
様にして、鉄含有結晶性アルミノシリケート/アルミナ
(固形分換算重量比)が、それぞれ30/70 (担体2),
35/65 (担体3),50/50 (担体4),65/35 (担体
5)となるように、担体を得た。
【0026】次いで、三酸化モリブデンと炭酸ニッケル
を純水に懸濁したものを90℃に加熱し、次いでリンゴ酸
を加え溶解させた。この溶解液を担体1〜5にそれぞれ
触媒全体に対してMoO3として15.0重量%,NiO として4.
25重量%になるように含浸し、次いで乾燥、焼成し、触
媒1〜5を得た。その触媒の表面積、細孔容積、平均細
孔直径を測定し、その結果を第2表に示す。
を純水に懸濁したものを90℃に加熱し、次いでリンゴ酸
を加え溶解させた。この溶解液を担体1〜5にそれぞれ
触媒全体に対してMoO3として15.0重量%,NiO として4.
25重量%になるように含浸し、次いで乾燥、焼成し、触
媒1〜5を得た。その触媒の表面積、細孔容積、平均細
孔直径を測定し、その結果を第2表に示す。
【0027】
【表2】
【0028】(5−2)アルミナスラリーBと鉄含有結
晶性アルミノシリケートスラリー(30.5重量%濃度)を
固形分換算で重量比が90/10 となるようにニーダー中で
混合・濃縮し、可塑性のある捏和物とした。この捏和物
を押し出し成形器で1/16インチサイズの円柱型ペレット
状に成形し、次いで、110 ℃で16時間乾燥した後、乾燥
気流中で550 ℃で3 時間焼成し、担体6を得た。次に、
焼成条件を水蒸気存在雰囲気下650 ℃3 時間焼成した以
外は担体6と同様な方法で担体7を得た。
晶性アルミノシリケートスラリー(30.5重量%濃度)を
固形分換算で重量比が90/10 となるようにニーダー中で
混合・濃縮し、可塑性のある捏和物とした。この捏和物
を押し出し成形器で1/16インチサイズの円柱型ペレット
状に成形し、次いで、110 ℃で16時間乾燥した後、乾燥
気流中で550 ℃で3 時間焼成し、担体6を得た。次に、
焼成条件を水蒸気存在雰囲気下650 ℃3 時間焼成した以
外は担体6と同様な方法で担体7を得た。
【0029】アルミナスラリーBと鉄含有結晶性アルミ
ノシリケートスラリーを固形分換算で重量比が75/25 と
なるように混合した以外は、担体7と同様な方法で担体
8を得た。また、アルミナスラリーBと鉄含有結晶性ア
ルミノシリケートスラリーを固形分換算で重量比が35/6
5 となるように混合した以外は、担体6と同様な方法で
担体9を得た。なお、焼成条件を水蒸気存在下650 ℃で
3 時間とした担体7と8の格子定数はそれぞれ24.32 と
24.33 Åであり、鉄含有結晶性アルミノシリケートと同
じであった。
ノシリケートスラリーを固形分換算で重量比が75/25 と
なるように混合した以外は、担体7と同様な方法で担体
8を得た。また、アルミナスラリーBと鉄含有結晶性ア
ルミノシリケートスラリーを固形分換算で重量比が35/6
5 となるように混合した以外は、担体6と同様な方法で
担体9を得た。なお、焼成条件を水蒸気存在下650 ℃で
3 時間とした担体7と8の格子定数はそれぞれ24.32 と
24.33 Åであり、鉄含有結晶性アルミノシリケートと同
じであった。
【0030】次いで、三酸化モリブデンと炭酸ニッケル
を純水に懸濁したものを90℃に加熱し、次いでリンゴ酸
を加え溶解させた。この溶解液を担体6〜9にそれぞれ
触媒全体に対してMoO3として15.0重量%,NiO として4.
25重量%になるように含浸し、次いで乾燥、焼成し、触
媒6〜9を得た。その触媒の表面積、細孔容積、平均細
孔直径を測定し、その結果を第3表に示す。
を純水に懸濁したものを90℃に加熱し、次いでリンゴ酸
を加え溶解させた。この溶解液を担体6〜9にそれぞれ
触媒全体に対してMoO3として15.0重量%,NiO として4.
25重量%になるように含浸し、次いで乾燥、焼成し、触
媒6〜9を得た。その触媒の表面積、細孔容積、平均細
孔直径を測定し、その結果を第3表に示す。
【0031】
【表3】
【0032】(6)水素化処理I(実施例1〜4、比較
例1) 固定床反応器に市販の水素化触媒「HT−D7」(触媒
化成工業株式会社製)50ccと上記(5-1) で得られた触媒
ペレット50ccを高圧固定床反応器に充填し硫化した後、
反応温度 380℃,液空間速度(LHSV)0.5h-1,水素
分圧80kg/cm2,水素/油比700nm3/キロリットル の条件で第4
表に示す重質軽油を通油して水素化処理を行った。 370
+ ℃留分分解率,中間留分(160 〜370 ℃留分)得率及
び中間留分選択性の 400時間目における成績を第5表に
示す。
例1) 固定床反応器に市販の水素化触媒「HT−D7」(触媒
化成工業株式会社製)50ccと上記(5-1) で得られた触媒
ペレット50ccを高圧固定床反応器に充填し硫化した後、
反応温度 380℃,液空間速度(LHSV)0.5h-1,水素
分圧80kg/cm2,水素/油比700nm3/キロリットル の条件で第4
表に示す重質軽油を通油して水素化処理を行った。 370
+ ℃留分分解率,中間留分(160 〜370 ℃留分)得率及
び中間留分選択性の 400時間目における成績を第5表に
示す。
【0033】
【表4】
【0034】
【表5】
【0035】〔ここで、370+ ℃留分とは370℃以
上の留分をいい、370- ℃留分とは370℃未満の留
分をいう。〕 (7)水素化処理II(実施例5〜8、比較例2) 固定床反応器に市販の水素化触媒「HT−D7」(触媒
化成工業株式会社製)50ccと上記(5-1) で得られた触媒
ペレット50ccを高圧固定床反応器に充填し硫化した後、
370+ ℃留分分解率が70重量%になるように条件を、反
応温度360 〜400 ℃,液空間速度(LHSV)0.5 〜1.
0h-1,水素分圧50〜110 kg/cm2,水素/油比700nm3/キロリ
ットル に設定して第4表に示す重質軽油を通油して水素化
処理を行った。中間留分(160 〜370 ℃留分)得率、中
間留分選択性の 400時間目における成績を第6表に示
す。
上の留分をいい、370- ℃留分とは370℃未満の留
分をいう。〕 (7)水素化処理II(実施例5〜8、比較例2) 固定床反応器に市販の水素化触媒「HT−D7」(触媒
化成工業株式会社製)50ccと上記(5-1) で得られた触媒
ペレット50ccを高圧固定床反応器に充填し硫化した後、
370+ ℃留分分解率が70重量%になるように条件を、反
応温度360 〜400 ℃,液空間速度(LHSV)0.5 〜1.
0h-1,水素分圧50〜110 kg/cm2,水素/油比700nm3/キロリ
ットル に設定して第4表に示す重質軽油を通油して水素化
処理を行った。中間留分(160 〜370 ℃留分)得率、中
間留分選択性の 400時間目における成績を第6表に示
す。
【0036】
【表6】
【0037】(8)水素化処理III (実施例9〜11、
比較例3) 固定床反応器に市販の水素化触媒「HT−D7」(触媒
化成工業株式会社製)50ccと上記(5-2) で得られた触媒
ペレット50ccを高圧固定床反応器に充填し硫化した後、
反応温度 385℃,液空間速度(LHSV)1.0h-1,水素
分圧110 kg/cm2,水素/油比1000nm3/キロリットルの条件で第
7表に示す重質軽油を通油して水素化処理を行った。 3
60+ ℃留分分解率,中間留分(135 〜360 ℃留分)得率
及び中間留分選択性の 400時間目における成績を第8表
に示す。
比較例3) 固定床反応器に市販の水素化触媒「HT−D7」(触媒
化成工業株式会社製)50ccと上記(5-2) で得られた触媒
ペレット50ccを高圧固定床反応器に充填し硫化した後、
反応温度 385℃,液空間速度(LHSV)1.0h-1,水素
分圧110 kg/cm2,水素/油比1000nm3/キロリットルの条件で第
7表に示す重質軽油を通油して水素化処理を行った。 3
60+ ℃留分分解率,中間留分(135 〜360 ℃留分)得率
及び中間留分選択性の 400時間目における成績を第8表
に示す。
【0038】
【表7】
【0039】
【表8】
【0040】〔ここで、360+ ℃留分とは360℃以
上の留分をいい、360- ℃留分とは360℃未満の留
分をいう。〕 (9)水素化処理IV(実施例12〜14、比較例4) 固定床反応器に市販の水素化触媒「HT−D7」(触媒
化成工業株式会社製)50ccと上記(5-2) で得られた触媒
ペレット50ccを高圧固定床反応器に充填し硫化した後、
360+ ℃留分分解率が70重量%になるように条件を、反
応温度360 〜400 ℃,液空間速度(LHSV)1.0h-1,
水素分圧110 kg/cm2,水素/油比1000nm 3/キロリットルに設定
して第7表に示す重質軽油を通油して水素化処理を行っ
た。中間留分(135 〜360 ℃留分)得率、中間留分選択
性の 400時間目における成績を第9表に示す。
上の留分をいい、360- ℃留分とは360℃未満の留
分をいう。〕 (9)水素化処理IV(実施例12〜14、比較例4) 固定床反応器に市販の水素化触媒「HT−D7」(触媒
化成工業株式会社製)50ccと上記(5-2) で得られた触媒
ペレット50ccを高圧固定床反応器に充填し硫化した後、
360+ ℃留分分解率が70重量%になるように条件を、反
応温度360 〜400 ℃,液空間速度(LHSV)1.0h-1,
水素分圧110 kg/cm2,水素/油比1000nm 3/キロリットルに設定
して第7表に示す重質軽油を通油して水素化処理を行っ
た。中間留分(135 〜360 ℃留分)得率、中間留分選択
性の 400時間目における成績を第9表に示す。
【0041】
【表9】
【0042】
【発明の効果】本発明の方法によれば、重質軽油,減圧
軽油,分解軽油及び溶剤脱瀝油から選ばれる炭化水素油
を原料とし、中間留分の選択性を維持しつつ、分解活性
を上げることができ、石油精製の分野で有効な利用が期
待される。
軽油,分解軽油及び溶剤脱瀝油から選ばれる炭化水素油
を原料とし、中間留分の選択性を維持しつつ、分解活性
を上げることができ、石油精製の分野で有効な利用が期
待される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07B 61/00 300 C07B 61/00 300
Claims (2)
- 【請求項1】 重質軽油、減圧軽油、分解軽油及び溶剤
脱瀝油から選ばれる炭化水素油を、水素の存在下、下記
(A)〜(C)の性質を有する鉄含有結晶性アルミノシ
リケート 5〜60重量%と無機酸化物95〜40重量%とから
なる担体に、周期律第 6族に属する金属及び第 8〜10族
に属する金属を担持してなる触媒と接触させることを特
徴とする炭化水素油の水素化処理方法。 (A)酸化物の形態で表した主な組成が、一般式 aFe2O3・Al2O3 ・bSiO2 ・nH2O 〔式中、nは 0〜30の実数を示し、またa及びbは次の
関係を満たす実数である。15<b<100, 0.005<a/b
<0.15〕で表される。 (B)昇温プログラム還元により計算される不活性鉄化
合物含有率〔Fe〕dep が35%以下である。 (C)少なくとも一つの高温部還元ピーク温度Thが式 700℃≦Th≦(−300 ×UD+8320)℃ 〔式中、UDは鉄含有結晶性アルミノシリケートの格子定
数Åを示す。〕の範囲である。 - 【請求項2】 担体が、鉄含有結晶性アルミノシリケ−
ト 5〜40重量%と無機酸化物95〜60重量%とからなるも
のである請求項1記載の炭化水素油の水素化処理方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9032076A JPH09296185A (ja) | 1996-03-06 | 1997-02-17 | 炭化水素油の水素化処理方法 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4885596 | 1996-03-06 | ||
JP8-48855 | 1996-03-06 | ||
JP9032076A JPH09296185A (ja) | 1996-03-06 | 1997-02-17 | 炭化水素油の水素化処理方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09296185A true JPH09296185A (ja) | 1997-11-18 |
Family
ID=26370588
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP9032076A Pending JPH09296185A (ja) | 1996-03-06 | 1997-02-17 | 炭化水素油の水素化処理方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH09296185A (ja) |
-
1997
- 1997-02-17 JP JP9032076A patent/JPH09296185A/ja active Pending
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5547923B2 (ja) | 重質油水素化分解触媒及びそれを用いた重質油の水素化処理方法 | |
US20110086755A1 (en) | Hydrocracking catalyst for heavy oil | |
US6500330B2 (en) | Hydrocracking process with catalyst comprising a zeolite Y not globally dealuminized, an element of group VB, and a promoter element of boron, phosphorus and silicon | |
JPH0555189B2 (ja) | ||
KR20070084402A (ko) | 철 함유 결정성 알루미노실리케이트 및 상기알루미노실리케이트를 포함하는 수소화 분해 촉매 및 상기촉매를 이용하는 수소화 분해법 | |
KR950000881B1 (ko) | 신규 철함유 규산 알루미늄 | |
KR19990072702A (ko) | Nu-88제올라이트와vb족원소를포함하는촉매및그촉매를탄화수소함유석유공급원료의수소첨가전환반응에사용하는방법 | |
US5207893A (en) | Hydrocracking process employing a novel iron-containing aluminosilicate | |
EP0109064A2 (en) | Hydrocarbon conversion catalysts | |
JP2000086233A (ja) | 鉄含有結晶性アルミノシリケート | |
JP5220456B2 (ja) | 常圧蒸留残渣油の分解方法 | |
JP3342504B2 (ja) | 改良された金属担持結晶質アルミノシリケートの製造方法及びそれを用いた炭化水素類の改質方法 | |
JPH09296185A (ja) | 炭化水素油の水素化処理方法 | |
US20020011429A1 (en) | Iron-containing crystalline aluminosilicate | |
JPS5820232A (ja) | 水素化分解用触媒組成物 | |
JP4477266B2 (ja) | 水素化処理触媒 | |
CN111672534A (zh) | 加氢裂化催化剂及其制备方法与应用 | |
JPS5933020B2 (ja) | 触媒組成物 | |
US6716337B2 (en) | Catalyst carrier with high diesel selectivity | |
US3769235A (en) | Hydrocracking catalyst comprising a group viii component and an amorphous aluminosilicate component | |
JPH0112540B2 (ja) | ||
JP4624610B2 (ja) | 水素化処理触媒の製造方法 | |
CN111097505B (zh) | 含Beta分子筛的加氢裂化催化剂及其制备方法和应用 | |
JP2920238B2 (ja) | 炭化水素油の水素化分解用触媒 | |
JP3093136B2 (ja) | 炭化水素油の脱硫方法 |