以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明に係る携帯端末として適用可能な携帯電話機1の外観の構成を表している。なお、図1(A)は、携帯電話機1を約180度に見開いたときの正面から見た外観の構成を表しており、図1(B)は、携帯電話機1を見開いたときの側面から見た外観の構成を表している。
図1(A)および(B)に示されるように、携帯電話機1は、中央のヒンジ部11を境に第1の筐体12と第2の筐体13とがヒンジ結合されており、ヒンジ部11を介して矢印X方向に折り畳み可能に形成される。携帯電話機1の内部の所定の位置には、送受信用のアンテナ(後述する図3のアンテナ31)が設けられており、内蔵されたアンテナを介して基地局(図示せず)との間で電波を送受信する。
第1の筐体12には、その表面に「0」乃至「9」の数字キー、発呼キー、リダイヤルキー、終話・電源キー、クリアキー、および電子メールキーなどの操作キー14が設けられており、操作キー14を用いて各種指示を入力することができる。
第1の筐体12には、操作キー14として上部に十字キーと確定キーが設けられており、ユーザが十字キーを上下左右方向に操作することにより当てられたカーソルを上下左右方向に移動させることができる。具体的には、第2の筐体13に設けられたメインディスプレイ17に表示されている電話帳リストや電子メールのスクロール動作、簡易ホームページのページ捲り動作および画像の送り動作などの種々の動作を実行する。
また、確定キーを押下することにより、種々の機能を確定することができる。例えば第1の筐体12は、ユーザによる十字キーの操作に応じてメインディスプレイ17に表示された電話帳リストの複数の電話番号の中から所望の電話番号が選択され、確定キーが第1の筐体12の内部方向に押圧されると、選択された電話番号を確定して電話番号に対して発呼処理を行う。
さらに、第1の筐体12には、十字キーと確定キーの左隣に電子メールキーが設けられており、電子メールキーが第1の筐体12の内部方向に押圧されると、メールの送受信機能を呼び出すことができる。十字キーと確定キーの右隣には、ブラウザキーが設けられており、ブラウザキーが第1の筐体12の内部方向に押圧されると、Webページのデータを閲覧することが可能となる。
また、第1の筐体12には、操作キー14の下部にマイクロフォン15が設けられており、マイクロフォン15によって通話時のユーザの音声を集音する。また、第1の筐体12には、携帯電話機1の操作を行うサイドキー16が設けられている。
なお、第1の筐体12は、背面側に図示しないバッテリパックが挿着されており、終話・電源キーがオン状態になると、バッテリパックから各回路部に対して電力が供給されて動作可能な状態に起動する。
一方、第2の筐体13には、その正面にメインディスプレイ17が設けられており、電波の受信状態、電池残量、電話帳として登録されている相手先名や電話番号及び送信履歴等の他、電子メールの内容、簡易ホームページ、CCD(Charge Coupled Device)カメラ(後述する図2のCCDカメラ20)で撮像した画像、外部のコンテンツサーバ(図示せず)より受信したコンテンツ、メモリカード(後述する図3のメモリカード46)に記憶されているコンテンツを表示することができる。また、メインディスプレイ17の上部の所定の位置にはレシーバ(受話器)が設けられており、これにより、ユーザは音声通話することが可能である。なお、携帯電話機1の所定の位置には、レシーバ18以外の音声出力部としてのスピーカ(図示せず)も設けられている。
また、第1の筐体12と第2の筐体13の内部の所定の位置には、携帯電話機1の状態を検知するための磁気センサ19a、19b、19c、および19dが設けられる。
図2は、本発明に係る携帯端末として適用可能な携帯電話機1の他の外観の構成を表している。図2の携帯電話機1の状態は、図1の携帯電話機1の状態から矢印X方向に回動させた状態である。なお、図2(A)は、携帯電話機1を閉じたときの正面から見た外観の構成を表しており、図2(B)は、携帯電話機1を閉じたときの側面から見た外観の構成を表している。
第2の筐体13の上部には、CCDカメラ20が設けられており、これにより、所望の撮影対象を撮像することができる。CCDカメラ20の下部には、サブディスプレイ21が設けられており、現在のアンテナの感度のレベルを示すアンテナピクト、携帯電話機1の現在の電池残量を示す電池ピクト、現在の時刻などが表示される。
図3は、本発明に係る携帯端末に適用可能な携帯電話機1の内部の構成を表している。図示せぬ基地局から送信されてきた無線信号は、アンテナ31で受信された後、アンテナ共用器(DUP)32を介して受信回路(RX)33に入力される。受信回路33は、受信された無線信号を周波数シンセサイザ(SYN)34から出力された局部発振信号とミキシングして中間周波数信号に周波数変換(ダウンコンバート)する。そして、受信回路33は、このダウンコンバートされた中間周波数信号を直交復調して受信ベースバンド信号を出力する。なお、周波数シンセサイザ34から発生される局部発振信号の周波数は、制御部41から出力される制御信号SYCによって指示される。
受信回路33からの受信ベースバンド信号は、CDMA信号処理部36に入力される。CDMA信号処理部36は、図示せぬRAKE受信機を備える。このRAKE受信機では、受信ベースバンド信号に含まれる複数のパスがそれぞれの拡散符号(すなわち、拡散された受信信号の拡散符号と同一の拡散符号)で逆拡散処理される。そして、この逆拡散処理された各パスの信号は、位相が調停された後、コヒーレントRake合成される。Rake合成後のデータ系列は、デインタリーブおよびチャネル復号(誤り訂正復号)が行われた後、2値のデータ判定が行われる。これにより、所定の伝送フォーマットの受信パケットデータが得られる。この受信パケットデータは、圧縮伸張処理部37に入力される。
圧縮伸張処理部37は、DSP(Digital Signal Processor)などにより構成され、CDMA信号処理部36から出力された受信パケットデータを図示せぬ多重分離部によりメディアごとに分離し、分離されたメディアごとのに対してそれぞれ復号処理を行う。例えば通話モードにおいては、受信パケットデータに含まれる通話音声などに対応するオーディオデータをスピーチコーデックにより復号する。また、例えばテレビ電話モードなどのように、受信パケットデータに動画像データが含まれていれば、この動画像データをビデオコーデックにより復号する。さらに、受信パケットデータがダウンロードコンテンツであれば、このダウンロードコンテンツを伸張した後、伸張されたダウンロードコンテンツを制御部41に出力する。
復号処理により得られたディジタルオーディオ信号はPCMコーデック38に供給される。PCMコーデック38は、圧縮伸張処理部37から出力されたディジタルオーディオ信号をPCM復号し、PCM復号後のアナログオーディオデータ信号を受話増幅器39に出力する。このアナログオーディオ信号は、受話増幅器39にて増幅された後、レシーバ18により出力される。
圧縮伸張処理部37によりビデオコーデックにて復号されたディジタル動画像信号は、制御部41に入力される。制御部41は、圧縮伸張処理部37から出力されたディジタル動画像信号に基づく動画像を、図示せぬビデオRAM(例えばVRAMなど)を介してメインディスプレイ17に表示させる。なお、制御部41は、受信された動画像データだけでなく、CCDカメラ20により撮像された動画像データに関しても、図示せぬビデオRAMを介してメインディスプレイ17に表示させることも可能である。
また、圧縮伸張処理部37は、受信パケットデータが電子メールである場合、この電子メールを制御部41に供給する。制御部41は、圧縮伸張処理部37から供給された電子メールを記憶部42に記憶させる。そして、制御部41は、ユーザによる入力部としての操作キー14の操作に応じて、記憶部42に記憶されているこの電子メールを読み出し、読み出された電子メールをメインディスプレイ17に表示させる。
一方、通話モードにおいて、マイクロフォン15に入力された話者(ユーザ)の音声信号(アナログオーディオ信号)は、送話増幅器40により適正レベルまで増幅された後、PCMコーデック38によりPCM符号化される。このPCM符号化後のディジタルオーディオ信号は、圧縮伸張処理部37に入力される。また、CCDカメラ20から出力される動画像信号は、制御部41によりディジタル化されて圧縮伸張処理部37に入力される。さらに、制御部41にて作成されたテキストデータである電子メールも、圧縮伸張処理部37に入力される。
圧縮伸張処理部37は、PCMコーデック38から出力されたディジタルオーディオ信号を所定の送信データレートに応じたフォーマットで圧縮符号化する。これにより、オーディオデータが生成される。また、圧縮伸張処理部37は、制御部41から出力されたディジタル動画像信号を圧縮符号化して動画像データを生成する。そして、圧縮伸張処理部37は、これらのオーディオデータや動画像データを図示せぬ多重分離部で所定の伝送フォーマットに従って多重化した後にパケット化し、パケット化後の送信パケットデータをCDMA信号処理部36に出力する。なお、圧縮伸張処理部37は、制御部41から電子メールが出力された場合にも、この電子メールを送信パケットデータに多重化する。
CDMA信号処理部36は、圧縮伸張処理部37から出力された送信パケットデータに対し、送信チャネルに割り当てられた拡散符号を用いてスペクトラム拡散処理を施し、スペクトラム拡散処理後の出力信号を送信回路(TX)35に出力する。送信回路35は、スペクトラム拡散処理後の信号をQPSK(Quadrature Phase Shift Keying)方式などのディジタル変調方式を使用して変調する。送信回路35は、ディジタル変調後の送信信号を、周波数シンセサイザ34から発生される局部発振信号と合成して無線信号に周波数変換(アップコンバート)する。そして、送信回路35は、制御部41により指示される送信電力レベルとなるように、このアップコンバートにより生成された無線信号を高周波増幅する。この高周波増幅された無線信号は、アンテナ共用器32を介してアンテナ31に供給され、このアンテナ31から図示せぬ基地局に向けて送信される。
また、携帯電話機1は、外部メモリインタフェース45を備えている。この外部メモリインタフェース45は、メモリカード46を着脱することが可能なスロットを備えている。メモリカード46は、NAND型フラッシュメモリカードやNOR型フラッシュメモリカードなどに代表されるフラッシュメモリカードの一種であり、10ピン端子を介して画像や音声、音楽等の各種データの書き込み及び読み出しが可能となっている。さらに、携帯電話機1には、現在の時刻を測定する時計回路(タイマ)47が設けられている。
制御部41は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、およびRAM(Random Access Memory)などからなり、CPUは、ROMに記憶されているプログラムまたは記憶部42からRAMにロードされた、オペレーティングシステム(OS)を含む各種のアプリケーションプログラムに従って各種の処理を実行するとともに、種々の制御信号を生成し、各部に供給することにより携帯電話機1を統括的に制御する。RAMは、CPUが各種の処理を実行する上において必要なデータなどを適宜記憶する。
記憶部42は、例えば、電気的に書換えや消去が可能な不揮発性メモリであるフラッシュメモリ素子やHDD(Hard Disc Drive)などからなり、制御部41のCPUにより実行される種々のアプリケーションプログラムや種々のデータ群を格納している。
電源回路44は、バッテリ43の出力を基に所定の動作電源電圧Vccを生成して各回路部に供給する。また、地上波ディジタルワンセグ受信部48は、図示せぬ放送局からの地上波ディジタルワンセグ放送波や地上波ディジタルラジオ放送波を受信し、受信された地上波ディジタルワンセグ放送波や地上波ディジタルラジオ放送波に基づくTS(Transport Stream)信号を地デジ処理部49に供給する。地デジ処理部49は、地上波ディジタルワンセグ受信部48にて地上波ディジタルワンセグ放送波が受信された場合、地上波ディジタルワンセグ受信部48からの地上波ディジタルワンセグ放送波に基づくTS信号から、音声データと映像データに関するES(Elementary Stream)にそれぞれ分離し、分離された音声データを地デジ処理部49内の音声デコーダ(図示せず)にて所定の復号化方式でデコードするとともに、分離された映像データを地デジ処理部49内の映像デコーダ(図示せず)にて所定の復号化方式でデコードし、デコード後の音声信号と映像信号を制御部41に供給する。
最近では、マルチウィンドウシステムが搭載された携帯電話機1も提案されている。このマルチウィンドウシステムとは、例えばパーソナルコンピュータのウィンドウのように複数のウィンドウ上に表示部品を載せていき、ウィンドウアプリケーションを実装する方法である。携帯電話機1にマルチウィンドウシステムが搭載されると、図4(A)および(B)に示されるように、複数のウィンドウアプリケーションが画面上にて同時に動作し、複数のウィンドウが同時に表示される。
ところが、マルチウィンドウシステムが搭載された携帯電話機1では、各ベンダから提供されるGUIライブラリを用いたウィンドウアプリケーションによる画面表示の場合に、ウィンドウアプリケーションによってはイベントの優先度によっては遅れて表示が更新されることがあるため、オペレーティングシステム(OS)側で複数のウィンドウ描画の同期をとった上で、各ウィンドウの表示を更新する必要がある。
より具体的には、図5に示されるように、携帯電話機1内の全ウィンドウを管理しているオペレーティングシステムのウィンドウマネージャが、ウィンドウアプリケーション(図5の場合、ウィンドウアプリケーション1と2)の優先度に従い、各ウィンドウへの描画更新などのイベントをウィンドウアプリケーションに非同期に通知する。このとき、各ウィンドウアプリケーションがウィンドウマネージャからイベント通知を受けると、通知されたイベントに従い、各ウィンドウに載せられている表示部品に対して表示更新処理を行うが、ウィンドウアプリケーションへのイベントの通知のタイミングは、ウィンドウアプリケーションの優先度によってそれぞれ異なる。これに伴い、ウィンドウに載っている表示部品の表示更新タイミングも異なってしまう。そのため、2つ以上のウィンドウを連動させて表示したい場合に、各ウィンドウ間の描画更新に遅延が生じてしまい、複数のウィンドウを連動させることが困難となってしまう。例えばウィンドウアプリケーション1によりCG動画1のウィンドウの描画が更新された後、CG動画2のウィンドウの描画が連動せず、ウィンドウアプリケーション2によるCG動画2のウィンドウの描画がしばらく実行されないという状況が生じてしまう。
そこで、図6に示されるように、GUIライブラリを用いて予め作成されたウィンドウアプリケーションが、ウィンドウアプリケーションを管理しているオペレーティングシステムのウィンドウマネージャに対して、ウィンドウマネージャが予め用意した周期タイマ設定関数を用いて任意の同期タイミングをGUIライブラリごと設定し、ウィンドウマネージャがその各GUIライブラリ専用のタイマを張って、タイマがアウトする時間ごとに全ウィンドウに対して同期したイベント(GUIライブラリ専用イベント)を通知するようにする。これにより、GUIライブラリエンジン(GUIライブラリを実行するソフトウェア)を使用するための宣言を行った各ウィンドウアプリケーションが、対応しているGUIライブラリ専用イベント通知を受けると、このGUIライブラリ専用イベント通知に従い、GUIライブラリエンジンを利用してGUIライブラリ専用イベントに対応するGUIライブラリを実行し、それぞれのウィンドウに載っている表示部品群(実行されるGUIライブラリに対応する表示部品)の表示更新を同期して行うことができる。例えば図6の場合、GUIライブラリを利用したウィンドウの表示部品1と2の描画が同期して更新される。従って、マルチウィンドウシステムにおいて、ウィンドウアプリケーションの優先度に影響されることなく、複数のウィンドウの表示を同期させて更新することが可能となる。なお、図6の場合、図7に示される表示部品群1と2に示されるように、ウィンドウシステム上で動作することを前提に作成された様々なソフトウェア表示部品(例えば文字列出力、テキスト入力部、画像、スクロールバー、チェックボックス、ラジオボタンなど)の集まりである表示部品群が予め用意されており、これらの表示部品群を用いて各ウィンドウアプリケーション(ウィンドウ対応アプリケーション)が予め作成されている。以下、この方法を用いた図3の携帯電話機1における表示更新処理について説明する。
図8のフローチャートを参照して、図3の携帯電話機1の制御部41のCPUにおける表示更新処理について説明する。この表示更新処理は、ユーザにより操作キー14が操作されることにより、GUIライブラリを用いて予め作成されたウィンドウアプリケーション(例えばEメールの送受信を行うウィンドウアプリケーションであるメーラや、編集を行うアプリケーションであるエディタなど)の起動の指示が受け付けられ、いずれかのウィンドウアプリケーションが起動されたときに、開始される。なお、図8の表示更新処理の説明においては、必要に応じて図6の本発明に係る表示更新の概念図を用いて説明する。
ステップS1において、制御部41のCPUは、ユーザにより操作キー14が操作されることにより、GUIライブラリを用いて予め作成されたいずれかのウィンドウアプリケーション(例えばEメールの送受信を行うウィンドウアプリケーションであるメーラや、編集を行うアプリケーションであるエディタなど)を起動する。
ステップS2において、制御部41のCPUは、ユーザの操作により起動された、GUIライブラリを用いて予め作成されたウィンドウアプリケーションを実行する前提として、ウィンドウアプリケーションを実行してインスタンスを作成し、GUIライブラリを実行するGUIライブラリエンジン(GUIライブラリを実行するソフトウェア)を使用するための宣言を行う。これにより、GUIライブラリエンジンを使用する環境(メモリ領域などを含めた環境)が確保され、ウィンドウに載せられる表示部品群の表示更新(描画更新)処理において、GUIライブラリエンジンを利用して表示部品群の表示更新を行うことができる。なお、一般的に、GUIライブラリエンジンにより実行される各GUIライブラリは、ウィンドウに載せられる表示部品ごとに1対1の関係となっており、異なるウィンドウアプリケーションにより表示が更新されるウィンドウに載せられる表示部品であっても、同一の表示部品であれば、その表示部品に対応するGUIライブラリは同一のGUIライブラリとなる。
ステップS3において、制御部41のCPUは、ユーザの操作により起動されたウィンドウアプリケーションを実行し、ウィンドウアプリケーションの実行の際のウィンドウの表示更新にてGUIライブラリエンジンによって使用される各GUIライブラリごとに、オペレーティングシステムのウィンドウマネージャに対して周期タイマ設定関数コールを行い、ウィンドウマネージャが予め用意した周期タイマ設定関数を用いて任意の同期タイミングでGUIライブラリごとにタイマ設定する。図6の場合、GUIライブラリエンジンを利用しているウィンドウアプリケーション1が、GUIライブラリを用いた表示部品群1に対応するGUIライブラリに関して、任意の同期タイミングをウィンドウマネージャにタイマ設定する。なお、ウィンドウアプリケーション側からウィンドウマネージャに対して周期タイマ設定関数コールを行う際、GUIライブラリエンジンを利用しているウィンドウアプリケーションであることを示すパラメータや、ウィンドウマネージャに対して任意の同期タイミングでタイマ設定されるGUIライブラリを示すパラメータなどが、ウィンドウマネージャに対して転送される。
制御部41のCPUは、ウィンドウマネージャを実行し、ウィンドウアプリケーションによって設定されたGUIライブラリごとの任意の周期タイミングのタイマを、制御部41のRAM上に格納する。
そして、その後、ユーザにより操作キー14がさらに操作されることにより、GUIライブラリを用いて予め作成された他のウィンドウアプリケーション(例えばEメールの送受信を行うウィンドウアプリケーションであるメーラや、編集を行うアプリケーションであるエディタなど)の起動の指示が受け付けられ、すでに起動されているウィンドウアプリケーションが起動されてから所定の時間経過後に他のウィンドウアプリケーションが起動され、ステップS1乃至S3の処理が他のウィンドウアプリケーションによって実行されるとともに、GUIライブラリエンジンを使用するための宣言を行った複数のウィンドウアプリケーションが多重して起動されることになる。
ステップS4において、制御部41のCPUは、オペレーティングシステムのウィンドウマネージャを実行し、制御部41のRAM上に格納されたGUIライブラリごとの任意の周期タイミングのタイマを用いて、GUIライブラリごとに周期タイマがタイムアウトしたか否かを判定し、GUIライブラリごとに周期タイマがタイムアウトするまで待機する。なお、これらのタイマは、ハードウェア上のタイマ(時計回路47)を用いてもよいし、ソフトウェア上のタイマを用いるようにしてもよい。
ステップS4において制御部41のCPUがいずれかのGUIライブラリに対して設定された周期タイマがタイムアウトしたと判定した場合、制御部41のCPUはステップS5で、オペレーティングシステムのウィンドウマネージャを実行し、タイムアウトした周期タイマが設定されているいずれかのGUIライブラリを用いた表示部品群の表示更新を同期させるために、図6に示されるように、そのGUIライブラリ専用のイベントであるGUIライブラリ専用イベントをすべてのウィンドウアプリケーションに通知する。換言すれば、制御部41のCPUは、オペレーティングシステムのウィンドウマネージャを実行し、そのGUIライブラリ専用の同期信号を生成し、生成された同期信号をすべてのウィンドウアプリケーションに通知する。なお、このGUIライブラリ専用イベント通知には、GUIライブラリエンジンを利用しているウィンドウアプリケーションであることを示すパラメータや、ウィンドウマネージャに対して任意の同期タイミングでタイマ設定されるGUIライブラリを示すパラメータなどが含まれている。勿論、すべてのウィンドウアプリケーションにGUIライブラリ専用イベントを通知するのではなく、そのうちいくつかのウィンドウアプリケーションに通知するようにしてもよい。
ステップS6において、制御部41のCPUは、GUIライブラリエンジンを使用する宣言を行っているウィンドウアプリケーションを実行し、ウィンドウマネージャからのGUIライブラリ専用イベントに従い、GUIライブラリを用いた表示部品の表示更新を行う。すなわち、GUIライブラリ専用イベントに対応している各ウィンドウアプリケーションは、ウィンドウマネージャからのGUIライブラリ専用イベントに含まれるパラメータに基づいて同期表示更新のイベントであることを認識することができ、表示部品群の表示を同期して更新するとともに、それ以外の各ウィンドウアプリケーション(GUIライブラリ専用イベントに対応していない各ウィンドウアプリケーション)は、ウィンドウマネージャからのGUIライブラリ専用イベントに含まれるパラメータに基づいて同期表示更新のイベントであることを認識することができず、GUIライブラリ専用イベントを破棄する。メインディスプレイ17は、制御部41の制御に従い、メインディスプレイ17上に表示されているウィンドウの表示を更新する。なお、ステップS4乃至S6の処理は設定された任意の周期タイマがタイムアウトする度に繰り返して実行される。
図6の場合、GUIライブラリエンジンを利用しているウィンドウアプリケーション1と2にGUIライブラリイベント通知がなされ、GUIライブラリを用いたそれぞれの表示部品(ウィンドウアプリケーション1の場合、表示部品群1であり、ウィンドウアプリケーション2の場合、表示部品群2)が同期して表示更新される。
より具体的には、例えば図9に示されるように、GUIライブラリエンジンを使用するための宣言を行った複数のウィンドウアプリケーション(ウィンドウアプリケーション1(Eメールの送受信を行うウィンドウアプリケーションであるメーラ)とウィンドウアプリケーション2(編集を行うアプリケーションであるエディタ))が多重して起動された場合に、それぞれのタイトル部分の表示領域(メーラの場合、表示領域Aであり、エディタの場合、表示領域B)に、図10に示されるようなアニメーション(動画像)1乃至3が規則的に表示される状況を想定する。なお、図10に示されるようなアニメーション1乃至3においては、アニメーション1から3へ移行するにつれて表示が明るくなる。
もし同期させて表示更新処理を行わないと、2つのウィンドウアプリケーションがどのくらいの時間のズレで起動されたかを正確に知ることが困難であるため、表示領域AとBとに表示されるアニメーションの描画速度や明暗のタイミングがばらばらとなってしまい、表示画面を見た印象が悪くなるだけでなく、利用するユーザにとって画面が見難くなってしまう。しかし、図8のフローチャートを用いて説明した表示更新処理を実行することで、表示領域AとBに表示される表示部品の表示更新を同期して行うことができる。
また、携帯端末2にマルチウィンドウシステムが搭載されると、複数のウィンドウアプリケーションにより表示更新されるウィンドウ間で跨ったアニメーションを実行することが可能となる。例えば複数のウィンドウの壁紙として透明度をもたせて(透けさせて)星の移動をアニメーションする場合に、ウィンドウマネージャから通知されるGUIライブラリ専用イベントに従い、同期して各ウィンドウで星の画像の表示を更新することで、図11(A)乃至(D)に示されるように星の移動に遅延が生じることなく表示を更新することができる。
本発明の実施形態においては、少なくとも1つ以上の表示部品が載せられたウィンドウを表示し、複数のウィンドウが同時に表示されるマルチウィンドウシステムにおいて、GUIライブラリを用いて予め作成された複数のウィンドウアプリケーションが多重に起動された場合に、GUIライブラリごとに所定の周期タイミングでタイマを設定し、設定されたGUIライブラリごとの所定の周期タイミングのタイマがタイムアウトしたか否かをそれぞれ判定し、いずれかのGUIライブラリに対して設定された所定の周期タイミングのタイマがタイムアウトしたと判定された場合、タイマがタイムアウトしたと判定されたGUIライブラリに専用のGUIライブラリ専用イベントをすべてのウィンドウアプリケーションに通知し、通知されたGUIライブラリ専用イベントに従い、GUIライブラリを用いたウィンドウに載せられる表示部品の表示をウィンドウ間で同期して更新するように制御することができる。
これにより、GUIライブラリエンジン(GUIライブラリを実行するソフトウェア)を使用するための宣言を行った各ウィンドウアプリケーションが、対応しているGUIライブラリ専用イベント通知を受けると、このGUIライブラリ専用イベント通知に従い、GUIライブラリエンジンを利用してGUIライブラリ専用イベントに対応するGUIライブラリを実行し、それぞれのウィンドウに載っている表示部品群(実行されるGUIライブラリに対応する表示部品)の表示更新を同期して行うことができる。従って、マルチウィンドウシステムにおいて、ウィンドウアプリケーションの優先度に影響されることなく、複数のウィンドウアプリケーションがズレて起動された場合であっても、複数のウィンドウの表示を同期させて更新することが可能となる。その結果、マルチウィンドウシステムを利用するユーザにとって、メインディスプレイ17に表示されるウィンドウを見やすくすることができ、マルチウィンドウシステムの利用性を向上させることができる。
なお、本発明の実施形態においては、2つのウィンドウアプリケーションを多重起動する場合の同期表示更新処理について説明したが、このような場合に限られず、3つ以上のウィンドウアプリケーションを多重起動する場合の同期表示更新処理に本発明を適用するようにしてもよい。
また、地上波ディジタルワンセグ受信部48を用いてメインディスプレイ17にて地上波ディジタルワンセグ放送波を受信しながらマルチウィンドウシステム(例えばテレビとメールなどのマルチの場合など)を利用する場合にも本発明を適用するようにしてもよいし、ゲームなどに関するアプリケーションを利用する場合にも本発明を適用するようにしてもよい。
なお、本発明は、携帯電話機1以外にも、PDA(Personal Digital Assistant)、パーソナルコンピュータ、携帯型ゲーム機、携帯型音楽再生機、携帯型動画再生機、その他の携帯端末にも適用することができる。
また、本発明の実施形態において説明した一連の処理は、ソフトウェアにより実行させることもできるが、ハードウェアにより実行させることもできる。
さらに、本発明の実施形態では、フローチャートのステップは、記載された順序に沿って時系列的に行われる処理の例を示したが、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的あるいは個別実行される処理をも含むものである。
1…携帯電話機、11…ヒンジ部、12…第1の筐体、13…第2の筐体、14…操作キー、15…マイクロフォン、16…サイドキー、17…メインディスプレイ、18…レシーバ、19a乃至19d…磁気センサ、20…CCDカメラ、21…サブディスプレイ、31…アンテナ、32…アンテナ共用器(DUP)、33…受信回路(RX)、34…周波数シンセサイザ(SYN)、35…送信回路(TX)、36…CDMA信号処理部、37…圧縮伸張処理部、38…PCMコーデック、39…受話増幅器、40…送話増幅器、41…制御部、42…記憶部、43…バッテリ、44…電源回路、45…外部メモリインタフェース、46…メモリカード、47…時計回路、48…地上波ディジタルワンセグ受信部、49…地デジ処理部。