JP2009145328A5 - - Google Patents

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水素ガス検知装置および水素ガス検知方法
本発明は、水素ガス検知装置および水素ガス検知方法に関する。
近年、燃料電池や水素エンジンに代表される水素エネルギーシステムにおいては、可燃性ガスである水素ガスを取り扱うシステムの安全性を担保するため、水素ガスの漏出を検出する手段として水素ガス検知装置が重要視されている。水素ガスの検知方式については、これまでに種々の方式が提案されている。
例えば、特許文献1は、センサヘッドに酸化物半導体を採用し、酸化物半導体のインピーダンス特性を測定することにより水素ガスを検知する技術を開示している。これは酸化物半導体の表面に水素ガスが吸着したときに酸化物半導体のインピーダンス特性に変化が生じる現象を利用したものである。
特許文献2は、センサヘッドに固体電解質のジルコニアを採用し、ジルコニアのインピーダンスまたはインピーダンスの位相角を測定することにより分子中に水素原子を含んだ可燃性ガスの濃度を検知する技術を開示している。
特許文献3は、センサヘッドにサーミスタ素子を採用し、サーミスタ素子の抵抗を測定することにより水素ガスを検知する技術を開示している。これは水素ガスと空気とで熱伝導率が異なることから、センサヘッド周囲の水素ガス濃度に応じて放熱特性が異なり、それに伴いサーミスタ素子の熱平衡温度が異なるという現象を利用したものである。
特開平7−103924号公報 特開2006−90812号公報 特開2004−37235号公報
しかしながら、上記技術によれば水素ガスあるいは分子中に水素原子を含んだ可燃性ガスの濃度を検知することができるものの、以下のような課題も存在する。
特許文献1、2に開示された技術では、センサヘッドが適切に動作する温度が高いため(例えば、典型的な動作温度として特許文献1では400℃、特許文献2では500℃〜1000℃が記載されている)、センサヘッドを動作温度まで加熱するためのヒータを設ける必要がある。また特許文献3に開示された技術では、雰囲気の放熱特性は水素ガス濃度だけでなく湿度にも影響されるため、湿度による影響をキャンセルするために4つのサーミスタ素子を用いてセンサヘッドを構成している。このように、センサヘッド周辺にヒータを設けたり、複数のサーミスタ素子を用いてセンサヘッドを構成したりすれば、水素ガス検知装置の構造が複雑となり小型化および低コスト化を妨げる要因となる。
そこで本発明は、上記課題に鑑み、できるだけ簡易な構成で水素ガスの濃度変化を精度よく検知することができる水素ガス検知装置および水素ガス検知方法を提供することを目的とする。
本発明に係る水素ガス検知装置は、プロトン伝導性基材の片側もしくは両側の主面に触媒層が被着され、前記プロトン伝導性基材および前記触媒層にそれぞれ電極が取り付けられてなるセンサヘッドと、前記センサヘッドの両電極間の端子間電圧を測定する電圧測定部と、前記センサヘッドの両電極から前記触媒層が被着されたプロトン伝導性基材のインピーダンス特性を測定するインピーダンス測定部と、前記インピーダンス測定部により測定されたインピーダンス特性の変化に対する前記電圧測定部により測定された端子間電圧の変化が所定値以上であるときに水素ガスの濃度が変化したと判断する制御部とを備える。
プロトン伝導性基材の片側の主面に電極として機能する触媒層が被着され、前記主面に対向する側の主面に電極が取り付けられてなるセンサヘッドと、前記センサヘッドの両電極間の端子間電圧を測定する電圧測定部と、前記センサヘッドの両電極から前記触媒層が被着されたプロトン伝導性基材のインピーダンス特性を測定するインピーダンス測定部と、前記インピーダンス測定部により測定されたインピーダンス特性の変化に対する前記電圧測定部により測定された端子間電圧の変化が所定値以上であるときに水素ガスの濃度が変化したと判断する制御部とを備える。
プロトン伝導性基材の片側の主面の一部に電極として機能する触媒層が接合され、前記片側の主面のうち前記触媒層の非接合領域に電極が接合されてなるセンサヘッドと、前記センサヘッドの両電極間の端子間電圧を測定する電圧測定部と、前記センサヘッドの両電極から前記触媒層が被着されたプロトン伝導性基材のインピーダンス特性を測定するインピーダンス測定部と、前記インピーダンス測定部により測定されたインピーダンス特性の変化に対する前記電圧測定部により測定された端子間電圧の変化が所定値以上であるときに水素ガスの濃度が変化したと判断する制御部とを備える。
また、前記制御部は、前記インピーダンス測定部により測定されたインピーダンス特性および前記電圧測定部により測定された端子間電圧をメモリに保存し、前回測定されたインピーダンス特性と今回測定されたインピーダンス特性とからインピーダンス特性の変化を導出し、前回測定された端子間電圧と今回測定された端子間電圧とから端子間電圧の変化を導出することとしてもよい。
また、前記制御部は、前回測定されたインピーダンスをCp1、今回測定されたインピーダンスをCp2としたときに(|Cp2−Cp1|)/Cp1により定義されるインピーダンス変化率ΔCp、および、前回測定された端子間電圧をV1、今回測定された端子間電圧をV2としたときに(|V2−V1|)/V1により定義される電圧変化率ΔVの比または差を、インピーダンス特性の変化に対する端子間電圧の変化として導出することとしてもよい。
また、前記制御部は、前回測定されたインピーダンスをCp1、今回測定されたインピーダンスをCp2としたときに(|Cp2−Cp1|)/Cp2により定義されるインピーダンス変化率ΔCp、および、前回測定された端子間電圧をV1、今回測定された端子間電圧をV2としたときに(|V2−V1|)/V2により定義される電圧変化率ΔVの比または差を、インピーダンス特性の変化に対する端子間電圧の変化として導出することとしてもよい。
また、前記制御部は、前回測定されたインピーダンスをCp1、今回測定されたインピーダンスをCp2、前回測定時から今回測定時までの時間をΔTとしたときに(|Cp2−Cp1|)/ΔTにより定義されるインピーダンス変化率ΔCp、および、前回測定された端子間電圧をV1、今回測定された端子間電圧をV2、前回測定時から今回測定時までの時間をΔTとしたときに(|V2−V1|)/ΔTにより定義される電圧変化率ΔVの比または差を、インピーダンス特性の変化に対する端子間電圧の変化として導出することとしてもよい。
例えば、インピーダンス特性の変化に対する端子間電圧の変化は、インピーダンス変化率ΔCpおよび電圧変化率ΔVの比ΔV/ΔCpまたはΔCp/ΔV、インピーダンス変化率ΔCpおよび電圧変化率ΔVの差|ΔV−ΔCp|で導出することができる。
また、前記水素ガス検知装置は、さらに、外部に水素ガス検知を通報する水素ガス検知通報手段を備え、前記制御部は、水素ガスの濃度が変化したと判断したときに前記水素ガス検知通報手段に水素ガス検知を通報させることとしてもよい。
また、前記プロトン伝導性基材は、パーフルオロ系高分子材料または炭化水素系高分子材料の少なくともいずれかによりなる固体高分子材料を主成分として構成されていることとしてもよい。
また、前記プロトン伝導性基材は、パーフルオロ系高分子材料または部分スルフォン化スチレン−オレフィン共重合体材料の少なくともいずれかによりなる固体高分子材料に対し、カーボン素材が添加されてなるカーボン含有固体高分子膜であることとしてもよい。
また、前記プロトン伝導性基材は、カーボンペーパー、カーボンクロス、カーボンナノチューブ、フラーレン、グラファイト、ナノカーボン、カーボンブラック、ナノダイアモンド、ナノポーラスカーボンの中から選ばれた一種以上のカーボン素材を含む成形体であることとしてもよい。
本発明に係る水素ガス検知方法は、請求項1または2に記載のセンサヘッドを用いて水素ガスを検知する水素ガス検知方法であって、前記センサヘッドの両電極間の端子間電圧を測定する電圧測定ステップと、前記センサヘッドの両電極から前記触媒層が被着されたプロトン伝導性基材のインピーダンス特性を測定するインピーダンス測定ステップと、前記インピーダンス測定ステップにより測定されたインピーダンス特性の変化に対する前記電圧測定ステップにより測定された端子間電圧の変化が所定値以上であるときに水素ガスの濃度が変化したと判断する判断ステップとを含む。
プロトン伝導性基材に触媒層が被着されたタイプのセンサヘッドは、室温でも動作可能である。そのため水素ガス検知装置に高度な耐熱構造やセッサヘッドを加熱するためのヒータを設ける必要がない。したがって水素ガス検知装置の構成をできるだけ簡易にすることができる。また上記構成によればインピーダンス特性の変化に対する端子間電圧の変化を検出してこれが所定値以上であるときに水素ガスの濃度が変化したと判断している。これにより湿度や温度などの環境因子の変動に起因する端子間電圧の変化があったとしても、水素ガスの濃度変化として誤って判断されることがなく、水素ガスの濃度変化を精度よく検知することができる。なおインピーダンス特性は、インピーダンス、インピーダンスの位相角、インピーダンスのレジスタンス成分、インピーダンスのリアクタンス成分、イ
ンピーダンスの容量成分、インピーダンスのインダクタンス成分などを含む概念である。
本発明を実施するための最良の形態を、図面を参照して詳細に説明する。
<水素ガス検知装置の構成>
図1は、本発明の実施の形態に係る水素ガス検知装置の一部であるセンサヘッドの構成を示す断面図である。
センサヘッド100は、シート状のプロトン伝導性基材101の主面101aに触媒層102が被着され、触媒層102に電極103が取り付けられるとともに伝導性基材101の主面101bに電極104が取り付けられた構成となっている。
プロトン伝導性基材101は、触媒層102で分解された水素イオン(プロトン)を主面101aから主面101bへ向けて基材中を流通させる作用をなすものであってシート状に成形されている。本実施の形態ではプロトン伝導性材料として、イオン液体(「常温溶融塩」あるいは「室温溶融塩」とも称される。)と樹脂との混合物を利用している。
イオン液体としては、イミダゾリウム系イオン、ピリジニウム系イオン、脂肪族アミン系イオン、脂環式アミン系イオン、脂肪族ホスホニウム系イオンの何れかから一種または複数種選択されるカチオン部位と、ハロゲンイオン、ハロゲン系イオン、ホスフォネート系イオン、ホウ酸イオン、トリフラート系イオンの何れかから一種または複数種選択されるアニオン部位とを有するものが好適である。
また樹脂としては、光硬化性樹脂、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂が挙げられる。光硬化性樹脂としては、エポキシアクリレート、ウレタンアクリレート、ポリエステルアクリレート、不飽和ポリエステル樹脂、ジアゾ樹脂、アジド樹脂等を用いることが可能である。ここで「光硬化性樹脂」とは、広く紫外線、可視光、電子ビーム等によって硬化する樹脂も指す。熱硬化性樹脂としては、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリウレタン、ポリイミド、フラン樹脂、シリコーン樹脂、アリル樹脂等を用いることができる。熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレート等の汎用樹脂の他、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリイミド等のエンジニアリングプラスチック、スーパーエンジニア
リングプラスチック等が利用できる。
触媒層102は、雰囲気中の水素ガスと接触することにより水素分解反応を触媒する作用をなすものである。その組成は、例えば、白金、モリブデンカーバイド、金、銀、イリジウム、パラジウム、ルテニウム、オスミウム、ニッケル、タングステン、モリブデン、マンガン、イットリウム、バナジウム、ニオブ、チタン、ジルコニア、希土類金属等の中から選んだ一種以上のものがある。
電極103は、その主面103aから主面103bまで雰囲気中のガスを流通させるための多数の細孔103cが穿孔されている。電極104についても同様である。これらの材料としては、良好な導電性を有する金属材料、例えば銅ニッケル合金薄膜が利用できる。なお、細孔103c、104cは必須の構成ではなく、内部にガス流通性を有し、且つ、良好な導電性を有する構成であればよい。従って例えば金属ポーラス焼結体の他、カーボンペーパー、カーボンクロス等のカーボン含有繊維で構成することもできる。カーボンペーパー、カーボンクロス等は、導電性を有するとともに特に良好な通気性を有するため、電極材料として好適である。
なお、上述のセンサヘッド100は、触媒層102を、例えば白金等の、電極として機能する触媒層で構成することで、別途の電極103を設けずに構成してもよい。
本実施の形態では、プロトン伝導性材料としてイオン液体を採用することにより、イオン液体の高いイオン伝導率を利用して、水素分解反応より生ずるプロトンを基材内部に良好に流通させることができ、水素ガスを高感度で検知することができる。またイオン液体は良好なプロトン伝導性を発揮できるため、水素ガス検知のタイムラグが非常に小さく、かつ、起動時にパージ操作も不要である。さらに、イオン液体を用いたセンサヘッドは常温でも動作可能であるため、ヒータ等により加熱する必要がなく装置の小型化および低コスト化を図れるほか、消費電力を低く抑えることができる。またイオン液体と樹脂とを混合させることにより、プロトン伝導性基材を固形物として扱えるので、製造工程や使用時の取扱いを容易にすることができる。
従来技術(酸化物半導体を用いたセンサヘッドなど)では、数多くの気体に対して反応するため、温度により可燃性ガスを選択する必要があるが、プロトン伝導性基材を用いたセンサヘッドは水素に対し特異的に反応を示すため、常温での検知が可能である。
図2は、本発明の実施の形態に係る水素ガス検知装置のシステム構成を示す図である。
水素ガス検知装置200は、センサヘッド100、電圧測定部201、インピーダンス測定部202、制御部203、ブザー204、ランプ205、外部端子206、リセットボタン207を備える。
電圧測定部201は、センサヘッド100の電極103、104を結ぶ外部配線に挿設されており、センサヘッド100の電極103、104の間の端子間電圧を測定する。
インピーダンス測定部202は、センサヘッド100の電極103、104を結ぶ外部配線に挿設されており、センサヘッド100の電極103、104から触媒層102が被着されたプロトン伝導性基材101のインピーダンスを測定する。
制御部203は、電圧測定部201の測定結果およびインピーダンス測定部202の測定結果に基づいて水素ガスの濃度変化を検知する。制御部203は、水素ガスの濃度変化を検知すれば、ブザー204あるいはランプ205を動作させることにより水素ガス検知通報を行うとともに、外部端子206を介して外部に信号を出力することにより水素ガス検知通報を行う。水素ガス検知通報は、リセットボタン207の押下により停止される。
なお、本発明の別の実施の形態として、図11(a)に示すように、センサヘッド500は、プロトン伝導性基材501の片側の主面の一部に触媒層502が接合され、前記片側の主面のうち、触媒層502の接合領域および触媒層の非接合領域にそれぞれ電極503,504が離隔して接合されて構成することができる。
具体的には、基板600上に電極503と電極504を形成し、電極503に触媒層502となる白金をスパッタし被着させる。電極503,504を覆うようにプロトン伝導性基材501を塗布し、乾燥させて硬化させることでセンサヘッド500が形成される。このようにセンサヘッド500は基板600上に形成できるので保形性を備える必要がなく薄膜化でき、容易な工程で安価で効率的に製造できる。
なお、電極503は、必ずしも、図11(a)に示すように、触媒層502の接合領域と一致した領域に接合する必要はなく、図11(b)に示すように、触媒層502の接合領域の一部の領域を覆う領域に接合してもよく、図11(c)に示すように、触媒層502の接合領域より広い領域に接合してもよい。
また、図11(d)に示すように、触媒層502を、例えば白金等の、電極として機能する触媒層で構成することで、別途の電極を設けずにセンサヘッドを構成してもよい。
<水素ガス検知装置の動作>
図3は、本発明の実施の形態に係る水素ガス検知装置の動作を示すフローチャートである。
水素ガス検知装置200は、電源投入をトリガーとして動作を開始し、電源が切断されない限り、継続して動作し続けるようになっている。すなわち、ステップS20で水素ガスの検知通報が行われた後にステップS21でリセットされると、直ちに最初のステップS11に戻り水素ガス検知動作を繰り返す。またステップS16で電圧変化がないと判断された場合とステップS19でインピーダンス変化率および電圧変化率の比ΔV/ΔCpが「5」未満と判断された場合には、ステップS22で10秒待ってから最初のステップS11に戻り水素ガス検知動作を繰り返す。そのためステップS11での端子間電圧の測定とステップS13のインピーダンスの測定は、水素ガスの検知通報が行われている場合を除き、10秒毎に行われることとなる。これらの測定結果は、ステップS12、ステップS14において、メモリに保存されるが、保存領域は少なくとも複数の測定結果を保存できる程度に確保されている。そして保存動作も、上書きではなく、新たな領域に書き込むように制御される。この結果、保存領域には、少なくとも10秒前の端子間電圧の測定結果およびインピーダンスの測定結果が保存される。
次に、水素ガス検知動作を詳細に説明する。
水素ガス検知装置200は、電源投入をトリガーとして動作を開始し、まずセンサヘッド100の電極103、104の間の端子間電圧を測定して(ステップS11)、測定結果をメモリに保存する(ステップS12)。
次に、水素ガス検知装置200は、センサヘッド100の電極103、104から触媒層102が被着されたプロトン伝導性基材101のインピーダンスを測定して(ステップS13)、測定結果をメモリに保存する(ステップS14)。
次に、水素ガス検知装置200は、メモリから前回測定された端子間電圧と今回測定された端子間電圧とを読み出して(ステップS15)、電圧変化があるか否かを判断する(ステップS16)。電圧変化があるか否かは、例えば、電圧変化率ΔVが所定値以上であるか否かにより判断することができる。電圧変化率ΔVは、前回測定された端子間電圧をV1、今回測定された端子間電圧をV2としたときに、(|V2−V1|)/V1により定義される。
電圧変化があれば(ステップS16:YES)、水素ガス検知装置200は、メモリから前回測定されたインピーダンスと今回測定されたインピーダンスとを読み出して(ステップS17)、インピーダンス変化率および電圧変化率の比ΔV/ΔCpと所定値「5」とを比較する(ステップS18)。インピーダンス変化率ΔCpは、前回測定されたインピーダンスをCp1、今回測定されたインピーダンスをCp2としたときに、(|Cp2−Cp1|)/Cp1により定義される。
インピーダンス変化率および電圧変化率の比ΔV/ΔCpが所定値「5」以上であれば(ステップS19:YES)、水素ガス検知装置200は、水素ガスの濃度変化を検知したとして、リセットされるまで水素ガス検知通報を行う(ステップS20、ステップS21:NO)。水素ガス検知通報中にリセットされた場合には(ステップS21:YES)、水素ガス検知装置200はステップS11の処理に戻る。
一方、電圧変化がない場合(ステップS16:NO)、あるいは、電圧変化があったとしてもインピーダンス変化率および電圧変化率の比ΔV/ΔCpが所定値「5」未満である場合(ステップS19:NO)には、水素ガス検知装置200は、水素ガスの濃度変化がないとして所定時間「10秒」が経過したときに(ステップS22:YES)ステップS11の処理に戻る。
このようなフローにより、水素ガス検知装置200は、所定時間「10秒」毎に水素ガスの濃度変化があるか否かの判断を行い、水素ガスの濃度変化を検知した場合には水素ガス検知通報を行う。なお、ここでは所定値「5」および所定時間「10秒」を具体的に示しているが、これらはあくまで例示である。これらの設定値は水素ガス検出装置の仕様に応じて適宜設計される。
なお、閾値として後述する水素ガス検知性能評価試験1では「5」を、後述する水素ガス検知性能評価試験2では「500」を、後述する水素ガス検知性能評価試験3では「−12」を、後述する水素ガス検知性能評価試験4では「−15」を採用したが、いずれも例示であり、夫々予め実験等により得られた水素ガスの検知の有無を識別できる適当な値が水素ガス検出装置の仕様に応じて適宜設計される。
[実験例]
<水素ガス検知性能評価試験1>
発明者らは本実施の形態の水素ガス検知装置の性能を実際に確認するため、センサヘッドのサンプルを作製し、作製されたサンプルを用いて水素ガスの濃度変化を精度よく検知できるか否かの評価を行った。
図4は、センサヘッドのサンプルの作製工程を模式的に示す図である。
まずイオン液体としてピラゾリウム塩、光(UV)硬化性樹脂として日本ユピカ株式会社製のエポキシアクリレート樹脂(商品名:ネオポール(登録商標))、大日本社製のラジカル開始剤(光重合開始剤)をそれぞれ用意する。
用意したエポキシアクリレート樹脂5g(図4符号302)に対して、イオン液体0.5mL、開始剤0.14gを加え(図4符号301)、これをメノウ乳鉢303に入れてメノウ乳棒304で均一になるように混ぜ合わせる(図4(a))。なお、この混合比率は一例である。
混合終了後は、当該混合樹脂306を透明ゼオノアフィルム(日本ゼオン株式会社の登録商標)305上に垂らし、更にその上に別の透明ゼオノアフィルム307を被せる。一方の透明ゼオノアフィルム307の上からバーコーター(圧力棒)308で圧力を加え、厚みが100μm程度になるように混合樹脂306を伸ばす(図4(b))。
次に、混合樹脂306を両透明ゼオノアフィルム305、307でラミネートした状態で、外部より水銀ランプ(360nm)を用いて紫外線照射させ、光硬化反応を生じさせる(図4(c))。これにより、樹脂成分が硬化するので、透明ゼオノアフィルム305、307を剥がすと、シート状に硬化した混合樹脂306が得られる(図4(d))。
次に、十分に硬化させた混合樹脂306のいずれかの主面に対し、スパッタ法により白金層308を被着させる(図4(e))。具体的には、ターゲットに白金を用い、出力300mW、回転速度1.6rpm、スパッタ処理時間90秒、不活性ガス雰囲気としてアルゴンガス雰囲気を形成する。ガス流量は例えば20cc/minとする。
次に、上記シートを直径30mmの円形に切り出し、電極として同径のドーナツ型のステンレス製のワッシャーを取り付ける。
発明者らは、上記工程により作製されたセンサヘッドのサンプルを用いて、サンプルの端子間電圧およびインピーダンスについて水素ガス濃度依存性を調査した。水素ガス濃度依存性の調査は、センサヘッドのサンプルに注射器を用いて各種濃度の水素ガスを吹きかけ、そのときのサンプルの端子間電圧およびインピーダンスを測定することにより実施することができる。吹きかける水素ガスの濃度としては、0%、4%、50%、100%の4種類を用意した。サンプルの端子間電圧はデジタルマルチメータ(IWATSU VOAC 7411)を用いて測定し、サンプルのインピーダンスは100kHzでのインピーダンスを測定装置(HEWLETT PACKARD 428KA)を用いて測定した。なお測定時の温度は24℃、湿度は49%RHであった。
図5は、センサヘッドのサンプルに水素ガスを吹きかけたときの電圧およびインピーダンスの測定結果を示すグラフである。
これによれば、水素ガスの濃度が高くなるほど電圧が低下している。この電圧の低下分がサンプルの起電圧に相当する。グラフから端子間電圧には水素ガスの濃度依存性があるが、インピーダンスには水素ガスの濃度依存性がほとんどないことがわかる。この結果からは、一見、端子間電圧のみから一義的に水素ガスの濃度を特定できるように見える。しかしながら、実際には端子間電圧には環境因子依存性もあるので、端子間電圧のみから水素ガスの濃度を特定するのは困難である。
次に、発明者らは、本実施の形態に係る水素ガス検知装置が環境因子の影響を受けずに水素ガスの濃度変化を検知できるか否かの性能評価を行った。水素ガス検知装置の性能評価は、雰囲気の環境因子を時間的に変化させながら、あるときに雰囲気中の水素ガス濃度を0%から4%に変化させるという条件の下で、水素ガスの濃度変化を適正に検知できるか否かを観察するにより実施した。上記条件は、燃料電池や水素エンジンに代表される水素エネルギーシステムにおいて、あるときに起爆限界(水素ガス濃度4%)に達するような水素ガスの漏出が生じた場合を想定したものである。
図6は、本実施の形態に係る水素ガス検知装置の性能評価に用いた実験系の一部を模式的に表す図である。
まず温度および湿度の環境因子を自在に制御できる環境試験器401を用意し、その内部に容器402を載置し、さらにその内部に上記工程により作製されたセンサヘッドのサンプル100を配置した。センサヘッドのサンプル100は2本の配線により環境試験器401外部のデジタルマルチメータおよびインピーダンス測定器に接続されている。容器402の下部には注射器403が取り付けられている。容器402の容量は1Lであり、注射器403には濃度が100%の水素ガスが40mL収容されている。したがって注射器403から容器402内部に水素ガスを注入したときに容器402内部の水素ガス濃度が4%になる。
図7は、各時刻における温度、湿度、電圧およびインピーダンスをプロットしたグラフである。
曲線11は温度の測定結果を示し、曲線12は湿度の測定結果を示す。また曲線13は端子間電圧の測定結果を示し、曲線14はインピーダンスの測定結果を示す。なおインピーダンスには容量成分が主に寄与するため、ここではインピーダンスの測定結果を容量に換算して表示している。
ここでは0秒から630秒まで容器402内部の水素ガス濃度を0%とし、630秒を経過したときに(図中の領域22)注射器403から容器402内部に水素ガスを注入することにより容器402内部の水素ガス濃度を4%としている。
これによれば、端子間電圧およびインピーダンスには、いずれも環境因子依存性があることがわかる。特に、環境因子が大幅に変化している領域21においては、端子間電圧およびインピーダンスのいずれもが大幅に変化している。一方、図5でも明らかにしたように、端子間電圧には水素ガスの濃度依存性があるが、インピーダンスには水素ガスの濃度依存性がほとんどない。したがって、水素ガスの濃度が0%から4%に変化している領域22においては、端子間電圧は大幅に変化しているものの、インピーダンスはほとんど変化していない。
このような現象をより明確にグラフに表すため、図8では(|V2−V1|)/V1により定義される電圧変化率ΔV、および(|Cp2−Cp1|)/Cp1により定義されるインピーダンス変化率ΔCpをプロットし、図9では(|Cp2−Cp1|)/Cp1により定義されるインピーダンス変化率ΔCpと(|V2−V1|)/V1により定義される電圧変化率ΔVとの比ΔV/ΔCpをプロットした。
図8は、各時刻における温度、湿度、電圧変化率およびインピーダンス変化率をプロットしたグラフである。
曲線11は温度の測定結果を示し、曲線12は湿度の測定結果を示す。また曲線15は電圧変化率ΔVを示し、曲線16はインピーダンス変化率ΔCpを示す。
図9は、各時刻におけるインピーダンス変化率および電圧変化率の比をプロットしたグラフである。
インピーダンス変化率および電圧変化率の比ΔV/ΔCpは、環境因子が大幅に変化している領域においてもある程度大きな値「3.9程度」となるが、水素ガス濃度が0%から4%に変化している領域22においては特に大きな値「8.3程度」となる。これにより、インピーダンス変化率および電圧変化率の比ΔV/ΔCpが「5」以上であるか否かを判断することにより、環境因子の変動に起因する端子間電圧の変化があったとしても、水素ガスの濃度変化として誤って判断されることがなく、水素ガスの濃度変化を精度よく検知できることがわかる。
以上、本発明に係る水素ガス検知装置および水素ガス検知方法について、実施の形態に基づいて説明したが、本発明はこれらの実施の形態に限られない。例えば、以下のような変形例が考えられる。
(1)上述の説明では、プロトン伝導性基材としてイオン液体と樹脂との混合物を採用しているが、固形物かつ必要十分なプロトン伝導性があるものであれば本発明はこれに限られない。本発明は、特に、端子間電圧には環境因子依存性も水素ガスの濃度依存性もある一方、インピーダンスには環境因子依存性はあるが水素ガスの濃度依存性はほとんどないような材料に有用である。
例えば、プロトン伝導性基材としてパーフルオロ系高分子材料または炭化水素系高分子材料の少なくともいずれかによりなる固体高分子材料を主成分とするものを採用することができる。
固体高分子材料を主成分とするものは、一般にプロトン伝導性を発揮させるために湿潤が必要であり、湿潤度合に応じて端子間電圧が大きく変化する。この湿潤度合は環境因子のなかでも特に湿度に深く関係しており、そのために湿度の変化により端子間電圧が大きく変化するという特性を有している。本発明は、環境因子の変動に起因する端子間電圧の変化があったとしても、水素ガスの濃度変化として誤って判断されることがないので、このような固体高分子材料を利用した場合に特に有用である。発明者らは、固体高分子材料として市販製品のナフィオン(デュポン社登録商標「NAFION」)を採用し、触媒層として白金を採用したセンサヘッドのサンプルについても水素ガス検知の性能評価を行った。その結果、これについても水素ガスの濃度変化を精度よく検知できることが判明した。
<水素ガス検知性能評価試験2>
変形例1として、プロトン伝導性基材として、炭化水素系高分子材料の1つであるスルフォン化スチレンエチレン共重合体で構成された固体高分子膜を採用して、センサヘッドのサンプルを作製し、作成されたサンプルを用いて水素ガスの濃度変化を精度よく検知できるか否かの評価実験の結果を説明する。
スルフォン化スチレンエチレン共重合体溶液(ALDRICH製 Poly(styrene-ran-ethylene),sulfonated,5wt.% solution in 1-propanol)をキャスト用の金型枠に10mL滴下し、温度80℃で6時間乾燥させて硬化させる。硬化した電解質膜は前記金型から剥離し、シート状に硬化した膜厚約200μmのスルフォン化スチレンエチレン共重合体電解質膜が得られる。
次に、十分に硬化された前記スルフォン化スチレンエチレン共重合体電解質膜のいずれかの主面に対し、スパッタ法により白金層を被着させる。具体的には、ターゲットに白金を用い、出力300mW、回転速度1.6rpm、スパッタ処理時間30秒、不活性ガス雰囲気としてアルゴンガス雰囲気を形成する。ガス流量は例えば20cc/minとする。
前記スルフォン化スチレンエチレン共重合体電解質膜を直径13mmの円形に切り出し、通気性電極としてのカーボンペーパーと、電極として同径のドーナツ型のステンレス製のワッシャーにより挟持してセンサヘッドが得られる。
発明者らは、上記工程により作製されたセンサヘッドのサンプルを用いて、サンプルの端子間電圧およびインピーダンスについて水素ガス濃度依存性を調査した。水素ガス濃度依存性の調査は、センサヘッドのサンプルに注射器を用いて各種濃度の水素ガスを吹きかけ、そのときのサンプルの端子間電圧およびインピーダンスを測定することにより実施することができる。吹きかける水素ガスの濃度としては、400ppm,1000ppm,10000ppmの3種類を用意した。サンプルの端子間電圧はデジタルマルチメータ(IWATSU VOAC 7411)を用いて測定し、サンプルのインピーダンスは10kHzでのインピーダンスを測定装置(HEWLETT PACKARD 428KA)を用いて測定した。
図12は、センサヘッドのサンプルに水素ガスを吹きかけたときの電圧およびインピーダンスの変化率の測定結果を示すグラフである。
これによれば、水素ガスの濃度が高くなるほど電圧が上昇している。この電圧の上昇分がサンプルの起電圧に相当する。グラフから端子間電圧には水素ガスの濃度依存性があるが、インピーダンスには水素ガスの濃度依存性がほとんどないことがわかる。この結果からは、一見、端子間電圧のみから一義的に水素ガスの濃度を特定できるように見える。しかしながら、実際には端子間電圧には環境因子依存性もあるので、端子間電圧のみから水素ガスの濃度を特定するのは困難である。
次に、発明者らは、当該変形例に係る水素ガス検知装置が環境因子の影響を受けずに水素ガスの濃度変化を検知できるか否かの性能評価を行った。
センサを温湿度一定(40℃90%RH)のオーブンに入れ、オーブン内の温湿度が一定の高温高湿状態になってから測定を開始し、測定開始から60秒経過したときにオーブンの扉を開放し、オーブン内が常温常湿となった測定開始から370秒経過時に水素ガス(10000ppm空気ベース、流量10L/min)を注入した。
図13は、各時刻における温度、湿度、電圧およびインピーダンスをプロットしたグラフである。インピーダンスは10kHzでのインピーダンスを測定装置により測定した。
曲線31は温度の測定結果を示し、曲線32は湿度の測定結果を示す。また曲線33は端子間電圧の測定結果を示し、曲線34はインピーダンスの測定結果を示す。なおインピーダンスには容量成分が主に寄与するため、ここではインピーダンスの測定結果を容量に換算して表示している。
これによれば、端子間電圧およびインピーダンスには、いずれも環境因子依存性があることがわかる。特に、環境因子が大幅に変化している領域35(測定開始から60秒後)においては、端子間電圧およびインピーダンスがいずれも変化している。一方、図12でも明らかにしたように、端子間電圧には水素ガスの濃度依存性があるが、インピーダンスには水素ガスの濃度依存性がほとんどない。したがって、水素ガスの濃度が0ppmから10000ppmに変化している領域36(測定開始から370秒後)においては、端子間電圧は大幅に変化しているものの、インピーダンスはほとんど変化していない。
このような現象をより明確にグラフに表すため、図14では(|V2−V1|)/V1により定義される電圧変化率ΔV、および(|Cp2−Cp1|)/Cp1により定義されるインピーダンス変化率ΔCpをプロットし、図15では(|Cp2−Cp1|)/Cp1により定義されるインピーダンス変化率ΔCpと(|V2−V1|)/V1により定義される電圧変化率ΔVとの比ΔV/ΔCpをプロットした。
図14は、各時刻における温度、湿度、電圧変化率およびインピーダンス変化率をプロットしたグラフである。
曲線31は温度の測定結果を示し、曲線32は湿度の測定結果を示す。また曲線37は電圧変化率ΔVを示し、曲線38はインピーダンス変化率ΔCpを示す。
図15は、各時刻におけるインピーダンス変化率ΔCpと電圧変化率ΔVとの比ΔV/ΔCpをプロットしたグラフである。曲線39はインピーダンス変化率ΔCpと電圧変化率ΔVとの比ΔV/ΔCpを示す。
インピーダンス変化率および電圧変化率の比ΔV/ΔCpは、環境因子が大幅に変化している領域においては「−20から+40程度」となるが、水素ガス濃度が0ppmから10000ppmに変化している領域36においては特に大きな値「1800程度」となる。これにより、インピーダンス変化率および電圧変化率の比ΔV/ΔCpが閾値、例えば「500」以上であるか否かを判断することにより、環境因子の変動に起因する端子間電圧の変化があったとしても、水素ガスの濃度変化として誤って判断されることがなく、水素ガスの濃度変化を精度よく検知できることがわかる。
<水素ガス検知性能評価試験3>
次に、変形例2として、プロトン伝導性基材としてスルフォン化スチレンエチレン共重合体で構成された固体高分子膜を採用して、センサヘッドのサンプルを作製し、作成されたサンプルを用いて水素ガスの濃度変化を精度よく検知できるか否かの評価実験の結果を説明する。
スルフォン化スチレンエチレン共重合体溶液(ALDRICH製 Poly(styrene-ran-ethylene),sulfonated,5wt.% solution in 1-propanol)をPET188μmフィルムで構成される基板上に白金電極とカーボン電極を形成する。
具体的には、白金電極は、ターゲットに白金を用い、マスキングして、出力300mW、回転速度1.6rpm、スパッタ処理時間120秒、不活性ガス雰囲気としてアルゴンガス雰囲気で形成する。ガス流量は例えば20cc/minとする。またカーボン電極はカーボンペーストをディスペンス塗布して形成する。電極は幅1mm、長さ2mmで、間隔0.5mmで対向して配置する。各電極の厚みは、白金電極が約80nm、カーボン電極が約10μmである。
そして、上述のスルフォン化スチレンエチレン共重合体溶液を、白金電極とカーボン電極の間に0.5μL塗布し、温度80℃で2時間乾燥させて硬化すると、センサヘッドが得られる。
発明者らは、上記工程により作製されたセンサヘッドのサンプルを用いて、サンプルの端子間電圧およびインピーダンスについて水素ガス濃度依存性を調査した。水素ガス濃度依存性の調査は、センサヘッドのサンプルに注射器を用いて各種濃度の水素ガスを吹きかけ、そのときのサンプルの端子間電圧およびインピーダンスを測定することにより実施することができる。吹きかける水素ガスの濃度としては、400ppm,1000ppm,10000ppmの3種類を用意した。サンプルの端子間電圧はデジタルマルチメータ(IWATSU VOAC 7411)を用いて測定し、サンプルのインピーダンスは10kHzでのインピーダンスを測定装置(HEWLETT PACKARD 428KA)を用いて測定した。
図16は、センサヘッドのサンプルに水素ガスを吹きかけたときの電圧およびインピーダンスの変化率の測定結果を示すグラフである。
これによれば、水素ガスの濃度が高くなるほど電圧が上昇している。この電圧の上昇分がサンプルの起電圧に相当する。グラフから端子間電圧には水素ガスの濃度依存性があるが、インピーダンスには水素ガスの濃度依存性がほとんどないことがわかる。この結果からは、一見、端子間電圧のみから一義的に水素ガスの濃度を特定できるように見える。しかしながら、実際には端子間電圧には環境因子依存性もあるので、端子間電圧のみから水素ガスの濃度を特定するのは困難である。
次に、発明者らは、当該変形例に係る水素ガス検知装置が環境因子の影響を受けずに水素ガスの濃度変化を検知できるか否かの性能評価を行った。
センサを温湿度一定(40℃90%RH)のオーブンに入れ、オーブン内の温湿度が一定の高温高湿状態になってから測定を開始し、測定開始から60秒経過したときにオーブンの扉を開放し、オーブン内が常温常湿となった測定開始から340秒経過時に水素ガス(10000ppm空気ベース、流量10L/min)を注入した。
図17は、各時刻における温度、湿度、電圧およびインピーダンスをプロットしたグラフである。インピーダンスは10kHzでのインピーダンスを測定装置により測定した。
曲線41は温度の測定結果を示し、曲線42は湿度の測定結果を示す。また曲線43は端子間電圧の測定結果を示し、曲線44はインピーダンスの測定結果を示す。なおインピーダンスには容量成分が主に寄与するため、ここではインピーダンスの測定結果を容量に換算して表示している。
これによれば、端子間電圧およびインピーダンスには、いずれも環境因子依存性があることがわかる。特に、環境因子が大幅に変化している領域45(測定開始から60秒後)においては、端子間電圧およびインピーダンスがいずれも変化している。一方、図16でも明らかにしたように、端子間電圧には水素ガスの濃度依存性があるが、インピーダンスには水素ガスの濃度依存性がほとんどない。したがって、水素ガスの濃度が0ppmから10000ppmに変化している領域46(測定開始から340秒後)においては、端子間電圧は大幅に変化しているものの、インピーダンスはほとんど変化していない。なお、水素ガス検知性能評価試験3を行った時、室内の湿度が約70%と高かったため、オーブンの扉を開放した後も湿度の低下が緩やかとなっている。
このような現象をより明確にグラフに表すため、図18では(|V2−V1|)/V1により定義される電圧変化率ΔV、および(|Cp2−Cp1|)/Cp1により定義されるインピーダンス変化率ΔCpをプロットし、図19では(|Cp2−Cp1|)/Cp1により定義されるインピーダンス変化率ΔCpと(|V2−V1|)/V1により定義される電圧変化率ΔVとの比ΔV/ΔCpをプロットした。
図18は、各時刻における温度、湿度、電圧変化率およびインピーダンス変化率をプロットしたグラフである。
曲線41は温度の測定結果を示し、曲線42は湿度の測定結果を示す。また曲線47は電圧変化率ΔVを示し、曲線48はインピーダンス変化率ΔCpを示す。
図19は、各時刻におけるインピーダンス変化率ΔCpと電圧変化率ΔVとの比ΔV/ΔCpをプロットしたグラフである。曲線41は温度の測定結果を示し、曲線42は湿度の測定結果を示す。また曲線49はインピーダンス変化率ΔCpと電圧変化率ΔVとの比ΔV/ΔCpを示す。
インピーダンス変化率および電圧変化率の比ΔV/ΔCpは、環境因子が大幅に変化している領域においては「+4から−8程度」となるが、水素ガス濃度が0ppmから10000ppmに変化している領域46においては特に大きな値「−18程度」となる。これにより、インピーダンス変化率および電圧変化率の比ΔV/ΔCpが閾値、例えば「−12」以下であるか否かを判断することにより、環境因子の変動に起因する端子間電圧の変化があったとしても、水素ガスの濃度変化として誤って判断されることがなく、水素ガスの濃度変化を精度よく検知できることがわかる。
また例えば、上述の変形例1,2ようなプロトン伝導性基材としてパーフルオロ系高分子材料または部分スルフォン化スチレン−オレフィン共重合体材料の少なくともいずれかによりなる固体高分子材料に対し、カーボンブラック、グラファイト、ナノカーボン、カーボンナノチューブ(CNT)、カーボンナノファイバー(CNF)、フラーレン、ナノダイアモンド、ナノポーラスカーボンの中から選ばれた一種以上よりなるカーボン素材が添加されてなるカーボン含有固体高分子膜を採用することができる。
このうちカーボンブラックは、具体的にはファーネスブラック、チャンネルブラック、グラフトカーボン等を例示できる。またCNTやグラファイト、CNFの粒径、長さ、径を含めた各種サイズは特に限定されないが、プロトン伝導性の面からは長尺状のものが好適であり、特に長さ1μm〜1mm、径5〜30nmのサイズが望ましい。CNTは単層、複層、カーボンナノホーン等のいずれの形態でもよい。なお、発明者らの実験によれば、カーボン基材としてはこのうちグラファイトが最もコストパフォーマンスが高く、さらにフラーレンを若干添加することによってプロトン伝導性の向上を図れることが判明している。
<水素ガス検知性能評価試験4>
変形例3として、プロトン伝導性基材としてスルフォン化スチレンエチレン共重合体にCNTを固形分比率6.9wt%添加した固体高分子膜を採用して、センサヘッドのサンプルを作製し、作成されたサンプルを用いて水素ガスの濃度変化を精度よく検知できるか否かの評価実験の結果を説明する。
まず、溶媒としてのN,N−ジメチルホルムアミド(以下、「DMF」と記す)に対して固形分比率が5wt%となるようにスルフォン化スチレンエチレン共重合体を溶解しスルフォン化スチレンエチレン共重合体溶液を用意する。
CNTをDMFに溶解し、前記スルフォン化スチレンエチレン共重合体溶液と混合し、超音波ホモジナイザーで10分間分散し、スターラーで30分間攪拌する。
このスルフォン化スチレンエチレン共重合体溶液をキャスト用の金型枠に10mL滴下し、温度110℃で6時間乾燥させて硬化させる。硬化した電解質膜は前記金型から剥離し、シート状に硬化した膜厚約200μmのスルフォン化スチレンエチレン共重合体+CNT6.9wt%添加電解質膜が得られる。
次に、十分に硬化された前記スルフォン化スチレンエチレン共重合体+CNT6.9wt%添加電解質膜のいずれかの主面に対し、スパッタ法により白金層を被着させる。具体的には、ターゲットに白金を用い、出力300mW、回転速度1.6rpm、スパッタ処理時間30秒、不活性ガス雰囲気としてアルゴンガス雰囲気を形成する。ガス流量は例えば20cc/minとする。
前記スルフォン化スチレンエチレン共重合体+CNT6.9wt%添加電解質膜を直径13mmの円形に切り出し、通気性電極としてのカーボンペーパーと、電極として同径のドーナツ型のステンレス製のワッシャーにより挟持してセンサヘッドが得られる。
発明者らは、上記工程により作製されたセンサヘッドのサンプルを用いて、サンプルの端子間電圧およびインピーダンスについて水素ガス濃度依存性を調査した。水素ガス濃度依存性の調査は、センサヘッドのサンプルに注射器を用いて各種濃度の水素ガスを吹きかけ、そのときのサンプルの端子間電圧およびインピーダンスを測定することにより実施することができる。吹きかける水素ガスの濃度としては、400ppm,1000ppm,10000ppmの3種類を用意した。サンプルの端子間電圧はデジタルマルチメータ(IWATSU VOAC 7411)を用いて測定し、サンプルのインピーダンスは10kHzでのインピーダンスを測定装置(HEWLETT PACKARD 428KA)を用いて測定した。
図20は、センサヘッドのサンプルに水素ガスを吹きかけたときの電圧およびインピーダンスの変化率の測定結果を示すグラフである。
これによれば、水素ガスの濃度が高くなるほど電圧が上昇している。この電圧の上昇分がサンプルの起電圧に相当する。グラフから端子間電圧には水素ガスの濃度依存性があるが、インピーダンスには水素ガスの濃度依存性がほとんどないことがわかる。この結果からは、一見、端子間電圧のみから一義的に水素ガスの濃度を特定できるように見える。しかしながら、実際には端子間電圧には環境因子依存性もあるので、端子間電圧のみから水素ガスの濃度を特定するのは困難である。
次に、発明者らは、当該変形例に係る水素ガス検知装置が環境因子の影響を受けずに水素ガスの濃度変化を検知できるか否かの性能評価を行った。
センサを温湿度一定(40℃90%RH)のオーブンに入れ、オーブン内の温湿度が一定の高温高湿状態になってから測定を開始し、測定開始から50秒経過したときにオーブンの扉を開放し、オーブン内が常温常湿となった測定開始から360秒経過時に水素ガス(10000ppm空気ベース、流量10L/min)を注入した。
図21は、各時刻における温度、湿度、電圧およびインピーダンスをプロットしたグラフである。インピーダンスは10kHzでのインピーダンスを測定装置により測定した。
曲線51は温度の測定結果を示し、曲線52は湿度の測定結果を示す。また曲線53は端子間電圧の測定結果を示し、曲線54はインピーダンスの測定結果を示す。なおインピーダンスには容量成分が主に寄与するため、ここではインピーダンスの測定結果を容量に換算して表示している。
これによれば、端子間電圧およびインピーダンスには、いずれも環境因子依存性があることがわかる。特に、環境因子が大幅に変化している領域55(測定開始から50秒後)においては、端子間電圧およびインピーダンスがいずれも変化している。一方、図20でも明らかにしたように、端子間電圧には水素ガスの濃度依存性があるが、インピーダンスには水素ガスの濃度依存性がほとんどない。したがって、水素ガスの濃度が0ppmから10000ppmに変化している領域56(測定開始から360秒後)においては、端子間電圧は大幅に変化しているものの、インピーダンスはほとんど変化していない。
このような現象をより明確にグラフに表すため、図22では(|V2−V1|)/V1により定義される電圧変化率ΔV、および(|Cp2−Cp1|)/Cp1により定義されるインピーダンス変化率ΔCpをプロットし、図23では(|Cp2−Cp1|)/Cp1により定義されるインピーダンス変化率ΔCpと(|V2−V1|)/V1により定義される電圧変化率ΔVとの比ΔCp/ΔVpをプロットした。
図22は、各時刻における温度、湿度、電圧変化率およびインピーダンス変化率をプロットしたグラフである。
曲線51は温度の測定結果を示し、曲線52は湿度の測定結果を示す。また曲線57は電圧変化率ΔVを示し、曲線58はインピーダンス変化率ΔCpを示す。
図23は、各時刻におけるインピーダンス変化率ΔCpと電圧変化率ΔVとの比ΔCp/ΔVをプロットしたグラフである。曲線59はインピーダンス変化率ΔCpと電圧変化率ΔVとの比ΔCp/ΔVを示す。
インピーダンス変化率および電圧変化率の比ΔCp/ΔVは、環境因子が大幅に変化している領域においては「+7から−4程度」となるが、水素ガス濃度が0ppmから10000ppmに変化している領域56においては特に小さな値「−31程度」となる。これにより、インピーダンス変化率および電圧変化率の比ΔCp/ΔVが閾値、例えば「−15」以下であるか否かを判断することにより、環境因子の変動に起因する端子間電圧の変化があったとしても、水素ガスの濃度変化として誤って判断されることがなく、水素ガスの濃度変化を精度よく検知できることがわかる。
また例えば、プロトン伝導性基材としてカーボンペーパー、カーボンクロス、カーボンナノチューブ、フラーレン、グラファイト、ナノカーボン、カーボンブラック、ナノダイアモンド、ナノポーラスカーボンの中から選ばれた一種以上のカーボン素材を含む成形体を採用することができる。
上記成形体は、主成分としてのカーボン素材および成形体にするためのバインダー等を含む。この製造方法としては、東レ製のカーボンペーパーやカーボンクロスに代表されるように、アクリル繊維を高温で熱処理したPAN(ポリアクリルニトリル)系炭素繊維の糸を集合させ、不織布・織布などに加工する方法や、バインダーとカーボン材料を混合させて、混合物を高温に加熱処理して、バインダーを焼結し、カーボンのみを集積させる方法が考えられる。
このうちカーボンペーパー、カーボンクロスは、安価であるため、センサヘッドを非常に低コストで製造でき、特に生産性に優れる利点がある。
(2)上述の説明では、インピーダンスの変化に対する端子間電圧の変化として、インピーダンス変化率および電圧変化率の比ΔV/ΔCpを採用しているが、本発明は、これに限られない。例えば、インピーダンス変化率および電圧変化率の比ΔCp/ΔVや、インピーダンス変化率および電圧変化率の差|ΔV−ΔCp|でもよい。
(3)上述の説明では、インピーダンスの変化に対する端子間電圧の変化として、インピーダンス変化率および電圧変化率の比ΔV/ΔCpを採用しているが、本発明は、これに限られない。例えば、インピーダンス差および電圧差の比(|Cp2−Cp1|)/(|V2−V1|)または(|V2−V1|)/(|Cp2−Cp1|)、インピーダンス相加平均および電圧相加平均の比(|Cp2+Cp1|)/(|V2+V1|)または(|V2+V1|)/(|Cp2+Cp1|)、あるいはインピーダンス相乗平均および電圧相乗平均の比√(Cp2×Cp1)/√(V2×V1)または√(V2×V1)/√(Cp2×Cp1)などでもよい。
(4)上述の説明では、インピーダンス変化率ΔCpを(|Cp2−Cp1|)/Cp1により定義し、電圧変化率ΔVを(|V2−V1|)/V1により定義しているが、本発明はこれに限られない。例えば、インピーダンス変化率ΔCpを(|Cp2−Cp1|)/Cp2により定義し、電圧変化率ΔVを(|V2−V1|)/V2により定義してもよい。また前回測定時から今回測定時までの時間をΔTとしたとき、インピーダンス変化率ΔCpを(|Cp2−Cp1|)/ΔTにより定義し、電圧変化率ΔVを(|V2−V1|)/ΔTにより定義してもよい。図10は、このようにΔTを用いてインピーダンス変化率および電圧変化率を定義した場合のグラフである。すなわち図10では、(|Cp2−Cp1|)/ΔTにより定義されるインピーダンス変化率ΔCpと(|V2−V1|)/ΔTにより定義される電圧変化率ΔVとの比ΔV/ΔCpがプロットされている。これを見れば図9の場合と同様に、環境因子の変動に起因する端子間電圧の変化があったとしても、水素ガスの濃度変化として誤って判断されることがなく、水素ガスの濃度変化を精度よく検知できることがわかる。
(5)上述の説明では、電圧変化がある場合にだけインピーダンス変化率および電圧変化率の比ΔV/ΔCpと所定値「5」とを比較しているが、本発明は、これに限られない。例えば、電圧変化の有無にかかわらず、毎回インピーダンス変化率および電圧変化率の比ΔV/ΔCpと所定値「5」とを比較することとしてもよい。
(6)上述の説明では、電圧変化率ΔVについては絶対値で算出しており、端子間電圧の変化の方向性、すなわち上昇および低下までは問わないこととしている。しかし本発明はこの例に限らず、端子間電圧の変化の方向性も考慮することにより、水素ガスの濃度変化の方向性まで検知することとしてもよい。
(7)上述の説明では、プロトン伝導性基材101の片側の主面101aに触媒層102を形成しているが、本発明はこれに限られない。例えば、プロトン伝導性基材101の両側の主面101a、101bに触媒層を形成することとしてもよい。
(8)上述の説明では、プロトン伝導性基材にスルフォン化スチレンエチレン共重合体を用いた場合について説明したが、パーフルオロ系高分子材料を用いてもよい。主鎖部分の違いはあるもののスルフォン基が共通し、プロトン伝導性基材としてのメカニズムは同様であるため、スルフォン化スチレンエチレン共重合体を用いてセンサヘッドを構成した場合と同様の結果が得られる。
(9)上述の説明では、インピーダンスは10kHzでのインピーダンスを測定装置により測定する場合について説明したが、前記周波数は、採用する素子に応じて1kHzから数百kHzの範囲で適宜選択すればよい。
本発明の水素ガス検知装置は、例えば自動車用、施設用、携帯用の燃料電池システムにおいて、水素ガス漏れを検知する手段として利用することができる。
本発明の実施の形態に係る水素ガス検知装置の一部であるセンサヘッドの構成を示す断面図である。 本発明の実施の形態に係る水素ガス検知装置のシステム構成を示す図である。 本発明の実施の形態に係る水素ガス検知装置の動作を示すフローチャートである。 センサヘッドのサンプルの作製工程を模式的に示す図である。 センサヘッドのサンプルに水素ガスを吹きかけたときの電圧およびインピーダンスの測定結果を示すグラフである。 本実施の形態に係る水素ガス検知装置の性能評価に用いた実験系の一部を模式的に表す図である。 各時刻における温度、湿度、電圧およびインピーダンスをプロットしたグラフである。 各時刻における温度、湿度、電圧変化率およびインピーダンス変化率をプロットしたグラフである。 各時刻におけるインピーダンス変化率および電圧変化率の比をプロットしたグラフである。 各時刻におけるインピーダンス変化率および電圧変化率の比をプロットしたグラフである。 (a)別実施形態による水素ガス検知装置の一部であるセンサヘッドの構成を示す断面図、(b)別実施形態による水素ガス検知装置の一部であるセンサヘッドの構成を示す断面図、(c)別実施形態による水素ガス検知装置の一部であるセンサヘッドの構成を示す断面図、(d)別実施形態による水素ガス検知装置の一部であるセンサヘッドの構成を示す断面図 センサヘッドのサンプルに水素ガスを吹きかけたときの電圧およびインピーダンスの変化率の測定結果のグラフ 各時刻における温度、湿度、電圧およびインピーダンスをプロットしたグラフ 各時刻における温度、湿度、電圧変化率およびインピーダンス変化率をプロットしたグラフ 各時刻におけるインピーダンス変化率および電圧変化率の比をプロットしたグラフ センサヘッドのサンプルに水素ガスを吹きかけたときの電圧およびインピーダンスの変化率の測定結果のグラフ 各時刻における温度、湿度、電圧およびインピーダンスをプロットしたグラフ 各時刻における温度、湿度、電圧変化率およびインピーダンス変化率をプロットしたグラフ 各時刻におけるインピーダンス変化率および電圧変化率の比をプロットしたグラフ センサヘッドのサンプルに水素ガスを吹きかけたときの電圧およびインピーダンスの変化率の測定結果のグラフ 各時刻における温度、湿度、電圧およびインピーダンスをプロットしたグラフ 各時刻における温度、湿度、電圧変化率およびインピーダンス変化率をプロットしたグラフ 各時刻におけるインピーダンス変化率および電圧変化率の比をプロットしたグラフ
100 センサヘッド
101 プロトン伝導性基材
102 触媒層
103、104 電極
103c、104c 細孔
200 水素ガス検知装置
201 電圧測定部
202 インピーダンス測定部
203 制御部
204 ブザー
205 ランプ
206 外部端子
207 リセットボタン
303 メノウ乳鉢
304 メノウ乳棒
305、307 透明ゼオノアフィルム
306 混合樹脂
308 白金層
401 環境試験器
402 容器
403 注射器
500 センサヘッド
501 プロトン伝導性基材
502 触媒層
503,504 電極
600 基板

Claims (12)

  1. プロトン伝導性基材の片側もしくは両側の主面に触媒層が被着され、前記プロトン伝導性基材および前記触媒層にそれぞれ電極が取り付けられてなるセンサヘッドと、
    前記センサヘッドの両電極間の端子間電圧を測定する電圧測定部と、
    前記センサヘッドの両電極から前記触媒層が被着されたプロトン伝導性基材のインピーダンス特性を測定するインピーダンス測定部と、
    前記インピーダンス測定部により測定されたインピーダンス特性の変化に対する前記電圧測定部により測定された端子間電圧の変化が所定値以上であるときに水素ガスの濃度が変化したと判断する制御部と
    を備えることを特徴とする水素ガス検知装置。
  2. プロトン伝導性基材の片側の主面に電極として機能する触媒層が被着され、前記主面に対向する側の主面に電極が取り付けられてなるセンサヘッドと、
    前記センサヘッドの両電極間の端子間電圧を測定する電圧測定部と、
    前記センサヘッドの両電極から前記触媒層が被着されたプロトン伝導性基材のインピーダンス特性を測定するインピーダンス測定部と、
    前記インピーダンス測定部により測定されたインピーダンス特性の変化に対する前記電圧測定部により測定された端子間電圧の変化が所定値以上であるときに水素ガスの濃度が変化したと判断する制御部と
    を備えることを特徴とする水素ガス検知装置。
  3. プロトン伝導性基材の片側の主面の一部に電極として機能する触媒層が接合され、前記片側の主面のうち前記触媒層の非接合領域に電極が接合されてなるセンサヘッドと、
    前記センサヘッドの両電極間の端子間電圧を測定する電圧測定部と、
    前記センサヘッドの両電極から前記触媒層が被着されたプロトン伝導性基材のインピーダンス特性を測定するインピーダンス測定部と、
    前記インピーダンス測定部により測定されたインピーダンス特性の変化に対する前記電圧測定部により測定された端子間電圧の変化が所定値以上であるときに水素ガスの濃度が変化したと判断する制御部と
    を備えることを特徴とする水素ガス検知装置。
  4. 前記制御部は、前記インピーダンス測定部により測定されたインピーダンス特性および前記電圧測定部により測定された端子間電圧をメモリに保存し、前回測定されたインピーダンス特性と今回測定されたインピーダンス特性とからインピーダンス特性の変化を導出し、前回測定された端子間電圧と今回測定された端子間電圧とから端子間電圧の変化を導出すること
    を特徴とする請求項1からの何れかに記載の水素ガス検知装置。
  5. 前記制御部は、前回測定されたインピーダンスをCp1、今回測定されたインピーダンスをCp2としたときに(|Cp2−Cp1|)/Cp1により定義されるインピーダンス変化率ΔCp、および、前回測定された端子間電圧をV1、今回測定された端子間電圧をV2としたときに(|V2−V1|)/V1により定義される電圧変化率ΔVの比または差を、インピーダンス特性の変化に対する端子間電圧の変化として導出すること
    を特徴とする請求項に記載の水素ガス検知装置。
  6. 前記制御部は、前回測定されたインピーダンスをCp1、今回測定されたインピーダンスをCp2としたときに(|Cp2−Cp1|)/Cp2により定義されるインピーダンス変化率ΔCp、および、前回測定された端子間電圧をV1、今回測定された端子間電圧をV2としたときに(|V2−V1|)/V2により定義される電圧変化率ΔVの比または差を、インピーダンス特性の変化に対する端子間電圧の変化として導出すること
    を特徴とする請求項に記載の水素ガス検知装置。
  7. 前記制御部は、前回測定されたインピーダンスをCp1、今回測定されたインピーダンスをCp2、前回測定時から今回測定時までの時間をΔTとしたときに(|Cp2−Cp1|)/ΔTにより定義されるインピーダンス変化率ΔCp、および、前回測定された端子間電圧をV1、今回測定された端子間電圧をV2、前回測定時から今回測定時までの時間をΔTとしたときに(|V2−V1|)/ΔTにより定義される電圧変化率ΔVの比または差を、インピーダンス特性の変化に対する端子間電圧の変化として導出すること
    を特徴とする請求項に記載の水素ガス検知装置。
  8. 前記水素ガス検知装置は、さらに、外部に水素ガス検知を通報する水素ガス検知通報手段を備え、
    前記制御部は、水素ガスの濃度が変化したと判断したときに前記水素ガス検知通報手段に水素ガス検知を通報させること
    を特徴とする請求項1からの何れかに記載の水素ガス検知装置。
  9. 前記プロトン伝導性基材は、パーフルオロ系高分子材料または炭化水素系高分子材料の少なくともいずれかによりなる固体高分子材料を主成分として構成されていること
    を特徴とする請求項1からの何れかに記載の水素ガス検知装置。
  10. 前記プロトン伝導性基材は、パーフルオロ系高分子材料または部分スルフォン化スチレン−オレフィン共重合体材料の少なくともいずれかによりなる固体高分子材料に対し、カーボン素材が添加されてなるカーボン含有固体高分子膜であること
    を特徴とする請求項1からの何れかに記載の水素ガス検知装置。
  11. 前記プロトン伝導性基材は、カーボンペーパー、カーボンクロス、カーボンナノチューブ、フラーレン、グラファイト、ナノカーボン、カーボンブラック、ナノダイアモンド、ナノポーラスカーボンの中から選ばれた一種以上のカーボン素材を含む成形体であること
    を特徴とする請求項1からの何れかに記載の水素ガス検知装置。
  12. 請求項1からの何れかに記載のセンサヘッドを用いて水素ガスを検知する水素ガス検知方法であって、
    前記センサヘッドの両電極間の端子間電圧を測定する電圧測定ステップと、
    前記センサヘッドの両電極から前記触媒層が被着されたプロトン伝導性基材のインピーダンス特性を測定するインピーダンス測定ステップと、
    前記インピーダンス測定ステップにより測定されたインピーダンス特性の変化に対する前記電圧測定ステップにより測定された端子間電圧の変化が所定値以上であるときに水素ガスの濃度が変化したと判断する判断ステップと
    を含むことを特徴とする水素ガス検知方法。
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