JP2009145310A - センサ付車輪用軸受 - Google Patents
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Abstract
【課題】 センサ出力の線形特性向上が可能で、車輪にかかる荷重を精度良く検出できるセンサ付車輪用軸受を提供する。
【解決手段】 車輪用軸受は、複列の転走面3を内周に形成した外方部材1と、前記転走面3と対向する転走面4を形成した内方部材2と、これら両部材1,2の対向する転走面3,4間に介在した複列の転動体5とを備える。両部材1,2のうちの固定側部材に、歪み発生部材22と、この部材に取付けられた歪み測定用センサ23からなるセンサユニット21を設ける。歪み発生部材22は、固定側部材外周の車体取付用のフランジ1aの側面のナックル取付用ボルト孔14の近傍位置に接触固定される第1の接触固定部40と、固定側部材の外径面に接触固定される第2の接触固定部41とを有する。フランジ1aの側面のナックル取付用ボルト孔14と第1の接触固定部40の接触固定位置との間に溝25を設ける。
【選択図】 図1
【解決手段】 車輪用軸受は、複列の転走面3を内周に形成した外方部材1と、前記転走面3と対向する転走面4を形成した内方部材2と、これら両部材1,2の対向する転走面3,4間に介在した複列の転動体5とを備える。両部材1,2のうちの固定側部材に、歪み発生部材22と、この部材に取付けられた歪み測定用センサ23からなるセンサユニット21を設ける。歪み発生部材22は、固定側部材外周の車体取付用のフランジ1aの側面のナックル取付用ボルト孔14の近傍位置に接触固定される第1の接触固定部40と、固定側部材の外径面に接触固定される第2の接触固定部41とを有する。フランジ1aの側面のナックル取付用ボルト孔14と第1の接触固定部40の接触固定位置との間に溝25を設ける。
【選択図】 図1
Description
この発明は、車輪の軸受部にかかる荷重を検出する荷重センサを内蔵したセンサ付車輪用軸受に関する。
従来、自動車の安全走行のために、各車輪の回転速度を検出するセンサを車輪用軸受に設けたものがある。従来の一般的な自動車の走行安全性確保対策は、各部の車輪の回転速度を検出することで行われているが、車輪の回転速度だけでは十分でなく、その他のセンサ信号を用いてさらに安全面の制御が可能なことが求められている。
そこで、車両走行時に各車輪に作用する荷重から姿勢制御を図ることも考えられる。例えばコーナリングにおいては外側車輪に大きな荷重がかかり、また左右傾斜面走行では片側車輪に、ブレーキングにおいては前輪にそれぞれ荷重が片寄るなど、各車輪にかかる荷重は均等ではない。また、積載荷重不均等の場合にも各車輪にかかる荷重は不均等になる。このため、車輪にかかる荷重を随時検出できれば、その検出結果に基づき、事前にサスペンション等を制御することで、車両走行時の姿勢制御(コーナリング時のローリング防止、ブレーキング時の前輪沈み込み防止、積載荷重不均等による沈み込み防止等)を行うことが可能となる。しかし、車輪に作用する荷重を検出するセンサの適切な設置場所がなく、荷重検出による姿勢制御の実現が難しい。
また、今後ステアバイワイヤが導入されて、車輪とステアリングが機械的に結合しないシステムになってくると、車軸方向荷重を検出して運転手が握るハンドルに路面情報を伝達することが求められる。
このような要請に応えるものとして、車輪用軸受の外輪に歪みゲージを貼り付け、歪みを検出するようにした車輪用軸受が提案されている(例えば特許文献1)。
特表2003−530565号公報
車輪用軸受の外輪は、転走面を有し、強度が求められる部品であって、塑性加工や、旋削加工、熱処理、研削加工などの複雑な工程を経て生産される軸受部品であるため、特許文献1のように外輪に歪みゲージを貼り付けるのでは、生産性が悪く、量産時のコストが高くなるという問題点がある。また、外輪の歪みを感度良く検出することが難しく、その検出結果を車両走行時の姿勢制御に利用した場合、制御の精度が問題となる。
これらの課題を解決するために、図11および図12に示すように、歪み発生部材82と、この歪み発生部材82に取付けられて歪み発生部材82の歪みを検出する歪みゲージ等のセンサ83とで構成したセンサユニット81を、車輪用軸受の固定輪である例えば外輪71に取付けた構成が考えられる。この場合、前記歪み発生部材82は、外輪71の車体取付用フランジ71aのアウトボード側に向く一側面のナックル取付用ボルト孔の近傍位置に固定する第1の接触固定部91と、外輪71の外周に固定する第2の接触固定部92を有するものとする。
このような構成とした車輪用軸受では、車両走行に伴い回転側部材であるハブ輪72に荷重が加わると、転動体75を介して外輪71が変形し、その変形がセンサユニット81の歪み発生部材82に伝えられ、歪み発生部材82に取付けられたセンサ83がその歪みを測定する。歪み発生部材82の第1の接触固定部91は外輪71の車体取付用フランジ71aの一側面に対して固定され、第2の接触固定部92は外輪71の外径面に対して固定されるため、第1および第2の接触固定部91,92の径方向位置が異なり、外輪71の歪みが歪み発生部材82に拡大して現れやすくなる。この拡大された歪みをセンサ83で測定するため、外輪71の歪みを感度良く検出できる。
このような構成とした車輪用軸受では、車両走行に伴い回転側部材であるハブ輪72に荷重が加わると、転動体75を介して外輪71が変形し、その変形がセンサユニット81の歪み発生部材82に伝えられ、歪み発生部材82に取付けられたセンサ83がその歪みを測定する。歪み発生部材82の第1の接触固定部91は外輪71の車体取付用フランジ71aの一側面に対して固定され、第2の接触固定部92は外輪71の外径面に対して固定されるため、第1および第2の接触固定部91,92の径方向位置が異なり、外輪71の歪みが歪み発生部材82に拡大して現れやすくなる。この拡大された歪みをセンサ83で測定するため、外輪71の歪みを感度良く検出できる。
しかし、上記構成のセンサ付車輪用軸受では、歪み発生部材82の第1の接触固定部91が固定される外輪71の車体取付用フランジ71aと車体側のナックルとがナックルボルト(いずれも図示せず)で締結されるため、軸受に作用する荷重を精度良く検出できないという問題がある。すなわち、図11に矢印Aで示すように軸受に旋回内側の荷重が作用するとナックルボルトが車体取付用フランジ71aとナックルの間でCの方向へ引っ張られ、車体取付用フランジ71aにおける前記第1の接触固定部91が固定されている位置の付近で、車体取付用フランジ71aの座面とナックルの座面が面当たりではなくなり、図13の右半部に示すようにセンサ83の出力信号が非線形になる。なお、図11に矢印Bで示すように、軸受に旋回外側の荷重が作用すると、車体取付フランジ71aとナックルはDの方向へ圧縮荷重が作用し、互いが押しつけ合うために、車体取付用フランジ71aの座面とナックルの座面が面当たりとなるため、図13の左半部に示すようにサンサ83の出力信号は直線性が保たれる。
この発明の目的は、センサ出力の線形特性向上が可能で、車輪にかかる荷重を精度良く検出できるセンサ付車輪用軸受を提供することである。
この発明のセンサ付車輪用軸受は、複列の転走面が内周に形成された外方部材と、この外方部材の転走面と対向する転走面が形成された内方部材と、これら外方部材および内方部材の対向する転走面間に介在した複列の転動体とを備え、車体に対して車輪を回転自在に支持する車輪用軸受において、歪み発生部材およびこの歪み発生部材に取付けられた歪み測定用のセンサからなるセンサユニットを、前記外方部材および内方部材のうちの固定側部材に設け、前記歪み発生部材は、前記固定側部材の外周に設けられた車体取付用のフランジの側面のナックル取付用ボルト孔の近傍位置に接触して固定される第1の接触固定部と、前記固定側部材の外径面に接触して固定される第2の接触固定部とを有し、前記車体取付用のフランジの側面における前記ナックル取付用ボルト孔と前記第1の接触固定部の接触固定位置との間に溝を設けたことを特徴とする。
車両走行に伴い回転側部材に荷重が加わると、転動体を介して固定側部材が変形し、その変形はセンサユニットの歪み発生部材に伝わり、その歪みをセンサが検出する。歪み発生部材は、第1および第2の接触固定部を介して、固定側部材の車体取付用フランジのアウトボード側を向く側面と、固定側部材の外径面に跨がって設けられており、前記両接触固定部の径方向位置が異なるので、固定側部材の歪みが歪み発生部材に拡大して現れやすくなる。この拡大された歪みをセンサで測定するため、固定側部材の歪みが感度良く検出される。
とくに、車体取付用フランジにおけるナックル取付用のボルト孔と、第1の接触固定部の接触固定位置との間に溝を設けているので、車輪用軸受に旋回内側の荷重が作用して、ナックルボルトが車体取付フランジ71aとナックルの間でCの方向へ引っ張り荷重を受けても、車体取付用フランジにおける前記第1の接触固定部の接触固定位置の付近で、車体取付用フランジの座面とナックルの座面の間で面当たりの状態が確実に維持される。その結果、前記引っ張り荷重に起因してセンサの出力信号が非線形になるのを防止でき、正負の荷重に対するセンサの出力信号の線形範囲が拡大する。これにより、センサの出力信号の補正処理が不要、もしくは簡単な補正のみで、精度良く荷重を検出することができる。
とくに、車体取付用フランジにおけるナックル取付用のボルト孔と、第1の接触固定部の接触固定位置との間に溝を設けているので、車輪用軸受に旋回内側の荷重が作用して、ナックルボルトが車体取付フランジ71aとナックルの間でCの方向へ引っ張り荷重を受けても、車体取付用フランジにおける前記第1の接触固定部の接触固定位置の付近で、車体取付用フランジの座面とナックルの座面の間で面当たりの状態が確実に維持される。その結果、前記引っ張り荷重に起因してセンサの出力信号が非線形になるのを防止でき、正負の荷重に対するセンサの出力信号の線形範囲が拡大する。これにより、センサの出力信号の補正処理が不要、もしくは簡単な補正のみで、精度良く荷重を検出することができる。
この発明において、前記溝は、前記車体取付用のフランジの側面におけるナックル取付用ボルト孔と同心のリング状であっても良い。
この発明において、前記車体取付用のフランジの側面における前記第1の接触固定部の接触固定位置は、前記ナックル取付用ボルト孔よりも内径側位置とされ、前記溝は、前記第1の接触固定部の接触固定位置と前記ナックル取付用ボルト孔との間を横切る直線状であっても良い。
この発明において、前記溝を断面半円状としても良い。断面半円状であると、加工が簡単である。
この発明において、前記溝は、両溝壁面が互いに平行で溝底面の両隅部を断面円弧状としたものであっても良い。この構成の場合、十分な溝深さを確保することができるので、車輪用軸受に引っ張り荷重が作用した時の車体取付用フランジの座面とナックルの座面の間での面当たりの状態がより確実に維持される。その結果、前記引っ張り荷重に起因してセンサの出力信号が非線形になるのを確実に防止できる。
この発明において、前記歪み発生部材は断面概形がL字状の板材であり、前記センサは前記歪み発生部材の表面に固定される歪み抵抗素子であっても良い。歪み発生部材が断面L字状の板材であると、固定側部材の歪みを転写し易い。
この発明において、前記歪み抵抗素子が抵抗体を印刷して形成したものであっても良い。この場合、歪み抵抗素子がコンパクトで簡単に成形できる。
この発明のセンサ付車輪用軸受は、複列の転走面が内周に形成された外方部材と、この外方部材の転走面と対向する転走面が形成された内方部材と、これら外方部材および内方部材の対向する転走面間に介在した複列の転動体とを備え、車体に対して車輪を回転自在に支持する車輪用軸受において、歪み発生部材およびこの歪み発生部材に取付けられた歪み測定用のセンサからなるセンサユニットを、前記外方部材および内方部材のうちの固定側部材に設け、前記歪み発生部材は、前記固定側部材の外周に設けられた車体取付用のフランジの側面のナックル取付用ボルト孔の近傍位置に接触して固定される第1の接触固定部と、前記固定側部材の外径面に接触して固定される第2の接触固定部とを有し、前記車体取付用のフランジの側面における前記ナックル取付用ボルト孔と前記第1の接触固定部の接触固定位置との間に溝を設けたため、センサ出力の線形特性向上が可能で、車輪にかかる荷重を精度良く検出できる。
この発明の一実施形態を図1ないし図6と共に説明する。この実施形態は、第3世代型の内輪回転タイプで、駆動輪支持用の車輪用軸受に適用したものである。なお、この明細書において、車両に取付けた状態で車両の車幅方向の外側寄りとなる側をアウトボード側と呼び、車両の中央寄りとなる側をインボード側と呼ぶ。
このセンサ付車輪用軸受における軸受は、図1に断面図で示すように、内周に複列の転走面3を形成した外方部材1と、これら各転走面3に対向する転走面4を外周に形成した内方部材2と、これら外方部材1および内方部材2の転走面3,4間に介在した複列の転動体5とで構成される。この車輪用軸受は、複列のアンギュラ玉軸受型とされていて、転動体5はボールからなり、各列毎に保持器6で保持されている。上記転走面3,4は断面円弧状であり、ボール接触角が背面合わせとなるように形成されている。外方部材1と内方部材2との間の軸受空間の両端は、一対のシール7,8によってそれぞれ密封されている。
外方部材1は固定側部材となるものであって、車体の懸架装置におけるナックル(図示せず)に取付ける車体取付用フランジ1aを外周に有し、全体が一体の部品とされている。フランジ1aには円周方向の複数箇所にナックル取付用のボルト孔14が設けられ、このボルト孔14に螺合する図示しないナックルボルトにより、車体取付用フランジ1aがナックルに取付けられる。
内方部材2は回転側部材となるものであって、車輪取付用のハブフランジ9aを有するハブ輪9と、このハブ輪9の軸部9bのインボード側端の外周に嵌合した内輪10とでなる。これらハブ輪9および内輪10に、前記各列の転走面4が形成されている。ハブ輪9のインボード側端の外周には段差を持って小径となる内輪嵌合面12が設けられ、この内輪嵌合面12に内輪10が嵌合している。ハブ輪9の中心には貫通孔11が設けられ、その表面にはスプラインが形成されている。ハブフランジ9aには、周方向複数箇所にハブボルト(図示せず)の圧入孔15が設けられている。ハブ輪9のハブフランジ9aの根元部付近には、車輪および制動部品(図示せず)を案内する円筒状のパイロット部13がアウトボード側に突出している。
内方部材2は回転側部材となるものであって、車輪取付用のハブフランジ9aを有するハブ輪9と、このハブ輪9の軸部9bのインボード側端の外周に嵌合した内輪10とでなる。これらハブ輪9および内輪10に、前記各列の転走面4が形成されている。ハブ輪9のインボード側端の外周には段差を持って小径となる内輪嵌合面12が設けられ、この内輪嵌合面12に内輪10が嵌合している。ハブ輪9の中心には貫通孔11が設けられ、その表面にはスプラインが形成されている。ハブフランジ9aには、周方向複数箇所にハブボルト(図示せず)の圧入孔15が設けられている。ハブ輪9のハブフランジ9aの根元部付近には、車輪および制動部品(図示せず)を案内する円筒状のパイロット部13がアウトボード側に突出している。
図2は、この車輪用軸受をインボード側から見た部分背面図を示す。なお、図1は、図2におけるI−O−I矢視断面図を示す。前記車体取付用フランジ1aは、図2のように、各ボルト孔14が設けられた円周方向部分が他の部分よりも外径側へ突出した突片1aaとされている。
図2のIII 部をアウトボード側から見た正面図を示す図3のように、固定側部材である外方部材1の外周部にはセンサユニット21が設けられている。具体的には、外方部材1の外周部における上面部の1つのフランジ突片1aaが突出する周方向位置にセンサユニット21が配置されている。
センサユニット21は、図5に示すように、歪み発生部材22と、この歪み発生部材22に取付けられて歪み発生部材22の歪みを検出するセンサ23とでなる。歪み発生部材22は、例えば鋼材等の金属材からなり、第1および第2の接触固定部材40,41を介してボルト66(図1)により外方部材1に取付けられる。ここでは、接触固定部材40,41を歪み発生部材22と別体としているが、歪み発生部材22と一体としても良い。歪み発生部材22は、外方部材1の径方向に沿った径方向部位22aと、軸方向に沿った軸方向部位22bとを有する断面概形がL字状の板材とされ、径方向部位22aの先端側が前記第1の接触固定部材40の接面部とされ、軸方向部位22bの先端側が前記第2の接触固定部材41の接面部とされている。センサ23は、径方向部位22aの表面に取付けられている。径方向部位22aには軸方向のボルト挿通孔60が形成され、かつ軸方向部位22bには径方向のボルト挿通孔61が形成されている。
第1の接触固定部材40には、歪み発生部材22の径方向部位22aのボルト挿通孔60に対応するボルト挿通孔62が形成され、第2の接触固定部材41には、歪み発生部材22の軸方向部位22bのボルト挿通孔61に対応するボルト挿通孔63が形成されている。さらに、外方部材1には、内周面に雌ねじの形成されたボルト螺着孔64,65(図1)が、前記ボルト挿通孔60,62に対応する位置、および前記ボルト挿通孔61,63に対応する位置にそれぞれ形成されている。
図1に示すように、歪み発生部材22の径方向部位22aは、そのボルト挿通孔60および第1の接触固定部材40のボルト挿通孔62にアウトボード側からボルト66を挿通し、そのボルト66の雄ねじ部66aを外方部材1のボルト螺着孔64に螺着させることにより、第1の接触固定部材40を介して前記車体取付用フランジ1aのフランジ突片1aaにおけるアウトボード側に向く側面に固定される。第1の接触固定部材40は、前記フランジ突片1aaにおけるアウトボード側に向く側面のナックル取付用のボルト孔14よりも内径側の位置に接面する。また、歪み発生部材22の軸方向部位22bは、そのボルト挿通孔61および第2の接触固定部材41のボルト挿通孔63に外周側からボルト66を挿通し、そのボルト66の雄ねじ部66aを外方部材1のボルト螺着孔65に螺着させることにより、第2の接触固定部材41を介して外方部材1の外径面に固定される。これによりセンサユニット21が、外方部材1の車体取付用フランジ1aのフランジ突片1aaにおけるアウトボード側に向く側面から、外方部材1の外径面に跨がって固定される。
前記車体取付用フランジ1aのアウトボード側に向く側面におけるナックル取付用のボルト孔14と、センサユニット21における第1の接触固定部材40の接触固定位置との間には溝25が設けられている。具体的には、溝25は、図3のように、前記ナックル取付用のボルト孔14と同心のリング状に形成されている。この溝25は、図4(A)に断面図で示すように半円状の断面形状としても良いし、図4(B)に断面図で示すように両溝壁面が互いに平行で溝底面の両隅部を断面円弧状としたものであっても良い。溝25を図4(B)のような断面形状とした場合、十分な深さを確保できる。
ここではセンサ23は歪み抵抗素子からなるが、センサ23としては種々のものを使用することができる。例えば、センサ23を金属箔ストレインゲージで構成することができる。その場合、通常、歪み発生部材22に対して接着による固定が行なわれる。
また、センサ23を歪み発生部材22上に厚膜抵抗体にて形成することができる。その場合のセンサユニット21の構造を図6に示す。このセンサユニット21は、歪み発生部材22のセンサ取付面22A上に絶縁層50が形成され、この絶縁層50の表面の両側に対をなす電極51,51が形成され、これら電極51,51の間で前記絶縁層50の上にセンサとなる歪み測定用抵抗体52が形成され、さらに電極51,51と歪み測定用抵抗体52の上に保護膜53が形成された構造となっている。
このセンサユニット21の製造方法を次に示す。まず、ステンレス鋼等の金属材料で形成された歪み発生部材22の表面にガラス等の絶縁材料を印刷、焼成して絶縁層50を形成する。次に、絶縁層50の表面に、導電性材料を印刷、焼成して電極51,51を形成する。さらに、電極51,51間に、抵抗体となる材料を印刷、焼成して歪み測定用抵抗体52を形成する。さらに、これら電極51,51および歪み測定用抵抗体52を保護するために、保護膜53を形成する。
センサユニット21のセンサ23は、図1に示すように推定手段30に接続される。推定手段30は、センサ23の出力信号により車輪用軸受に作用する荷重を推定する手段であり、信号処理回路や補正回路などが含まれる。ここでは、推定手段30は、前記出力信号と車輪用軸受に作用する荷重との関係を演算式またはテーブルなどにより設定した関係設定手段(図示せず)を有し、前記出力信号から前記関係設定手段を用いて車輪用軸受に作用する荷重を出力する。前記関係設定手段の設定内容は、予め試験やシュミレーションで求めておいて設定する。
車輪のタイヤと路面間に荷重が作用すると、車輪用軸受の固定側部材である外方部材1にも荷重が印加されて変形が生じる。センサユニット21における歪み発生部材22は、第1および第2の接触固定部材40,41を介して、外方部材1の車体取付用フランジ1aにおけるフランジ突片1aaのアウトボード側を向く側面と、外方部材1の外径面に跨がって設けられており、前記両接触固定部材40,41の径方向位置が異なるので、外方部材1の歪みが歪み発生部材22に拡大して現れやすくなる。この拡大された歪みをセンサ23で測定するため、外方部材1の歪みが感度良く検出される。推定手段30は、そのセンサ23の出力信号により、車輪用軸受に作用する荷重を推定する。
ここでは、車体取付用フランジ1aにおけるナックル取付用のボルト孔14と、前記第1の接触固定部材40の接触固定位置との間に溝25を設けているので、車輪用軸受に旋回内側の荷重が作用し、ナックルボルトが車体取付フランジ71aとナックル間で引っ張られ、その引っ張り荷重をナックルボルトが受けても、車体取付用フランジ1aにおける前記第1の接触固定部材40の接触固定位置の付近で、車体取付用フランジ1aの座面とナックルの座面の間で面当たりの状態が確実に維持される。その結果、前記引っ張り荷重に起因してセンサ23の出力信号が非線形になるのを防止でき、正負の荷重に対するセンサ23の出力信号の線形範囲が拡大する。これにより、センサ23の出力信号の補正処理が不要、もしくは簡単な補正のみで、精度良く荷重を検出することができる。
この実施形態では、歪み発生部材22と、第1および第2の接触固定部材40,41と、外方部材1との固定をボルト66で行なっているが、接着剤およびボルトのいずれを用いても良い。また、両者を併用しても良い。さらには、接着剤やボルトを用いず、溶接で歪み発生部材22と外方部材1とを固定しても良い。これらの固定構造のいずれを採用した場合でも、歪み発生部材22と、第1および第2の接触固定部材40,41と、外方部材1とを強固に固定することができる。そのため、歪み発生部材22が外方部材1に対して位置ずれすることがなく、外方部材1の変形を歪み発生部材22に正確に伝えることが可能になる。
図7ないし図10は、この発明の他の実施形態を示す。なお、図7では推定手段30を省略している。この実施形態では、外方部材1の車体取付用フランジ1aにおけるフランジ突片1aaのアウトボード側に向く側面に設ける溝25を、図8におけるIX部をアウトボード側から見た正面図を示す図9のように、直線状としている。すなわち、ナックル取付用のボルト孔14よりも内径側位置とされるセンサユニット21における第1の接触固定部材40の接触固定位置と、前記ナックル取付用のボルト孔14との間を横切る直線状の溝25としている。この場合の溝25も、図10(A)に断面図で示すように半円状の断面形状としても良いし、図10(B)に断面図で示すように両溝壁面が互いに平行で溝底面の両隅部を断面円弧状としたものであっても良い。溝25を図10(B)のような断面形状とした場合、十分な深さを確保できる。その他の構成は先の実施形態の場合と同様である。
なお、前記各実施形態では、外方部材1が固定側部材である場合につき説明したが、この発明は、内方部材が固定側部材である車輪用軸受にも適用することができる。
また、前記各実施形態では第3世代型の車輪用軸受に適用した場合につき説明したが、この発明は、軸受部分とハブとが互いに独立した部品となる第2世代型の車輪用軸受や、内方部材の一部が等速ジョイントの外輪で構成される第4世代型の車輪用軸受にも適用することができる。また、このセンサ付車輪用軸受は、従動輪用の車輪用軸受にも適用でき、さらに各世代形式のテーパころタイプの車輪用軸受にも適用することができる。
また、前記各実施形態では第3世代型の車輪用軸受に適用した場合につき説明したが、この発明は、軸受部分とハブとが互いに独立した部品となる第2世代型の車輪用軸受や、内方部材の一部が等速ジョイントの外輪で構成される第4世代型の車輪用軸受にも適用することができる。また、このセンサ付車輪用軸受は、従動輪用の車輪用軸受にも適用でき、さらに各世代形式のテーパころタイプの車輪用軸受にも適用することができる。
1…外方部材
1a…車体取付用フランジ
2…内方部材
3,4…転走面
5…転動体
14…ナックル取付用ボルト孔
21…センサユニット
22…歪み発生部材
23…センサ
25…溝
40…第1の接触固定部材
41…第2の接触固定部材
1a…車体取付用フランジ
2…内方部材
3,4…転走面
5…転動体
14…ナックル取付用ボルト孔
21…センサユニット
22…歪み発生部材
23…センサ
25…溝
40…第1の接触固定部材
41…第2の接触固定部材
Claims (7)
- 複列の転走面が内周に形成された外方部材と、この外方部材の転走面と対向する転走面が形成された内方部材と、これら外方部材および内方部材の対向する転走面間に介在した複列の転動体とを備え、車体に対して車輪を回転自在に支持する車輪用軸受において、
歪み発生部材およびこの歪み発生部材に取付けられた歪み測定用のセンサからなるセンサユニットを、前記外方部材および内方部材のうちの固定側部材に設け、前記歪み発生部材は、前記固定側部材の外周に設けられた車体取付用のフランジの側面のナックル取付用ボルト孔の近傍位置に接触して固定される第1の接触固定部と、前記固定側部材の外径面に接触して固定される第2の接触固定部とを有し、前記車体取付用のフランジの側面における前記ナックル取付用ボルト孔と前記第1の接触固定部の接触固定位置との間に溝を設けたことを特徴とするセンサ付車輪用軸受。 - 請求項1において、前記溝は、前記車体取付用のフランジの側面におけるナックル取付用ボルト孔と同心のリング状であるセンサ付車輪用軸受。
- 請求項1において、前記車体取付用のフランジの側面における前記第1の接触固定部の接触固定位置は、前記ナックル取付用ボルト孔よりも内径側位置とされ、前記溝は、前記第1の接触固定部の接触固定位置と前記ナックル取付用ボルト孔との間を横切る直線状であるセンサ付車輪用軸受。
- 請求項1ないし請求項3のいずれか1項において、前記溝は断面半円状であるセンサ付車輪用軸受。
- 請求項1ないし請求項3のいずれか1項において、前記溝は、両溝壁面が互いに平行で溝底面の両隅部を断面円弧状としたものであるセンサ付車輪用軸受。
- 請求項1ないし請求項5のいずれか1項において、前記歪み発生部材は断面概形がL字状の板材であり、前記センサは前記歪み発生部材の表面に固定される歪み抵抗素子であるセンサ付車輪用軸受。
- 請求項6において、前記歪み抵抗素子が抵抗体を印刷して形成したものであるセンサ付車輪用軸受。
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2007
- 2007-12-18 JP JP2007326067A patent/JP2009145310A/ja active Pending
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