JP4877829B2 - センサ付車輪用軸受 - Google Patents

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この発明は、車輪の軸受部にかかる荷重を検出する荷重センサを内蔵したセンサ付車輪用軸受に関する。
従来、自動車の安全走行のために、各車輪の回転速度を検出するセンサを車輪用軸受に設けたものがある。従来の一般的な自動車の走行安全性確保対策は、各部の車輪の回転速度を検出することで行われているが、車輪の回転速度だけでは十分でなく、その他のセンサ信号を用いてさらに安全面の制御が可能なことが求められている。
そこで、車両走行時に各車輪に作用する荷重から姿勢制御を図ることも考えられる。例えばコーナリングにおいては外側車輪に大きな荷重がかかり、また左右傾斜面走行では片側車輪に、ブレーキングにおいては前輪にそれぞれ荷重が片寄るなど、各車輪にかかる荷重は均等ではない。また、積載荷重不均等の場合にも各車輪にかかる荷重は不均等になる。このため、車輪にかかる荷重を随時検出できれば、その検出結果に基づき、事前にサスペンション等を制御することで、車両走行時の姿勢制御(コーナリング時のローリング防止、ブレーキング時の前輪沈み込み防止、積載荷重不均等による沈み込み防止等)を行うことが可能となる。しかし、車輪に作用する荷重を検出するセンサの適切な設置場所がなく、荷重検出による姿勢制御の実現が難しい。
また、今後ステアバイワイヤが導入されて、車輪とステアリングが機械的に結合しないシステムになってくると、車軸方向荷重を検出して運転手が握るハンドルに路面情報を伝達することが求められる。
このような要請に応えるものとして、車輪用軸受の外輪に歪みゲージを貼り付け、歪みを検出するようにした車輪用軸受が提案されている(例えば特許文献1)。
特表2003−530565号公報
車輪用軸受の外輪は、転走面を有し、強度が求められる部品であって、塑性加工や、旋削加工、熱処理、研削加工などの複雑な工程を経て生産される軸受部品であるため、特許文献1のように外輪に歪みゲージを貼り付けるのでは、生産性が悪く、量産時のコストが高くなるという問題点がある。また、外輪の歪みを感度良く検出することが難しく、その検出結果を車両走行時の姿勢制御に利用した場合、制御の精度が問題となる。
これらの課題を解決するために、歪み発生部材と、この歪み発生部材に取付けられて歪み発生部材の歪みを検出する歪みゲージ等のセンサ素子とで構成した歪みセンサを、車輪用軸受の固定輪である例えば外輪に取付けた構成が考えられる。この場合、前記歪み発生部材は、外輪の車体取付用フランジ面のナックル取付相当位置に固定する第1の接触固定部と、外輪の外周に固定する第2の接触固定部を有するものとする。
このような構成とした車輪用軸受では、車両走行に伴い回転側部材であるハブ輪に荷重が加わると、転動体を介して外輪が変形し、その変形が歪みセンサの歪み発生部材に伝えられ、歪み発生部材に取付けられたセンサ素子がその歪みを測定する。歪み発生部材の第1の接触固定部は外輪の車体取付用フランジ面に対して固定され、第2の接触固定部は外輪外周に対して固定されるため、第1および第2の接触固定部の径方向位置が異なり、外輪の歪みが歪み発生部材に拡大して現れやすくなる。この拡大された歪みをセンサ素子で測定するため、外輪の歪みを感度良く検出できる。
しかし、上記構成の歪みセンサの出力信号は、コーナリング荷重である車両の車幅方向(y軸方向)の荷重Fy としてプラス側荷重(ナックルから外輪が引き離される方向の荷重)が印加されたとき、荷重に対して非線形な出力信号となる。逆に、マイナス側荷重(ナックル取付面に押し付けられる方向の荷重)が印加された状態では、荷重にほぼ比例した出力信号となる。しかも、出力信号に現れる上記した非線形な特性は、車輪用軸受の取付状態の影響も受けるため、安定したものではない。それゆえ、非線形な出力信号を特性テーブルを用いて補正したとしても、正確な荷重を求めるのは困難である。
この発明の目的は、センサ出力に生じる非線形特性等の影響をできるだけ排除して、車輪にかかる荷重を正確に検出できるセンサ付車輪用軸受を提供することである。
この発明のセンサ付車輪用軸受は、複列の転走面が内周に形成された外方部材と、上記転走面と対向する転走面を外周に形成した内方部材と、両部材の対向する転走面間に介在した複列の転動体とを備え、車体に対して車輪を回転自在に支持する車輪用軸受において、上記外方部材および内方部材のうちの固定側部材の外周に、その固定側部材の円周方向における略対向する位置に配置された2つのセンサユニットからなるセンサユニット対を設け、前記各センサユニットは、前記固定側部材の外周に設けられた車体取付用のフランジの側面のナックル取付部相当位置に接触して固定される第1の接触固定部と、前記固定側部材の外径面に接触して固定される第2の接触固定部とを有する歪み発生部材、およびこの歪み発生部材に取付けられてこの歪み発生部材の歪みを検出するセンサを有し、これら2つのセンサユニットの各センサの出力信号のうち、いずれか1つの出力信号を設定条件に従って選択する信号選択手段と、この信号選択手段で選択された出力信号により、車輪用軸受に作用する荷重を推定する推定手段とを設けたことを特徴とする。
車両走行に伴い回転側部材に荷重が加わると、転動体を介して固定側部材が変形し、その変形はセンサユニット対を構成する2つのセンサユニットに歪みをもたらす。各センサユニットのセンサは、歪み発生部材の歪みを検出する。これにより、固定側部材の歪みを感度良く検出でき、歪み測定精度が高くなる。各センサの出力信号は、信号選択手段により設定条件に応じて選択される。選択された出力信号により、推定手段が車輪用軸受に作用する荷重を推定する。
このように信号選択手段を設け、2つのセンサの出力信号から、設定条件に応じた出力信号を選択して、その選択した出力信号に基づき推定手段で車輪用軸受に作用する荷重を推定するようにしたので、上記設定条件を適切に設定することにより、2つのセンサの出力信号のうち、より線型特性を示す部分のみを選択し、荷重を推定することができる。そのため、出力信号の非線形性等の影響をできるだけ排除して、車輪にかかる荷重を正確に検出することができる。すなわち、センサ出力のうち、車輪用軸受の固定状態等の影響を受け易い非線型領域の特性部分を使わず、安定した線型領域の信号だけを選択して荷重推定に使うことができて、車輪にかかる荷重を正確に検出することができる。
この発明において、前記信号選択手段は、前記各センサの出力信号のうち、線形特性となるいずれか1つの出力信号を選択するものとしても良い。この場合に、各センサの出力信号の一部に非線形領域があるときに、その非線形領域の部分を避けて、両センサの線形領域部分だけを部分的に選択するようにしても良い。例えば、それぞれのセンサ出力における線型範囲の信号を選択して組み合わせ、全荷重領域で線型なセンサ出力を得るようにする。これにより、センサ出力に生じる非線形特性の影響を受けることなく、車輪にかかる荷重を正確に検出することができる。
この発明において、前記信号選択手段は、前記各センサの出力信号の値に応じて、いずれか1つの出力信号を選択するものとしても良い。信号選択手段は、前記センサユニットのセンサの出力信号とは異なる外部要因、例えば、ステアリングの信号や加減速の信号等に応じて選択を行うものであっても良いが、センサユニットのセンサの出力信号に応じて選択を行うものとすると、回路構成が簡単で、かつ適切な選択が容易に行える。
この発明において、前記信号選択手段は、前記各センサの出力信号のうち、値が負となるいずれか1つの出力信号を選択するものとしても良い。車輪用軸受に対するセンサユニットの設置位置や、センサユニットにおける各センサの設置位置等により、各センサの出力信号が負領域と正領域とにまたがり、かつ2つのセンサの出力信号が、正負逆の特性を示す傾向になる場合がある。また、負領域の出力信号の方が正となる出力信号よりも線型性を強く示すことがある。このような場合に、両センサの出力信号のうち、負領域にある方のセンサの出力を選択し、組み合わせることで、全荷重領域で線型なセンサ出力を得ることができる。
この発明において、前記2つのセンサユニットは、タイヤ接地面に対して上下位置となる前記固定側部材の外周の上面部と下面部とに配置し、前記推定手段は車輪用軸受に作用する車両車幅方向の荷重を推定するものとしても良い。
この発明において、前記2つのセンサユニットは、前記固定側部材の外周における車両前後方向の前側部と後ろ側部とに配置し、前記推定手段は車輪用軸受に作用する車両前後方向の荷重を推定するものとしても良い。この構成の場合、車両前後方向の荷重推定が良好に行える。
この発明において、前記信号選択手段がスイッチ回路で構成されるものであっても良い。スイッチ回路であると、簡単な構成で信号選択が行える。
この発明において、制御プログラムおよびこの制御プログラムを実行するコンピュータからなるものとしても良い。このように制御プログラムで選択を行うようにすると、選択のための設定条件の変更や設定の自由度が高いものとなる。
この発明において、前記歪み発生部材は断面概形がL字状の板材であり、前記センサは前記歪み発生部材の表面に固定される歪み抵抗素子であっても良い。歪み発生部材がL字状の板材であると、車輪用軸受の歪みを歪み発生部材に拡大して転写し易く、歪みの発生の検出がより高精度に行い易い。
この発明において、前記歪み抵抗素子が抵抗体を印刷して形成したものであっても良い。印刷成形によると、歪み抵抗素子の形成が容易に行える。
この発明のセンサ付車輪用軸受は、複列の転走面が内周に形成された外方部材と、上記転走面と対向する転走面を外周に形成した内方部材と、両部材の対向する転走面間に介在した複列の転動体とを備え、車体に対して車輪を回転自在に支持する車輪用軸受において、上記外方部材および内方部材のうちの固定側部材の外周に、その固定側部材の円周方向における略対向する位置に配置された2つのセンサユニットからなるセンサユニット対を設け、前記各センサユニットは、前記固定側部材の外周に設けられた車体取付用のフランジの側面のナックル取付部相当位置に接触して固定される第1の接触固定部と、前記固定側部材の外径面に接触して固定される第2の接触固定部とを有する歪み発生部材、およびこの歪み発生部材に取付けられてこの歪み発生部材の歪みを検出するセンサを有し、これら2つのセンサユニットの各センサの出力信号のうち、いずれか1つの出力信号を設定条件に従って選択する信号選択手段と、この信号選択手段で選択された出力信号により、車輪用軸受に作用する荷重を推定する推定手段とを設けたため、センサ出力のうち、車輪用軸受の固定状態等の影響を受け易い非線型領域の特性部分を使わず、安定した線型領域の信号だけを選択して荷重推定に使うことができて、車輪にかかる荷重を正確に検出することができる。
この発明の一実施形態を図1ないし図6と共に説明する。この実施形態は、第3世代型の内輪回転タイプで、駆動輪支持用の車輪用軸受に適用したものである。なお、この明細書において、車両に取付けた状態で車両の車幅方向の外側寄りとなる側をアウトボード側と呼び、車両の中央寄りとなる側をインボード側と呼ぶ。
このセンサ付車輪用軸受における軸受は、図1に断面図で示すように、内周に複列の転走面3を形成した外方部材1と、これら各転走面3に対向する転走面4を外周に形成した内方部材2と、これら外方部材1および内方部材2の転走面3,4間に介在した複列の転動体5とで構成される。この車輪用軸受は、複列のアンギュラ玉軸受型とされていて、転動体5はボールからなり、各列毎に保持器6で保持されている。上記転走面3,4は断面円弧状であり、ボール接触角が背面合わせとなるように形成されている。外方部材1と内方部材2との間の軸受空間の両端は、一対のシール7,8によってそれぞれ密封されている。
外方部材1は固定側部材となるものであって、車体の懸架装置におけるナックル(図示せず)に取付ける車体取付用フランジ1aを外周に有し、全体が一体の部品とされている。フランジ1aには円周方向の複数箇所に車体取付用のボルト孔14が設けられ、このボルト孔14に螺合する図示しないナックルボルトにより、車体取付用フランジ1aがナックルに取付けられる。
内方部材2は回転側部材となるものであって、車輪取付用のハブフランジ9aを有するハブ輪9と、このハブ輪9の軸部9bのインボード側端の外周に嵌合した内輪10とでなる。これらハブ輪9および内輪10に、前記各列の転走面4が形成されている。ハブ輪9のインボード側端の外周には段差を持って小径となる内輪嵌合面12が設けられ、この内輪嵌合面12に内輪10が嵌合している。ハブ輪9の中心には貫通孔11が設けられている。ハブフランジ9aには、周方向複数箇所にハブボルト(図示せず)の圧入孔15が設けられている。ハブ輪9のハブフランジ9aの根元部付近には、車輪および制動部品(図示せず)を案内する円筒状のパイロット部13がアウトボード側に突出している。
図2は、この車輪用軸受の外方部材1をアウトボード側から見た正面図を示す。なお、図1は、図2におけるI−O−I矢視断面図を示す。前記車体取付用フランジ1aは、図2のように、各ボルト孔14が設けられた円周方向部分が他の部分よりも外径側へ突出した突片1aaとされている。
図2のように、固定側部材である外方部材1の外周部には、2つのセンサユニット21からなるセンサユニット対20が設けられている。これら2つのセンサユニット21は、外方部材1の外周部の円周方向における略180度の位相差をなして互いに対向する位置に配置される。ここでは、これら2つのセンサユニット21を、タイヤ接地面に対して上下位置となる外方部材1の外周部の上面部および下面部の2箇所に設けることで、車輪用軸受に作用するコーナリング荷重、つまり車両の車幅方向(y軸方向)の荷重Fy を検出するようにしている。具体的には、図2のように、外方部材1の外周部における上面部の1つのフランジ突片1aaが突出する周方向位置に1つのセンサユニット21が配置され、外方部材1の外周部における下面部の1つのフランジ突片1aaが突出する周方向位置に他の1つのセンサユニット21が配置されている。
これらのセンサユニット21は、図3に示すように、歪み発生部材22と、この歪み発生部材22に取付けられて歪み発生部材22の歪みを検出するセンサ23A(23B)とでなる。歪み発生部材22は、例えば鋼材等の金属材からなり、第1および第2の接触固定部材40,41を介して外方部材1に取付けられる。ここでは、接触固定部材40,41を歪み発生部材22と別体としているが、歪み発生部材22と一体としても良い。歪み発生部材22は、外方部材1の径方向に沿った径方向部位22cと、軸方向に沿った軸方向部位22dとを有する断面概形がL字状の板材とされ、径方向部位22cの先端側が前記第1の接触固定部材40の接面部22aとされ、軸方向部位22dの先端側が前記第2の接触固定部材41の接面部22bとされている。径方向部位22cは、軸方向部位22dに比べ、剛性が低くなるように肉厚を薄くしてある。センサ23A(23B)は、この剛性の低い径方向部位22cに取付けられている。
第1の接触固定部材40は、歪み発生部材22の接面部22aに接面する接面部40aと、外方部材1のフランジ1aの車体取付用のボルト孔14の近傍、つまりフランジ突片1aaの側面に接面する接面部40bとを有している。また、第2の接触固定部材41は、歪み発生部材22の接面部22bに接面する接面部41aと、外方部材1の外周面に接面する接面部41bとを有している。
センサ23A,23Bとしては、種々のものを使用することができる。例えば、センサ23A,23Bを金属箔ストレインゲージで構成することができる。その場合、通常、歪み発生部材22に対して接着による固定が行なわれる。
また、センサ23A,23Bを歪み発生部材22上に厚膜抵抗体にて形成することができる。その場合のセンサユニット21の構造を図4に示す。このセンサユニット21は、歪み発生部材22のセンサ取付面22A上に絶縁層50が形成され、この絶縁層50の表面の両側に対をなす電極51,51が形成され、これら電極51,51の間で前記絶縁層50の上にセンサとなる歪み測定用抵抗体52が形成され、さらに電極51,51と歪み測定用抵抗体52の上に保護膜53が形成された構造となっている。
このセンサユニット21の製造方法を次に示す。まず、ステンレス鋼等の金属材料で形成された歪み発生部材22の表面にガラス等の絶縁材料を印刷、焼成して絶縁層50を形成する。次に、絶縁層50の表面に、導電性材料を印刷、焼成して電極51,51を形成する。さらに、電極51,51間に、抵抗体となる材料を印刷、焼成して歪み測定用抵抗体52を形成する。さらに、これら電極51,51および歪み測定用抵抗体52を保護するために、保護膜53を形成する。
センサユニット対20の2つのセンサ23A,23Bは、図1に示すように信号選択手段31に接続される。この信号選択手段31は、2つのセンサ23A,23Bの出力信号のうち、いずれか1つの出力信号を設定条件に従って選択する手段である。
図5は、前記信号選択手段31の一構成例を示すブロック図である。この場合、信号選択手段31は、反転増幅回路(すなわちインバータ)33、切換スイッチ34、および切換制御回路35を有するスイッチ回路として構成される。切換スイッチ34は、2つの接点34a,34bと、これら接点34a,34bの間で切換接続される切換接点34cとを有する。一方のセンサ23Aの出力信号は1つの接点34aに直接伝達され、他方のセンサ23Bの出力信号は反転増幅回路33で反転されて他の1つの接点34bに伝達される。切換制御回路35は、2つのセンサ23A,23Bの出力信号をモニタして、その出力状態に応じ、設定条件に従って切換スイッチ34の切換接点34cを切換制御する。
図6(A)は、前記2つのセンサ23A,23の出力信号と、車輪用軸受に作用する上記した車幅方向の荷重(コーナリング荷重)Fy との関係を示すグラフである。同グラフにおいて、実線はセンサ23Aの出力信号に関するものであり、破線はセンサ23Bの出力信号に関するものである。これらのグラフから分かるように、車輪用軸受の外方部材1の上位置に設けられるセンサ23Aの出力信号は、車幅方向の荷重Fy としてプラス側荷重(ナックルから外方部材1が引き離される方向の荷重)が印加されたとき、非線形な出力信号となる。逆に、車幅方向の荷重Fy としてマイナス側荷重(ナックルの取付面に外方部材1が押し付けられる方向の荷重)が印加されたとき、荷重とほぼ比例関係にある出力信号となる。また、車輪用軸受の外方部材1の下位置に設けられるセンサ23Bの出力信号は、上記の場合と逆の関係となる。
そこで、図5の信号選択手段31は、切換制御回路35が次の設定条件に従って切り換えるようにする。すなわち、センサ23Aの出力信号が正の値(このときセンサ23Bの出力信号は負の値)であるとき、切換制御回路35が、センサ23Bの出力信号の反転信号を選択するように切換スイッチ34を切換制御する。逆に、センサ23Aの出力信号が負の値(このときセンサ23Bの出力信号は正の値)であるとき、切換制御回路35は、センサ23Aの出力信号を選択するように切換スイッチ34を切換制御する。これにより、図6(B)に実線で示すように、上記した荷重Fy がマイナス側からプラス側に変化する全範囲にわたって、信号選択手段31で選択された出力信号は線形特性を持った信号となる。
信号選択手段31は、このようにスイッチ回路で構成する場合のほか、例えばマイクロコンピュータ等のコンピュータ(図示せず)と、これに実行させる制御プログラムとで構成しても良い。
さらに、前記信号選択手段31は、図1に示すように推定手段32に接続される。推定手段32は、信号選択手段31で選択された出力信号により、車輪用軸受に作用する荷重(ここでは車幅方向の荷重Fy )を推定する手段であり、信号処理回路や補正回路などが含まれる。ここでは、推定手段32は、信号選択手段31で選択された出力信号と、車輪用軸受に作用する車幅方向の荷重Fy との関係を演算式またはテーブルなどにより設定した関係設定手段(図示せず)を有し、前記選択出力信号から前記関係設定手段を用いて車幅方向の荷重(コーナリング荷重)Fy を出力する。前記関係設定手段の設定内容は、予め試験やシミュレーションで求めておいて設定する。
車輪のタイヤと路面間に荷重が作用すると、車輪用軸受の固定側部材である外方部材1にも荷重が印加されて変形が生じる。外方部材1の変形は歪み発生部材22に伝わり、歪み発生部材22が変形する。その歪み発生部材22の歪みをセンサ23A,23Bにより測定する。この際、歪み発生部材22の径方向部位33cは外方部材1の車体取付用フランジ1aの変形にしたがって変形する。この実施形態の場合、外方部材1と比べ前記径方向部位22cは剛性が低く、かつ歪み発生部材22は剛性の低い径方向部位22cと剛性の高い軸方向部位22dとで構成された断面L字形をしているため、径方向部位22cと軸方向部位22dとの間である径方向部位22c側の角部22e(図3(B))付近に歪みが集中し、外方部材1よりも大きな歪みとなって現れる。すなわち、径方向部位22cと軸方向部位22dとの間で発生する歪みは、前記フランジ1aの基端のR部1b(図1)の歪みを転写かつ拡大したものとなる。この歪みをセンサ23A,23Bで測定するため、外方部材1の歪みを感度良く検出でき、歪み測定精度が高くなる。センサ23A,23Bの出力信号は上記したように信号選択手段31で選択される。選択された線形特性の出力信号により、推定手段32は、車輪用軸受に作用する車幅方向の荷重(コーナリング荷重)Fy を推定する。
このように、このセンサ付車輪用軸受では、2つのセンサ23A,23Bの出力信号から、信号選択手段31で線形特性を持った出力信号を選択して、この選択した出力信号に基づき推定手段32で車幅方向の荷重(コーナリング荷重)Fy を推定するようにしているので、出力信号の非線形性に影響されることなく、正確な車幅方向の荷重(コーナリング荷重)Fy を検出することができる。
図7は、前記実施形態におけるセンサユニット対20を構成する2つのセンサユニット21の他の設置例を示す。この設置例では、2つのセンサユニット21を、車輪用軸受の外方部材1における車両前後方向(x軸方向)の前側部と後ろ側部とに設置している。具体的には、外方部材1の外周の下半部における2つのフランジ突片1aaの突出する各周回位置にそれぞれセンサユニット21が設置されている。その取付構造は、上記した実施形態の場合と同様である。
この設置例によると、各センサユニット21のセンサ23A,23Bの出力信号から、車輪用軸受に作用する駆動力による荷重、つまり車両の前後方向(x軸方向)の荷重Fx を検出することができる。この場合にも、2つのセンサ23A,23Bの出力信号には、先の実施形態における車幅方向の荷重(コーナリング荷重)Fy と同様な線形領域と非線形領域の複合した特性が見られる。そこで、この設置例においても、2つのセンサ23A,23Bの出力信号を、先の実施形態における信号選択手段31で選択して、その選択された線形性を有する出力信号から推定手段32で前記荷重Fx を推定することにより、出力信号の非線形性に影響されることなく、正確な荷重Fx を検出することができる。
図8および図9は他の実施形態を示す。このセンサ付車輪用軸受は、図1の実施形態において、センサユニット21における歪み発生部材22と、第1および第2の接触固定部材40,41と、外方部材1との固定をボルトを用いて行うものである。図8に示すように、この場合の歪み発生部材22は、全体形状が図3に示す歪み発生部材22と同じであり、その一方の接面部22aに軸方向のボルト挿通孔70が形成され、他方の接面部22bに径方向のボルト挿通孔71が形成されている。また、第1の接触固定部材40には、前記ボルト挿通孔70に対応するボルト挿通孔72が形成され、第2の接触固定部材41には、前記ボルト挿通孔71に対応するボルト挿通孔73が形成されている。さらに、外方部材1には、内周面に雌ねじが形成されたボルト孔74,75が、前記ボルト挿通孔70,72に対応する位置、および前記ボルト挿通孔71,73に対応する位置にそれぞれ形成されている。
図8に示すように、センサユニット21は、歪み発生部材22のボルト挿通孔70および第1の接触固定部材40のボルト挿通孔72にアウトボード側からボルト76を挿通し、そのボルト76の雄ねじ部76aを外方部材1のボルト孔74に螺着させ、また歪み発生部材22のボルト挿通孔71および第2の接触固定部材41のボルト挿通孔73に外周側からボルト76を挿通し,そのボルト76の雄ねじ部76aを外方部材1のボルト孔75に螺着させることにより、外方部材1に固定される。
歪み発生部材22と、第1および第2の接触固定部材40,41と、外方部材1との固定については、接着剤およびボルトのいずれを用いても良い。また、両者を併用しても良い。さらには、接着剤やボルトを用いず、溶接で歪み発生部材22と外方部材1とを固定しても良い。これらの固定構造のいずれを採用した場合でも、歪み発生部材22と、第1および第2の接触固定部材40,41と、外方部材1とを強固に固定することができる。そのため、歪み発生部材22が外方部材1に対して位置ずれすることがなく、外方部材1の変形を歪み発生部材22に正確に伝えることが可能になる。
なお、前記各実施形態では、2つのセンサ23A,23Bの出力信号のうち、いずれか1つの出力信号を選択する信号選択手段31の選択動作として、各出力信号の出力値の正・負をモニタして、この値から線形特性となる出力信号を選択するようにしたが、他の設定条件に応じて出力信号を選択するようにしても良い。また、2つのセンサ23A,23Bの出力信号が、上記した実施形態の場合のように線形領域と非線形領域とが複合した
特性のものでなく、例えば車輪用軸受に作用する荷重の反映度合いが異なる場合にも、前記信号選択手段31により所定の設定条件(例えば出力値)に従って、荷重の反映度合いが高い出力信号を選択することで、同様に車輪用軸受に作用する荷重を正確に検出することができる。
また、前記各実施形態では、外方部材1が固定側部材である場合につき説明したが、この発明は、内方部材が固定側部材である車輪用軸受にも適用することができ、その場合、センサユニット21は内方部材の内周となる周面に設ける。
また、前記各実施形態では第3世代型の車輪用軸受に適用した場合につき説明したが、この発明は、軸受部分とハブとが互いに独立した部品となる第2世代型の車輪用軸受や、内方部材の一部が等速ジョイントの外輪で構成される第4世代型の車輪用軸受にも適用することができる。また、このセンサ付車輪用軸受は、従動輪用の車輪用軸受にも適用でき、さらに各世代形式のテーパころタイプの車輪用軸受にも適用することができる。
この発明の一実施形態にかかるセンサ付車輪用軸受の断面図とその検出系の概念構成のブロック図とを組み合わせて示す図である。 同センサ付車輪用軸受における外方部材の正面図である。 (A)はセンサユニットを分解して示す平面図、(B)はその側面図である。 センサユニットの他の例の断面構造を示す図である。 信号選択手段の一構成例を示すブロック図である。 (A)は2つセンサの出力信号の荷重Fy との関係を示すグラフ、(B)は信号選択手段で選択された出力信号と荷重Fy との関係を示すグラフである。 センサユニットの他の設置例を示す外方部材の正面図である。 この発明の他の実施形態にかかるセンサ付車輪用軸受の断面図である。 (A)は同センサ付車輪用軸受のセンサユニットを分解して示す平面図、(B)はそのIX−IX断面図である。
符号の説明
1…外方部材
1a…車体取付用フランジ
2…内方部材
3,4…転走面
5…転動体
20…センサユニット対
21…センサユニット
22…歪み発生部材
23A,23B…センサ
31…信号選択手段
32…推定手段
40,41…接触固定部材

Claims (10)

  1. 複列の転走面が内周に形成された外方部材と、上記転走面と対向する転走面を外周に形成した内方部材と、両部材の対向する転走面間に介在した複列の転動体とを備え、車体に対して車輪を回転自在に支持する車輪用軸受において、
    上記外方部材および内方部材のうちの固定側部材の外周に、その固定側部材の円周方向における略対向する位置に配置された2つのセンサユニットからなるセンサユニット対を設け、前記各センサユニットは、前記固定側部材の外周に設けられた車体取付用のフランジの側面のナックル取付部相当位置に接触して固定される第1の接触固定部と、前記固定側部材の外径面に接触して固定される第2の接触固定部とを有する歪み発生部材、およびこの歪み発生部材に取付けられてこの歪み発生部材の歪みを検出するセンサを有し、これら2つのセンサユニットの各センサの出力信号のうち、いずれか1つの出力信号を設定条件に従って選択する信号選択手段と、この信号選択手段で選択された出力信号により、車輪用軸受に作用する荷重を推定する推定手段とを設けたことを特徴とするセンサ付車輪用軸受。
  2. 請求項1において、前記信号選択手段は、前記各センサの出力信号のうち、線形特性となるいずれか1つの出力信号を選択するものであるセンサ付車輪用軸受。
  3. 請求項1または請求項2において、前記信号選択手段は、前記各センサの出力信号の値に応じて、いずれか1つの出力信号を選択するものであるセンサ付車輪用軸受。
  4. 請求項1または請求項2において、前記信号選択手段は、前記各センサの出力信号のうち、値が負となるいずれか1つの出力信号を選択するものであるセンサ付車輪用軸受。
  5. 請求項1ないし請求項4のいずいれか1項において、前記2つのセンサユニットは、タイヤ接地面に対して上下位置となる前記固定側部材の外周の上面部と下面部とに配置し、前記推定手段は車輪用軸受に作用する車両車幅方向の荷重を推定するものとしたセンサ付車輪用軸受。
  6. 請求項1ないし請求項4のいずれか1項において、前記2つのセンサユニットは、前記固定側部材の外周における車両前後方向の前側部と後ろ側部とに配置し、前記推定手段は車輪用軸受に作用する車両前後方向の荷重を推定するものとしたセンサ付車輪用軸受。
  7. 請求項1ないし請求項6のいずれか1項において、前記信号選択手段がスイッチ回路で構成されるセンサ付車輪用軸受。
  8. 請求項1ないし請求項6のいずれか1項において、前記信号選択手段が、制御プログラムおよびこの制御プログラムを実行するコンピュータからなるセンサ付車輪用軸受。
  9. 請求項1ないし請求項8のいずれか1項において、前記歪み発生部材は断面概形がL字状の板材であり、前記センサは前記歪み発生部材の表面に固定される歪み抵抗素子であるセンサ付車輪用軸受。
  10. 請求項9において、前記歪み抵抗素子が抵抗体を印刷して形成したものであるセンサ付車輪用軸受。
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