JP2009144528A - 燃料性状検出装置、燃料性状検出方法 - Google Patents

燃料性状検出装置、燃料性状検出方法 Download PDF

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Abstract

【課題】使用燃料のセタン価の検出精度を向上させることが可能な燃料性状検出装置、及び燃料性状の検出方法の提供。
【解決手段】セタン価検出処理では、運転指標、環境指標、及び吸気指標の全てが満たされた場合(S140:YES)に、初期設定量Qpfを噴射量Qpとしてプレ噴射を実行し、不発生要因があれば、補正係数算出処理を実行する(S190)。その補正係数算出処理では、不発生要因に従って、温度補正係数を取得する。一方、不発生要因がない(解消された)場合、噴射量Qpを変更量ΔQpだけ増加し(S180)、その増加した噴射量Qpでのプレ噴射にて取得される発生トルク値、及びそれらのプレ噴射での噴射量Qpの増加分に従ってトルク感度を導出して(S210)、その導出されたトルク感度に基づき推定セタン価CNaを検出(S220)した後、推定セタン価CNaを補正したセタン価を導出する(S230)。
【選択図】図2

Description

本発明は、ディーゼル機関にて使用される燃料の燃料性状を検出する燃料性状検出装置、及びその燃料性状の検出方法に関する。
従来、車両用ディーゼル機関では、燃焼騒音の低減、排出NOxの抑制等のために、主噴射の前後に副噴射を実行する多段噴射制御がなされている。
この多段噴射制御による効果をより確実なものとするためには、実際に使用されている軽油等の燃料性状(特に、セタン価)を検出し、副噴射時の噴射量や、噴射タイミングを修正(補正)することが重要となる。
このため、ディーゼル機関で使用される燃料の燃料性状を検出する方法として、予め規定された数周期(1周期は単位時間)分の回転数から最大回転数と最小回転数との偏差(以下、回転変動とする)を求め、その回転変動が基準値よりも大きい場合、燃料性状は重質であり、回転変動が基準値よりも小さい場合、燃料性状は軽質であることを検出することが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
また、燃料性状を検出する方法の中には、筒内圧センサー(即ち、シリンダー内の圧力を計測)を用いて、副噴射での着火のタイミングや燃焼量を測定し、それらの測定結果から使用燃料のセタン価を検出することも提案されている(例えば、特許文献2参照)。
特開2005−23856号公報 特開2006−226188号公報
ところで、ディーゼル機関では、たとえ、燃料性状が同一な使用燃料を一定量ずつ噴射し続けたとしても、外気温やシリンダ内に吸入される空気の性状等によって回転数は、大きな影響を受ける。
このため、特許文献1に記載の燃料性状の検出方法では、回転数が、燃料性状の変化によって変動したのか、その他の要因に起因して変動したのか特定することができず、燃料性状を正確に検出できないという問題がある。
また、筒内圧センサーは、通常、主噴射時の筒内圧を検出するために設置されるものであり、副噴射時のような微小量(主噴射の1/30程度)を噴射した時の圧力変動では、燃焼による出力なのかノイズによる出力なのか判定が困難である。即ち、従来の筒内圧センサーでは、副噴射での着火のタイミングや燃焼量を検出できない可能性があり、特許文献2に記載の燃料性状検出方法であっても、使用燃料の燃料性状を正確に検出できないという問題がある。
そこで、本発明は、使用燃料のセタン価の検出精度を向上させることが可能な燃料性状検出装置、及び燃料性状の検出方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するためになされた本発明は、主噴射の前後の燃焼可能なタイミングに、主噴射よりも少ない噴射量での副噴射を少なくとも一回実行する燃料噴射装置を有したディーゼル機関に用いられる使用燃料のセタン価を検出する燃料性状検出装置である。
その本発明の燃料性状検出装置では、副噴射制御手段が、副噴射の一つを特定噴射とし、予め規定された初期量、及び初期量から変更量だけ異なる基準量を噴射量として特定噴射を燃料噴射装置に実行させ、物理量取得手段が、ディーゼル機関の燃焼状態を特定可能な物理量である特定量を取得する。
そして、変更感度導出手段が、物理量取得手段が初期量での特定噴射時に取得した初期特定量から基準量での特定噴射時に取得した変更特定量への変化量を変更物理量として求め、変更量に対する変更物理量の割合を表す変更感度を導出すると共に、燃料性状検出手段が、変更感度と燃料のセタン価との対応関係を用いて、変更感度導出手段で導出された変更感度から、使用燃料のセタン価を検出する。
つまり、本発明の燃料性状検出装置では、予め規定された少なくとも2水準の噴射量にて特定噴射を実行し、その時の噴射量の変化分である変更量に対する特定量の変化量(即ち、変更物理量)の変化率(即ち、変更感度)を導出し、変更感度に基づいて使用燃料のセタン価を検出する。
したがって、ディーゼル機関の運転状態や、動作環境にバラつきが生じたとしても、変更感度は大きく変動しないことから、本発明の燃料性状検出装置によれば、ディーゼル機関の運転状態や、動作環境による影響をオフセットでき、この結果、セタン価の検出精度を向上させることができる。
このため、本発明の燃料性状検出装置にて検出された使用燃料のセタン価を用いて、副噴射のタイミングや、副噴射時の噴射量、ディーゼル機関からの排気ガスをシリンダ内へと還流する際の還流ガス量を制御することにより、排気エミッション(例えば、NOx,スモーク,HC,Co)を低減することができる。
また、本発明の燃料性状検出装置によれば、新たなセンサー等を設ける必要がないため、当該装置を構成するために必要な費用を抑制することができる。
なお、ここで言う物理量とは、燃焼量が大きいほど値が増加するものであり、また、変更感度とセタン価との対応関係とは、変更感度が増加するほど高いセタン価となるものである。
また、本発明の燃料性状検出装置は、請求項2に記載のように、環境指標取得手段が、ディーゼル機関が利用されている時の動作環境を表す環境指標を取得し、運転指標取得手段が、ディーゼル機関の運転状態を表す運転指標を取得し、吸気指標取得手段が、ディーゼル機関のシリンダ内に流入する気体の状態を表す吸気指標を取得すると共に、適合判定手段が、取得された環境指標、運転指標、吸気指標のうち、少なくともいずれか一つが、各指標毎に予め設定された許容範囲に入る所定状態である場合、燃料性状検出手段でのセタン価の検出を許可するように構成されていても良い。
このように構成された燃料性状検出装置によれば、各指標が許容範囲に入る、即ち、ディーゼル機関が予め設定された動作条件を満たす場合にセタン価を検出するため、使用燃料のセタン価の検出精度をより向上させることができる。
特に、適合判定手段は、環境指標、運転指標、及び吸気指標の全てが許容範囲内である場合に、セタン価の検出を許可することが望ましく、この場合、より厳しい動作条件の下でセタン価を検出するため、検出精度をより確実に向上させることができる。
なお、適合判定手段は、環境指標、運転指標、及び吸気指標のうち、少なくともいずれか一つが許容範囲に入る場合に、副噴射制御手段が初期量、及び基準量にて特定噴射を実行することで、燃料性状検出手段でのセタン価の検出を実行することが望ましい。
ただし、ここで言う環境指標とは、ディーゼル機関のシリンダ内に流入する流入気体の温度や、大気圧を表すものであり、運転指標とは、ディーゼル機関の回転数や、主噴射もしくは副噴射時での噴射量を表すものである。また、吸気指標とは、ディーゼル機関のシリンダ内に流入する流入気体の流入量を少なくとも含むものであり、ディーゼル機関が排気ガスを還流して、シリンダ内に流入する還流機構を有したものであれば、流入気体の全流入量に対する還流量の割合(いわゆるEGR率)を含むことが望ましい。
さらに、本発明の燃料性状検出装置は、請求項3に記載のように、所定状態にて特定噴射を実行した時に得られるべき特定量を基準にして予め設定された範囲を所定範囲とし、ディーゼル機関のシリンダ内に流入する気体を流入気体とし、流入気体の温度を吸気温度とし、流入気体中の酸素密度を筒内酸素密度として、適合判定手段で燃料性状検出手段でのセタン価の検出が許可され、かつ物理量取得手段が取得した初期特定量が所定範囲から外れている場合、要因判定手段が、所定範囲から外れた要因が、吸気温度、もしくは筒内酸素密度の少なくとも一方であるかを判定し、補正手段が、要因判定手段での判定結果に基づき、燃料性状検出手段で検出されるセタン価を補正するように構成されていても良い。
このように構成された本発明の燃料性状検出装置によれば、初期特定量が所定範囲から外れた要因に基づいてセタン価を補正するため、最終的に出力されるセタン価の検出精度をより向上させること、即ち、補正後のセタン価を実際のセタン価に近づけることができる。
ただし、ここで言う筒内酸素密度とは、流入気体の量(質量もしくは体積)に対する酸素量(質量もしくは体積)を表す指標であり、例えば、流入気体中の酸素質量を隙間容積で除することで求められる。
そして、本発明の燃料性状検出装置における要因判定手段には、請求項4に記載のように、予め規定された限界量までは、特定噴射を実行する毎に、所定量だけ異なる噴射量へと変更する噴射量変更手段と、ディーゼル機関に備えられ、大気中の空気と排気ガスとを混合して流入気体を生成し、大気中の空気の流入量と排気ガスの流入量とを調整する調整機構を、噴射量変更手段が限界量まで噴射量を変更した後、筒内酸素密度が増加するように制御する流入制御手段とが設けられていてもよい。このように要因判定手段が構成されている場合、副噴射変更手段が限界量まで噴射量を変更する前での特定噴射時に、物理量取得手段で取得した特定量が所定範囲内へと移行した場合、要因が、吸気温度であるものと判定し、流入制御手段が筒内酸素密度を単調に増加させた後、特定噴射を実行した時点で、物理量取得手段が取得した特定量が所定範囲内へと移行した場合、要因が、筒内酸素密度であるものと判定することが望ましい。
なお、噴射量変更手段は、変更した噴射量を初期量として再規定し、その再規定された初期量にて副噴射制御手段が副噴射を行っても良い。
ところで、発明者らは、図8に示すように、筒内酸素密度が所定値(図8中、たとえば2.0g/cm3)未満では、噴射量に係わらず使用燃料を噴射しても燃焼が発生せず(即ち、物理量を取得できず)、筒内酸素密度が所定値(たとえば2.0g/cm3)以上では、燃焼量が最大燃焼量(即ち、使用燃料の種類によって決まる最大の燃焼量)となるまでは、筒内酸素密度が増加するほど燃焼量(燃焼率)が増加することを発見した。さらに、発明者らは、使用燃料のセタン価が低いほど(図8中、高セタン価燃料、中セタン価燃料、低セタン価燃料の順でセタン価が低くなる)、最大燃焼量を得るために必要な酸素密度が高くなることを発見した。ただし、図8は、予め規定された一定量を噴射量として特定噴射を実施した時の筒内酸素密度と燃焼量(もしくは燃焼率)との関係を示したものである。
この発明者らが発見した知見を用いて、使用燃料のセタン価を求める方法としては、筒内酸素密度が所定値から、最大燃焼量を得るために必要な酸素密度となるまでの区間において、特定噴射毎に筒内酸素密度を変更(例えば、増加)し、予め規定された燃焼量が得られた時点での筒内酸素密度を求め、その求めた筒内酸素密度から使用燃料のセタン価を求めることが考えられる。さらには、特定噴射毎に筒内酸素密度を変更(例えば、増加)し、最大燃焼量が得られた(例えば、燃焼量が変化しなくなった)時点での筒内酸素密度を求め、その求めた筒内酸素密度から使用燃料のセタン価を求めること等も考えられる。
これらの知見を用いて使用燃料のセタン価を補正するためには、本発明の燃料性状検出装置における補正手段は、請求項5に記載のように、酸素密度算出手段が筒内酸素密度を算出すると共に、要因判定手段での判定結果が筒内酸素密度である場合、予め設定している所定の酸素密度よりも筒内酸素密度が高いほど、燃料性状検出手段で検出されたセタン価が低下するように補正するように構成されていることが望ましい。
このように構成された燃料性状検出装置によれば、筒内酸素密度が高いほどセタン価が低下するように補正することで、セタン価の検出精度をより向上させることができる。
また、本発明の燃料性状検出装置における補正手段は、請求項6に記載のように、温度取得手段が吸気温度を取得すると共に、要因判定手段での判定結果が吸気温度である場合、吸気温度が、所定状態での吸気温度から高温側に離れているほど、燃料性状検出手段で検出されたセタン価が低下するように補正するように構成されていることが望ましい。
このように構成された燃料性状検出装置によれば、吸気温度が所定状態での吸気温度から高温側に離れているほどセタン価が低下するように補正することで、セタン価の検出精度をより向上させることができる。
さらに、本発明の燃料性状検出装置における特定量は、請求項7に記載のように、発生仕事量、回転数変動の少なくともいずれか一つであることが望ましい。
このような本発明の燃料性状検出装置によれば、特許文献2に記載の燃料性状を検出する方法と異なり、筒内圧センサーが不要となるため、使用燃料の燃料性状を安価に検出することができる。
ただし、ここで言う発生仕事量とは、ディーゼル機関での特定噴射時に発生する仕事量を表す指標であり、例えば、ディーゼル機関にて発生するトルク、燃焼量にて代用することや、回転数から導出することができる。なお、副噴射時のシリンダ内の圧力を精度良く検出可能であれば、筒内圧力から導出した仕事量や、筒内圧力そのものを特定量としても良い。
特に、特定量をトルクから求めれば、副噴射によって発生する微小燃焼であっても、精度良く検出することができる。このため、少ない噴射量で使用燃料のセタン価を検出できる。
なお、本発明が燃料性状検出方法としてなされた場合、請求項8に記載のように、特定噴射過程にて、予め規定された初期量、及び初期量から変更量だけ異なる基準量を噴射量として特定噴射を燃料噴射装置に実行させ、変更感度導出過程にて、初期量での特定噴射時に取得した初期特定量から基準量での特定噴射時に取得した変更特定量への変化量を変更物理量として求め、変更量に対する変更物理量の割合を表す変更感度を導出して、燃料性状検出過程にて、変更感度と燃料のセタン価との対応関係を用いて、変更感度導出過程で導出された変更感度から、使用燃料のセタン価を検出するようにされている必要がある。
このような燃料性状検出方法であっても、請求項1に記載の燃料性状検出装置と同様の効果を得ることができる。
以下に本発明の実施形態を図面と共に説明する。
〈全体構成〉
図1は、本発明が適用された内燃機関制御システムの概略構成を示した説明図である。
図1に示すように、本実施形態の内燃機関制御システム1は、自動車に搭載された4気筒のディーゼル機関5を中心に構成されたものであり、ディーゼル機関5から排出される排気ガスを、導管11を用いて車両外へ排気する排気系10と、大気中の空気(以下、新鮮空気とする)と排気ガスとを混合してディーゼル機関5に供給する吸気系20とを備えている。さらに、内燃機関制御システム1は、燃料タンク41に蓄えられた燃料(即ち、軽油等、以下、使用燃料とする)をディーゼル機関5に供給する燃料供給系40と、吸気系20や燃料供給系40を制御すると共に、使用燃料のセタン価を検出する内燃機関制御ECU50とを備えている。
このうち、排気系10は、ディーゼル機関5から排出された排気ガス中の窒素酸化物(NOx)や、硫黄酸化物(SOx)を還元するための後処理装置12を備え、その後処理装置12は、ディーゼル機関5から車両外へと排気ガスを排出するための経路上に設置されている。
また、吸気系20は、ディーゼル機関5に新鮮空気を供給するための新鮮空気供給系22と、ディーゼル機関5から排出された排気ガスをディーゼル機関5に還流するための還流系30とを備え、新鮮空気の供給量と排気ガスの供給量とを調整した上で、それらの気体を混合し、ディーゼル機関5に供給するものである。
そのうち、新鮮空気供給系22は、大気中の空気から塵等を除去して導管27に新鮮空気を送り込むエアクリーナ23と、新鮮気体を圧縮するための過給機24と、過給機24にて圧縮された新鮮気体を冷却する吸気冷却装置25と、吸気冷却装置25にて冷却された新鮮空気のディーゼル機関5への供給量を調整するための調整弁(以下、新鮮気体調整弁とする)26とを備えている。そして、これらのエアクリーナ23、過給機24、吸気冷却装置25、新鮮気体調整弁26は、導管27を介して接続されている。
一方、還流系30は、ディーゼル機関5から排出される排気ガスを冷却する還流ガス冷却装置31と、還流ガス冷却装置31にて冷却された排気ガス(以下、還流ガスと称す)のディーゼル機関5への供給量を調整するための調整弁(以下、還流ガス調整弁とする)32とを備えている。そして、これらの還流ガス冷却装置31、還流ガス調整弁32は、導管33を介して接続されている。
なお、吸気系20は、新鮮空気供給系22の導管27と、還流系30の導管33とが、それぞれの調整弁26、32よりも下流(即ち、ディーゼル機関5に近い)側にて接続されている。つまり、吸気系20は、排気ガスを還流して、新鮮気体との混合気(以下、流入気体とする)をディーゼル機関5内に供給する、いわゆる還流機構を有したものである。
また、燃料供給系40は、使用燃料を蓄える燃料タンク41と、燃料タンク41に蓄えられた使用燃料を加圧するサプライポンプ42と、サプライポンプ42で加圧された高圧な使用燃料(例えば、180MPa程度)を蓄えるコモンレール43と、コモンレール43から供給される高圧な使用燃料をシリンダ内に噴射するインジェクタ44とを備えている。
このうち、インジェクタ44は、内燃機関制御ECU50から入力されたパルス状の電流(以下、駆動信号とする)により駆動され開弁する電磁駆動式の開閉弁を有しており、ディーゼル機関5の各気筒に一つずつ配設されている。なお、各インジェクタ44は、入力された駆動信号の立上がり位置によって使用燃料の噴射タイミングが、駆動信号のパルス幅によって使用燃料の噴射量が制御されるものである。
なお、内燃機関制御システム1には、流入気体の温度(以下、吸気温度とする)を検出する吸気温センサー51と、流入気体の圧力を検出する吸気圧センサー52と、流入気体中の酸素量を検出する吸気組成センサー53と、空燃比を検出するためのA/Fセンサー54と、大気圧を検出するための大気圧センサー55と、ディーゼル機関5のクランク角を検出するクランク角センサー56と、ディーゼル機関5内の燃焼により発生するトルクを検出するトルクセンサー57とが備えられている。さらに、内燃機関制御システム1には、図示しないが、アクセル開度を検出するアクセルセンサー、冷却水の温度を検出する水温センサー、コモンレール内に蓄えられた使用燃料の圧力(いわゆるコモンレール圧)を検出するコモンレール圧センサー等のセンサーも備えられている。なお、以下では、これらのセンサーをセンサー群と総称する。
〈内燃機関制御ECU〉
次に、内燃機関制御ECUについて説明する。
内燃機関制御ECU50は、電源を切断しても記憶内容を保持する必要のあるデータや、プログラムを格納するROMと、処理途中で一時的に生じたデータを格納するRAMと、ROMやRAMに記憶された処理プログラムを実行するCPUとを少なくとも備えた周知のマイクロコンピュータを中心に構成されたものである。なお、内燃機関制御ECU50には、センサー群や、新鮮気体調整弁26、還流ガス調整弁32、各インジェクタ44が接続されている。そして、内燃機関制御ECU50は、センサー群から入力された情報、及び出力した指令量に基づいて、予め規定された時間間隔(例えば、0.1秒)でのディーゼル機関5の回転数や、EGR率(=還流ガス量/(新鮮気体量+還流ガス量))、シリンダ内に吸気される流入気体の量、流入気体の酸素密度(以下、筒内酸素密度(=流入気体中の酸素質量/ピストンヘッドが圧縮端に位置する時の隙間容積)とする)を算出するように構成されている。
このうち、ROMには、インジェクタ44から使用燃料を噴射するように駆動信号を生成、出力するメイン処理をCPUが実行するためのメイン処理プログラムが格納されている。
なお、ここで言うメイン処理は、各シリンダ(ピストン)の動作行程のうちの一回の燃焼行程において、流入気体と使用燃料との混合気を生成することを目的とするパイロット噴射、騒音,振動及びNOxの低減を目的とするプレ噴射、ピストンの駆動を目的とするメイン噴射、燃焼により生じた粒子状物質(PM)の再燃焼を目的とするアフター噴射、及び後処理装置での還元反応を促進させることを目的とするポスト噴射をインジェクタ44に実行させるものである。
ただし、メイン噴射(主噴射)は、パイロット噴射、プレ噴射、アフター噴射、及びポスト噴射での噴射量よりも多くの量の使用燃料を噴射するものであり、この噴射により、圧縮行程で高温(おおよそ900K以上)となった流入気体を燃焼させ、ピストンを駆動させる(即ち、膨張行程を実行させる)。また、プレ噴射及びアフター噴射(以下、これらの噴射を副噴射とも称す)は、ピストンヘッドが上死点近傍(例えば、マイナス20degから20deg、ただし、上死点での角度が0deg)に位置している時に実行されることで、圧縮された流入気体にて微小燃焼を発生するものである。
すなわち、具体的に、メイン処理では、センサー群から取得された情報に基づいて、各噴射の噴射タイミングを決定すると共に、それぞれの噴射タイミングまでにRAMに格納され、各噴射毎に設定された噴射量を読み出して、その噴射量にて各インジェクタが使用燃料を噴射するように駆動信号を生成、出力する。そして、この一連の処理を繰り返すことで、ディーゼル機関5が動作する。
つまり、内燃機関制御システム1では、内燃機関制御ECU50がメイン処理を実行することにより、各インジェクタ44は、ディーゼル機関5の各シリンダでの一回の燃焼行程において、パイロット噴射、プレ噴射、メイン噴射、アフター噴射、及びポスト噴射という5回の噴射を行う、いわゆる多段噴射を実行する。
ところで、一般的な内燃機関制御システムでは、ディーゼル機関5の回転数に応じて発生するべきトルク(以下、目標トルクとする)が予め規定されており、この目標トルクを発生させるために必要となる吸気温度や、EGR率等の各制御目標が、回転数及び目標トルクと対応付けられている。
つまり、ROMには、図5に示すように、回転数及び目標トルクと制御目標とが対応付けられた適合マップが格納されている。具体的に、本実施形態の適合マップは、図5(A)に示すように、回転数が増加するほど吸気温度が低下するように、回転数(目標トルク)と吸気温度とが対応付けられた吸気温度適合マップや、図5(B)に示すように、目標トルクが増加するほどEGR率が低下するように、目標トルク(回転数)とEGR率とが対応付けられたEGR率適合マップ等を少なくとも含むものである。
また、ROMには、予め規定された異なる噴射量にて副噴射(本実施形態では、プレ噴射とする)を実行し、その副噴射を実行することで発生するトルク(以下、発生トルクとする)に基づいて、噴射量の変更分に対する発生トルクの変化量を表すトルク感度を求め、そのトルク感度から使用燃料のセタン価を検出することに加えて、その検出されたセタン価を、吸気温度、筒内酸素密度に応じて補正するセタン価検出処理をCPUが実行するための処理プログラムが格納されている。
さらに、ROMには、図6に示すように、セタン価検出処理の実行時に参照され、予め実験などによって求められた結果に従って、トルク感度が増加するほど高いセタン価となるように、トルク感度とセタン価とが対応付けられたセタン価対応マップが記憶されている。このほか、ROMには、副噴射(本実施形態では、プレ噴射)時の噴射量に応じて最低限発生するべきトルク(以下、基準トルクgとする)が、噴射量が増加するほど基準トルクgも増加するように対応付けられた基準トルクマップが記憶されている。
また、ROMには、図7に示すように、セタン価検出処理の実行時に補正係数を導出するために参照され、予め実験などによって求められた結果に従って導出された吸気温度補正マップと、筒内酸素密度補正マップとが記憶されている。
このうち、吸気温度補正マップは、図7(A)に示すように、吸気温度適合マップに表された吸気温度(以下、理想温度とする)と実際の吸気温度との偏差(以下、温度偏差とする)と、補正係数とが対応付けられたものであり、温度偏差が0であれば補正係数は1に、実際の吸気温度が理想温度よりも高い側に離れるほど、小さな値の補正係数となるように対応付けられている。一方、筒内酸素密度補正マップは、図7(B)に示すように、筒内酸素密度が0から予め規定された所定値(本実施形態では、2.0g/cm3)未満では、補正係数が1に、筒内酸素密度が所定値以上であれば、筒内酸素密度が高いほど小さな値の補正係数となるように対応付けられている。
つまり、内燃機関制御ECUは、メイン処理と、セタン価検出処理とを同時に実行可能に構成されている。
〈セタン価検出処理〉
次に、内燃機関制御ECUが実行するセタン価検出処理について説明する。
ここで、図2は、セタン価検出処理の処理手順を示したフローチャートである。
このセタン価検出処理は、ディーゼル機関5が始動された時(本実施形態では、イグニッションスイッチがONされた時とする)に起動されるものであり、各インジェクタ44毎に実行されるものである。そして、セタン価検出処理は、起動されると、まず、S110にて、予め規定された時間間隔毎に算出されるディーゼル機関5の回転数に基づいて、その回転数の変動(即ち、時間間隔毎の回転数の差分)を運転指標として導出する。
続く、S120では、S110にて算出した回転数の変動が、予め規定された規定時間(例えば、1秒間)継続して、予め規定された規定範囲に入るか否かを判定する。即ち、S120では、S110にて算出される時間間隔毎の回転数のバラつきに基づいて、ディーゼル機関が定常状態にあるか否かを判定する。
そして、判定の結果、規定時間が経過するまでに、回転数の変動が規定範囲から外れた場合、ディーゼル機関5が定常状態ではないものとして、S110へと戻り、回転数の変動が規定時間継続して規定範囲に入るものと判定された場合には、ディーゼル機関5が定常状態であるものとして、S130へと進む。
そのS130では、S130に進んだ時点での吸気温度を環境指標として、S130に進んだ時点でのEGR率を吸気指標として求める。
続くS140では、ROMに記憶されている吸気温度適合マップ、及びEGR率適合マップから、S120にて定常状態であると判定された時の回転数に対応する吸気温度、及びEGR率を読み出す。そして、その読み出した吸気温度、及びEGR率を基準として予め規定されたそれぞれの許容範囲(例えば、各マップから読み出された吸気温度、及びEGR率の上下5%程度)に、S130にて求められた環境指標、及び吸気指標のそれぞれが入るか否かを判定する。
その判定の結果、環境指標、及び吸気指標の両方ともが規定範囲に入らない場合、本セタン価検出処理を終了し、判定の結果、環境指標、及び吸気指標の両方ともが許容範囲に入る場合には、セタン価の検出を許可するものとして、S150へと進む。
続くS150では、RAMに格納されたプレ噴射での噴射量Qpが読み出され、その読み出された噴射量Qpの使用燃料が、インジェクタ44から噴射されるまで待機する。そして、噴射量Qpの使用燃料がインジェクタ44から噴射されると、そのプレ噴射を実行することで生じたトルク(即ち、発生トルク)を、トルクセンサー57によって検出する。なお、S150に初めて進んだ場合には、初期値として予め設定されている初期設定量Qpfが読み出されることになる。
さらに、S160では、S150にてトルクセンサー57によって検出された発生トルクの値(以下、発生トルク値とする)を、そのプレ噴射時の噴射量Qpと対応付けて記憶する。
そして、S170では、ROMに記憶された基準トルクマップから、初期設定量Qpfでのプレ噴射に対応する基準トルクgを読み出し、S160にて記憶された発生トルク値が、読み出した基準トルクg以上であるか否かを判定し、判定の結果、発生トルクが基準トルクg以上であれば、S180へと進む。
一方、判定の結果、発生トルクが基準トルクg未満であれば、S190へと進む。そのS190では、S150のプレ噴射時での発生トルクが基準トルクg未満となった要因(以下、不発生要因とする)が、吸気温度もしくは筒内酸素密度のいずれであるかを判定し、その判定結果に従って、吸気温度補正マップ、または筒内酸素密度補正マップから、使用燃料のセタン価を補正するための補正係数を導出する補正係数算出処理を実行する。
〈補正係数算出処理〉
ここで、補正係数算出処理について説明する。
図3は、補正係数算出処理の処理手順を示したフローチャートである。
図3に示すように、この補正係数算出処理は、セタン価検出処理のS190にて起動されると、まず、S310では、先のS150にて実行されたプレ噴射時の噴射量Qpを、予め規定された第二変更量ΔQp2増加した噴射量Qpに設定し、その設定された噴射量QpをRAMに格納する。
続く、S320では、RAMに格納された噴射量Qpがプレ噴射にて噴射されるまで待機し、S310にて変更された噴射量Qpの使用燃料が噴射されると、そのプレ噴射を実行することで生じたトルク(即ち、発生トルク)を、トルクセンサー57によって検出する。さらにS330では、S320にてトルクセンサー57によって検出された発生トルク値を、そのプレ噴射のために増加された噴射量の増加分の和(以下、増加噴射量ΣΔQp2とする)と対応付けて記憶する。
続く、S340では、ROMに記憶された吸気温度適合マップから、S320のプレ噴射時に噴射された噴射量Qpに対応する吸気温度(以下、基準吸気温度とする)を読み出す。そして、その読み出した基準吸気温度と、S340に進んだ時点での吸気温度との偏差(以下、吸気ガス温度偏差ΔTと称す)を算出する。ただし、噴射量Qpと回転数とは、予め規定された対応関係にある。
さらに、S350では、S330にて記憶された発生トルク値が、先のS170にて読み出した基準トルクg以上であるか否かを判定する。そして、判定の結果、発生トルクが基準トルクg以上であれば、不発生要因が吸気温度であるものとして、S380へと進む。
そのS380では、ROMに記憶された吸気温度補正マップから、S340にて算出された吸気温度偏差ΔTに対応する温度補正係数Ktを読み出し、その後、セタン価検出処理のS180へと戻る。
一方、S350での判定の結果、発生トルクが基準トルクg未満であれば、S360へと進む。そのS360では、S330で記憶された増加噴射量ΣΔQp2が、予め定められた補正係数算出処理での上限増加量Qp2MAX以上であるか否かを判定し、判定の結果、増加噴射量ΣΔQp2が上限増加量Qp2MAX未満であれば、S310へと戻り、S310からS350を繰り返す。
なお、S360での判定の結果、増加噴射量ΣΔQp2が上限増加量Qp2MAX以上であれば、不発生要因が吸気温度以外であるものとして、S370へと進む。
そのS370では、筒内酸素密度補正マップから、使用燃料のセタン価を補正するための酸素密度補正係数KO2を導出する酸素密度補正処理を実行する。
つまり、補正係数算出処理では、不発生要因が吸気温度であるものと判定すると、吸気温度偏差ΔTが高温側に離れるほど、小さな値(ただし、1未満)の温度補正係数Ktを取得し、不発生要因が吸気温度以外であるものと判定すると、酸素密度補正処理を実行する。
〈酸素密度補正処理〉
ここで、酸素密度補正処理について説明する。
図4は、酸素密度補正処理の処理手順を示したフローチャートである。
図4に示すように、この酸素密度補正処理は、補正係数算出処理のS370にて起動されると、まず、S410では、流入気体中の酸素量が、予め規定された酸素量ΔO2d増加するように、新鮮気体調整弁26、及び還流ガス調整弁32に制御指令を出力する。そして、制御指令を受けた新鮮気体調整弁26、及び還流ガス調整弁32は、それぞれの開放度を変更し、流入気体中の酸素量を酸素量ΔO2dだけ増加させることで、筒内酸素密度を増加させる。
続く、S420では、RAMに格納された噴射量Qpの使用燃料がプレ噴射にて噴射されるまで待機し、噴射量Qpの使用燃料が噴射されると、そのプレ噴射を実行することで生じたトルク(即ち、発生トルク)を、トルクセンサー57によって検出する。ただし、この酸素密度補正処理では、先の補正係数算出処理にて、上限増加量Qp2MAXまで増加された噴射量QpがRAMに格納(設定)されている。
さらにS430では、S420にてトルクセンサー57によって検出された発生トルク値を、そのプレ噴射のために増加された酸素量ΔO2dの和(以下、増加酸素量ΣΔO2dとする)と対応付けて記憶する。
そして、S440では、S430にて記憶された発生トルク値が、先のS170にて読み出した基準トルクg以上であるか否かを判定する。そして、判定の結果、発生トルクが基準トルクg未満であれば、S450へと進む。
そのS450では、S430で記憶された増加酸素量ΣΔO2dが、予め定められた酸素増加量の上限値である上限酸素量O2dh以上であるか否かを判定し、判定の結果、増加酸素量ΣΔO2dが上限酸素量O2dh未満であれば、S410へと戻り、S410からS440を繰り返す。
一方、S450での判定の結果、増加酸素量ΣΔO2dが上限酸素量O2dh以上であれば、セタン価検出処理を終了する。
なお、S440での判定の結果、発生トルクが基準トルクg以上であれば、不発生要因が筒内酸素密度であるものとして、S460へと進む。
そのS460では、ROMに記憶された筒内酸素密度補正マップから、S430にて記憶された増加酸素量ΣΔO2dに対応する酸素密度補正係数KO2を読み出し、その後、セタン価検出処理のS180へと戻る。
つまり、酸素密度補正処理では、不発生要因が筒内酸素密度であるものと判定すると、増加酸素量ΣΔO2dが基準値以上であれば、増加酸素量ΣΔO2dが大きいほど小さな値(ただし、1未満)の酸素密度補正係数KO2を取得し、不発生要因が、吸気温度及び筒内酸素密度以外であるものと反対された場合には、使用燃料のセタン価を検出することなくセタン価検出処理を終了する。
ここで、セタン価検出処理(即ち、図2)へと戻ると、S180では、このS180へと進んだ時点でRAMに記憶されているプレ噴射時の噴射量Qpを読み出す。そして、その読み出した噴射量Qpから予め規定された第一変更量ΔQpだけ増加した噴射量QpをRAMに記憶すると共に、カウンタNを一つインクリメントする。
つまり、今サイクルにて補正係数算出処理を経てS180へと進んだ場合には、補正係数算出処理にて増加された噴射量Qp(即ち、初期設定量Qpf+ΣΔQp2)を、さらに第一変更量ΔQp増加し、今サイクルにて補正係数算出処理を経ることなくS180へと進んだ場合(即ち、S170:YES)には、S150にて噴射された噴射量Qpから変更量ΔQpだけ増加する。
以下では、初めてS180へと進んだ際に、RAMに記憶した噴射量Qpを初期量Qp1と称す。
続く、S200では、カウンタNが予め規定された最大数Nmax(本実施形態では6とする)以上であるか否かを判定し、判定の結果、最大数Nmax未満である場合にはS150へと戻り、S150からS180の処理を繰り返す。なお、一度、補正係数算出処理を実行すると、噴射量の増加や、流入気体中の酸素量の増加により、発生トルクが基準トルクg以上となるため、再度、補正係数算出処理が実行される可能性は低くなる。つまり、S190にて実行される補正係数算出処理では、発生トルクが基準トルクg以上となった場合にのみ、セタン価検出処理へと戻るため、補正係数算出処理は、初回のみ実行され、二回目以降に実行される可能性は少ない。
なお、S200での判定の結果、カウンタNが最大数Nmax以上である場合には、S210へと進む。
そのS210では、初期量Qp1にてプレ噴射を実行した時の発生トルク値(以下、初期トルク値とする)と、カウンタの値がNmax−1回目時に噴射量Qp(即ち、噴射量Qp(=Qp1+4×ΔQp))にてプレ噴射を実行した時の発生トルク値(以下、変更トルク値とする)を読み出す。そして、初期トルク値から変更トルク値への変化分(以下、トルク値変化量とする)を求め、さらに、噴射量Qpの増加分(即ち、4×ΔQp)に対するトルク値変化量の変化率(割合)を表すトルク感度を導出する。
具体的に、本実施形態では、トルク値変化量を噴射量Qpの増加分にて除することにより、トルク感度を算出する。
続く、S220では、ROMに格納されたセタン価対応マップから、S210にて導出したトルク感度に対応する推定セタン価CNaを読み出す。
そして、S230では、S220にて読み出した推定セタン価CNaに、補正係数算出処理(ここでは、酸素密度補正処理も含む)にて導出された温度補正係数Kt,酸素密度補正係数KO2を乗じることにより、推定セタン価CNaを補正し、セタン価CNを導出する。ただし、補正係数算出処理、及び酸素密度補正処理が実行されていない場合には、温度補正係数Kt,酸素密度補正係数Ko2は、1となるようにされている。即ち、補正係数算出処理が実行されていない場合には、S220にて読み出した推定セタン価CNaが、そのままセタン価CNとなる。
その後、S230にて補正された使用燃料のセタン価CNをRAM等に記憶した後、本セタン価検出処理を終了する。
そして、このように求められたセタン価CNを用いて、内燃機関制御ECU50は、主噴射やその他の噴射の噴射量、及び噴射タイミングを補正するための処理等を実行する。
つまり、本実施形態のセタン価検出処理では、ディーゼル機関5が定常状態で運転されており、かつ、環境指標及び吸気指標の両方が許容範囲に入る場合に、初期設定量Qpfを噴射量Qpとしてプレ噴射を実行し、取得された発生トルクが基準トルクg未満であれば(即ち、不発生要因があれば)、補正係数算出処理を実行する。そして、補正係数算出処理では、不発生要因が吸気温度であれば、温度補正係数Ktを取得し、不発生要因が筒内酸素密度であれば、酸素密度補正係数KO2を取得する。
一方、不発生要因がない場合、もしくは不発生要因が解消された場合、初期量Qp1、及び初期量Qp1から変更量ΔQpだけ増加した噴射量Qpにてプレ噴射を実行し、それらのプレ噴射にて取得される発生トルク値、及びそれらのプレ噴射での噴射量Qpの増加分に従って、トルク感度を導出する。そして、その導出されたトルク感度に基づき、推定セタン価CNaを検出すると共に、補正係数算出処理にて、温度補正係数Ktもしくは酸素密度補正係数KO2を取得していれば、推定セタン価CNaに補正係数を乗じることにより補正したセタン価CNを求める。
なお、本実施形態のセタン価検出処理におけるS180が本発明の副噴射制御手段に相当し、S150が本発明の物理量取得手段に相当し、S210が本発明の変更感度導出手段に相当し、S220が本発明の燃料性状検出手段に相当する。さらに、セタン価検出処理におけるS130が本発明の環境指標取得手段及び吸気指標取得手段に相当し、S110が本発明の運転指標取得手段に相当し、S120及びS140が本発明の適合判定手段に相当する。
また、本実施形態の補正係数算出処理が本発明の要因判定手段に相当し、セタン価検出処理のS230が本発明の補正手段に相当し、補正係数算出処理のS310が本発明の噴射量変更手段に相当し、酸素密度補正処理のS410が流入制御手段に相当する。さらに、本実施形態の補正係数算出処理におけるS430が本発明の温度取得手段に相当し、酸素密度補正処理におけるS340が本発明の酸素密度算出手段に相当する。
[実施形態の効果]
以上説明したように本実施形態のセタン価検出処理では、ディーゼル機関の運転状態や、動作環境にバラつきが生じたとしても、大きく変動しないトルク感度を利用して、使用燃料のセタン価を検出している。
したがって、本実施形態のセタン価検出処理によれば、ディーゼル機関の運転状態や、動作環境による影響をオフセットでき、この結果、セタン価の検出精度を向上させることができる。
さらに、本実施形態のセタン価検出処理によれば、運転指標が規定範囲内に入り、かつ環境指標及び吸気指標が許容範囲に入る場合、即ち、ディーゼル機関が予め設定された動作条件を満たす場合にのみ、セタン価を検出するため、使用燃料のセタン価の検出精度をより向上させることができる。
また、本実施形態のセタン価検出処理では、補正係数算出処理にて、初期設定量Qpfでの副噴射時に発生した発生トルク値が、規定トルクg未満であれば、その発生トルク値が規定トルクg未満となった要因に基づいて、補正係数を導出して、セタン価を補正する。このため、本実施形態のセタン価検出処理によれば、最終的に出力されるセタン価の検出精度をより向上させること、即ち、補正後のセタン価を実際のセタン価に近づけることができる。
特に、本実施形態の補正係数算出処理(ここでは、酸素密度補正処理も含む)では、副噴射の噴射量を増加、もしくは流入気体の酸素量を増加させることにより、不発生要因を解明するので、ディーゼル機関の動作に影響を最小限に抑制した上で、セタン価の補正を行うことができる。なお、本実施形態の酸素密度補正処理では、発生トルク値が基準トルクg未満である場合、発生トルク値が基準トルクg以上となるまで、流入気体の酸素量を増加させるため、結果として、筒内酸素密度が所定値未満となることを防止でき、副噴射時に未燃焼となることを防止できる。
これらの結果、本実施形態のセタン価検出処理にて検出された使用燃料のセタン価に基づいて、主噴射及び副噴射(即ち、パイロット、プレ、メイン、アフター、ポスト)の噴射時のタイミングや、噴射量、及びディーゼル機関からの排気ガスをシリンダ内へと還流する際の還流ガス量を制御することにより、排気エミッション(例えば、NOx,スモーク,HC,Co)を低減することができる。
これらの結果、本実施形態の内燃機関制御システム1によれば、従来の内燃機関制御システムに新たなセンサー等を追加することがないため、コストを抑制しつつ、セタン価の検出精度を向上させることができる。
[その他の実施形態]
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において様々な態様にて実施することが可能である。
例えば、上記実施形態におけるセタン価検出処理では、回転数の変動が、規定範囲に入る場合、即ち、ディーゼル機関5が定常状態である場合に、セタン価の検出を許可していたが、セタン価の検出を許可する条件に、回転数によって表される状態がアイドリング時、もしくは減速時(燃料カット時)であることを加えても良い。これらの条件を加えることで、使用燃料のセタン価をより正確に検出することができる。
また、上記実施形態におけるセタン価検出処理では、ディーゼル機関5の回転数に基づいて、ディーゼル機関5が定常状態にあるか否かを判定していたが、ディーゼル機関5が定常状態であるか否かを判定する方法はこれに限るものではなく、例えば、主噴射時の噴射量に基づいて判定しても良い。この場合、主噴射時の噴射量の変動が、規定時間継続して予め規定された規定範囲内に入るか否かにより判定することが望ましい。
さらに、上記実施形態のセタン価検出処理では、環境指標として吸気温度を取得したが、取得する環境指標に大気圧を含めても良い。この場合、吸気温度が許容範囲内であり、かつ大気圧が予め規定された規定圧以上である場合に、セタン価の検出を許可することが望ましい。つまり、ディーゼル機関5を搭載した自動車が予め規定された標高以上の地点を走行する場合には、セタン価の検出を禁止しても良い。
上記実施形態のセタン価検出処理では、吸気指標としてEGR率のみを取得したが、吸気指標に流入気体の量や、吸気温度を含めても良い。この場合、EGR率、流入気体の量、吸気温度の少なくとも一つが許容範囲に入る場合に、使用燃料の検出を許可しても良いが、これらの全てが許容範囲に入る場合に、使用燃料のセタン価の検出を許可することが望ましい。
なお、上記実施形態のセタン価検出処理では、環境指標、吸気指標の両方ともが許容範囲に入る場合に、セタン価の検出を許可していたが、セタン価の検出を許可する条件は、これに限るものではなく、例えば、環境指標、吸気指標のいずれか一方が許容範囲内であったときにセタン価の検出を実行しても良いし、この環境指標、吸気指標の項目が省略されていても良い(即ち、運転指標のみが満たされた時に、セタン価の検出を許可しても良い)。
さらに、セタン価の検出を許可する条件に、燃料が新たに給油されことを加えても良い。ただし、この場合、給油口が開かれたことや、燃料が増加したこと等を検出する必要がある。このようにすれば、必要以上にセタン価検出処理が実行されることを防止できる。
ところで、上記実施形態のセタン価検出処理では、トルクセンサー57にて発生トルクを直接検出していたが、発生トルクを検出する方法は、これに限るものではなく、例えば、クランク角センサー56にて検出されるクランク角の変動から推定しても良いし、その他の方法から求めても良い。
また、上記実施形態のセタン価検出処理では、トルク値変化量を噴射量Qpの増加分にて除することにより、トルク感度を算出したが、トルク感度の算出方法は、これに限るものではなく、例えば、噴射量Qpの増加分毎に、発生トルク値の増加分を求め、その発生トルク値の増加分を噴射量Qpの増加分にて除した値の平均を、トルク感度として求めても良い。
さらに、上記実施形態のセタン価検出処理では、セタン価を検出するための指標(即ち、トルク感度)を導出するための物理量として、発生トルクを用いたが、セタン価を検出するための指標を導出するための物理量は、発生トルクに限るものではなく、例えば、副噴射時の燃焼量であっても良いし、回転数の変動を用いても良いし、それらから導出されるディーゼル機関5の仕事量であっても良い。つまり、副噴射時の噴射量の変化に対し、リニアに変動する物理量であれば、どのようなものでも良い。
なお、上記実施形態の内燃機関制御ECU50に格納された各種マップは、上記実施形態にて示したものに限るものではなく、吸気温度補正マップであれば、例えば、噴射量Qpの増加分と補正係数とが対応付けられていても良いし、噴射量Qp毎に、温度偏差と補正係数との対応関係が示されていても良い。また、筒内酸素密度補正マップであれば、例えば、温度偏差毎に、酸素増加分と補正係数との対応関係が示されていても良い。
ところで、上記実施形態では、流入気体中の酸素密度を、「流入気体中の酸素質量」を「ピストンヘッドが圧縮端に位置する時の隙間容積」で除することで導出したが、酸素密度の導出方法は、これに限るものではなく、例えば、シリンダ容積で除しても良いし、流入気体全体の質量で除しても良い。つまり、流入気体中の酸素密度を識別可能な態様であれば、どのように求めても良い。
そして、上記実施形態におけるセタン価検出処理(より正確には、補正係数導出処理)では、予め記憶されたマップに基づいて補正係数を導出したが、補正係数は、マップを持つことなく予め規定された算出式に基づいて求められても良い。
さらに、上記実施形態におけるセタン価検出処理では、第一変更量ΔQpだけ増加することで噴射量Qpを変更したが、噴射量Qpを変更する方法は、これに限るものではなく、例えば、第一変更量ΔQpだけ減少させることで、噴射量Qpを変更しても良い。ただし、この場合、初期設定量Qpfでの発生トルク値が基準トルクgを大きく上回る必要がある。なお、第一変更量ΔQpや第二変更量ΔQp2は、一定量であっても良いし、噴射量Qpを変更する毎に異なる量であっても良い。
なお、上記実施形態におけるセタン価検出処理では、プレ噴射時の噴射量を制御することで、セタン価を検出したが、セタン価を検出するために噴射量を制御する噴射は、プレ噴射に限るものではなく、例えば、アフター噴射を利用しても良いし、主噴射以外に燃焼可能なタイミングで、プレ噴射、アフター噴射とは異なる新たな微小噴射(即ち、副噴射)を実行しても良い。つまり、主噴射の前後の燃焼可能なタイミングに、主噴射よりも少ない噴射量で実行される噴射であれば、どのようなものを用いても良い。
さらに、上記実施形態の内燃機関制御システム1は、自動車に搭載されていたが、内燃機関制御システム1は、自動車に搭載されたものに限らず、例えば、鉄道用のディーゼル機関車に搭載されていても良い。
内燃機関制御システムの概略構成を示した説明図である。 セタン価検出処理の処理手順を示したフローチャートである。 補正係数算出処理の処理手順を示したフローチャートである。 酸素密度補正処理の処理手順を示したフローチャートである。 適合マップの一例を示した説明図である。 セタン価対応マップの一例を示した説明図である。 吸気温度補正マップ、及び酸素密度補正マップの一例を示した説明図である。 酸素密度と副噴射時の微小燃焼との関係を示した説明図である。
符号の説明
1…内燃機関制御システム 5…ディーゼル機関 10…排気系 11,27,33…導管 12…後処理装置 20…吸気系 22…新鮮空気供給系 23…エアクリーナ 24…過給機 25…吸気冷却装置 26…新鮮気体調整弁 30…還流系 31…還流ガス冷却装置 32…還流ガス調整弁 40…燃料供給系 41…燃料タンク 42…サプライポンプ 43…コモンレール 44…インジェクタ 51…吸気温センサー 52…吸気圧センサー 53…吸気組成センサー 54…A/Fセンサー 55…大気圧センサー 56…クランク角センサー 57…トルクセンサー 50…内燃機関制御ECU

Claims (8)

  1. 主噴射の前後の燃焼可能なタイミングに、前記主噴射よりも少ない噴射量での副噴射を少なくとも一回実行する燃料噴射装置を有したディーゼル機関に用いられる使用燃料のセタン価を検出する燃料性状検出装置であって、
    前記副噴射の一つを特定噴射とし、予め規定された初期量、及び前記初期量から変更量だけ異なる基準量を前記噴射量として前記特定噴射を前記燃料噴射装置に実行させる副噴射制御手段と、
    前記ディーゼル機関の燃焼状態を特定可能な物理量である特定量を取得する物理量取得手段と、
    前記物理量取得手段が前記初期量での特定噴射時に取得した前記特定量を初期特定量とし、前記物理量取得手段が前記基準量での特定噴射時に取得した前記特定量を変更特定量とし、前記初期特定量から前記変更特定量への変化量を変更物理量として、前記変更量に対する前記変更物理量の割合を表す変更感度を導出する変更感度導出手段と、
    前記変更感度と燃料のセタン価との対応関係を用いて、前記変更感度導出手段で導出された変更感度から、前記使用燃料のセタン価を検出する燃料性状検出手段と
    を備えることを特徴とする燃料性状検出装置。
  2. 前記ディーゼル機関が利用されている時の動作環境を表す環境指標を取得する環境指標取得手段と、
    前記ディーゼル機関の運転状態を表す運転指標を取得する運転指標取得手段と、
    前記ディーゼル機関のシリンダ内に流入する気体の状態を表す吸気指標を取得する吸気指標取得手段と、
    前記環境指標取得手段で取得された環境指標、前記運転指標取得手段で取得された運転指標、前記吸気指標取得手段で取得された吸気指標のうち、少なくともいずれか一つが、各指標毎に予め設定された許容範囲に入る所定状態である場合、前記燃料性状検出手段でのセタン価の検出を許可する適合判定手段と
    を備えることを特徴とする請求項1に記載の燃料性状検出装置。
  3. 前記所定状態にて特定噴射を実行した時に得られるべき前記特定量を基準にして予め設定された範囲を所定範囲とし、前記ディーゼル機関のシリンダ内に流入する気体を流入気体とし、前記流入気体の温度を吸気温度とし、前記流入気体中の酸素密度を筒内酸素密度として、前記適合判定手段で前記燃料性状検出手段でのセタン価の検出が許可され、かつ前記物理量取得手段が取得した前記初期特定量が前記所定範囲から外れている場合、前記所定範囲から外れた要因が、前記吸気温度、もしくは前記筒内酸素密度の少なくとも一方であるかを判定する要因判定手段と、
    前記要因判定手段での判定結果に基づき、前記燃料性状検出手段で検出されるセタン価を補正する補正手段と
    を備えることを特徴とする請求項2に記載の燃料性状検出装置。
  4. 前記要因判定手段は、
    予め規定された限界量までは、前記特定噴射を実行する毎に、前記噴射量を予め設定された所定量だけ変更する噴射量変更手段と、
    前記ディーゼル機関に備えられ、大気中の空気と排気ガスとを混合して前記流入気体を生成し、大気中の空気の流入量と排気ガスの流入量とを調整する調整機構を、前記噴射量変更手段が前記限界量まで前記噴射量を変更した後、前記筒内酸素密度が増加するように制御する流入制御手段と
    を備え、
    前記副噴射変更手段により変更された前記噴射量が前記限界量に達するまでの特定噴射時に、前記物理量取得手段で取得した特定量が前記所定範囲内へと移行した場合、前記要因が、前記吸気温度であるものと判定し、前記流入制御手段が前記筒内酸素密度を増加させた後、前記特定噴射を実行した時点で、前記物理量取得手段が取得した特定量が前記所定範囲内へと移行した場合、前記要因が、前記筒内酸素密度であるものと判定することを特徴とする請求項3に記載の燃料性状検出装置。
  5. 前記補正手段は、
    前記筒内酸素密度を算出する酸素密度算出手段を備え、
    前記要因判定手段での判定結果が前記筒内酸素密度である場合、予め設定した所定の酸素密度よりも前記酸素密度算出手段で算出された筒内酸素密度が高いほど、前記燃料性状検出手段で検出されたセタン価が低下するように補正することを特徴とする請求項3または請求項4に記載の燃料性状検出装置。
  6. 前記補正手段は、
    前記吸気温度を取得する温度取得手段を備え、
    前記要因判定手段での判定結果が前記吸気温度である場合、前記温度取得手段で取得した吸気温度が、前記所定状態での吸気温度から高温側に離れているほど、前記燃料性状検出手段で検出されたセタン価が低下するように補正することを特徴とする請求項3ないし請求項5のいずれかに記載の燃料性状検出装置。
  7. 前記物理量取得手段が取得する特定量は、
    前記ディーゼル機関にて発生する仕事量である発生仕事量、前記ディーゼル機関での回転数変動の少なくともいずれか一つであることを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれかに記載の燃料性状検出装置。
  8. 主噴射の前後の燃焼可能なタイミングに、前記主噴射よりも少ない噴射量での副噴射を少なくとも一回実行する燃料噴射装置を有したディーゼル機関に用いられている使用燃料のセタン価を検出する燃料性状検出方法であって、
    前記副噴射の一つを特定噴射とし、予め規定された初期量、及び前記初期量から変更量だけ異なる基準量を前記噴射量として前記特定噴射を前記燃料噴射装置に実行させる特定噴射過程と、
    前記初期量での特定噴射時に取得した前記特定量を初期特定量とし、前記基準量での特定噴射時に取得した前記特定量を変更特定量とし、前記初期特定量から前記変更特定量への変化量を変更物理量として、前記変更量に対する前記変更物理量の割合を表す変更感度を導出する変更感度導出過程と、
    前記変更感度と燃料のセタン価との対応関係を用いて、前記変更感度導出過程で導出された変更感度から、前記使用燃料のセタン価を検出する燃料性状検出過程と
    を有することを特徴とする燃料性状検出方法。
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