JP2010127219A - ディーゼルエンジンの燃料制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ディーゼルエンジンにおいて気筒毎に燃料供給量を適切に制御可能な燃料制御装置を提供する。
【解決手段】複数の気筒を有しEGR機構を備えたディーゼルエンジンにおいて、気筒毎の筒内圧に基づき求められた比熱比の気筒間でのばらつきが大きい場合には、気筒毎の空気過剰率が各気筒間で均一になるように、目標燃料噴射量を補正して気筒毎の目標燃料噴射量を設定する一方、比熱比の気筒間でのばらつきが大きくない場合には、気筒毎の筒内圧に基づき求められた、気筒毎の図示平均有効圧が各気筒間で均一になるように、目標燃料噴射量を補正して気筒毎の目標燃料噴射量を設定する。
【選択図】図2
【解決手段】複数の気筒を有しEGR機構を備えたディーゼルエンジンにおいて、気筒毎の筒内圧に基づき求められた比熱比の気筒間でのばらつきが大きい場合には、気筒毎の空気過剰率が各気筒間で均一になるように、目標燃料噴射量を補正して気筒毎の目標燃料噴射量を設定する一方、比熱比の気筒間でのばらつきが大きくない場合には、気筒毎の筒内圧に基づき求められた、気筒毎の図示平均有効圧が各気筒間で均一になるように、目標燃料噴射量を補正して気筒毎の目標燃料噴射量を設定する。
【選択図】図2
Description
本発明はディーゼルエンジンの燃料制御装置に関し、特に複数の気筒を有すると共に排気の一部を吸気側に還流するEGR機構を備えたディーゼルエンジンの気筒毎の燃料供給量を適正に制御するための燃料制御装置に関する。
近年では、環境保護や省エネルギの観点から、エンジンからのスモーク或いはNOxなどの排出量に関する排気特性やエンジンの運転効率をより一層改善する必要があり、より一層精度の高いエンジンの運転制御が要求されている。このような要求に対応するため、例えば特許文献1や特許文献2により、エンジンの気筒ごとの空燃比を精度よく制御するようにした制御装置が提案されている。
特許文献1の制御装置では、気筒毎の筒内圧及び筒内空気温度に基づいて筒内空気量を求めると共に、筒内圧に基づき求めた熱発生量から気筒内に供給された燃料量を求め、これら筒内空気量と燃料量とから各気筒の筒内空燃比が求められる。そして、求められた筒内空燃比に基づき、気筒間のばらつきを生じないように燃料噴射量や吸入空気量が制御される。
また、特許文献2の制御装置では、各気筒毎に検出した所定ピストン位置における筒内圧のばらつきに基づき、各気筒への燃料配分を決定して気筒毎の目標燃料噴射量を定め、この目標燃料噴射量に応じて各気筒の燃料噴射量が制御される。
このように、上記特許文献1及び2の制御装置は、気筒毎の筒内圧を検知し、この筒内圧に基づき気筒毎の燃料噴射量を制御することにより、気筒毎のばらつきを抑制して空燃比を精度よく制御しようとするものである。
特開2007−120392号公報
特開2007−231883号公報
このように、上記特許文献1及び2の制御装置は、気筒毎の筒内圧を検知し、この筒内圧に基づき気筒毎の燃料噴射量を制御することにより、気筒毎のばらつきを抑制して空燃比を精度よく制御しようとするものである。
上記特許文献1及び2の制御装置はガソリンエンジンに適用されるものであるが、ディーゼルエンジンの場合には、ガソリンエンジンに比べEGR装置により大量のEGRガスが吸気側に還流され、EGR率も大きく変動する。このため、上記特許文献1及び2の制御装置のようにして筒内圧に基づき気筒毎のばらつきを検知することができたとしても、検知されたばらつきの要因が気筒毎の燃料供給量のばらつきにあるのか、気筒毎のEGRガス量のばらつきにあるのかを的確に見極めることができない。
結果として、ディーゼルエンジンの場合に、上記特許文献1及び2の制御装置のようにして検知した気筒間のばらつきに応じて燃料供給量を気筒毎に制御しただけでは、かえって排気特性が悪化する気筒が生じてしまうおそれがあるという問題がある。また、このような問題を回避し、多少のばらつきがあっても所望の排気特性を満足することができるようにするためには、ある程度余裕を持って燃料供給量を設定する必要が生じ、この場合には余分な燃料の消費によりエンジンの燃費が悪化するといった問題もある。
本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、ディーゼルエンジンにおいて気筒毎に燃料供給量を適切に制御可能な燃料制御装置を提供することにある。
上記の目的を達成するため、本発明のディーゼルエンジンの燃料制御装置は、複数の気筒を有すると共に、排気の一部を吸気側に還流するEGR機構を備えたディーゼルエンジンの燃料制御装置であって、上記ディーゼルエンジンの各気筒に設けられ、各気筒の燃焼室内に燃料を噴射する燃料噴射手段と、上記ディーゼルエンジンの運転状態に基づき、上記燃料噴射手段からの目標燃料噴射量を設定する目標噴射量設定手段と、上記ディーゼルエンジンの各気筒の筒内圧を検出する筒内圧検出手段と、上記筒内圧検出手段によって検出された気筒毎の筒内圧に基づき、気筒毎の図示平均有効圧を求める図示平均有効圧演算手段と、上記図示平均有効圧演算手段によって求められた気筒毎の図示平均有効圧に基づき、気筒毎の燃焼室内の空気過剰率を求める空気過剰率演算手段と、上記筒内圧検出手段によって検出された気筒毎の筒内圧に基づき、気筒毎の燃焼室内のガスの比熱比を求める比熱比演算手段と、上記比熱比演算手段によって求められた気筒毎の比熱比を比較し、気筒間での比熱比のばらつきが比熱比に関する第1基準指標より大きいと判定したときには、上記空気過剰率演算手段によって求められた気筒毎の空気過剰率が各気筒間で均一になるように、上記目標噴射量設定手段によって設定された上記目標燃料噴射量を気筒毎に補正する一方、気筒間での比熱比のばらつきが上記第1基準指標より大きくないと判定したときには、上記図示平均有効圧演算手段によって求められた気筒毎の図示平均有効圧が各気筒間で均一になるように、上記目標噴射量設定手段によって設定された上記目標燃料噴射量を気筒毎に補正する目標噴射量補正手段と、上記目標噴射量補正手段によって補正された気筒毎の目標燃料噴射量に基づき、それぞれ対応する上記燃料噴射手段を制御する噴射制御手段とを備えることを特徴とする(請求項1)。
このように構成されたディーゼルエンジンの燃料制御装置によれば、気筒毎に検出された筒内圧から求められた気筒毎の比熱比が気筒間で比較的大きくばらついている場合は、気筒毎に求められた空気過剰率が各気筒間で均一になるように、各気筒の目標燃料噴射量が補正される。
気筒間の比熱比のばらつきが比較的大きい場合、このような気筒間の比熱比のばらつきは、EGR機構により吸気側に還流されて各気筒に供給されたEGRガスの量が各気筒間でばらついていることに起因するものと考えられる。そこで、上記のように気筒毎に求められた空気過剰率が各気筒間で均一になるように、各気筒の目標燃料噴射量を補正することにより、各気筒についてほぼ同一の排気特性が確保される。
気筒間の比熱比のばらつきが比較的大きい場合、このような気筒間の比熱比のばらつきは、EGR機構により吸気側に還流されて各気筒に供給されたEGRガスの量が各気筒間でばらついていることに起因するものと考えられる。そこで、上記のように気筒毎に求められた空気過剰率が各気筒間で均一になるように、各気筒の目標燃料噴射量を補正することにより、各気筒についてほぼ同一の排気特性が確保される。
一方、気筒毎の比熱比が気筒間で比較的大きくばらついていない場合には、上記のような気筒間でのEGRガス量の大きなばらつきが生じていないことになる。そこで、この場合には、筒内圧に基づき気筒毎に求められた図示平均有効圧が各気筒間で均一になるように、各気筒の目標燃料噴射量が補正される。
このように目標燃料噴射量を補正することにより、気筒間の図示平均有効圧のばらつきが均一化されると、各気筒における発生トルクのばらつきに起因した不適切な回転変動が抑制される。
このように目標燃料噴射量を補正することにより、気筒間の図示平均有効圧のばらつきが均一化されると、各気筒における発生トルクのばらつきに起因した不適切な回転変動が抑制される。
また、比熱比が気筒間で比較的大きくばらついていなくても、気筒間で空気過剰率のばらつきが生じていれば、このばらつきが気筒毎の燃料噴射量のばらつきに起因するものと考えられる。このとき、このようにして目標燃料噴射量を補正することで、各気筒の燃料噴射量が均一化される。しかも、このような目標燃料噴射量の補正により各気筒の空気過剰率も均一化する方向に修正されるので、各気筒の排気特性を悪化させることなく燃費を改善しながら不適切な回転変動が抑制される。
また、好ましくは上記ディーゼルエンジンの燃料制御装置において、上記目標噴射量補正手段は、上記空気過剰率演算手段によって求められた気筒毎の空気過剰率を比較し、気筒間での空気過剰率のばらつきが空気過剰率のばらつきに関する第2基準指標より大きいと判定したときにのみ上記目標噴射量設定手段によって設定された上記目標燃料噴射量を気筒毎に補正して上記噴射制御手段に出力する一方、気筒間での空気過剰率のばらつきが上記第2基準指標より大きくないと判定したときには、上記目標噴射量設定手段によって設定された上記目標燃料噴射量を補正せずに上記噴射制御手段に出力し、上記噴射制御手段は、上記目標噴射量補正手段から出力された気筒毎の目標燃料噴射量に基づき、それぞれ対応する上記燃料噴射手段を制御することを特徴とする(請求項2)。
このように構成されたディーゼルエンジンの燃料制御装置によれば、空気過剰率の気筒間でのばらつきが比較的大きいときに限り、目標噴射量設定手段によって設定された目標燃料噴射量が上述のようにして目標噴射量補正手段によって補正され、補正された目標燃料噴射量に基づき燃料噴射手段から各気筒の燃焼室内に燃料が噴射される。
更に具体的には、このように構成されるディーゼルエンジンの燃料制御装置において、上記目標噴射量補正手段は、上記空気過剰率演算手段によって求められた気筒毎の空気過剰率のうちの最大の空気過剰率と最小の空気過剰率との差が所定の空気過剰率偏差以上であるときに空気過剰率のばらつきが上記第2基準指標より大きいと判定し、最大の空気過剰率と最小空気過剰率との差が上記空気過剰率偏差未満であるときに空気過剰率のばらつきが上記第2基準指標より大きくないと判定することを特徴とする(請求項3)。
更に具体的には、このように構成されるディーゼルエンジンの燃料制御装置において、上記目標噴射量補正手段は、上記空気過剰率演算手段によって求められた気筒毎の空気過剰率のうちの最大の空気過剰率と最小の空気過剰率との差が所定の空気過剰率偏差以上であるときに空気過剰率のばらつきが上記第2基準指標より大きいと判定し、最大の空気過剰率と最小空気過剰率との差が上記空気過剰率偏差未満であるときに空気過剰率のばらつきが上記第2基準指標より大きくないと判定することを特徴とする(請求項3)。
また、具体的には上記ディーゼルエンジンの燃料制御装置において、上記目標噴射量補正手段は、上記比熱比演算手段によって求められた気筒毎の比熱比のうち、最大の比熱比と最小の比熱比との差が所定の比熱比偏差以上であるときに比熱比のばらつきが上記第1基準指標より大きいと判定し、最大の比熱比と最小の比熱比との差が上記比熱比偏差未満であるときに比熱比のばらつきが上記第1基準指標より大きくないと判定することを特徴とする(請求項4)。
また、具体的には上記ディーゼルエンジンの燃料制御装置において、上記比熱比演算手段は、各気筒の圧縮行程において、第1クランク角で上記筒内圧検出手段によって検出された第1筒内圧及び上記第1クランク角のときの第1燃焼室容積、並びに第2クランク角で上記筒内圧検出手段によって検出された第2筒内圧及び上記第2クランク角のときの第2燃焼室容積を用い、ポリトロープ式に基づき気筒毎に比熱比を演算することを特徴とする(請求項5)。
更に、好ましくは上記ディーゼルエンジンの燃料制御装置において、上記第1及び第2クランク角は、各気筒の圧縮行程において、燃焼室内への燃料噴射が上記燃料噴射手段から開始されるまでの間のクランク角であることを特徴とする(請求項6)。
本発明のディーゼルエンジンの燃料制御装置によれば、気筒間での比熱比のばらつきが比較的大きいか否かを判定することにより、気筒間でEGRガス量のばらつきが大きいか否かを的確に判定することができる。
そして、比熱比のばらつきが比較的大きい場合には、気筒間でEGRガス量のばらつきが大きいものとして、気筒間での空気過剰率が均一になるように気筒毎の目標燃料噴射量が補正されるので、各気筒についてほぼ同一の排気特性を安定して確保することが可能となる。従って、例えば適正な排気特性を実現する空気過剰率に向けて各気筒の空気過剰率を均一化するようにすれば、全ての気筒について良好な排気特性を安定して確保することが可能となる。
そして、比熱比のばらつきが比較的大きい場合には、気筒間でEGRガス量のばらつきが大きいものとして、気筒間での空気過剰率が均一になるように気筒毎の目標燃料噴射量が補正されるので、各気筒についてほぼ同一の排気特性を安定して確保することが可能となる。従って、例えば適正な排気特性を実現する空気過剰率に向けて各気筒の空気過剰率を均一化するようにすれば、全ての気筒について良好な排気特性を安定して確保することが可能となる。
また、気筒間で空気過剰率にばらつきがあっても所望の排気特性を満足することができるように燃料噴射量に余裕を持たせる必要がなくなるので、余分な燃料消費を抑制することにより、ディーゼルエンジンの燃費を改善することが可能となる。
一方、気筒毎の比熱比が気筒間で比較的大きくばらついていない場合には、上記のような気筒間でのEGRガス量の大きなばらつきが生じていないものとして、図示平均有効圧が各気筒間で均一になるように、各気筒の目標燃料噴射量が補正される。これにより、気筒間の図示平均有効圧のばらつきを均一化され、各気筒における発生トルクのばらつきに起因したディーゼルエンジンの不適切な回転変動を良好に抑制することができる。
一方、気筒毎の比熱比が気筒間で比較的大きくばらついていない場合には、上記のような気筒間でのEGRガス量の大きなばらつきが生じていないものとして、図示平均有効圧が各気筒間で均一になるように、各気筒の目標燃料噴射量が補正される。これにより、気筒間の図示平均有効圧のばらつきを均一化され、各気筒における発生トルクのばらつきに起因したディーゼルエンジンの不適切な回転変動を良好に抑制することができる。
また、比熱比が気筒間で比較的大きくばらついていなくても、気筒間で空気過剰率のばらつきが生じていれば、このばらつきが気筒毎の燃料噴射量のばらつきに起因するものと考えられる。このとき、このようにして目標燃料噴射量を補正することで、各気筒の燃料噴射量が均一化されて無駄な燃料消費を抑制することが可能となる。しかも、このような目標燃料噴射量の補正により各気筒の空気過剰率も均一化する方向に修正されるので、各気筒の排気特性を悪化させることなく燃費を改善しながら不適切な回転変動を抑制することができる。
特に気筒間での空気過剰率のばらつきが比較的大きい場合、気筒によっては空気過剰率が適正範囲から逸脱して排気特性が悪化する可能性がある。しかし、請求項2のディーゼルエンジンの燃料制御装置のように、気筒間での空気過剰率のばらつきが比較的大きい場合に、上述のようにして気筒毎の目標燃料噴射量を補正すれば、各気筒についてほぼ同一の排気特性を安定して確保することが可能となる。従って、上述したように例えば適正な排気特性を実現する空気過剰率に向けて各気筒の空気過剰率を均一化するようにすれば、全ての気筒について良好な排気特性を確実に確保することが可能となる。
しかも、気筒間での空気過剰率のばらつきが比較的小さい場合には、上述したような目標燃料噴射量の補正を行わずに燃料噴射手段から燃焼室内に燃料を噴射するので、このような場合に目標燃料噴射量を補正することによってかえって気筒間での空気過剰率にばらつきが生じてしまうような事態を回避することができる。
なお、請求項6のディーゼルエンジンの燃料制御装置においては、ポリトロープ式に基づき気筒毎に比熱比を演算する際に用いる第1及び第2燃焼室容積、並びに第1及び第2筒内圧が、いずれも各気筒の圧縮行程において上記燃料噴射手段から燃焼室内に噴射された燃料が燃焼を開始する前のクランク角で得られたものである。従って、燃焼室内の燃料の燃焼状態によって影響を受けることなく、精度よく気筒毎の比熱比を求めることが可能となる。
なお、請求項6のディーゼルエンジンの燃料制御装置においては、ポリトロープ式に基づき気筒毎に比熱比を演算する際に用いる第1及び第2燃焼室容積、並びに第1及び第2筒内圧が、いずれも各気筒の圧縮行程において上記燃料噴射手段から燃焼室内に噴射された燃料が燃焼を開始する前のクランク角で得られたものである。従って、燃焼室内の燃料の燃焼状態によって影響を受けることなく、精度よく気筒毎の比熱比を求めることが可能となる。
以下、図面に基づき本発明の実施形態について説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る燃料制御装置が適用されたディーゼルエンジン(以下、エンジンという)1の全体構成図である。
本実施形態においてエンジン1は、車両に動力源として搭載された直列4気筒のディーゼルエンジンである。エンジン1の各気筒には、燃焼室内に燃料を噴射するインジェクタ(燃料噴射手段)2が設けられ、燃料噴射ポンプ(図示せず)から供給されてコモンレール(図示せず)に蓄えられた高圧の燃料が各インジェクタに2に供給されるようになっている。またエンジン1の各気筒には、各気筒の燃焼室内の圧力である筒内圧を検出するための筒内圧センサ(筒内圧検出手段)4がそれぞれ設けられている。
図1は、本発明の一実施形態に係る燃料制御装置が適用されたディーゼルエンジン(以下、エンジンという)1の全体構成図である。
本実施形態においてエンジン1は、車両に動力源として搭載された直列4気筒のディーゼルエンジンである。エンジン1の各気筒には、燃焼室内に燃料を噴射するインジェクタ(燃料噴射手段)2が設けられ、燃料噴射ポンプ(図示せず)から供給されてコモンレール(図示せず)に蓄えられた高圧の燃料が各インジェクタに2に供給されるようになっている。またエンジン1の各気筒には、各気筒の燃焼室内の圧力である筒内圧を検出するための筒内圧センサ(筒内圧検出手段)4がそれぞれ設けられている。
吸気管6にはターボチャージャ8が装備されており、図示しないエアクリーナから吸入された吸気は、吸気管6からターボチャージャ8のコンプレッサ8aへと流入する。コンプレッサ8aで過給された吸気は、インタークーラ10及び吸気制御弁12を介して吸気マニホールド14に導入され、図示しない吸気ポートを介してエンジン1の各気筒の燃焼室内に供給される。
吸気管6のコンプレッサ8aより上流側には、大気からエンジン1に吸入される空気、即ち新気の流量を検出するためのエアフローセンサ16が設けられている。このエアフローセンサ16は、エンジン1に吸入される新気流量に対応して変化する電圧を検出信号として出力する。また、吸気制御弁12と吸気マニホールド14との間には、エンジン1の吸気に関し、吸気温度を検出する吸気温センサ18と吸気圧力を検出する吸気圧センサ20とが設けられている。
一方、エンジン1の各気筒の燃焼室から排気が排出される排気ポート(図示せず)は、排気マニホールド22を介して排気管24に接続されている。なお、排気マニホールド22と吸気マニホールド14との間には、EGRクーラ26及びEGR弁28を介して排気マニホールド22と吸気マニホールド14とを連通するEGR通路30が設けられ、EGR弁28の開度を変更することにより排気マニホールド22から吸気マニホールド14へのEGRガスの還流量を調整可能となっている。本実施形態では、これらEGRクーラ26、EGR弁28及びEGR通路30によって本発明のEGR機構が構成されている。
排気管24は、ターボチャージャ8のタービン8bが介装されると共に、排気後処理装置30に接続されている。なお、タービン8bの回転軸はコンプレッサ8aの回転軸と機械的に連結されており、タービン8bが排気管24内を流動する排気を受けて回転することによりコンプレッサ8aを駆動するようになっている。
排気後処理装置32は、エンジン1の排気中に含まれるパティキュレートやNOxなどの有害成分を無害化するものであり、ケーシング内に収容されたパティキュレートフィルタや触媒装置など(いずれも図示せず)によって構成される。
排気後処理装置32は、エンジン1の排気中に含まれるパティキュレートやNOxなどの有害成分を無害化するものであり、ケーシング内に収容されたパティキュレートフィルタや触媒装置など(いずれも図示せず)によって構成される。
ECU34は、エンジン1の運転制御をはじめとして総合的な制御を行うための制御装置であり、CPU、メモリ、タイマカウンタなどから構成され、様々な制御量の演算を行うと共に、その制御量に基づき各種デバイスの制御を行っている。
ECU34の入力側には、各種制御に必要な情報を収集するため、上述した各気筒の筒内圧センサ4、エアフローセンサ16、吸気温センサ18、吸気圧センサ20のほか、エンジン1のクランク軸(図示せず)の回転に同期してクランク角信号を出力するクランク角センサ36、及び運転者によるアクセルペダル(図示せず)の踏込量を検出するアクセルセンサ38などの各種センサ類が接続されている。一方、ECU34の出力側には演算した制御量に基づき制御が行われる各気筒のインジェクタ2、吸気制御弁12及びEGR弁28などの各種デバイス類が接続されている。
ECU34の入力側には、各種制御に必要な情報を収集するため、上述した各気筒の筒内圧センサ4、エアフローセンサ16、吸気温センサ18、吸気圧センサ20のほか、エンジン1のクランク軸(図示せず)の回転に同期してクランク角信号を出力するクランク角センサ36、及び運転者によるアクセルペダル(図示せず)の踏込量を検出するアクセルセンサ38などの各種センサ類が接続されている。一方、ECU34の出力側には演算した制御量に基づき制御が行われる各気筒のインジェクタ2、吸気制御弁12及びEGR弁28などの各種デバイス類が接続されている。
例えば、ECU34はEGR制御を実行し、EGR通路30に設けられたEGR弁28の開度を調整して排気マニホールド22から吸気マニホールド14に還流されるEGRガスの量を制御することにより、エンジン1の空気過剰率を目標空気過剰率に制御する。この目標空気過剰率は、エンジン1の各燃焼室における燃焼状態を悪化させることなくスモークやNOxの発生を抑制可能な空気過剰率として予めエンジン1の回転数やエンジン1への燃料供給量に基づきEGR制御マップとして記憶されているものである。
エンジン1の各気筒に設けられたインジェクタ2から、それぞれ対応する気筒の燃焼室内に供給される燃料についての目標燃料噴射量の演算、及び演算した目標燃料噴射量に基づくインジェクタ4の制御といった燃料噴射制御もECU34によって行われる。
以下では、この燃料噴射制御について図2乃至図4に基づき詳細に説明する。図2は、ECU34における燃料噴射制御に対応した制御ブロック図である。また、図3はエンジン1のP−V線図の一例を示すグラフであり、図4は後述する噴射量補正制御のフローチャートである。
以下では、この燃料噴射制御について図2乃至図4に基づき詳細に説明する。図2は、ECU34における燃料噴射制御に対応した制御ブロック図である。また、図3はエンジン1のP−V線図の一例を示すグラフであり、図4は後述する噴射量補正制御のフローチャートである。
まず、図2に基づき、燃料噴射制御に対応したECU34の制御ブロックについて説明する。図2に示されるようにECU34は、エンジン1の運転状態に基づき、各インジェクタ2の目標燃料噴射量Gfuelを設定する目標噴射量設定部(目標噴射量設定手段)40を備えている。
この目標噴射量設定部40は、クランク角センサ36から出力されるクランク角信号に基づいて求めたエンジン回転数と、アクセルセンサ38によって検出されたアクセルペダルの踏込量とに基づき、予め記憶している目標燃料噴射量マップから対応する目標燃料噴射量Gfuelを読み出して設定する。なお、この目標燃料噴射量マップは、エンジン回転数とアクセルペダルの踏込量とに対応した出力が、スモークやNOxの生成量などに関して適正な排気特性を維持しながら得られるように、エンジン回転数とアクセルペダルの踏込量とをパラメータとして予め設定されている。
この目標噴射量設定部40は、クランク角センサ36から出力されるクランク角信号に基づいて求めたエンジン回転数と、アクセルセンサ38によって検出されたアクセルペダルの踏込量とに基づき、予め記憶している目標燃料噴射量マップから対応する目標燃料噴射量Gfuelを読み出して設定する。なお、この目標燃料噴射量マップは、エンジン回転数とアクセルペダルの踏込量とに対応した出力が、スモークやNOxの生成量などに関して適正な排気特性を維持しながら得られるように、エンジン回転数とアクセルペダルの踏込量とをパラメータとして予め設定されている。
こうして設定された目標燃料噴射量Gfuelは目標噴射量補正部(目標噴射量補正手段)42に送られ、後述するようにして各種情報に基づき必要に応じて気筒毎にそれぞれ補正される。こうして目標噴射量補正部42により必要に応じて補正された気筒毎の目標燃料噴射量Gfuelcylは、目標噴射量補正部42から噴射制御部44に出力される。そして噴射制御部44は、目標噴射量補正部42から出力された気筒毎の目標燃料噴射量Gfuelcylの燃料が、それぞれ対応する気筒のインジェクタ2から噴射されるように、各インジェクタ2を制御する。
上述のように目標噴射量補正部42において必要に応じ目標燃料噴射量Gfuelの補正を行うため、ECU34は気筒毎の図示平均有効圧Pmicylxを演算する図示平均有効圧演算部(図示平均有効圧演算手段)46を備えている。
なお、図示平均有効圧Pmicylxの添字末尾の「x」は、エンジン1の第1気筒から第4気筒のそれぞれに対応するものであることを示しており、4気筒であるエンジン1のそれぞれの気筒に対応した数値1〜4が適用される。また、以降の説明及び式中において、添字の末尾に「x」が付与されている変数及び定数についても、「x」によって同様にエンジン1の第1気筒から第4気筒のいずれかに対応するものであることを示している。
なお、図示平均有効圧Pmicylxの添字末尾の「x」は、エンジン1の第1気筒から第4気筒のそれぞれに対応するものであることを示しており、4気筒であるエンジン1のそれぞれの気筒に対応した数値1〜4が適用される。また、以降の説明及び式中において、添字の末尾に「x」が付与されている変数及び定数についても、「x」によって同様にエンジン1の第1気筒から第4気筒のいずれかに対応するものであることを示している。
図3は、エンジン1のP−V線図の一例を示すグラフであるが、図3においてa点からb点、c点、d点を経てa点に戻る線によって囲まれたハッチング部分の面積がエンジン1の一気筒における図示仕事を表し、これを同気筒の行程容積Vhで除したものが図示平均有効圧となる。P−V線図におけるパラメータのうちの燃焼室容積については、クランク角センサ36からのクランク角信号とピストンストロークとによって求めることができるので、筒内圧センサ4によって検出された気筒毎の筒内圧から気筒毎のP−V線図を得ることが可能である。
即ち図示平均有効圧演算部46は、1燃焼サイクルにおける燃焼室容積と筒内圧との関係について、気筒毎に積分演算を行うことにより、気筒毎の図示平均有効圧Pmicylxを求める。こうして求められた気筒毎の図示平均有効圧Pmicylxは、目標噴射量補正部42に送られて後述する気筒毎の目標燃料噴射量Gfuelxの補正に用いられると共に、空気過剰率演算部(空気過剰率演算手段)48に送られる。
空気過剰率演算部48は、図示平均有効圧演算部46で求められた気筒毎の図示平均有効圧Pmicylxを用い、気筒毎の空気過剰率λcylxを演算する。ここで気筒毎の空気過剰率λcylxは、次のようにして求めることができる。
図示平均有効圧Pmiは、上述したようにエンジン1のP−V線図に示されるような燃焼室容積と筒内圧との関係に基づいて求めることができるほか、下記式(1)によって演算することもできる。
図示平均有効圧Pmiは、上述したようにエンジン1のP−V線図に示されるような燃焼室容積と筒内圧との関係に基づいて求めることができるほか、下記式(1)によって演算することもできる。
なお、上記式(1)において、Huは単位重量あたりの燃料の発熱量、ηiはエンジン1の特性に対応して予め設定された図示熱効率、Vhは行程容積である。
また、1燃焼サイクルにおいてエンジン1に供給される空気重量をGairとし、理論空燃比をLoとすると、エンジン1の空気過剰率λは下記式(2)によって表される。
また、1燃焼サイクルにおいてエンジン1に供給される空気重量をGairとし、理論空燃比をLoとすると、エンジン1の空気過剰率λは下記式(2)によって表される。
一方、吸気マニホールド14における吸気温Tb及び吸気圧Pbのもとでエンジン1に吸入される気体の体積をVbとし、この気体のモル数をn、気体定数をRとした場合、下記式(3)が成立する。
Pb・Vb=n・R・Tb ・・・ (3)
従って、エンジン1の体積効率をηvとすると、1燃焼サイクルにおいてエンジン1の気筒内に導入される気体重量Gcylは下記式(4)によって表される。
Pb・Vb=n・R・Tb ・・・ (3)
従って、エンジン1の体積効率をηvとすると、1燃焼サイクルにおいてエンジン1の気筒内に導入される気体重量Gcylは下記式(4)によって表される。
ここで、空気過剰率λを各気筒における筒内空気過剰率λcylxとすれば、Gcyl≒Gairと見なすことができる。従ってエンジン1の各気筒における筒内空気過剰率λcylxは、上記式(1)、(2)及び(4)から、下記式(5)のように表される。
上記式(5)において、単位量あたりの燃料の発熱量Hu、図示熱効率ηi、体積効率ηv、及び理論空燃比Loは予め定めることが可能であり、気体定数RについてもEGRガス量によって大きく変動するものではないことから、予め所定値を適用することが可能である。従って、前述のようにして図示平均有効圧演算部46で求められた気筒毎の図示平均有効圧Pmicylx、並びに吸気温センサ18によって検出された吸気温Tb、及び吸気圧センサ20によって検出された吸気圧Pbを用い、上記式(5)による演算を行うことによって気筒毎の空気過剰率λcylxを求めることができる。こうして空気過剰率演算部48で求められた気筒毎の空気過剰率λcylxは、目標噴射量補正部42に送られて後述する気筒毎の目標燃料噴射量Gfuelxの補正に用いられる。
更にECU34は、前述したように目標噴射量補正部42において必要に応じ目標燃料噴射量Gfuelの補正を行うため、比熱比演算部(比熱比演算手段)50を備える。この比熱比演算部50は、気筒毎に圧縮行程における2つのクランク角での筒内圧と燃焼室容積とを用い、ポリトロープ式に基づき各気筒内の気体の比熱比κcylxを演算する。
具体的に説明すると、本実施形態では、圧縮行程における2つのクランク角として、圧縮行程開始時、即ち図3中のa点における第1クランク角と、燃料噴射開始時の第2クランク角とを採用している。これらの第1及び第2クランク角においては、燃焼室内で燃料の燃焼が発生しておらず、燃焼の影響を受けることなく各気筒内の気体の比熱比κcylxを演算することができるため、このような第1及び第2クランク角が採用されている。
具体的に説明すると、本実施形態では、圧縮行程における2つのクランク角として、圧縮行程開始時、即ち図3中のa点における第1クランク角と、燃料噴射開始時の第2クランク角とを採用している。これらの第1及び第2クランク角においては、燃焼室内で燃料の燃焼が発生しておらず、燃焼の影響を受けることなく各気筒内の気体の比熱比κcylxを演算することができるため、このような第1及び第2クランク角が採用されている。
前述したように、各気筒の行程容積Vhは予め把握されているので、クランク角センサ36のクランク角信号から求まるクランク角に基づき、当該クランク角における燃焼室容積を求めることができる。そして、気筒内の気体の比熱比をκ、第1クランク角における燃焼室容積をV1、筒内圧をP1とし、第2クランク角における燃焼室容積をV2、筒内圧をP2とした場合、ポリトロープ式により下記式(6)が成立する。
P1・V1κ=P2・V2κ ・・・(6)
ここで、第1クランク角において、燃焼室容積は行程容積Vhと圧縮上死点における燃焼室容積Vcとの和であり、筒内圧P1は吸気圧Pbと見なすことができる。従って、第2クランク角における各気筒の筒内圧をP2cylxとすると、上記式(6)を変形することにより、各気筒内の気体の比熱比κcylxは下記式(7)によって表されることになる。
ここで、第1クランク角において、燃焼室容積は行程容積Vhと圧縮上死点における燃焼室容積Vcとの和であり、筒内圧P1は吸気圧Pbと見なすことができる。従って、第2クランク角における各気筒の筒内圧をP2cylxとすると、上記式(6)を変形することにより、各気筒内の気体の比熱比κcylxは下記式(7)によって表されることになる。
行程容積Vh及び圧縮上死点における燃焼室容積Vcは予め定めることが可能であるので、吸気圧センサ20によって検出された吸気圧Pb、第2クランク角において各筒内圧センサ4によって検出された気筒毎の筒内圧P2cylx、及び第2クランク角に対応した燃焼室容積V2を用い、上記式(7)による演算を行うことにより、各気筒内の気体の比熱比κcylxを求めることができる。こうして比熱比演算部50で求められた気筒毎の比熱比κcylxは、目標噴射量補正部42に送られて後述する気筒毎の目標燃料噴射量Gfuelxの補正に用いられる。
以上のように、ECU34の目標噴射量補正部42には、目標噴射量設定部40によって設定された目標燃料噴射量Gfuelのほか、図示平均有効圧演算部46によって求められた気筒毎の図示平均有効圧Pmicylx、空気過剰率演算部48によって求められた気筒毎の空気過剰率λcylx、及び比熱比演算部50によって求められた気筒毎の比熱比κcylxが入力される。そして目標噴射量補正部42は、これら図示平均有効圧Pmicylx、空気過剰率λcylx、及び比熱比κcylxを用い、必要に応じ目標燃料噴射量Gfuelを補正して気筒毎の目標燃料噴射量Gfuelcylxを設定する。
以下では、このような目標燃料噴射量Gfuelcylxの補正を行うために目標噴射量補正部42が実行する噴射量補正制御について、図4のフローチャートに基づき説明する。目標噴射量補正部42は、図4のフローチャートに従い、気筒毎に1燃焼サイクルを1制御周期として燃料噴射制御を実行する。
噴射量補正制御を開始すると、まず目標噴射量補正部42はステップS1において、噴射量補正制御に必要な情報をECU34内の各部及びアクセルセンサ38から取り込む。即ち、ECU34内の目標噴射量設定部40、図示平均有効圧演算部46、空気過剰率演算部48及び比熱比演算部50は、各気筒について1燃焼サイクルごとに前述したような演算を行っており、目標噴射量補正部42は、これら各部で求められた気筒毎の最新の演算値と、アクセルセンサ38によって検出されたアクセルペダルの操作量とをステップS1において取り込む。
噴射量補正制御を開始すると、まず目標噴射量補正部42はステップS1において、噴射量補正制御に必要な情報をECU34内の各部及びアクセルセンサ38から取り込む。即ち、ECU34内の目標噴射量設定部40、図示平均有効圧演算部46、空気過剰率演算部48及び比熱比演算部50は、各気筒について1燃焼サイクルごとに前述したような演算を行っており、目標噴射量補正部42は、これら各部で求められた気筒毎の最新の演算値と、アクセルセンサ38によって検出されたアクセルペダルの操作量とをステップS1において取り込む。
目標噴射量補正部42は、次のステップS2に処理を進めると、空気過剰率演算部48で求められた気筒毎の空気過剰率λcylxに基づき、気筒間における空気過剰率のばらつきの大小を判定する。より具体的に説明すると、目標噴射量補正部42は気筒毎の空気過剰率λcylxの中から、最大空気過剰率λmaxと最小空気過剰率λminとを抽出し、両者の偏差(λmax−λmin)が所定の空気過剰率偏差(第2基準指標)Δλsより大きいか否かを判定する。そして、最大空気過剰率λmaxと最小空気過剰率λminとの偏差が空気過剰率偏差Δλsより大きい場合に、気筒間での空気過剰率のばらつきが大きいと判定し、上記偏差が空気過剰率偏差Δλs以下の場合に、気筒間での空気過剰率のばらつきが大きくないと判定する。
ステップS2において気筒間での空気過剰率のばらつきが大きくないと判定した場合、目標噴射量補正部42はステップS6に処理を進める。目標噴射量設定部40で設定される目標燃料噴射量Gfuelは、前述したように適正な排気特性が得られるように予め目標燃料噴射量が設定された燃料噴射量マップに基づいて設定されるものである。従って、気筒間での空気過剰率のばらつきが少ない場合には、それぞれの気筒において適正な排気特性が確保されていることになる。そこで、ステップS6において目標噴射量補正部42は、目標噴射量設定部40で設定された目標燃料噴射量Gfuelをそのまま各気筒の目標燃料噴射量Gfuelcylxとして噴射量制御部44に出力し、その制御周期を終了する。
噴射制御部44は、前述したように、目標噴射量補正部42から出力された気筒毎の目標燃料噴射量Gfuelcylの燃料が、それぞれ対応する気筒のインジェクタ2から噴射されるように、各インジェクタ2を制御する。
一方、ステップS2において、気筒間での空気過剰率のばらつきが大きいと判定した場合、目標噴射量補正部42はステップS3に処理を進める。ステップS3において目標噴射量補正部42は、比熱比演算部50で求められた気筒毎の比熱比κcylxに基づき、気筒間における比熱比のばらつきの大小を判定する。
一方、ステップS2において、気筒間での空気過剰率のばらつきが大きいと判定した場合、目標噴射量補正部42はステップS3に処理を進める。ステップS3において目標噴射量補正部42は、比熱比演算部50で求められた気筒毎の比熱比κcylxに基づき、気筒間における比熱比のばらつきの大小を判定する。
具体的に説明すると、目標噴射量補正部42は気筒毎の比熱比κcylxの中から、最大比熱比κmaxと最小比熱比κminとを抽出し、両者の偏差(κmax−κmin)が所定の比熱比偏差(第1基準指標)Δκsより大きいか否かを判定する。そして、最大比熱比κmaxと最小比熱比κminとの偏差が比熱比偏差Δκsより大きい場合に、気筒間での比熱比のばらつきが大きいと判定し、上記偏差が比熱比偏差Δκs以下の場合に、気筒間での比熱比のばらつきが大きくないと判定する。
比熱比κcylxは、気筒の燃焼室内に存在する気体の組成によって変化するものであり、気筒間での比熱比のばらつきが大きい場合には、気筒間で燃焼室内における気体の組成のばらつきが大きいことを意味する。即ち、気筒間で燃焼室内におけるEGRガス量のばらつきが大きいために、気筒間での空気過剰率のばらつきが大きいことを意味する。
そこで、ステップS3において気筒間での比熱比のばらつきが大きいと判定した場合、目標噴射量補正部42はステップS4に処理を進め、気筒毎の空気過剰率λcylxが均一になるように目標燃料噴射量Gfuelを気筒毎に補正することにより、気筒毎の目標燃料噴射量Gfuelcylxを設定する。具体的には、排気特性が適正になるような空気過剰率として予め設定されている目標空気過剰率λtarを用い、下記式(8)により気筒毎の目標燃料噴射量Gfuelcylxを演算する。
そこで、ステップS3において気筒間での比熱比のばらつきが大きいと判定した場合、目標噴射量補正部42はステップS4に処理を進め、気筒毎の空気過剰率λcylxが均一になるように目標燃料噴射量Gfuelを気筒毎に補正することにより、気筒毎の目標燃料噴射量Gfuelcylxを設定する。具体的には、排気特性が適正になるような空気過剰率として予め設定されている目標空気過剰率λtarを用い、下記式(8)により気筒毎の目標燃料噴射量Gfuelcylxを演算する。
次に目標噴射量補正部42は、ステップS6に処理を進め、ステップS4で上述のようにして求められた気筒毎の目標燃料噴射量Gfuelcylxを噴射制御部44に出力し、その制御周期を終了する。
噴射制御部44は、前述したように、目標噴射量補正部42から出力された気筒毎の目標燃料噴射量Gfuelcylxの燃料が、それぞれ対応する気筒のインジェクタ2から噴射されるように、各インジェクタ2を制御する。このようにして各気筒に燃料が噴射されることにより、空気過剰率λcylxが目標空気過剰率λtarからずれている気筒については、空気過剰率λcylxを目標空気過剰率λtarに近づける方向に燃料噴射量が修正される。
噴射制御部44は、前述したように、目標噴射量補正部42から出力された気筒毎の目標燃料噴射量Gfuelcylxの燃料が、それぞれ対応する気筒のインジェクタ2から噴射されるように、各インジェクタ2を制御する。このようにして各気筒に燃料が噴射されることにより、空気過剰率λcylxが目標空気過剰率λtarからずれている気筒については、空気過剰率λcylxを目標空気過剰率λtarに近づける方向に燃料噴射量が修正される。
従って、各気筒に供給されるEGRガス量が気筒間でばらついていることにより、気筒間で空気過剰率のばらつきが大きい場合には、排気特性の面で好ましくない空気過剰率となっている気筒について、その排気特性が適正になるように空気過剰率を修正することが可能となる。この結果、エンジン1の全気筒において良好な排気特性を安定して確保することが可能になる。しかも、予め気筒間での空気過剰率のばらつきを見込んで、適正な排気特性を実現するためにある程度余裕を持たせて目標燃料噴射量を設定する必要がなくなるので、余分な燃料消費を抑制することにより、エンジン1の燃費を改善することが可能となる。
一方、目標噴射量補正部42がステップS3において気筒間での比熱比のばらつきが大きくないと判定した場合、各気筒の燃焼室内における気体の組成には、気筒間で大きなばらつきがないことになる。従って、この場合には燃料噴射量が気筒間でばらついていることにより、気筒間での空気過剰率のばらつきが大きいものと考えられる。
そこで、ステップS3において気筒間での比熱比のばらつきが大きくないと判定した場合、目標噴射量補正部42はステップS5に処理を進め、気筒毎の図示平均有効圧Pmicylxが均一になるように目標燃料噴射量Gfuelを気筒毎に補正することにより、気筒毎の目標燃料噴射量Gfuelcylxを設定する。
そこで、ステップS3において気筒間での比熱比のばらつきが大きくないと判定した場合、目標噴射量補正部42はステップS5に処理を進め、気筒毎の図示平均有効圧Pmicylxが均一になるように目標燃料噴射量Gfuelを気筒毎に補正することにより、気筒毎の目標燃料噴射量Gfuelcylxを設定する。
より具体的に説明すると、目標噴射量補正部42は、アクセルペダルの操作量に対応した適正な図示平均有効圧として、目標図示平均有効圧Pmitarが予め設定された目標図示平均有効圧マップを記憶している。目標噴射量補正部42はステップS5において、アクセルセンサ38によって検出されたアクセルペダルの操作量に基づき、この目標図示平均有効圧マップから対応する目標図示平均有効圧Pmitarを読み出し、下記式(9)により気筒毎の目標燃料噴射量Gfuelcylxを演算する。
目標噴射量補正部42は、次のステップS6に処理を進め、ステップS5で上述のようにして求められた気筒毎の目標燃料噴射量Gfuelcylxを噴射制御部44に出力し、その制御周期を終了する。
噴射制御部44は、前述したように、目標噴射量補正部42から出力された気筒毎の目標燃料噴射量Gfuelcylxの燃料が、それぞれ対応する気筒のインジェクタ2から噴射されるように、各インジェクタ2を制御する。このようにして各気筒に燃料が噴射されることにより、図示平均有効圧Pmicylxを目標図示平均有効圧Pmitarに近づける方向に燃料噴射量が修正される。
噴射制御部44は、前述したように、目標噴射量補正部42から出力された気筒毎の目標燃料噴射量Gfuelcylxの燃料が、それぞれ対応する気筒のインジェクタ2から噴射されるように、各インジェクタ2を制御する。このようにして各気筒に燃料が噴射されることにより、図示平均有効圧Pmicylxを目標図示平均有効圧Pmitarに近づける方向に燃料噴射量が修正される。
従って、気筒間でのEGRガス量のばらつきは小さいものの、燃料噴射量のばらつきが気筒間で大きいことにより、気筒間で空気過剰率のばらつきが大きい場合には、このようにして気筒毎の目標燃料噴射量Gfuelcylxを設定することにより、気筒間の図示平均有効圧のばらつきが均一化される。この結果、各気筒における発生トルクのばらつきに起因して発生する不適切な回転変動を良好に抑制することができる。
また、上述のように気筒間でのEGRガス量には大きなばらつきが生じていないことから、このようにして各気筒の目標燃料噴射量Gfuelcylxを設定することで、各気筒の空気過剰率λcylxも均一化する方向に修正され、スモークやNOxの排出量などの排気特性を気筒毎に適正に確保することができる。
以上のようにして目標噴射量補正部42が噴射量補正制御を実行することにより、気筒間で空気過剰率のばらつきが大きい場合には、気筒間での比熱比のばらつきが比較的大きいか否かに応じてその要因を判別した上で、目標燃料噴射量が補正される。従って、空気過剰率のばらつきの要因に対応して目標噴射量Gfuelを適切に補正し、気筒毎の目標噴射量Gfuelcylxを設定することができる。この結果、気筒間でEGRガス量のばらつきが大きい場合と、気筒間で燃料噴射量のばらつきが大きい場合のいずれにおいても、上述したように全ての気筒で良好な排気特性を確保することができる。
以上のようにして目標噴射量補正部42が噴射量補正制御を実行することにより、気筒間で空気過剰率のばらつきが大きい場合には、気筒間での比熱比のばらつきが比較的大きいか否かに応じてその要因を判別した上で、目標燃料噴射量が補正される。従って、空気過剰率のばらつきの要因に対応して目標噴射量Gfuelを適切に補正し、気筒毎の目標噴射量Gfuelcylxを設定することができる。この結果、気筒間でEGRガス量のばらつきが大きい場合と、気筒間で燃料噴射量のばらつきが大きい場合のいずれにおいても、上述したように全ての気筒で良好な排気特性を確保することができる。
また、気筒間での空気過剰率のばらつきが大きくない場合には、上述したような目標燃料噴射量Gfuelに対する補正を行わずに、そのまま各気筒の目標燃料噴射量Gfuelcylxとして燃料噴射手段から燃焼室内に燃料を噴射する。このように気筒間での空気過剰率のばらつきが大きくない場合、補正の方法によっては、かえって気筒間での空気過剰率にばらつきが生じてしまうおそれがある。しかし、本実施形態では、気筒間での空気過剰率のばらつきが大きくなければ目標燃料噴射量Gfuelに対する補正を省略するので、このような問題が生じることもない。
但し、本実施形態では、式(8)で目標燃料噴射量Gfuelを補正する際の目標空気過剰率λtarが、適正な排気特性を確保できる空気過剰率として設定されているので、気筒間での空気過剰率のばらつきが大きくない場合に、目標燃料噴射量Gfuelを同様に補正するようにしても、排気特性が悪化するおそれはない。このように、目標燃料噴射量Gfuelの補正の方法によっては、図4に示される噴射量補正制御のステップS2の判定を省略し、気筒間での空気過剰率のばらつきの大小にかかわらず、気筒間での比熱比のばらつきの大小に応じ、目標燃料噴射量Gfuelを同様に補正するようにしてもよい。
以上で本発明の一実施形態に係るディーゼルエンジンの燃料制御装置についての説明を終えるが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。
例えば、上記実施形態では、比熱比演算部50が各気筒の比熱比κcylxを式(7)によって求める際、第2クランク角として燃料噴射開始時のクランク角を用いたが、第2クランク角はこれに限定されるものではなく、圧縮行程において第1クランク角とは異なる任意のクランク角(例えば、圧縮上死点前20°など)を適用することが可能である。
例えば、上記実施形態では、比熱比演算部50が各気筒の比熱比κcylxを式(7)によって求める際、第2クランク角として燃料噴射開始時のクランク角を用いたが、第2クランク角はこれに限定されるものではなく、圧縮行程において第1クランク角とは異なる任意のクランク角(例えば、圧縮上死点前20°など)を適用することが可能である。
また、目標噴射量設定部40により目標燃料噴射量Gfuelの設定方法は、上記実施形態の方法に限定されるものではなく、様々な公知の方法を適用することが可能である。
また、上記実施形態では、気筒毎の空気過剰率λcylxが均一になるように目標燃料噴射量Gfuelを気筒毎に補正する際に、式(8)を用いるようにしたが、気筒毎の空気過剰率λcylxを均一にするための目標燃料噴射量Gfuelの補正の方法は、これに限定されるものではない。例えば、式(8)における目標空気過剰率λtarに代えて気筒毎の空気過剰率λcylxの平均値を用いるようにしてもよい。但し、目標空気過剰率λtarを用いる方がより精度よく良好な排気特性を確保することができる。
また、上記実施形態では、気筒毎の空気過剰率λcylxが均一になるように目標燃料噴射量Gfuelを気筒毎に補正する際に、式(8)を用いるようにしたが、気筒毎の空気過剰率λcylxを均一にするための目標燃料噴射量Gfuelの補正の方法は、これに限定されるものではない。例えば、式(8)における目標空気過剰率λtarに代えて気筒毎の空気過剰率λcylxの平均値を用いるようにしてもよい。但し、目標空気過剰率λtarを用いる方がより精度よく良好な排気特性を確保することができる。
更に、上記実施形態では、気筒毎の図示平均有効圧Pmicylxが均一になるように目標燃料噴射量Gfuelを気筒毎に補正する際に、式(9)を用いるようにしたが、気筒毎の図示平均有効圧Pmicylxを均一にするための目標燃料噴射量Gfuelの補正の方法は、これに限定されるものではない。例えば、式(9)における目標図示平均有効圧Pmitarに代えて、気筒毎の図示平均有効圧Pmicylxの平均値を用いるようにしてもよい。このようにした場合にも、各気筒における発生トルクのばらつきに起因して発生する不適切な回転変動を良好に抑制することができる。
なお、上記実施形態では、エンジン1を直列4気筒のディーゼルエンジンとしたが、気筒数及び形式についてはこれに限定されるものではなく、本発明はEGR機構を有した様々なディーゼルエンジンに適用することが可能である。
1 エンジン
2 インジェクタ(燃料噴射手段)
4 筒内圧センサ(筒内圧検出手段)
26 EGRクーラ(EGR機構)
28 EGR弁(EGR機構)
30 EGR通路(EGR機構)
34 ECU
36 クランク角センサ
40 目標噴射量設定部(目標噴射量設定手段)
42 目標噴射量補正部(目標噴射量補正手段)
44 噴射制御部(噴射制御手段)
46 図示平均有効圧演算部(図示平均有効圧演算手段)
48 空気過剰率演算部(空気過剰率演算手段)
50 比熱比演算部(比熱比演算手段)
2 インジェクタ(燃料噴射手段)
4 筒内圧センサ(筒内圧検出手段)
26 EGRクーラ(EGR機構)
28 EGR弁(EGR機構)
30 EGR通路(EGR機構)
34 ECU
36 クランク角センサ
40 目標噴射量設定部(目標噴射量設定手段)
42 目標噴射量補正部(目標噴射量補正手段)
44 噴射制御部(噴射制御手段)
46 図示平均有効圧演算部(図示平均有効圧演算手段)
48 空気過剰率演算部(空気過剰率演算手段)
50 比熱比演算部(比熱比演算手段)
Claims (6)
- 複数の気筒を有すると共に排気の一部を吸気側に還流するEGR機構を備えたディーゼルエンジンの燃料制御装置であって、
上記ディーゼルエンジンの各気筒に設けられ、各気筒の燃焼室内に燃料を噴射する燃料噴射手段と、
上記ディーゼルエンジンの運転状態に基づき、上記燃料噴射手段からの目標燃料噴射量を設定する目標噴射量設定手段と、
上記ディーゼルエンジンの各気筒の筒内圧を検出する筒内圧検出手段と、
上記筒内圧検出手段によって検出された気筒毎の筒内圧に基づき、気筒毎の図示平均有効圧を求める図示平均有効圧演算手段と、
上記図示平均有効圧演算手段によって求められた気筒毎の図示平均有効圧に基づき、気筒毎の燃焼室内の空気過剰率を求める空気過剰率演算手段と、
上記筒内圧検出手段によって検出された気筒毎の筒内圧に基づき、気筒毎の燃焼室内のガスの比熱比を求める比熱比演算手段と、
上記比熱比演算手段によって求められた気筒毎の比熱比を比較し、気筒間での比熱比のばらつきが比熱比のばらつきに関する第1基準指標より大きいと判定したときには、上記空気過剰率演算手段によって求められた気筒毎の空気過剰率が各気筒間で均一になるように、上記目標噴射量設定手段によって設定された上記目標燃料噴射量を気筒毎に補正する一方、気筒間での比熱比のばらつきが上記第1基準指標より大きくないと判定したときには、上記図示平均有効圧演算手段によって求められた気筒毎の図示平均有効圧が各気筒間で均一になるように、上記目標噴射量設定手段によって設定された上記目標燃料噴射量を気筒毎に補正する目標噴射量補正手段と、
上記目標噴射量補正手段によって補正された気筒毎の目標燃料噴射量に基づき、それぞれ対応する上記燃料噴射手段を制御する噴射制御手段と
を備えることを特徴とするディーゼルエンジンの燃料制御装置。 - 上記目標噴射量補正手段は、上記空気過剰率演算手段によって求められた気筒毎の空気過剰率を比較し、気筒間での空気過剰率のばらつきが空気過剰率のばらつきに関する第2基準指標より大きいと判定したときにのみ上記目標噴射量設定手段によって設定された上記目標燃料噴射量を気筒毎に補正して上記噴射制御手段に出力する一方、気筒間での空気過剰率のばらつきが上記第2基準指標より大きくないと判定したときには、上記目標噴射量設定手段によって設定された上記目標燃料噴射量を補正せずに上記噴射制御手段に出力し、
上記噴射制御手段は、上記目標噴射量補正手段から出力された気筒毎の目標燃料噴射量に基づき、それぞれ対応する上記燃料噴射手段を制御することを特徴とする請求項1に記載のディーゼルエンジンの燃料制御装置。 - 上記目標噴射量補正手段は、上記空気過剰率演算手段によって求められた気筒毎の空気過剰率のうちの最大の空気過剰率と最小の空気過剰率との差が所定の空気過剰率偏差以上であるときに空気過剰率のばらつきが上記第2基準指標より大きいと判定し、最大の空気過剰率と最小空気過剰率との差が上記空気過剰率偏差未満であるときに空気過剰率のばらつきが上記第2基準指標より大きくないと判定することを特徴とする請求項2に記載のディーゼルエンジンの燃料制御装置。
- 上記目標噴射量補正手段は、上記比熱比演算手段によって求められた気筒毎の比熱比のうち、最大の比熱比と最小の比熱比との差が所定の比熱比偏差以上であるときに比熱比のばらつきが上記第1基準指標より大きいと判定し、最大の比熱比と最小の比熱比との差が上記比熱比偏差未満であるときに比熱比のばらつきが上記第1基準指標より大きくないと判定することを特徴とする請求項1に記載のディーゼルエンジンの燃料制御装置。
- 上記比熱比演算手段は、各気筒の圧縮行程において、第1クランク角で上記筒内圧検出手段によって検出された第1筒内圧及び上記第1クランク角のときの第1燃焼室容積、並びに第2クランク角で上記筒内圧検出手段によって検出された第2筒内圧及び上記第2クランク角のときの第2燃焼室容積を用い、ポリトロープ式に基づき気筒毎に比熱比を演算することを特徴とする請求項1に記載のディーゼルエンジンの燃料制御装置。
- 上記第1及び第2クランク角は、各気筒の圧縮行程において、燃焼室内への燃料噴射が上記燃料噴射手段から開始されるまでの間のクランク角であることを特徴とする請求項5に記載のディーゼルエンジンの燃料制御装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008304084A JP2010127219A (ja) | 2008-11-28 | 2008-11-28 | ディーゼルエンジンの燃料制御装置 |
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2008
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