JP2009143486A - ランフラットタイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】カーカスコードの耐熱性を高め、ランフラット耐久性を向上させる。
【解決手段】天然ゴムおよび/またはイソプレンゴムを含有し、さらに、ブタジエンゴム、変性ブタジエンゴム、スチレンブタジエンゴムおよび変性スチレンブタジエンゴムよりなる群から選ばれる少なくとも2種の合成ゴムを含有するゴム成分、硫黄、クレゾール樹脂、レゾルシン縮合物および変性レゾルシン縮合物よりなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物、ならびに(D)ヘキサメチレンテトラミンを含有するゴム組成物からなるトッピングゴムでカーカスコードを被覆したカーカスプライからなるカーカスで構成され、カーカスコードに、アラミド繊維コードを用いたことを特徴とするランフラットタイヤ。
【選択図】図1

Description

本発明は、軽量化を達成しながらタイヤの諸性能を向上させるランフラットタイヤに関する。
例えば、パンク等によりタイヤ内の空気が抜けたデフレート状態においても比較的長距離を走行しうるランフラットタイヤとして、サイドウォール部に、断面三日月状のサイド補強ゴム層を設けた所謂サイド補強タイプのものが知られている(例えば特許文献1など参照)。
特許文献1に記載のタイプのタイヤでは、荷重支持能力をより高めるために、複数枚のカーカスプライを採用するとともに、ランフラット走行時のタイヤ温度が、インフレート状態での通常走行時に比して著しく高くなることから、ランフラット耐久性の確保の観点から、カーカスコードとして耐熱性に優れるレーヨン繊維コードが使用されている。
また、近年、タイヤにおいては、とくに高速走行時の制動性能などの操縦安定性や乗り心地性能の向上がますます強く要求されている。
繊維コード被覆用ゴム組成物において、操縦安定性を向上させる方法としては、複素弾性率(E*)を向上させ、剛性を向上させる手法が知られている。具体的には、フェノール樹脂を配合する方法が知られている。しかし、ゴム組成物の転がり抵抗(tanδ)が増大してしまうという問題があった。
*を向上させ、tanδを低減させる手法としては、レゾルシン縮合物や変性レゾルシン縮合物などを、ヘキサメチロールメラミンペンタメチルエーテル(HMMPME)の部分縮合物やヘキサメトキシメチロールメラミン(HMMM)の部分縮合物で架橋する方法が一般的に知られている。しかし、その場合、ゴム組成物の作製工程中、シートやトッピング加工時に架橋が開始してしまい、ゴム粘度が増大するため、加工性が悪化してしまう。
また、E*を向上させ、tanδを低減させる手法としては、他にも、硫黄を高配合する手法や、加硫促進剤を高配合する手法なども知られている。しかし、走行時に自然効果が顕著となり、耐久性が悪化してしまう。
さらに、近年、低燃費性に優れる低燃費タイヤが求められており、トレッドやサイドウォールなどを改良して低燃費化する技術が盛んに開発されている。
しかし、トレッドやサイドウォールなどの大型部材の低燃費化が進行するにともない、結果として、コードトッピングゴムの燃費への寄与率が大きくなっている。
FEM解析などにより、コードトッピングゴムの燃費を低減するためには、tanδを低減するのが有効であることが判明しつつあるが、コードトッピングゴムにおいて、tanδを低減するための有効な技術が存在しない。
tanδを低減する方法としては、カーボンブラックの配合量を減らす方法や、オイルの配合量を増やす方法などが存在する。しかし、カーボンブラックの配合量を減らした場合、破断特性の低下を引き起こし、オイルの配合量を増やした場合、破断特性が低下するだけでなく、サイドウォールやインナーライナー、クッションゴムなどの隣接する部材へオイルが移行し、耐久性も悪化する。
特許文献2には、繊維コードとの接着性を向上させ、さらに優れた破断特性を示すカーカス繊維コード被覆用ゴム組成物およびそれにより被覆されたカーカス繊維コードを提供する目的で、硫黄、クレゾール樹脂、レゾルシン縮合物および変性レゾルシン縮合物よりなる群から選ばれる1種以上の化合物、ならびにヘキサメチロールメラミンペンタメチルエーテルの部分縮合物またはヘキサメトキシメチロールメラミンの部分縮合物を特定量含有させたーカス繊維コード被覆用ゴム組成物およびそれにより被覆されたカーカス繊維コードが開示されている。
しかし、デフレート状態でのランフラット耐久試験(RF耐久試験)では、コード被覆用ゴムを改良するだけでは十分なRF耐久性が得られず、いまだ改善の余地がある。
特開平2000−351307号公報 特開平2006−28684号公報
近年のランフラット走行における高速化、長距離化の傾向から、ランフラット耐久性や操縦安定性のさらなる向上が強く望まれている。
そこで本発明は、レーヨン繊維コードに比して耐熱性に優れ、かつ高弾性であるアラミド繊維コードをカーカスコードに使用することを基本として、ランフラットタイヤにおいては、軽量化を図りつつランフラット走行時における操縦安定性と耐久性とを高め、ランフラット走行における高速化、長距離化を達成しうるランフラットタイヤを提供することを目的としている。
前記目的を達成するために、本願請求項1の発明にかかるランフラットタイヤは、
トレッド部からサイドウォール部をへてビード部のビードコアに至るカーカスと、トレッド部の内方かつ前記カーカスの半径方向外側に配されるベルト層と、サイドウォール部かつ前記カーカスの内側に配され最大厚さを有する中央部分から半径方向内外に厚さを減じてのびる断面三日月状のサイド補強ゴム層とを具えるランフラットタイヤであって、
前記カーカスは、タイヤ周方向に対して70〜90°の角度で配列したカーカスコードをトッピングゴムで被覆したカーカスプライからなるとともに、カーカスコードを被覆する前記トッピングゴムが(A)天然ゴムおよび/またはイソプレンゴムを含有し、さらに、ブタジエンゴム、変性ブタジエンゴム、スチレンブタジエンゴムおよび変性スチレンブタジエンゴムよりなる群から選ばれる少なくとも2種の合成ゴムを含有するゴム成分100重量部に対して、(B)硫黄を2〜3.4重量部、(C)クレゾール樹脂、レゾルシン縮合物および変性レゾルシン縮合物よりなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物を1〜10重量部、ならびに(D)ヘキサメチレンテトラミンを0.1〜3重量部含有するゴム組成物からなり、前記カーカスコードに、アラミド繊維コードを用いたことを特徴としている。
請求項2の発明では、カーカスコードを被覆する前記トッピングゴムが、さらに、ゴム成分(A)100重量部に対して、(E)ヘキサメチロールメラミンペンタメチルエーテルの部分縮合物またはヘキサメトキシメチロールメラミンの部分縮合物を1〜10重量部含有するゴム組成物からなることを特徴としている。
請求項3の発明では、前記カーカスコードは、下撚りしたフィラメント束の2本を、上撚りにて互いに撚り合わせた2本撚り構造をなすことを特徴としている。
請求項4の発明では、前記カーカスコードは、次式(1)で示す撚り係数Tを0.5〜0.7の範囲としたことを特徴としている。
T=N×√{(0.125×D/2)/ρ}×10-3 ・・・(1)
(ただし、Nは上撚り数(回/10cm)、Dはトータル表示デシテックス(繊度)、ρはコード材料の比重である。)
請求項5の発明では、前記カーカスコードは、前記撚り係数Tが0.6〜0.7の範囲であることを特徴としている。
本発明のランフラットタイヤは、カーカスプライにおけるカーカスコードを被覆するトッピングゴムにおいて、(A)所定のゴム成分、(B)硫黄、(C)クレゾール樹脂、レゾルシン縮合物および変性レゾルシン縮合物よりなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物、(D)ヘキサメチレンテトラミン、ならびに(E)ヘキサメチロールメラミンペンタメチルエーテルの部分縮合物またはヘキサメトキシメチロールメラミンの部分縮合物を所定量含有するゴム組成物を採用し、そして特に耐熱性に優れるアラミド繊維コードをカーカスコードとして採用している。したがって、とりわけランフラットタイヤにおいては、ランフラット走行時の温度上昇によるコード損傷を抑制できる。また、アラミド繊維コードは高弾性であり荷重支持能力を高めることができるため、プライ枚数の低減(軽量化)を図りながら、ランフラット時のタイヤ変形を軽減でき、前述の耐熱性の向上と相俟ってランフラット耐久性を高めうる。また、ランフラット走行時の操縦安定性も向上でき、ランフラット走行における高速化、長距離化を達成しうる。
本発明ランフラットタイヤは、カーカスコードをトッピングゴム(カーカスコード被覆用ゴム組成物)で被覆したカーカスプライから構成されるカーカスを具える。
カーカスコードを被覆するトッピングゴムは、(A)天然ゴムおよび/またはイソプレンゴムを含有し、さらに、ブタジエンゴム、変性ブタジエンゴム、スチレンブタジエンゴムおよび変性スチレンブタジエンゴムよりなる群から選ばれる少なくとも2種の合成ゴムを含有するゴム成分、(B)硫黄、(C)クレゾール樹脂、レゾルシン縮合物および変性レゾルシン縮合物よりなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物、ならびに(D)ヘキサメチレンテトラミンを含有するゴム組成物(カーカスコード被覆用ゴム組成物)からなる。
前記カーカスコードを被覆するトッピングゴムは、構成するゴム組成物において、さらに(E)ヘキサメチロールメラミンペンタメチルエーテルの部分縮合物またはヘキサメトキシメチロールメラミンの部分縮合物を含有することが好ましい。
ゴム成分(A)としては、天然ゴム(NR)および/またはイソプレンゴム(IR)、さらに、ブタジエンゴム(BR)、変性ブタジエンゴム(変性BR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)および変性スチレンブタジエンゴム(変性SBR)よりなる群から選ばれる少なくとも2種の合成ゴムを含有する。
NRとしては、とくに制限はなく、通常ゴム工業で使用されるものを使用することができ、具体的には、RSS♯3、TSR20などがあげられる。また、IRとしても、とくに制限はなく、タイヤ工業で従来から使用されるものを使用することができる。
ゴム成分(A)中のNRおよび/またはIRの含有率は40重量%以上が好ましく、50重量%以上がより好ましい。NRおよび/またはIRの含有率が40重量%未満では、引張試験における破断時伸びが低下し、タイヤが走行時に、路面の凹凸や異物と接触することにより、ゴム組成物が破断する傾向がある。また、ゴム成分(A)中のNRおよび/またはIRの含有率は90重量%以下が好ましく、80重量%以下がより好ましく、75重量%以下がさらに好ましい。NRおよび/またはIRの含有率が90重量%をこえると、高温加硫時にリバージョンが生じたり、100%シス構造がトランス構造に転移するなどポリマー構造の弱体化が生じ、破断抗力や破断時伸びなどのゴム特性が低下する傾向がある。
BRとしても、とくに制限はなく、宇部興産(株)製のBR130B、BR150Bなどのハイシス含有量のBR(ハイシスBR)などを好適に使用することができる。耐亀裂成長性に優れるという点で、ゴム成分(A)中のBRの含有率は、10重量%以上であることが好ましく、15重量%以上であることがより好ましい。また、破断伸びに優れ、さらに、それ以上配合しても耐亀裂成長性が飽和し、向上しないという点で、ゴム成分(A)中のBRの含有率は、50重量%以下であることが好ましく、40重量%以下であることがより好ましい。
変性BRとしては、リチウム開始剤により1,3−ブタジエンの重合をおこなったのち、スズ化合物を添加することにより得られ、さらに変性BR分子の末端がスズ−炭素結合で結合されているものが好ましい。
リチウム開始剤としては、アルキルリチウム、アリールリチウム、ビニルリチウム、有機スズリチウムおよび有機窒素リチウム化合物などのリチウム系化合物や、リチウム金属などがあげられる。前記リチウム開始剤を変性BRの開始剤とすることで、高ビニル、低シス含有量の変性BRを作製できる。
スズ化合物としては、四塩化スズ、ブチルスズトリクロライド、ジブチルスズジクロライド、ジオクチルスズジクロライド、トリブチルスズクロライド、トリフェニルスズクロライド、ジフェニルジブチルスズ、トリフェニルスズエトキシド、ジフェニルジメチルスズ、ジトリルスズクロライド、ジフェニルスズジオクタノエート、ジビニルジエチルスズ、テトラベンジルスズ、ジブチルスズジステアレート、テトラアリルスズ、p−トリブチルスズスチレンなどがあげられ、これらのスズ化合物は、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
変性BR中のスズ原子の含有率は50ppm以上が好ましく、60ppm以上がより好ましい。スズ原子の含有率が50ppm未満では、変性BR中のカーボンブラックの分散を促進する効果が小さく、tanδが増大してしまう傾向がある。また、スズ原子の含有率は3000ppm以下が好ましく、2500ppm以下がより好ましく、250ppm以下がさらに好ましい。スズ原子の含有率が3000ppmをこえると、混練り物のまとまりが悪く、エッジが整わないため、混練り物の押出し加工性が悪化する傾向がある。
変性BRの分子量分布(Mw/Mn)は2以下が好ましく、1.5以下がより好ましい。変性BRのMw/Mnが2をこえると、カーボンブラックの分散性が悪化し、tanδが増大してする傾向がある。
変性BRのビニル結合量は5重量%以上が好ましく、7重量%以上がより好ましい。変性BRのビニル結合量が5重量%未満では、変性BRを重合(製造)することは困難な傾向がある。また、変性BRのビニル結合量は50重量%以下が好ましく、20重量%以下がより好ましい。変性BRのビニル結合量が50重量%をこえると、カーボンブラックの分散性が悪化し、引張強度が低下する傾向がある。
ゴム成分(A)中の変性BRの含有率は10重量%以上が好ましく、15重量%以上がより好ましい。変性BRの含有率が10重量%未満では、充分な耐亀裂成長性が得られない傾向がある。また、ゴム成分(A)中の変性BRの含有率は50重量%以下が好ましく、40重量%以下がより好ましく、30重量%以下がさらに好ましい。変性BRの含有率が50重量%をこえると、変性BRの含有率を上昇させても、耐亀裂成長性は飽和し、向上しないうえに、破断時伸びが低下する傾向がある。
以上の条件を満たす変性BRとしては、たとえば、日本ゼオン(株)製のBR1250Hなどがあげられる。
SBRとしては、とくに制限はなく、乳化重合SBR(E−SBR)または溶液重合SBR(S−SBR)を使用することができる。
ゴム成分(A)中のSBRの含有率は10重量%以上が好ましく、15重量%以上がより好ましい。SBRの含有率が10重量%未満では、リバージョンを抑制する効果が充分ではない傾向がある。また、ゴム成分(A)中のSBRの含有率は50重量%以下が好ましく、40重量%以下がより好ましい。SBRの含有率が50重量%をこえると、破断強度が低下する傾向がある。
変性SBRは、JSR(株)製のHPR340などのように、結合スチレン量の小さいものが好ましい。
変性SBRの結合スチレン量は、ゴム配合でのリバージョン性に優れる点から、5重量%以上が好ましく、7重量%以上がより好ましい。また、変性SBRの結合スチレン量は、低発熱性に優れる点から、30重量%以下が好ましく、20重量%以下がより好ましい。
変性SBRとしては、乳化重合変性SBR(変性E−SBR)と溶液重合変性SBR(変性S−SBR)があげられるが、シリカとポリマー鎖の結合を強め、tanδを低減させることで低燃費性を向上させることができることから、変性S−SBRが好ましい。
変性SBRとしては、スズやケイ素などでカップリングされたものが好ましく用いられる。変性SBRのカップリング方法としては、常法に従って、たとえば、変性SBRの分子鎖末端のアルカリ金属(Liなど)やアルカリ土類金属(Mgなど)を、ハロゲン化スズやハロゲン化ケイ素などと反応させる方法などがあげられる。
変性SBRは、共役ジオレフィン単独、または共役ジオレフィンと芳香族ビニル化合物とを(共)重合して得られた(共)重合体であり、第1級アミノ基やアルコキシシリル基を有することが好ましい。
第1級アミノ基は、重合開始末端、重合終了末端、重合体主鎖、側鎖のいずれに結合していてもよいが、重合体末端からエネルギー消失を抑制してヒステリシスロス特性を改良し得る点から、重合開始末端または重合終了末端に導入されていることが好ましい。
変性SBRの重量平均分子量(Mw)は、充分な破断特性が得られる点から、100万以上が好ましく、120万以上がより好ましい。また、変性SBRのMwは、ゴムの粘度を調節し、混練り加工を容易にできる点から、200万以下が好ましく、180万以下がより好ましい。
ゴム成分(A)中の変性SBRの含有率は10重量%以上であることが好ましく、15重量%以上であることがより好ましい。変性SBRの含有率が10重量%未満では、リバージョン性が劣り、tanδが悪化する傾向がある。また、ゴム成分(A)中の変性SBRの含有率は40重量%以下であることが好ましく、35重量%以下であることがより好ましい。変性SBRの含有率が40重量%をこえると、破断強度が低下する傾向がある。
BR、変性BR、SBRおよび変性SBRよりなる群から選ばれる合成ゴムのうち、SBRを含有させると、リバージョンが発生しにくく、硬度を維持することができ、BRを含有させると、耐亀裂成長性に優れる。また、変性BRを含有させるとカーボンブラックとの相互作用に優れ、カーボンブラックとポリマー鎖の結合を強めることができ、変性SBRはシリカとの相互作用に優れ、シリカとポリマー鎖の結合を強めることができる。本発明は、ゴム成分(A)として、BR、変性BR、SBRおよび変性SBRよりなる群から選ばれる合成ゴムを少なくとも2種類含有するものであり、カーボンブラックやシリカを含む場合に低燃費性に優れる、破断強度が向上する場合もあるという点から、変性BRまたは変性SBRを含有することが好ましく、変性BRおよび変性SBRのいずれも含有することが好ましい。
ゴム成分(A)としては、前記NR、IR、BR、変性BR、SBR、変性SBR、以外にも、タイヤ工業で従来から使用されるアクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)、クロロプレンゴム(CR)、エチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)、スチレンイソプレンブタジエンゴム(SIBR)などの他のゴム成分を使用することもできる。
ゴム成分(A)中の他のゴム成分の含有率は、亀裂成長性や加工性を維持し、また劣化性に優れる点から、20重量%以下が好ましく、15重量%以下がより好ましい。なお、他のゴム成分を含有しなくてもよい。
硫黄(B)としては、ゴム工業において加硫時に一般的に用いられる硫黄を用いることができるが、とくに不溶性硫黄が好ましい。ここで不溶性硫黄とは、天然硫黄S8を加熱、急冷し、Sx(x=10万〜30万)となるように高分子量化した硫黄のことをいう。不溶性硫黄を用いることで、通常、硫黄をゴム加硫剤として用いた場合に生じるブルーミングを防止することができる。
硫黄(B)の含有量は、ゴム成分(A)100重量部に対して2重量部以上、好ましくは2.4重量部以上である。硫黄(B)の含有量が2重量部未満では、カーカス繊維コードとの接着層に充分な硫黄が供給されず、接着性が劣る。また、硫黄(B)の含有量はゴム成分(A)100重量部に対して、3.4重量部以下、好ましくは3.3重量部以下、より好ましくは2.9重量部以下、さらに好ましくは2.8重量部以下である。硫黄の含有量が3.4重量部をこえると、硫黄架橋の密度が大きくなり、破断抗力および破断時伸びなどの破断特性、とくに熱酸化劣化後の破断特性が低下する。
本発明のゴム組成物は、クレゾール樹脂、レゾルシン縮合物および変性レゾルシン縮合物よりなる群から選ばれる1種以上の化合物(C)(以下、化合物(C)とする)を含有する。
クレゾール樹脂としては、薬品軟化点が100℃付近(92〜107℃)であるため、常温では固体であるが、ゴム混練り時に液体であるため分散しやすく、さらに本発明で用いられるヘキサメチレンテトラミン(HMT)との反応開始温度が130℃付近とタイヤ加硫温度(145〜190℃)以下で適切であるということから、下記化学式で表されるメタクレゾール樹脂を用いることが最も好ましい。
Figure 2009143486
式中のnは、1以上が好ましく、2以上がより好ましい。また、式中のnは、5以下が好ましい。
このようなクレゾール樹脂としては、たとえば、住友化学(株)製のスミカノール610などが例示される。
レゾルシン縮合物とは、下記化学式で表される化合物をいう。
Figure 2009143486
変性レゾルシン縮合物とは、下記化学式のように末端がレゾルシンであり、繰り返し単位がレゾルシンまたはアルキルフェノールを有する縮合物である。
Figure 2009143486
化学式2および化学式3中のnは整数である。nは、ゴム中への分散性が良好であるという点から2〜5が好ましい。
化学式3におけるRは、アルキル基であり、炭素数は、9以下が好ましく、8以下がより好ましい。化学式3におけるRのアルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、オクチル基などがあげられる。また、前記変性レゾルシン縮合物は、繰り返し単位としてレゾルシンとアルキルフェノールの混合であってよい。
変性レゾルシン縮合物としては、たとえば、レゾルシン・アルキルフェノール・ホルマリン共重合体(住友化学工業(株)製のスミカノール620など)、レゾルシン・ホルマリン反応物ペナコライト樹脂(インドスペック社製の1319Sなど)などがあげられる。
化合物(C)の含有量は、ゴム成分(A)100重量部に対して1重量部以上、好ましくは2重量部以上、より好ましくは3重量部以上である、化合物(C)の含有量が1重量部未満では、充分な硬度が得られない。また、化合物(C)の含有量はゴム成分(A)100重量部に対して、10重量部以下、好ましくは8重量部以下である。化合物(C)の含有量が10重量部をこえると、硬度が大きくなりすぎて、耐亀裂成長性および破断時伸びが低下する。
シートやトッピングの加工中に架橋が開始すると、ゴム粘度が増大し、加工性が低下してしまうため、本発明では、加工温度(90〜140℃)で分解しないヘキサメチレンテトラミン(HMT)(D)を含有することが好ましい。
ヘキサメチレンテトラミン(HMT)(D)の含有量は、ゴム成分(A)100重量部に対して0.1重量部以上、好ましくは0.5重量部以上である。ヘキサメチレンテトラミン(HMT)(D)の含有量が0.1重量部未満では、充分な化合物(C)の架橋形成、ひいてはゴム組成物の硬度が得られない傾向がある。また、ヘキサメチレンテトラミン(HMT)(D)の含有量はゴム成分(A)100重量部に対して3重量部以下、好ましくは2.5重量部以下である。ヘキサメチレンテトラミン(HMT)(D)の含有量が3重量部をこえると、熱分解時に生じるアンモニアがコードとゴムの接着層を破壊し、ゴム付きの低下が生じる。
本発明では、ヘキサメチレンテトラミン(HMT)がホルマリンとアンモニアに分解した際のアンモニアを無害化し、コード接着性を向上させることができることから、ヘキサメチロールメラミンペンタメチルエーテル(HMMPME)の部分縮合物またはヘキサメトキシメチロールメラミン(HMMM)の部分縮合物(E)(以下、化合物(E)とする)を含有してもよい。
HMMPMEの部分縮合物とは、下記化学式で表されるものをいう。
Figure 2009143486
(式中、nは整数であり、nは通常1〜3である)
HMMMの部分縮合物とは、下記化学式で表されるものをいう。
Figure 2009143486
(式中のnは整数であり、nは通常1〜3である。)
化合物(E)の含有量は、ゴム成分(A)100重量部に対して1重量部以上であることが好ましく、3重量部以上であることがより好ましい。化合物(E)の含有量が1重量部未満では、充分な硬度が得られない傾向がある。また、化合物(E)の含有量は、ゴム成分(A)100重量部に対して10重量部以下が好ましく、6重量部以下がより好ましい。化合物(E)の含有量が10重量部をこえると、ゴム練りやシート加工中に架橋が開始してしまい、配合ゴムの粘度が増大してしまう傾向がある。
本発明のゴム組成物には、カーボンブラック、シリカ、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、クレー、タルク、アルミナなどの補強用充填剤を含むことができる。これらの補強用充填剤は、単独で配合してもよく、2種以上を併用してもよい。
カーボンブラックおよび/またはシリカとしては、とくに制限はなく、タイヤ工業で従来から使用されるSAF、ISAF、HAF、FEFなどのグレードのカーボンブラックやシリカを使用することができる。
カーボンブラックおよび/またはシリカの含有量は、ゴム成分(A)100重量部に対して10重量部以上が好ましく、25重量部以上がより好ましい。カーボンブラックおよび/またはシリカの含有量が10重量部未満では、硬度や破断強度が充分ではない傾向がある。また、カーボンブラックおよび/またはシリカの含有量は、ゴム成分(A)100重量部に対して、55重量部以下が好ましく、50重量部以下がより好ましい。カーボンブラックおよび/またはシリカの含有量が55重量部をこえると、発熱性が高くなる傾向がある。
シリカを用いる場合には、シランカップリング剤を併用することが好ましい。
シランカップリング剤としては、とくに制限はなく、タイヤ工業で従来からゴム組成物中にシリカとともに配合されているものであれば使用することができ、具体的には、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(2−トリエトキシシリルエチル)テトラスルフィド、ビス(4−トリエトキシシリルブチル)テトラスルフィド、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(2−トリメトキシシリルエチル)テトラスルフィド、ビス(4−トリメトキシシリルブチル)テトラスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)トリスルフィド、ビス(2−トリエトキシシリルエチル)トリスルフィド、ビス(4−トリエトキシシリルブチル)トリスルフィド、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)トリスルフィド、ビス(2−トリメトキシシリルエチル)トリスルフィド、ビス(4−トリメトキシシリルブチル)トリスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(2−トリエトキシシリルエチル)ジスルフィド、ビス(4−トリエトキシシリルブチル)ジスルフィド、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(2−トリメトキシシリルエチル)ジスルフィド、ビス(4−トリメトキシシリルブチル)ジスルフィド、3−トリメトキシシリルプロピル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、3−トリエトキシシリルプロピル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、2−トリエトキシシリルエチル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、2−トリメトキシシリルエチル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、3−トリメトキシシリルプロピルベンゾチアゾリルテトラスルフィド、3−トリエトキシシリルプロピルベンゾチアゾールテトラスルフィド、3−トリエトキシシリルプロピルメタクリレートモノスルフィド、3−トリメトキシシリルプロピルメタクリレートモノスルフィドなどのスルフィド系、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、2−メルカプトエチルトリメトキシシラン、2−メルカプトエチルトリエトキシシランなどのメルカプト系、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシランなどのビニル系、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリエトキシシラン、3−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシランなどのアミノ系、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシランなどのグリシドキシ系、3−ニトロプロピルトリメトキシシラン、3−ニトロプロピルトリエトキシシランなどのニトロ系、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルトリエトキシシラン、2−クロロエチルトリメトキシシラン、2−クロロエチルトリエトキシシランなどのクロロ系などがあげられ、これらのシランカップリング剤は単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。なかでも、ビス−(3−トリエトキシシリルプロピル)−テトラスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィドなどが好適に用いられる。
シランカップリング剤を配合する場合、シランカップリング剤の含有量は、加工性および発熱性に優れる点から、シリカ100重量部に対して6重量部以上が好ましく、8重量部以上がより好ましい。また、シランカップリング剤の含有量は、シランカップリング剤を過剰に配合すると、余剰カップリング剤が硫黄を放出し、ゴムを過剰に架橋するため破断強度が低下し、また、コストも高くなる点から、シリカ100重量部に対して12重量部以下が好ましく、10重量部以下がより好ましい。
カーボンブラックおよびシリカ以外の補強用充填剤の含有量は、ゴム成分(A)100重量部に対して5重量部以上が好ましく、7重量部以上がより好ましい。補強用充填剤の含有量が5重量部未満では、破断強度が向上しない傾向がある。また、カーボンブラックおよびシリカ以外の補強用充填剤の含有量はゴム成分(A)100重量部に対して50重量部以下が好ましく、40重量部以下がより好ましい。補強用充填剤の含有量が50重量部をこえると、硬度が高くなりすぎて、破断時伸びが低下する傾向がある。
本発明のゴム組成物は、前記ゴム成分(A)、硫黄(B)、化合物(C)、ヘキサメチレンテトラミン(HMT)(D)、化合物(E)、ならびにカーボンブラックおよび/またはシリカなどの補強用充填剤以外にも、通常ゴム工業で使用される配合剤、たとえば、アロマオイル、各種老化防止剤、酸化亜鉛、ステアリン酸、各種加硫促進剤などを適宜配合することができる。
本発明のゴム組成物は、カーカス、ベルト、ビードエイペックス、クリンチエイペックス、バンドなど、様々な部材に使用することができ、とくに限定されるわけではないが、高硬度で補強性および耐亀裂成長性に優れるという理由から、カーカスまたはベルトとして用いられることが好ましい。本発明のゴム組成物をカーカスまたはベルトとして使用する場合、繊維コードを該ゴム組成物で被覆してカーカスまたはベルトを成形したのち、他のタイヤ部材と貼りあわせて未加硫タイヤを成形し、加硫することによって、タイヤを製造することができる。
繊維コードとは、本発明のランフラットタイヤにおけるカーカスコードを被覆するトッピングゴムを構成するゴム組成物(カーカスコード被覆用ゴム組成物)をカーカスまたはベルトとして用いる際に、本発明のゴム組成物で被覆する繊維コードのことをいう。具体的には、ポリエステル、ナイロン、レーヨン、ポリエチレンテレフタラート、アラミドなどの原料により得られるものである。なかでも、熱安定性に優れ、さらに安価であるという理由から、繊維コードの原料としては、ポリエステルおよびアラミドが好ましい。
本発明のランフラットタイヤでは、デフレート走行時に生じる大変形時のモデュラスが高いという理由からアラミド繊維コードを用いる。
アラミド繊維コードとしては、東レデュポン(株)製のケブラー(1100dtex/2)(ケブラー(R)タイプ1)、東レデュポン(株)製のケブラー(1100dtex/2)(ケブラー(R)タイプ2)などがある。ケブラー(R)タイプ1とケブラー(R)タイプ2の違いは、撚り方法(タイプ2がハイツイスト)である。
次に、本発明のランフラットタイヤの実施の一形態を、図示例とともに説明する。
図1は、空気入りタイヤ1が本発明のランフラットタイヤ1Aである場合を示す正規内圧状態におけるタイヤ子午断面図である。
図1において、本実施形態のランフラット1Aは、トレッド部2からサイドウォール部3をへてビード部4のビードコア5に至るカーカス6と、トレッド部2の内方かつ前記カーカス6の半径方向外側に配されるトレッド補強コード層7とを具える。
前記カーカス6は、タイヤ周方向に対して70〜90°の角度で配列されるカーカスコードをトッピングゴムにより被覆した1枚以上のカーカスプライから形成される。本例では、カーカスコードを80〜90°の角度で配列した1枚のカーカスプライ6Aからなる場合が示されている。前記カーカスプライ6Aは、前記ビードコア5、5間を跨るプライ本体部6aの両側に、前記ビードコア5の周りをタイヤ軸方向内側から外側に折り返されるプライ折返し部6bを一連に具える。
そして前記プライ本体部6aとプライ折返し部6bとの間には、例えばゴム硬度が65〜98度の硬質のゴムからなり、前記ビードコア5から半径方向外側に先細状にのびるビード補強用のビードエーペックスゴム8が配される。本明細書においては、「ゴム硬度」は、温度23℃で測定したデュロメータータイプAによる硬さを意味する。このビードエーペックスゴム8のビードベースラインBLからのタイヤ半径方向の高さhaは、特に限定はされないが、小さすぎるとランフラット耐久性が不充分となり、逆に大きすぎるとタイヤ質量の過度の増加や乗り心地の悪化を招く恐れがある。このような観点より、ビードエーペックスゴム8の前記高さhaは、タイヤ断面高さSHの10〜60%、より好ましくは20〜50%が望ましい。
本例では、前記カーカス6のプライ折返し部6bが、前記ビードエーペックスゴム8を半径方向外側に超えて巻き上がり、その外端部6beが、プライ本体部6aと前記トレッド補強コード層7との間に挟まれて終端する所謂超ハイターンアップの折り返し構造を具える。これにより、1枚のカーカスプライ6Aを用いて、サイドウォール部3を効果的に補強しうる。また前記プライ折返し部6bの外端部6beが、ランフラット走行時に大きく撓むサイドウォール部3から離れるため、該外端部6beを起点とした損傷を好適に抑制しうる。前記プライ折返し部6bとトレッド補強コード層7との重なり部のタイヤ軸方向巾EWは、5mm以上、さらには10mm以上が好ましく、その上限は、軽量化の観点から40mm以下、さらには30mm以下が好ましい。なお前記カーカス6が複数枚のカーカスプライから形成される場合には、少なくとも1枚のカーカスプライがこの態様をなすのが好ましい。
次に、前記トレッド補強コード層7は、本例では、前記カーカス6に重置されるベルト9と、そのさらに外側に重置されるバンド10とから構成される。前記ベルト9は、タイヤ周方向に対して例えば10〜45°の角度で配列したベルトコードをトッピングゴムにて被覆した2枚以上、本例では2枚のベルトプライ9A、9Bから形成される。各ベルトコードは、プライ間相互で交差することによりベルト剛性を高め、トレッド部2の略全巾をタガ効果を有して強固に補強する。
また前記バンド10は、タイヤ周方向に対して5°以下の角度で螺旋状に巻回されるバンドコードをトッピングゴムにて被覆した1枚以上のバンドプライからなり、前記ベルト9を拘束し、操縦安定性、高速耐久性等を向上させる。前記バンドプライとしては、ベルト9のタイヤ軸方向外端部のみを被覆する左右一対のエッジバンドプライ、およびベルト9の略全巾を覆うフルバンドプライがあり、これらを単独で或いは組み合わせて使用される。本例では、バンド10が1枚のフルバンドプライからなるものを例示している。なお前記トレッド補強コード層7としては、ベルト9のみで形成することも、またバンド10のみで形成することもできる。
また前記サイドウォール部3には、ランフラット機能を確保するためのサイド補強ゴム層11が配される。このサイド補強ゴム層11は、最大厚さを有する中央部分11aから、タイヤ半径方向内端11iおよび外端11oに向かってそれぞれ厚さを徐々に減じてのびる断面三日月状をなす。前記内端11iは、ビードエーペックスゴム8の外端よりもタイヤ半径方向内側に位置し、前記外端11oは、トレッド補強コード層7の外端7eよりもタイヤ軸方向内側に位置する。このとき、サイド補強ゴム層11とビードエーペックスゴム8とのタイヤ半径方向の重なり巾Wiを5〜50mm、かつサイド補強ゴム層11とトレッド補強コード層7とのタイヤ軸方向の重なり巾Woを0〜50mmとするのが好ましく、これにより前記外端11oおよび内端11iでの剛性段差の発生を抑える。
前記サイド補強ゴム層11は、本例では、カーカス6のプライ本体部6aの内側(タイヤ内腔側)に配される。そのため、サイドウォール部3の曲げ変形時には、サイド補強ゴム層11には主として圧縮荷重が、またコード材を有するカーカスプライ6Aには主として引張荷重が作用する。ゴムは圧縮荷重に強く、かつコード材は引張荷重に強いため、上記のようなサイド補強ゴム層11の配設構造は、サイドウォール部3の曲げ剛性を効率良く高め、ランフラット走行時のタイヤの縦撓みを効果的に低減しうる。なおサイド補強ゴム層11のゴム硬度は、60度以上、さらには65度以上であるのが好ましい。前記ゴム硬度が60度未満であると、ランフラット走行時の圧縮歪が大きくなって、ランフラット性能が不充分となる。逆にゴム硬度が高すぎても、タイヤの縦バネ定数が過度に上昇して乗り心地性を低下させる。このような観点より、前記サイド補強ゴム層11のゴム硬度の上限は90度以下、さらには80度以下が好ましい。またサイド補強ゴム層11の最大厚さtは、タイヤサイズや、タイヤのカテゴリ等によって適宜設定されるが、乗用車用タイヤの場合5〜20mmが一般的である。
図2は、本発明のランフラットタイヤのビード部を拡大して示す断面図である。
図3は、本発明のランフラットタイヤのトレッド部を拡大して示す断面図である。
なお本例では、前記ビード部4には、リムプロテクトリブ12が凸設される場合が例示される。このリムプロテクトリブ12は、図2に示すように、リムフランジJFを覆うように基準輪郭線jから突出するリブ体であり、前記リムフランジJFの先端を越えてタイヤ軸方向外側に最も突出する突出面部12cと、この突出面部12cからビード外側面に滑らかに連なる半径方向内側の斜面部12iと、前記突出面部12cからタイヤ最大巾点M近傍位置で前記基準輪郭線jに滑らかに連なる半径方向外側の斜面部12oとで囲まれる断面台形状をなす。なお前記内側の斜面部12iは、リムフランジJFの円弧部よりも大きい曲率半径rで形成された凹円弧面で形成され、通常走行時においては、縁石等からリムフランジJFを保護する。またランフラット走行時には、内側の斜面部12iがリムフランジJFの円弧部に寄りかかって接触するため、ビード変形量を軽減でき、ランフラット時の操縦安定性およびランフラット耐久性の向上に役立つ。
そして本発明では、前記ランフラット操縦安定性およびランフラット耐久性を向上するために、前記カーカスコードに、アラミド繊維を使用する。
前記アラミド繊維は、高弾性繊維として知られ、ランフラットタイヤ1Aのカーカスコードに使用することにより、タイヤの荷重支持能力を高めることができる。従って、例えばカーカスプライ枚数の低減、カーカスコードの細径化、および/またはコード配列密度(コードエンド数)の低下などによるタイヤの軽量化を図りながら、ランフラット時のタイヤ変形を低減できる。しかも、アラミド繊維は、100〜150℃の高温下においても弾性率の低下が、他の有機繊維コード材料に比べて小さく、耐熱性に優れるという特性を有する。従って、ランフラット走行時のタイヤ温度上昇によっても、カーカスコードが強度低下して損傷を招いたり、また弾性率の低下によるタイヤ変形量の増加や、それに伴うさらなるタイヤ温度上昇を招くことを防止できる。その結果、ランフラット耐久性を向上できる。さらにタイヤ温度上昇によっても、高弾性率を維持してタイヤ剛性を高めうるため、ランフラット時の操縦安定性を向上することもできる。これによりランフラット走行における高速化、長距離化が達成される。
図4は、本発明のランフラットタイヤのカーカスコードを説明する側面図である。
アラミド繊維は、弾性率が高い分、耐疲労性に劣る傾向がある。そのため本例では、カーカスコード20に、図4に略示するように、下撚りしたアラミド繊維のフィラメント束21(即ちストランド21)の2本を、上撚りにて互いに撚り合わせた2本撚り構造を採用するとともに、このときの撚り合わせを、従来よりも高い撚り係数Tにて行っている。
ここで前記「撚り係数T」は、周知の如く、コードの上撚り数をN(単位:回/10cm)、コード1本のトータル表示デシテックス(繊度)をD(単位:dtex)、コード材料の比重をρとしたとき、次式(1)で示される。
T=N×√{(0.125×D/2)/ρ}×10-3 ・・・(1)
そして、この撚り係数Tを0.5〜0.7の範囲まで高めることにより、アラミド繊維コードの欠点である耐疲労性を改善することができ、従来のレーヨンコードの場合に比して、ランフラット耐久性を大幅に向上することが可能となる。なお前記カーカスコード20の撚り係数Tが0.5を下回ると、耐疲労性の向上効果が少なく、ランフラット耐久性を充分に高めることができない。逆に、撚り係数Tが0.7を上回ると、コードの撚り加工が難しくなり生産性に不利となる。特に撚り係数Tの下限は0.6以上が好ましく、これによりコードの耐疲労性がさらに改善され、ランフラット耐久性をより向上しうる。
なおカーカスコード20では、アラミド繊維の重要な特性である高弾性を活かして優れた補強効果を発揮させるために、2本撚り構造が採用されている。そのとき、下撚り数と、上撚り数とが等しい所謂バランス撚りが好ましいが、撚り数の比(下撚り数/上撚り数)が0.2〜2.0の範囲内、好ましくは0.5〜1.5の範囲内で、下撚り数と上撚り数とを相違させても良い。
また前記トータル表示デシテックスD(繊度)は、特に限定されるものではないが、ランフラットタイヤの場合、1500〜5000dtexの範囲が好ましい。またカーカスプライ6Aにおけるコードエンド数n(本/5cm)と前記トータル表示デシテックスDとの積は、70000〜150000の範囲が好ましく、70000未満では、アラミド繊維コードとはいえ、ランフラット耐久性や操縦安定性が不充分となり、逆に150000を越えると、カーカス剛性が過大となって乗り心地性を損ねるとともに、質量やコストの不必要な増加を招く。このような観点から前記積D×nの下限は100000以上がさらに好ましく、上限は120000以下がさらに好ましい。
また耐疲労性に原因するカーカスコード20の損傷は、タイヤ変形時に圧縮歪みを受ける部位、即ち図2に示すように、プライ折返し部6bのうちのビード側部分6b1にて発生しやすい。しかしながら本例では、前述の如くビード部4にリムプロテクトリブ12を凸設しているいため、ランフラット走行時におけるビード変形が軽減され、カーカスコード20に圧縮歪みが作用しにくくなる。その結果、アラミド繊維を採用した場合のカーカスコード20の疲労損傷をさらに抑えることができ、ランフラット耐久性のいっそうの向上が図れる。言い換えると、アラミド繊維のカーカスコード20を用いたタイヤでは、リムプロテクトリブ12を用いることが、コードの疲労損傷抑制の観点から好ましい。
さらに本例では、前記カーカスプライ6Aのトッピングゴムとして、複素弾性率E*が、5〜13MPaの範囲と、従来のカーカストッピングゴムに比して高弾性のゴムを採用している。なお従来のカーカストッピングゴムの複素弾性率E*は3.8MPa程度である。このように高弾性のゴムをトッピングゴムに採用することで、タイヤ変形時、カーカスコード20に掛かる歪みを低減でき、ランフラット耐久性のさらなる向上を達成しうる。なお複素弾性率E*が5MPaを下回ると前記効果が期待できず、逆に13MPaを上回ると、ゴムが硬くなり過ぎ、乗り心地性が一気に悪化してしまう。このような観点から、複素弾性率E*の下限値は、5.5MPa以上、さらには6MPa以上が好ましく、また上限値は11MPa以下、さらに9MPa以下が好ましい。
次に、前記正規内圧状態のタイヤ子午断面において、タイヤ外面2Aのプロファイルは、曲率半径が異なる複数の円弧からなる曲面によって形成されている。特に、ランフラットタイヤ1Aの場合、前記タイヤ外面2Aとタイヤ赤道面Cとの交点であるタイヤ赤道点CPから、接地端Te側に向かって曲率半径Rが漸減する複数の円弧からなる曲面によって、前記プロファイルを形成する好ましい。これにより、前記サイド補強ゴム層11のゴムボリュームを最小限に抑え、タイヤの軽量化、および乗り心地性の向上を図ることができる。特に、特許第2994989号公報で提案する如き特殊プロファイルを採用することで、前述の効果をさらに高く発揮させることができる。
図5は、本発明のランフラットタイヤのタイヤ外面のプロファイルを示す線図である。
詳しく説明すると、先ず図5に示すように、タイヤ赤道面Cから前記タイヤ最大断面巾SWの45%の距離SPを隔てるタイヤ外面2A上の点をPとするとき、タイヤ外面2Aの曲率半径RCは、前記タイヤ赤道点CPから前記点Pに至るまでの間で徐々に減少するように設定される。なお前記「タイヤ最大断面巾SW」とは、タイヤ外面2Aの基準輪郭線jにおける最大巾であり、この基準輪郭線jは、タイヤ外面2Aに局部的に形成される例えば文字、図形、記号等を示す装飾用、情報用等の微細なリブや溝、リム外れ防止用のリムプロテクトリブ12、カット傷防止用のサイドプロテクトリブなどの局部的凹凸部を除外した滑らかな輪郭線を意味する。
また前記タイヤ赤道面Cからタイヤ最大断面巾SWの半巾(SW/2)の60%、75%、90%および100%の距離X60、X75、X90およびX100をそれぞれ隔てる各タイヤ外面2A上の点をP60、P75、P90およびP100とする。またこの各タイヤ外面2A上の点P60、P75、P90およびP100と、前記タイヤ赤道点CPとの間の半径方向の距離をY60、Y75、Y90およびY100とする。
図6は、本発明のランフラットタイヤのタイヤ外面の各位置におけるRYiの範囲を示す線図である。
そして、前記正規内圧状態においてビードベースラインBLから前記タイヤ赤道点CPまでの半径方向高さであるタイヤ断面高さをSHとするとき、前記半径方向距離Y60、Y75、Y90およびY100は、それぞれ以下の関係を満足することを特徴としている。
0.05< Y60 /SH ≦0.1
0.1< Y75 /SH ≦0.2
0.2< Y90 /SH ≦0.4
0.4< Y100/SH ≦0.7
ここで、RY60 =Y60 /SH
RY75 =Y75 /SH
RY90 =Y90 /SH
RY100=Y100/SH
として前記関係を満足する範囲RYiを図6に例示する。図5、6のように前記関係を満足するプロファイルは、トレッドが非常に丸くなるため、フットプリントが、接地巾が小かつ接地長さを大とした縦長楕円形状となり、騒音性能とハイドロプレーニング性能とを向上しうることが、前記特許第2994989号公報で報告されている。なお前記RY60、RY75、RY90およびRY100の値が、各下限値を下回ると、トレッド部2を中心としてタイヤ外面2Aが平坦化するため、従来タイヤとのプロファイルの差が少なくなる。逆に各上限値を上回ると、トレッド部2を中心としてタイヤ外面2Aが著しく凸状をなすため、接地巾が過小となり、通常走行において必要な走行性能を確保することができなくなる。
なおタイヤでは、予めタイヤサイズを定めることにより、JATMA、ETRTOなどのタイヤの規格から、タイヤ偏平率、タイヤ最大断面巾、タイヤ最大高さなどを概ね定め得るため、前記RY60、RY75、RY90およびRY100の範囲を容易に算出できる。従って、前記タイヤ外面2Aは、前記各位置におけるRY60、RY75、RY90およびRY100の範囲を満たすように、かつ曲率半径RCが徐々に減少するように、前記タイヤ赤道点CPから前記点Pまで滑らかな曲線で描くことにより適宜定めうる。
また前記タイヤは、前記正規内圧状態のタイヤに正規荷重の80%の荷重を負荷した状態において、前記タイヤ外面2Aが接地するタイヤ軸方向最外端間のタイヤ軸方向距離である接地巾CWを、前記タイヤ最大断面巾SWの50%〜65%の範囲とするのが好ましい。これは、前記接地巾CWが、前記タイヤ最大断面巾SWの50%未満の場合、通常走行において轍でふらつきやすくなるなどワンダリング性能が低下し、かつ接地圧の不均一化により偏摩耗しやすくなるからである。なお前記接地巾CWが、タイヤ最大断面巾SWの65%を超える場合には、接地巾が過大となって前述の通過騒音とハイドロプレーニング性能との両立が難しくなる。
このような特殊プロファイルでは、サイドウォール部の領域が短いという特徴を有するため、ランフラットタイヤに採用することにより、サイド補強ゴム層11のゴムボリュームを低減でき、ランフラットタイヤにおける質量低下と乗り心地性の向上とを達成しうる。しかし、ゴムボリューウムが大なトレッド部2での変形量が通常プロファイルのタイヤに比して大きくなる。そのため耐熱性を高めたアラミド繊維のカーカスコードは、この特殊プロファイルのタイヤにとってもより有利となりうる。
以上、本発明の特に好ましい実施形態について詳述したが、本発明は図示の実施形態に限定されることなく、種々の態様に変形して実施しうる。
実施例にもとづいて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらのみに限定されるものではない。
以下、実施例および比較例で使用した各種薬品について、まとめて説明する。
天然ゴム(NR):RSS♯3
ブタジエンゴム(BR):宇部興産(株)製のBR150B
変性ブタジエンゴム(変性BR):日本ゼオン(株)製のNipol BR1250H(リチウム開始剤:リチウム、スズ原子の含有率:250ppm、Mw/Mn:1.5、ビニル結合量:10〜13重量%)
スチレンブタジエンゴム(SBR):日本ゼオン(株)製のNipol 1502
変性スチレンブタジエンゴム(変性SBR):JSR(株)製のHPR340(変性S−SBR、結合スチレン量:10重量%、アルコキシルシランでカップリングし、末端に導入)
不溶性硫黄:フレキシス社製のクリステックスHSOT20(硫黄80重量%およびオイル分20重量%含む不溶性硫黄)
メタクレゾール樹脂:住友化学(株)製のスミカノール610(化学式1においてn=16〜17)
変性レゾルシン樹脂:住友化学(株)製のスミカノール620(レゾルシン・アルキルフェノール縮合物)
Figure 2009143486
(式中Rは、メチル基、オクチル基または水酸基であり、これらは混在していてもよい。)
ヘキサメチレンテトラミン(HMT):大内新興化学工業(株)製のノクセラーH
ヘキサメトキシメチロールメラミンペンタメチルエーテル(HMMPME)の部分縮合物:住友化学(株)製のスミカノール507A(メチレン基を有する物質約65%とシリカおよびオイルの混合物)の有効樹脂分(式(4):
Figure 2009143486
(式中、nは1〜3の整数である)
カーボンブラック:キャボットジャパン(株)製のショウブラックN326
アロマオイル:(株)ジャパンエナジー製のプロセスX−140
老化防止剤:大内新興化学工業(株)製のノクラック224(2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリン重合体)
酸化亜鉛:東邦亜鉛(株)製の銀嶺R
ステアリン酸:日本油脂(株)製の椿
加硫促進剤:大内新興化学工業(株)製のノクセラーNS(N−tert−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスルファンアミド)
N−シクロヘキシルチオ−フタルイミド(CTP):大内新興化学工業(株)製のリターダーCTP
ケブラー(R)タイプ1(カーカスコード):東レデュポン(株)製のケブラー(アラミド繊維コード、1100dtex/2、コードエンド数:53本/5cm)
ケブラー(R)タイプ2(カーカスコード):東レデュポン(株)製のケブラー(アラミド繊維コード、1100dtex/2、コードエンド数:53本/5cm)
レーヨン(カーカスコード):コードエンカ社製のスーパーII(レーヨン、1840dtex/2、コードエンド数:51本/5cm)
実施例1〜11および比較例1〜7
表1に示す配合処方にしたがい、不溶性硫黄および加硫促進剤(HMT、HMMPMEの部分縮合物およびCTPを配合する場合にはこれらも)を除く各種薬品をバンバリーミキサーにて混練りした。得られた混練り物に不溶性硫黄および加硫促進剤、(HMT、HMMPMEの部分縮合物およびCTPを配合する場合にはこれらも)を加え、オープンロールにて混練りし、未加硫ゴム組成物を得た。未加硫ゴム組成物を170℃の条件下で12分間プレス加硫することにより、図1に示す構造をなすタイヤサイズ245/40R18のランフラットタイヤを試作するとともに、各試供タイヤ(実施例1〜11および比較例1〜7)の、ランフラット耐久性をテストし、その結果を表1に記載した。表1に記載のカーカスコードの仕様以外は同一である。
・ カーカスは、プライ枚数(1)、コード角度(90°)、
・ ベルト層は、ベルトプライ枚数(2)、コード角度(+24°/−24°)、
・ サイド補強ゴム層は、ゴム硬度(90度)、最大厚さ(10.0mm)
としている。
表1中、撚り係数Tは次式(1)で表される。
T=N×√{(0.125×D/2)/ρ}×10-3 ・・・(1)
またレーヨン繊維コードの比重ρは1.51、アラミド繊維コードの比重ρは1.44である。
またトレッドプロファイルは、各タイヤとも、RY60=0.05〜0.1、RY75=0.1〜0.2、RY90=0.2〜0.4、RY100=0.4〜0.7の範囲で実質的に同じプロファイルのものを使用している。
(粘弾性試験)
(株)岩本製作所製の粘弾性スペクトロメーターを用いて、初期歪10%、動歪2%および周波数10Hzの条件下で、70℃における加硫ゴム組成物の複素弾性率E*および損失正接tanδを測定した。なお、E*が大きいほど、剛性が高く、操縦安定性に優れることを示し、tanδが小さいほど低発熱性に優れることを示す。
(引張試験)
JIS K 6251「加硫ゴムおよび熱可塑性ゴム―引張特性の求め方」に準じて、加硫ゴム組成物からなる3号ダンベル型試験片を用いて引張試験を実施し、各試験片の破断時伸びEB(%)を測定した。なお、EBが大きいほど優れることを示す。
(ランフラット耐久性(RF耐久指数))
各供試タイヤをバルブコアを取り去ったリム(18×8.5J)にリム組みし、デフレート状態でドラム試験機上を速度(90km/h)、縦荷重(5.74kN)の条件にて走行させ、タイヤが破壊するまでの走行距離を測定し、比較例1を100とする指数により評価した。ランフラット(RF)耐久指数の数値が大きいほどランフラット耐久性が良好である。
(転がり抵抗指数)
比較例1のタイヤを基準とし、下記式により各供試タイヤの転がり抵抗指数を求めた。
転がり抵抗指数=
(比較例1のタイヤの転がり抵抗値)/(対象タイヤの転がり抵抗値)×100
指数の値が大きい方が転がり抵抗が低く、優れている。
Figure 2009143486
Figure 2009143486
実施例1と比較例5を比較、および実施例2と比較例6を比較すると、カーカスコードにおいてアラミド繊維コード(ケブラー(R)タイプ1)を使用することで、アラミド繊維コードの利点である優れた耐熱性と荷重支持能力とを有効に発揮せしめ、ランフラット耐久性を向上させることができることがわかる。
カーカスコードとしとしてケブラー(R)タイプ2のアラミド繊維コードを使用した実施例3および実施例4は、撚り数Nおよびコード柔軟性が増し、より低発熱のインサートでたわみを支える構造になり、対応するケースコードとしとしてケブラー(R)タイプ1のアラミド繊維コードを使用した実施例1および2に対し、さらにランフラット耐久性が向上した。ケブラー(R)タイプ1とケブラー(R)タイプ2のアラミド繊維コードの違いは、ケブラー(R)タイプ1は上撚りNが44、下捻りNが44、係数Tが0.4300、コードエンド数が53であるのに対し、ケブラー(R)タイプ2は上捻りNが53、下捻りNが53、係数Tが0.5179、コードエンド数が53である点である。
天然ゴムおよびスチレンブタジエンゴムのみからなるゴム成分を含有するゴム組成物からなるトッピングゴムでカーカスコードを被覆したカーカスプライランフラットタイヤである比較例1は、カーボンブラックとポリマーの結合力が弱く、ヒシテリシスロスが大きくなり、tanδが高く、RF耐久性が低下した。
硫黄の含有量が3.5重量部であるゴム組成物からなるトッピングゴムでカーカスコードを被覆したカーカスプライランフラットタイヤである比較例2は、イオウ架橋空度が増し、E*は高いがtanδも高く、EBが低下し、RF耐久性も劣っており、転がり抵抗も劣っていた。
比較例1および比較例2において、カーカスコードとしとしてレーヨンを使用した比較例3および比較例4は、ランフラット走行時の大変形時のモデュラスが低く、発熱が大きくなるため、RF耐久性に劣り、転がりは変形歪が小さく(通常転動時)、コード種の歪は極めて小さかった。
実施例1および実施例2において、メタクレゾール樹脂に替えて変性レゾルシンを使用した実施例5および実施例6は、変性レゾルシンはRがオクチル基、メタクレゾールはRがメチル基であるため、樹脂の分散性が向上し、tanδは向上、E*は若干低下した。
実施例1において、さらにヘキサメチロールメラミンペンタメチルエーテルを加えた実施例7は、ホルマリン発生剤としてHMTとHMMPMEの両方が作用し、E*およびtanδが上昇し、コードとの接着性は増すが、RF耐久や転がり面でのメリットはなかった。
実施例2において、スチレンブタジエンゴムに替えて変性スチレンブタジエンゴムを使用した実施例8は、カーボンブラックとSBRの結合力が向上し、tanδ向上、転がり抵抗性、RF耐久性が向上した。
実施例1において、硫黄の配合量を増加させた実施例9は、ポリマー間のイオウ架橋が増し、E*およびtanδが向上するが、EBは低下し、RF耐久性が向上した。
実施例1において、硫黄の配合量を減少させた実施例10は、ポリマー間のイオウ架橋が減少し、E*およびEBは低下するが、tanδが上昇し、RF耐久性が低下した。
実施例1において、硫黄の配合量を減少させ、メタクレゾール樹脂を増加させた実施例11は、樹脂の分子量が大きく、数も増えた結果、E*、tanδ、EB、RF耐久性、転がり抵抗性を実施例1と同程度とすることができた。
実施例1において、硫黄およびカーボンブラックの配合量を増加させたが、メタクレゾール樹脂および変性レゾルシンを配合しなかった比較例7は、イオン架橋とカーボンブラックによるヒシテリシスロスが増え、tanδが向上し、EBは低下した。また、転がり抵抗性は比較例1と同程度であり、走行によるイオウ架橋が増加したため、RF耐久は大幅に低下した。
本発明のランフラットタイヤの一実施例を示す子午断面である。 本発明のランフラットタイヤのビード部を拡大して示す断面図である。 本発明のランフラットタイヤのトレッド部を拡大して示す断面図である。 本発明のランフラットタイヤのカーカスコードを説明する側面図である。 本発明のランフラットタイヤのタイヤ外面のプロファイルを示す線図である。 本発明のランフラットタイヤのタイヤ外面の各位置におけるRYiの範囲を示す線図である。
符号の説明
1 空気入りタイヤ
1A ランフラットタイヤ
2 トレッド部
2A タイヤ外面
3 サイドウォール部
4 ビード部
5 ビードコア
6 カーカス
6A カーカスプライ
6a プライ本体部
6b プライ折返し部
6b1 プライ折返し部のうちのビード側部分
6be ビードエーペックスゴムを半径方向外側に超えて巻き上がり、その外端部
7 トレッド補強コード層
7e トレッド補強コード層外端
8 ビードエーペックスゴム
9 ベルト
9A ベルトプライ
9B ベルトプライ
10 バンド
11 サイド補強ゴム層
11a 中央部分
11i タイヤ半径方向内端
11o タイヤ半径方向外端
12 リムプロテクトリブ
12c タイヤ軸方向外側に最も突出する突出面部
12i ビード外側面に滑らかに連なる半径方向内側の斜面部
12o 基準輪郭線に滑らかに連なる半径方向外側の斜面部
20 カーカスコード
21 フィラメント束
ha ビードエーペックスゴムのビードベースラインからのタイヤ半径方向の高さ
j 基準輪郭線
r リムフランジの円弧部よりも大きい曲率半径
t サイド補強ゴム層の最大厚さ
BL ビードベースライン
C タイヤ赤道面
CP タイヤ外面とタイヤ赤道面との交点であるタイヤ赤道点
CW タイヤ外面が接地するタイヤ軸方向最外端間のタイヤ軸方向距離である接地巾
EW プライ折返し部とトレッド補強コード層との重なり部のタイヤ軸方向巾
JF リムフランジ
M タイヤ最大巾点
P タイヤ赤道面から前記タイヤ最大断面巾SWの45%の距離を隔てるタイヤ外面上の点
P60 X60、Y60のタイヤ外面上の点
P75 X75、Y75のタイヤ外面上の点
P90 X90、Y90のタイヤ外面上の点
P100 X100、Y100のタイヤ外面上の点
RC タイヤ外面の曲率半径
RY60 =Y60 /SH
RY75 =Y75 /SH
RY90 =Y90 /SH
RY100 =Y100/SH
SH タイヤ断面高さ
SW タイヤ赤道面からタイヤ最大断面巾
SW/2 タイヤ赤道面からタイヤ最大断面巾の半巾
SP タイヤ赤道面から前記タイヤ最大断面巾の45%の距離
Wi サイド補強ゴム層とビードエーペックスゴムとのタイヤ半径方向の重なり巾
X60 タイヤ赤道面からタイヤ最大断面巾SWの半巾の60%の距離
X75 タイヤ赤道面からタイヤ最大断面巾SWの半巾の75%の距離
X90 タイヤ赤道面からタイヤ最大断面巾SWの半巾の90%の距離
X100 タイヤ赤道面からタイヤ最大断面巾SWの半巾の100%の距離
Y60 X60のタイヤ赤道点との間の半径方向の距離
Y75 X75のタイヤ赤道点との間の半径方向の距離
Y90 X90のタイヤ赤道点との間の半径方向の距離
Y100 X100のタイヤ赤道点との間の半径方向の距離

Claims (5)

  1. トレッド部からサイドウォール部をへてビード部のビードコアに至るカーカスと、トレッド部の内方かつ前記カーカスの半径方向外側に配されるベルト層と、サイドウォール部かつ前記カーカスの内側に配され最大厚さを有する中央部分から半径方向内外に厚さを減じてのびる断面三日月状のサイド補強ゴム層とを具えるランフラットタイヤであって、
    前記カーカスは、タイヤ周方向に対して70〜90°の角度で配列したカーカスコードをトッピングゴムで被覆したカーカスプライからなるとともに、
    カーカスコードを被覆する前記トッピングゴムが
    (A)天然ゴムおよび/またはイソプレンゴムを含有し、さらに、ブタジエンゴム、変性ブタジエンゴム、スチレンブタジエンゴムおよび変性スチレンブタジエンゴムよりなる群から選ばれる少なくとも2種の合成ゴムを含有するゴム成分100重量部に対して、
    (B)硫黄を2〜3.4重量部、
    (C)クレゾール樹脂、レゾルシン縮合物および変性レゾルシン縮合物よりなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物を1〜10重量部、ならびに
    (D)ヘキサメチレンテトラミンを0.1〜3重量部含有するゴム組成物からなり、
    前記カーカスコードに、アラミド繊維コードを用いたこと
    を特徴とするランフラットタイヤ。
  2. カーカスコードを被覆する前記トッピングゴムが、さらに、ゴム成分(A)100重量部に対して、(E)ヘキサメチロールメラミンペンタメチルエーテルの部分縮合物またはヘキサメトキシメチロールメラミンの部分縮合物を1〜10重量部含有するゴム組成物からなることを特徴とする請求項1記載のランフラットタイヤ。
  3. 前記カーカスコードは、下撚りしたフィラメント束の2本を、上撚りにて互いに撚り合わせた2本撚り構造をなすことを特徴とする請求項1または2記載のランフラットタイヤ。
  4. 前記カーカスコードは、次式(1)で示す撚り係数Tを0.5〜0.7の範囲としたことを特徴とする請求項1、2または3記載のランフラットタイヤ。
    T=N×√{(0.125×D/2)/ρ}×10-3 ・・・(1)
    (ただし、Nは上撚り数(回/10cm)、Dはトータル表示デシテックス(繊度)、ρはコード材料の比重である。)
  5. 前記カーカスコードは、前記撚り係数Tが0.6〜0.7の範囲であることを特徴とする請求項4記載のランフラットタイヤ。
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