JP2009143298A - ドア固定治具 - Google Patents

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Soichi Kokubu
宗一 国分
Koji Kasuya
耕司 糟谷
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Abstract

【課題】車両のドアを所定の開放状態に固定するべくドアヒンジに着脱可能に取り付けられるドア固定治具において、ドアヒンジへの特別な構成の追加を抑え、かつ該ドアヒンジに容易かつ強固に取り付け可能とする。
【解決手段】車体側ヒンジブラケット101の起立部101bに当接すると共に車体側ヒンジブラケット102の切り欠き部Aに係合可能な係止部材1と、該係止部材1に回動可能に支持される回動部材3とを有し、ドアDの所定の開放時に、前記係止部材1が前記起立部101bに当接すると共に前記切り欠き部Aに係合し、かつ前記回動部材3が両ヒンジブラケット101,102間に形成される隙間Sからヒンジ内側に入り込み、この状態で前記回動部材3が回動して前記係止部材1と共に前記起立部101bを挟持する。
【選択図】図3

Description

この発明は、自動車車体の塗装工程において、例えばドア周辺のヘミング部等にシーラを塗布する際に、ドアを所定の開放状態に固定するべくドアヒンジに着脱可能に取り付けられるドア固定治具に関し、特に、ドアヒンジへの特別な構成の追加を抑え、かつ該ドアヒンジに容易かつ強固に取り付けられるドア固定治具に関する。
従来、自動車車体の塗装工程では、ドア及び車体表面の塗料の色調や光沢を同一にするために、ドアを車体に取り付けた状態で塗装を行っている。
上記塗装工程において、例えばドア周辺のヘミング部やドア開口部の周縁部に水漏れや錆対策としてシーラ材を塗布するシーラ塗布工程では、ドアを所定の開放状態として作業を行うが、このときドアが開閉動することを防止するために、ドアを所定の開放状態に固定するドア固定治具をドアヒンジに取り付け、シーラ塗布工程終了後には前記ドア固定治具をドアヒンジから取り外すような方法が一般的にとられている。
特許文献1には、車体側ヒンジブラケットのヒンジピン挿通部周辺に複数の凹部を形成し、該各凹部の何れかに、ドア側ヒンジブラケットの孔に基端側を挿通したバネ材よりなるJ字形のストッパ部材の先端側を係合させることで、両ヒンジブラケットの相対回動を規制し、もってドアの開閉動を規制する構成が開示されている。
特開2005−321063号公報
ところで、上記従来の構成では、車体側ヒンジブラケットにストッパ部材係合用の凹部を複数形成したり、ドア側ヒンジブラケットにストッパ部材取り付け用の孔を形成する必要があり、ドアヒンジの構成を複雑にして製造コストを増加させる虞がある。
また、ストッパ部材の取り付けは容易であるものの、該ストッパ部材をドア側ヒンジブラケットに挿通するのみであることから、車体搬送時の振動等でストッパ部材の係合が外れてドアが開閉動してしまう虞がある。
そこでこの発明は、車両のドアを所定の開放状態に固定するべくドアヒンジに着脱可能に取り付けられるドア固定治具において、ドアヒンジへの特別な構成の追加を抑え、かつ該ドアヒンジに容易かつ強固に取り付け可能とすることを目的とする。
上記課題の解決手段として、請求項1に記載した発明は、車体側に取り付けられる車体側ヒンジブラケット(例えば実施例の車体側ヒンジブラケット101)と、ドア側に取り付けられるドア側ヒンジブラケット(例えば実施例のドア側ヒンジブラケット102)と、前記両ヒンジブラケットを貫通してこれらを相対回動可能に連結するヒンジピン(例えば実施例のヒンジピン103)とを有するドアヒンジ(例えば実施例のドアヒンジH)に着脱可能に取り付けられ、前記ドアヒンジを介して車体(例えば実施例の車体B)に開閉可能に支持されるドア(例えば実施例のドアD)を所定の開放状態に固定するドア固定治具(例えば実施例のドア固定治部J)において、前記ドアの所定の開放時におけるドア開放側から前記両ヒンジブラケットの一方(例えば実施例の車体側ヒンジブラケット101)の壁部(例えば実施例の起立部101b)に当接すると共に他方(例えば実施例のドア側ヒンジブラケット102)の係合部(例えば実施例の切り欠き部A)に係合可能な係止部材(例えば実施例の係止部材1)と、該係止部材に回動可能に支持される回動部材(例えば実施例の回動部材3)とを有し、前記ドアの所定の開放時に、前記係止部材が前記壁部に当接すると共に前記係合部に係合し、かつ前記回動部材が前記両ヒンジブラケット間に形成される隙間(例えば実施例の隙間S)からヒンジ内側に入り込み、この状態で前記回動部材が回動して前記係止部材と共に前記壁部を挟持することを特徴とする。
請求項2に記載した発明は、前記係止部材及び回動部材は互いに近接する側に付勢されることを特徴とする。
請求項3に記載した発明は、前記係止部材及び回動部材による挟持方向と直交する少なくとも一方向での前記ドアヒンジに対する移動を規制する規制部(例えば実施例のストッパ片13)を有することを特徴とする。
請求項1に記載した発明によれば、ドアの所定の開放時におけるドア開放側から、係止部材を両ヒンジブラケットの一方の壁部に当接させると共に他方の係合部に係合させ、かつ回動部材を両ヒンジブラケット間に形成される隙間からヒンジ内側に差し入れ、この状態で回動部材を回動させて係止部材と共に壁部を挟持することで、ドアヒンジの壁部を係止部材及び回動部材で挟持した強固な取り付けが可能となり、両ヒンジブラケットの相対回動ひいてはドアの開閉動の規制を確実に行うことができる。
また、回動部材を回動させることで、ドアヒンジに対する着脱を容易かつ確実に行えると共に、両ヒンジブラケット間の隙間の増加を抑えてドアヒンジの設計自由度を確保できる。
さらに、係止部材及び回動部材が挟持する壁部はドアヒンジの既存の構成を利用可能であり、当該治具用の特別な構成の追加を抑えてドアヒンジの簡素化によるコストダウンを図ることができる。
請求項2に記載した発明によれば、ドアヒンジの壁部を挟持した際のガタつきを抑え、ドアヒンジへのより強固な取り付けを実現できる。
請求項3に記載した発明によれば、ドアヒンジに対する取り付け位置の規定や脱落の防止が可能となり、より確実にドアの開閉動を規制することができる。
以下、この発明の実施例について図面を参照して説明する。なお、図中矢印FRは前方を、矢印LHは左方を、矢印UPは上方をそれぞれ示すものとする。
図1,3において、符号Dは車体Bの側部開口を開閉するサイドドア(以下、単にドアという)を示す。ドアDは、例えばその前端部が上下一対のドアヒンジHを介して車体Bに支持される。なお、図1,3(a)はドアDの全閉状態を、図1,3(b)は自動車車体の塗装工程(例えばドアD周辺のヘミング部等にシーラを塗布する工程等)においてドアDを所定量開放した状態(以下、所定の開放状態という)をそれぞれ示す。また、この実施例では車体右側の構成を説明するが、車体左側の構成は左右勝手違い対称とする。
図2を併せて参照し、ドアヒンジHは、車体B側に取り付けられる車体側ヒンジブラケット101と、ドアD側に取り付けられるドア側ヒンジブラケット102と、両ヒンジブラケット101,102を貫通してこれらを相対回動可能に連結する概ね上下方向に沿うヒンジピン103とを有してなる。
車体側ヒンジブラケット101は、車体Bにおける概ね左右方向に直交するヒンジ取り付け面M1に当接して該取り付け面M1(車体B)に上下一対のボルトV1により締結される板状の締結部101aと、該締結部101aの後端側からドアD側(車体左右外側)に湾曲して立ち上がる概ね前後方向と直交する板状の起立部101bと、締結部101aの上下端部から車体左右外側に屈曲して立ち上がる概ね上下方向と直交する板状の上下短フランジ101cと、起立部101bの上下端部から前方に屈曲して立ち上がる概ね上下方向と直交する板状の上下フランジ101dと、該上下フランジ101dのドアD側の端部を開放状態のドアD側に延出してなる上下車体側軸挿通部101eとを有し、これらを所定厚さの鋼板にプレス加工等を施すことで一体に形成してなる。上下短フランジ101cと上下フランジ101dとは互いに一体に連なって形成される。
一方、ドア側ヒンジブラケット102は、全閉状態のドアDにおける前後方向と概ね直交するヒンジ取り付け面M2に当接して該取り付け面M2(ドアD)に上下一対のボルトV2により締結される板状かつ互いに上下に離間する上下締結部102aと、該上下締結部102aの他方側の端部からそれぞれ前方に屈曲して立ち上がる概ね上下方向と直交する板状の上下ドア側軸挿通部102bと、該上下ドア側軸挿通部102bの車体B側(車体左右内側)の間を連結する概ね左右方向と直交する板状の連結部102cと、例えば下ドア側軸挿通部102bの先端部を前方かつ車体B側に斜めに延出してなる全開ストッパ102dとを有し、これらを所定厚さの鋼板にプレス加工等を施すことで一体に形成してなる。上側の締結部102aは下側の締結部102aよりもドアDの全閉状態における車体左右内側に変位して設けられる。
上下車体側軸挿通部101e間には上下ドア側軸挿通部102bが位置し、これらが上下の組で互いに重なり合う。各軸挿通部101e,102bにはヒンジピン103用の挿通孔が同軸に形成され、これらを単一のヒンジピン103が貫通して相対回転可能に連結する。
ドアヒンジHは、ドアDの全閉状態において車体B及びドアDに囲まれる空間K内に配置される。なお、図1,3中符号Gは車体外面を示し、この車体外面Gが車体B及びドアDの外板部品により形成される(車体外板部品の図示は略す)。
ドアDの全閉状態において、ドアヒンジHの後方にはドアDの前端部が位置するが、前記ドアDの所定の開放状態においては、ドアDの前端部がドア側ヒンジブラケット102と共にヒンジピン103回りに車体左右外側に回動することで、ドアヒンジHが車体側部開口側(後方、ドア開放側)に露出する。
また、ドアDの全閉状態において、ドア側ヒンジブラケット102の連結部102cは、車体側ヒンジブラケット101の起立部101bの先端部の前方かつ該先端部と左右方向で略同一となる位置にあるが、前記ドアDの所定の開放状態においては、ドア側ヒンジブラケット102の回動により連結部102cが起立部101bの先端部の車体左右外側かつ該先端部と前後方向で略同一となる位置に移動する。このとき、前記起立部101bと連結部102cとの間には、所定の左右幅の隙間Sが形成される。
ここで、前記自動車車体のシーラ塗布工程において、ドアヒンジHには、ドアDを前記所定の開放状態に固定するドア固定治具Jが着脱可能に取り付けられ(図1,3(b)参照)、ドアDの開閉動による塗装ロボットとの干渉を防止する。
図4〜6に示すように、ドア固定治具Jは、板状の係止部材1と、該係止部材1と略平行かつ面直方向で所定量離間する同じく板状の回動部材3と、これら係止部材1及び回動部材3を相対回動可能に連結する回動軸7とを主になる。
係止部材1は、各ヒンジブラケット101,102と同等の厚さを有する鋼板からなり、平面視略方形状とされ、その中央部には前記回動軸7の貫通孔が形成される。係止部材1における回動軸7を挟んだ一辺側の部位は、回動部材3と反対側に反るようにやや屈曲し、かつその先端側には、回動部材3側へ略直角に(詳細にはやや鈍角となるように)屈曲してなる係止部1aが形成される。以下、係止部1aと回動軸7を挟んだ他辺側の平坦部位を挟持部1bとする。
回動部材3は、係止部材1と同様の鋼板からなり、係止部材1の挟持部1bと略平行かつ係止部材1よりも小型の平面視略長方形状とされ、その長手方向一側(基端側)には回動軸7の貫通孔が形成される。回動部材3の長手方向他側(先端側)における短手方向の一側には、その短手方向の幅を狭めるべく段差部3aが形成される。なお、回動部材3の外周の各角部には、それぞれ面取り形状が形成される。
回動軸7は、その全部又は両側部にネジ山が形成されたボルト状の軸であり、係止部材1及び回動部材3並びにこれらの間に挟まれる円筒状のカラー2を貫通した状態で、その両側部にそれぞれナット8,9を螺着すると共に、例えば回動部材3と該回動部材3側のナット8との間には平ワッシャ11を介装し、係止部材1と該係止部材1側のナット9との間には一対の平ワッシャ4,6及びこれらの間に挟まれるスプリングワッシャ5をそれぞれ介装する。これにより、係止部材1及び回動部材3は、前記スプリングワッシャ5のバネ力により互いに近接する側へ付勢される。回動軸7の係止部材1側の先端部には、該回動軸7と共に回動部材3を回動操作可能とする操作レバー10が設けられる。
図1,3(b)を併せて参照し、上記ドア固定治具Jは、前記ドアDの所定の開放状態において、車体側部開口側(後方、ドア開放側)からドアヒンジHに取り付けられる。このときのドア固定治具Jは、回動部材3を前側、係止部材1を後側とし、係止部材1の係止部1aをドアD側かつヒンジピン103に沿わせた配置とされる。
ドア固定治具JのドアヒンジHへの取り付け時には、回動部材3はその先端側が上方を向くように回動操作される。この状態の回動部材3は、前記起立部101bと連結部102cとの間の隙間Sをヒンジ内側(前方)へ通過可能とされる。
なお、前記起立部101bは、その先端部に凹部101fを有し(図2参照)、前記隙間Sを回動部材3が通過する際に該回動部材3の基端側(回動軸7周辺)との間のクリアランスを確保し易くしている。また、回動部材3の前記段差部3aは、前記隙間Sを通過する際に起立部101bの先端部と隣接する側にあり、前記隙間Sを通過する際の起立部101bとの間のクリアランスを確保し易くしている。
図1,3(b)に示すように、前記隙間Sを通じて回動部材3がヒンジ内側に至った時点(起立部101bの前面よりも前方に至った時点)で、係止部材1の挟持部1bの前面が車体側ヒンジブラケット101の起立部101bの後面に当接する。
ここで、ドア側ヒンジブラケット102における連結部102cの上下端部の上下締結部102a側には、連結部102cを形成する際の駄肉除去用の上下切り欠き部Aが形成されているが、この上下切り欠き部Aは、係止部材1の挟持部1bの前面を車体側ヒンジブラケット101の起立部101bの後面に当接させた状態で、係止部材1の係止部1aの上下の先端側に整合するように形成されている。なお、上下どちらか一方の切り欠き部Aが係止部材1の係止部1aに整合する構成としてもよい。
そして、係止部材1の挟持部1bの前面が車体側ヒンジブラケット101の起立部101bの後面に当接した状態で、係止部1aの上下の先端側における回動軸7側の面m1及びその反対側の面m2並びに端面m3がそれぞれ上下切り欠き部Aの内面に整合すると共に、係止部1aの基端側における回動軸7側の面m4が連結部102cの上下締結部102a側の端面に整合する。この状態において、ドア側ヒンジブラケット102(ドアD)の車体側ヒンジブラケット101(車体B)に対するヒンジピン103回りの回動(開閉動)が規制される。
前記カラー2の高さ(係止部材1及び回動部材3間の距離に相当)tは、車体側ヒンジブラケット101の起立部101bの厚さと略同一(詳細には起立部101bの厚さよりもやや大)であり、係止部材1の挟持部1bの前面が車体側ヒンジブラケット101の起立部101bの後面に当接した状態で、前記操作レバー10を回動操作することで、回動軸7と共に回動部材3を回動させてその先端側を起立部101bの裏側(前方)に回り込ませることが可能である。この状態で、車体側ヒンジブラケット101の起立部101bが係止部材1及び回動部材3に前後から挟み込まれ、もってドア固定治具JのドアヒンジHへの取り付けが完了してドアDが前記所定の開放状態に固定される。
ここで、図4〜6を参照し、係止部材1における回動軸7の下方には、前記隙間S内を回動部材3側に突出してその回動を規制する円柱状のストッパピン12が固設され、ドア固定治具J取り付け時の回動部材3の回動を規制してドア固定治具Jの脱落を防止する。
このとき、前記スプリングワッシャ5の付勢力が作用することでも回動部材3の回動が規制され、かつ係止部材1及び回動部材3間の距離が最小に保たれてドア固定治具Jのガタつきを防止する。
また、係止部材1における回動軸7の上方(上縁部)には、回動部材3側に突出してドア固定治具Jの取り付け時に車体側ヒンジブラケット101の起立部101bの先端面に当接する角柱状のストッパ片13が固設される。このストッパ片13が起立部101bの先端面に当接することで(図1,3(b)参照)、係止部材1及び回動部材3間に起立部101bを差し込む側の方向(車体左右内側、係止部材1及び回動部材3による挟持方向と直交する一方向)でのドアヒンジHに対するドア固定治具Jの移動が規制される。これにより、ドアヒンジHに対する係止部1aの位置が確実に規定され、該係止部1aが前記切り欠き部A及び連結部102cに確実に係合し、ドアヒンジHの回動ひいてはドアDの開閉が確実に規制される。
前記シーラ塗布工程終了後には、ドア固定治具JのドアヒンジHへの取り付け状態から前記操作レバー10を回動操作して回動部材3の先端側が上方を向くようにこれを回動させ、車体側ヒンジブラケット101の起立部101bの挟持を解除すると共に回動部材3が前記起立部101bと連結部102cとの間の隙間Sを通過可能な状態に戻すことで、ドア固定治具JをドアヒンジHから容易に取り外すことが可能である。
以上説明したように、上記実施例におけるドア固定治具Jは、車体B側に取り付けられる車体側ヒンジブラケット101と、ドアD側に取り付けられるドア側ヒンジブラケット102と、前記両ヒンジブラケット101,102を貫通してこれらを相対回動可能に連結するヒンジピン103とを有するドアヒンジHに着脱可能に取り付けられ、前記ドアヒンジHを介して車体Bに開閉可能に支持されるドアDを所定の開放状態に固定するものであって、前記ドアDの所定の開放時におけるドア開放側から前記車体側ヒンジブラケット101の起立部101bに当接すると共に車体側ヒンジブラケット102の切り欠き部Aに係合可能な係止部材1と、該係止部材1に回動可能に支持される回動部材3とを有し、前記ドアDの所定の開放時に、前記係止部材1が前記起立部101bに当接すると共に前記切り欠き部Aに係合し、かつ前記回動部材3が前記両ヒンジブラケット101,102間に形成される隙間Sからヒンジ内側に入り込み、この状態で前記回動部材3が回動して前記係止部材1と共に前記起立部101bを挟持するものである。
この構成によれば、ドアDの所定の開放時におけるドア開放側から、係止部材1を車体側ヒンジブラケット101の起立部101bに当接させると共にドア側ヒンジブラケット102の切り欠き部Aに係合させ、かつ回動部材3を両ヒンジブラケット101,102間に形成される隙間Sからヒンジ内側に差し入れ、この状態で回動部材3を回動させて係止部材1と共に起立部101bを挟持することで、ドアヒンジHの起立部101bを係止部材1及び回動部材3で挟持した強固な取り付けが可能となり、両ヒンジブラケット101,102の相対回動ひいてはドアDの開閉動の規制を確実に行うことができる。
また、回動部材3を回動させることで、ドアヒンジHに対する着脱を容易かつ確実に行えると共に、両ヒンジブラケット101,102間の隙間Sの増加を抑えてドアヒンジHの設計自由度を確保できる。
さらに、係止部材1及び回動部材3が挟持する起立部101bはドアヒンジHの既存の構成を利用可能であり、当該治具用の特別な構成の追加を抑えてドアヒンジHの簡素化によるコストダウンを図ることができる。
また、上記ドア固定治具Jにおいては、前記係止部材1及び回動部材3は互いに近接する側に付勢されることで、ドアヒンジHの起立部101bを挟持した際のガタつきを抑え、ドアヒンジHへのより強固な取り付けを実現できる。
さらに、上記ドア固定治具Jにおいては、前記係止部材1及び回動部材3による挟持方向と直交する一方向での前記ドアヒンジHに対する移動を規制するストッパ片13を有することで、ドアヒンジHに対する取り付け位置の規定や脱落の防止が可能となり、より確実にドアDの開閉動を規制することができる。
なお、この発明は上記実施例に限られるものではなく、例えば、ドアDの所定の開放時に、係止部材1をドア側ヒンジブラケット102の壁部に当接させると共に車体側ヒンジブラケット101の切り欠き部Aに係合させ、かつ回動部材3を両ヒンジブラケット101,102間に形成される隙間からヒンジ内側に差し入れ、この状態で回動部材3を回動させて係止部材1と共に前記壁部を挟持する構成としてもよい。
また、ストッパ片13は、係止部材1及び回動部材3間に起立部101bを差し込む側の方向(車体左右内側)でのドアヒンジHに対するドア固定治具Jの移動以外にも、車体左右外側や上下方向でのドアヒンジHに対するドア固定治具Jの移動を規制するものであってもよい。
そして、上記実施例における構成はこの発明の一例であり、部品構成や構造、形状、大きさ、数及び配置等を含め、当該発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能であることはいうまでもない。
この発明の車体右側のドアヒンジ周りの上面図であり、(a)はドアの全閉状態を、(b)はドアの所定の開放状態かつドア固定治具の取り付け状態をそれぞれ示す。 上記ドアヒンジの斜視図である。 図2のC−C線に沿うドアヒンジ周りの断面図であり、(a)はドアの全閉状態を、(b)はドアの所定の開放状態かつドア固定治具の取り付け状態をそれぞれ示す。 上記ドア固定治具の上面図である。 図4のA矢視図である。 図5のB矢視図である。
符号の説明
1 係止部材
3 回動部材
13 ストッパ片(規制部)
101 車体側ヒンジブラケット
101b 起立部(壁部)
102 ドア側ヒンジブラケット
103 ヒンジピン
H ドアヒンジ
B 車体
D ドア
J ドア固定治具
A 切り欠き部(係合部)
S 隙間

Claims (3)

  1. 車体側に取り付けられる車体側ヒンジブラケットと、ドア側に取り付けられるドア側ヒンジブラケットと、前記両ヒンジブラケットを貫通してこれらを相対回動可能に連結するヒンジピンとを有するドアヒンジに着脱可能に取り付けられ、前記ドアヒンジを介して車体に開閉可能に支持されるドアを所定の開放状態に固定するドア固定治具において、
    前記ドアの所定の開放時におけるドア開放側から前記両ヒンジブラケットの一方の壁部に当接すると共に他方の係合部に係合可能な係止部材と、該係止部材に回動可能に支持される回動部材とを有し、
    前記ドアの所定の開放時に、前記係止部材が前記壁部に当接すると共に前記係合部に係合し、かつ前記回動部材が前記両ヒンジブラケット間に形成される隙間からヒンジ内側に入り込み、この状態で前記回動部材が回動して前記係止部材と共に前記壁部を挟持することを特徴とするドア固定治具。
  2. 前記係止部材及び回動部材は互いに近接する側に付勢されることを特徴とする請求項1に記載のドア固定治具。
  3. 前記係止部材及び回動部材による挟持方向と直交する少なくとも一方向での前記ドアヒンジに対する移動を規制する規制部を有することを特徴とする請求項1又は2に記載のドア固定治具。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2011116349A (ja) * 2009-10-29 2011-06-16 Toyota Auto Body Co Ltd ドア塗装用治具
US9899809B2 (en) 2016-03-16 2018-02-20 Lsis Co., Ltd. Motor control center unit
CN117599644A (zh) * 2024-01-19 2024-02-27 天津工大纺织助剂有限公司 一种纺织助剂高效搅拌设备

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