JP2009142269A - ヒトIgGのFcを含有するタンパク質の測定試薬 - Google Patents
ヒトIgGのFcを含有するタンパク質の測定試薬 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2009142269A JP2009142269A JP2008296205A JP2008296205A JP2009142269A JP 2009142269 A JP2009142269 A JP 2009142269A JP 2008296205 A JP2008296205 A JP 2008296205A JP 2008296205 A JP2008296205 A JP 2008296205A JP 2009142269 A JP2009142269 A JP 2009142269A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- human igg
- antibody
- igg
- reagent
- measuring
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Landscapes
- Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
- Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)
- Peptides Or Proteins (AREA)
Abstract
【解決手段】被験試料中のヒトIgGを測定する試薬において、ヒトIgGのFcを認識するが抗原認識部位を異にする2種のモノクローナル抗体を構成成分とし、前記モノクローナル抗体のうち、一方の抗体が標識抗体であり、他方の抗体が固相抗体であることを特徴とするヒトIgGのFcを含有するタンパク質の測定試薬が提供される。当該ヒトIgGのFcを含有するタンパク質の測定試薬としては、寄託番号FERM P−21367で表されるハイブリドーマ細胞により産生されるモノクローナル抗体及び寄託番号FERM P−21366で表されるハイブリドーマ細胞により産生されるモノクローナル抗体を構成成分とするヒトIgGのFcを含有するタンパク質の測定試薬が好適である。
【選択図】なし
Description
そこで、本発明の課題は、操作が簡便で、かつ測定精度、特異性、再現性に優れたヒトIgGの部位特異的な高感度測定試薬を提供することにある。
(A)所望の抗原と被検試料を接触させる工程;および
(B)さらにヒトIgGのFcを認識する標識化モノクローナル抗体を接触させる工程、を包含する、所望の抗原を認識するヒトIgGを測定する方法に関する。
本発明の試薬の態様としては、ヒトIgGの各種サブクラスのFcに共通に反応し、1.血中IgG抗体価の絶対量の変化を調べることができる、2.ヒトIgGのFcを含有するヒト型モノクローナル抗体のモニタリングや、製造工程での品質管理、定量の測定手法として用いることができる、3.ヒトIgGのFcを含有するタンパク質(Fc融合タンパク質)を発現・精製過程で簡易定量することができる等の顕著な効果を有している。
本発明で「ヒトIgG」とは、ヒト血中に存在するIgG(免疫グロブリンG)を意味する。天然のIgG分子はHγ鎖2本とL鎖2本の4本のポリペプチド鎖からなり、分子量15万、1〜3%の糖鎖を含むタンパク質である。Hγ鎖には4種類のサブクラス、γ1、γ2、γ3、γ4があり、それぞれの鎖を含むIgGはIgG1、IgG2、IgG3、IgG4と呼ばれ、エフェクター機能に違いがある。前記のヒトIgGは、ヒト血中に存在する天然のIgG、B細胞やB細胞とミエローマ細胞とのハイブリドーマなどのヒトIgGを産生しうる細胞を人為的に培養した培養上清中に遊離されるIgG、更にB細胞のmRNAやそのcDNA等を用いて遺伝子工学的に作製したリコンビナントのIgGも含まれる。
すなわち本発明を概説すれば本発明は、被験試料中のヒトIgGのFcを含有するタンパク質を測定する試薬において、ヒトIgGのFcを認識するが抗原認識部位を異にする2種のモノクローナル抗体を構成要素とし、前記モノクローナル抗体のうち、一方の抗体は標識抗体で、他方の抗体は固相抗体であることを特徴とするヒトIgGのFcを含有するタンパク質の測定試薬に関する。以下に前記モノクローナル抗体について説明する。本発明で用いる抗体は、前述のヒトIgGのFcを抗原として認識し、かつ当該Fcを高感度で検出できるモノクローナル抗体であればいかなるものでも良い。また、ヒトIgGのFcを抗原として認識し得る本発明の抗体にペプシン、パパイン等のタンパク質分解酵素を作用させ、抗体のFc部分を除去して得られる、F(ab’)2、Fab’、Fab等のフラグメントも本発明で使用する抗体に含まれる。
抗体産生細胞には、例えばヒトIgG、そのFc又はそれらの一部によって免疫された動物の脾細胞、リンパ節細胞、Bリンパ球等が利用できる。免疫させる動物としては、マウス、ラット、ウマ、ヤギ、ウサギ等が挙げられる。抗原としてはヒトIgGやその断片が利用可能であり、例えば次のようにして製造され、免疫に使用される。例えば免疫原として用いるヒトIgGを天然から得る場合は、IgGを含むヒト血清画分あるいは血漿画分から塩析、透析やアフィニティークロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィー、疎水クロマトグラフィー等各種クロマトグラフィーを用いて精製することが可能である。かくして得られたヒトIgGを直接、もしくはパパインやペプシンなどによる酵素消化後、Fcを分取して、KLH(Keyhole Limpet Hemocyanin)に代表されるキャリアタンパク質と結合後、又はPVP(ポリビニルピロリドン)と混合後、フロイントのアジユバントと混合して、動物の免疫に使用する。またはヒトIgGやその断片を直接フロイントのアジユバントと混合し、動物の免疫に使用する。免疫は動物の皮下、筋肉内あるいは腹腔内に1回に20〜200μgの抗原−アジュバント混合物を、2〜3週間に1回、3〜7回投与することにより行われる。最終免疫より約3〜5日後、免疫動物から抗体産生細胞を分取する。
こうして選ばれたクローンは、例えばあらかじめプリスタン(2,6,10,14−テトラメチルペンタデカン)を投与したBALB/cマウスの腹腔内へ移植し、10〜14日後にモノクローナル抗体を高濃度に含む腹水を採取する。この腹水からのモノクローナル抗体の回収は、イムノグロブリンの精製法として従来既知の硫安分画法、ポリエチレングリコール分画法、イオン交換クロマトグラフ法、ゲルクロマトグラフ法、アフイニテイークロマトグラフ法等を応用することで達成される。
前記の抗体、すなわちモノクローナル抗体hIgG 4−10D及びモノクローナル抗体hIgG 13−9H、ならびにこれらの抗体を産生するハイブリドーマハイブリドーマ細胞hIgG 4−10D、hIgG 13−9Hは、いずれも本発明に包含される。
本発明のヒトIgGのFcを含有するタンパク質測定方法は、前記(1)に記載のタンパク質測定試薬を使用することを特徴とする方法である。被検物質と固相抗体を接触させ、これに標識抗体をさらに接触させ、これらのモノクローナル抗体と被検物質の複合体を検出することにより、ヒトIgGのFcを含有するタンパク質を測定することができる。さらに、被検試料と接触させた後に固相抗体を洗浄する工程及び/又は被験物質と結合しなかった標識抗体を洗浄により除去する工程を含んでいてもよい。また、固相抗体及び標識抗体は、前記(1)に記載の通り固相化及び標識化の操作により調製される。本発明の一態様として、モノクローナル抗体hIgG 4−10D、hIgG 13−9Hの使用が好適であり、固相抗体としてモノクローナル抗体hIgG 4−10D、標識抗体としてモノクローナル抗体hIgG 13−9Hの組み合わせの測定系が特に好適である。本発明の方法においては、定性的な測定と、定量的な測定が含まれる。
本発明の所望の抗原を認識するヒトIgGを測定する方法は、以下の工程を包含すること特徴とするタンパク質測定方法である。
(A)所望の抗原と被検試料を接触させる工程;
(B)さらにヒトIgGのFcを認識する標識化モノクローナル抗体を接触させる工程。
本発明のヒトIgGのFcを含有するタンパク質の精製方法は、ヒトIgGのFcを認識するモノクローナル抗体を使用することを特徴とする方法である。本発明の精製方法においては、前記モノクローナル抗体が固相化されていてもよい。本発明の一態様として、モノクローナル抗体hIgG 4−10D、モノクローナル抗体hIgG 13−9Hが好適に使用できる。
(1)抗原免疫・細胞融合
ヒト血清由来ヒトIgG 1mg/mL溶液を抗原とし、マウス4匹に50μg/shot/bodyの投与量で、初回免疫は、フロイント完全アジュバントとエマルジョンを形成させてから腹腔投与し、2回目以降は、市販の水溶性アジュバント(RIBI Adjuvant)と混合して、2週間隔合計4回の投与を行った。以上の免疫操作は、マウスを2匹ずつ2群に分け、2週間の時差をおいて実施した。先に免疫を開始した群のマウスについて、眼窩静脈血清中のヒトIgGに対する抗体価の上昇を確認した上で、両個体に最終免疫を実施した。最終免疫3日後にこの2個体の免疫動物の脾臓を摘出し、無血清培地で分散・洗浄した後、細胞融合用ミエローマ(P3U1)と5:1(脾臓:ミエローマ)の割合で混合し遠心上清を除いた細胞ペレットとした。この細胞混合物に適温に保温した50%PEG溶液1mLを一定速度で、軽い振とうを加えながら混合し、合計3mLまで加え、そのあとは、無血清培地7mLを同様に一定速度で加え、10mLにフィルアップし、この操作で細胞融合を実施した。残る2匹のマウスも同様の最終免疫をさらに1回追加して、3日後に採取した脾臓を細胞融合に供した。
2回のチャレンジで、多数の融合細胞を取得した。この幅広い母集団より抗原に特異的な抗体をスクリーニングした。
融合細胞のスクリーニングには、クローニング培地(三光純薬社製)にHAT(H:ヒポキサンチン、A:アミノプテリン、T:チミジン)を加えたものを用意し、融合日の翌日から3回の培地交換をこのHAT培地で行った。アミノプテリンは核酸のde novo合成を阻害するので、ヒポキサンチンとチミジンを用いたサルベージ経路を利用しない限り細胞の生育ができない。上記経路に必須なHGPRT(ヒポキサンチン・グアニンホスホリボシルトランスフェラーゼ)酵素を欠損しているミエローマ細胞はHAT培地中では生育できない。B細胞にはこの酵素があるので、融合したハイブリドーマのみがHAT培地中で生育できることになる。したがって、この培地交換操作で成長してきた細胞は、脾臓由来のde novo合成系を持ちかつ不死化した融合細胞と言えた。
免疫原と同様のヒトIgGを、5μg/mL PBS、50μL/wellで、イムノプレート(ナルジェヌンク社製)上に添加し、4℃で一晩放置してIgGを物理吸着させた。ブランク用抗原として、ウシ血清より精製したポリクローナルウシIgGを準備し、5μg/mL PBS、50μL/wellで同様にコーティングした。上記の操作の後、抗原溶液を捨てて、50%Blocker Casein(ピアス社製)を200μL/wellになるように加えて、室温(20〜30℃)で1時間放置してブロッキング操作を行った。その後、ブロッキング溶液を捨て、上記(2)で得られた融合細胞の培養上清(原液使用)を、ナンバリングした上で抗原プレートに投入し、一次反応を室温(20〜30℃)で1時間行った。PBSで反応終了後の各ウェルを3回洗浄し、ペーパータオルで充分に液を切った。検出にはマウスIgGでラットを免疫し作製した抗マウスIgGラットモノクローナル抗体カクテル−ペルオキシダーゼ標識抗体を使用した。前記抗体を1μg/mL、50μL/wellで添加し、室温(20〜30℃)で1時間反応を行った。その後、標識抗体液を捨て、ウェルをPBSで4回洗浄した。ペーパータオルに打ち付けて、洗浄液を充分に除き、ペルオキシダーゼ基質であるABTS[2,2’−アジノビス(3−エチルベンゾチアゾリン−6−スルホン酸)]溶液(ピアス社製)を50μL/well投入し、室温で15〜30分発色させ、強弱ある陽性株を幅広く検出した。等量の150mM シュウ酸を加えて反応を停止させた後、肉眼及びプレートリーダーで陽性株を確認し、ブランク抗原に反応せず、目的のヒトIgG蛋白に反応する株、総数20株を選抜した。
二次スクリーニングとして、ブタ、ヒツジ、モルモット、ヤギやニワトリIgGに対する交差反応がなく、かつヒトIgGに強く反応する4種類のハイブリドーマ元株を選択し、直ちに限界希釈法によりクローニングを行った。クローニングされた4種類のハイブリドーマについて、それぞれクローンを各2種(本株・亜株)確保した。
上記の4種類のハイブリドーマクローンは、本株・亜株ともに凍結細胞としてマスター細胞を保管し、ほぼ並行しながら、本株をBALB/cマウスの腹腔内で大量培養し、腹水として粗精製抗体を得た。腹水は、1個体あたりおよそ3〜5mLであった。
得られた腹水は、50%飽和硫安塩析・透析を行い、その画分をProtein Aカラムに供した。平衡化緩衝液は、3M NaCl、1.5M glycin−NaOH緩衝液(pH8.9)の高塩濃度のものを調製し、どのサブクラスのIgGであっても良好に結合する条件を採用した。平衡化緩衝液で2倍希釈した腹水硫安塩析画分を腹水液量とほぼ等量の容積のProtein A樹脂にアプライし、溶出液の吸光度A280がほぼゼロになるまで平衡化緩衝液でカラムを洗った。その後、クエン酸緩衝液(pH4.0)とクエン酸緩衝液(pH3.0)の2段階で溶出を行った。サブクラスIgG1、IgG2aは主にpH4.0で溶出され、IgG2bは、pH3.0で溶出された。溶出画分は、ただちに1M Tris緩衝液(pH9.0)で中和し、硫安塩析濃縮を行った。最終抗体は、PBSで透析し、0.22μmフィルターろ過により無菌化した。抗体を10%SDS−PAGE(還元加熱条件)により分析し、H鎖とL鎖以外のものがない良好な純度の抗体であることを確認した。
得られた精製抗体のうち、一定量(試験的に各抗体1mg)を用いて、過ヨウ素酸法によるペルオキシダーゼ標識を施した。過ヨウ素酸法は、ペルオキシダーゼの糖鎖ジオールを脱水素酸化させてシッフベースを形成させ、抗体側のアミノ基に結合させる方法である。4種類の抗体は、すべてペルオキシダーゼ標識体とした。ヒトIgGのFcを有する融合タンパク質を固相化したプレート上で、これらの標識抗体の段階希釈物を反応させた後にペルオキシダーゼの検出反応に供した。その結果を表1に示す。
(1)測定系構築
固相と標識とに実施例1で得られた4種類の抗体のそれぞれを用い、合計16とおりの組み合わせで、ヒトIgGを定量できる系をスクリーニングした。試験された抗ヒトIgGモノクローナル抗体の種々の組み合わせの中にはヒトIgGのサブクラス依存的な結合反応を示すものも多数存在した。本スクリーニングによって、ヒトIgMに交差することなく高感度にヒトIgGのサブクラスを網羅して測りこむことのできるIgGのFcのサブクラス共通測定系をようやく1種類得ることに成功した。
実施例2−(1)でのスクリーニングから、固相抗体にモノクローナル抗体hIgG 4−10D、標識抗体にモノクローナル抗体hIgG 13−9Hを用いる組み合わせの測定系が確立した。
その測定系を使用した測定方法を以下に示す。
(A)イムノプレート器材(ナルジェヌンク製)に、PBSで10μg/mlに希釈したモノクローナル抗体hIgG 4−10D溶液を100μL/wellで投入し、4℃で一晩放置する。
翌日、抗体溶液を捨て、25%ブロックエース+0.3Mマルトース/PBS溶液(ブロッキング溶液)を200μL/wellで投入し、4℃一晩放置し、器材余剰部分をタンパク質ブロックする。
翌日、ブロッキング溶液を捨て、以下の測定に使用する。
(B)各濃度の検体を100μLずつマイクロピペットで各wellに2連ずつ加え、室温(20〜30℃)で1時間反応させる。(第一反応)
反応液を捨て、0.1%Tween20含有PBSで3回洗浄後、モノクローナル抗体hIgG 13−9H標識抗体液を100μLずつ各wellに加え、室温(20〜30℃)で一時間反応させる。(第二反応)
反応液を捨て、0.1%Tween20含有PBSで4回洗浄後、3,3’,5,5’−テトラメチルベンジジン(TMBZ)溶液(BioFX社製)を100μLずつ各wellに加え、室温(20〜30℃)で15分反応させる。(第三反応)
1N 硫酸を100μLずつ、TMBZ溶液を入れた順番に各wellに加え、反応を停止させた後よく混和する。
蒸留水を対照としてマイクロプレートリーダーをブランク補正し、波長450nmで吸光度を測定する。
標準曲線を作成し、検体の吸光度から対応するヒトIgG濃度を読み取る。
実施例2−(2)記載の測定系で同時再現性試験を行った。表3に結果を示すように、CV値は5%以下で良好な同時再現性を示した。
実施例2−(2)記載の測定系で日差再現性試験を行った。表4に結果を示すように、良好な日差再現性を示した。
実施例2−(2)記載の測定系でヒトIgGの添加回収試験を行った。各種濃度のヒト血清検体2種を等量に混合したサンプルを測定し、実測値からヒトIgG量の理論値との差(=回収率)を求めた。表5及び表6に結果を示すように、添加回収率80%から130%(平均値101.27%)と良好な結果が得られた。
実施例2−(2)記載の測定系でヒトIgGのFcとの反応性試験を行った。ヒトIgGのFcとして、キメラ抗体(抗GMP140 PL7−6F(ab’)2とHuman Fc regionのキメラ抗体、特開平5−304982号公報)及びヒトIgGのFcを含有する融合タンパク質を産生する細胞(M601−2)の培養上清を使用した。表7に結果を示すように、実施例2−(2)記載の測定系でヒトIgGのFcを検出できることを確認した。
実施例2−(2)記載の測定系でヒトIgG各サブクラスとの反応性試験を行った。各サブクラスのヒトIgG(シグマ社製)は、100μL/mLに調製して使用した。表8に結果を示すように、実質的にヒト血清中のIgGの各サブクラスを共通して検出できることが示された。
実施例2−(2)記載の測定系で交差反応性試験を行った。Human Serumはインフォームド・コンセントの得られたヒト健常人ドナーより採取し、各種の動物血清は、コスモバイオ社より入手し、1×102、1×105、2×105に希釈して使用した。表9に結果を示す。表9に示すように、ヒト特異的に検出可能であることが示された。
以下、当該キットの応用例として、ヒト尿(随時尿)測定例を示す。
インフォームド・コンセントの得られたヒト健常人ドナーより11回に渡り採尿を実施した。各サンプルを10倍希釈したものを実施例2−(2)記載の測定系を用いて測定した。その結果を表10に示す。
イムノプレート器材(ナルジェヌンク製)に、PBSで50倍に希釈したインフルエンザHAワクチン(ビケンHA、阪大微生物病研究会)を50μL/wellで投入し、4℃で一晩放置した。
翌日、溶液を捨てPBSで2回洗浄した後、50%Blocker Caseinを含むPBS溶液(ブロッキング溶液)を200μL/wellでを投入し、室温で2時間放置し、器材余剰部分をタンパク質ブロックした。その後、ブロッキング溶液を捨て、以下の測定に使用した。
検出対象として、実施例2−(8)で使用したウシ血清、ブタ血清、ヒト血清、並びにネスコールXA(アルフレッサファーマ社製)、ワコー血清(和光純薬工業社製)、コンセーラ(日水製薬社製)、ネスコール(異常域)(アルフレッサファーマ社製)を使用した。各検体を103、104、105倍に希釈し、100μLずつマイクロピペットで各wellに加え、20℃で1時間反応させた(第一反応)。反応液を捨て、0.1%Tween20含有PBSで3回洗浄後、モノクローナル抗体hIgG 4−10D標識抗体液を100μLずつ各wellに加え、20℃で一時間反応させた(第二反応)。反応液を捨て、0.1%Tween20含有PBSで4回洗浄後、TMBZ溶液を100μLずつ各wellに加え、20℃で15分反応させた(第三反応)。
1N 硫酸を100μLずつ、TMBZ溶液を入れた順番に各wellに加え、反応を停止させた後よく混和した。
蒸留水を対照としてマイクロプレートリーダーをブランク補正し、波長450nmで吸光度を測定し、標準曲線を作成し、検体の吸光度からインフルエンザウイルスを認識するヒトIgGを測定した。
その結果を表11に示す。表11は各検体の吸光度の測定値から、吸光度2.0以上を4+、同1.0以上を3+、同0.5以上を2+、同0.1以上を1+、同0.09以上を±、同0.09未満を−と評価した。その結果、本発明のモノクローナル抗体は良好な反応性を示した。
Claims (7)
- 被験試料中のヒトIgGのFcを含有するタンパク質を測定する試薬において、ヒトIgGのFcを認識するが抗原認識部位を異にする2種のモノクローナル抗体を構成成分とし、前記モノクローナル抗体のうち、一方の抗体が標識抗体であり、他方の抗体が固相抗体であることを特徴とするヒトIgGのFcを含有するタンパク質の測定試薬。
- モノクローナル抗体が寄託番号FERM P−21367で表されるハイブリドーマ細胞により産生されるモノクローナル抗体hIgG 4−10D及びモノクローナル抗体が寄託番号FERM P−21366で表されるハイブリドーマ細胞により産生されるモノクローナル抗体hIgG 13−9Hである請求項1記載のヒトIgGのFcを含有するタンパク質の測定試薬。
- 測定方法としてエンザイムイムノアッセイを用いる、請求項1又は2記載のヒトIgGのFcを含有するタンパク質の測定試薬。
- 被験試料が、血漿、血清又は細胞培養物から選ばれる請求項1〜3いずれかに記載のヒトIgGのFcを含有するタンパク質の測定試薬。
- 請求項1記載のタンパク質の測定試薬を使用することを特徴とするヒトIgGのFcを含有するタンパク質の測定方法。
- 寄託番号FERM P−21367で表されるハイブリドーマ細胞により産生されるモノクローナル抗体hIgG 4−10D及び寄託番号FERM P−21366で表されるハイブリドーマ細胞により産生されるモノクローナル抗体hIgG 13−9Hから選択される、ヒトIgGのFcを認識するモノクローナル抗体。
- 寄託番号FERM P−21367で表されるハイブリドーマ細胞及び寄託番号FERM P−21366で表されるハイブリドーマ細胞から選択される、ヒトIgGのFcを認識するモノクローナル抗体を産生するハイブリドーマ細胞。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008296205A JP5448424B2 (ja) | 2007-11-20 | 2008-11-20 | ヒトIgGのFcを含有するタンパク質の測定試薬 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007300260 | 2007-11-20 | ||
JP2007300260 | 2007-11-20 | ||
JP2008296205A JP5448424B2 (ja) | 2007-11-20 | 2008-11-20 | ヒトIgGのFcを含有するタンパク質の測定試薬 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2009142269A true JP2009142269A (ja) | 2009-07-02 |
JP5448424B2 JP5448424B2 (ja) | 2014-03-19 |
Family
ID=40913630
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2008296205A Active JP5448424B2 (ja) | 2007-11-20 | 2008-11-20 | ヒトIgGのFcを含有するタンパク質の測定試薬 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP5448424B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2017082213A1 (ja) * | 2015-11-09 | 2017-05-18 | 国立大学法人京都工芸繊維大学 | ヒト血清由来IgGポリクローナル抗体の分離剤、及び、それを用いたヒト血清由来IgGポリクローナル抗体を分離する方法 |
Citations (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS57501147A (ja) * | 1980-07-16 | 1982-07-01 | ||
JPH01301165A (ja) * | 1988-05-30 | 1989-12-05 | Sekisui Chem Co Ltd | 免疫測定法 |
JPH08112096A (ja) * | 1994-04-01 | 1996-05-07 | Chugai Pharmaceut Co Ltd | IgGFc部結合タンパク質をコードする遺伝子 |
JP2007121310A (ja) * | 1996-07-31 | 2007-05-17 | Hayashibara Biochem Lab Inc | 自己免疫疾患診断剤 |
-
2008
- 2008-11-20 JP JP2008296205A patent/JP5448424B2/ja active Active
Patent Citations (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS57501147A (ja) * | 1980-07-16 | 1982-07-01 | ||
JPH01301165A (ja) * | 1988-05-30 | 1989-12-05 | Sekisui Chem Co Ltd | 免疫測定法 |
JPH08112096A (ja) * | 1994-04-01 | 1996-05-07 | Chugai Pharmaceut Co Ltd | IgGFc部結合タンパク質をコードする遺伝子 |
JP2007121310A (ja) * | 1996-07-31 | 2007-05-17 | Hayashibara Biochem Lab Inc | 自己免疫疾患診断剤 |
Non-Patent Citations (1)
Title |
---|
JPN6013037815; 生化学辞典(第3版) , 20020701, 第599頁, 東京化学同人 * |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2017082213A1 (ja) * | 2015-11-09 | 2017-05-18 | 国立大学法人京都工芸繊維大学 | ヒト血清由来IgGポリクローナル抗体の分離剤、及び、それを用いたヒト血清由来IgGポリクローナル抗体を分離する方法 |
JPWO2017082213A1 (ja) * | 2015-11-09 | 2018-08-23 | 国立大学法人京都工芸繊維大学 | ヒト血清由来IgGポリクローナル抗体の分離剤、及び、それを用いたヒト血清由来IgGポリクローナル抗体を分離する方法 |
US11136609B2 (en) | 2015-11-09 | 2021-10-05 | National University Corporation Kyoto Institute Of Technology | Separating agent for human serum-derived IgG polyclonal antibodies, and method for separating human serum-derived IgG polyclonal antibodies using same |
JP7037148B2 (ja) | 2015-11-09 | 2022-03-16 | 国立大学法人京都工芸繊維大学 | ヒト血清由来IgGポリクローナル抗体の分離剤、及び、それを用いたヒト血清由来IgGポリクローナル抗体を分離する方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP5448424B2 (ja) | 2014-03-19 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5941615B2 (ja) | ヒトcxcl1タンパク質の免疫学的測定方法 | |
JPWO2007043582A1 (ja) | Sarsウイルスヌクレオカプシドタンパク質を測定するための測定方法、測定用試薬キット、試験具、sarsウイルスヌクレオカプシドタンパク質に対するモノクローナル抗体及び前記モノクローナル抗体を産生するハイブリドーマ | |
JP5798679B2 (ja) | ヒト肝−カルボキシルエステラーゼ1を特異的に認識するモノクローナル抗体、前記抗体を生産するハイブリドーマ細胞株及びその用途 | |
JP5448424B2 (ja) | ヒトIgGのFcを含有するタンパク質の測定試薬 | |
JPWO2009044561A1 (ja) | 抗proNT/NMNモノクローナル抗体 | |
JP6655302B2 (ja) | 被検対象の検出方法並びにそのための免疫測定器具及びモノクローナル抗体 | |
JP5280916B2 (ja) | 抗ラットオステオカルシンモノクローナル抗体 | |
JP2009508087A (ja) | モノクローナル抗体試薬 | |
JP5231954B2 (ja) | アルブミン測定試薬 | |
US20190375834A1 (en) | Disulfide-type hmgb1-specific antibody, method for measuring disulfide-type hmgb1 and kit for said measurement, and measurement method capable of quantitating all of hmgb1 molecules including reduced hmgb1, disulfide-type hmgb1 and thrombin-cleavable hmgb1 and kit for said measurement | |
JP3568198B2 (ja) | 異常プリオンタンパク質の検出方法 | |
JP7366411B2 (ja) | ヒトαディフェンシンHD5を検出する方法及びキット、並びにこれらにおいて用いられる抗体 | |
JP7372196B2 (ja) | マイコプラズマ・ニューモニエの免疫測定方法及び免疫測定器具 | |
WO2014168242A1 (ja) | 歯周病特異的ペプチドに対するモノクローナル抗体およびその用途 | |
US8349569B2 (en) | Anti-fibronectin fragment monoclonal antibody | |
EP3548899A1 (en) | Novel antibody for determination of adamts-13 activity | |
WO2023088443A1 (zh) | 一种抗人IgM抗体及其制备方法和用途 | |
JP7313659B2 (ja) | 試料中のhmgb1の測定方法及び測定試薬 | |
JP7256172B2 (ja) | ミニブタ試料において抗薬物抗体を決定するための方法 | |
JP2019501152A (ja) | Cgrp抗体及びその使用 | |
JP2009139372A (ja) | ラットIgE測定試薬 | |
JP2023097737A (ja) | 試料中のhmgb1の測定方法及び測定試薬、抗hmgb1抗体を固定化した担体の非特異的凝集の抑制方法並びに試料中のhmgb1測定時の試薬ブランクの上昇の抑制方法 | |
JP5585587B2 (ja) | 5.9kDaペプチドの免疫学的測定方法 | |
JP6183920B2 (ja) | 腎炎の病変部位の検査方法およびそのための試薬 | |
JP2010189381A (ja) | 抗ヒトオステオカルシンモノクローナル抗体 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20110913 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20130802 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20130926 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20131220 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20131224 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 Ref document number: 5448424 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
S531 | Written request for registration of change of domicile |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |