JP2009142222A - ダイズペプチド含有チョコレート類 - Google Patents

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Abstract

【課題】ダイズペプチドを含有しても、ダイズペプチド由来の異味及び異臭が軽減され、さらに、風味も向上するチョコレート類を提供すること。
【解決手段】ダイズタンパク質のサーモリシン加水分解物を含有してなる、チョコレート類。ダイズペプチド含有チョコレート類の原料として、ダイズタンパク質のサーモリシン加水分解物を用いることで、ダイズペプチド由来の異味及び異臭が低減され、風味も良好なチョコレート類を得ることができる。
【選択図】なし

Description

本発明は、ダイズペプチド含有チョコレート類に関する。さらに詳しくは、ダイズタンパク質のサーモリシン加水分解物を含有するチョコレート、チョコレート菓子、ココア等のチョコレート類に関する。
チョコレート、ココア等のチョコレート類は、良好な甘みと風味があり、また独特の食感を有していることから嗜好品として広く食されている。
また、近年の健康志向の高まりから、単においしさを求めるのみではなく、付加価値として健康効果があることが期待されており、栄養価に優れ、健康に良いとされるダイズタンパク質、又はダイズペプチドをチョコレート類に混合する試みがなされている。例えば、特許文献1では、冷水に容易に溶解可能な、加水分解されたダイズタンパク質とココアを含む顆粒が知られている。特許文献2では、食感、風味に優れている、タンパク質を高含有するチョコレート菓子が、特許文献3では、脱脂豆乳粉末を含有するチョコレート類が開示されている。
特開平10−174555号公報 特開平10−323155号公報 特開2002−191291号公報
従来技術に拠って、ダイズタンパク質やダイズペプチドを含有したチョコレート類を製造することは可能である。しかしながら、得られる製品は、ダイズタンパク質やダイズペプチド特有の風味がチョコレート類にマッチせず、チョコレート類の風味が損なわれてしまったり、ダイズタンパク質やダイズペプチドに由来する苦味が感じられたりするなど、未だ十分なものは得られていない。
本発明の課題は、ダイズペプチドを含有しても、ダイズペプチド由来の異味及び異臭が軽減され、さらに、風味も向上するチョコレート類を提供することにある。
本発明者らは、ダイズペプチド含有チョコレート類の原料として、ダイズタンパク質のサーモリシン加水分解物を用いることで、ダイズペプチド由来の異味及び異臭が低減され、風味も良好なチョコレート類を得ることができることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、ダイズタンパク質のサーモリシン加水分解物を含有してなる、チョコレート類に関する。
本発明のチョコレート類は、ダイズペプチドを含有しても、ダイズペプチド由来の異味及び異臭が軽減され、さらに、風味が良好になるという優れた効果を奏する。
本発明のチョコレート類は、ダイズタンパク質のサーモリシン加水分解物(以下、サーモリシン加水分解物という)を含有することに大きな特徴を有する。サーモリシン加水分解物は、ダイズタンパク質をサーモリシンにより加水分解することにより得られるが、本発明では、詳細な理由は不明なるも、チョコレート類に含有させることで、ダイズ由来の異味や異臭を低減して、さらに風味を良好にすることができると推定される。
また、サーモリシン加水分解物には、コラーゲンやヒアルロン酸の産生を促進する機能を有する活性ペプチドとして、ロイシン、グルタミン酸、ヒスチジン、アラニンからなるテトラペプチドが含有されていることが既に知られているため(WO 2007/049400号公報参照)、チョコレート類に含有させて摂取することにより、前記機能に由来する美容効果が得られることが期待される。なお、本明細書でいう「活性ペプチド」とは、コラーゲンの産生促進、ヒアルロン酸の産生促進の活性を有するペプチドのことを意味する。
本発明におけるダイズタンパク質は、ダイズ植物に由来するタンパク質であれば特に限定されないが、ダイズ植物の種子に由来するタンパク質であることが好ましい。
従って、本発明においては、ダイズ植物そのものやダイズ植物の種子そのもの、あるいは該植物や該種子の破砕物又は粉砕物等を、ダイズタンパク質として用いてもよいが、好ましくはダイズ植物中の全成分からタンパク質成分を分離、精製したもの、より好ましくはダイズ植物の種子中の全成分からタンパク質成分を分離、精製したものが用いられる。このように分離、精製して得られたダイズタンパク質は、ダイズ植物又はダイズ植物の種子中に含まれる実質的に全種類のタンパク質を含むものでもよく、また、一部の種類のタンパク質を含むものであってもよい。
ダイズタンパク質としては、市販品も好適に用いられ得、例えば、日清コスモフーズ(株)、ADMファーイースト(株)、昭和産業(株)、不二製油(株)、(株)光洋商会等の製造業者又は供給業者から容易に入手可能である。
なお、本明細書において、ダイズ植物の種子とは、ダイズ種子と通常呼ばれる構造物全体を指すのみならず、例えば、脱皮ダイズ種子、脱脂ダイズ種子(粉末)、ダイズ種子全体より得られる雪花菜(オカラ)等でもあり得る。
サーモリシン(EC3.4.24.27)は、Bacillus thermoproteolyticusという耐熱性菌によって生産される耐熱性のプロテアーゼである。サーモリシンは一般に、大きな側鎖をもった疎水性のアミノ酸残基(例えば、イソロイシン、ロイシン、バリン、フェニルアラニン、メチオニン、アラニン等)のアミノ基側のペプチド結合を切断することが知られている。
サーモリシンは、市販品も好適に用いられ得、大和化成(株)等の製造業者から容易に入手可能である。また、本発明においては、サーモリシンと同等のペプチド切断特性(切断配列特異性等)を有するプロテアーゼとして当該分野で公知のプロテアーゼを、サーモリシンとして用いることができる。
なお、本発明では、ダイズタンパク質を加水分解する際に、本発明の効果を損なわない範囲で、サーモリシン以外の他のプロテアーゼを使用してもよい。他のプロテアーゼとしては、特に限定されず、例えば、パパイン、ブロメライン、トリプシン、キモトリプシン、パンクレアチン、スブリチン等が挙げられる。これらは、1種類又は2種以上を組み合わせてサーモリシンと併用してもよい。
ダイズタンパク質をサーモリシンで加水分解する場合に用いられる反応条件は、特に制限されず、技術常識に従って当業者により適宜選択され得る。例えば、市販のサーモリシンを使用する場合には、その使用説明書に従って使用することができる。具体的な例としては、水等の溶媒に、ダイズタンパク質濃度が、好ましくは0.1〜30%(w/v)、より好ましくは1〜10%(w/v)程度となるようにダイズタンパク質又はダイズタンパク質を含む原料を懸濁し、この懸濁液に、好ましくは0.001〜3%(w/v)、より好ましくは0.01〜0.125%(w/v)程度となるようにサーモリシンを加えて加水分解反応を行う態様が挙げられる。反応温度としては、30〜80℃が好ましく、40〜70℃がより好ましく、50〜60℃がさらに好ましい。また、反応時間としては、2〜30時間が好ましく、3〜24時間がより好ましく、10〜20時間がさらに好ましく、12〜18時間がさらに好ましい。反応液のpHとしては、サーモリシンの至適pHであるpH7.0〜8.5付近であることが好ましい。
反応の停止手段についても、特に制限はなく、公知の手段を用いることができる。かかる手段としては、例えば、加熱処理等が挙げられる。具体的には、上記反応物を80〜100℃程度の温度で好ましくは3〜20分間、より好ましくは5〜15分間加熱処理すればよく、85℃で15分間の加熱処理や100℃で5分間の加熱処理により、反応物中に含まれるサーモリシンを失活させることができる。
上記のような加水分解反応により得られるサーモリシン加水分解物は、必要に応じて、当業者に公知の任意の方法によりさらに処理され得る。例えば、ろ過等の処理により、該加水分解物中の大きな固体粒子を取り除くことが好ましい。ろ過条件等は、特に制限されず、技術常識に従って当業者により適宜選択され得る。例えば、ろ紙が目詰まりを起こしやすい場合等には、ろ過助剤等も好適に用いられ得る。
また、前記加水分解物を減圧濃縮し、次いで凍結乾燥することにより、粉末化することもできる。減圧濃縮及び凍結乾燥の際に使用される条件や機器類は、特に制限されず、技術常識に従って当業者により適宜選択され得る。このようにして粉末化された加水分解物は、そのまま又は水等の溶媒に溶かして、用いることができる。
サーモリシン加水分解物は、ダイズタンパク質をサーモリシンで加水分解することにより生じた多種多様なペプチドを実質的に全て含んだ状態であってもよいし、又は、そのような多種多様なペプチドを、公知の方法で、さらに分画、精製して得られる一部分であってもよい。しかし簡便には、ダイズタンパク質をサーモリシンで加水分解して得られる、多種多様なペプチドを実質的に全て含んだ状態でそのまま用いる。
サーモリシン加水分解物に含有されるペプチドとしては、前述のテトラペプチド(ロイシン、グルタミン酸、ヒスチジン、アラニン)(以下、LEHAという)以外に、トリペプチド(ロイシン、グルタミン酸、ヒスチジン)等が挙げられる。なお、LEHAの定量は、後述の実施例に記載の方法により行うことができる。
サーモリシン加水分解物中のLEHAの含有量は、0.05〜0.2重量%が好ましく、0.1〜0.2重量%がより好ましい。
本発明におけるサーモリシン加水分解物の平均分子量は、腸における吸収性の観点から、好ましくは300〜10000である。また、該平均分子量は、より高い効果を得る観点から、より好ましくは400〜5000であり、さらに好ましくは500〜3500であり、さらにより好ましくは550〜3200であり、程よく低分子化されており、また、活性ペプチドであるLEHAを含有することから、摂取した際に高い吸収性をもたらし、美容効果をもたらすこともできると推定される。該加水分解物の平均分子量は、当業者に公知の任意の方法によりに測定され得、例えば、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)法により測定され得る。本明細書において、GPC法により測定される平均分子量は「ピーク平均分子量」を意味し、「ピーク平均分子量」とは、クロマトグラムのピークトップ(最も強い強度のピーク)の溶出時間に対応する分子量を意味する。
本発明では、サーモリシン加水分解物として、市販品である「コラプラスTMN」(ピーク平均分子量:711、LEHA含有量:0.1重量%、ロート製薬社製)を用いることができる。
本発明のチョコレート類中のダイズタンパク質のサーモリシン加水分解物の含有量は、特に限定されないが、0.01〜30重量%が好ましく、0.1〜20重量%がより好ましく、1〜10重量%がさらに好ましい。
また、本発明のチョコレート類中のLEHAの含有量は、0.00001〜0.03重量%が好ましく、0.0001〜0.02重量%がより好ましい。
本発明のチョコレート類は、前記サーモリシン加水分解物を含むものであれば特に限定されず、例えば、サーモリシン加水分解物を原料として用いて製造したチョコレート製品であってもよく、また、サーモリシン加水分解物を混合することにより含有させた、カカオ原料やカカオエキス又はカカオエキスパウダーであってもよい。
チョコレート製品は、ダイズタンパク質のサーモリシン加水分解物、及びカカオマス、ココアバター、ココアケーキ、ココアパウダー等を原料として、必要により、糖類(例えば、ブドウ糖(グルコース)、乳糖(ラクトース)、果糖(フルクトース)などの単糖類;蔗糖、グラニュー糖、麦芽糖、トレハロース、マルトース、イソマルトースなどの二糖類;マルトテトラオース、マルトトリオース、マルトペンタオース、マルトヘキサオース、ラクトオリゴ糖、ガラクトシルラクトース、ラクトスクロースなどのオリゴ糖類;グルコーゲン、デキストリン、デンプン(小麦デンプンなど)、てんさい糖などの多糖類;ソルビトールなど糖アルコール類;ステビア、スクラロース、アスパルテーム、アセスルファムカリウムなどの高甘味度甘味料など)、乳製品(牛乳、生クリーム、バター、バターオイル、濃縮乳、無糖練乳、無糖脱脂練乳、加糖練乳、加糖脱脂練乳、全脂粉乳、脱脂粉乳、クリーム粉乳、クリームパウダー、加糖粉乳、発酵乳、発酵乳パウダー、ミルククラム、ブロックミルクなど)、他の食用油脂、香料等を適宜使用して、当該分野に公知の方法により製造することができる。さらに、食感や味を良くするために、ドライフルーツ(ストロベリー、ブルーベリー、アプリコット、レーズン、プルーン、オレンジピール、バナナチップなどの全粒、粉砕物、切断物等)、ナッツ類(アーモンド、ピーナッツ、マカダミアナッツ、カシューナッツ、クルミ、ピスタチオ、へーゼルナッツ、ゴマ、ひまわりの種、かぼちゃの種、松の実などの全粒、粉砕物、切断物等)などを混合してもよい。なお、市販のチョコレート製品を溶解して前記サーモリシン加水分解物を混合するか、又は市販のチョコレートに直接該加水分解物を混合することによっても製造することができる。
本発明におけるチョコレート製品としては、チョコレート、準チョコレート、ビターチョコレート、ホワイトチョコレート、これらのチョコレートを使用したチョコレート菓子や準チョコレート菓子(例えば、クッキー、ビスケット等の焼き菓子、ケーキなど)、チョコレート飲料(ココア飲料)等が挙げられる。
また、本発明におけるカカオ原料は、サーモリシン加水分解物を上記含有量の範囲となるように含有するものであれば、製造方法に特に限定はない。具体例としては、カカオマス、ココアバター、ココアケーキ、ココアパウダー、調整ココアパウダー等が挙げられる。
以下、本発明について実施例を用いてさらに詳細に説明するが、本発明はかかる実施例のみに限定されるものではない。
〔ダイズペプチドの分子量〕
ダイズペプチドを25mM Tris-HCl緩衝液(150mM NaCl含有、pH7.5)に溶解し、1mg/mLの被験溶液を調製する。HPLCカラム Superdex peptide HR(10mm I.D.×30cm,Amersham Biosciences社製)を同じ緩衝液で平衡化し、このカラムに被験溶液を100μL注入する。カラムの流速は0.5mL/分、カラム温度は室温、ペプチドの検出は214nmで行う。なお、分子量既知のペプチド標品として、Cytochrome C(シグマ社製、分子量12327)、Aprotinin(シグマ社製、分子量6518)、Hexaglycine(シグマ社製、分子量360)、Triglycine(シグマ社製、分子量189)、及びGlycine(シグマ社製、分子量75)を用いた。
〔ダイズペプチド中のLEHAの定量〕
LC-MS/MS「Q-TRAP」(アプライドバイオ社製)を用いてLEHA量を測定する。イオン源にはESIを採用し、LEHAの分子イオンピーク(m/z 469.1)及びプロダクトイオン(m/z 227.2)をもとにSRMモードで選択的に定量を行う。なお、標品として別途合成したLEHA(分子量468.5)を用い、サンプル調製はサンプル100mgを0.05% TFA 100mLにて懸濁し、沈殿物を除去した上清を回収して行った。また、この試験におけるLEHAの検出限界は、ダイズペプチド1g中0.01mgであった。
〔チョコレート類中のLEHAの定量〕
以下のような前処理によって測定用サンプルを調製し、上記と同様にLC-MS/MSにてLEHA量を測定する。即ち、チョコレートを適量500mlビーカーにて計量し、50mLの蒸留水を加えて50℃で30分保温し懸濁させた後、100mLの100%メタノールを添加し、超音波洗浄器にて10分間ソニケーションし、50℃で10分保温することで均一化させる。これに対しクロロホルム50mlを添加し、室温で一晩撹拌抽出後、全量を300mL容分液ロートに移し、更にクロロホルム50mL、蒸留水50mLを加えて混合する。2時間静置し二層に分離した後、ヌッチェを用いて不要物をろ過して水相を回収し、エバポレーションにより適当量まで濃縮後、メンブレンフィルターを用いて不要物を除去する。ろ液を全量回収し、適当な溶媒を用いて500mL容量にメスアップし測定用サンプルとする。なお、理論含有量は、以下の式より算出することができる。
理論含有量(ppm)=チョコレート重量(g)×ダイズペプチド配合率(%)×ペプチド中のLEHA含有量(g/g)÷0.5(L)(最終メスアップ体積)
実施例1 サーモリシン加水分解物含有チョコレートの作製
市販チョコレートを加熱溶解し、ダイズタンパク質のサーモリシン加水分解物(商品名:コラプラスTMN、ロート製薬社製、ピーク平均分子量:711、分子量分布:100〜30000)を14.7重量%となるように添加し、均一となるように混合し、冷蔵庫で冷却して固めてサーモリシン加水分解物含有チョコレートを作製した(3.889g)。なお、コラプラスTMNに含有されるLEHAはコラプラスTMN 1g中1.4mgであり、また、得られるチョコレート中のLEHA濃度は1.580ppmであり、これは下記式より求めた理論含有量に対して98.7%の数値であった。
LEHA理論含有量:3.889(g)×0.147(%)×0.0014(g/g)÷0.5(L)=1.601ppm
比較例1 市販ダイズペプチド含有チョコレートの作製
コラプラスTMNの代わりに、ダイズタンパク質のプロテアーゼ加水分解物である、市販ダイズペプチド(株式会社ピィアイシィ・バイオ社製、ピーク平均分子量:543、分子量分布:100〜6000、LEHA含有量:検出限界以下)を使用する以外は、実施例1と同様にして、市販ダイズペプチド含有チョコレートを作製した。
参考例1
実施例1で使用したチョコレートを加熱溶解し、何も添加せずに、そのまま冷蔵庫で冷却して固めることにより、参考例1のチョコレートを作製した。
試験例1 官能評価
実施例1及び比較例1のチョコレートについて、パネラー5名により、香りの良さ、苦味の少なさ、異味や異臭の少なさ、総合評価(風味など)の四項目について官能評価を行なった。パネラーには、2例のうち良かったもの、又はいずれも同じのどれかを項目毎に選択してもらい、その回答数を合計した。結果を表1に示す。また、前述の方法と同様に、実施例1と参考例1の比較も行った。
Figure 2009142222
表1に示されるとおり、ダイズペプチド含有チョコレートの原料としてサーモリシン加水分解物を用いることで、苦味、異味及び異臭が軽減されることが見出された。さらに、実施例1と参考例1とを比較したところ、苦味や異味や異臭について差は認められなかったが、実施例1のほうが風味に優れるという結果が得られ、チョコレートにサーモリシン加水分解物を含有させることで、風味が向上することも見出された。
実施例2 サーモリシン加水分解物含有ココア粉末の作製
ダイズタンパク質のサーモリシン加水分解物であるコラプラスTMNを、市販ココア粉末に15重量%となるように添加し、均一に混合し、ダイズタンパク質のサーモリシン加水分解物含有ココア粉末を作製した。
比較例2 市販ダイズペプチド含有ココア粉末の作製
コラプラスTMNの代わりに、比較例1と同じ市販ダイズペプチドを使用する以外は、実施例2と同様にして、市販ダイズペプチド含有ココア粉末を作製した。
試験例2 官能評価
実施例2及び比較例2のココア粉末について、ココア粉末10グラム、グラニュー糖5グラムを150mLの水で溶解して、ココア溶液を調製した。得られたココア溶液についてパネラー5名により、香りの良さ、こく味の良さ、異味や異臭の少なさ、総合評価(風味など)の四項目について官能評価を行なった。パネラーには2例のうち良かったもの、又はいずれも同じのどれかを項目毎に選択してもらい、その回答数を合計した。結果を表2に示す。
Figure 2009142222
表2に示されるとおり、サーモリシン加水分解物を含有するココア粉末は、市販のダイズペプチドを含有するココア粉末に比べて、異味及び異臭が軽減され、さらに風味も良好であることが見出された。
また、上記実施例1及び2のチョコレート類は、LEHAを含有するサーモリシン加水分解物を用いて得られたものであることから、コラーゲンやヒアルロン酸の産生が促進されることによる美容効果が示唆される。
以下に示す配合例に基づき、常法に従って、本発明のチョコレート類を作製することができる。
配合例1 サーモリシン加水分解物含有ビターチョコレートの作製
市販チョコレート(ビタータイプ)を加熱溶解し、ダイズタンパク質のサーモリシン加水分解物(コラプラスTMN)を10重量%となるように添加、混合し、冷蔵庫で冷却して固めてダイズタンパク質のサーモリシン加水分解物含有チョコレートを作製する。
配合例2 サーモリシン加水分解物含有ガナッシュチョコレートの作製
市販ガナッシュチョコレートを加熱溶解し、ダイズタンパク質のサーモリシン加水分解物(コラプラスTMN)を1重量%となるように添加し、適当に泡立ちするまで混合する。絞り袋などで一口サイズに整形し、冷蔵庫で冷却して固めてダイズタンパク質のサーモリシン加水分解物含有ガナッシュチョコレートを作製する。
配合3〜22 ダイズタンパク質のサーモリシン加水分解物含有チョコレートの作製
表3に示す原材料を用い、当業者に公知の方法に従って、ダイズタンパク質のサーモリシン加水分解物(コラプラスTMN)を含有するチョコレート、準チョコレート、ビターチョコレート、ホワイトチョコレートを作製する。
Figure 2009142222
配合例23〜34 サーモリシン加水分解物含有調整ココアパウダーの作製
表4に示す原材料を用い、当業者に公知の方法に従って、ダイズタンパク質のサーモリシン加水分解物(コラプラスTMN)を含有する調整ココアパウダーを作製する。
Figure 2009142222
配合例35〜44 サーモリシン加水分解物含有チョコレート飲料の作製
表5に示す原材料を用い、当業者に公知の方法に従って、ダイズタンパク質のサーモリシン加水分解物(コラプラスTMN)を含有するチョコレート飲料を作製する。
Figure 2009142222
配合例45 サーモリシン加水分解物含有チョコレートケーキの作製
クリーム状になるまで練ったバターに砂糖を加え、十分に混合する。湯煎で溶解させたチョコレート、卵黄を加えて更に混合する。更にメレンゲ、薄力粉、ココアパウダーを混合しながら少しずつ加え、十分に均一化させることによりケーキ生地を調製する。生地を型に流し込み、170℃で20分程度オーブンすることでチョコレートケーキを作製する。ダイズタンパク質のサーモリシン加水分解物(コラプラスTMN)を20重量%添加したチョコレートを、沸騰直前まで加熱した生クリームに加えて十分混合する。固化しない程度に荒熱をとばした後、上記チョコレートケーキの表面に満遍なく塗り均し、冷却して固めて作製する。
本発明により、ダイズペプチドを含有しても、ダイズペプチド由来の異味及び異臭が軽減され、さらに風味も向上するチョコレート類が提供される。また、本発明のチョコレート類は、コラーゲンやヒアルロン酸の産生を促進する活性成分を含有するペプチドを含有することにより、美容効果をもたらすものとして好適に使用される。

Claims (4)

  1. ダイズタンパク質のサーモリシン加水分解物を含有してなる、チョコレート類。
  2. ダイズタンパク質のサーモリシン加水分解物の含有量が0.01〜30重量%である、請求項1記載のチョコレート類。
  3. チョコレート類がチョコレートである、請求項1又は2記載のチョコレート類。
  4. チョコレート類がココアである、請求項1又は2記載のチョコレート類。
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