JP2009247270A - ダイズペプチド含有固形製剤 - Google Patents
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Abstract
【課題】良好な結合力を持つことにより、摩損度が小さく、さらに、十分な硬度を有しながらも適度な崩壊性を有する、固形製剤を提供すること。
【解決手段】ダイズタンパク質のサーモリシン加水分解物を含有してなる、固形製剤。ダイズタンパク質のサーモリシン加水分解物を固形製剤に含有させることにより、添加剤の配合性に影響されやすい直打製造においても、キャッピングやスティッキングを生じずに良好な生産性で、かつ十分な硬度を有しながらも適度な崩壊性を有する錠剤が得られる。また、造粒物を製造する場合においても、ダイズタンパク質のサーモリシン加水分解物を造粒物に含有させることにより、製造時の微粉の発生を低減し、かつ、摩損度の小さい粒が得られる。
【選択図】なし
【解決手段】ダイズタンパク質のサーモリシン加水分解物を含有してなる、固形製剤。ダイズタンパク質のサーモリシン加水分解物を固形製剤に含有させることにより、添加剤の配合性に影響されやすい直打製造においても、キャッピングやスティッキングを生じずに良好な生産性で、かつ十分な硬度を有しながらも適度な崩壊性を有する錠剤が得られる。また、造粒物を製造する場合においても、ダイズタンパク質のサーモリシン加水分解物を造粒物に含有させることにより、製造時の微粉の発生を低減し、かつ、摩損度の小さい粒が得られる。
【選択図】なし
Description
本発明は、ダイズペプチド含有固形製剤に関する。さらに詳しくは、ダイズタンパク質のサーモリシン加水分解物を含有する、顆粒剤、細粒剤等の造粒物及び錠剤等の固形製剤に関する。
ダイズの健康効果の観点から、食品や飲料にダイズタンパク質やダイズペプチドを含有させる試みがなされている。なかでも、手軽に摂取できることから、サプリメントとして摂取可能な錠剤形態での供給が着目されている。これに対して、野菜粉末とダイズペプチドを含有する錠剤が開示されている(特許文献1参照)。
特開2003−52317号公報
錠剤の製造は、通常、主剤に対して、賦形剤、結合剤、滑沢剤等の添加剤を混合することにより得られた混合物を、そのまま、或いは造粒後に、成型加工することにより行われるが、配合する添加剤によっては、キャッピングやスティッキングが生じる場合や、また、キャッピングやスティッキングを抑制する観点から高い打錠圧がかけられず硬度を落とした錠剤を製造しなければならない場合もある。このような傾向は、錠剤を連続打錠して製造する場合や直打によって製造する場合には、より大きく現れやすい。
また、一般的に、造粒物を製造する場合には、主剤と添加剤を混合して造粒してから粉砕操作を行うが、粉砕時に微紛が発生することが多く、得られた造粒物の物理的強度が弱いことがある。かかる傾向は、配合する添加剤によって変動しやすいものである。
このようなことから、添加剤の配合性が影響を及ぼす固形製剤内における結合力を調整することが重要となるが、添加剤の配合性を検討するには多大なる労力を要することや、また、添加剤によっては、主剤の配合量にも制限が生じること等の課題がある。
本発明の課題は、良好な結合力を持つことにより、摩損度が小さく、さらに、十分な硬度を有しながらも適度な崩壊性を有する、固形製剤を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決する為に検討を重ねた結果、ダイズタンパク質のサーモリシン加水分解物を固形製剤に含有させることにより、添加剤の配合性に影響されやすい直打製造においても、キャッピングやスティッキングを生じずに良好な生産性で、かつ十分な硬度を有しながらも適度な崩壊性を有する錠剤が得られることを見出した。また、造粒物を製造する場合においても、ダイズタンパク質のサーモリシン加水分解物を造粒物に含有させることにより、製造時の微粉の発生を低減し、かつ、摩損度の小さい粒が得られることが判明し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、
〔1〕 ダイズタンパク質のサーモリシン加水分解物を含有してなる、固形製剤
〔2〕 ダイズタンパク質のサーモリシン加水分解物の含有量が0.1〜97重量%である、前記〔1〕記載の製剤
〔3〕 固形製剤が造粒物である、前記〔1〕又は〔2〕記載の製剤
〔4〕 固形製剤が錠剤である、前記〔1〕又は〔2〕記載の製剤
〔5〕 固形製剤が食品である、前記〔1〕〜〔4〕いずれか記載の製剤、及び
〔6〕 食品が保健機能食品である、前記〔5〕記載の製剤
に関する。
〔1〕 ダイズタンパク質のサーモリシン加水分解物を含有してなる、固形製剤
〔2〕 ダイズタンパク質のサーモリシン加水分解物の含有量が0.1〜97重量%である、前記〔1〕記載の製剤
〔3〕 固形製剤が造粒物である、前記〔1〕又は〔2〕記載の製剤
〔4〕 固形製剤が錠剤である、前記〔1〕又は〔2〕記載の製剤
〔5〕 固形製剤が食品である、前記〔1〕〜〔4〕いずれか記載の製剤、及び
〔6〕 食品が保健機能食品である、前記〔5〕記載の製剤
に関する。
本発明の固形製剤は、摩損度が小さく、かつ、十分な硬度を有しながらも適度な崩壊性を有するという優れた効果を奏する。また、結合性が良好であることから、ダイズタンパク質のサーモリシン加水分解物の含有量を増加させることが可能となり、食品(保健機能食品を含む)として、ダイズ由来成分を高含量で含有する固形製剤が提供されるという優れた効果も奏する。
本発明の固形製剤は、ダイズタンパク質のサーモリシン加水分解物(以下、サーモリシン加水分解物という)を含有することに大きな特徴を有する。
サーモリシン加水分解物は、ダイズタンパク質をサーモリシンにより加水分解することにより得られるものであるが、適度な吸湿性を有し、嵩が高く、圧縮性に優れることから、固形製剤に含有させることで結合性が良好となることが推定される。そのため、造粒物を製造する場合には、微粉の発生を低減して、摩損度の小さい粒を、錠剤を製造する場合には、キャッピングやスティッキングを生じずに良好な生産性で、かつ十分な硬度を有しながらも適度な崩壊性を有する錠剤を、製造することができる。
また、サーモリシン加水分解物は、一般食品として長い食経験のある植物性であるダイズタンパクを起源とするものであり、コラーゲンやヒアルロン酸の産生を促進する機能を有することや、該機能を有するペプチドとしてLeu-Glu-His-Alaで表されるペプチド(以下、LEHAという)等が含有されていることが既に知られている(WO 2007/049400号公報参照)。サーモリシン加水分解物が良好な結合性を有することから、添加剤の配合性に影響されずに固形製剤中の含有量を増加させることが可能となり、その結果、サーモリシン加水分解物を高含量で含有する固形製剤を、食品(保健機能食品を含む)、具体的には前記機能を有する食品等として提供することが可能になると考えられる。
本発明の固形製剤としては、サーモリシン加水分解物を含有していれば特に限定はないが、その形態としては、サーモリシン加水分解物と製剤原料を混合して造粒することにより得られる造粒物(態様1)と、サーモリシン加水分解物と製剤原料を混合して打錠することにより得られる錠剤(態様2)が挙げられる。態様1の造粒物としては、その粒径は、特に限定されないが、個々の粒径が25〜1700μmの範囲内であることが好ましく、75〜1400μmの範囲内であることがより好ましい。なお、態様1の造粒物のうち、粒径が355〜1400μmの造粒物が80%以上であるものを顆粒剤といい、粒径が75〜500μmの造粒物が80%以上であるもの細粒剤という。態様2の錠剤としては、本発明の効果がより顕著になることから、直打製造により得られる錠剤が好ましく、摂取の簡便性の観点から、噛み砕き(チュアブル)錠も好適例として挙げられる。なお、サーモリシン加水分解物を含有する造粒物を、さらに打錠して得られる錠剤、即ち、態様1と態様2を組み合わせた固形製剤(態様3)もまた、本発明に含まれる。
また、これらの固形製剤、即ち、態様1、態様2、ならびに態様1と態様2を組み合わせた態様3の固形製剤は、食品(保健機能食品を含む)としても提供され得る(以下、態様1の食品、態様2の食品、態様3の食品ともいう)。なかでも、摂取の利便性等から態様2若しくは態様1と態様2を組み合わせた態様3の食品が好適である。なお、ここで、食品とは主に食用として提供されるものをいい、保健機能食品とは、厚生労働省の定める保健機能食品を意味し、栄養機能食品及び特定保健用食品を含む。
以下に、サーモリシン加水分解物の調製方法、即ち、ダイズタンパク質をサーモリシンにより加水分解する方法を説明する。
ダイズタンパク質は、ダイズ植物に由来するタンパク質であれば特に限定されないが、ダイズ植物の種子に由来するタンパク質であることが好ましい。
従って、本発明においては、ダイズ植物そのものやダイズ植物の種子そのもの、あるいは該植物や該種子の破砕物又は粉砕物等を、ダイズタンパク質として用いてもよいが、好ましくはダイズ植物中の全成分からタンパク質成分を分離、精製したもの、より好ましくはダイズ植物の種子中の全成分からタンパク質成分を分離、精製したものが用いられる。このように分離、精製して得られたダイズタンパク質は、ダイズ植物又はダイズ植物の種子中に含まれる実質的に全種類のタンパク質を含むものでもよく、また、一部の種類のタンパク質を含むものであってもよい。
ダイズタンパク質としては、市販品も好適に用いられ得、例えば、日清コスモフーズ(株)、ADMファーイースト(株)、昭和産業(株)、不二製油(株)、(株)光洋商会等の製造業者又は供給業者から容易に入手可能である。
なお、本明細書において、ダイズ植物の種子とは、ダイズ種子と通常呼ばれる構造物全体を指すのみならず、例えば、脱皮ダイズ種子、脱脂ダイズ種子(粉末)、ダイズ種子全体より得られる雪花菜(オカラ)等でもあり得る。
サーモリシン(EC3.4.24.27)は、Bacillus thermoproteolyticusという耐熱性菌によって生産される耐熱性のプロテアーゼである。サーモリシンは一般に、大きな側鎖をもった疎水性のアミノ酸残基(例えば、イソロイシン、ロイシン、バリン、フェニルアラニン、メチオニン、アラニン等)のアミノ基側のペプチド結合を切断することが知られている。
サーモリシンは、市販品も好適に用いられ得、大和化成(株)等の製造業者から容易に入手可能である。また、本発明においては、サーモリシンと同等のペプチド切断特性(切断配列特異性等)を有するプロテアーゼとして当該分野で公知のプロテアーゼを、サーモリシンとして用いることができる。
なお、本発明では、ダイズタンパク質を加水分解する際に、本発明の効果を損なわない範囲で、サーモリシン以外の他のプロテアーゼを使用してもよい。他のプロテアーゼとしては、特に限定されず、例えば、パパイン、ブロメライン、トリプシン、キモトリプシン、パンクレアチン、スブリチン等が挙げられる。これらは、1種類又は2種以上を組み合わせてサーモリシンと併用してもよい。
ダイズタンパク質をサーモリシンで加水分解する場合に用いられる反応条件は、特に制限されず、技術常識に従って当業者により適宜選択され得る。例えば、市販のサーモリシンを使用する場合には、その使用説明書に従って使用することができる。具体的な例としては、水等の溶媒に、ダイズタンパク質濃度が、好ましくは0.1〜30%(w/v)、より好ましくは1〜10%(w/v)程度となるようにダイズタンパク質又はダイズタンパク質を含む原料を懸濁し、この懸濁液に、好ましくは0.001〜3%(w/v)、より好ましくは0.01〜0.125%(w/v)程度となるようにサーモリシンを加えて加水分解反応を行う態様が挙げられる。反応温度としては、30〜80℃が好ましく、40〜70℃がより好ましく、50〜60℃がさらに好ましい。また、反応時間としては、2〜30時間が好ましく、3〜24時間がより好ましく、10〜20時間がさらに好ましく、12〜18時間がさらに好ましい。反応液のpHとしては、サーモリシンの至適pHであるpH7.0〜8.5付近であることが好ましい。
反応の停止手段についても、特に制限はなく、公知の手段を用いることができる。かかる手段としては、例えば、加熱処理等が挙げられる。具体的には、上記反応物を80〜100℃程度の温度で好ましくは3〜20分間、より好ましくは5〜15分間加熱処理すればよく、85℃で15分間の加熱処理や100℃で5分間の加熱処理により、反応物中に含まれるサーモリシンを失活させることができる。
上記のような加水分解反応により得られるサーモリシン加水分解物は、必要に応じて、当業者に公知の任意の方法によりさらに処理され得る。例えば、ろ過等の処理により、該加水分解物中の大きな固体粒子を取り除くことが好ましい。ろ過条件等は、特に制限されず、技術常識に従って当業者により適宜選択され得る。例えば、ろ紙が目詰まりを起こしやすい場合等には、ろ過助剤等も好適に用いられ得る。
また、前記加水分解物を減圧濃縮し、次いで凍結乾燥することにより、粉末化することもできる。減圧濃縮及び凍結乾燥の際に使用される条件や機器類は、特に制限されず、技術常識に従って当業者により適宜選択され得る。このようにして粉末化された加水分解物は、そのまま又は水等の溶媒に溶かして、用いることができる。
サーモリシン加水分解物は、ダイズタンパク質をサーモリシンで加水分解することにより生じた多種多様なペプチドを実質的に全て含んだ状態であってもよいし、又は、そのような多種多様なペプチドを、公知の方法で、さらに分画、精製して得られる一部分であってもよい。しかし簡便には、ダイズタンパク質をサーモリシンで加水分解して得られる、多種多様なペプチドを実質的に全て含んだ状態でそのまま用いる。
本発明におけるサーモリシン加水分解物の平均分子量は、好ましくは300〜10000である。該平均分子量は、造粒時あるいは打錠時に吸湿を起こしにくいという観点から、より好ましくは400〜5000であり、さらに好ましくは500〜3500であり、さらにより好ましくは550〜3200である。サーモリシン加水分解物の平均分子量は、当業者に公知の任意の方法により測定され得、例えば、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)法により測定され得る。本明細書において、GPC法により測定される平均分子量は「ピーク平均分子量」を意味し、「ピーク平均分子量」とは、クロマトグラムのピークトップ(最も強い強度のピーク)の溶出時間に対応する分子量を意味する。
また、サーモリシン加水分解物における遊離アミノ酸の総含有量は、好ましくは0.01〜0.5重量%、より好ましくは0.01〜0.3重量%、さらに好ましくは0.01〜0.2重量%である。サーモリシン加水分解物における遊離アミノ酸の総含有量は、当業者に公知の任意の方法により測定され得、例えば、アミノ酸自動分析法により容易に測定され得る。
なお、本発明では、サーモリシン加水分解物として、市販品である「コラプラスTMN」(ピーク平均分子量:711、遊離アミノ酸の総含有量:0.14重量%、ロート製薬社製)を用いることができる。
態様1の固形製剤中のサーモリシン加水分解物の含有量は、造粒特性の観点から、0.1〜50重量%が好ましく、0.1〜40重量%がより好ましく、0.1〜30重量%がさらに好ましい。また、食品(保健機能食品を含む)として供する場合には、前記含有量は、0.1〜50重量%が好ましく、10〜50重量%がより好ましく、10〜30重量%がさらに好ましい。
態様2の固形製剤中のサーモリシン加水分解物の含有量は、打錠特性の観点から、0.1〜97重量%が好ましく、0.1〜50重量%がより好ましく、0.1〜30重量%がさらに好ましい。また、食品(保健機能食品を含む)として供する場合には、前記含有量は、0.1〜97重量%が好ましく、10〜50重量%がより好ましく、10〜30重量%がさらに好ましい。
態様1及び2の固形製剤は、前記サーモリシン加水分解物を含有していれば、特に限定はなく、製剤原料として、賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤等や、本発明の効果を損なわない範囲で糖質、脂質、タンパク質、無機質、ビタミン等の栄養素や、これら栄養素を含有する野菜、果汁、乳成分、海藻類、魚介類、肉類等の食品の粉末やエキス、更に必要に応じて、粉末きょう味剤、着色剤、漢方エキス粉末、香料、増粘剤、酸味料、調味料、分散剤、安定剤、酸化防止剤、甘味料、保存料等の添加剤を含有してもよい。なお、前記タンパク質としては、特に限定はなく、ダイズタンパク質やサーモリシン加水分解物以外のダイズペプチドであってもよい。
なお、サーモリシン加水分解物は、粉体粒子同士を結合する力が高く良好な結合性を有するために、本発明の固形製剤において結合剤として機能するが、サーモリシン加水分解物以外の結合剤としては、特に限定はなく、当該分野で公知のものを使用することができ、その含有量も特に限定されない。以下に任意に配合できる結合剤を具体的に例示するが、これらの成分に限定されるものではない。
結合剤:メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースなどのセルロース誘導体、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、アクリル酸系高分子、ゼラチン、アラビアゴム、プルラン、アルファー化デンプン、カンテン、トラガント、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステルなど。
賦形剤、崩壊剤、滑沢剤としては、当該分野で公知のものを使用することができ、その含有量も特に限定されない。以下に任意に配合できる賦形剤、崩壊剤、滑沢剤を具体的に例示するが、これらの成分に限定されるものではない。
賦形剤:D−ソルビトール、マンニトール、キシリトールなどの糖アルコール、ブドウ糖、白糖、乳糖、果糖などの糖類、結晶セルロース、カルメロースナトリウム、クロスカルメロースナトリウム、リン酸水素カルシウム、コムギデンプン、コメデンプン、トウモロコシデンプン、バレイショデンプン、デキストリン、β−シクロデキストリン、軽質無水ケイ酸、酸化チタン、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、タルク、カオリンなど。
崩壊剤:低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロースカルシウム、クロスカルメロースナトリウム、ヒドロキシプロピルスターチ、部分アルファー化デンプンなど。
滑沢剤:ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸ポリオキシル、セタノール、タルク、硬化油、ショ糖脂肪酸エステル、ジメチルポリシロキサン、ミツロウ、サラシミツロウなど。
本発明の固形製剤を製造する方法としては、ダイズタンパク質のサーモリシン加水分解物を製剤原料と混合して固形製剤を製造する工程を含むものであれば特に限定はなく、公知の方法を使用することができる。
態様1の製造方法としては、例えば、サーモリシン加水分解物と製剤原料を含む製剤組成物を練合し、スクリーンを通過させることで成型する押出造粒物を、粉砕し、整粒する方法、前記製剤組成物に練合水を加えバーチカルグラニュレーターによって成型する攪拌造粒の後に、コーミルを用いて粉砕・篩過する方法、及び前記製剤組成物をローラーコンパクターで圧縮した後、ロールグラニュレーターで粉砕し篩過する方法、撹拌造粒の後に、流動層乾燥する方法が例示される。
態様2の製造方法としては、例えば、直打により製造する場合には、サーモリシン加水分解物と製剤原料を含む製剤組成物を混合した後、直接、打錠機に投入して打錠すればよい。
態様3の製造方法としては、例えば、態様1の製造方法により得られた造粒物を打錠機に投入して打錠すればよい。
態様1の固形製剤を食品として提供する場合、即ち、態様1の食品の具体例としては、インスタントスープ、粉末茶、粉末清涼飲料、粉乳、粉末酒、粉末コーヒー、粉末青汁、粉末野菜飲料、粉末ミルクセーキ、粉末しるこ、粉末調味料、だしの素、粉末ゴマ、粉末納豆、ふりかけ、粉末オリゴ糖、粉末砂糖、きなこ、味付け鰹節、サケフレーク、味付け乾燥タラコ、乾燥メンタイコ、乾燥若菜、乾燥赤しそ、乾燥青しそ、粉わさび、粉末野菜、粉末フルーツ、粉末調味料が挙げられる。
態様1の食品は、そのままで、あるいは水、牛乳、果汁、お湯、スポーツドリンク、コーヒー、紅茶、各種ジュース、味噌汁、アルコール等の溶媒に溶解又は分散して摂取されてもよい。
態様2の固形製剤を食品として提供する場合、即ち、態様2の食品の具体例としては、錠菓、タブレット等が挙げられる。なお、態様3の食品は、態様1の食品を打錠することにより得られるため、態様2の食品と同様の具体例が例示される。
態様2及び態様3の食品は、そのままで、あるいは水、牛乳、果汁、お湯、スポーツドリンク、コーヒー、紅茶、各種ジュース、味噌汁、アルコール等の溶媒に溶解又は分散して摂取されてもよい。
以下、本発明を実施例、比較例及び参考例に基づいて説明するが、本発明はこれらの実施例等によりなんら限定されるものではない。
〔ダイズペプチドの分子量〕
ダイズペプチドを25mM Tris-HCl緩衝液(150mM NaCl含有、pH7.5)に溶解し、1mg/mLの被験溶液を調製する。HPLCカラム Superdex peptide HR(10mm I.D.×30cm,Amersham Biosciences社製)を同じ緩衝液で平衡化し、このカラムに被験溶液を100μL注入する。カラムの流速は0.5mL/分、カラム温度は室温、ペプチドの検出は214nmで行い、溶出時間から分子量分布及びピーク平均分子量を推定する。なお、分子量既知のペプチド標品として、Cytochrome C(シグマ社製、分子量12327)、Aprotinin(シグマ社製、分子量6518)、Hexaglycine(シグマ社製、分子量360)、Triglycine(シグマ社製、分子量189)、及びGlycine(シグマ社製、分子量75)を用いた。
ダイズペプチドを25mM Tris-HCl緩衝液(150mM NaCl含有、pH7.5)に溶解し、1mg/mLの被験溶液を調製する。HPLCカラム Superdex peptide HR(10mm I.D.×30cm,Amersham Biosciences社製)を同じ緩衝液で平衡化し、このカラムに被験溶液を100μL注入する。カラムの流速は0.5mL/分、カラム温度は室温、ペプチドの検出は214nmで行い、溶出時間から分子量分布及びピーク平均分子量を推定する。なお、分子量既知のペプチド標品として、Cytochrome C(シグマ社製、分子量12327)、Aprotinin(シグマ社製、分子量6518)、Hexaglycine(シグマ社製、分子量360)、Triglycine(シグマ社製、分子量189)、及びGlycine(シグマ社製、分子量75)を用いた。
実施例1-1
コラプラスTMN(ピーク平均分子量:711、遊離アミノ酸の総含有量:0.14重量%、ロート製薬社製) 50g、D−マンニトール 450g、ヒドロキシプロピルセルロース 150g、クロスカルメロースNa 50g、及びショ糖脂肪酸エステル 20gを混合後、40%エタノ−ル水溶液 50mLを用いて練合し、バスケット式押出造粒機(菊水製作所製、RG8-2U、スクリーン径:0.9mm)を用いて造粒した。得られた造粒物を流動層乾燥機(パウレック社製、MP-01)で乾燥させて、振動篩(12号)により分級後、該篩を通過しなかった造粒物をコーミル(パウレック−クアドロ社製、197S、スクリーン径:1400μm)を用いて粉砕し、前記篩を通過した造粒物と合わせた(収量:628g)。これを振動篩(42号と12号)を用いてさらに分級し、顆粒剤に相当する部分(粒径:355〜1400μm)として、実施例1-1の顆粒剤A 485gを得た。なお、42号篩を通過した微粉は141gであった。
コラプラスTMN(ピーク平均分子量:711、遊離アミノ酸の総含有量:0.14重量%、ロート製薬社製) 50g、D−マンニトール 450g、ヒドロキシプロピルセルロース 150g、クロスカルメロースNa 50g、及びショ糖脂肪酸エステル 20gを混合後、40%エタノ−ル水溶液 50mLを用いて練合し、バスケット式押出造粒機(菊水製作所製、RG8-2U、スクリーン径:0.9mm)を用いて造粒した。得られた造粒物を流動層乾燥機(パウレック社製、MP-01)で乾燥させて、振動篩(12号)により分級後、該篩を通過しなかった造粒物をコーミル(パウレック−クアドロ社製、197S、スクリーン径:1400μm)を用いて粉砕し、前記篩を通過した造粒物と合わせた(収量:628g)。これを振動篩(42号と12号)を用いてさらに分級し、顆粒剤に相当する部分(粒径:355〜1400μm)として、実施例1-1の顆粒剤A 485gを得た。なお、42号篩を通過した微粉は141gであった。
比較例1-1
実施例1-1において、コラプラスTMN 50gを用いる代わりに、ダイズタンパク質の三種のプロテアーゼ(メタロプロテアーゼ、セリンプロテアーゼ、カルボキシルプロテアーゼ)分解物である市販ダイズペプチド(ピーク平均分子量:543、遊離アミノ酸の総含有量3.0重量%、株式会社ピィアイシィ・バイオ製) 50gを用いる以外は、実施例1-1と同様にして、比較例1-1の顆粒剤B 441gを得た。なお、コーミルを用いて粉砕した後の造粒物は612gであり、42号篩を通過した微粉は171gであった。
実施例1-1において、コラプラスTMN 50gを用いる代わりに、ダイズタンパク質の三種のプロテアーゼ(メタロプロテアーゼ、セリンプロテアーゼ、カルボキシルプロテアーゼ)分解物である市販ダイズペプチド(ピーク平均分子量:543、遊離アミノ酸の総含有量3.0重量%、株式会社ピィアイシィ・バイオ製) 50gを用いる以外は、実施例1-1と同様にして、比較例1-1の顆粒剤B 441gを得た。なお、コーミルを用いて粉砕した後の造粒物は612gであり、42号篩を通過した微粉は171gであった。
実施例1-2
実施例1-1において、コラプラスTMN 50g、及びD−マンニトール 450gを用いる代わりに、コラプラスTMN 30g、及びD−マンニトール 470gを用いる以外は、実施例1-1と同様にして、実施例1-2の顆粒剤C 468gを得た。なお、コーミルを用いて粉砕した後の造粒物は625gであり、42号篩を通過した微粉は152gであった。
実施例1-1において、コラプラスTMN 50g、及びD−マンニトール 450gを用いる代わりに、コラプラスTMN 30g、及びD−マンニトール 470gを用いる以外は、実施例1-1と同様にして、実施例1-2の顆粒剤C 468gを得た。なお、コーミルを用いて粉砕した後の造粒物は625gであり、42号篩を通過した微粉は152gであった。
比較例1-2
実施例1-2において、コラプラスTMN 30g、及びD−マンニトール 470gを用いる代わりに、比較例1-1と同じ市販ダイズペプチド 30g、及びD−マンニトール 470gを用いる以外は、実施例1-2と同様にして、比較例1-2の顆粒剤D 448gを得た。なお、コーミルを用いて粉砕した後の造粒物は623gであり、42号篩を通過した微粉は168gであった。
実施例1-2において、コラプラスTMN 30g、及びD−マンニトール 470gを用いる代わりに、比較例1-1と同じ市販ダイズペプチド 30g、及びD−マンニトール 470gを用いる以外は、実施例1-2と同様にして、比較例1-2の顆粒剤D 448gを得た。なお、コーミルを用いて粉砕した後の造粒物は623gであり、42号篩を通過した微粉は168gであった。
参考例1-1
実施例1-1において、コラプラスTMN 50g、及びD−マンニトール 450gを用いる代わりに、D−マンニトール 500gを用いる以外は、実施例1-1と同様にして、参考例1-1の顆粒剤E 451gを得た。なお、コーミルを用いて粉砕した後の造粒物は620gであり、42号篩を通過した微粉は166gであった。
実施例1-1において、コラプラスTMN 50g、及びD−マンニトール 450gを用いる代わりに、D−マンニトール 500gを用いる以外は、実施例1-1と同様にして、参考例1-1の顆粒剤E 451gを得た。なお、コーミルを用いて粉砕した後の造粒物は620gであり、42号篩を通過した微粉は166gであった。
実施例2-1
攪拌造粒機(パウレック社製、FM-VG-10型バーチカルグラニュレーター)の容器内に、コラプラスTMN 100g、D−マンニトール 300g、乳糖 350g、低置換ヒドロキシプロピルセルロース(L-HPC) 140g、及びヒドロキシメチルセルロース 50gを投入して3分間混合後、30%エタノ−ル水溶液を適量用いて造粒した(ブレード回転数:300r/min、チョッパー回転数:2500r/min、攪拌時間:3min)。得られた造粒物を流動層乾燥機(パウレック社製、MP-01)で乾燥させて、振動篩30号により分級後、500μmを超える粒径を有する造粒物を、コーミル(パウレック−クアドロ社製、197S、スクリーン径:613μm)を用いて粉砕し、500μm以下の粒径を有する造粒物と合わせた(収量:908g)。これを振動篩200号と30号を用いてさらに分級し、細粒剤に相当する部分(粒径:75〜500μm)として、実施例2-1の細粒剤A 671gを得た。なお、75μm未満の粒径を有する微粉は234gであった。
攪拌造粒機(パウレック社製、FM-VG-10型バーチカルグラニュレーター)の容器内に、コラプラスTMN 100g、D−マンニトール 300g、乳糖 350g、低置換ヒドロキシプロピルセルロース(L-HPC) 140g、及びヒドロキシメチルセルロース 50gを投入して3分間混合後、30%エタノ−ル水溶液を適量用いて造粒した(ブレード回転数:300r/min、チョッパー回転数:2500r/min、攪拌時間:3min)。得られた造粒物を流動層乾燥機(パウレック社製、MP-01)で乾燥させて、振動篩30号により分級後、500μmを超える粒径を有する造粒物を、コーミル(パウレック−クアドロ社製、197S、スクリーン径:613μm)を用いて粉砕し、500μm以下の粒径を有する造粒物と合わせた(収量:908g)。これを振動篩200号と30号を用いてさらに分級し、細粒剤に相当する部分(粒径:75〜500μm)として、実施例2-1の細粒剤A 671gを得た。なお、75μm未満の粒径を有する微粉は234gであった。
比較例2-1
実施例2-1において、コラプラスTMN 100gを用いる代わりに、比較例1−1で用いた市販ダイズペプチド 100gを用いる以外は、実施例2-1と同様にして、比較例2-1の細粒剤B 602gを得た。なお、コーミルを用いて粉砕した後の造粒物は912gであり、75μm未満の粒径を有する微粉は302gであった。
実施例2-1において、コラプラスTMN 100gを用いる代わりに、比較例1−1で用いた市販ダイズペプチド 100gを用いる以外は、実施例2-1と同様にして、比較例2-1の細粒剤B 602gを得た。なお、コーミルを用いて粉砕した後の造粒物は912gであり、75μm未満の粒径を有する微粉は302gであった。
実施例2-2
実施例2-1において、コラプラスTMN 100g、及びD−マンニトール 300gを用いる代わりに、コラプラスTMN 50g、及びD−マンニトール 350gを用いる以外は、実施例2-1と同様にして、実施例2-2の細粒剤C 645gを得た。なお、コーミルを用いて粉砕した後の造粒物は908gであり、75μm未満の粒径を有する微粉は245gであった。
実施例2-1において、コラプラスTMN 100g、及びD−マンニトール 300gを用いる代わりに、コラプラスTMN 50g、及びD−マンニトール 350gを用いる以外は、実施例2-1と同様にして、実施例2-2の細粒剤C 645gを得た。なお、コーミルを用いて粉砕した後の造粒物は908gであり、75μm未満の粒径を有する微粉は245gであった。
比較例2-2
実施例2-2において、コラプラスTMN 50g、及びD−マンニトール 350gを用いる代わりに、比較例2-1の市販ダイズペプチド 50g、及びD−マンニトール 350gを用いる以外は、実施例2-2と同様にして、比較例2-2の細粒剤D 618gを得た。なお、コーミルを用いて粉砕した後の造粒物は911gであり、75μm未満の粒径を有する微粉は282gであった。
実施例2-2において、コラプラスTMN 50g、及びD−マンニトール 350gを用いる代わりに、比較例2-1の市販ダイズペプチド 50g、及びD−マンニトール 350gを用いる以外は、実施例2-2と同様にして、比較例2-2の細粒剤D 618gを得た。なお、コーミルを用いて粉砕した後の造粒物は911gであり、75μm未満の粒径を有する微粉は282gであった。
参考例2-1
実施例2において、コラプラスTMN 100g、及びD−マンニトール 300gを用いる代わりに、D−マンニトール 400gを用いる以外は、実施例2-1と同様にして、参考例2-1の細粒剤E 624gを得た。なお、コーミルを用いて粉砕した後の造粒物は903gであり、75μm未満の粒径を有する微粉は277gであった。
実施例2において、コラプラスTMN 100g、及びD−マンニトール 300gを用いる代わりに、D−マンニトール 400gを用いる以外は、実施例2-1と同様にして、参考例2-1の細粒剤E 624gを得た。なお、コーミルを用いて粉砕した後の造粒物は903gであり、75μm未満の粒径を有する微粉は277gであった。
実施例1-1〜2、比較例1-1〜2及び参考例1-1の顆粒剤、ならびに実施例2-1〜2、比較例2-1〜2及び参考例2-1の細粒剤について、以下の試験例1〜2を行って性状を評価した。
試験例1〔造粒物の製造における微粉発生率〕
各顆粒剤、及び各細粒剤を製造した際の、各操作後の収率を比較した。顆粒剤の結果を表1に、細粒剤の結果を表2に示す。なお、表1及び2における粉砕後の収率、整粒後の収率、及び微粉の発生率とは以下に示す式(I)〜(III)により算出することができる。
粉砕後の収率(%)=粉砕後の収量(g)÷原料の総量(g)×100 (I)
整粒後の収率(%)=顆粒剤又は細粒剤の収量(g)÷粉砕後の収量(g)×100 (II)
微粉の発生率(%)=微粉の収量(g)÷粉砕後の収量(g)×100 (III)
各顆粒剤、及び各細粒剤を製造した際の、各操作後の収率を比較した。顆粒剤の結果を表1に、細粒剤の結果を表2に示す。なお、表1及び2における粉砕後の収率、整粒後の収率、及び微粉の発生率とは以下に示す式(I)〜(III)により算出することができる。
粉砕後の収率(%)=粉砕後の収量(g)÷原料の総量(g)×100 (I)
整粒後の収率(%)=顆粒剤又は細粒剤の収量(g)÷粉砕後の収量(g)×100 (II)
微粉の発生率(%)=微粉の収量(g)÷粉砕後の収量(g)×100 (III)
試験例2〔造粒物の摩損度〕
各顆粒剤、及び各細粒剤約1.5gを20mL用蓋付き遠沈管に入れ、振動機(TAITEC社製、Recipro shaker SR-2w)で10分間、255回/分で振動させた。摩損度は、振動後の微粉の現われ方にて評価した。具体的には、振動後の遠沈管の壁面の状態を目視で観察し、以下の評価基準に従って評価した。顆粒剤の結果を表1に、細粒剤の結果を表2に示す。
各顆粒剤、及び各細粒剤約1.5gを20mL用蓋付き遠沈管に入れ、振動機(TAITEC社製、Recipro shaker SR-2w)で10分間、255回/分で振動させた。摩損度は、振動後の微粉の現われ方にて評価した。具体的には、振動後の遠沈管の壁面の状態を目視で観察し、以下の評価基準に従って評価した。顆粒剤の結果を表1に、細粒剤の結果を表2に示す。
〔摩損度の評価基準〕
4:遠沈管に粉が付着し、タッピングにより落下する
3:遠沈管がくもり、タッピングにより変化しない
2:遠沈管がうっすらとくもる
1:遠沈管の汚れなし
4:遠沈管に粉が付着し、タッピングにより落下する
3:遠沈管がくもり、タッピングにより変化しない
2:遠沈管がうっすらとくもる
1:遠沈管の汚れなし
表1及び表2より、ダイズタンパク質のサーモリシン加水分解物であるコラプラスの添加により、顆粒剤及び細粒剤のいずれの製造においても、整粒時の微紛の発生も少なく、整粒時のロスが軽減できることがわかった。また、得られた顆粒剤及び細粒剤はいずれも、摩損度が小さく、硬度も確保できていることが分かる。
実施例3−1
QR混合機(ダルトン社製、20DM-QR)で、コラプラスTMN(ピーク平均分子量:711、遊離アミノ酸の総含有量:0.14重量%、ロート製薬社製) 50g、コーンスターチ 250g、乳糖(ダイラクトース) 150g、及びショ糖脂肪酸エステル 15gを混合した後、打錠機(菊水製作所製、コレクト19K)に供して直接打錠して(平均打錠圧:1t/cm2、回転数:20r/min)、実施例3の錠剤を得た。なお、成型される錠剤は、φ8.5mmの丸型で、質量は250mgとなるように設定した。
QR混合機(ダルトン社製、20DM-QR)で、コラプラスTMN(ピーク平均分子量:711、遊離アミノ酸の総含有量:0.14重量%、ロート製薬社製) 50g、コーンスターチ 250g、乳糖(ダイラクトース) 150g、及びショ糖脂肪酸エステル 15gを混合した後、打錠機(菊水製作所製、コレクト19K)に供して直接打錠して(平均打錠圧:1t/cm2、回転数:20r/min)、実施例3の錠剤を得た。なお、成型される錠剤は、φ8.5mmの丸型で、質量は250mgとなるように設定した。
実施例3−2
実施例3−1において、コラプラスTMN 50g、コーンスターチ 250g、及び乳糖(ダイラクトース) 150gを用いる代わりに、コラプラスTMN 200g、コーンスターチ 150g、及び乳糖(ダイラクトース) 100gを用いる以外は、実施例3−1と同様にして、実施例3−2の錠剤を得た。なお、成型される錠剤は、φ8.5mmの丸型で、質量は200mgとなるように設定した。
実施例3−1において、コラプラスTMN 50g、コーンスターチ 250g、及び乳糖(ダイラクトース) 150gを用いる代わりに、コラプラスTMN 200g、コーンスターチ 150g、及び乳糖(ダイラクトース) 100gを用いる以外は、実施例3−1と同様にして、実施例3−2の錠剤を得た。なお、成型される錠剤は、φ8.5mmの丸型で、質量は200mgとなるように設定した。
実施例3−3
実施例3−1において、コラプラスTMN 50g、コーンスターチ 250g、乳糖(ダイラクトース) 150g、及びショ糖脂肪酸エステル 15gを用いる代わりに、コラプラスTMN 400g、及びショ糖脂肪酸エステル 15gを用いる以外は、実施例3−1と同様にして、実施例3−3の錠剤を得た。なお、成型される錠剤は、φ8.5mmの丸型で、質量は160mgとなるように設定した。
実施例3−1において、コラプラスTMN 50g、コーンスターチ 250g、乳糖(ダイラクトース) 150g、及びショ糖脂肪酸エステル 15gを用いる代わりに、コラプラスTMN 400g、及びショ糖脂肪酸エステル 15gを用いる以外は、実施例3−1と同様にして、実施例3−3の錠剤を得た。なお、成型される錠剤は、φ8.5mmの丸型で、質量は160mgとなるように設定した。
比較例3−1
実施例3−1において、コラプラスTMN 50gを用いる代わりに、ダイズタンパク質の三種のプロテアーゼ(メタロプロテアーゼ、セリンプロテアーゼ、カルボキシルプロテアーゼ)分解物である市販ダイズペプチド(ピーク平均分子量:543、遊離アミノ酸の総含有量3.0重量%、株式会社ピィアイシィ・バイオ製) 50gを用いる以外は、実施例3−1と同様にして、比較例3−1の錠剤を得た。なお、成型される錠剤は、φ8.5mmの丸型で、質量は250mgとなるように設定した。
実施例3−1において、コラプラスTMN 50gを用いる代わりに、ダイズタンパク質の三種のプロテアーゼ(メタロプロテアーゼ、セリンプロテアーゼ、カルボキシルプロテアーゼ)分解物である市販ダイズペプチド(ピーク平均分子量:543、遊離アミノ酸の総含有量3.0重量%、株式会社ピィアイシィ・バイオ製) 50gを用いる以外は、実施例3−1と同様にして、比較例3−1の錠剤を得た。なお、成型される錠剤は、φ8.5mmの丸型で、質量は250mgとなるように設定した。
比較例3−2
実施例3−2において、コラプラスTMN 400gを用いる代わりに、比較例3−1で用いた市販ダイズペプチド 400gを用いる以外は、実施例3−2と同様にして、比較例3−2の錠剤を得た。なお、成型される錠剤は、φ8.5mmの丸型で、質量は160mgとなるように設定した。
実施例3−2において、コラプラスTMN 400gを用いる代わりに、比較例3−1で用いた市販ダイズペプチド 400gを用いる以外は、実施例3−2と同様にして、比較例3−2の錠剤を得た。なお、成型される錠剤は、φ8.5mmの丸型で、質量は160mgとなるように設定した。
参考例3−1
実施例3−1において、コラプラスTMN 50gを用いなかった以外は、実施例3−1と同様にして、参考例3−1の錠剤を得た。なお、成型される錠剤は、φ8.5mmの丸型で、質量は250mgとなるように設定した。
実施例3−1において、コラプラスTMN 50gを用いなかった以外は、実施例3−1と同様にして、参考例3−1の錠剤を得た。なお、成型される錠剤は、φ8.5mmの丸型で、質量は250mgとなるように設定した。
実施例3−1〜3、比較例3−1〜2及び参考例3−1の錠剤について、以下の試験例3〜6を行って性状を評価した。
試験例3〔成型性〕
各錠剤の成型性を、以下の評価基準に従って評価した。結果を表3に示す。
各錠剤の成型性を、以下の評価基準に従って評価した。結果を表3に示す。
〔成型性の評価基準〕
4:連続打錠が困難で、キャッピング傾向あり
3:連続打錠が困難
2:連続打錠が可能
1:良好
4:連続打錠が困難で、キャッピング傾向あり
3:連続打錠が困難
2:連続打錠が可能
1:良好
試験例4〔硬度〕
各錠剤について、錠剤破壊強度測定器(TH-203、富山産業社製)を用いて、硬度を測定した。結果を表3に示す。
各錠剤について、錠剤破壊強度測定器(TH-203、富山産業社製)を用いて、硬度を測定した。結果を表3に示す。
試験例5〔崩壊時間〕
各錠剤について、日本薬局方第15改正「一般試験法:6.09崩壊試験法」に従って、崩壊時間を測定した。結果を表3に示す。
各錠剤について、日本薬局方第15改正「一般試験法:6.09崩壊試験法」に従って、崩壊時間を測定した。結果を表3に示す。
試験例6〔摩損度〕
各錠剤について、日本薬局方第15改正「参考情報:12.錠剤の摩損度試験法」に従って、摩損度を測定した。
即ち、約6.5g分の錠剤質量を精密に測定した後、錠剤を摩損度測定器(TFT-120、富山産業社製)のドラムに入れて25r/minで100回転させた。回転終了後、錠剤を取り出し、付着した粉末を取り除いた後、錠剤の質量を精密に測定し、質量減少率を算出した。結果を表3に示す。
各錠剤について、日本薬局方第15改正「参考情報:12.錠剤の摩損度試験法」に従って、摩損度を測定した。
即ち、約6.5g分の錠剤質量を精密に測定した後、錠剤を摩損度測定器(TFT-120、富山産業社製)のドラムに入れて25r/minで100回転させた。回転終了後、錠剤を取り出し、付着した粉末を取り除いた後、錠剤の質量を精密に測定し、質量減少率を算出した。結果を表3に示す。
表3より、ダイズタンパク質のサーモリシン加水分解物であるコラプラスの添加により、良好な硬度を有しながらも、適度な崩壊性を有し、さらに摩損度が小さい錠剤が得られることが分かった。なかでも、実施例3−3の錠剤は、コラプラスの含有量が96.4重量%と高いが、満足な成形性で、硬度に優れ、適度な崩壊性を示すことから、ダイズ由来成分を高含量で有する食品(保健機能食品を含む)としての利用が期待される。
以下の配合例1〜3に示す原材料を用い、当業者に公知の方法に従って、ダイズタンパク質のサーモリシン加水分解物として、「コラプラスTMN」(ピーク平均分子量:711、遊離アミノ酸の総含有量:0.14重量%、ロート製薬社製)を含有する固形製剤を作製することができる。なお、単位は重量%である。
配合例1:顆粒粉末飲料(造粒物)
サーモリシン加水分解物 40
果糖 20
無水クエン酸 10
ビタミンC 5
バナナ果汁パウダー 20
難消化性サイクロデキストリン 4.99
ビタミンB2 0.005
ビタミンB6 0.005
合計100%
サーモリシン加水分解物 40
果糖 20
無水クエン酸 10
ビタミンC 5
バナナ果汁パウダー 20
難消化性サイクロデキストリン 4.99
ビタミンB2 0.005
ビタミンB6 0.005
合計100%
配合例2:錠菓
サーモリシン加水分解物 25
砂糖 30
粉末果汁 1.5
クエン酸 1.5
第二ケイ酸ソーダ 2
結晶セルロース 20
粉末油脂 20
合計100%
サーモリシン加水分解物 25
砂糖 30
粉末果汁 1.5
クエン酸 1.5
第二ケイ酸ソーダ 2
結晶セルロース 20
粉末油脂 20
合計100%
配合例3:打錠食品
サーモリシン加水分解物 60
乳糖 20
結晶セルロース 10
ショ糖脂肪酸エステル 3
CoQ10 2
αリポ酸 1
カルノシン含有エキス 4
合計100%
サーモリシン加水分解物 60
乳糖 20
結晶セルロース 10
ショ糖脂肪酸エステル 3
CoQ10 2
αリポ酸 1
カルノシン含有エキス 4
合計100%
また、表4〜6に示す原料を用い、当業者に公知の方法に従って、ダイズタンパク質のサーモリシン加水分解物(コラプラスTMN)を含有する固形製剤を作製することができる。
本発明の固形製剤は、摩損度が小さく、さらに、十分な硬度を有しながらも適度な崩壊性を有することから、製剤や食品分野に好適に使用される。また、本発明の固形製剤は、健康効果の高いダイズ由来のペプチドを高含量で含有することも可能であることから、必須アミノ酸の補給用の保健機能食品としても好適に使用される。
Claims (6)
- ダイズタンパク質のサーモリシン加水分解物を含有してなる、固形製剤。
- ダイズタンパク質のサーモリシン加水分解物の含有量が0.1〜97重量%である、請求項1記載の製剤。
- 固形製剤が造粒物である、請求項1又は2記載の製剤。
- 固形製剤が錠剤である、請求項1又は2記載の製剤。
- 固形製剤が食品である、請求項1〜4いずれか記載の製剤。
- 食品が保健機能食品である、請求項5記載の製剤。
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- 2008-04-04 JP JP2008098379A patent/JP2009247270A/ja active Pending
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