JP2009141116A - 成膜装置 - Google Patents

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Kyuzo Nakamura
久三 中村
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正志 菊池
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美穂 清水
Yukinori Hashimoto
征典 橋本
Masafumi Wakai
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Abstract

【課題】成膜速度の向上および被膜ダメージの低減を図ることができる成膜装置を提供する。
【解決手段】チャンバ12内に配置され、基板11を載置する基板ホルダ16と、基板ホルダ16に対向配置され、成膜材料ガスをチャンバ12内に導入するシャワープレート31と、を備え、シャワープレート31に交流電圧を印加して、チャンバ12内に導入された成膜材料ガスをプラズマ化し、基板11に成膜処理を行う成膜装置10において、シャワープレート31における基板ホルダ16側に、複数の金属メッシュ板30が積層配置されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、成膜装置に関するものである。
従来から、太陽電池や液晶ディスプレイ(LCD)などのデバイスに用いられているアモルファスシリコン(a−Si)薄膜あるいは微結晶シリコン薄膜の形成にはプラズマCVD装置などの成膜装置が用いられている。
図6に従来から知られているプラズマCVD法を実施する成膜装置101を示す。この成膜装置101は、真空チャンバ102を有している。真空チャンバ102には、基板110が載置される基板ホルダ106が配置されている。基板ホルダ106にはヒータ112が内蔵されている。真空チャンバ102の上部には、絶縁部材103を介して電極フランジ104(上部電極として機能する真空フランジ)が取り付けられている。真空チャンバ102、絶縁部材103および電極フランジ104で、略直方体形状になるように構成され、この内部が成膜室105となる。電極フランジ104における成膜室105側にはシャワープレート107が取り付けられている。
真空チャンバ102の外側には、成膜室105内を真空状態にすることができる真空ポンプ108が設けられている。また、成膜室105内をクリーニングするためのフッ素ガス供給部122およびラジカル源123が設けられている。
電極フランジ104の外側には、成膜ガス供給部121が設けられている。成膜ガス供給部121から供給された成膜ガスは、電極フランジ104とシャワープレート107との間に形成された空間部124に供給される。また、成膜ガスは、シャワープレート107に形成された放出口111から基板ホルダ106に向かって供給される。さらに、電極フランジ104にはRF電源(高周波電源)109が接続されている。なお、電極フランジ104およびシャワープレート107は、ともに導電材で形成されている。
このように構成された成膜装置101において、成膜ガスを放出しながらRF電源109を起動し、基板ホルダ106と真空チャンバ102とを接地電位においた状態で、シャワープレート107に高周波電源を印加する。すると、放出口111から放出された成膜ガスが、シャワープレート107をカソードとし、基板ホルダ106をアノードとした容量結合方式(CCP方式)のグロー放電現象により、成膜室105内でプラズマ化する。
基板110は、基板ホルダ106に内蔵されたヒータ112により予め所定温度に加熱されており、プラズマ化した成膜ガスが基板110表面に到達すると、加熱によって成膜ガスが反応し、基板110表面に反応生成物が堆積する。例えば、成膜ガスがケイ素含有ガスと希釈ガスとを有する場合には、反応生成物として多量の水素を含有したシリコンが堆積し、基板110表面にアモルファスシリコン膜が形成される。
ところで、上述した成膜装置101のような従来の容量結合型のプラズマCVD装置においては、基板110が載置された基板ホルダ106が高周波電極のアノードを兼ねているため、容量結合方式のグロー放電現象により成膜ガスをプラズマ化するため高周波電圧を印加すると、カソードであるシャワープレート107側と同様にアノードである基板ホルダ106側にも電位が急峻に降下するシース領域が発生する。そのために、自己バイアス効果により正イオンがこのシース領域内の電界で加速されて、基板110に衝突して薄膜へダメージを与えてしまうという問題があった。この影響は特に微結晶シリコンの形成において、堆積速度を早くするために印加する高周波電圧を大きくすると、結晶化に対して悪影響を及ぼす問題点を有している。
これに対して、特許文献1には、カソードであるシャワープレートの表面と平行に表面から所定距離を隔てた位置に、金属製メッシュ電極を金属を介してシャワープレート(カソード)に接続した成膜装置が提案されている。これにより、安定した高密度のプラズマがメッシュとカソード板との間に封じ込める形で生成され、ガスを効率よく分解し、高速成膜が実現されると記載されている。
特開2005−244098号公報
しかしながら、特許文献1の成膜装置では、金属製メッシュ電極とシャワープレートとの間に生ずるプラズマ密度が充分ではないため、依然として薄膜へダメージを与えてしまうことがあり、更なる改善が望まれている。
そこで、本発明は、上述の事情に鑑みてなされたものであり、成膜速度の向上および被膜ダメージの低減を図ることができる成膜装置を提供するものである。
請求項1に記載した発明は、チャンバ内に配置され、基板を載置する基板ホルダと、該基板ホルダに対向配置され、成膜材料ガスを前記チャンバ内に導入するシャワープレートと、を備え、該シャワープレートに交流電圧を印加して、前記チャンバ内に導入された前記成膜材料ガスをプラズマ化し、前記基板に成膜処理を行う成膜装置において、前記シャワープレートにおける前記基板ホルダ側に、複数の金属メッシュ板が積層配置されていることを特徴としている。
請求項1に記載した発明によれば、金属製メッシュ板を複数枚積層することで、プラズマが局在化可能な容積を大きくすることができる。これにより、金属製メッシュ板内にプラズマを閉じ込めることが可能になり、シャワーヘッドから導入された成膜材料ガスの分解効率を向上させることができ、成膜速度を速くすることができる効果がある。また、金属製メッシュ板内にプラズマを閉じ込めることにより、金属メッシュ板付近で電流が多く消費される。したがって、基板表面付近においてシース領域が狭くなるため、基板に入射するイオンのエネルギが小さくなり、薄膜へのダメージを低減することができる。したがって、安定した良質の薄膜を形成することができる効果がある。
請求項2に記載した発明は、前記金属メッシュ板は、メッシュ線径が0.5mm以上2.0mm以下で構成され、積層方向のメッシュ間隙が2.0mm以上10.0mm以下で構成されていることを特徴としている。
請求項2に記載した発明によれば、メッシュ線径を0.5mm以上2.0mm以下で構成することで、メッシュ線の導電率および印加電圧の周波数から算出される表皮深さを確保することができるとともに、成膜時に生じる輻射熱の熱負荷による素材の塑性変形に耐え得ることができる効果がある。また、金属メッシュ板の積層方向のメッシュ間隙を2.0mm以上10.0mm以下で構成することで、プラズマが局在化できる容積を十分確保することができ、プラズマを効率よく金属メッシュ板内に閉じ込めることができる効果がある。
請求項3に記載した発明は、前記金属メッシュ板が3段以上5段以下に積層配置されていることを特徴としている。
請求項3に記載した発明によれば、プラズマが局在化できる容積を十分確保することができるため、成膜時に発生したプラズマを効率よく金属メッシュ板内に閉じ込めることができ、成膜速度や結晶面方位を最適化することができる効果がある。
請求項4に記載した発明は、積層された前記金属メッシュ板のメッシュ孔径が、前記シャワープレート側から前記基板ホルダ側に向かって大きくなるように構成されていることを特徴としている。
請求項4に記載した発明によれば、金属メッシュ板内にプラズマが入り込み易くなるため、プラズマを効率よく金属メッシュ板内に閉じ込めることができる効果がある。
本発明によれば、金属製メッシュ板を複数枚積層することで、プラズマが局在化可能な容積を大きくすることができる。これにより、金属製メッシュ板内にプラズマを閉じ込めることが可能になり、シャワーヘッドから導入された成膜材料ガスの分解効率を向上させることができ、成膜速度を速くすることができる効果がある。また、金属製メッシュ板内にプラズマを閉じ込めることにより、金属メッシュ板付近で電流が多く消費される。したがって、基板表面付近においてシース領域が狭くなるため、基板に入射するイオンのエネルギが小さくなり、薄膜へのダメージを低減することができる。したがって、安定した良質の薄膜を形成することができる効果がある。
(成膜装置)
本発明の実施形態に係る成膜装置について、図1〜図3に基づいて説明する。
図1は成膜装置の概略構成図である。図1に示すように、成膜装置10は、太陽電池や液晶ディスプレイ(LCD)などのデバイスに用いられているアモルファスシリコン(a−Si)薄膜あるいは微結晶シリコン薄膜の形成に用いるプラズマCVD装置である。成膜装置10は、上部が開放された箱型形状の真空チャンバ12を有している。真空チャンバ12は導電材で形成されており、接地されている。真空チャンバ12の上部には、絶縁部材13を介して電極フランジ14(上部電極となる真空フランジ)が取り付けられている。この真空チャンバ12、絶縁部材13および電極フランジ14により、略直方体形状に構成され、その内部が成膜室15として構成されている。
真空チャンバ12の成膜室15側には、基板11を載置可能な基板ホルダ16が設けられている。基板ホルダ16にはヒータ26が内蔵されており、温度調節可能に構成されている。なお、基板ホルダ16は接地電極として機能するため、導電性を有するものが採用される。
また、真空チャンバ12には、排気管17が接続されており、その先端には、真空ポンプ18が設けられおり、真空チャンバ12内を真空状態(減圧状態)にすることができるように構成されている。なお、排気管17の途中にはバルブ19が取り付けられている。
電極フランジ14は、導電材で形成され、絶縁部材13の上部に載置可能な板状部材で構成されている。電極フランジ14における成膜室15側には、同じく導電材で形成された枠状の電極枠29が設けられている。ここで、電極枠29は、例えばNi合金などの熱伝導率の低い材料で形成されている。
また、電極枠29を覆うように導電材で形成された板状のシャワープレート31が取り付けられている。したがって、シャワープレート31と電極フランジ14との間に空間24が形成されている。また、シャワープレート31には多数のガス噴出口35が形成され、成膜材料ガスを整流化した上で基板11に向けて均一に噴出できるようになっている。
電極フランジ14にはガス導入管33が接続されており、真空チャンバ12の外部に設けられた成膜ガス供給部21から空間24に成膜ガス(例えば、SiH)を供給できるように構成されている。つまり、基板11を基板ホルダ16上に配置すると、基板11とシャワープレート31とは互いに近接して平行に位置するように構成され、基板ホルダ16上に基板11を配置した状態で、空間24内に導入された成膜ガスはガス噴出口35から成膜室15内に噴出され、その成膜ガスは基板11の表面に吹き付けられるように構成されている。
また、電極フランジ14は、真空チャンバ12の外部に設けられたRF電源(高周波電源)39に接続されており、例えば、周波数13.56MHzや27.12MHzの高周波交流電圧を印加できるようになっている。
さらに、真空チャンバ12には別のガス導入管38が接続されている。ガス導入管38にはフッ素ガス供給部22とラジカル源23とが設けられており、フッ素ガス供給部22から供給されたフッ素ガスをラジカル源23で分解し、これによるフッ素ラジカルを、真空チャンバ12の成膜室15内に供給できるように構成されている。これにより、成膜室15内に堆積した付着物(成膜材料)をクリーニングできるようになっている。
ここで、シャワープレート31における基板ホルダ16(成膜室15)側の表面には、金属メッシュ板30が取り付けられている。本実施形態では、金属メッシュ板30は3枚(30a,30b,30c)積層されている。平面視において、金属メッシュ板30はシャワープレート31と略同一の大きさで形成され、かつシャワープレート31と平行に配置されている。また、金属メッシュ板30の金属細線はアルミニウムで形成されている。金属メッシュ板30はシャワープレート31と導電状態で接続される。このため、電極フランジ14に高周波交流電圧を印加すると、金属メッシュ板30まで高周波が伝達する。さらに、図2に示すように、3枚の金属メッシュ板30a,30b,30cは、そのメッシュ孔径d1,d2,d3がそれぞれ異なっており、シャワープレート31側の金属メッシュ板30aから基板ホルダ16側の金属メッシュ板30cに向かって、徐々にメッシュ孔径が大きくなるように(d1<d2<d3)順に配されている。
(作用)
次に、本実施形態の成膜装置10を用いて基板11に成膜処理を施す手順を説明する。
上記構成の成膜装置10を用いて基板11の表面に薄膜を成膜するには、まず、真空ポンプ18で成膜室15を真空排気する。成膜室15を真空状態(減圧状態)に保持した状態で、基板11を真空チャンバ12内に搬入し、基板ホルダ16上に載置する。なお、基板ホルダ16は内蔵されたヒータ26により加熱されている。基板11が基板ホルダ16上に載置され、基板11が所定の温度に加熱された後に、成膜ガス供給部21よりガス導入管33を介して成膜ガス(原料ガス)を空間24内に導入し、ガス噴出口35から成膜室15に成膜ガスを噴出させる。
成膜ガスを空間24内に導入する際に、RF電源19を起動して電極フランジ14に高周波電圧を印加する。このとき、真空チャンバ12および基板ホルダ16は接地電位に接続されている。
そうすると、電極フランジ14に印加された高周波電圧は、電極枠29およびシャワープレート31にも印加されることとなる。したがって、図3に示すように、シャワープレート31と基板ホルダ16との間に高周波電圧が印加されてグロー放電が生じ、金属メッシュ板30内(電極フランジ14と基板11の表面との間)にプラズマPが発生する。このプラズマPは、いわゆるホローカソードの原理に基づいて、金属メッシュ板30内に閉じ込められるように発生したものである。こうして発生したプラズマP内で成膜ガスが分解され、基板11の表面で気相成長反応が起こることにより、基板11の表面に薄膜が成膜される。
なお、成膜ガスとしてSiH(モノシラン)であるケイ素含有ガスと、Hガスである希釈ガスとの混合ガスを用いた場合には、プラズマ化したSiHが分解し、基板11の表面にa−Si(アモルファスシリコン)あるいは微結晶シリコン(マイクロクリスタルシリコン)を主成分とする薄膜が成長する。
ここで、金属メッシュ板30を複数枚積層することで、発生したプラズマPが金属メッシュ板30のメッシュ孔内に閉じ込められる。すると、基板11の表面付近がプラズマに曝されにくくなる。また、プラズマPにおいて電流が消費されるため、シース領域を薄く(狭く)することができる。基板11の表面において、シース領域が狭くなると、その分電界がかかる領域が狭くなり、見かけ上の電場が弱くなる。したがって、基板11上に堆積した薄膜がイオンダメージに曝されにくくなる。結果として、良質な薄膜を得ることができる。
基板11上に形成された薄膜が所定の膜厚に成長すると、電極フランジ14への交流電圧の印加を停止するとともに、成膜ガス供給部21からの成膜ガスの供給を停止する。そして、成膜された基板11を成膜室15から搬出して成膜処理が完了する。
ここで、本実施形態に用いた金属メッシュ板30は、金属細線を編みこんだものであり、その金属細線の直径は、使用する金属の導電率と周波数から算出される表皮深さよりも太い径で構成され、かつ、基板ホルダ16を加熱する際に生じる輻射熱の熱負荷による素材の塑性変形に耐えうる太さの径で構成されている。例えば、金属細線にアルミニウムを用いた場合、周波数を27.12MHzとすると表皮深さは約5μm程度になる。これに輻射熱の熱負荷を加味すると、金属細線の直径は0.5mm以上2.0mm以下にすることが望ましい。
また、プラズマの効率的な閉じ込め効果と熱負荷による変形などを考慮すると、上下方向に隣接する金属メッシュ板30間の間隙は2.0mm以上10.0mm以下にすることが望ましい。つまり、金属メッシュ板30間の間隙が狭すぎると、積層することが困難になるため、2.0mm以上が望ましく、金属メッシュ板30間の間隙が広すぎると、プラズマの閉じ込め効果がなくなるため、10.0mm以下が望ましい。
さらに、金属細線の直径により金属メッシュ板30の厚みは限定されるが、周波数、圧力および金属メッシュ板間距離に応じてプラズマの閉じ込め効果が変化する。そのため、成膜速度の向上および薄膜のダメージの低減を図ることを目的として、例えば周波数27.12MHzである場合には、金属メッシュ板30の積層枚数は、3枚以上5枚以下(3段以上5段以下)にすることが望ましい。(詳しくは、後述する。)
本実施形態によれば、真空チャンバ12(成膜室15)内に配置され、基板11を載置する基板ホルダ16と、基板ホルダ16に対向配置され、成膜材料ガスを成膜室15内に導入するシャワープレート31と、を備え、シャワープレート31に交流電圧を印加して、成膜室15内に導入された成膜材料ガスをプラズマ化し、基板11に成膜処理を行う成膜装置10において、シャワープレート31における基板ホルダ16側に、複数の金属メッシュ板30を積層配置した。
したがって、金属製メッシュ板30を複数枚積層することで、プラズマが局在化可能な容積を大きくすることができる。つまり、プラズマ密度を大きくすることができるため、成膜ガスの分解効率を向上させることができ、成膜速度を速くすることができる。また、プラズマ密度を大きくすることにより、金属メッシュ板30付近で電流が多く消費される。したがって、基板11の表面付近においてシース領域が狭くなるため、基板11に入射するイオンのエネルギが小さくなり、薄膜へのダメージを低減することができる。結果として、安定した良質の薄膜を形成することができる。
また、金属メッシュ板30は製造が容易であるため、成膜装置10の大きな設計変更をすることなく、容易に実現することができる。さらに、金属メッシュ板30の仕様(線径・孔径など)は種々設定可能であるため、様々な条件に合った構成を容易に実現することができる。
また、金属メッシュ板30は、メッシュ線径を0.5mm以上2.0mm以下で構成したため、メッシュ線の導電率および印加電圧の周波数から算出される表皮深さを確保することができるとともに、成膜時に生じる輻射熱の熱負荷による素材の塑性変形に耐え得ることができる。また、金属メッシュ板30の積層方向のメッシュ間隙を2.0mm以上10.0mm以下で構成したため、プラズマが局在化できる容積を十分確保することができ、プラズマPを効率よく金属メッシュ板30内に閉じ込めることができる。
さらに、金属メッシュ板30が3段以上5段以下に積層配置されるようにしたため、成膜時に発生したプラズマPを効率よく金属メッシュ板30内に閉じ込めることができ、成膜速度や結晶面方位を最適化することができる。
そして、積層された金属メッシュ板30のメッシュ孔径が、シャワープレート31側から基板ホルダ16側に向かって大きくなるように構成したため、金属メッシュ板30内にプラズマPをより効率よく発生させることができるとともに、メッシュ孔内にプラズマPを確実に閉じ込めることができる。
次に、成膜装置10を用いて基板11に成膜したときの具体的な実施例を説明する。
表1に金属メッシュ板30を3枚積層した場合と、金属メッシュ板30を1枚のみ配置した場合と、で基板11に太陽電池用の微結晶シリコンを成膜したときの比較を示す。なお、表1の成膜処理は、表2の成膜条件で行ったものである。また、金属メッシュ板30は、金属細線の直径が0.7mmで、積層方向の金属メッシュ板30の間隙が4.0mmのものを採用した。
Figure 2009141116
Figure 2009141116
表1に示すように、金属メッシュ板30を3枚積層した場合の方が、金属メッシュ板30を1枚のみ配置した場合よりも成膜速度が速くなっている。これは、金属メッシュ板30を3枚積層した方が、プラズマPが局在化する容積(プラズマ密度)が大きくなり、成膜材料ガスの分解効率が上がるからである。
さらに、結晶面方位の(220)/(111)比が、金属メッシュ板30を3枚積層した場合の方が、金属メッシュ板30を1枚のみ配置した場合よりも大きくなっており、良質な薄膜が成膜されていることが分かる。これは、金属メッシュ板30を3枚積層した方が金属メッシュ板30に形成されるプラズマPの局在化可能な容積が大きくなるため、3枚の方が多くのプラズマPを金属メッシュ板30のメッシュ孔内に閉じ込めることができるためである。すると、基板11の表面付近がプラズマPに曝されにくくなる。また、プラズマPにおいて電流が消費されるため、シース領域を薄く(狭く)することができる。基板11の表面において、シース領域が狭くなると、その分電界がかかる領域が狭くなり、見かけ上の電場が弱くなる。したがって、基板11上に堆積した薄膜がイオンダメージに曝されにくくなる。結果として、良質な薄膜を得ることができる。
そして、結晶面方位の(220)/(111)比の増加に伴って、太陽電池セルの発電効率は、金属メッシュ板30を3枚積層した場合の方が、金属メッシュ板30を1枚のみ配置した場合よりも向上していることが分かる。
また、図4に金属メッシュ板30の積層枚数毎における成膜速度および結晶面方位(220)/(111)比を示す。図4に示すように、金属メッシュ板30の積層枚数が4枚までは枚数が増加するとともに成膜速度も増加しており、積層枚数が5枚になると4枚のときより速度が遅くなる。ただし、積層枚数が2枚のときよりは5枚の方が、成膜速度は速くなっており、積層枚数3枚〜5枚の範囲で良好な成膜速度が得られる。なお、金属メッシュ板30の積層枚数が多くなりすぎる(6枚以上)と、金属メッシュ板30内に局在化するプラズマ密度が上昇しなくなり、これ以上ラジカル生成効率が上がらなくなると推察される。つまり、成膜速度に関してはラジカル生成効率と基板11にラジカルが到達するバランスで決まるが、ラジカル生成効率が上がらず金属メッシュ板30の嵩だけが増えるため、ラジカルが途中で死活する量が増えて、結果として成膜速度が低下すると考えられる。
また、結晶面方位比は、金属メッシュ板30の積層枚数が2枚から3枚へ増加すると、急激に向上し、積層枚数が3枚〜5枚のときはほぼ一定した結晶面方位比が得られることが分かる。したがって、金属メッシュ板30の積層枚数は、3枚以上5枚以下が望ましい。なお、金属メッシュ板30の積層枚数が多くなりすぎる(6枚以上)と、金属メッシュ板30内に局在化するプラズマ密度が上昇しなくなり、これ以上ラジカル生成効率が上がらなくなると推察される。ラジカル生成効率が上がらないために、SiHの分解効率が抑制されて、基板11に入射するイオンエネルギーが変化しなくなり、結晶面方位(220)の生成が抑制される。結果として、結晶面方位(220)/(111)比の値は上昇しなくなる。
本実施例から、基板11に太陽電池用の微結晶シリコンを成膜する際に、金属メッシュ板30を3〜5枚積層配置すると、より高性能な太陽電池を製造するのに好適であることが分かる。
尚、本発明の技術範囲は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、上述した実施形態に種々の変更を加えたものを含む。すなわち、実施形態で挙げた具体的な形状や構成等は一例にすぎず、適宜変更が可能である。
例えば、本実施形態では金属メッシュ板の金属細線にアルミニウムを採用した場合の説明をしたが、それに限らず、アルミニウム合金、Ni系合金およびSUS系合金を用いることができる。また、複数枚の金属メッシュ板の金属細線を全て同じ材料で構成してもよいし、それぞれ別の材料で構成してもよい。
また、本実施形態ではシャワープレートに直接金属メッシュ板を取り付けた場合の説明をしたが、図5に示すように、シャワープレートの周縁に金属製取付枠41を設け、金属製取付枠41の下端部に金属メッシュ板30を取り付けるようにしてもよい。
また、本実施形態では成膜ガスとしてモノシランを用いたが、ケイ素を含有するものであれば、ジシラン、ヘキサメチルジシラザン、TEOSなどを用いてもよい。また、このようなケイ素含有ガスを1種類のみ供給するようにしてもよいし、2種類以上のガスを供給するようにしてもよい。
さらに、本実施形態では希釈ガスとして水素を用いたが、アルゴン、ヘリウム、クリプトンなどの希釈ガスを1種類以上供給するようにしてもよい。
本発明の実施形態における成膜装置の正面概略図である。 図1のA部拡大図である。 本発明の実施形態におけるプラズマの発生状態を示す説明図である。 本発明の実施例における金属メッシュ板の枚数毎の成膜速度および結晶面方位比を示すグラフである。 本発明の実施形態における成膜装置の別の態様を示す正面概略図である。 従来の成膜装置の概略構成図である。
符号の説明
10…成膜装置 11…基板 12…真空チャンバ(チャンバ) 16…基板ホルダ 30(30a,30b,30c)…金属メッシュ板 31…シャワープレート

Claims (4)

  1. チャンバ内に配置され、基板を載置する基板ホルダと、
    該基板ホルダに対向配置され、成膜材料ガスを前記チャンバ内に導入するシャワープレートと、を備え、
    該シャワープレートに交流電圧を印加して、前記チャンバ内に導入された前記成膜材料ガスをプラズマ化し、前記基板に成膜処理を行う成膜装置において、
    前記シャワープレートにおける前記基板ホルダ側に、複数の金属メッシュ板が積層配置されていることを特徴とする成膜装置。
  2. 前記金属メッシュ板は、メッシュ線径が0.5mm以上2.0mm以下で構成され、積層方向のメッシュ間隙が2.0mm以上10.0mm以下で構成されていることを特徴とする請求項1に記載の成膜装置。
  3. 前記金属メッシュ板が3段以上5段以下に積層配置されていることを特徴とする請求項1または2に記載の成膜装置。
  4. 積層された前記金属メッシュ板のメッシュ孔径が、前記シャワープレート側から前記基板ホルダ側に向かって大きくなるように構成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の成膜装置。
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