JP2009138322A - モノフィラメントの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】線径ムラやコブを抑制され、かつ高強度の延伸モノフィラメントを得ることができ、さらに、熱媒としてポリエチレングリコールやグリセリン、シリコーンなどの有機系の熱媒を用いることなく環境に配慮したモノフィラメントの製造方法を提供する。
【解決手段】紡糸後の未延伸モノフィラメントを延伸するに際し、予熱された未延伸モノフィラメントを伸長しつつダイスを通過させてネック延伸することにより、断面積が0.0012〜300mm2の延伸モノフィラメントとなすことを特徴とするモノフィラメントの製造方法。
【選択図】なし
【解決手段】紡糸後の未延伸モノフィラメントを延伸するに際し、予熱された未延伸モノフィラメントを伸長しつつダイスを通過させてネック延伸することにより、断面積が0.0012〜300mm2の延伸モノフィラメントとなすことを特徴とするモノフィラメントの製造方法。
【選択図】なし
Description
本発明は、モノフィラメントの製造方法に関する。さらに詳しくは、線径ムラやコブが抑制され、かつ高強度の延伸モノフィラメントを得ることができ、しかも、熱媒としてポリエチレングリコールやグリセリン、シリコーンなどの有機系の熱媒を用いる必要がなく環境に配慮したモノフィラメントの製造方法に関する。
工業的に生産される合成繊維は、一般に紡糸および延伸工程を経て製造される。ここで、紡糸とは材料に流動性を与えた後、細い孔から押出し、これを空気中または液体中で冷却固化して未延伸糸を得る工程であり、また、延伸工程とは未延伸糸を引伸ばす工程である。
延伸工程により合成繊維は配向・結晶化され、高強度化することから、延伸は工業的に極めて重要な工程の一つである。合成繊維の延伸はネッキングと呼ばれる現象を利用するもので、ネッキングにより未延伸糸は急激に線径が減少し、配向・結晶化が進む。
高強度の合成繊維を得るネック延伸法としては、(1)予め合成繊維に張力を与え、急激に加熱する方法、(2)予め加熱した合成繊維に急激に張力を与える方法、(3)合成繊維に張力と熱を同時に与える方法と、これら三つにまとめることができ、合成繊維の中でも特にモノフィラメントは、上述した(1)の方法により製造する例が多く知られている。
例えば、溶融押出されたモノフィラメントを一旦冷却固化して未延伸糸を得た後、温水、グリセリン、シリコーンオイル等の熱伝達率の高い熱媒浴中に浸漬して走行させ、熱媒浴中で、熱媒浴前後に設けたローラー間の回転速度比を延伸比としてモノフィラメントを延伸する方法(例えば、特許文献1参照)が従来のモノフィラメントの延伸方法の代表例であり、この方法によれば、熱伝導率が比較的小さな熱可塑性樹脂(モノフィラメント)であっても、熱伝達率の高い熱媒に浸漬させることで急激に目標とする温度まで昇温することができ、熱可塑性樹脂の流動性を持たせたポイントで延伸することが可能なり、モノフィラメントの高強度化が達成される。
しかしながら、上記のような熱媒浴中で延伸を行う場合、走行するモノフィラメントの速度が上昇すると、十分な熱の浸透が行われないため、モノフィラメントのネック点が固定されず、液体浴中で延伸点が移動し、場合によっては液体浴外へネック点が移動する。このようなネック点の移動が起こると、得られるモノフィラメントは、糸条の長手方向に線径ムラやコブが生じるため、結果として糸質や品位が低下するという問題があった。
また、直径が1mm以上の太いモノフィラメントを延伸する場合には、ネッキングの起こる温度までモノフィラメント昇温させるため、熱媒の温度を高く設定する必要がある。しかし、このように高い熱媒温度を採用した場合にはモノフィラメント中心部がネッキング可能な温度まで昇温された時には、モノフィラメントの外層は適切な温度以上に加熱されているため、結果として内外層で結晶化の差異が生じ、糸物性が低下したり内層と外層で物性が異なるようになるという問題もあった。
さらに、熱媒として使用される温水、ポリエチレングリコール、グリセリン、シリコーンオイル等の使い分けは、モノフィラメントの流動性をもつ温度を基に決定される。つまり、温浴の使用はモノフィラメントが流動性をもつ温度が100℃以下の場合に限定され、100℃以上の温度が必要な場合は有機系の熱媒を使用する必要がある。しかし、近年の環境負荷低減の観点から有機系の熱媒を削減、全廃することが広く謳われており、下に例示するような有機系の熱媒を使用しない延伸方法が開発されている。
熱媒を使用せずに高温で延伸する方法の例としては、熱蒸気を利用した対流熱、または赤外線、レーザー光線を利用した輻射熱などを使用する方法(例えば、特許文献2,3参照)が挙げられるが、これらのうち対流・輻射を利用する方法では、線径が大きくなると内層部まで十分に加熱することができず、表面は加熱されるが中心部は加熱不足となる。また、赤外線やレーザー光の出力を上げモノフィラメントに照射する方法にも、モノフィラメントの表面部だけを加熱することから、照射されるモノフィラメントの表面温度を一定に温度コントロールすることが難しいなどの問題があった。そのため、糸条の長手方向に線径ムラやコブ、糸切れが生じ、目標の糸質性能を有する延伸糸を得ることが困難であった。
特公昭45−26566号公報
特開平7−268741号公報
特開2003−213520号公報
本発明は、上述した従来技術における問題点の解決を課題として検討した結果達成されたものであり、未延伸糸モノフィラメントの線径に関係なくネック点を固定させ、かつ均一に加熱することができ、線径ムラやコブを抑制し、かつ高強度の延伸モノフィラメントを得ることができるばかりか、現在環境負荷として危惧される沸点の高い有機系熱媒を使用する必要がないモノフィラメントの製造方法の提供を目的とするものである。
上記目的を達成するために本発明によれば、紡糸後の未延伸モノフィラメントを延伸するに際し、予熱された未延伸モノフィラメントを伸長しつつダイスを通過させてネック延伸することにより、断面積が0.0012〜300mm2の延伸モノフィラメントとなすことを特徴とするモノフィラメントの製造方法が提供される。
なお、本発明のモノフィラメントの製造方法においては、
前記未延伸モノフィラメントの予熱を、湯浴、乾熱炉および水蒸気炉から選ばれたいずれかで行うこと、
前記未延伸モノフィラメントの予熱温度およびダイス温度を、該温度における未延伸モノフィラメントの定応力伸長時応力が20℃における未延伸モノフィラメントの定応力伸長時応力の1/35〜1/10となる温度とすること、
ダイスとドローローラー間の応力が延伸後の繊度に換算して0.35cN/dtex以上であること、
前記ダイスが、未延伸モノフィラメントを挿通するためのダイス孔を形成した略円柱形状のダイス部材から構成され、前記ダイス孔は、挿通される未延伸モノフィラメントの線径よりも大きな径となっている開口部と、この開口部から離れるに従って漸次径が狭まる導入部と、これら開口部および導入部の反対側に一体的に形成され、挿通される未延伸モノフィラメントの線径よりも小さな径となっている伸線部と、この伸線部の他端と一体的に形成され、伸線部の他端から離れるに従って漸次径が広がる出口部とを有していることこと
が、いずれも好ましい条件として挙げられる。
前記未延伸モノフィラメントの予熱を、湯浴、乾熱炉および水蒸気炉から選ばれたいずれかで行うこと、
前記未延伸モノフィラメントの予熱温度およびダイス温度を、該温度における未延伸モノフィラメントの定応力伸長時応力が20℃における未延伸モノフィラメントの定応力伸長時応力の1/35〜1/10となる温度とすること、
ダイスとドローローラー間の応力が延伸後の繊度に換算して0.35cN/dtex以上であること、
前記ダイスが、未延伸モノフィラメントを挿通するためのダイス孔を形成した略円柱形状のダイス部材から構成され、前記ダイス孔は、挿通される未延伸モノフィラメントの線径よりも大きな径となっている開口部と、この開口部から離れるに従って漸次径が狭まる導入部と、これら開口部および導入部の反対側に一体的に形成され、挿通される未延伸モノフィラメントの線径よりも小さな径となっている伸線部と、この伸線部の他端と一体的に形成され、伸線部の他端から離れるに従って漸次径が広がる出口部とを有していることこと
が、いずれも好ましい条件として挙げられる。
本発明によれば、以下に説明するとおり、未延伸糸モノフィラメントの線径に関係なくネック点を固定させ、かつ均一に加熱することができるため、線径ムラやコブを抑制することができ、高強度の延伸モノフィラメントを得ることができる。さらに、熱媒としてポリエチレングリコールやグリセリン、シリコーンなどの有機系熱媒を用いることなく環境に配慮したモノフィラメントの製造方法を提供することができる。
まずここで、本発明について、その特徴をまとめると、以下の通りである。
(1)紡糸後の未延伸モノフィラメントを予熱し、ダイスを通過させることで、ネック点を固定させネック延伸を行うこと。また、好ましくは
(2)未延伸モノフィラメントの予熱を、湯浴、乾熱炉および水蒸気炉から選ばれたいずれかで行うこと。
(3)未延伸モノフィラメントおよびダイスを20℃における該モノフィラメントの未延伸糸定応力伸長時の応力に対して1/35〜1/10の応力となる温度まで予熱すること。
(4)延伸を適切な張力付与条件下に行うこと。
(5)急激にモノフィラメントを昇温する必要がないため、沸点の高い有機系の熱媒を使用する必要がないこと。
(6)モノフィラメントの断面およびダイスの形状は円形または多角形の如何なる形状であっても良いこと。
以下に本発明について詳細に説明する。
本発明は、溶融紡糸法で得られた未延伸モノフィラメントを予熱し、ダイスを通過させ、未延伸モノフィラメントとダイスの接触する部分で未延伸糸モノフィラメントに張力を付与し、それにより延伸することを特徴としている。
本発明で用いるモノフィラメントの断面は円形、多角形等制限はなく、いかなる形状のものでも使用することができ、またその延伸糸の断面積は0.0012mm2〜300mm2、好ましくは0.002mm2〜130mm2である。0.0012mm2より小さくなると、ダイス通過後の張力が非常に小さいため、コントロールが難しく安定な生産が困難となる。一方、300mm2より大きくなると、安定した吐出が困難となり、安定な品質・品位を有するモノフィラメントを得ることが困難となる。
モノフィラメントを予熱する方法は湯浴、乾熱炉、蒸気炉、沸点の高い有機系液体(ポリエチレングリコール、グリセリン、シリコーンオイル)などが挙げられるが、本発明ではネック点の形成はダイス部分で行い、熱媒により急激に昇温する必要性はないため、予熱には100℃以下であれば湯浴、乾熱炉、蒸気炉を、100℃以上であれば乾熱炉または蒸気炉を使用することで達成される。本方法により延伸を行うことで、沸点の高い有機系液体を用いて予熱する必要がなくなるため、熱媒として有機系液体を使用しない、環境に配慮した延伸を行うことが可能となる。
本発明によりネック点を固定し、線径ムラ、コブのないモノフィラメントを得ることができるが、さらなる高強度化を達成するために、未延伸モノフィラメントおよびダイスを、20℃における未延伸モノフィラメントの定応力伸長時の応力に対して1/35〜1/10の応力となる温度まで予熱し、該繊維を流動性の持つ温度まで加熱することが好ましい。
以下、未延伸糸定応力伸長時の応力について、図1を用いて説明する。
図1は、20℃以上におけるポリフッ化ビニリデンの未延伸糸の張力伸長曲線を示す。本測定で用いたサンプルは、ポリフッ化ビニリデン(ソルベイソレクシス(株)製SOLEF1013、MI(230℃、10kg)3.0g/10分、溶融時の密度1.48g/cm3)であり、これをエクストルーダー型紡糸機で270℃にて溶融し、口径1.8mmφの口金から紡出し、冷却温度10℃の水冷却浴槽で冷却し、直径0.575mmのポリフッ化ビニリデンの未延伸糸とした。ここで、未延伸糸定応力伸長時の応力とは、未延伸糸が一定の応力で伸長される領域(図中の20℃においてA部)を指す。未延伸糸が一定の応力で伸長される領域は各温度で異なり、温度が上昇するに伴い、定応力伸長時の応力が低下する傾向にある。図1において、20℃における未延伸糸定応力伸長時の応力に対して1/35〜1/10となる温度領域は120〜160℃に相当する。
一般的に、合成繊維の20℃における未延伸糸定応力伸長時の応力に対して1/35〜1/10の応力となる温度まで予熱させることは、合成繊維に流動性を持たせることを意味し、この予熱により合成繊維の未延伸糸はダイスでのネック延伸後、結晶化が進み、より高強度化された合成繊維の延伸糸を得ることが可能となる。
合成繊維の20℃における未延伸糸定応力伸長時の応力に対して1/10以上の場合は、合成繊維の流動性が乏しいため、高倍率で延伸することが困難となり、高強度化された合成繊維の延伸糸を得ることができなかったり、得られたモノフィラメントの物性が低くなったり、得られたモノフィラメントが白化するなどの不都合が生じる。
一方、1/35以下であると、合成繊維があたかも融解された状態となり、延伸を行っても効率的に分子鎖の配向、結晶化が促進されないために、同様に高強度の合成繊維を得ることができない。
20℃における合成繊維の未延伸糸定応力伸長時の応力に対して1/35〜1/10の応力となる温度は使用するポリマーに依存する特性であることから、各々のポリマーごとに設定する必要があるが、通常溶融紡糸、延伸されるポリマーに関してはおよそ常温〜180℃程度の範囲である。
本発明により強伸度特性に優れたモノフィラメントを得るためには、未延伸モノフィラメントに一定の張力をかけた状態でダイスを通過させることが好ましく、具体的にはダイスとドローローラー間の応力が延伸後の繊度に換算して0.3〜3.0cN/dtexであることが好ましい。
ダイスとドローローラー間の応力が延伸後の繊度に換算して0.3cN/dtex以下の場合には強度の高いモノフィラメントを得ることが難しく、3.0cN/dtexを超える場合には張力が高すぎで安定な延伸を行うことが困難になる。
本発明の製造法で得られるモノフィラメントは、溶融紡糸され得る如何なるポリマーでも良いが、最も好適なものとしてポリアミド系、ポリエステル系、ポリフッ化ビニリデン系、ポリオレフィン系、ポリ乳酸系、あるいはこれらのコポリマーおよびこれらの混合物が挙げられる。 かかるポリエステルとしては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートまたはこれらにアジピン酸、セバシン酸、イソフタル酸、ナフタリン酸、イソフタル酸スルホネートおよびポリポリエチレングリコールなどの第三成分を共重合した共重合ポリエステルなどが挙げられるが、特にポリエチレンテレフタレートが最も好ましい素材である。また、ポリフッ化ビニリデンとしては、ホモポリマ及びフッ化ビニリデンを主成分としてこれと共重合可能なコモノマの1種又は2種以上とからなるポリフッ化ビニリデンコポリマなどが挙げられる。ここで使用されるコモノマとしては、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、トリフルオロモノクルオロエチレン、トリフルオロエチレン及びモノフルオロエチレンなどが挙げられる。また、ポリアミドとしてはナイロン6、ナイロン66、ナイロン610、ナイロン612、ナイロン11、ナイロン12およびこれら各ナイロン構成成分の組み合わせからなる共重合ポリアミドなどが挙げられる。ポリオレフィンとしては、ポリエチレン、ポリプロピレンおよびこれら各オレフィン構成成分の組み合わせからなる共重合ポリオレフィンなどが、ポリサルファイドとしては、ポリフェニレンサルファイドなどが挙げられる。ポリ乳酸としては、L−乳酸および/またはD−乳酸を主成分とする乳酸を重合してなるポリ乳酸が挙げられる。ここでL−乳酸を主成分とするとは、構成成分の60重量%以上がL−乳酸よりなっていることを意味しており、40重量%を超えない範囲でD−乳酸を含有するポリエステルである。L−乳酸の場合も同様である。更には、構成するポリマーの分子鎖の全繰返し単位の80重量%以上、特に90重量%以上、より好ましくは95重量%以上が乳酸であるポリ乳酸である。
これらのポリマーからなるモノフィラメントは、耐熱剤、耐候剤、耐光剤、耐加水分解剤、酸化防止剤、帯電防止剤、平滑剤、染料および顔料などの公知の添加剤成分を任意に含有することができる。
本発明で用いるダイスとは、未延伸モノフィラメントと接触させ、該モノフィラメントへ均等に圧力を与え、ネッキングを行う装置であり、入口部から出口部へ進むに従い口径が減少する、いわゆる丸断面に対しては円錐台形の形状をとる。これにより未延伸モノフィラメントとダイスの断面積が一致した点で未延伸モノフィラメントに圧力が発生し、ネッキングが開始される。未延伸モノフィラメントに圧力を与える方法としては、ニップによる方法も考えられるが、ニップにより圧力を与えるとモノフィラメントに均等に圧力を与えることができず、モノフィラメントが偏平となるため、好ましくない。
図2は、本発明で用いるダイスの一例を示す断面図である。
図2において、ダイス10は、未延伸モノフィラメント12の延伸を行うための装置である。そのために、ダイス10は、ダイス部材14と、保持ケース18と、蓋体20とを備えている。
ダイス部材14は、その外形が略円柱形状を呈している。ダイス部材14には、未延伸モノフィラメント12を挿通するためのダイス孔22が形成されている。ダイス孔22は、挿通される未延伸モノフィラメント14の線径よりも大きな径となっている開口から離れるに従って漸次径が狭まる導入部22a(一般的に、アプローチ部及びリダクション部と称される)と、導入部22aの開口と反対側において一端が一体的に形成され、挿通される未延伸モノフィラメント12の線径よりも小さな径となっている伸線部22b(一般的に、ベアリング部と称される)と、伸線部22bの他端と一体的に形成され、伸線部22bの他端から離れるに従って漸次径が広がる出口部22c(一般的に、バックリリーフ部及びエクジット部と称される)とを有している。
これにより、ダイス部材14では、導入部22aにおいて、口径と未延伸モノフィラメント12の径が一致するところで未延伸モノフィラメントに張力が急激に上昇し、ネッキングを起こす。ネッキング後の延伸モノフィラメントの線径は延伸倍率により決定される。ここで、本文中に記載のダイス口径とは、伸線部22b(ベアリング部)を表す。ダイス部材14としては、ダイヤモンド焼結体(PCD:Polycrystalline Diamond)、超硬合金、単結晶ダイヤモンド(例えば、天然ダイヤモンド、合成ダイヤモンド)又はSKD鋼等を用いることができる。保持ケース18は、蓋体20と共にダイス部材14を保持するものである。保持ケース18及び蓋体20は、例えばステンレス鋼が使用される。
また、ベアリング部におけるダイス断面積と未延伸モノフィラメントの断面積の比は1:1.05〜1:7であることが好ましく、さらに好ましくは1:1.1〜1:6である。ダイス断面積と未延伸モノフィラメントの断面積比が1:7よりも小さい場合は張力を与えても未延伸モノフィラメントがダイスを通過することができず、また1:1.05よりも大きい場合は未延伸モノフィラメントとダイスとの接圧が小さいため、十分な張力が未延伸モノフィラメントに与えられず、結果としてネック延伸されずにダイスを通過するため好ましくない。
本発明で用いるダイスの形状は円形、多角形等制限はなく、いかなる形状のものでも使用することができる。
本発明の製造方法は、通常の溶融紡糸法で製造される未延伸モノフィラメントすべてに適応可能であるため、溶融紡糸した糸条を一旦巻き取ることなく延伸を行う直接延伸法、未延伸糸を一旦巻き取った後、延伸を行う二工程法のいずれの延伸工程にも適応できる。また、本発明で得られた延伸糸の配向結晶化をさらなる熱処理により促進させたり、ローラー間で収縮を低減させたりすることも可能である。
次に、本発明の方法について図面を用いて説明する。
図3は本発明の一実施様態を示す概略工程図であり、ここではまず、エクストルーダー型紡糸機にて溶融し、ギアポンプを経て紡出し、冷却浴槽で冷却し未延伸モノフィラメント31を得る。次に、未延伸モノフィラメント31をフィードローラー32で湯浴または乾熱炉、蒸気炉などの予熱装置33へ供給する。予熱装置33としての湯浴および乾熱炉、蒸気炉の使い分けは、モノフィラメントが流動性をもつ温度に依存し、100℃以下ならば湯浴を、100℃以上ならば乾熱炉、蒸気炉を使用することができる。
次に、モノフィラメントの流動性を持つ温度まで十分加熱(例えば直径10mmのポリエステルテレフタレート未延伸糸の場合、95℃湯浴にて50秒以上)した後、ダイス34を通過させネック延伸を行う。延伸はダイス34とドローローラー35にて行い、延伸倍率はフィードローラー32とドローローラー35の速度を変化させることで設定することができる。
モノフィラメントを高強度化するために好ましい延伸倍率は3〜7倍であり、より好ましくは3.5〜6.5倍である。また、好ましい延伸速度は5m/分〜200m/分である。さらに、延伸工程後は、必要に応じて延伸歪みを除去することなどを目的に、適度な定長および/または弛緩熱処理を行う乾熱炉36を用いることもできる。定長・弛緩熱処理時の倍率はドローローラー35とドローローラー37の速度を変化させることで設定することができる。なお、上記延伸工程および定長・弛緩熱処理工程における温度は、樹脂のガラス転移温度以上、かつ融点以下の温度が好ましい。かくして延伸されたモノフィラメントは引取装置37で引き取られる。
このようにして得られた延伸モノフィラメントは、ネック点が固定されているため、線径のムラやコブがなく、また高強度なモノフィラメントを得ることができる。また有機系の熱媒を用いることなく延伸を行うことができるため、環境に配慮したモノフィラメントの製造方法を提供することができる。
以下、実施例により本発明をさらに説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。なお、本文および実施例に示した各特性の定義および測定法は以下の通りである。
(1)引張強度:JIS−L1013(1999)8.5.1標準時試験に示される定速伸長条件で測定した。試料をかせ状にとり、20℃、65%RHの温湿度調節室で24時間放置後、(株)オリエンテック社製の“テンシロン”UTM−4−100型引張試験機を用い、試長250mm、引張速度300mm/分で測定した。
(2)線径ムラの指標として真円度を測定した。
デジタルマイクロメーターを用いて、モノフィラメントの円周方向に対し長径、短径を測定、また長さ方向ではランダムに5回測定し、次式にて計算したあと最小値を測定値とした。
真円度(%)=短径(mm)/長径(mm)×100
デジタルマイクロメーターを用いて、モノフィラメントの円周方向に対し長径、短径を測定、また長さ方向ではランダムに5回測定し、次式にて計算したあと最小値を測定値とした。
真円度(%)=短径(mm)/長径(mm)×100
(3)延伸性を下記の3水準で判定した。
○・・・・モノフィラメントの延伸が均一であり生産可能である
△・・・・モノフィラメントの延伸がほぼ均一であり生産可能である
×・・・・モノフィラメントの延伸が不均一であり生産できない。
○・・・・モノフィラメントの延伸が均一であり生産可能である
△・・・・モノフィラメントの延伸がほぼ均一であり生産可能である
×・・・・モノフィラメントの延伸が不均一であり生産できない。
(4)残留溶媒試験
赤外線分光器を用いて残留分を測定した。実施例および比較例で得られた延伸モノフィラメントおよびポリエチレングリコール、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリフッ化ビニリデン樹脂、ポリカプラミド樹脂についてそれぞれ赤外線スペクトルを測定し、延伸モノフィラメントにポリエチレングリコールに帰属される官能基が存在するか確認した。ポリエチレングリコール成分が確認されたものには×、確認されなかったものに○を付記した。
赤外線分光器を用いて残留分を測定した。実施例および比較例で得られた延伸モノフィラメントおよびポリエチレングリコール、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリフッ化ビニリデン樹脂、ポリカプラミド樹脂についてそれぞれ赤外線スペクトルを測定し、延伸モノフィラメントにポリエチレングリコールに帰属される官能基が存在するか確認した。ポリエチレングリコール成分が確認されたものには×、確認されなかったものに○を付記した。
[実施例1]
IV1.21のポリエチレンテレフタレート樹脂(東レ製T701T、溶液粘度(IV)0.71、溶融時の密度1.18)を、通常のエクストルーダー型紡糸機で280℃にて溶融し、ギアポンプを経て口径14mmφの口金から紡出し、冷却浴槽温度70℃の水冷却浴槽で冷却した。得られた未延伸モノフィラメントを温水浴で50秒加熱し、温水中でダイス口径8.0mmφのダイスに通過させた。ダイスによる延伸倍率が3倍になるよう延伸し、さらに150℃乾熱炉中で1.33倍(全延伸倍率4倍)に二段目延伸し、直径4.2mmのモノフィラメントを得た。このモノフィラメントの評価結果を表1に示す。
IV1.21のポリエチレンテレフタレート樹脂(東レ製T701T、溶液粘度(IV)0.71、溶融時の密度1.18)を、通常のエクストルーダー型紡糸機で280℃にて溶融し、ギアポンプを経て口径14mmφの口金から紡出し、冷却浴槽温度70℃の水冷却浴槽で冷却した。得られた未延伸モノフィラメントを温水浴で50秒加熱し、温水中でダイス口径8.0mmφのダイスに通過させた。ダイスによる延伸倍率が3倍になるよう延伸し、さらに150℃乾熱炉中で1.33倍(全延伸倍率4倍)に二段目延伸し、直径4.2mmのモノフィラメントを得た。このモノフィラメントの評価結果を表1に示す。
[実施例2]
温水浴の温度を変更したこと以外は実施例1と同様の方法を用いモノフィラメントを得た。このモノフィラメントの評価結果を表1に示す。
温水浴の温度を変更したこと以外は実施例1と同様の方法を用いモノフィラメントを得た。このモノフィラメントの評価結果を表1に示す。
[実施例3]
温水浴をPEG(ポリエチレングリコール)浴とした以外は実施例1および2と同様の方法を用いモノフィラメントを得た。このモノフィラメントの評価結果を表1に示す。
温水浴をPEG(ポリエチレングリコール)浴とした以外は実施例1および2と同様の方法を用いモノフィラメントを得た。このモノフィラメントの評価結果を表1に示す。
[実施例4]
ポリフッ化ビニリデン(ソルベイソレクシス(株)製SOLEF1013、MI(230℃、10kg)3.0g/10分、溶融時の密度1.48)を使用し、これをエクストルーダー型紡糸機で270℃にて溶融し、口径1.8mmφの口金から紡出し、冷却温度10℃の水冷却浴槽で冷却した。得られた未延伸モノフィラメントを、170℃の乾熱炉60秒間通過させた直後に、ダイス口径0.35mmφのダイスに通過させた。ダイスによる延伸倍率が4.5倍になるよう延伸し、さらに140℃乾熱炉中で1.42倍(全延伸倍率6.4倍)に二段目延伸し、引き続いて155℃の乾熱炉中に0.87倍で通過させ熱処理を施すことにより、直径0.23mmのモノフィラメントを得た。このモノフィラメントの評価結果を表1に示す。
ポリフッ化ビニリデン(ソルベイソレクシス(株)製SOLEF1013、MI(230℃、10kg)3.0g/10分、溶融時の密度1.48)を使用し、これをエクストルーダー型紡糸機で270℃にて溶融し、口径1.8mmφの口金から紡出し、冷却温度10℃の水冷却浴槽で冷却した。得られた未延伸モノフィラメントを、170℃の乾熱炉60秒間通過させた直後に、ダイス口径0.35mmφのダイスに通過させた。ダイスによる延伸倍率が4.5倍になるよう延伸し、さらに140℃乾熱炉中で1.42倍(全延伸倍率6.4倍)に二段目延伸し、引き続いて155℃の乾熱炉中に0.87倍で通過させ熱処理を施すことにより、直径0.23mmのモノフィラメントを得た。このモノフィラメントの評価結果を表1に示す。
[実施例5〜7]
未延伸糸を予熱する乾熱路の温度を変更したこと以外は実施例4と同様の方法を用いモノフィラメントを得た。このモノフィラメントの評価結果を表1に示す。
未延伸糸を予熱する乾熱路の温度を変更したこと以外は実施例4と同様の方法を用いモノフィラメントを得た。このモノフィラメントの評価結果を表1に示す。
[実施例8]
熱可塑性樹脂をとしてポリカプラミド(東レ(株)製M1021T、溶液粘度(ηr)3.4、溶融時の密度1.00)を使用し、これをエクストルーダー型紡糸機で270℃にて溶融し、口径4.0mmφの口金から紡出し、冷却温度20℃の水冷却浴槽で冷却した。得られた未延伸モノフィラメントを、80℃の温水浴で50秒加熱し、温水浴でダイス口径3.0mmφのダイスに通過させた。ダイスによる延伸倍率が3.2倍になるように延伸した後、さらに200℃の乾熱炉で1.31倍に二段目延伸(全延伸倍率4.2倍)し、引き続いて、180℃の乾熱浴中に処理倍率0.95倍で通過させ熱処理を施すことにより、直径2mmのモノフィラメントを得た。このモノフィラメントの評価結果を表1に示す。
熱可塑性樹脂をとしてポリカプラミド(東レ(株)製M1021T、溶液粘度(ηr)3.4、溶融時の密度1.00)を使用し、これをエクストルーダー型紡糸機で270℃にて溶融し、口径4.0mmφの口金から紡出し、冷却温度20℃の水冷却浴槽で冷却した。得られた未延伸モノフィラメントを、80℃の温水浴で50秒加熱し、温水浴でダイス口径3.0mmφのダイスに通過させた。ダイスによる延伸倍率が3.2倍になるように延伸した後、さらに200℃の乾熱炉で1.31倍に二段目延伸(全延伸倍率4.2倍)し、引き続いて、180℃の乾熱浴中に処理倍率0.95倍で通過させ熱処理を施すことにより、直径2mmのモノフィラメントを得た。このモノフィラメントの評価結果を表1に示す。
[比較例1]
IV1.21のポリエチレンテレフタレート樹脂(東レ製T701T)を、通常のエクストルーダー型紡糸機で280℃にて溶融し、ギアポンプを経て口径10mmφの口金から紡出し、冷却浴槽温度70℃の水冷却浴槽で冷却した得られた未延伸糸を、95℃の温水浴で3倍に延伸し、95℃の2段目温水浴で全延伸倍率が4倍になるように延伸し、直径4.2mmのモノフィラメントを製造した。このモノフィラメントの評価結果を表1に示す。
IV1.21のポリエチレンテレフタレート樹脂(東レ製T701T)を、通常のエクストルーダー型紡糸機で280℃にて溶融し、ギアポンプを経て口径10mmφの口金から紡出し、冷却浴槽温度70℃の水冷却浴槽で冷却した得られた未延伸糸を、95℃の温水浴で3倍に延伸し、95℃の2段目温水浴で全延伸倍率が4倍になるように延伸し、直径4.2mmのモノフィラメントを製造した。このモノフィラメントの評価結果を表1に示す。
[比較例2]
ポリフッ化ビニリデン(ソルベイソレクシス(株)製SOLEF1013、MI(230℃、10kg)3.0g/10分、溶融時の密度1.48)を使用し、これをエクストルーダー型紡糸機で270℃にて溶融し、口径1.8mmφの口金から紡出し、冷却温度10℃の水冷却浴槽で冷却した。得られた未延伸モノフィラメントを170℃の乾熱炉で4.5倍になるよう延伸し、さらに140℃乾熱炉中で1.42倍(全延伸倍率6.4倍)に二段目延伸し、引き続いて155℃の乾熱炉中に0.87倍で通過させ熱処理を施すことにより、直径0.23mmのモノフィラメントを得た。このモノフィラメントの評価結果を表1に示す。
ポリフッ化ビニリデン(ソルベイソレクシス(株)製SOLEF1013、MI(230℃、10kg)3.0g/10分、溶融時の密度1.48)を使用し、これをエクストルーダー型紡糸機で270℃にて溶融し、口径1.8mmφの口金から紡出し、冷却温度10℃の水冷却浴槽で冷却した。得られた未延伸モノフィラメントを170℃の乾熱炉で4.5倍になるよう延伸し、さらに140℃乾熱炉中で1.42倍(全延伸倍率6.4倍)に二段目延伸し、引き続いて155℃の乾熱炉中に0.87倍で通過させ熱処理を施すことにより、直径0.23mmのモノフィラメントを得た。このモノフィラメントの評価結果を表1に示す。
[比較例3]
比較例4にて170℃の乾熱炉を170℃のポリエチレングリコールとした以外は、同様の方法を用いモノフィラメントを得た。このモノフィラメントの評価結果を表1に示す。
比較例4にて170℃の乾熱炉を170℃のポリエチレングリコールとした以外は、同様の方法を用いモノフィラメントを得た。このモノフィラメントの評価結果を表1に示す。
表1に示すとおり、実施例1〜8では良好な物性と延伸性を同時に得ることができる。さらに、有機系熱媒を用いていない系では環境面でも負荷の小さいモノフィラメント製造を行うことが可能になる。一方で、ダイスを使用せず延伸を行うものについては線径ムラがあったり、得られるモノフィラメントの物性が劣ったりしたモノフィラメントとなる。
本発明によれば、未延伸糸モノフィラメントの線径に関係なくネック点を固定させ、かつ均一に加熱することができるため、線径ムラやコブを抑制することができ、高強度の延伸モノフィラメントを得ることができる。
10 ダイス
12 未延伸モノフィラメント
14 ダイス部材
18 保持ケース
20 蓋体
22 ダイス孔
22a 導入部
22b 伸線部
22c 出口部
31 未延伸モノフィラメント
32 フィードローラー
33 予熱装置
34 ダイス
35 ドローローラー
36 乾熱炉
37 引取装置
12 未延伸モノフィラメント
14 ダイス部材
18 保持ケース
20 蓋体
22 ダイス孔
22a 導入部
22b 伸線部
22c 出口部
31 未延伸モノフィラメント
32 フィードローラー
33 予熱装置
34 ダイス
35 ドローローラー
36 乾熱炉
37 引取装置
Claims (5)
- 紡糸後の未延伸モノフィラメントを延伸するに際し、予熱された未延伸モノフィラメントを伸長しつつダイスを通過させてネック延伸することにより、断面積が0.0012〜300mm2の延伸モノフィラメントとなすことを特徴とするモノフィラメントの製造方法。
- 前記未延伸モノフィラメントの予熱を、湯浴、乾熱炉および水蒸気炉から選ばれたいずれかで行うことを特徴とする請求項1記載のモノフィラメントの製造方法。
- 前記未延伸モノフィラメントの予熱温度およびダイス温度を、該温度における未延伸モノフィラメントの定応力伸長時応力が20℃における未延伸モノフィラメントの定応力伸長時応力の1/35〜1/10となる温度とすることを特徴とする請求項1または2記載のモノフィラメントの製造方法。
- ダイスとドローローラー間の応力が延伸後の繊度に換算して0.3〜3.0cN/dtexであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のモノフィラメントの製造方法。
- 前記ダイスが、未延伸モノフィラメントを挿通するためのダイス孔を形成した略円柱形状のダイス部材から構成され、前記ダイス孔は、挿通される未延伸モノフィラメントの線径よりも大きな径となっている開口部と、この開口部から離れるに従って漸次径が狭まる導入部と、これら開口部および導入部の反対側に一体的に形成され、挿通される未延伸モノフィラメントの線径よりも小さな径となっている伸線部と、この伸線部の他端と一体的に形成され、伸線部の他端から離れるに従って漸次径が広がる出口部を有していることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のモノフィラメントの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008292652A JP2009138322A (ja) | 2007-11-14 | 2008-11-14 | モノフィラメントの製造方法 |
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JP2007295274 | 2007-11-14 | ||
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010150673A (ja) * | 2008-12-24 | 2010-07-08 | Toray Monofilament Co Ltd | フッ化ビニリデン系樹脂モノフィラメント及び釣り糸 |
CN103469409A (zh) * | 2013-09-11 | 2013-12-25 | 昆山市巴城镇顺拓工程机械配件厂 | 一种塑料纤维调整装置 |
JP5584932B2 (ja) * | 2011-11-02 | 2014-09-10 | スパイバー株式会社 | タンパク質繊維の製造方法 |
-
2008
- 2008-11-14 JP JP2008292652A patent/JP2009138322A/ja active Pending
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JP5584932B2 (ja) * | 2011-11-02 | 2014-09-10 | スパイバー株式会社 | タンパク質繊維の製造方法 |
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