JP2009134834A - ディスク・ドライブ装置及びそのクリアランス調整方法 - Google Patents

ディスク・ドライブ装置及びそのクリアランス調整方法 Download PDF

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誠一 荒木
Hidetsugu Tanaka
秀継 田中
Akihiro Sera
彰浩 世良
Kenichi Kuramoto
健一 蔵本
Yoshihiko Maeda
義彦 前田
Kenji Kuroki
賢二 黒木
Toru Aida
亨 相田
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Abstract

【課題】気圧に応じたヘッドとディスクとの間のクリアランス調整をより的確に行う。
【解決手段】本発明の一実施形態において、HDD1は、ヘッド・スライダ12上のヒータを使用して、ヘッド素子部と磁気ディスク11との間のクリアランスを調整する。ヒータからの熱によるヘッド素子部の熱膨張によってクリアランスが変化する。本形態のHDD1は、気圧変化に応じてクリアランスを調整する。気圧とヒータ・パワー効率との関係が特定されており、HDDはその関係に従って気圧に応じたヒータ・パワーを決定する。ヒータ・パワー効率は、気圧の減少に応じて増加する。
【選択図】図1

Description

本発明はディスク・ドライブ装置及びそのクリアランス調整方法に関し、特に、ディスク・ドライブ装置における気圧変化に対応したクリアランス調整に関する。
ディスク・ドライブ装置として、光ディスク、光磁気ディスク、あるいはフレキシブル磁気ディスクなどの様々な態様のディスクを使用する装置が知られているが、その中で、ハードディスク・ドライブ(HDD)は、コンピュータの記憶装置として広く普及し、現在のコンピュータ・システムにおいて欠かすことができない記憶装置の一つとなっている。さらに、コンピュータにとどまらず、動画像記録再生装置、カーナビゲーション・システムあるいは携帯電話など、HDDの用途はその優れた特性により益々拡大している。
HDDで使用される磁気ディスクは、同心円状に形成された複数のデータ・トラックとサーボ・トラックとを有している。各サーボ・トラックはアドレス情報を有する複数のサーボ・データから構成される。また、各データ・トラックには、ユーザ・データを含む複数のデータ・セクタが記録されている。円周方向に離間するサーボ・データの間に、データ・セクタが記録されている。揺動するアクチュエータに支持されたヘッド・スライダのヘッド素子部が、サーボ・データのアドレス情報に従って所望のデータ・セクタにアクセスすることによって、データ・セクタへのデータ書き込み及びデータ・セクタからのデータ読み出しを行うことができる。
磁気ディスクの記録密度を向上には、磁気ディスク上を浮上するヘッド素子部と磁気ディスクとの間のクリアランス(浮上高)及びその変化を小さくすることが重要である。このため、クリアランスを調整するいくつかの機構が提案されている。そのうちの一つは、ヘッド・スライダにヒータを備え、そのヒータでヘッド素子部を加熱することよってクリアランスを調整する(例えば、特許文献1を参照)。本明細書において、これをTFC(Thermal Flyheight Control)と呼ぶ。TFCは、ヒータに電流を供給して発熱させ、熱膨張によってヘッド素子部を突出させる。これによって、磁気ディスクとヘッド素子部との間のクリアランスを小さくする。
クリアランスは、温度変化に応じて変化するほか、気圧(高度)の変化に応じて変化する(例えば、特許文献2を参照)。リード/ライトにおけるクリアランス設定値が5nm以上である場合には、高度変化によるクリアランス変化は、クリアランス・マージンにより対応することができる。しかし、リード/ライトにおいて2あるいは3nm以下のクリアランスしか存在しない場合、温度変化に加えて、気圧変化に応じてクリアランスを調整することが要求される。
特開2006−190454号公報 特開2006−92709号公報
TFCは、温度の低下に応じてヒータ・パワーを増加して熱膨張によってヘッド素子部を突出させ、温度低下によるクリアランスの増加を補償する。これに対して、高度が上昇して気圧が低下すると、スライダの浮上高が低下する。このため、気圧の低下によりヘッド素子部と磁気ディスクとの間のクリアランスも減少する。従って、温度が一定であれば、TFCは気圧の低下に従って突出量を小さくする。
一般に、気圧とクリアランスとは線形関係にある。HDDは、気圧低下によるクリアランスの低下量に相当する突出量を実現するように、ヒータにパワーを供給する。ヒータ・パワーと突出量(クリアランス変化量)との関係は、HDD製造のテスト工程で測定によりヘッド・スライダ毎に決定することができる。具体的には、テスト工程は、ヒータ・パワーの変化に対するクリアランス変化を表すヒータ効率を測定し、その値をHDDに設定する。
テスト工程は一般に1気圧(高度0m)の環境下で実施される。発明者らは、1気圧下で測定したヒータ効率でクリアランス調整を行うと、1気圧とは異なる気圧下でのクリアランスが、設計により設定されたクリアランスとは異なることを見出した。これは、ヒータ効率が気圧によって変化することを意味する。従って、HDDのTFCにおいて、気圧と共に変化するヒータ効率に応じて、適切なヒータ・パワーを決定することが必要となる。特に、2あるいは3nm以下の低いクリアランスでリード/ライト処理を行うHDDにおいて、気圧に応じたヒータ・パワー効率の変化を補償することは重要である。
本発明の一態様に係るディスク・ドライブ装置は、ディスク上を浮上するスライダと、前記スライダ上にあり前記ディスクにアクセスするヘッド素子部と、前記スライダ上にあり前記ヘッド素子部と前記ディスクとの間のクリアランスを調整するヒータと、前記スライダを移動する移動機構と、前記ヒータ及び前記移動機構を制御するコントローラとを有する。前記コントローラは、気圧を決定し、気圧により変化するヒータ・パワー効率を表すデータを参照し、前記参照したデータと前記決定した気圧とに基づいて、ヒータ・パワーを決定する。これにより、気圧により変化するヒータ・パワー効率に応じて適切なクリアランス調整を行うことができる。
前記コントローラは、前記ヘッド素子部により読み出した信号のレゾリューションから気圧を決定する。これにより、気圧センサを使用することなく正確に気圧を測定することができる。
一般的なヘッド設計において、前記データは、前記ヒータ・パワー効率が気圧の低下に応じて増加することを示す。また、前記データが、前記ヒータ・パワー効率と気圧とが線形関係を有することを示ことで、効率的な処理で適切な制御を行うことができる。
前記データは、 前記データは、ヒータ・パワー値を表す数式を含み、前記数式は、温度によるクリアランス変化を前記ヒータ・パワー効率で除した値と、気圧によるクリアランス変化を前記ヒータ・パワー効率で除した値とを含む。これにより、適切なクリアランス制御を行うことができる。
本発明の他の態様は、ディスク・ドライブ装置において、スライダ上にあるヒータのヒータ・パワーを調整して、前記スライダ上のヘッド素子部とディスクとの間のクリアランスを調整する方法である。この方法は、気圧を決定し、気圧により変化するヒータ・パワー効率を表すデータを参照し、前記参照したデータと前記決定した気圧とに基づいて、ヒータ・パワーを決定する。これにより、気圧により変化するヒータ・パワー効率に応じて適切なクリアランス調整を行うことができる。
本発明によれば、気圧に応じたヘッドとディスクとの間のクリアランス調整をより的確に行うことができる。
以下に、本発明を適用した実施の形態を説明する。説明の明確化のため、以下の記載及び図面は、適宜、省略及び簡略化がなされている。又、各図面において、同一要素には同一の符号が付されており、説明の明確化のため、必要に応じて重複説明は省略されている。以下においては、ディスク・ドライブ装置の一例であるハードディスク・ドライブ(HDD)を例として、本発明の実施形態を説明する。
本形態のHDDは、TFC(Thermal Fly height Control)により、ヘッドの一例であるヘッド素子部とディスクの一例である磁気ディスクとの間のクリアランスを調整する。TFCは、スライダ上のヒータからの熱によるヘッド素子部の熱膨張によってクリアランスを調整する。本形態のTFCは、気圧変化に応じてクリアランスを調整する。特に、本形態のHDDにおいては気圧とヒータ・パワー効率との関係が特定されており、HDDはその関係に従って気圧に応じたヒータ・パワーを決定する。
本形態のTFCの詳細を説明する前に、HDDの全体構成を説明する。図1は、HDD1の全体構成を模式的に示すブロック図である。HDD1は、エンクロージャ10内に、データを記憶するディスクである磁気ディスク11を有している。スピンドル・モータ(SPM)は、磁気ディスク11を所定の角速度で回転する。磁気ディスク11の各記録面に対応して、磁気ディスク11にアクセス(リードあるいはライト)するヘッド・スライダ12が設けられている。アクセスは、リード及びライトの上位概念である。各ヘッド・スライダ12は、磁気ディスク上を浮上するスライダと、スライダに固定され磁気信号と電気信号との間の変換を行うヘッド素子部とを備えている。
本形態のヘッド・スライダ12は、熱によってヘッド素子部を膨張・突出させ、磁気ディスク11との間のクリアランス(浮上高)を調整するTFCのためのヒータを備えている。ヘッド・スライダ12の構造については、後に図2を参照して詳述する。各ヘッド・スライダ12はアクチュエータ16の先端部に固定されている。アクチュエータ16はボイス・コイル・モータ(VCM)15に連結され、回動軸を中心に回動することによって、ヘッド・スライダ12を回転する磁気ディスク11上においてその半径方向に移動する。アクチュエータ16とVCM15とは、ヘッド・スライダ12の移動機構である。
エンクロージャ10の外側に固定された回路基板20上には、回路素子が実装されている。モータ・ドライバ・ユニット22は、HDC/MPU23からの制御データに従って、SPM14及びVCM15を駆動する。RAM24は、リード・データ及びライト・データを一時的に格納するバッファとして機能する。エンクロージャ10内のアーム電子回路(Arm Electronics:AE)13は、複数のヘッド・スライダ12の中から磁気ディスク11へのアクセスを行うヘッド・スライダ12を選択し、その再生信号を増幅してリード・ライト・チャネル(RWチャネル)21に送る。また、RWチャネル21からの記録信号を選択したヘッド・スライダ12に送る。AE13は、さらに、選択したヘッド・スライダ12のヒータへ電力を供給し、その電力量を調節する調節回路として機能する。
RWチャネル21は、リード処理において、AE13から供給されたリード信号を一定の振幅となるように増幅し、取得したリード信号からデータを抽出し、デコード処理を行う。読み出されるデータは、ユーザ・データとサーボ・データとを含む。デコード処理されたリード・ユーザ・データ及びサーボ・データは、HDC/MPU23に供給される。また、RWチャネル21は、ライト処理において、HDC/MPU23から供給されたライト・データをコード変調し、更にコード変調されたライト・データをライト信号に変換してAE13に供給する。
コントローラの一例であるHDC/MPU23は、リード/ライト処理制御、コマンド実行順序の管理、サーボ信号を使用したヘッド・スライダ12のポジショニング制御(サーボ制御)、ホスト51との間のインターフェース制御、ディフェクト管理、エラーが発生した場合のエラー対応処理など、データ処理に関する必要な処理及びHDD1の全体制御を実行する。特に、本形態のHDC/MPU23は、温度センサ17の検出温度に従って温度応じてTFCを行い、さらに、気圧に応じたTFCを行う。また、気圧に応じたTFCは、気圧変化によるヒータ・パワー効率の変化を補償するようにヒータ・パワーを決定する。本形態のTFCにおけるヒータ・パワー値の決定については後に説明する。
図2は、ヘッド・スライダ12の空気流出端面(トレーリング側端面)121近傍の構成を示す断面図である。スライダ123はヘッド素子部122を支持する。ヘッド素子部122は、リード素子32とライト素子31とを有している。ライト素子31は、ライト・コイル311を流れる電流で磁極312間に磁界を生成し、磁気データを磁気ディスク11に書き込む。リード素子32は磁気異方性を有する磁気抵抗素子32aを備え、磁気ディスク11からの磁界によって変化する抵抗値によって磁気データを読み出す。
ヘッド素子部122は、スライダ123を構成するアルチック(AlTiC)基板に薄膜形成プロセスにより形成される。磁気抵抗素子32aは磁気シールド33a、33bによって挟まれており、ライト・コイル311は絶縁膜313で囲まれている。ライト素子31とリード素子32の周囲にアルミナなどの保護膜34が形成されている。ライト素子31及びリード素子32の近傍にはヒータ124が存在する。パーマロイなどを使用した薄膜抵抗体を蛇行させ、間隙をアルミナで埋めてヒータ124を形成することができる。
AE13がヒータ124に電流を流すと、ヒータ124の熱によってヘッド素子部122の近傍が突出変形する。例えば、非加熱時において、ヘッド・スライダ12のABS面35はS1で示される形状であり、ヘッド素子部122と磁気ディスクとの間の距離であるクリアランスはC1で示されている。ヒータ124加熱時における突出形状S2を破線で示す。ヘッド素子部122が磁気ディスク11に近づき、このときのクリアランスC2はクリアランスC1よりも小さい。図2は概念図であり、寸法関係は正確ではない。ヘッド素子部122の突出量やクリアランスは、ヒータ124に供給するヒータ・パワー値に従って変化する。
以下において、本形態のTFCついてより詳細に説明する。本形態のHDC/MPU23は、温度及び気圧に応じたTFCを行う。ヒータ124に加えられるヒータ・パワーPは、温度に依存するヒータ・パワーP(t)と、気圧に依存するヒータ・パワーP(p)の和(P(t)+P(p))で表される。なお、以下に説明するように、定数項は、いずれかの数式内に組み込まれ、また、各数式の係数は、温度や気圧などの環境条件、ヘッド・スライダ12あるいはその半径位置に応じて変化しうる。HDD1にはヒータ・パワーPを決定するためのデータが設定されており、HDC/MPU23は、そのデータを参照することで、環境条件、動作条件に応じたヒータ・パワーを決定する。
クリアランスを変化させる環境条件は、温度及び気圧の他に湿度を含むが、実質的な変化は温度と気圧によるものであり、以下において湿度による変化はないものと仮定して説明する。また、半径位置に応じて、クリアランス及び各係数は変化しうるが、以下の説明においては、ヒータ・パワーと温度及び気圧との関係、特にヒータ・パワー効率と気圧との関係について特に着目し、ヘッド・スライダ12が同一半径位置にある場合について説明を行い、半径位置による変化がない場合を説明する。
クリアランスCは、ヒータ・パワー0におけるクリアランスC0と、ヒータ・パワーP及びヒータ・パワー効率effにより、以下の(数式1)で表される。
C=C0−P×eff (数式1)
ヒータ・パワー効率effはリード/ライト処理におけるヒータ・パワー効率であり、気圧の関数である。P×effはヒータ・パワーPにおけるクリアランス変化量を示している。クリアランスC0は、温度や気圧などの環境条件によって変化する。従って、以下の(数式2)が成立する。
C0=C0[BASE]−dt×t_comp−dp×p_comp (数式2)
C0[BASE]は基準状態におけるC0であり、dtは基準状態からの温度変化量、t_compは温度に対するクリアランス変化率、dpは基準状態からの気圧変化、p_compは気圧に対するクリアランス変化率である。dt×t_compは温度変化によるクリアランス変化量を示し、dp×p_compは気圧変化によるクリアランス変化量を示している。基準状態は、典型的には、30℃(室温)、1気圧(高度0m)の状態である。t_compとp_compの符号は逆である。
上記(数式1)と(数式2)とから、以下の(数式3)が成立する。
C=C0[BASE]−dt×t_comp
−dp×p_comp−P×eff (数式3)
ここで、C0[BASE]は、(TDP×eff[BASE])で表される。TDPは、基準状態においてクリアランスが0となるヒータ・パワーである。また、クリアランスCがターゲット・クリアランス(Target)であるとすると、次の(数式4)が成立する。
P=(TDP×eff[BASE]−Target
−dt×t_comp−dp×p_comp)/eff (数式4)
HDC/MPU23は、(数式4)から、測定温度及び気圧におけるヒータ・パワーPを決定する。本形態において、ヒータ・パワー効率effは気圧の関数であり、TDP、t_comp及びp_compは気圧による変化はないと考える。TDPは、HDD1の製造におけるテスト工程で特定することができる。t_comp及びp_compは、典型的には、HDD1の設計開発において決定される。
ヒータ・パワー効率effは気圧によって変化し、一般的に、気圧の低下と共に増加する。図3(a)及び図3(b)は、気圧変化に対する、ヘッド素子部122の突出量PR及びスライダ123の浮上量FHの変化を示している。図3(b)における気圧は、図3(a)における気圧よりも小さい。図3(a)において、ヒータ・パワーによるヘッド素子部122の突出量はPRa、スライダ123の浮上高はFHa、ヘッド素子部122と磁気ディスク11との間のクリアランスはCaである。図3(b)において、ヒータ・パワーによるヘッド素子部122の突出量はPRb、スライダ123の浮上高はFHb、ヘッド素子部122と磁気ディスク11との間のクリアランスはCbである。
図3(a)の状態と図3(b)の状態との間における相違は気圧のみであり、温度及びヒータ・パワーは同一である。気圧の低下によりスライダ123の浮上高が減少し、ヘッド素子部122の突出量が増加する。つまり、FHa>FHb、PRa<PRbの各関係が成立する。従って、気圧の低下におるクリアランスの変化量(Ca−Cb)は、スライダ浮上高の減少量(FHa−FHb)と突出量の増加量(PRb−PRa)の和である。
気圧とヒータ・パワー効率の間の関係は、一次関数で近似することができる。図4は、気圧とヒータ・パワー効率の関係を示す図である。気圧の低下に従って、ヒータ・パワー効率が増加する。ヒータ・パワー効率と気圧との関係は、次の(数式5)で表される。
eff=eff[BASE]×(1+α×dp) (数式5)
αは定数である。従って、基準状態のヒータ・パワーP[BASE]を(1+α×dp)で除する(P[BASE]/(1+α×dp))ことにより、気圧補償を行うことができる。
基準状態におけるヒータ・パワー効率eff[BASE]は、HDD1の製造におけるテスト工程において、ヘッド・スライダ12毎に測定することができる。また、係数αはHDD1の製造におけるテスト工程において測定により決定する、あるいは、HDD1の設計開発において係数αを特定し、同一設計の全てのHDDに同一の値を適用することができる。なお、ヒータ・パワー効率effが温度あるいは半径位置(ゾーン)に応じて変化する場合、(数式5)のヒータ・パワー効率effは、気圧以外の条件による補正を行った後のヒータ・パワー効率effを気圧補正したものと考えることができる。
HDC/MPU23は、温度の測定には温度センサ17を使用し、その検出温度に応じてヒータ・パワーPを制御する。HDD1は、気圧測定のために気圧センサ(高度センサ)を有することができる。しかし、気圧センサの使用は、HDD1の部品点数とコストの増加につながる。従って、好ましくは、HDC/MPU23は、HDD1の動作パラメータの変化により、気圧を測定することが好ましい。
好ましくは、HDC/MPU23は、クリアランスを測定することによって、気圧に応じたTFCを行う。クリアランスは、気圧に応じて変化する。そのため、HDC/MPU23はクリアランスを測定し、そのクリアランス変化から気圧変化を特定する。クリアランスは温度によっても変化するため、HDC/MPU23は、測定したクリアランスから温度変化によるクリアランス変化を補正することで、気圧変化によるクリアランス変化を特定することができる。なお、各値の変化は、上記基準状態からの変化である。
具体的には、HDC/MPU23は、次の(数式6)が成立するようにヒータ・パワーPを決定する。
P=(TDP×eff[BASE]−Target
−dt×t_comp+dc)/eff (数式6)
(数式6)におけるdcは、基準状態からの温度について補正されたクリアランス変化である。この温度補正したクリアランス変化dcは、気圧変化によるクリアランス変化に対応する。
HDD1は、クリアランス、あるいは基準状態からのクリアランス変化(温度補正前のクリアランス変化)を、ヘッド・スライダ12のリード信号から特定する。より具体的には、リード信号のレゾリューション(周波数成分の分解能)から、クリアランスを特定する。例えば、レゾリューションは、リード信号における特定の低周波信号と高周波信号の比で表すことができる。気圧変化あるいは気圧変化によるクリアランス変化を特定するためのいくつかの動作パラメータがあるが、その中において、レゾリューションを使用したクリアランス変化の特定が、最も正確な方法の一つであるからである。クリアランスが小さくなると、リード信号の高周波成分の振幅が大きくなり、信号解像度、つまりレゾリューションが高くなる。
レゾリューションとクリアランスとは線形関係にあり、クリアランスをレゾリューションの一次関数で表すことができる。典型的には、レゾリューションとクリアランスとを結びつける一次関数は、個々のヘッド・スライダ12毎に異なる。各ヘッド・スライダ12のレゾリューションとクリアランスとの間の関係は、HDD1の製造におけるテスト工程において特定し、その関係に応じた制御パラメータをHDD1に登録する。
HDC/MPU23は、リード信号を解析し、高周波信号ゲイン(振幅)と低周波信号ゲイン(振幅)の比を算出することで、レゾリューションを特定することができる。しかし、その処理をHDC/MPU23が行うためには、通常動作に必要な機能の他に付加的な機能を必要とする。また、MPUがその処理を行うには多くの処理時間を必要とする。従って、HDD1に実装されている機能を利用してレゾリューションの測定を行うことが好ましい。RWチャネル21は、リード信号から正確にデータを抽出するために、リード信号の再生波形を調整する機能を有している。RWチャネル21は、デジタルフィルタを使用してこの波形整形を行う。
RWチャネル21に実装されるデジタルフィルタにおいて、再生信号の周波数成分を補正するデジタルフィルタ(アダプティブコサイン・フィルタ)が知られている。RWチャネル21は、リード信号の測定結果からこのフィルタのタップ値を補正する。この補正値はクリアランス(レゾリューション)と一次の関係にあり、レゾリューションを表す値である。なお、このデジタルフィルタは、特開平5−81807や米国特許5168413に開示されているように既存の技術であり、詳細な説明を省略する。HDC/MPU23は、この補正値を参照することで、クリアランス変化を特定することができる。以下において、この補正値をKgradと呼ぶ。
以下の説明において、HDC/MPU23は、チャネル・パラメータの一つであるKgradを参照してクリアランス(クリアランス変化)を特定するが、HDC/MPU23は、レゾリューションを表す他のチャネル・パラメータを使用してもよい。例えば、RWチャネル21が、特定パターンの再生信号を基準パターンに復元するためのデジタルフィルタを有している場合、HDC/MPU23は、そのデジタルフィルタのタップの補正係数におけるレゾリューション成分の補正値を、クリアランスの特定に使用することができる。
図5は、Kgradと、クリアランス、ヒータ・パワーそして気圧(高度)との関係を模式的に示している。Kgradは、温度補正された後の値である。温度によってクリアランスが変化すると共に、RWチャネル21のチャネル特性も変化する。このため、Kgradは、温度変化により上記二つの要因で変化する。温度補正したKgradは、このような温度変化による変化分を除いた値である。図5に示すように、上記の各値と、補正後のKgradとは、互いに線形の関係にある。従って、HDC/MPU23は、上記いずれかの値から他の値を直接に特定することができ、一つの値が他の値を表すことができる。
図5のグラフから理解されるように、クリアランス変化と温度補正されたKgradとは、以下の数式5の関係を満足する。
dc=(dKgrad/k_slope)×eff[Kgrad] (数式7)
k_slopeは図5のグラフにおける傾きであり、dKgrad/k_slopeはヒータ・パワーを表す。eff[Kgrad]は、Kgrad測定におけるヒータ・パワー効率である。典型的には、HDD1の製造におけるテスト工程において、各ヘッド・スライダ12に対するk_slope及びeff[Kgrad]を特定する。HDC/MPU23は、測定したKgradから、クリアランス変化を算出し、ヒータ・パワーの決定に使用する。
HDC/MPU23は、Kgrad測定して気圧を決定する。具体的には、HDC/MPU23は、ヒータ・パワー0におけるKgradを測定し、その値を検出温度により補正する。Kgradの温度による補正係数は、HDD1内に予め設定されている。この補正係数は、典型的には、HDD1の設計開発において決定される。RWチャネル21は、ヘッド・スライダ12のリード信号からKgradを算出し、それをRWチャネル21内のレジスタに格納する。HDC/MPU23は、RWチャネル21のレジスタにアクセスして、Kgradを取得する。好ましくは、Kgradの測定を複数回行い、複数の測定値からクリアランス特定のための値を算出する。好ましい例において、HDC/MPU23は、複数測定値の平均値を使用する。
次に、HDC/MPU23は、基準状態(例えば、30℃、1気圧)における温度補正したKgradと、測定したKgradを温度補正した値との差分から、現在の気圧を決定する。HDC/MPU23は、予め設定されている係数を使用して、Kgradの差分の相当する気圧変化量を特定する。HDC/MPU23は、(数式5)に従って、気圧の測定値からヒータ・パワー効率effを算出する。以上の処理により、HDC/MPU23は、温度補正したKgradの変化量dKgradと、ヒータ・パワー効率eff、そして温度変化dtとを取得し、(数式6)が成立するようにヒータ・パワーPを決定する。
以上、本発明を好ましい実施形態を例として説明したが、本発明が上記の実施形態に限定されるものではない。当業者であれば、上記の実施形態の各要素を、本発明の範囲において容易に変更、追加、変換することが可能である。述のように、リード信号、特にレゾリューションを使用して気圧変化を測定することが好ましいが、SPM電流などの他の動作パラメータを使用して気圧変化を測定してもよい。本発明は、リード素子のみを備えるヘッド・スライダを実装するHDDに、あるいは、HDD以外のディスク・ドライブ装置に適用してもよい。ヒータ・パワー効率と気圧との間の関係など、HDDの製造工程において特定する各値間の関係を、出荷後のHDDが、起動時などのタイミングで行うようにしてもよい。
本実施形態において、HDDの全体構成を模式的に示すブロック図である。 本実施形態において、TFCのためのヒータを備えたヘッド・スライダの構成を模式的示す断面図である。 気圧変化に対するヘッド素子部の突出量及びスライダの浮上量FHの変化を模式的に示す図である。 本実施形態において、気圧とヒータ・パワー効率の関係を示す図である。 本実施形態において、Kgrad、クリアランス、ヒータ・パワーそして気圧(高度)の関係を模式的に示す図である。
符号の説明
1 ハードディスク・ドライブ、10 エンクロージャ、11 磁気ディスク
12 ヘッド・スライダ、14 スピンドル・モータ、15 ボイス・コイル・モータ
16 アクチュエータ、20 回路基板、21 リード・ライト・チャネル
22 モータ・ドライバ・ユニット、23 ハードディスク・コントローラ/MPU
24 RAM、31 ライト素子、32 リード素子、32a 磁気抵抗素子
33a、b シールド、34 保護膜、51 ホスト、121 トレーリング側端面
122 ヘッド素子部、123 スライダ、124 ヒータ、311 ライト・コイル
312 磁極、313 絶縁膜

Claims (10)

  1. ディスク上を浮上するスライダと、
    前記スライダ上にあり前記ディスクにアクセスするヘッド素子部と、
    前記スライダ上にあり前記ヘッド素子部と前記ディスクとの間のクリアランスを調整するヒータと、
    前記スライダを移動する移動機構と、
    前記ヒータ及び前記移動機構を制御するコントローラと、を有し、
    前記コントローラは、
    気圧を決定し、
    気圧により変化するヒータ・パワー効率を表すデータを参照し、
    前記参照したデータと前記決定した気圧とに基づいて、ヒータ・パワーを決定する、
    ディスク・ドライブ装置。
  2. 前記コントローラは、前記ヘッド素子部により読み出した信号のレゾリューションから気圧を決定する、
    請求項1に記載のディスク・ドライブ装置。
  3. 前記データは、前記ヒータ・パワー効率が気圧の低下に応じて増加することを示す、
    請求項1に記載のディスク・ドライブ装置。
  4. 前記データは、前記ヒータ・パワー効率と気圧とが線形関係を有することを示す、
    請求項3に記載のディスク・ドライブ装置。
  5. 前記データは、ヒータ・パワー値を表す数式を含み、
    前記数式は、温度によるクリアランス変化を前記ヒータ・パワー効率で除した値と、気圧によるクリアランス変化を前記ヒータ・パワー効率で除した値とを含む、
    請求項2に記載のディスク・ドライブ装置。
  6. ディスク・ドライブ装置において、スライダ上にあるヒータのヒータ・パワーを調整して、前記スライダ上のヘッド素子部とディスクとの間のクリアランスを調整する方法であって、
    気圧を決定し、
    気圧により変化するヒータ・パワー効率を表すデータを参照し、
    前記参照したデータと前記決定した気圧とに基づいて、ヒータ・パワーを決定する、
    方法。
  7. 前記ヘッド素子部により読み出した信号のレゾリューションから気圧を決定する、
    請求項6に記載の方法。
  8. 前記データは、前記ヒータ・パワー効率が気圧の低下に応じて増加することを示す、
    請求項6に記載の方法。
  9. 前記データは、前記ヒータ・パワー効率と気圧とが線形関係を有することを示す、
    請求項8に記載の方法。
  10. 前記データは、ヒータ・パワー値を表す数式を含み、
    前記数式は、温度によるクリアランス変化を前記ヒータ・パワー効率で除した値と、気圧によるクリアランス変化を前記ヒータ・パワー効率で除した値とを含む、
    請求項6に記載の方法。
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