JP2009223991A - ヘッドスライダの浮上量制御方法、および情報記憶装置 - Google Patents

ヘッドスライダの浮上量制御方法、および情報記憶装置 Download PDF

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Abstract

【課題】ヘッドスライダにおける磁気ヘッド搭載部分の、磁気ディスク等の記憶媒体からの浮上量を、気圧の影響を高精度に反映して調整する。
【解決手段】気圧とヘッドスライダ120に内蔵されたヒータ123のヒータ感度との相関関係を示す第1の相関テーブルと、気圧とヘッドスライダ120における磁気ヘッド搭載部分の浮上量との相関関係を示す第2の相関テーブルとをメモリ160に予め格納して置き、常圧環境下と減圧環境下との間のヒータ感度の差を第1の相関テーブルより算出し、その差から、気圧変化量を算出し、その気圧変化量と上記の第2の相関テーブルより、その気圧変化量に起因する浮上量の変化量を算出して上記のヒータ123を制御し、ヘッドスライダ120における磁気ヘッド搭載部分の浮上量を調整する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、磁気ディスク等の記憶媒体に対し情報の記録や再生を行う磁気ヘッドを備えたヘッドスライダの、その記憶媒体からの浮上量を制御するヘッドスライダの浮上量制御方法と、そのような制御方法を採用した情報記憶装置とに関する。
コンピュータの分野では、日常的に多量の情報が取り扱われるようになっており、このような多量の情報を記録再生する情報記憶装置の1つとして、ハードディスク装置(HDD:Hard Disk Drive)が使用されている。このHDDには、磁性材料の磁化状態で情報が記録されるディスク状の記憶媒体である磁気ディスクと、この磁気ディスクへの情報の記録および磁気ディスクからの情報の再生を行なう磁気ヘッドとが内蔵されている。
磁気ヘッドは、磁気ディスクに記録情報に応じた磁界を印加することで情報を記録し、磁気ディスク内の磁化が発する微弱な磁界を検出することで情報の再生を行う。磁気ヘッドは、所定の金属ブロックであるヘッドスライダに搭載されており、上記の処理は、このヘッドスライダが磁気ディスクから浮上した状態、即ち、磁気ヘッドが磁気ディスクから浮上した状態で行なわれる。ここで、情報の記録時あるいは再生時の、ヘッドスライダにおける磁気ヘッド搭載部分の磁気ディスクからの浮上量は、高速で回転する磁気ディスクの表面とヘッドスライダとの間を流れる空気の流れ等の影響を受けて変動することがある。このヘッドスライダにおける磁気ヘッド搭載部分の浮上量が過度に変動すると、情報の記録や再生の質が低下してしまい問題である。
一般的に、ヘッドスライダの形状は、ヘッドスライダ全体の磁気ディスクからの浮上量が安定するような形状に成形されていることが多い。しかし、近年では、ヘッドスライダの小型化が進み、形状の工夫だけでは、この浮上量を安定させることが困難となっている。
ここで、磁気ヘッドには情報記録用の磁界を発生させるためのコイルが備えられている。このとき、情報の記録時に、このコイルに電流が流れることによるジュール熱に起因して、ヘッドスライダにおける磁気ヘッド搭載部分に熱膨張が生じ、そのためにこの部分の磁気ディスクからの浮上量が減少するTPTP(Thermal Pole Tip Protrusion)という現象が起きることが知られている(例えば、特許文献1参照)。
このTPTPを積極的に利用して浮上量が安定するように精密に制御するために、例えば、ヘッドスライダ内にヒータを埋め込み、そのヒータの発熱によりTPTPを生じさせ、それによりヘッドスライダにおける磁気ヘッド搭載部分を磁気ディスクの表面に向かって精密に突出させたり戻したりすることでこの部分の浮上量を調整する浮上量制御機構等が提案されている。
ところで、近年ではコンピュータの普及が進み、様々な環境下でコンピュータが使用されるようになっている。ここで、上述したヘッドスライダの浮上量は、コンピュータ内の気圧の影響を強く受ける。一般に、使用場所の高度が高いこと等によりコンピュータ内の気圧が低いときには、ヘッドスライダの浮上量は、常圧環境下での浮上量に比べて小さいことが多い。このため、上記のような浮上量制御機構でヘッドスライダにおける磁気ヘッド搭載部分の浮上量を調整するに際し、コンピュータ内の気圧が非常に低い減圧状態にあるときに磁気ヘッド搭載部分の浮上量に対して常圧環境下と同様の調整を行うと、この部分を磁気ディスクに近付け過ぎてしまい、極端な場合には、この部分が磁気ディスクに接触してしまう等といった不具合が発生するおそれがある。
このような気圧の変化に応じてヘッドスライダにおける磁気ヘッド搭載部分の浮上量を調整するには、コンピュータ内の気圧を把握する必要がある。従来、コンピュータ内の気圧を把握する技術としては、例えば、磁気ディスクを回転させるスピンドルモータへの動作電流が、気圧に応じた空気の粘性の影響を受けることに注目し、このスピンドルモータへの動作電流の値からコンピュータ内の気圧を把握する技術(例えば、特許文献2参照)や、ヘッドスライダを磁気ディスク上の所定位置に磁気ディスクの回転に抗して止める機構への動作電流が、気圧に応じた空気の粘性の影響を受けることに注目し、この機構への動作電流の値からコンピュータ内の気圧を把握する技術(例えば、特許文献3参照)等が提案されている。
特許第3927538号公報 特開2002−150744号公報 特許第2983009号公報
しかしながら、上記の特許文献に開示されている方法では、ヘッドスライダにおける僅かな熱膨張を利用して、そのヘッドスライダにおける磁気ヘッド搭載部分の浮上量を制御する上記の技術に利用するには精度が低く問題である。
本発明は、上記事情に鑑み、ヘッドスライダにおける磁気ヘッド搭載部分の、磁気ディスク等の記憶媒体からの浮上量を、気圧の影響を高精度に反映して調整することができるヘッドスライダの浮上量制御方法と、そのような制御方法を採用した情報記憶装置とを提供することを目的とする。
上記目的を達成するヘッドスライダの浮上量制御方法の基本形態は、
浮上量を制御する加熱素子を有するヘッドスライダの浮上量制御方法であって、
気圧と上記ヘッドスライダの加熱素子感度(mW/nm)との第1の相関値を計測するステップと、
気圧と上記ヘッドスライダの浮上量との第2の相関値を計測するステップと、
上記第1の相関値より常圧時の基準加熱素子感度値を算出するステップと、
上記ヘッドスライダの浮上時に、上記加熱素子の加熱素子感度を計測し、上記基準加熱素子感度値との差を算出して、上記第1の相関値より気圧変化量を算出するステップと、
上記気圧変化量と上記第2の相関値より上記ヘッドスライダの浮上量の変化量を算出して、上記加熱素子を制御し、上記ヘッドスライダの浮上量を調整するステップと、
を備えることを特徴とする。
このヘッドスライダの浮上量制御方法の基本形態によれば、上記加熱素子の加熱による熱膨張で上記ヘッドスライダにおける上記磁気ヘッドの搭載部分(磁気ヘッド搭載部分)の浮上量を調整することができる。このとき、この磁気ヘッド搭載部分の浮上量を単位長さだけ減少させるための加熱に要する上記加熱素子への供給電力である加熱素子感度は、周辺の気圧の変化に応じて変化することが経験上知られている。この加熱素子感度は一般的に高い精度で求めることができるが、上記の基本形態によれば、常圧時の加熱素子感度である上記基準加熱素子感度値からの変化量である上記差に基づいて気圧変化量が算出されるので、この気圧変化量を高い精度で求めることができる。そして、その気圧変化量を使って上記ヘッドスライダにおける磁気ヘッド搭載部分の浮上量が調整される。つまり、上記の基本形態によれば、この磁気ヘッド搭載部分の、磁気ディスク等の記憶媒体からの浮上量を、気圧の影響を高精度に反映して調整することができる。
ここで、上記の基本形態に対し、
「上記基準加熱素子感度値との差に対して閾値を設け、その差が上記閾値を越えた時に、上記ヘッドスライダの浮上量を調整する」という応用形態は好適である。
この好適な応用形態によれば、上記気圧変化量を使った浮上量の高精度の調整が、上記差が上記閾値を越えた時に、即ち、上記気圧変化量が、例えば浮上量の調整に影響を及ぼすほど大きくなったときに実行されるので、上記のような高精度の調整を効率的に行うことができる。
また、上記の基本形態に対し、
「上記第1の相関値または、上記第2の相関値の計測方法は、タッチダウン方式である」という応用形態も好適である。
タッチダウン方式とは、上記加熱素子の加熱によって上記ヘッドスライダにおける磁気ヘッド搭載部分に、その磁気ヘッド搭載部分が磁気ディスク等の記憶媒体に接するまで熱膨張を生じさせることで、非加熱時におけるこの磁気ヘッド搭載部分の浮上量を求める方式である。上記の好適な応用形態によれば、気圧と上記ヘッドスライダの浮上量との第2の相関値を、このようなタッチダウン方式により簡単に求めることができる。
また、上記目的を達成する情報記憶装置の基本形態は、
記録再生素子と、浮上量を制御する加熱素子とを有するヘッドスライダと、
情報を記憶する記憶媒体と、
メモリを有する制御回路であって、
気圧と上記ヘッドスライダの加熱素子感度(mW/nm)との第1の相関値を計測して上記メモリに保管し、
気圧と上記ヘッドスライダの浮上量との第2の相関値を計測して上記メモリに保管し、
上記第1の相関値より常圧時の基準加熱素子感度値を算出して上記メモリに保管し、
上記ヘッドスライダの浮上時に、上記加熱素子の加熱素子感度を計測し、上記基準加熱素子感度値との差を算出して、上記第1の相関値より気圧変化量を算出して上記メモリに保管し、
上記気圧変化量と上記第2の相関値より上記ヘッドスライダの浮上量の変化量を算出して、上記加熱素子を制御し、上記ヘッドスライダの浮上量を調整する制御回路と、
を備えることを特徴とする。
この情報記憶装置の基本形態によれば、上記ヘッドスライダにおける磁気ヘッド搭載部分の、磁気ディスク等の記憶媒体からの浮上量に対する調整を、上記制御回路において、上述のヘッドスライダの浮上量制御方法の基本形態を用いて、気圧の影響を高精度に反映して調整することができる。
なお、情報記憶装置については、ここではその基本形態のみを示すのにとどめるが、これは単に重複を避けるためであり、情報記憶装置には、上記の形態のみではなく、前述したヘッドスライダの浮上量制御方法の各形態に対応する各種の形態が含まれる。
以上、説明したように、本発明によれば、ヘッドスライダにおける磁気ヘッド搭載部分の、磁気ディスク等の記憶媒体からの浮上量を、気圧の影響を高精度に反映して調整することができる。
基本形態および応用形態について上記説明したヘッドスライダの浮上量制御方法および情報記憶装置に対する具体的な実施形態を、以下図面を参照して説明する。
図1は、情報記憶装置に対する具体的な実施形態である磁気ディスク装置を示すブロック図である。
この図1では、この磁気ディスク装置100が、後述のヘッドスライダ120の磁気ディスク110からの浮上量を調整する浮上量制御機能に注目した機能ブロックで示されており、情報の再生機能や記録機能を担う構成要素等については図の簡単化のために図示が省略されている。
この磁気ディスク装置100は、磁性材料の磁化状態で情報が記録されるディスク状の記憶媒体である磁気ディスク110、および、情報の記録を行う磁気ヘッドである記録ヘッド121と情報の再生を行う磁気ヘッドである再生ヘッド122とが搭載されたヘッドスライダ120を備えている。また、ヘッドスライダ120には、このヘッドスライダ120を内部から加熱して、記録ヘッド121および再生ヘッド122の搭載部分を熱膨張させるヒータ123が埋め込まれている。
図2は、図1に示すヘッドスライダ120の詳細を示す断面図である。
この図2示すように、ヘッドスライダ120の先端部分120aに、記録ヘッド121と再生ヘッド122とが搭載されており、両者の間にヒータ123が配置されている。外部からの供給電力を受けてヒータ123が発熱すると、ヘッドスライダ120の先端部分120aに熱膨張が生じる。その結果、この先端部分120aが、図中に点線で示すように、記録ヘッド121や再生ヘッド122と共に磁気ディスク110に向かって突出する。本実施形態では、ヘッドスライダ120における、記録ヘッド121と再生ヘッド122との搭載部分であって、上記の熱膨張によって突出する先端部分120aと磁気ディスク110との間の間隔Fを、ヘッドスライダ120の浮上量と呼ぶ。
ここで、情報の再生時に再生ヘッド122が感じる磁気ディスク110からの磁界の強度は、再生ヘッド122が磁気ディスク110に近付くほど強くなるので、再生時に再生ヘッド122で得られる再生信号の信号レベルは、再生ヘッド122が磁気ディスク110に近付くほど大きくなる。記録ヘッド121や再生ヘッド122は、ヘッドスライダ120の先端部分120aの突出量が多いほど、即ちヘッドスライダ120の浮上量が小さいほど磁気ディスク110に近付く。つまり、上記の再生信号の信号レベルは、ヘッドスライダ120の浮上量が小さいほど大きくなる。
ここで、本実施形態では、ヒータ123の非発熱時におけるヘッドスライダ120の浮上量が、再生信号の信号レベルが所定の基準レベルよりも十分小さくなるように構成されている。そして、情報の記録時や再生時には、このヘッドスライダ120の浮上量が、ヒータ123への供給電力を後述のように調整することで、再生信号の信号レベルが基準レベルとなる基準浮上量に調整される。
さらに、図1の磁気ディスク装置100は、記録ヘッド121による情報の記録や再生ヘッド122による情報の再生を制御するヘッドIC130と、再生ヘッド122で得られた再生信号をこの磁気ディスク装置100内の各所に送るリードチャネル140と、このリードチャネル140から送られてくる再生信号に基づいてヒータ123への供給電力を調整してヘッドスライダ120の浮上量を基準浮上量に調整する浮上量制御部150と、この浮上量制御部150における浮上量の調整処理に使われる各種情報が格納されているメモリ160とを備えている。
ここで、上記の磁気ディスク110は、上述の情報記憶装置の基本形態における記憶媒体の一例に相当し、ヘッドスライダ120は、上述のヘッドスライダの浮上量制御方法および情報記憶装置の基本形態におけるヘッドスライダの一例に相当する。また、記録ヘッド121と再生ヘッド122とを合せたものが、上述の情報記憶装置の基本形態における記録再生素子の一例に相当し、浮上量制御部150とメモリ160とを合せたものが、この基本形態における制御回路の一例に相当する。
浮上量制御部150には、再生信号の信号レベルを算出する信号レベル算出部151と、信号レベルとヒータ123への供給電力の値との組を互いに供給電力の値が異なる2組生成してメモリ160に記録するサンプル生成部152と、上記の浮上量を単位長さだけ減少させるための加熱に要する供給電力であるヒータ感度を算出するヒータ感度算出部153と、磁気ディスク装置100内が上記の浮上量の調整に影響を与える程に気圧が低い減圧状態になっているか否かを上記のヒータ感度に基づいて判定するヒータ感度変化判定部154と、このヒータ感度変化判定部154での判定結果と上記の信号レベルとに基づいてヘッドスライダ120の浮上量を上記の基準浮上量とするために要するヒータ123への供給電力の値を算出する制御値算出部155と、この制御値算出部155で算出された値の供給電力を生成してヒータ123に供給するヒータ制御部156とが備えられている。
この図1の磁気ディスク装置100では、再生ヘッド122による情報の再生時に、再生信号の復号等といった情報再生処理と並行して、浮上量制御部150によるヘッドスライダ120の浮上量に対する以下に説明する調整処理が繰り返し実行される。
以下、この浮上量制御部150で繰り返し実行される調整処理のうち、任意の時点での調整処理について説明する。
まず、上記の信号レベル算出部151において、ハイレベルとローレベルとの2つのレベルを有する電圧信号である再生信号の信号レベルが、その再生信号に対して全波整流と平滑化を施した結果として求められる。求められた信号レベルはサンプル生成部152に渡される。
次に、サンプル生成部152において、上述したように信号レベルと供給電力の値との組が2組生成される。この2組のうちの1つの組としては、現時点での信号レベル(第1信号レベル)と供給電力の値(第1電力値)との組が使われる。そして、もう1つの組は、次のような手順で生成される。まず、サンプル生成部152が、ヒータ制御部156に対し、供給電力を所定量だけ増やしてヒータ123に供給するように指示する。そして、ヒータ制御部156が、その指示に応じて所定量だけ増やした電力をヒータ123に供給すると、サンプル生成部152は、そのときの信号レベル(第2信号レベル)と供給電力の値(第2電力値)との組を上記のもう1つの組として用い、その後に、ヒータ制御部156に対し、供給電力を元に戻すように指示する。
図3は、ヒータ123への供給電力の値と再生信号の信号レベルとの関係を示す図である。
この図3には、縦軸に再生信号の信号レベルがとられ、横軸に供給電力の値がとられたグラフG1が示されており、このグラフG1上に、複数の供給電力の値それぞれに対応する信号レベルを表わす複数のプロット点からなるプロット列Aが記載されている。このプロット列Aから分かるように、供給電力が大きいほど再生信号の信号レベルは大きい。また、このグラフG1では、サンプル生成部152で得られる、第1信号レベルと第1電力値との組が記号「L1」と「P1」との組で表わされ、第2信号レベルと第2電力値との組が記号「L2」と「P2」との組で表わされている。
ここで、本実施形態では、このグラフG1上のプロット列Aに対応する、信号レベルと供給電力の値との複数の組からなる信号/電力対応テーブルが、磁気ディスク装置100の製造時に製造メーカにおいて作成されてメモリ160に格納される。本実施形態では、この製造メーカでの信号/電力対応テーブルの作成は、上記のサンプル生成部152とヒータ制御部156との機能を利用して、所定の常圧環境化において、供給電力の値を所定刻みで変化させながら、各電力値における信号レベルを求め、信号レベルと供給電力の値との複数の組を作ることで行われる。
この信号/電力対応テーブルは、後述の制御値算出部155での処理に用いられる。また、図1のサンプル生成部152において生成された上記の2組はメモリ160に格納され、ヒータ感度算出部153におけるヒータ感度の算出に使われる。
次に、ヒータ感度算出部153において、ヒータ感度の算出が以下に説明するように行われる。
まず、メモリ160から信号レベルと供給電力の値との上記の2組が読み出される。次に、ヒータ感度算出部153は、ヒータ123への供給電力の値が、上記の第1電力値から第2電力値に変わったときの浮上量の変化量を、各電力値に対応する信号レベルを次式に代入することで算出する。
Figure 2009223991
この(1)式は、ワレス(Walles)の式と呼ばれるものである。この(1)式では、記号「dSP(nm)」は浮上量の変化量を示し、記号「R(nm)」は磁気ディスク110の中心から再生ヘッド122までの面内方向の距離を示し、記号「r(rpm)」は磁気ディスク110の回転速度を示している。また、記号「F(Hz)」は、磁気ディスク110に磁化が交互に反転する情報が記録されているときの再生信号が有する周波数を示している。また、記号「L1」は上記の第1信号レベルを示し、記号「L2」は第2信号レベルを示している。
この(1)式により浮上量の変化量が求められると、次に、ヒータ感度算出部153は、次式を使って、この浮上量の変化量をもたらしたヒータ123への供給電力の変化量を、この浮上量の変化量で除することで、浮上量を単位長さだけ減少させるための加熱に要する供給電力であるヒータ感度を算出する。
Figure 2009223991
この(2)式では、記号「HS(mW/nm)」はヒータ感度を示し、記号「dSP(nm)」は上記の(1)と同様に浮上量の変化量を示し、記号「P1(mW)」は上記の第1電力値を示し、記号「P2(mW)」は上記の第2電力値を示している。
図1のヒータ感度算出部153では、このような一連の算出処理により現時点でのヒータ感度が算出される。そして、ヒータ感度算出部153は、算出したヒータ感度をヒータ感度変化判定部154に渡す。
ところで、一般に、図2に示すヘッドスライダ120の先端部分120aが突出すると、ヘッドスライダ120と磁気ディスク110との間を流れる空気の流れによって、ヘッドスライダ120を全体的に持ち上げて、上記の先端部分120aを含む、このヘッドスライダ120全体の浮上量を増加させようとする力が生じる。
また、ヘッドスライダ120の全体的な浮上量は、磁気ディスク装置100内の気圧が下がると小さくなる。これは、気圧が下がると、ヘッドスライダ120と磁気ディスク110との間を流れる空気が減少し、その結果、ヘッドスライダ120を磁気ディスク110の上空に滞空させる力が減少してヘッドスライダ120が下がってくること等による。このとき、ヘッドスライダが下がってくると、ヘッドスライダ120と磁気ディスク110との間における空気の流路が綴じ気味になり、その結果、この下がってきたヘッドスライダ120全体の浮上量を増加させようとする力が生じる。
このような2種類の現象が相俟って、上記の先端部分120aの突出によって生じるヘッドスライダ120全体の浮上量を増加させようとする力は、磁気ディスク装置100内の気圧が下がると大きくなる。その結果、ヒータ123に電力が供給され先端部分120aが突出してもこの先端部分120aの浮上量がなかなか小さくならないという現象が起きる。つまり、磁気ディスク装置100内の気圧が下がると上記のヒータ感度が低下する。
図1のメモリ160には、磁気ディスク装置100内の気圧とヒータ感度との相関関係を表わす、複数種類の気圧と、各気圧のときのヒータ感度との組からなる第1の相関テーブルが格納されている。
図4は、第1の相関テーブルの規定内容をグラフ表示した図である。
この図4には、縦軸にヒータ感度がとられ、横軸に磁気ディスク装置100内の気圧が取られたグラフG2が示されており、このグラフG2上に、第1の相関テーブルにおいて複数種類の気圧と複数のヒータ感度との一対一の組で規定されている、気圧の低下に伴いヒータ感度が低下するという気圧とヒータ感度との相関関係が実線Bで記載されている。
ここで、本実施形態では、この第1の相関テーブルが、磁気ディスク装置100の製造時に製造メーカにおいて作成されてメモリ160に格納される。本実施形態では、この製造メーカでの第1の相関テーブルの作成は、上記のサンプル生成部152とヒータ感度算出部153との機能を利用して、磁気ディスク装置100内の気圧を所定刻みで変化させつつ、各気圧時でのヒータ感度を求めることで行われる。この第1の相関テーブルの作成処理が、上述のヘッドスライダの浮上量制御方法の基本形態における「第1の相関値を計測するステップ」の一例に相当する。また、上記の第1の相関テーブルは、上述のヘッドスライダの浮上量制御方法や情報記憶装置の基本形態における第1の相関値の一例に相当する。
図1のヒータ感度変化判定部154では、上記のヒータ感度算出部153から現時点でのヒータ感度が渡されると、まず、メモリ160から上記の第1の相関テーブルが読み出される。
ここで、磁気ディスク装置100内の気圧が低下すると、上述したようにヘッドスライダ120の全体的な浮上量、延いては、上記の先端部分120aの浮上量(上述のように、本実施形態では、この先端部分120aの浮上量のことをヘッドスライダ120の浮上量と呼んでいる。)は減少する。このため、磁気ディスク装置100内の気圧が非常に低い減圧状態にあるときに浮上量に対して常圧環境下と同様の調整が行われると、ヘッドスライダ120の先端部分120aが磁気ディスク110に近付き過ぎる、極端な場合には、この先端部分120aが磁気ディスク110に接触してしまう等といった不具合が発生するおそれがある。
一方で、上述したような製造時の実測によって得られる第1の相関テーブルに示されているように、磁気ディスク装置100内の気圧が低下するとヒータ感度が低下する。ヒータ感度変化判定部154では、この特性が利用されて、磁気ディスク装置100内の気圧が上記のような不具合を発生させるおそれがある減圧状態にあるか否かが判定される。
まず、ヒータ感度変化判定部154は、メモリ160から読み出した第1の相関テーブルから、予め決められている常圧に対応するヒータ感度(基準ヒータ感度)を求め、その基準ヒータ感度を、メモリ160に一時的に格納する。この第1の相関テーブルから基準ヒータ感度を求めメモリ160に一時的に格納する処理が、上述のヘッドスライダの浮上量制御方法の基本形態における「基準加熱素子感度値を算出するステップ」の一例に相当する。また、上記の基準ヒータ感度は、上述のヘッドスライダの浮上量制御方法や情報記憶装置の基本形態における基準加熱素子感度値の一例に相当する。
次に、ヒータ感度変化判定部154は、一時的に格納したその基準ヒータ感度をメモリ160から読み出し、ヒータ感度算出部153から渡された現時点のヒータ感度とその基準ヒータ感度との差を求める。
ここで、ヒータ感度変化判定部154は、上記のような不具合を発生させずに浮上量の調整が可能な下限の気圧でのヒータ感度と、常圧環境下でのヒータ感度との差を閾値として持っている。そして、ヒータ感度変化判定部154は、現時点のヒータ感度とその基準ヒータ感度との差とこの閾値とを比較し、上記の差が閾値を超えている場合に、磁気ディスク装置100内の気圧が減圧状態にあると判定する。さらに、ヒータ感度変化判定部154は、磁気ディスク装置100内の気圧が減圧状態にあると判定した場合、上記の第1の相関テーブルから、現時点のヒータ感度と基準ヒータ感度との差に対応する気圧変化量を算出する。
図5は、第1の相関テーブルから、現時点のヒータ感度と基準ヒータ感度との差に対応する気圧変化量が算出される様子を示す図である。
この図5には、第1の相関テーブルの規定内容を表わすラインBが記載された、図4にも示すグラフG2が示されている。
上述のように現時点のヒータ感度と基準ヒータ感度との差DF1が求められると、ラインBが表わす第1の相関テーブルの規定内容において、グラフG2上に概念的に示されているように、この差DF1に対応する気圧の差が上記の気圧変化量DF2として求められる。さらに、本実施形態では、現時点のヒータ感度に、このグラフG2上で概念的に対応する現時点の気圧AP1も、この第1の相関テーブルから求められる。
以上に説明した、現時点のヒータ感度と基準ヒータ感度との差DF1を求め、減圧状態にあるか否かを判定し、気圧変化量DF2を算出する一連の処理が、上述のヘッドスライダの浮上量制御方法の基本形態における「気圧変化量を算出するステップ」の一例に相当する。また、上記の閾値は、上述のヘッドスライダの浮上量制御方法の応用形態における閾値の一例に相当し、上記の気圧変化量DF2は、上述のヘッドスライダの浮上量制御方法や情報記憶装置の基本形態における気圧変化量の一例に相当する。
ヒータ感度変化判定部154は、以上の一連の処理が終了すると、上記の判定結果を制御値算出部155に通知するとともに、気圧変化量DF2が算出された場合にはその気圧変化量DF2を現時点の気圧AP1と共に制御値算出部155に渡す。
ここで、上述したように、一般に、ヘッドスライダ120の全体的な浮上量は、磁気ディスク装置100内の気圧が下がると小さくなる。
図1のメモリ160には、磁気ディスク装置100内の気圧とヘッドスライダ120の浮上量との相関関係を表わす、複数種類の気圧と、各気圧のときの浮上量との組からなる第2の相関テーブルが格納されている。
図6は、第2の相関テーブルの規定内容をグラフ表示した図である。
この図6には、縦軸にヘッドスライダ120の浮上量がとられ、横軸に磁気ディスク装置100内の気圧が取られたグラフG3が示されており、このグラフG3上に、第2の相関テーブルにおいて複数種類の気圧と複数の浮上量との一対一の組で規定されている、気圧の低下に伴い浮上量が小さくなるという気圧と浮上量との相関関係が実線Cで記載されている。
ここで、本実施形態では、この第2の相関テーブルが、磁気ディスク装置100の製造時に製造メーカにおいて作成されてメモリ160に格納される。本実施形態では、この製造メーカでの第2の相関テーブルの作成は、磁気ディスク装置100内の気圧を所定刻みで変化させつつ、各気圧時での、ヒータ123が非発熱状態にあるときの最大浮上量を、以下に説明するタッチダウン方式で測定することで行われる。
タッチダウン方式による最大浮上量の測定は、図1のヒータ制御部156に対し、ヒータ123への供給電力をヘッドスライダ120が磁気ディスク110に接触するまで上昇させ、その接触したときの電力値を上記のヒータ感度で除することで最大浮上量を求めるという測定方法である。ここで、ヘッドスライダ120と磁気ディスク110との接触は、再生ヘッド122で得られる再生信号にこの接触時に表れるゆらぎを不図示の検出装置で検出することで認識される。本実施形態では、このようなタッチダウン方式による最大浮上量の測定が、上記の各気圧環境下で行われることで、上記の第2の相関テーブルが作成される。この第2の相関テーブルの作成処理が、上述のヘッドスライダの浮上量制御方法の基本形態における「第2の相関値を計測するステップ」の一例に相当する。また、上記の第2の相関テーブルは、上述のヘッドスライダの浮上量制御方法や情報記憶装置の基本形態における第2の相関値の一例に相当する。
図1の制御値算出部155では、上記のヒータ感度変化判定部154から判定結果を渡されると、まず、メモリ160から上記の信号/電力対応テーブルが読み出される。そして、渡された判定結果が、磁気ディスク装置100内の気圧が減圧状態では無いことを示すものであった場合には、制御値算出部155は、次に説明する手順により、ヘッドスライダ120の浮上量を上記の基準浮上量とするために要するヒータ123への供給電力の値を算出する。
この手順では、まず、信号レベル算出部151で算出された現時点での再生信号の信号レベルと、所定の基準レベルとの差が算出される。次に、信号/電力対応テーブルにおいて、その差に対応する電力値が求められる。そして、現時点でのヒータ123への供給電力の値に、その求められた電力値を加算することで、ヘッドスライダ120の浮上量を、再生信号の信号レベルが基準レベルとなる上記の基準浮上量にする供給電力の値が算出される。制御値算出部155は、このように算出された供給電力の値をヒータ制御部156に通知する。
一方、上記のヒータ感度変化判定部154から渡された判定結果が、磁気ディスク装置100内の気圧が減圧状態にあることを示すものであった場合には、メモリ160から、さらに上記の第2の相関テーブルが読み出される。
そして、この場合には、上記の信号/電力対応テーブル、第2の相関テーブル、判定結果とともに渡される上記の気圧変化量DF2、および現時点の気圧AP1を使って、ヘッドスライダ120の浮上量を、再生信号の信号レベルが基準レベルとなる上記の基準浮上量にするための供給電力の値が次のように算出される。
まず、信号/電力対応テーブルを使った上述の手順により、現時点での再生信号の信号レベルと基準レベルとの差に対応する電力値が求められる。
ここで、磁気ディスク装置100内の気圧が減圧状態にある場合には、ヘッドスライダ120の全体的な浮上量が、常圧環境下での浮上量よりも小さくなっている。上記の手順で求められる電力値は、ヘッドスライダ120における上記の先端部分120aの浮上量(ヘッドスライダ120の浮上量)に対する、信号レベルと基準レベルとの差を常圧環境下で打ち消すための調整量に相当する。このため、減圧状態で小さくなっているヘッドスライダ120の浮上量を、この常圧環境下での調整量を使って調整すると、ヘッドスライダ120の浮上量を上記の基準浮上量よりも小さくしてしまい、極端な場合には、上記の先端部分120aが磁気ディスク110に接触する可能性もある。そこで、本実施形態では、減圧状態にある場合には、この減圧状態に起因したこの先端部分120aにおける浮上量の減少量を求め、上記の常圧環境下での調整量をこの減少量に相当する分だけ補正することで、ヘッドスライダ120の浮上量を上記の基準浮上量に良好に調整するようになっている。
以下、この常圧環境下での調整量(電力値)に対する補正処理について説明する。
この補正処理では、第2の相関テーブルと気圧変化量DF2と現時点の気圧AP1とを使って、この常圧環境下での調整量に対する補正値が求められる。
図7は、第2の相関テーブルと気圧変化量DF2と現時点の気圧AP1とを使って、常圧環境下での調整量に対する補正値が求められる様子を示す図である。
この図7には、第2の相関テーブルの規定内容を表わすラインCが記載された、図6にも示すグラフG3が示されている。
第2の相関テーブルの規定内容では、このグラフG3上に概念的に示されているように、常圧と現時点の気圧AP1との差である気圧変化量DF2が、常圧環境下での最大浮上量と現時点の気圧AP1での最大浮上量の差である、減圧状態に起因した浮上量の減少量DF3に対応している。このため、第2の相関テーブルの規定内容上で、気圧変化量DF2に対応する浮上量の減少量を求めることで、減圧状態に起因した浮上量の減少量DF3が得られる。
このように浮上量の減少量DF3が求められると、この減少量DF3に、現時点のヒータ感度を乗ずることで、この減少量DF3が、ヒータ123への電力供給で実現されたと仮定したときのヒータ123への供給電力の値が求められる。この求められた値が、常圧環境下での調整量に対する補正値に相当する。
図1の制御値算出部155は、このように補正値を求めると、信号/電力対応テーブルを使った上述の手順で算出した常圧環境下での調整量(電力値)からこの補正値を減算する。そして、その減算によって補正された調整量(電力値)を、現時点でのヒータ123への供給電力の値に加算することで、ヘッドスライダ120の浮上量を、再生信号の信号レベルが基準レベルとなる上記の基準浮上量にする供給電力の値が算出される。制御値算出部155は、このように算出された供給電力の値をヒータ制御部156に通知する。
ヒータ制御部156は、制御値算出部155で算出された値の供給電力を生成してヒータ123に供給する。これにより、常圧環境下では無論のこと、上述したような減圧環境下でもヘッドスライダ120の浮上量が基準浮上量に良好に調整されることとなる。
以上に説明した、制御値算出部155およびヒータ制御部156での処理が、上述のヘッドスライダの浮上量制御方法における「浮上量を調整するステップ」の一例に相当する。また、この浮上量制御部150で実行される調整処理と、製造メーカで実行される上記の第1の相関テーブルの作成処理と、同じく製造メーカで実行される上記の第2の相関テーブルの作成処理とを合せたものが、上述のヘッドスライダの浮上量制御方法の一実施形態に相当する。
以上に説明した本実施形態の磁気ディスク装置100によれば、上述のワレスの式を使って高精度で求められるヒータ感度の変化量から、磁気ディスク装置100内の気圧変化量が高精度で求められる。そして、その気圧変化量に基づいてヘッドスライダ120の浮上量が調整されるので、この浮上量を、気圧の影響を高精度に反映して調整することができる。また、本実施形態の磁気ディスク装置100によれば、このような浮上量に対する高精度の調整が、気圧センサ等の特別な装置を導入することなく実行される。このため、磁気ディスク装置100によれば、気圧の影響を高精度に反映した上記のような浮上量の調整を安価に実行することができる。
尚、具体的な実施形態に対する上記説明では、「課題を解決するための手段」で説明した基本形態における第1の相関値および第2の相関値の各一例として、磁気ディスク装置100内の複数種類の気圧と各気圧のときのヒータ感度との組からなる第1の相関テーブルと、複数種類の気圧と各気圧のときの浮上量との組からなる第2の相関テーブルとを例示したが、基本形態における第1の相関値および第2の相関値は、これらに限るものではない。基本形態における第1の相関値や第2の相関値は、例えば、上記の気圧に替えて、この磁気ディスク装置100の設置場所の複数種類の高度を採用し、これら複数種類の高度と各高度のときのヒータ感度との組からなる相関テーブルや、複数種類の高度と各高度のときの浮上量との組からなる相関テーブルであっても良い。
また、上記の基本形態における第1の相関値および第2の相関値は、上記の第1の相関テーブルや第2の相関テーブル等といったテーブル形式のものに限らず、例えば、気圧とヒータ感度との相関関係や、気圧と浮上量との相関関係を所定の近似法等により数式化したもの等であっても良い。
情報記憶装置に対する具体的な実施形態である磁気ディスク装置を示すブロック図である。 図1に示すヘッドスライダ120の詳細を示す断面図である。 ヒータ123への供給電力の値と再生信号の信号レベルとの関係を示す図である。 第1の相関テーブルの規定内容をグラフ表示した図である。 第1の相関テーブルから、現時点のヒータ感度と基準ヒータ感度との差に対応する気圧変化量が算出される様子を示す図である。 第2の相関テーブルの規定内容をグラフ表示した図である。 第2の相関テーブルと気圧変化量DF2と現時点の気圧AP1とを使って、常圧環境下での調整量に対する補正値が求められる様子を示す図である。
符号の説明
100 磁気ディスク装置
110 磁気ディスク
120 ヘッドスライダ
121 記録ヘッド
122 再生ヘッド
123 ヒータ
130 ヘッドIC
140 リードチャネル
150 浮上量制御部
151 信号レベル算出部
152 サンプル生成部
153 ヒータ感度算出部
154 ヒータ感度変化判定部
155 制御値算出部
156 ヒータ制御部
160 メモリ

Claims (4)

  1. 浮上量を制御する加熱素子を有するヘッドスライダの浮上量制御方法であって、
    気圧と前記ヘッドスライダの加熱素子感度(mW/nm)との第1の相関値を計測するステップと、
    気圧と前記ヘッドスライダの浮上量との第2の相関値を計測するステップと、
    前記第1の相関値より常圧時の基準加熱素子感度値を算出するステップと、
    前記ヘッドスライダの浮上時に、前記加熱素子の加熱素子感度を計測し、前記基準加熱素子感度値との差を算出して、前記第1の相関値より気圧変化量を算出するステップと、
    前記気圧変化量と前記第2の相関値より前記ヘッドスライダの浮上量の変化量を算出して、前記加熱素子を制御し、前記ヘッドスライダの浮上量を調整するステップと、
    を備えることを特徴とするヘッドスライダの浮上量制御方法。
  2. 前記基準加熱素子感度値との差に対して閾値を設け、該差が前記閾値を越えた時に、前記ヘッドスライダの浮上量を調整すること特徴とする請求項1記載のヘッドスライダの浮上量制御方法。
  3. 前記第1の相関値または、前記第2の相関値の計測方法は、タッチダウン方式であることを特徴とした、請求項1記載のヘッドスライダの浮上量制御方法。
  4. 記録再生素子と、浮上量を制御する加熱素子とを有するヘッドスライダと、
    情報を記憶する記憶媒体と、
    メモリを有する制御回路であって、
    気圧と前記ヘッドスライダの加熱素子感度(mW/nm)との第1の相関値を計測して前記メモリに保管し、
    気圧と前記ヘッドスライダの浮上量との第2の相関値を計測して前記メモリに保管し、
    前記第1の相関値より常圧時の基準加熱素子感度値を算出して前記メモリに保管し、
    前記ヘッドスライダの浮上時に、前記加熱素子の加熱素子感度を計測し、前記基準加熱素子感度値との差を算出して、前記第1の相関値より気圧変化量を算出して前記メモリに保管し、
    前記気圧変化量と前記第2の相関値より前記ヘッドスライダの浮上量の変化量を算出して、前記加熱素子を制御し、前記ヘッドスライダの浮上量を調整する制御回路と、
    を備えることを特徴とした情報記憶装置。
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