JP2009133484A - 樹脂チューブ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ハードセグメントとソフトセグメントを共重合させたポリマー材料からなる樹脂チューブであって、前記ソフトセグメントの単量体は側鎖に二重結合の酸素原子を一つ有する物質であることを特徴とする樹脂チューブ。ハードセグメントにポリイソシアネートを用い、ソフトセグメントにポリカーボネート系ポリオールを用いることが好ましい。
【選択図】図9
Description
同様に、クルーンルーム内であっても、シリコンウェハーを扱う作業を行うときに、ポリマーから雰囲気中に化学物質が溶出してしまい、シリコンウェハーを汚染してしまうという問題があった。特に、シリコンウェハーに吹き付ける純水やクリーンエアを流通させる樹脂チューブにおいては、樹脂チューブ内で溶出する化学物質を低減させる必要性が大きいものであった。
この樹脂チューブは、ハードセグメントとソフトセグメントを共重合させたポリマー材料からなる樹脂チューブであって、前記ソフトセグメントの単量体は側鎖に二重結合の酸素原子を一つ有する物質であることを特徴とする。
(請求項2記載の発明)
この樹脂チューブは、請求項1記載の発明に関し、ハードセグメントをポリイソシアネートとし、ソフトセグメントをポリカーボネート系ポリオールとしたことを特徴とする。
(請求項3記載の発明)
この樹脂チューブは、少なくとも2以上の層を有する樹脂チューブであって、前記層の少なくとも1層に請求項1又は2記載の樹脂チューブの樹脂が用いられたことを特徴とする。
この樹脂チューブは、図1の〔本願発明品〕に示すように、ハードセグメントとソフトセグメントを共重合させたポリマーを使用している。
ハードセグメントにはポリイソシアネートを使用し、ソフトセグメントにはポリカーボネート系ポリオールを使用することができる。
この実施例では、ソフトセグメントを従来使用されていたエーテル系ポリオール(単量体が側鎖に二重結合の酸素原子を一つ有さない物質)から、ポリカーボネート系ポリオール(単量体が側鎖に二重結合の酸素原子を一つ有する物質)とした。
この実施例1記載の樹脂チューブは、前記共重合ポリマーからなる原料ペレットを、チューブ状に成形したものである。成形は、溶融押出成形機を用いて行った。
実施例1記載の樹脂チューブの性能試験を行った。実施例1記載の樹脂チューブの性能は、「クリーンエアへの不純物溶出量」と「純水への不純物溶出量」に基づき判断した。
(1.実験に使用する三種の樹脂チューブについて)
実験を行う為、図1に記載した三種の樹脂チューブを用意した。
(1−1.サンプル1の従来品について)
従来品は、図1に示すように、ポリイソシアネートとエーテル系ポリオールを共重合させ、原料ペレットとし、成形したものである。
(1−2.サンプル2の洗浄済従来品について)
洗浄済従来品は、図1に示すように、ポリイソシアネートとエーテル系ポリオールを共重合させ、原料ペレットとし、成形し、洗浄したものである。
(1−3.サンプル3の実施例1記載の樹脂チューブについて)
実施例1記載の樹脂チューブは、図1の〔本願発明品〕に示すように、ポリイソシアネートとポリカーボネート系ポリオールを共重合させ、原料ペレットとし、成形したものである。
(1−4.クリーンエアについて)
図2はクリーンエア発生装置の部品接続フロー図である。
(2.アウトガス試験について)
次に、クリーンエアへの不純物溶出量を計測する為のアウトガス試験について説明する。
クリーンエア中へのアウトガス溶出量は、シリコンウェハー汚染度と比例するものである。
(2−1.試験方法)
図3は試験用サンプルSの測定時の全体図である。図4は測定装置の全体図である。図5は三種のチューブのアウトガスの量を示すグラフである。
(2−2.試験結果)
三種のチューブの試験結果は図5に示す通りである。
(3.純水溶出試験について)
上述の三種のチューブが、チューブ内部の純水中に放出する不純物の量を計測する実験を行った。
(3−1.試験方法)
規定の長さに切り取った三種チューブ内にそれぞれ純水(体積抵抗率18MΩ・cm以上)を封入し、室温23℃、湿度50%と設定した恒温恒湿室で5日間放置した。前記封入は、十分に洗浄(65℃の純水に24時間以上静置)したフッ素樹脂製キャップを用いて、チューブ両端を密栓する方法で行った。
(3−2.試験結果)
三種のチューブの試験結果は図6に示す通りである。詳しい成分については、表1に示すとおりである。
(4.総合評価)
上述の、アウトガス試験、純水溶出試験(チューブ内面が純水中に放出する不純物の量)に基づき、従来品、洗浄済従来品、実施例1記載の樹脂チューブのそれぞれについて、評価を行った。
(5.金属、酸アンモニア成分溶出試験について)
前述の試験2及び3に加え、上述の三種のチューブについて、チューブ外面の純水中に放出する不純物の量を計測する追加試験を行った。
(5−1.各サンプルについて)
追加試験を行う為に、「従来品(サンプル1)」、「洗浄済従来品(サンプル2)」、「実施例(サンプル3)」の三種の樹脂チューブを準備した。
(5−2.チューブ外面溶出試験、試験方法)
規定の長さに切り取った内部が空の三種チューブそれぞれの両端を密栓した。前記密栓には、十分に洗浄(65℃の純水に24時間以上静置)したフッ素樹脂製キャップを用いた。両端を密栓した三種の樹脂チューブを、それぞれ純水(体積抵抗率18MΩ・cm以上)100ccが入ったポリプロピレン製ビン中にチューブを湾曲させて全体を浸漬し、室温23℃、湿度50%と設定した恒温恒湿室で5日間(120hr)放置した。
(金属成分の溶出について)
チューブを浸漬させていた純水100ccの三種のサンプルから、一部を取り出しICP−MS法にて定量分析を行った。
(酸アンモニアの溶出について)
チューブを浸漬させていた純水100ccの三種のサンプルから、一部を取り出しイオンクロマトグラフィー法にて定量分析を行った。
(5−3.試験結果)
三種のチューブの試験結果は図7、図8に示す通りである。詳しい成分については、表3、表4に示すとおりである。
(金属成分について)
金属成分は、表3及び図7に示す通り、従来品のみが、ナトリウム46.3μg/m2、亜鉛8.4μg/m2をチューブ外面から溶出する結果となった。その他の金属成分(マグネシウム、アルミニウム、珪素、カリウム、カルシウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅)については、溶出は確認できなかった。したがって、従来品の金属成分溶出量は、合計54.7μg/m2である。
酸アンモニア成分については、表4、図6に示す通りである。従来品はカルボン酸211.079μg/m2を溶出し、洗浄済従来品はカルボン酸66.248μg/m2をチューブ外面から溶出する結果となった。その他の酸を作成する酸アンモニア(フッ素酸、塩素酸、亜硝酸、臭素酸、硝酸、リン酸、硫酸、酢酸、アンモニア)は、確認されなかった。
前述のチューブ外面溶出の結果に基づき、総合評価を行った。表5がその結果である。
1 樹脂チューブ
2 キャップ
A 内層
B 外層
C 中間層
Claims (3)
- ハードセグメントとソフトセグメントを共重合させたポリマー材料からなる樹脂チューブであって、前記ソフトセグメントの単量体は側鎖に二重結合の酸素原子を一つ有する物質であることを特徴とする樹脂チューブ。
- ハードセグメントをポリイソシアネートとし、ソフトセグメントをポリカーボネート系ポリオールとしたことを特徴とする請求項1記載の樹脂チューブ。
- 少なくとも2以上の層を有する樹脂チューブであって、前記層の少なくとも1層に請求項1又は2記載の樹脂チューブの樹脂が用いられたことを特徴とする樹脂チューブ。
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