JP2009133444A - トルクコンバータ - Google Patents
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- F16H2045/0294—Single disk type lock-up clutch, i.e. using a single disc engaged between friction members
Abstract
【課題】ロックアップクラッチの滑り係合状態時に発生したジャダー振動が変速機構側に伝達されるのを低減することができるトルクコンバータを提供する。
【解決手段】ロックアップクラッチ15のクラッチ板27がコンバータハウジング13のフロントカバー11に対して回転差を持って摺接する滑り係合状態時には、変位切り替え機構35のバルブ室38内に収容された切り替えバルブ39は、コイルバネ40の付勢力と前側空間2bのロックアップ排出圧との合計の方が後側空間2aのロックアップ係合圧よりも大きいため、クラッチ板27とピストン34との間の油室2cを前側空間2bに連通させる。そのため、ピストン34は、前面で受圧する油室2cの油圧よりも後面で受圧する後側空間2aの油圧の方が高圧であるので、前方に変位してクラッチ板27に摩擦接触し、ジャダー振動が変速機構の入力軸24側に伝達されることを低減する。
【選択図】図2
【解決手段】ロックアップクラッチ15のクラッチ板27がコンバータハウジング13のフロントカバー11に対して回転差を持って摺接する滑り係合状態時には、変位切り替え機構35のバルブ室38内に収容された切り替えバルブ39は、コイルバネ40の付勢力と前側空間2bのロックアップ排出圧との合計の方が後側空間2aのロックアップ係合圧よりも大きいため、クラッチ板27とピストン34との間の油室2cを前側空間2bに連通させる。そのため、ピストン34は、前面で受圧する油室2cの油圧よりも後面で受圧する後側空間2aの油圧の方が高圧であるので、前方に変位してクラッチ板27に摩擦接触し、ジャダー振動が変速機構の入力軸24側に伝達されることを低減する。
【選択図】図2
Description
本発明は、ロックアップクラッチを備えたトルクコンバータに関する。
一般に、自動変速機を有する車両にあっては、発進時においてエンジンのトルクを変速機構に対してトルクコンバータを用いて円滑に伝達するようにしている。このトルクコンバータは、エンジンの出力軸に連結されたコンバータハウジング、該コンバータハウジングに連結されたポンプインペラ、および該ポンプインペラに対向する態様で変速機構の入力軸に連結されたタービンランナ等を有して構成され、その内部はATF(Automatic Transmission Fluid)で満たされている。
ポンプインペラは、エンジンの出力軸が回転することによりコンバータハウジングと共に回転し、トルクコンバータ内をポンプインペラ側からタービンランナ側に向けて流動するATFに速度エネルギーを付与する。そして、このATFの速度エネルギーをタービンランナが吸収して回転することにより変速機構の入力軸が回転し、エンジンのトルクが変速機構側へ伝達されるようになっている。
このようなトルクコンバータにあっては、発進時においてエンジンの回転を円滑に変速機構に伝達することが可能であるが、その一方で、ATFという流体を介した動力伝達態様であるため、発進後においてはエネルギーの伝達ロスを生じることになる。そのため、こうしたトルクコンバータには、通常、必要に応じてエンジンの出力軸と変速機構の入力軸を機械的に接続して直結させるロックアップクラッチがコンバータハウジングとタービンランナとの間に介装されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2005−188662号公報
ところで、上述のトルクコンバータにおけるロックアップクラッチは、該ロックアップクラッチがコンバータハウジングに対して一体回転可能に摩擦接触する完全係合状態の他に、ロックアップクラッチがコンバータハウジングに対して回転差を持って摺接する(すなわち、スリップする)滑り係合状態となるようにクラッチ制御されることがある。このような滑り係合状態のクラッチ制御は、ロックアップクラッチの係合状態の領域を拡げるために行われるものであり、コンバータハウジングに対してロックアップクラッチが離間した位置にある非係合状態と上記完全係合状態との間の中間状態として実行される。
しかしながら、ロックアップクラッチの滑り係合状態時には、コンバータハウジングに対してロックアップクラッチが摺接しながら回転するために、所謂ジャダー振動が発生し易く、その振動がロックアップクラッチからタービンランナを介して変速機構側に伝達されると、運転者に不快感を与えてしまうという問題があった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、ロックアップクラッチの滑り係合状態時に発生したジャダー振動が変速機構側に伝達されるのを低減することができるトルクコンバータを提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明のトルクコンバータは、駆動源の出力軸に連結されたコンバータハウジングと、該コンバータハウジングに連結されたポンプインペラと、該ポンプインペラと対向する態様で変速機構の入力軸に連結されたタービンランナと、該タービンランナと前記コンバータハウジングとの間に位置してクラッチ作動することにより前記出力軸と前記入力軸とを直結可能なロックアップクラッチと、該ロックアップクラッチが前記コンバータハウジングに対して回転差を持って摺接する滑り係合状態時に前記ロックアップクラッチに摩擦接触する摩擦接触機構とを備えたことを要旨とする。
この構成によれば、ロックアップクラッチの滑り係合状態時には、ロックアップクラッチに対して摩擦接触機構が摩擦接触することにより、滑り係合状態時に発生したジャダー振動を摩擦エネルギーに変換して減衰させる。したがって、ロックアップクラッチの滑り係合状態時に発生したジャダー振動が変速機構側に伝達されることを低減できる。
また、本発明のトルクコンバータにおいて、前記摩擦接触機構は、前記ロックアップクラッチが前記コンバータハウジングに対して一体回転可能に摩擦接触する完全係合状態時には前記ロックアップクラッチから離間した非接触状態になることを要旨とする。
ここで、減衰機構として機能する摩擦接触機構がロックアップクラッチの完全係合状態時においてもロックアップクラッチに対して摩擦接触した状態にあると、エンジン等の駆動源の爆発振動に基づくトルク変動がロックアップクラッチから摩擦接触機構を介して変速機構側に入力されてしまい、所謂こもり音を生じさせてしまうという問題がある。この点、上記の構成によれば、ロックアップクラッチの完全係合状態時には、摩擦接触機構が前記ロックアップクラッチから離間した非接触状態になることにより、エンジン等の駆動源の爆発振動に基づくトルク変動がロックアップクラッチから摩擦接触機構を介して変速機構側に入力されるのを低減することが可能となる。したがって、所謂こもり音が生じるような事態を低減することができる。
また、本発明のトルクコンバータにおいて、前記摩擦接触機構は、前記ロックアップクラッチに摩擦接触する係合位置と該係合位置から離間した非係合位置との間を変位自在に設けられた変位部材と、該変位部材に対して前記係合位置側及び前記非係合位置側から前記ロックアップクラッチのクラッチ作動時にトルクコンバータ内を流動する作動油の油圧を作用させて前記変位部材を変位させる変位切り替え機構とを備えていることを要旨とする。
この構成によれば、ロックアップクラッチのクラッチ作動時にトルクコンバータ内を流動する作動油の油圧を有効利用することにより、変位部材をロックアップクラッチに摩擦接触する係合位置と該係合位置から離間した非係合位置との間で変位(押圧移動)させることができる。すなわち、その変位部材に対して係合位置側から作用する油圧と非係合位置側から作用する油圧との差圧に基づき、変位部材を係合位置と非係合位置との間で格別に電気的制御機構を必要とすることなく簡単に変位させることができる。
また、本発明のトルクコンバータにおいて、前記変位切り替え機構は、前記変位部材に対して前記係合位置側から前記非係合位置側に向けて油圧を作用させる作動油の油室を、前記ロックアップクラッチの滑り係合状態時にはロックアップ係合圧領域に連通させる一方、前記ロックアップクラッチの完全係合状態時にはロックアップ排出圧領域に連通させることを要旨とする。
この構成によれば、変位部材を係合位置側から非係合位置側に向けて押圧する作動油の油圧が、ロックアップクラッチの滑り係合状態時にはロックアップ排出圧になり、ロックアップクラッチの完全係合状態時にはロックアップ係合圧になる。また、かかる変位部材に対しては、常に非係合位置側から係合位置側に向けてロックアップ係合圧の油圧が作用している。そのため、ロックアップクラッチの滑り係合状態時において、変位部材は、高圧側のロックアップ係合圧に押圧されることにより、係合位置側に変位してロックアップクラッチに摩擦接触する。その一方、ロックアップクラッチの完全係合状態時には、変位部材に対して係合位置側及び非係合位置側から共に同じロックアップ係合圧の油圧が作用するため、変位部材自身が油圧により押圧されて変位することはない。しかし、その場合には、トルクコンバータ内において同様にロックアップ係合圧を受圧したロックアップクラッチが変位部材から離間するように変位するので、変位部材はロックアップクラッチに対して相対的に変位して非接触状態となる。
また、本発明のトルクコンバータにおいて、前記変位切り替え機構は、前記油室を前記ロックアップ係合圧領域と前記ロックアップ排出圧領域とに分岐して連通するバルブ室と、該バルブ室内において前記ロックアップ係合圧領域の油圧及び前記ロックアップ排出圧領域の油圧を互いに相反する方向から受けながら前記油室を前記ロックアップ係合圧領域に対して連通状態とする係合圧連通位置と前記油室を前記ロックアップ排出圧領域に対して連通状態とする排出圧連通位置との間を変位自在に設けられた切り替えバルブと、該切り替えバルブを前記ロックアップ排出圧領域の油圧と協働して前記排出圧連通位置方向に付勢する付勢部材とを備え、前記ロックアップクラッチの滑り係合状態時には、前記付勢部材の付勢力と前記ロックアップ排出圧領域の油圧との合計の方が前記ロックアップ係合圧領域の油圧よりも大きくなる一方、前記ロックアップクラッチの完全係合状態時には、前記付勢部材の付勢力と前記ロックアップ排出圧領域の油圧との合計よりも前記ロックアップ係合圧領域の油圧の方が大きくなるように前記付勢部材の付勢力が設定されていることを要旨する。
この構成によれば、ロックアップクラッチの滑り係合状態時には、切り替えバルブを排出圧連通位置方向に付勢する付勢部材の付勢力とロックアップ排出圧との合計の方が該切り替えバルブを係合圧連通位置に向けて付勢するロックアップ係合圧よりも大きくなる。そのため、切り替えバルブが排出圧連通位置に位置することにより、変位部材に係合位置側から油圧を作用させる油室の油圧がロックアップ排出圧になり、変位部材は、高圧側のロックアップ係合圧に押圧されて係合位置に変位する。その一方、ロックアップクラッチの完全係合状態時には、切り替えバルブを排出圧連通位置方向に付勢する付勢部材の付勢力とロックアップ排出圧との合計よりも該切り替えバルブを係合圧連通位置に向けて付勢するロックアップ係合圧の方が大きくなる。そのため、切り替えバルブが係合圧連通位置に位置することにより、変位部材に係合位置側から油圧を作用させる油室の油圧はロックアップ係合圧になる。すなわち、変位部材には、係合位置側及び非係合位置側から共に同じロックアップ係合圧の油圧が作用する。そのため、変位部材自身が油圧により押圧されて変位することはないが、その時点においてロックアップ係合圧を受圧したロックアップクラッチが変位部材から離間するように変位するので、変位部材はロックアップクラッチに対して相対的に変位して非接触状態となる。
以下、本発明を具体化したトルクコンバータの一実施形態を図1〜図3を参照しながら説明する。なお、以下における本明細書中の説明において、「前後方向」をいう場合には図中における矢印に示す前後方向を示すものとする。
図1に示すように、トルクコンバータ10は、エンジンの出力軸(図示略)に接続されたフロントカバー11と、フロントカバー11の外周側端部に溶接により固着されたポンプカバー12とによりコンバータハウジング13を構成している。コンバータハウジング13の内部には、ロックアップクラッチ15、ダンパ装置16、及び摩擦接触機構17が収容されると共に、作動油としてのATF(オートマチック・トランスミッション・フルード)が充填されている。
フロントカバー11は、前側が閉塞し且つ後側が開口した有底略円筒状をなすと共に、その底壁の略中心部にエンジンの出力軸が連結されることにより、エンジンの出力軸の回転駆動に基づき回転するようになっている。ポンプカバー12は、フロントカバー11の後側の開口を閉塞可能な略円環状をなしていると共に、その中心部には、図示を省略した自動変速機のオイルポンプの駆動軸に連結される円筒状の支持カバー18が固定されている。すなわち、オイルポンプには、エンジンの出力軸の回転がフロントカバー11、ポンプカバー12、及び支持カバー18を介して伝達されるようになっている。
また、図1に示すように、コンバータハウジング13内において、ポンプカバー12の前面側(フロントカバー11に相対する面側)には、羽根車形状をなすポンプインペラ19がポンプカバー12及びフロントカバー11と一体回転するように固着されている。また、コンバータハウジング13内には、ポンプインペラ19と前後方向で対向する態様で羽根車形状をなすタービンランナ20が、その内周側をピン22によりタービンハブ23の鍔部23aに連結されることにより、該タービンハブ23がスプライン嵌合された自動変速機の入力軸24と一体回転するように配置されている。
さらに、コンバータハウジング13内において、ポンプインペラ19とタービンランナ20との間には、ステータ21が配設されており、その内部には一方向の回転を阻止するように機能するワンウェイクラッチ25が設けられている。そして、ステータ21は、ポンプインペラ19とタービンランナ20との間の速度差に基づきワンウェイクラッチ25によりトルクコンバータ10のコンバータハウジング13内におけるATFの流動方向を調整している。
なお、このワンウェイクラッチ25は、上記オイルポンプの駆動軸に後端部を固定されたステータシャフト26にスプライン嵌合されると共に、前記タービンハブ23及び支持カバー18に対して前後両側がスラストベアリングb1,b2を介して支持されている。また、ステータシャフト26と支持カバー18との間には前記オイルポンプに通じる油路a1が形成されており、該油路a1は支持カバー18とワンウェイクラッチ25との間に配設されたスラストベアリングb1を介してコンバータハウジング13内の空間2aに連通されている。
また、ロックアップクラッチ15は、コンバータハウジング13内におけるフロントカバー11とタービンランナ20との間に配置され、クラッチ作動することによりエンジンの出力軸と自動変速機構の入力軸24とを直結可能とするように構成されている。ロックアップクラッチ15は、金属板を加工することにより形成された円環状のロックアップクラッチピストンであるクラッチ板27を有している。そして、このクラッチ板27は、その内周側端部が摩擦接触機構17の構成要素であってタービンハブ23の軸部23cに溶接された有底略円筒状をなすバルブ室形成部材28の外周面に対してスプライン嵌合されることで、フロントカバー11の後面に対して接近離間する方向である軸方向に移動自在であると共に回転方向に回り止めされている。また、クラッチ板27の外周側前面には、上記フロントカバー11の後面に対向するように摩擦部材29が固着されており、必要に応じてフロントカバー11に対して摩擦接触することが可能となっている。
また、ダンパ装置16は、エンジン側に連結される円環状のドライブプレート30と、変速機構側に連結される円板状のドリブンプレート31と、両プレート30,31間でドライブプレート30の回転力をドリブンプレート31に伝達するダンパスプリング32とを備えている。ドライブプレート30は、その外周側端部に係止爪(図示略)を形成しており、その係止爪がクラッチ板27の外周側端部に形成された係止孔(図示略)に係止することにより、クラッチ板27に対して軸方向に移動自在であると共に、回転方向に固定されている。
ドリブンプレート31は、ドライブプレート30を軸方向の両側から挟持するように支持する一対のプレート部材31a,31bにより構成されている。この一対のプレート部材31a,31bは、互いに軸方向に重合した状態でピン33により締結されると共に、軸方向前側のプレート部材31aの内周側端部が、自動変速機構の入力軸24にスプライン嵌合したタービンハブ23の鍔部23aに対してタービンランナ20と共にピン22により連結されている。
ダンパスプリング32は、一対のプレート部材31a,31bの間に形成された長穴形状の収容空間に収容されており、その伸縮方向となる長手方向の一端がドライブプレート30に当接すると共に、その伸縮方向となる長手方向の他端がドリブンプレート31に当接するように配置されている。そのため、クラッチ板27を介してドライブプレート30に伝達されるエンジンの出力軸からの回転駆動は、該ダンパスプリング32を介してドリブンプレート31に伝達される。そして、クラッチ板27が摩擦部材29を介してフロントカバー11に対して接触した係合状態(滑り係合状態、及び、完全係合状態)となった場合、エンジンの出力軸からの回転駆動は、ダンパ装置16内のドライブプレート30、ダンパスプリング32、及びドリブンプレート31を介して自動変速機構の入力軸24に伝達される。
自動変速機構の入力軸24は、上記ステータシャフト26に回転自在に支持されていると共に、その先端部がタービンハブ23の内周面側に対してスプライン嵌合されることによりタービンハブ23と一体回転するようになっている。また、該入力軸24の中心には前記オイルポンプに通じる油路a2が形成されており、該油路a2は、フロントカバー11の後面とタービンハブ23における軸部23cの前端との間に配設されたスラストベアリングb3を介してフロントカバー11とクラッチ板27との間の空間2bに連通されている。なお、以下では、コンバータハウジング13内においてクラッチ板27よりも前側に位置する空間2bのことを「前側空間2b」と称すると共に、後側に位置する空間2aのことを「後側空間2a」と称するものとする。
ここで、図1に示すロックアップクラッチ15の非係合状態は、上記油路a2及びスラストベアリングb3を介してオイルポンプから前側空間2bに供給されたロックアップオフ圧のATFがクラッチ板27を後側に押圧して摩擦部材29をフロントカバー11の後面から離間させることにより実現される。そして、この場合、前側空間2b内に供給されたロックアップオフ圧のATFは、該前側空間2bから後側空間2aに排出された後、上記スラストベアリングb1及び油路a1を介して図示しないオイルパンに排出される。
一方、図2に示すロックアップクラッチ15の滑り係合状態は、上記油路a1及びスラストベアリングb1を介してオイルポンプから後側空間2aに供給されたロックアップオン圧(以下、「ロックアップ係合圧」ともいう。)のATFがクラッチ板27を前側に押圧して摩擦部材29をフロントカバー11の後面に対して接触させることにより実現される。すなわち、後側空間2a内に供給されたロックアップ係合圧のATFは、当初、後側空間2aから前側空間2bに排出された後、上記スラストベアリングb3及び油路a2を介して図示しないオイルパンに排出されるが、次第にクラッチ板27が前側に押圧されるため、前側空間2bの油圧と後側空間2aの油圧との間には若干の差圧を生じる。
具体的には、ロックアップ係合圧のATFが流入する後側空間2aの油圧の方がロックアップ排出圧のATFが流入する前側空間2bの油圧よりも若干高圧になるように、上記油路a1及びスラストベアリングb1を介して供給されるATFのロックアップオン圧(ロックアップ係合圧)の大きさが調整される。この点で、ロックアップクラッチ15が係合状態となる場合、前側空間2bはロックアップ排出圧領域として機能する一方、後側空間2aはロックアップ係合圧領域として機能する。そして、ロックアップクラッチ15は、前側空間2bの油圧よりも若干高圧の後側空間2aの油圧をクラッチ板27が受圧することにより、該クラッチ板27(の摩擦部材29)がフロントカバー11に対して回転差を持って摺接する滑り係合状態(スリップ係合状態ともいう。)になる。
また、図3に示すロックアップクラッチ15の完全係合状態は、上記油路a1及びスラストベアリングb1を介して後側空間2aに対して前記滑り係合状態時よりも高圧にATFが供給される。その結果、後側空間2aに流入する高圧のATFの油圧によりクラッチ板27が摩擦部材29を介してフロントカバー11に強固に摩擦接触することにより、該フロントカバー11と一体回転可能な状態、すなわち完全係合状態になる。そして、この場合、ロックアップ排出圧領域となる前側空間2b内のATFの油圧は、摩擦部材29とフロントカバー11との間が遮断されるため、急激にロックアップ係合圧領域となる後側空間2a内のATFの油圧に比して低圧に下降する。
次に、本発明の要部となる摩擦接触機構17について詳細に説明する。
図1に示すように、摩擦接触機構17は、ロックアップクラッチ15のクラッチ板27に摩擦接触する係合位置(図2に示す位置)と該係合位置から後方に離間した非係合位置(図3に示す位置)との間を変位自在な変位部材としての略円板状のピストン34と、該ピストン34をATFの油圧により変位させる変位切り替え機構35とを備えている。
図1に示すように、摩擦接触機構17は、ロックアップクラッチ15のクラッチ板27に摩擦接触する係合位置(図2に示す位置)と該係合位置から後方に離間した非係合位置(図3に示す位置)との間を変位自在な変位部材としての略円板状のピストン34と、該ピストン34をATFの油圧により変位させる変位切り替え機構35とを備えている。
ピストン34は、その外周縁がクラッチ板27の後面から後方に向けて延設された円環状をなす支持部材36に対してスプライン嵌合すると共に、その内周縁がタービンハブ23における鍔部23aから前方に突設された円筒部23bに対してスプライン嵌合することにより、タービンハブ23及びクラッチ板27に対して軸方向に移動自在であると同時に回転方向に回り止めされている。また、ピストン34は、その外周寄りの前面側に摩擦部材37がクラッチ板27の後面に対向するように固着されており、前記係合位置に位置した場合には摩擦部材37を介してクラッチ板27に摩擦接触するようになっている。
なお、図1に示すように、クラッチ板27の後面とピストン34の前面との間には油室2cが形成され、該油室2cに流入したATFの油圧がピストン34に対して前記係合位置側となる前側から前記非係合位置側となる後側に向けて作用するようになっている。すなわち、ピストン34は、その前面が前記油室2cに流入したATFの油圧を受圧する面になっていると共に、その後面がトルクコンバータ10内の空間2aに供給されたATFの油圧を受圧する面になっている。また、ピストン34と支持部材36との摺接面間、及びピストン34とタービンハブ23の円筒部23bとの摺接面間にはシールリングc1,c2がそれぞれ配設されている。そして、ピストン34は、シールリングc1,c2のシール機能により、ピストン34よりも前側に位置する油室2cのATFの油圧と後側に位置するロックアップ係合圧領域としての後側空間2aのATFの油圧との差圧に従い、前記係合位置と前記非係合位置との間を軸方向(前後方向)に変位自在となっている。
前記変位切り替え機構35は、タービンハブ23における円筒部23bの内周面、タービンハブ23における軸部23cの外周面、及び該軸部23cの外周面に溶接された有底略円筒状の前記バルブ室形成部材28の内周面にて囲み形成されるバルブ室38を有している。このバルブ室38は、タービンハブ23に形成された油路a3及びスラストベアリングb2を介して上記後側空間2aに連通する共に、バルブ室形成部材28の底部に形成された貫通孔28aを介して上記前側空間2bに連通し、さらにはタービンハブ23における円筒部23bの前端とバルブ室形成部材28の後端との間の隙間にて構成される油路a4を介して前記油室2cに連通している。すなわち、バルブ室38は、前記油室2cをロックアップ係合圧領域としての後側空間2aとロックアップ排出圧領域としての前側空間2bとに分岐して連通している。
そして、このバルブ室38内には円環状の切り替えバルブ39が前記油路a3を介して後側空間2a側からバルブ室38内に流入するATFの油圧と前記貫通孔28aを介して前側空間2b側からバルブ室38内に流入するATFの油圧とを互いに相反する方向から受けながら前後方向に沿って摺動自在に収容されている。すなわち、切り替えバルブ39は、前記油室2cを前記ロックアップ係合圧領域としての後側空間2aに対して連通状態とする係合圧連通位置(図3に示す位置)と前記油室2cを前記ロックアップ排出圧領域としての前側空間2bに対して連通状態とする排出圧連通位置(図1及び図2に示す位置)との間を変位自在に設けられている。
また、バルブ室38内において切り替えバルブ39とバルブ室形成部材28の内底面との間には切り替えバルブ39を排出圧連通位置方向となる後方に向けて付勢する付勢部材としてのコイルバネ40が収容されている。このコイルバネ40は、その付勢力の大きさが次のように設定されている。すなわち、ロックアップクラッチ15の滑り係合状態時には、該コイルバネ40の付勢力とロックアップ排出圧領域としての前側空間2bの油圧との合計の方がロックアップ係合圧領域としての後側空間2aの油圧よりも大きくなると共に、ロックアップクラッチ15の完全係合状態時には、該コイルバネ40の付勢力と上記前側空間2bの油圧との合計の方が上記後側空間2aの油圧よりも大きくなるように設定されている。
なお、切り替えバルブ39の後端面からは軸方向後方に向けて突起39aが突設されており、切り替えバルブ39が排出圧連通位置に変位した場合には、その突起39aによりタービンハブ23の鍔部23aの前面にて構成されるバルブ室38の内面と切り替えバルブ39との間に若干の隙間を確保形成するようになっている。そして、切り替えバルブ39が排出圧連通位置にある場合には、その突起39aにより確保形成された隙間に対して、上記油路a3を介してロックアップ係合圧領域として後側空間2aからATFが流入し、切り替えバルブ39を係合圧連通位置方向となる前方に向けて押圧するように構成されている。
そこで次に、以上のように構成されたトルクコンバータ10の作用につき、特にロックアップクラッチ15が係合状態(滑り係合状態、及び、完全係合状態)となる場合の摩擦接触機構17の作用に着目して以下説明する。
さて、ロックアップクラッチ15が図1に示す非係合状態から図2に示す滑り係合状態になる場合には、後側空間2a内にロックアップ係合圧のATFが供給され、該ATFの油圧を受けてクラッチ板27が前側に押圧される。そのため、クラッチ板27は摩擦部材29がフロントカバー11の後面に回転差を持って摺接し、エンジンの出力軸からの回転駆動が回転差を持って変速機構の入力軸24に伝達される滑り係合状態となる。
ここで、こうしたロックアップクラッチ15の滑り係合状態時には、クラッチ板27が不安定な摩擦摺動態様で回転するため、該クラッチ板27の振動及び該クラッチ板27に連結されたダンパ装置16の振動に起因したジャダー振動が発生し易く、このジャダー振動が変速機構の入力軸24に伝達されると、ドライブフィーリングが悪化する。そのため、こうしたジャダー振動が発生した場合は、該ジャダー振動が変速機構の入力軸24側に伝達されることを低減することが望ましい。
この点、本実施形態では、ロックアップクラッチ15の滑り係合状態時にジャダー振動が発生した場合、該振動が変速機構の入力軸24側へ伝達されることを摩擦接触機構17が次のようにして低減する。
すなわち、ロックアップクラッチ15の滑り係合状態時には、変位切り替え機構35における油路a3を介して後側空間2aからロックアップ係合圧のATFがバルブ室38内に流入し、切り替えバルブ39をコイルバネ40の付勢力及びロックアップ排出圧に抗して係合圧連通位置方向となる前方に向けて押圧しようとする。しかしながら、この滑り係合状態時には、バルブ室38内において切り替えバルブ39を排出圧連通位置方向となる後方に向けて付勢するコイルバネ40の付勢力と前側空間2bの油圧であるロックアップ排出圧との合計の方が、バルブ室38内において切り替えバルブ39を係合圧連通位置方向となる前方に向けて押圧するロックアップ係合圧よりも大きいため、切り替えバルブ39は排出圧連通位置から変位しない。
そのため、ピストン34とクラッチ板27との間の油室2cは前側空間2bと連通した状態となり、該油室2c内にはロックアップ排出圧のATFが流入して油密状態となる。その結果、ピストン34は、その前面で受圧するロックアップ排出圧よりも、その後面で受圧するロックアップ係合圧の方が高圧であるので、次第に前方に押圧されて変位し、最終的には前面に固着した摩擦部材37がクラッチ板27の後面に摩擦接触する。そして、このように摩擦部材37がクラッチ板27に摩擦接触することで、ロックアップクラッチ15におけるヒステリシスが増大し、ジャダー振動の変速機構側への伝達を低減する。
一方、ロックアップクラッチ15が図2に示す滑り係合状態から図3に示す完全係合状態になる場合には、後側空間2a内に供給されるロックアップ係合圧のATFの油圧が前記滑り係合状態時よりも昇圧される。そのため、クラッチ板27は滑り係合状態時よりも強く前側に押圧され、摩擦部材29を介してフロントカバー11に対して一体回転可能に摩擦接触する。その結果、ロックアップクラッチ15は、エンジンの出力軸と変速機構の入力軸24とを機械的に接続した直結状態(完全係合状態)となる。
ここで、こうしたロックアップクラッチ15の完全係合状態時には、エンジンの出力軸と変速機構の入力軸24とが直結状態となるため、エンジン内の燃料の爆発に基づく振動によるトルク変動が発生した場合、そうしたトルク変動が変速機構側にダイレクトに伝達されてドライブフィーリングを悪化させることがある。そのため、ダンパ装置16によりトルク変動を減衰させる構成が採用されているが、ピストン34がクラッチ板27に摩擦接触していると、このピストン34を介して上記トルク変動が変速機構側にダイレクトに伝達されてしまう。
この点、本実施形態では、ロックアップクラッチ15の完全係合状態時において、エンジンの爆発振動に基づくトルク変動が変速機構の入力軸24側へ伝達されることを摩擦接触機構17が次のようにして低減する。
すなわち、ロックアップクラッチ15の完全係合状態時には、上記滑り係合状態時と同様に、変位切り替え機構35における油路a3を介して後側空間2aからロックアップ係合圧のATFがバルブ室38内に流入し、切り替えバルブ39をコイルバネ40の付勢力及びロックアップ排出圧に抗して係合圧連通位置方向となる前方に向けて押圧する。すると、この場合は、上記滑り係合状態時とは異なり、バルブ室38内において切り替えバルブ39を排出圧連通位置方向となる後方に向けて付勢するコイルバネ40の付勢力と前側空間2bの油圧であるロックアップ排出圧との合計よりも、バルブ室38内において切り替えバルブ39を係合圧連通位置方向となる前方に向けて押圧するロックアップ係合圧の方が大きいため、切り替えバルブ39は係合圧連通位置に変位する。
そのため、ピストン34とクラッチ板27との間の油室2cは後側空間2aと連通した状態となり、該油室2c内にはロックアップ係合圧のATFが流入して油密状態となる。その結果、ピストン34は、その前面及び後面が共にロックアップ係合圧を受圧することになるので、ピストン34自体は前後方向に変位することはないが、クラッチ板27が、後側空間2aのロックアップ係合圧の油圧を受けてピストン34から離間するように前方に変位する。したがって、ピストン34がクラッチ板27に対して相対的に変位して離間することになり、ピストン34とクラッチ板27とは非接触状態になるので、エンジンの爆発振動に基づくトルク変動の変速機構側への伝達が低減される。
本実施形態によれば、以下の効果を得ることができる。
(1)上記実施形態では、ロックアップクラッチ15の滑り係合状態時には、ロックアップクラッチ15のクラッチ板27に対して摩擦接触機構17のピストン34が摩擦接触することにより、滑り係合状態時に発生したジャダー振動を摩擦エネルギーに変換して減衰させる。したがって、ロックアップクラッチ15の滑り係合状態時に発生したジャダー振動が変速機構の入力軸24側に伝達されることを低減できる。
(1)上記実施形態では、ロックアップクラッチ15の滑り係合状態時には、ロックアップクラッチ15のクラッチ板27に対して摩擦接触機構17のピストン34が摩擦接触することにより、滑り係合状態時に発生したジャダー振動を摩擦エネルギーに変換して減衰させる。したがって、ロックアップクラッチ15の滑り係合状態時に発生したジャダー振動が変速機構の入力軸24側に伝達されることを低減できる。
(2)上記実施形態では、ロックアップクラッチ15の完全係合状態時には、摩擦接触機構17のピストン34がロックアップクラッチ15のクラッチ板27から離間した非接触状態になる。したがって、エンジン等の駆動源の爆発振動に基づくトルク変動がロックアップクラッチ15から摩擦接触機構17を介して変速機構の入力軸24側に入力されるのを低減することが可能となる。
(3)上記実施形態では、ロックアップクラッチ15を係合状態とさせるクラッチ作動時にトルクコンバータ10内を流動するATF(作動油)の油圧を有効利用することにより、ピストン(変位部材)34をロックアップクラッチ15のクラッチ板27に摩擦接触する係合位置と該係合位置から離間した非係合位置との間で変位(押圧移動)させることができる。すなわち、そのピストン34に対して係合位置側となる前側から作用するATFの油圧と非係合位置側となる後側から作用するATFの油圧との差圧に基づき、ピストン34を、係合位置と非係合位置との間で格別に電気的制御機構を必要とすることなく簡単に変位させることができる。
(4)上記実施形態では、ピストン(変位部材)34を係合位置側から非係合位置側に向けて押圧するATF(作動油)の油圧が、ロックアップクラッチ15の滑り係合状態時にはロックアップ排出圧になり、ロックアップクラッチ15の完全係合状態時にはロックアップ係合圧になる。また、この場合、ピストン34に対しては、常に非係合位置側から係合位置側に向けてロックアップ係合圧の油圧が作用している。そのため、ロックアップクラッチ15の滑り係合状態時において、ピストン34は、高圧側のロックアップ係合圧に押圧されることにより、係合位置側に変位してロックアップクラッチ15のクラッチ板27に摩擦接触する。その一方、ロックアップクラッチ15の完全係合状態時には、ピストン34に対して係合位置側及び非係合位置側から共に同じロックアップ係合圧の油圧が作用するため、ピストン34自身が油圧により押圧されて変位することはない。しかし、その場合には、トルクコンバータ10内において同様にロックアップ係合圧を受圧したロックアップクラッチ15のクラッチ板27がピストン34から離間するように変位するので、ピストン34はロックアップクラッチ15のクラッチ板27に対して相対的に変位して非接触状態となる。
(5)上記実施形態では、ロックアップクラッチ15の滑り係合状態時には、切り替えバルブ39を排出圧連通位置方向に付勢するコイルバネ(付勢部材)40の付勢力とロックアップ排出圧との合計の方が、切り替えバルブ39を係合圧連通位置に向けて付勢するロックアップ係合圧よりも大きくなる。そのため、切り替えバルブ39が排出圧連通位置に位置することにより、ピストン34に係合位置側から油圧を作用させる油室2cの油圧がロックアップ排出圧になり、ピストン34は、高圧側のロックアップ係合圧に押圧されて係合位置に変位する。その一方、ロックアップクラッチ15の完全係合状態時には、切り替えバルブ39を排出圧連通位置方向に付勢するコイルバネ40の付勢力とロックアップ排出圧との合計よりも、切り替えバルブ39を係合圧連通位置に向けて付勢するロックアップ係合圧の方が大きくなる。そのため、切り替えバルブ39が係合圧連通位置に位置することにより、ピストン34に係合位置側から油圧を作用させる油室2cの油圧はロックアップ係合圧になる。すなわち、ピストン34には、係合位置側及び非係合位置側から共に同じロックアップ係合圧の油圧が作用する。そのため、ピストン34自身が油圧により押圧されて変位することはないが、その時点においてロックアップ係合圧を受圧したロックアップクラッチ15のクラッチ板27がピストン34から離間するように変位するので、ピストン34はロックアップクラッチ15に対して相対的に変位して非接触状態となる。
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
・上記実施形態において、付勢部材はコイルバネ40ではなく、板ばね等の他の形態の付勢部材を用いてもよい。
・上記実施形態において、付勢部材はコイルバネ40ではなく、板ばね等の他の形態の付勢部材を用いてもよい。
・上記実施形態において、バルブ室38内には付勢部材としてのコイルバネ40を設けることなく、例えば、切り替えバルブ39におけるロックアップ係合圧を受圧する後端面とロックアップ排出圧を受圧する前端面の受圧面積が互いに異なるようにバルブの形態を設計することにより、切り替えバルブ39に対して軸方向の前後から作用する力に差異が生じるようにしてもよい。
・上記実施形態において、変位切り替え機構35は、切り替えバルブ39を電磁ソレノイドにより係合圧連通位置と排出圧連通位置との間を変位する構成としてもよい。
・上記実施形態において、変位部材としてのピストン34は、該ピストン34を電磁ソレノイドによりクラッチ板27に摩擦接触する係合位置と該係合位置から離間した非係合位置との間を変位する構成としてもよい。
・上記実施形態において、変位部材としてのピストン34は、該ピストン34を電磁ソレノイドによりクラッチ板27に摩擦接触する係合位置と該係合位置から離間した非係合位置との間を変位する構成としてもよい。
・上記実施形態において、変位部材としてのピストン34は、ロックアップクラッチ15の滑り係合状態時にクラッチ板27に摩擦接触する構成であれば、ロックアップクラッチ15の完全係合状態時には必ずしもクラッチ板27から離間した非係合位置に変位しなくてもよい。この場合でも、ロックアップクラッチ15の滑り係合状態時にジャダー振動が変速機構側へ伝達することは低減できる。
2c…油室、10…トルクコンバータ、13…コンバータハウジング、15…ロックアップクラッチ、17…摩擦接触機構、19…ポンプインペラ、20…タービンランナ、24…入力軸、34…変位部材としてのピストン、35…変位切り替え機構、38…バルブ室、39…切り替えバルブ、40…付勢部材としてのコイルバネ。
Claims (5)
- 駆動源の出力軸に連結されたコンバータハウジングと、
該コンバータハウジングに連結されたポンプインペラと、
該ポンプインペラと対向する態様で変速機構の入力軸に連結されたタービンランナと、
該タービンランナと前記コンバータハウジングとの間に位置してクラッチ作動することにより前記出力軸と前記入力軸とを直結可能なロックアップクラッチと、
該ロックアップクラッチが前記コンバータハウジングに対して回転差を持って摺接する滑り係合状態時に前記ロックアップクラッチに摩擦接触する摩擦接触機構と
を備えたことを特徴とするトルクコンバータ。 - 請求項1に記載のトルクコンバータにおいて、
前記摩擦接触機構は、前記ロックアップクラッチが前記コンバータハウジングに対して一体回転可能に摩擦接触する完全係合状態時には前記ロックアップクラッチから離間した非接触状態になることを特徴とするトルクコンバータ。 - 請求項1又は請求項2に記載のトルクコンバータにおいて、
前記摩擦接触機構は、前記ロックアップクラッチに摩擦接触する係合位置と該係合位置から離間した非係合位置との間を変位自在に設けられた変位部材と、該変位部材に対して前記係合位置側及び前記非係合位置側から前記ロックアップクラッチのクラッチ作動時にトルクコンバータ内を流動する作動油の油圧を作用させて前記変位部材を変位させる変位切り替え機構とを備えていることを特徴とするトルクコンバータ。 - 請求項3に記載のトルクコンバータにおいて、
前記変位切り替え機構は、前記変位部材に対して前記係合位置側から前記非係合位置側に向けて油圧を作用させる作動油の油室を、前記ロックアップクラッチの滑り係合状態時にはロックアップ係合圧領域に連通させる一方、前記ロックアップクラッチの完全係合状態時にはロックアップ排出圧領域に連通させることを特徴とするトルクコンバータ。 - 請求項4に記載のトルクコンバータにおいて、
前記変位切り替え機構は、前記油室を前記ロックアップ係合圧領域と前記ロックアップ排出圧領域とに分岐して連通するバルブ室と、該バルブ室内において前記ロックアップ係合圧領域の油圧及び前記ロックアップ排出圧領域の油圧を互いに相反する方向から受けながら前記油室を前記ロックアップ係合圧領域に対して連通状態とする係合圧連通位置と前記油室を前記ロックアップ排出圧領域に対して連通状態とする排出圧連通位置との間を変位自在に設けられた切り替えバルブと、該切り替えバルブを前記ロックアップ排出圧領域の油圧と協働して前記排出圧連通位置方向に付勢する付勢部材とを備え、前記ロックアップクラッチの滑り係合状態時には、前記付勢部材の付勢力と前記ロックアップ排出圧領域の油圧との合計の方が前記ロックアップ係合圧領域の油圧よりも大きくなる一方、前記ロックアップクラッチの完全係合状態時には、前記付勢部材の付勢力と前記ロックアップ排出圧領域の油圧との合計よりも前記ロックアップ係合圧領域の油圧の方が大きくなるように前記付勢部材の付勢力が設定されていることを特徴とするトルクコンバータ。
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