JP2009131715A - 血管フィルタ引き出し用キット - Google Patents

Abstract

【課題】本発明は、互いに自然に散開した複数の弾性ストランド（３２）のための保持スリーブとして作用する前端（３１）によって形成され、血管壁上に固定されるように外側に曲がったフック（３３）を具えた先端を有するかさ型血管フィルタを取り外すためのキットを提供する。
【解決手段】このキットは外筒カテーテルと呼ばれる第１カテーテル（１）と、この外筒カテーテルに挿入可能なロッドとを具え、このロッドは、その先端にロッドから外に広がって自然に散開した内側に曲がったフック（２０）を有するた複数の弾性分枝（１８）を具え、これらが互いに閉じることによってフィルタの前端（３１）を把持するように構成され、更に好ましくは、このキットは外筒カテーテル（１）内に挿入可能な直径を有する第２カテーテル（１１）も具えている。
【選択図】図２

Description

本発明は血管フィルタ引き出し用キットに関する。

現在、二つのタイプの下大静脈用のフィルタが知られている。下大静脈用のフィルタは、半開きのかさのフレームに似てはいるがリブだけを有する金属製のストランドと、後者のボスヘッドとで構成された装置であって、下大静脈に設置されるものであることを思い出すことが必要である。この金属製のストランドはその自由端にフックを具えて、血管壁にくっついて離れないようになっている。

これらのストランドは細くて可撓性を有し、したがって下大静脈の蠕動運動に伴って律動的に動く。金属ストランドを交互に近づけたり遠ざけたりさせるこの運動によって、かさ型フィルタが血餅を阻止した場合に、血餅を次第に剪断して無害な小片にすることができる。

第１のタイプのフィルタは恒久的タイプであり、この場合には、かさ型フィルタは下大静脈の上方に設置され、そこに恒久的に残される。医療従事者は異物を人体内に残しておくことについて、常にためらいをもっている。

一時的なフィルタも知られている。この場合には、フィルタは、所定の箇所に残されて時期が来ると引き出されるカテーテルの端部に装着されている。しかし、このカテーテルは接着してしまって、引き出しの際に血管壁を引き裂いてしまうことがある。更に、約５０センチの長さを有するので、このカテーテルはその一部が体外に留まっていなければならず、感染の原因となる。一時的タイプの装置を装着した患者が厳格な衛生状態に維持され、恒久的に抗生物質薬剤の投与を受ける理由は、そこにある。

したがって、恒久的タイプのかさ型フィルタ即ち金属製ストランドがその自由端にフックを有しているかさ型フィルタであって、それでも取り外しが可能なタイプのフィルタを、下大静脈及びその他の血管内に設置することが望まれている。

多くの研究の後に、本出願人は、カテーテルと、フック付きの可撓性レッグを端に具えたステムとを具えたキットが、恒久的タイプのかさ型フィルタを把持し、血管を損傷することなくそれを外すようにストランドを圧縮することが可能なことを発見した。

即ち、本出願は、自然に散開し、血管壁に固定されるように外側を向いたフック（３３）で終わっている多数の可撓性ストランド（３２）のための保持スリーブとして役立つブッシュ（３１）によって形成されたかさ型の血管フィルタを引き出すためのキットであって、
第１の「外筒」カテーテルと、
前記外筒カテーテルに挿入可能で、一端に多数の可撓性のレッグを有するステムであって、そのレッグは、ステムから外へ開いていて、自然に散開し、かつ内側に向いたフックで終わっており、そのフックは、そのレッグが再び閉じた場合にフィルタのブッシュを把持するようになっているところのステムと、
から構成されていることを特徴とするキットに関する。

即ち、ステムを押すことによってステムの端に取付けられたレッグを閉じ、レッグが第１カテーテルの端の近くに到達するまでこれらを第１カテーテルの中に挿入し、この組立体がフィルタのブッシュの近くに到達するまで組立体を前進させ、ステムを前進させてレッグが外に出て開くようにすることができる。次ぎに、今度は第１カテーテルを前進させてレッグをブッシュの上に戻してこれを把持し、再び第１カテーテルを前進させてフィルタのストランドを再び閉じ、レッグをフィルタの中に入れ、フィルタを引き出すために第１カテーテルと同時にステムを引っ張るだけである。

この種の装置は、好適適用条件下では満足すべきものであることが判っているが、前述のキットは、更に外筒カテーテル内に導入可能な直径を有する第２カテーテルを具えている点に特徴を有する。

即ち、ステムとその閉じた可撓性レッグは始めから第２カテーテル内に設置されていて、ステムの端に取付けられたレッグを使用時に再び閉じることを不要にしている。予め第２カテーテル内に設置されるステムは、後者とは別に第２の消毒されたパック内にパックされることができる。

こうして、本発明は、前記外筒カテーテル内に挿入可能で一端に多数の可撓性ストランドを具えたステムが、第２カテーテルよりも大きい長さを有し、フィルタのブッシュを把持するのに使用される前に、前記ステムの可撓性ストランドが閉じた状態に維持されるように第２カテーテル内に設置されることを特徴とする前述のキットにも関連している。

面取りされてはいても、中空のカテーテルを血管へ導入するには、傷を付ける危険性が伴う。

したがって、本出願は、更に、このキットが外筒カテーテル内に導入するのに適した直径を有する第３カテーテルを具え、その前端は第１カテーテルと第３カテーテルとで構成された組立体を血管へ導入する際に拡張器として役立つように閉じられ且つ面取りされていることを特徴とする前述のキットにも関連している。

第３カテーテルが拡張器として役立つ限度までその長さは第１カテーテルより大きく、したがって血管への導入の際に第１カテーテルの端を越えることは理解されるであろう。第３カテーテルの外径は第１カテーテルの内径に合わせて滑り嵌合可能に調節されることが好ましい。

カテーテルを形成する材料として、ポリエチレンが使用されることが好ましい。
ステムとそのフック付きのレッグはステンレス製であることが望ましい。ハンドルが付いている場合には、そのハンドルも例えばポリエチレン製であることが好ましい。

カテーテルの長さは例えば２０〜１００cm、好ましくは３０〜９０cm、更に好ましくは４０〜８０cm、最も好ましくは４５〜６０cmである。

カテーテルの内径は、外筒カテーテルの場合には例えば４．７〜２．３mm、好ましくは４．３〜２．７mm、更に好ましくは３．３〜２．７mm、第２カテーテルの場合には例えば４．０〜１．６７mm、好ましくは３．３〜２mm、更に好ましくは２．７〜２mmである。特に、第１カテーテルの場合には直径９Ｆが、第２カテーテルの場合には直径７Ｆが用いられている。９Ｆと７Ｆの直径は、それぞれ、３．０及び２．３mmに相当する。

上述のキットの好ましい適用条件の下では、第３カテーテルは、その前端の近くに位置する体外から検出可能な少なくとも一つの装置を具えている。これによって、組立体をフィルタの方に進めることが可能になる。

体外から検出可能なこの装置は、例えばカテーテル上又は内に嵌合或いは挿入された放射線不透過性の、好ましくはステンレス製、特別な場合には金製、更に特別な場合にはプラチナ／イリジウム製のリングである。この装置はスポット状、点状に設けてもよく、或いはカテーテル全体を放射線不透過性にしてもよい。

上述のキットの他の好適条件の下では、体外から検出可能なこの装置はフィルタのブッシュのために使用されるのと同じ検出装置によって検出することができる。即ち、例えば放射線検査用の一つの同じ検出器によって、フィルタとそのブッシュを体内に設置し、それに向かうカテーテルの経路を監視することができる。

ステムの他に二つの中空カテーテルと拡張カテーテルを採用した本発明の最も精巧なバージョンのキットは、下大静脈の場合には次のように使用される。

穿孔針を用いて右頸静脈に孔が開けられる。テフロン（登録商標名）でコーティングされたＪ字型のガイドが剛性補強材の助けによって、その進行状況を放射線による検査で観察されながら、引き出されるべきフィルタの上方５cmに達するまで中に入れられる。穿孔針が引き出される。第１及び第３カテーテルの組立体は、放射線による放射線不透過性リングの検査の下で、その末端部をＪ字型ガイドに沿ってスライドさせられる。このＪ字型ガイドと第３カテーテルは、前部及び特に輪郭の放射線による検査の下で同時に引き出される。フック状可撓性レッグで終わっているステムのハンドルと第２カテーテルの入口点との間にくさびが入れられ、不注意によってステムが押し戻されて有鉤鉗子がかさのように開くことを防ぐ。指定された５cmを越えて下降しないことを保証し且つ放射線検査によって全操作の監視を続行しながら、ステムが中に入った第２カテーテルが導入される。次に、くさびが外され、ステムは僅かに前進させられて有鉤鉗子を開く。回復させられたフックが開いたら、回復対象のフィルタのブッシュの上方までゆっくりと下降させる。フックがブッシュの充分下方に位置するように確認する。手順のこの時点において、ステムの端のフックを越えて第１カテーテルをゆっくりとスライドさせる。前記くさび又はこれよりも少し短いくさびを再嵌合させて固定する。放射線検査の下で、鉗子のフックがフィルタのブッシュの下で適正に閉じ、うまく心出しできたことを確認する。引き続いて、第１カテーテルをフィルタのブッシュを越えてゆっくりと下降させ、そのストランドを内向きに折り畳む。フィルタのフックが血管壁からうまく外れたことを確認する。ステムとそれが把持しているフィルタとをゆっくりとした動きで引き出し、フィルタが第２カテーテルの中に完全に引き込まれたことを確認する。第１、第２カテーテルの組立体をステムとフィルタと共に運び出す。そして、穿孔点を止血する。

図１は、本発明による「外筒」と呼ばれる第１カテーテルの側面図を示す。 図２は、フィルタのブッシュを把持する位置にあるステムを具えた本発明による第２カテーテルの側面図を示す。 図３は、拡張器として役立つ本発明による第３カテーテルの側面図を示す。 図４は、かさ型の血管フィルタを示す。

本発明は添付の図面を参照して更に理解されるであろう。
図１には、面取りされた前端３を具えた内径３．０mm（９Ｆ）のポリエチレン製の中空チューブ２で構成された「外筒 (external) 」と呼ばれる第１カテーテル１が示されている。その後端には操作を容易にするように太くなった部分４が設けられ、フランジ５で終わっている。必要に応じて、前端３には、体外から検出可能なリング状の放射線不透過ゾーンが設けられている。その長さＬ₁は５５０mmである。

図２は第２カテーテル１１を示す。この第２カテーテルは、第１カテーテルとほぼ同じ形状を有する。したがって、これは面取りされた前端１３を具えている。後端にはフランジ１５で終わる太くなった部分１４が設けられている。その長さＬ₂は５５３mmであり、その内径は２．３mm（７Ｆ）であって、第１カテーテル１の中に挿入できるようになっている。

フィルタのブッシュを把持するためにステムが所定位置に設置されている。これはステンレス製のステム１７の上に成形されたポリエチレンの操作ハンドル１６を有している。他端には、これもステンレス製の多数の可撓性レッグ１８があり、シース１９によってステム１７に固定されている。これらの可撓性レッグ１８は、これらが閉じられた場合にフィルタのブッシュを把持するように内側を向いたフック２０で終わっている。これらはステム１７から外に出て開き、力が作用しない場合には自然に散開している。第１カテーテル１がステムの端に向かって前進せしめられると、レッグ１８は再び閉じてフック２０を互いに接近させる。第２カテーテル１１とステムの組立体が第１カテーテル１内に導入されるのは、レッグが閉じたこの位置においてである。

図３には、拡張器として役立つ第３カテーテル２１が示されている。この第３カテーテル２１は、ある程度第１、第２カテーテルとほぼ同じ形状を有している。したがって、フランジ２５で終わる太くなった部分１４を具えた後端を有する。その前端２３は面取りされているが僅かに円錐形をなし、特に閉鎖されている。その長さＬ₃は６０５mmであり、その内径は２．３mm（７Ｆ）であり、したがって第１カテーテル１に挿入可能になっている。この第３カテーテル２１は、Ｘ線を用いて体外から検出可能なリング状の二つの放射線不透過ゾーンを具え、その一方２６は面取りされた前端の近くに、他方２７はその後端から５６０mmの距離にある。

第３の拡張器用カテーテル２１が最初に第１の「外筒」カテーテル１内に設置され、この組立体がフィルタの所まで血管系の中に導入され、次ぎにもはや使われない第３カテーテル２１がステムを含む第２カテーテル１１と交換され、ステム、第２カテーテル１１及び第１カテーテル１を引き出すにつれてフィルタを把持し、それを取り外す。

図４は本発明のキットによって血管系から取り出されたフィルタを示す。これは、血管の壁に固定するように、自然に散開して外側を向いたフック３３で終わっている多数の可撓性ストランド３２のための保持スリーブとして役立つブッシュ３１を具えている。フック３３を構成する各ストランドの端はストランド３２に対して９１〜９５°或いはそれ以上の角度をなし、損傷を生じることなくフックが取り外せるようになっている。ストランド３２の中のブッシュ３１によって形成されたリムは、ステムのフック２０によって把持されることを可能にする。

１ 第１カテーテル
１１ 第２カテーテル
１８ 可撓性ストランド
２０ フック
２１ 第３カテーテル
３１ ブッシュ

Claims (9)

1. 自然に散開し、血管壁に固定されるように外側を向いたフック（３３）で終わっている多数の可撓性ストランド（３２）のための保持スリーブとして役立つブッシュ（３１）によって形成されたかさ型の血管フィルタを引き出すためのキットであって、
   「外筒」と呼ばれる第１カテーテル（１）と、
   前記外筒カテーテルに挿入可能で、一端に多数の可撓性レッグ（１８）を有するステムであって、そのレッグは、該ステムから外へ開いていて、自然に散開し、かつ内側に向いたフック（２０）で終わっており、そのフックは、そのレッグが再び閉じた場合にフィルタのブッシュ（３１）を把持するようになっているところのステムと、
   から構成されていることを特徴とするキット。
2. 更に、このキットが前記外筒カテーテル（１）に導入可能な直径を有する第２カテーテル（１１）を具えていることを特徴とする請求項１に記載のキット。
3. 前記外筒カテーテル（１）内に挿入可能で、一端に多数の可撓性ストランド（１８）を具えたステムが、第２カテーテル（１１）よりも大きい長さを有し、フィルタのブッシュ（３１）を把持するのに使用される前に、前記ステムの可撓性ストランド（１８）が閉じた状態に維持されるように第２カテーテル（１１）内に設置されることを特徴とする請求項２に記載のキット。
4. 更に、このキットが外筒カテーテル（１）内に導入するのに適した直径を有する第３カテーテル（２１）を具え、その前端（２３）は第１カテーテル（１）と第３カテーテル（２１）とで構成された組立体を血管内へ導入する際に拡張器として役立つように閉じられ且つ面取りされていることを特徴とする請求項２又は３に記載のキット。
5. 前記第３カテーテル（２１）が、その前端の近くに体外から検出可能な少なくとも一つの装置（２６）を具えていることを特徴とする請求項４に記載のキット。
6. 体外から検出可能な前記装置（２６）が、フィルタのブッシュ（３１）のために使用可能なものと同じ検出装置によって検出可能であることを特徴とする請求項５に記載のキット。
7. 前記カテーテルの長さが４０〜８０cmであることを特徴とする請求項１〜６のいずれか１項に記載のキット。
8. 前記カテーテルの内径が、外筒カテーテルの場合には４．７〜２．３mmであり、第２カテーテルの場合には４．０〜１．６７mmの範囲にあることを特徴とする請求項１〜７のいずれか１項に記載のキット。
9. 体外から検出可能な前記装置が、例えば放射線不透過性のリングで構成されていることを特徴とする請求項５又は６に記載のキット。

Images