JP2009129532A - 磁気ヘッドスライダ及び磁気ディスク装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】浮上量の増減を調整可能な磁気ヘッドスライダ、および磁気ヘッドスライダの目標の浮上量に達するまでの応答時間が短く、かつ信頼性が高い磁気ディスク装置を提供する。
【解決手段】磁気ヘッドスライダ1は、空気流入端面側の両側に流入端浮上パッド25を有し、空気流出端面側の中央部に再生素子と記録素子が位置する流出端浮上パッド24を有する。流出端浮上パッド24の再生素子及び記録素子の近傍に第1ヒータ31が設けられている。空気流出端面には再生素子と記録素子と第1ヒータ31に接続された複数の端子が形成されている。流入端浮上パッド25は、基板部上に形成された絶縁膜と、絶縁膜の面に平行に配置された第2ヒータ36で構成され、空気流入端面には第2ヒータ36に接続された複数の端子が形成されている。第1ヒータ31と第2ヒータ36に適宜通電することでスライダの浮上量を短い応答時間で制御可能とする。
【選択図】図8

Description

本発明は、磁気ヘッドスライダ及び磁気ヘッドスライダを搭載する磁気ディスク装置に係り、特に磁気ヘッドスライダの浮上量制御に関する。
情報ストレージの中核を担う磁気ディスク装置は大容量化、小型化、高速化が要求されている。磁気ディスク装置における大容量化すなわち高記録密度化は記録媒体である磁気ディスク技術や磁気ヘッドスライダ技術、微細加工技術、信号処理技術、そしてメカ・サーボ技術と相俟って、磁気ディスクと磁気ヘッドスライダ間のヘッド・ディスクインターフェース技術などの複数の総合技術によって実現されている。
ヘッド・ディスクインターフェース技術では、磁気ヘッドスライダの浮上量の狭小化が重要となっている。現在の磁気ヘッドスライダは、回転する磁気ディスクの表面に近づいたとき、磁気ディスクの回転に伴って磁気ヘッドスライダと磁気ディスクの間に流入する空気流により浮上力を受ける。この浮上力は磁気ヘッドスライダを押し上げる正圧と逆に磁気ヘッドスライダを引き付ける負圧との和からなる。この正圧は、前部にある空気軸受面と後部にある空気軸受面で発生し、また負圧は、この正圧を発生する空気軸受面で囲まれた磁気ヘッドスライダの中央部で発生する。そして、この浮上力が、磁気ヘッドスライダのサスペンション荷重とつりあうところで、磁気ヘッドスライダは一定の浮上量をもって磁気ディスク上を浮上走行する。このような磁気ヘッドスライダは、一般に負圧スライダと呼ばれている。この負圧スライダはスライダ荷重を小さくしても、ディスク定常回転時のスライダ荷重を負圧で与えることができるので、ディスクの周速が小さい領域から容易に浮上し、ディスクの内・外周でディスク面速度が異なっても、ある程度一定の浮上量を保つことができる。また、大気圧の変化による隙間の変化もある程度一定量にできる特徴をもっている。
磁気ヘッドスライダの浮上量の狭小化のためには、この負圧をもつ磁気ヘッドスライダの浮上量をさらに一定にする必要があり、具体的に、磁気ヘッドスライダの加工誤差、使用する環境気圧差、環境温度差、および半径位置(周速)によって変化する浮上量を低減することが重要である。
磁気ヘッドスライダの加工誤差や使用する環境気圧差、環境温度差、及び半径位置に伴う浮上量の変化を低減する方法として、例えば特許文献1などに浮上量を調整する機能を有する磁気ヘッドスライダを持つ磁気ディスク装置が提案されている。この特許文献1に記載の技術では、薄膜抵抗体からなるヒータを記録再生素子の近傍に設け、スライダの一部を必要に応じて加熱して膨張させることにより、記録再生部を突出させ、記録再生素子の浮上量を調整するものである。特許文献2には、浮上面の平面部の一部に、形状記憶材で形成された形状記憶浮上面を設け、磁気ディスクの回転開始時に、形状記憶浮上面を加熱することによって浮上面の面積を拡大し、コンタクト・スタート・ストップ方式の浮動ヘッドスライダを短時間で浮上させる技術が開示されている。特許文献3には、浮上面から一段下がった浅溝部にヒータを配置し、そのヒータを加熱することによって、スライダのエアベアリング面と磁気ディスクとの間の空気を加熱して熱膨張させ、スライダと磁気ディスクの間の距離を広げる技術が開示されている。特許文献4には、記録再生素子の両側の、記録再生素子から十分離れた位置に加熱装置を配置することにより、再生素子への熱負荷を小さくし、かつ通電によってスライダの浮上量を大きくする技術が開示されている。
特開平5−020635号公報 特開平2−210679号公報 特開2006−092709号公報 特開2004−241092号公報
浮上量調整型の磁気ヘッドスライダにおいては、ヒータに通電を開始してから記録再生素子の浮上量が目標の浮上量に達するまでの時間、すなわち応答時間は、重要な特性の一つであるが、これまでは検討されていなかった。例えば、特許文献1のような浮上量を低減させるのみの浮上量調整型磁気ヘッドスライダの場合、目標とする浮上量に達するまでの応答時間を小さくするには、印加電流を増加させてやる必要があるが、あまり増加させると、目標とする浮上量を超えてしまう(オーバーシュート)。これは、磁気ディスク面と接触する危険性があり、印加電流を増加させて応答時間を小さくすることは得策ではない。特許文献2乃至特許文献4のような浮上量を増加させるのみの浮上量調整型磁気ヘッドスライダの場合も、印加電流を増大して、応答時間を小さくすることはできるが、オーバーシュートの部分だけ、時間遅れが生じる。
また、もう一つの課題として、熱による再生素子の劣化現象がある。磁気ヘッドスライダには、再生素子としてGMR(Giant-magneto-Resistance)やTMR(Tunnel-magneto-Resistance)と呼ばれる高感度なセンサが搭載されており、これは熱負荷に極めて弱く、高温や長時間の熱にさらされると、信頼性を損なう問題があった。特許文献4では、浮上量増加用ヒータは記録再生素子から離れた位置に配置されているが、浮上量増加用ヒータを加熱するために投入される外部電流印加用の接続パッドは、磁気ヘッドスライダの再生素子用パッド及び記録素子用パッドと同じ流出端側面に設けられている。浮上量増加用のヒータは、浮上量低減用ヒータに比べ、投入パワーを大きくする必要があるため、磁気ヘッドスライダの流出端側面も加熱され、その結果、ますます再生素子への負荷が大きくなる。
また、今後の高記録密度化に必須であるディスクリートトラックメディアやビットパターンドメディアを磁気ディスクとして使用した磁気ディスク装置においては、次のような課題がある。すなわち、従来の平坦な磁気ディスクに対して一定の浮上量をもって浮上するように構成された磁気ヘッドスライダを、ディスクリートトラックメディアやビットパターンドメディアに適用した場合、磁気ヘッドスライダが浮上力を得ることができるディスク面の面積は、従来の磁気ディスク面と比較して小さくなるため、磁気ヘッドスライダの浮上量そのものが低下する。さらに、磁気ヘッドスライダの記録再生位置が磁気ディスクの内周、中周、外周位置それぞれにおいて、磁気ヘッドスライダはヨー角をもち、ヨー角が大きい内周位置では、流入する空気の量が極端に少なくなってしまう。その結果、磁気ヘッドスライダの浮上安定性を維持できなくなる。
本発明の目的は、浮上量の増減を調整可能な磁気ヘッドスライダを提供することである。
本発明の他の目的は、磁気ヘッドスライダの目標の浮上量に達するまでの応答時間が短く、かつ信頼性が高い磁気ディスク装置を提供することである。
本発明の代表的な磁気ヘッドスライダは、空気流入端面側に流入端浮上パッドを有し、空気流出端面側の中央部に再生素子と記録素子が位置する流出端浮上パッドを有する磁気ヘッドスライダであって、流出端浮上パッドの位置に再生素子及び記録素子に近接する第1ヒータを有し、空気流出端面に再生素子,記録素子および第1ヒータに接続された複数の端子を有し、流入端浮上パッドは空気軸受面に形成された絶縁膜の表面に平行に配置された第2ヒータを有し、空気流入端面に第2ヒータに接続された複数の端子を有するものである。
前記流入端浮上パッドの最大空気圧力中心位置と、第2ヒータの加熱による最大突出位置が一致あるいは近接していることが望ましい。
前記第2ヒータは、絶縁膜の表面に薄膜抵抗体の細線が蛇行して配線されたものであり、配線の間隔が流入端浮上パッドの最大空気圧力中心位置において他の部分よりも狭くされる。
本発明の代表的な磁気ディスク装置は、流入端浮上パッドと、再生素子と記録素子が位置する流出端浮上パッドを有する磁気ヘッドスライダと、磁気情報を保持する磁気ディスクとを有し、磁気ヘッドスライダは流出端浮上パッドの位置に発熱により再生素子及び記録素子を含む周辺部分を突出させる第1ヒータを有し、さらに流入端浮上パッドを構成する、発熱により流入端浮上パッド部分を突出変形させる第2ヒータを有し、
再生素子の再生出力が基準値よりも大きい場合には、第2ヒータに通電して流入端浮上パッドを突出変形させることにより磁気ヘッドスライダの浮上量を増加し、再生素子の再生出力が基準値よりも小さい場合には、第1ヒータに通電して再生素子及び記録素子を含む周辺部分を突出させることにより再生素子及び記録素子を含む周辺部分の浮上量を低減するものである。
第2ヒータに通電して磁気ヘッドスライダの浮上量を増加する場合には、浮上量増加のオーバーシュートが発生する期間、第1ヒータに通電してオーバーシュートを補正する。
また、第1ヒータに通電して再生素子及び記録素子を含む周辺部分の浮上量を低減する場合には、浮上量低減のオーバーシュートが発生する期間、第2ヒータに通電してオーバーシュートを補正する。
また、流入端浮上パッドを空気流入端側の両側に設け、磁気ヘッドスライダにローリングが発生した場合は、磁気ディスクに近い方の第2ヒータに通電することにより、ローリングを補正する。
本発明によれば、浮上量の増減を調整可能な磁気ヘッドスライダを提供することができる。また、磁気ヘッドスライダの目標の浮上量に達するまでの応答時間が短く、かつ信頼性が高い磁気ディスク装置を提供することができる。さらに、パターンドメディアを搭載する磁気ディスク装置においても、磁気ヘッドスライダの浮上を安定に維持することができる。
以下、本発明の実施例について図面を用いて説明する。各図面において、同一構成部品には、同一符号を付してある。
<実施例1>
図3を参照して実施例1の磁気ディスク装置の概略構成を説明する。磁気ディスク装置7は、スピンドルモータ8を備え、スピンドルモータ8には磁気ディスク9が取り付けられ、磁気ディスク9はスピンドルモータ8により回転駆動される。また、磁気ディスク装置7は、揺動可能なアクチュエータ10と、アクチュエータ10を駆動するボイスコイルモータ11とを備えている。アクチュエータ10にはサスペンション13が取り付けられ、サスペンション13には磁気ヘッドスライダ1が保持されている。磁気ヘッドスライダ1には、磁気ディスク9に対して磁気情報を記録あるいは再生する記録再生素子が搭載されている。サスペンション13は板バネで構成されており、磁気ヘッドスライダ1に磁気ディスク方向の荷重を与えている。また、磁気ヘッドスライダ1はサスペンション13とともに、ボイスコイルモータ11によって磁気ディスク9のトラック方向に揺動されてシーク動作を行い、磁気ディスク面全体で記録再生を行う。また、磁気ディスク装置7は、ランプ機構14を備えており、磁気ヘッドスライダ1は装置の停止時あるいは読み書き命令が一定時間ない場合、サスペンション13の先端部のリフトタブ12を介して磁気ディスク面上からランプ機構14上に退避される。
図4は、磁気ヘッドスライダ1を空気軸受面側から見た模式図で、全体構成を示している。磁気ヘッドスライダ1は、例えば長さ0.85mm、幅0.7mm、厚さ0.23mmのほぼ直方体形状をしており、空気軸受面16、空気流入端面17、空気流出端面18、両側の側面19、背面20の6面を有する。
空気軸受面16には、イオンミリングやエッチングプロセスによって微細な段差が複数設けられており、最も磁気ディスク面に近い側から浮上パッド面21、浮上パッド面21よりも約150nm深いステップ軸受である浅溝面22、浮上パッド面21よりも約1μm深くなっている深溝面23で構成されている。さらに、浮上パッド面21は、後部空気浮上面(流出端浮上パッド)24と前部空気浮上面(流入端浮上パッド)25から構成される。浮上パッド面21は、磁気ディスク面と対向して正圧の空気圧力を発生させる。深溝面23は負圧の空気圧力を発生させる。この正圧と負圧の和とスライダの背面から負荷されるサスペンション荷重が釣り合うところで、磁気ヘッドスライダ1は、安定に浮上する。なお、図4においては、流入端浮上パッド25は、スライダの中心軸を対象として、左右に1つずつ設けられているが、左右に2つ以上あってもよいし、左右の浮上パッドが繋がった形状の1つの流入端浮上パッドでも良い。
磁気ヘッドスライダ1のより詳細な構成について、図1及び図2を用いて説明する。図1は、前述した段差を強調して描いた空気軸受面16の各構成要素を示す斜視図である。図2は、図1のA-A線断面図である。磁気ヘッドスライダ1は、アルミナとチタンカーバイトの焼結体に代表されるセラミック材料の基板部26と、磁気記録再生部27と、流入端配線部28と、流入端浮上パッド25と、流出端浮上パッド24から構成される。再生素子29及び記録素子30は流出端浮上パッド24の磁気記録再生部27に形成されている。再生素子29は、磁気抵抗効果を利用したもので構成されている。例えば、GMRやTMRなどからなる。少なくとも流出端浮上パッド24の最表面は記録再生素子の腐食を防ぐために、厚さ数ナノメートルのカーボン膜等で被覆されている(図示せず)。磁気記録再生部27の基板部26に近い部分では、薄膜抵抗体による加熱手段31が再生素子29及び記録素子30と一連の薄膜プロセスを用いて、空気流出端面18側から形成されており、これを本実施例では第1ヒータ31と呼ぶ。また、それぞれの素子の間および上部は、アルミナなどの硬質保護膜32で覆われている。
流入端配線部28は、電気絶縁物質のアルミナ35から構成され、流入端方向の厚さは約50μmである。これらは、記録再生素子部27が形成された基板部26の側面とは反対側の空気流入端面17側から薄膜プロセスによって、形成されている。また、薄膜抵抗体による加熱手段36に電流を供給するための配線33と、サスペンション13の端子39(図7照)と電気的に接続するための接続パッド34が配置されている。配線33は、金、銀、銅などの伝導率の高い材料で形成され、その後、金などで接続パッド34が形成される。
流入端浮上パッド25は、スパッタリングなどの薄膜プロセスを用いて、空気軸受面16側から形成された加熱手段36と、電気絶縁のためのアルミナ膜37から構成される。この流入端浮上パッド25を構成する下層のアルミナ絶縁膜(絶縁膜)37の面と平行に形成された上層の薄膜抵抗体の加熱手段36を本実施例では第2ヒータと呼ぶ。
第1ヒータ31は、図5Aに示すように、材質がパーマロイ、厚さが0.5μm、幅が3μm、長さ600μmの薄膜抵抗体の細線31aを、流出端浮上パッド24の面に垂直な方向に、奥行き60μm、幅60μmの領域に蛇行構造にして形成されている。
第2ヒータ36は、材質がパーマロイであり、絶縁膜37の上面に、図5Bに示すように幅が50nm〜10μmの薄膜抵抗体の細線36aを折り返しの蛇行構造にして形成されている。なお、第2ヒータ36のその他の材質として、Cu、Ni、W、ニッケルクロム合金など、パーマロイ以外の金属材料を用いることができる。
図1に戻り、接続パッド34から入力された外部電流は、配線33を経由して、第2ヒータ36に供給され、第2ヒータ36は加熱される。このとき、接続パッド34からも発せられる熱は、流入端付近のみとなる。このように、接続パッド34を空気流入端面17に配置することにより、熱に弱い再生素子29に悪影響を及ぼさないという効果がある。また、第2ヒータ36も流入端側の浮上パッド25に配置されるので、第2ヒータ36が発する熱も再生素子29に悪影響を及ぼすことはない。
次に第2ヒータ36の製造方法について説明する。図6は、第2ヒータ36の作製プロセスの断面も式図である。図6(a)に示すように、あらかじめ、基板部26の空気流入端となる側面を決めてやり、そこからスパッタリングやレジストにより配線33とアルミナ膜35を作製する。その後、接続パッド34をメッキ等によって作成して、流入端配線部28とする。流入端配線部28とは反対の基板部26の面より、すなわち基板部26の流出端面となる面へ磁気記録再生部27を作製する。
次に図6(b)に示すように、基板部26の空気軸受面となる面に、レジストやドライエッチング等により、深溝面23となる深さが1μm〜5μmの段差を形成する。ここでは、溝の深さは1.5μmとした。
次に図6(c)に示すように、ドライエッチングにより、流出端浮上パッド24の面より500nmの深さの段差を形成して、浅溝面22を形成する。また、流入端浮上パッド25側にも、浅溝面22と同じ深さの段差を形成する。その際、配線33の面がドライエッチングにより露出するような位置に、配線33が形成されている必要がある。
次に図6(d)に示すように、アルミナなどの非磁性絶縁膜37を流入端の浮上面となる位置に厚さ250nm形成し、その後、図6(e)に示すように第2ヒータ36として、薄膜抵抗体を厚さ250nm形成する。なお、第2ヒータ36の厚さは、浅溝面22や深溝面23の深さを調整することにより調整可能である。また、流入端浮上パッド25の上層となる第2ヒータ36の表面と、流出端浮上パッド24の面の高さが同じなるように、第2ヒータ作成時に厚さを調整してもよい。
続いて、流入端浮上パッド25の表面と流出端浮上パッド24の表面を平坦及び平滑にする為に研磨を行い、最後に、その上からカーボン膜等を形成する(図示せず)。
次に図7を参照して、磁気ヘッドスライダ1をサスペンション13に固定する方法について説明する。磁気ヘッドスライダ1の第1ヒータ31に外部電力を印加するための接続パッド34’及び記録再生素子用の接続パッド34’を、サスペンション13の流出端側配線パッド38に、ボールボンディングやはんだにより接続する。また、第2ヒータ36に外部電力を印加するための接続パッド34とサスペンション側の流入端配線パッド39を、ボールボンディングで接続して、サスペンション13に磁気ヘッドスライダ1を固定する。図7では、磁気ヘッドスライダ1の流出端の接続パッド34’は、記録素子用が2個、再生素子用が2個、第1ヒータ用が2個の合計6個である。流入端の接続パッド34は4個あり、流入端側の左右に一個ずつある流入端浮上パッド25の第2ヒータ36に、2個ずつ使用される。
次に、浮上量低減用である第1ヒータ31及び浮上量増加用である第2ヒータ36の作用について、図8を用いて説明する。図8(a)は磁気ヘッドスライダ1が磁気ディスク表面40上を浮上している状態の側面図であり、いずれのヒータにも電流が供給されていない、加熱無しの状態を示す。この状態における記録再生素子部27′と、磁気ディスク表面40との間隔をFH0とする。第1ヒータ31の長手方向は、流出端浮上パッド24の面と垂直であり、さらにパッド面から離れた位置に存在している。一方、第2ヒータ36の形成される方向は、流入端浮上パッド25の面と平行である。
図8(b)は、浮上量低減用の第1ヒータ31に通電し、加熱により流出端浮上パッド24が変形した状態を示す図である。第1ヒータ31に電流が供給されると、第1ヒータ31は熱を発生する。第1ヒータ31で発生した熱は、大部分が浮上面から磁気ディスク表面40に伝わって逃げるため、温度が上昇するのは第1ヒータ31の近傍だけであり、その温度差が流出端浮上パッド24の熱膨張の突出を生む。記録再生素子部39と磁気ディスク表面40の間隔はFH1に減少する。記録再生素子部27′を搭載する流出端浮上パッド面24は、空気軸受としての負荷能力が低いように設計されているので、当概面が磁気ディスク表面40に近づいたとしても新たに空気圧力を発生せず、突出量がほとんどそのまま記録再生素子部27′の浮上低下量に変換される。
図8(c)は、浮上量増加用の第2ヒータ36に通電して加熱したとき、流入端浮上パッド25が変形した状態を示す。第2ヒータ36に電流が供給されると、熱を発生し、流入端浮上パッド面の熱膨張を生む。流入端浮上パッド面の熱膨張による変形形状は、なだらかな山状の突出形状となる。流入端浮上パッド面は、空気軸受として負荷能力が高いように設計されているので、突出面が磁気ディスク表面40に近づくと新たに空気圧力が発生して、磁気ヘッドスライダ1のピッチング角度を増大させる。磁気ヘッドスライダ1と磁気ディスク表面40との隙間に流入される空気量が増大し、新たに発生する圧力が大きくなるため、磁気ヘッドスライダ1全体が上昇してスライダ荷重と均衡する。その結果、磁気ヘッドスライダ1の浮上量を増加させることが可能となる。記録再生素子部27′と磁気ディスク表面40の間隔はFH2に増加する。また、第2ヒータ36が配置された流入端浮上パッド自体の面積が大きいことも負荷能力を一層高めている。
次に、第1ヒータ31と第2ヒータ36を組み合わせることによって、オーバーシュートが無く、印加電流を増大しても応答時間を小さくすることが可能となる浮上量調整方法について図9を用いて説明する。
図9中の(a)は、従来の浮上量増加用ヒータのみを有する磁気ヘッドスライダにおいて、浮上量増加用ヒータに通電して浮上量を増加させる場合の応答曲線を示す。(b)は、上記実施例1における応答曲線を示す。(a)では、目標浮上量Hftに到達する応答時間は0.7msであり、目標浮上量Hftを大きく上回るオーバーシュートが見られる。一方、本実施例の場合は、まず、目標浮上量Hftに増加させるために、第2ヒータ36に通電し、次に、(a)に示されるオーバーシュート分の形状にあわせて、浮上量低減用の第1ヒータ31をオーバーシュート部分((c)の矢印区間)のみ通電することにより、(b)のような応答曲線となるように制御することができる。すなわち、第2ヒータ36に通電後、0.1msから0.7msまでの間に、第1ヒータ31に(c)の矢印区間だけ通電してやるのである。その結果、応答時間が0.3msとなり、オーバーシュートは補正される。第1ヒータ31によるオーバーシュートの補正は、第1ヒータ31の通電量を任意に変更できるので、設計に自由度がでる。また、短い応答時間にするためには、第2ヒータ36の通電量を多くして、オーバーシュート分にあわせて、第1ヒータ31も通電してやればよい。また、逆に現状の浮上量よりも浮上量を低下させたい場合も、はじめに第1ヒータ31に通電して、目標浮上量を下回ったオーバーシュート分のところで第2ヒータ36に通電して、オーバーシュートを補正することができる。したがって、目標浮上量を下回ることがないので、磁気ヘッドスライダ1が磁気ディスク表面40に接触する危険性がなくなり、信頼性を高めることができる。
次に上記の特徴を有する磁気ヘッドスライダ1を搭載した実施例1の磁気ディスク装置における浮上量制御方法について説明する。図10には浮上量制御のフローチャートを示す。まず、ディスク回転をスタートさせ(ステップ100)、第2ヒータ36に初期電流Iを印加する(ステップ102)。次に、所定のトラック位置において、接触の検知を判断する(ステップ104)。この判定において、磁気ヘッドスライダ1の接触を検知した場合には、第2ヒータ36に電流ΔIを印加する(ステップ106)。接触検知において接触が無くなった場合には、リード出力信号を基準値と比較判定する(ステップ108)。基準値は、装置条件から決定されるもので、この基準値を満たせば、目標とする記録密度を達成可能となる。リード出力信号値が基準値を上回る場合においては、第2ヒータ36の通電量をΔIだけ増加し(ステップ110)、浮上量を増加させる。その際、オーバーシュート分の補正を第1ヒータ31にて行う。一方、リード出力信号が基準値を下回る場合においては、第1ヒータの通電量をΔIだけ増加して(ステップ112)、浮上量を低減する。このときも、オーバーシュート分の補正を第2ヒータ36にて行う。以上のステップを繰り返し、リード信号出力と基準値が等しくなるように浮上量の制御を行えば、磁気ヘッドスライダ1の浮上量は一定になる。リード信号出力と基準値が等しくなったところで、この制御は終了する(ステップ114)。磁気ヘッドスライダ1の接触を検知する方法としては、AE(アコースティックエミッション)センサを用いる方法が最も簡便である。また、浮上量の変化を検出する別の方法として、再生信号の振幅を用いて記録再生素子部39と媒体間の距離を計測する方法もあり、これを応用することもできる。
また、本実施例の磁気ヘッドスライダ1によれば、磁気ヘッドスライダ1にローリングが発生した場合に、その浮上姿勢を制御することも可能である。磁気ヘッドスライダ1の浮上位置によっては、ローリング姿勢角にばらつきが発生する。磁気ヘッドスライダ1にローリング姿勢角がつき、磁気ヘッドスライダ1の一部が磁気ディスク面40に接触しそうな場合には、スライダ中心軸を対称に左右に一つずつある第2ヒータ36の磁気ディスク面40に近い方のヒータのみに通電することによって、浮上量を上げて、磁気ディスク面40との接触を回避することが可能である。
<実施例2>
実施例2の磁気ディスク装置は、ディスクリートトラックメディアやビットパターンドメディア等のパターンドメディアタイプの磁気ディスクを搭載した装置である。磁気ディスク以外の構成は、実施例1と同じである。図11に、ディスクリートトラックディスクの磁性膜の構造を示す。図12に断面構造を示す。ディスクリートトラックディスクでは、情報を記録するデータゾーン42と、グレイコード,クロック,バーストパターン等の制御用パターンが形成されたサーボゾーン45から構成されている。
データゾーン42のトラック幅は15nmであり、トラックピッチは20nmである。データゾーン42では、周方向に凸部(トラック)が並ぶ形状であるのに対して、サーボゾーン45では、制御用パターンが周方向に対して垂直方向に形成されている。凸部間の凹部は、Si、SiO、あるいはAl等の非磁性層41で埋められている。最表面は研磨等により平坦化され、その上にスパッタカーボンにより1.5nmの保護膜が形成され、保護膜の上にはフッ素系の潤滑膜が0.8nm形成されている。このような磁気ディスクに対して、実施例1で説明した磁気ヘッドスライダ1を浮上させるために、鋭意検討した結果、サーボゾーン45で、浮上量が変化することがわかった。これは、サーボゾーン45では、データゾーン42の周方向の長さに対して、制御用パターンの周方向の長さが極端に短くなるため、磁性膜の加工精度によって、サーボゾーン45で磁性膜の凹凸が発生しているためである。その結果、磁気ディスク表面40が平坦であるにもかかわらず、ひとつひとつのサーボゾーン45で磁気的スペーシングが異なる。ここで磁気的スペーシンングとは、サーボゾーン45の磁性膜と磁気ヘッドスライダ1の記録再生位置の間隔である。
本実施例2では、磁気ヘッドスライダ1の磁気的スペーシングが低下するようなサーボゾーン位置47では、第2ヒータ36に通電して浮上量を増加させ、磁気ヘッドスライダ1の磁気的スペーシングが増加するようなサーボゾーン位置48では、第1ヒータ31に通電することによって、浮上量を下げる。それにより、磁気ディスク全面に渡って、磁気的スペーシングを一定にすることが可能となる。また、実施例1で説明したのと同様に、第2ヒータ36に通電する際に生じるオーバーシュートを第1ヒータ31の通電により補正し、第1ヒータ31に通電する際に生じるオーバーシュートを第2ヒータ36の通電により補正することで、応答時間が短い高速で浮上量を調整することが可能である。
<実施例3>
実施例3の磁気ディスク装置は、ディスクリートトラック間の凹部を非磁性材料で穴埋めしない磁気ディスクを搭載し、この磁気ディスクにおいて安定浮上できる磁気ヘッドスライダを搭載した装置である。磁気ディスク及び磁気ヘッドスライダ以外の構成は、実施例1と同じである。
凹部を穴埋めしないディスクリートトラックディスクにおいては、磁気ヘッドスライダが浮上力を得ることができるディスク面の面積は、従来及び実施例1の凹部のない磁気ディスク面と比較して小さくなる。その結果、発生する正圧と負圧はともに小さくなり、浮上量の低下を招いてしまう。本実施例3では、このような磁気ディスクにおいても、磁気ヘッドスライダが安定浮上できるように工夫したものである。
本実施例の浮上制御型の磁気ヘッドスライダは、流入端の浮上面パッドに発生する最大空気圧力中心位置に、第2ヒータ36の加熱によるディスク対向面へ最大変形する位置を一致させることを特徴としている。その最大空気圧力中心位置とヒータ加熱による最大変位の発生箇所を一致させると、凹凸のある磁気ディスクにおいても、磁気ヘッドスライダに浮上力が発生し、安定に浮上することが可能となる。また、浮上量調整を高速で達成することができる。
図13は実施例1で説明した磁気ヘッドスライダ1の正圧部の空気圧力分布図を示している。このスライダの最大圧力値は4.8気圧であり、流出端浮上パッド24の後端の空気浮上面にもっている。流入端浮上パッド25の空気浮上面では、図中のP点で発生し、2.5気圧である。磁気ヘッドスライダ1は空気流入端側の浮上量が空気流出端側の浮上量よりも大きくなるようなピッチ姿勢で安定するよう設計されている。従って、流出端浮上パッド24の後端部圧力が最大となる。浮上量を増加させるためには、流出端浮上パッド24の最大圧力値を上げることが考えられるが、他の設計条件の制約を受けるために、流入端の浮上パッド25の最大圧力値を増大させる必要がある。
実施例3の磁気ヘッドスライダ1′は、第2ヒータ36の加熱によって、流入端の浮上パッド25の圧力を増加させることを特徴とするものである。実施例3の磁気ヘッドスライダ1′における、流入端浮上パッド25の最大正圧発生部と第2ヒータ36の加熱による最大突出位置との関係について、図14、図15及び図16を用いて説明する。
図14は流入端パッド部の第2ヒータ36の配線構造を示している。薄膜抵抗体の細線36aの幅は、50nm〜10μmの範囲で適用可能であり、折り返しの蛇行構造に形成されている。また、最大空気圧力中心位置P点で、加熱による変形が最大となるように配線の間隔を密にとり、P点から遠ざかるにつれて疎となる構造とされている。P点に近い部分の配線間隔をP2、P点から離れた部分の配線間隔をP2として、P1>P2である。
図15は、第2ヒータ36の配線間隔が密になる部分の位置を変えることで、加熱による最大変位位置を流入端浮上パッド25のどの位置に配置するかを検討した結果を示す図である。図13のB−B’ライン上において、加熱による最大変位位置を、図15の(a)はP点の位置にした場合、(b)は、B-P間の距離の中間位置にした場合、(c)はB-P間の距離の2/3流入端位置にした場合である。(b)の場合の第2ヒータ36の配線は、B−P間の中心位置において配線間隔が密、離れるに従い疎となるように設定されている。(c)の場合の第2ヒータ36の配線は、B-P間の距離の2/3流入端位置において配線間隔が密、離れるに従い疎となるように設定されている。
図16は、前記図15の条件における磁気ヘッドスライダの浮上量とピッチング角度を測定した結果である。内周(ID)位置、外周(OD)位置及び高度が3000mの場合、高度が0mの場合の結果について示してある。図16(a)に示すように、最大空気圧力中心位置P点と加熱による最大変位位置が一致した場合が、浮上量、ピッチング角度が大きくなっていることがわかる。このような配線構造にすることで、高い負荷能力を持っている最大空気圧力発生位置では、加熱に伴う浮上面の変形によって、その負荷能力は増大し、その結果、効率よく浮上量を増加させるものと思われる。その様子を図17に示す。第2ヒータ36への通電により、流入端浮上パッド25の浮上面が熱膨張して突出するが、突出形状は図15の(a)に示したようにP点に向かってなだらかに増加して突出する。この突出形状の場合は、流入端浮上パッド25と磁気ディスク表面40の間に流入した空気により、P点で発生する圧力は一層増大し、磁気ヘッドスライダ1′のピッチング角度が増大し、磁気ヘッドスライダ1′全体の浮上量を増加させることができる。
この磁気ヘッドスライダ1′を搭載した実施例3の磁気ディスク装置において、実施例1と同様の浮上量の制御方法を用いれば、応答時間も小さくできることを確認した。その結果、ディスクリートトラックメディアのような磁性膜に凹凸のある磁気ディスクであっても、磁気ヘッドスライダの安定した浮上を維持することができ、応答時間を小さく、かつ信頼性が高い磁気ディスク装置を得ることができる
図18は、加熱により、図15の(a)に示したような変形形状となる第2ヒータ36の配線構造の他の例である。薄膜抵抗体の細線36aの幅は、50nm〜10μmの範囲で適用可能であり、折り返しの蛇行構造にし、最大圧力中心位置P点で配線間隔が密、離れるに従い疎となるように配線されている。この場合、加熱による突出形状は、図14の例と同じようにP点に向かってなだらかに増加する形状となる。このような配線構造にすることによって、ピッチング角度が増大し、浮上量増大の効果を高めることができる。
なお、上記実施例2及び3においては、ディスクリートトラックメディアを例に説明したが、ビットパターンドメディアのような磁気ディスクにおいても、実施例2および3と同様の効果が得られる。
また、上記実施例3における磁気ヘッドスライダ1′は、実施例1及び2の磁気ディスク装置に搭載することも可能であり、その場合は、実施例1及び2で採用した磁気ヘッドスライダ1よりもピッチング角度が増大し、浮上量増大の効果をより高めることができる。
実施例1における磁気ヘッドスライダを浮上面側から見た斜視図である。 図1のA-A線断面図である。 実施例1による磁気ディスク装置の概略構成図である。 実施例1における磁気ヘッドスライダの空気軸受面の模式図である。 第1ヒータの断面図である。 第2ヒータの配線構造を示す図である。 第2ヒータの作製プロセスを示す断面模式図である。 実施例1における磁気ヘッドスライダをサスペンションに固定する方法を示す図である。 実施例1における磁気ヘッドスライダが磁気ディスク表面上を浮上している状態の側面図である。 実施例1と従来例における磁気ヘッドスライダの浮上量増加時の浮上量応答曲線図である。 実施例1の磁気ディスク装置の浮上量制御を説明するフローチャートである。 実施例2におけるディスクリートトラックメディアの概略構成図である。 ディスクリートトラックメディアの断面図である。 磁気ヘッドスライダの正圧部の空気圧力分布図である。 実施例3における磁気ヘッドスライダの第2ヒータの配線構造を示す図である。 第2ヒータ位置における突出位置の変化を示す図である。 図15の条件における磁気ヘッドスライダの浮上量とピッチング角度の測定結果を示す図である。 実施例3における磁気ヘッドスライダの浮上状態の側面図である。 実施例3における磁気ヘッドスライダの第2ヒータの他の配線構造を示す図である。
符号の説明
1,1′…磁気ヘッドスライダ、7…磁気ディスク装置、8…スピンドルモータ、9…磁気ディスク、10…アクチュエータ、11…ボイスコイルモータ、12…リフトタブ、13…サスペンション、14…ランプ機構、16…空気軸受面、17…空気流入端面、18…空気流出端面、19…両側の側面、20…背面、21浮上パッド面、22…浅溝面、23…深溝面、24…流出端浮上パッド、25…流入端浮上パッド、26…基板部、27…磁気記録再生部、27′…記録再生素子部、28…流入端配線部、29…再生素子、30…記録素子、31…第1ヒータ、33…配線、34、34'…接続パッド、35…アルミナ膜、36…第2ヒータ、36a…薄膜抵抗体細線、37…絶縁膜、38…流出端配線パッド、39…流入端配線パッド、40…磁気ディスク表面、41…非磁性層、42…データゾーン、45…サーボゾーン。

Claims (15)

  1. 空気軸受面と、空気流入端面と、空気流出端面とを有し、前記空気軸受面の前記空気流入端面側に流入端浮上パッドを有し、前記空気軸受面の前記空気流出端面側の中央部に再生素子と記録素子が位置する流出端浮上パッドを有する磁気ヘッドスライダにおいて、
    前記流出端浮上パッドの位置に、前記再生素子及び前記記録素子の近傍で、当該流出端浮上パッドの面に対して垂直な方向に配置された第1ヒータを有し、
    前記空気流出端面に前記再生素子、記録素子および第1ヒータに接続された複数の端子を有し、
    前記流入端浮上パッドは、前記空気軸受面に形成された絶縁膜と、該絶縁膜の表面に平行に配置された第2ヒータとを有し、
    前記空気流入端面に前記第2ヒータに接続された複数の端子を有することを特徴とする磁気ヘッドスライダ。
  2. 前記流入端浮上パッドの最大空気圧力中心位置と、前記第2ヒータの加熱による最大突出位置が一致あるいは近接していることを特徴とする請求項1記載の磁気ヘッドスライダ。
  3. 前記第2ヒータは、前記絶縁膜の表面に薄膜抵抗体の細線が蛇行して配線されたものであることを特徴とする請求項1記載の磁気ヘッドスライダ。
  4. 前記第2ヒータは、前記絶縁膜の表面に薄膜抵抗体の細線が蛇行して配線されたものであり、前記配線の間隔が前記流入端浮上パッドの最大空気圧力中心位置において他の部分よりも狭くなっていることを特徴とする請求項1記載の磁気ヘッドスライダ。
  5. 空気軸受面と、空気流入端面と、空気流出端面とを有し、前記空気軸受面の前記空気流入端面側に流入端浮上パッドを有し、前記空気軸受面の前記空気流出端面側の中央部に再生素子と記録素子が位置する流出端浮上パッドを有する磁気ヘッドスライダにおいて、
    前記流出端浮上パッドの位置に、発熱により前記再生素子及び記録素子を含む周辺部分を突出させる第1ヒータを有し、
    前記流入端浮上パッドの上層に、発熱により当該流入端浮上パッド部分を突出変形させる第2ヒータを有することを特徴とする磁気ヘッドスライダ。
  6. 前記空気流出端面に、前記再生素子、記録素子及び第1ヒータに接続された複数の端子が配置され、
    前記空気流入端面に、前記第2ヒータに接続された複数の端子が配置されていることを特徴とする請求項5記載の磁気ヘッドスライダ。
  7. 空気軸受面の空気流入端側に流入端浮上パッドを有し、空気流出端側の中央部に再生素子と記録素子が位置する流出端浮上パッドを有する磁気ヘッドスライダと、前記磁気ヘッドスライダにより情報の記録あるいは再生が行われる磁気ディスクとを有する磁気ディスク装置において、
    前記磁気ヘッドスライダは、前記流出端浮上パッドの位置に、発熱により前記再生素子及び記録素子を含む周辺部分を突出させる第1ヒータを有し、さらに前記流入端浮上パッドの上層に、発熱により当該流入端浮上パッド部分を突出変形させる第2ヒータを有し、
    前記再生素子の再生出力が基準値よりも大きい場合には、前記第2ヒータに通電して前記流入端浮上パッドを突出変形させることにより前記磁気ヘッドスライダの浮上量を増加し、前記再生素子の再生出力が基準値よりも小さい場合には、前記第1ヒータに通電して前記再生素子及び記録素子を含む周辺部分を突出させることにより当該再生素子及び記録素子を含む周辺部分の浮上量を低減することを特徴とする磁気ディスク装置。
  8. 前記第2ヒータに通電して前記磁気ヘッドスライダの浮上量を増加する場合には、浮上量増加のオーバーシュートが発生する期間、前記第1ヒータに通電してオーバーシュートを補正することを特徴とする請求項7記載の磁気ディスク装置。
  9. 前記第1ヒータに通電して前記再生素子及び記録素子を含む周辺部分の浮上量を低減する場合には、浮上量低減のオーバーシュートが発生する期間、前記第2ヒータに通電してオーバーシュートを補正することを特徴とする請求項7記載の磁気ディスク装置。
  10. 前記流入端浮上パッドが前記空気流入端側の両側に設けられ、前記磁気ヘッドスライダにローリングが発生した場合、前記磁気ディスクに近い方の前記第2ヒータに通電することを特徴とする請求項7記載の磁気ディスク装置。
  11. 前記磁気ディスクは、周方向に、記録トラックとなる凸部と、該凸部間の凹部であって非磁性層で埋められた凹部とを有し、さらに周方向にデータゾーンとサーボゾーンを有するディスクリートトラックディスクであり、
    前記磁気ヘッドスライダが前記ディスクリートトラックディスクのサーボゾーンを通過する際、磁気的スペーシングが低下する場合には前記第2ヒータに通電して前記磁気ヘッドスライダの浮上量を増加し、磁気的スペーシングが増加する場合には前記第1ヒータに通電して前記再生素子及び記録素子を含む周辺部分の浮上量を低減することを特徴とする請求項7記載の磁気ディスク装置。
  12. 前記第2ヒータに通電して前記磁気ヘッドスライダの浮上量を増加する場合には、浮上量増加のオーバーシュートが発生する期間、前記第1ヒータに通電してオーバーシュートを補正することを特徴とする請求項11記載の磁気ディスク装置。
  13. 前記第1ヒータに通電して前記再生素子及び記録素子を含む周辺部分の浮上量を低減する場合には、浮上量低減のオーバーシュートが発生する期間、前記第2ヒータに通電してオーバーシュートを補正することを特徴とする請求項11記載の磁気ディスク装置。
  14. 前記磁気ディスクは、周方向に、記録トラックとなる凸部と、該凸部間の凹部とを有するディスクリートトラックディスクであり、
    前記磁気ヘッドスライダは、前記流入端浮上パッドの最大空気圧力中心位置と、前記第2ヒータによる最大突出位置が一致あるいは近接していることを特徴とする請求項7記載の磁気ディスク装置。
  15. 前記第2ヒータは、前記流入端浮上パッドの下層を構成する絶縁膜の表面に薄膜抵抗体の細線が蛇行して配線されたものであり、前記配線の間隔が前記流入端浮上パッドの最大空気圧力中心位置において他の部分よりも狭くなっていることを特徴とする請求項14記載の磁気ディスク装置。
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