JP2009129486A - 情報記録媒体基板製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】ガラス基板を加熱・加圧成形する際にセンターホールには金属薄板を挿入し、主面上には微細凹凸信号を形成するように同時一体成形を行うことで、信頼性が高く量産性に優れ、センターホール近傍から情報記録媒体が割れてしまうことのない情報記録媒体基板を効率よく提供する。
【解決手段】ガラス基板を加熱、加圧することで、ガラス基板の少なくとも1主面上に微細凹凸信号を直接形成すると同時にセンターホールに金属薄板を固着する。
【選択図】図4
【解決手段】ガラス基板を加熱、加圧することで、ガラス基板の少なくとも1主面上に微細凹凸信号を直接形成すると同時にセンターホールに金属薄板を固着する。
【選択図】図4
Description
本発明は、光ディスク等の情報記録媒体に用いられる基板として、ガラス基板を製造するための製造方法に関するものである。
例えば情報記録媒体としての光ディスクには、微細凹凸信号が転写されるプラスチック基板を射出成形等により成形し、反射膜や記録層を積層した、記録・再生を行うCD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)、多層構造のDVDであるSD−9やSD−18、BD(Blu-ray disc:登録商標)等がある。
これらの光ディスクにおけるプラスチック基板を成形する際には、凹凸状の情報信号である微細凹凸信号(転写パターン)を有したスタンパを、基板成形装置の金型内に配置・固定し、例えば射出成形により成形する。
これにより、例えば再生専用型の光ディスクの基板としては、スタンパの転写パターンで転写された微細凹凸信号がピットパターンとして形成された状態で生成される。
また、記録可能型の光ディスクの基板としては、アドレス情報や記録溝のグルーブを予め形成した基板が生成される。
このようなスタンパを用いた射出成形により、プラスチック基板を容易に大量に生成できる。
これらの光ディスクにおけるプラスチック基板を成形する際には、凹凸状の情報信号である微細凹凸信号(転写パターン)を有したスタンパを、基板成形装置の金型内に配置・固定し、例えば射出成形により成形する。
これにより、例えば再生専用型の光ディスクの基板としては、スタンパの転写パターンで転写された微細凹凸信号がピットパターンとして形成された状態で生成される。
また、記録可能型の光ディスクの基板としては、アドレス情報や記録溝のグルーブを予め形成した基板が生成される。
このようなスタンパを用いた射出成形により、プラスチック基板を容易に大量に生成できる。
また、例えば情報記録媒体としてのハードディスク(以下HDと表記)においては、鏡面研磨されたガラス円板やアルミ円板に記録層と滑剤等が塗布された基板が使用されている。そして、HDの基板を成形する場合は、記録膜を製膜後にサーボライターで光ディスクの微細凹凸信号に相当するサーボ情報を1枚毎に記録してイニシャライズしている。
光ディスクとHDのそれぞれの基板における主な違いは、記録再生ヘッドと信号記録層の間の距離(以下WD:warking disutanceと表記)の大小にあり、HDのWDが数10nm以下なのに対して、記録密度の高い光ディスクのWDは、例えばBDでも数100μmと1万倍近い開きがある。
このために、HDでは基板が動作環境や保存環境の変化、記録膜の応力の変化などでも変形しない基板を必要としており、鏡面研磨されたガラス円板やアルミ円板に記録層と滑剤等が塗布された基板が使用されている。
例えば、HDの基板の材料として温湿度等で吸湿変形の少ないプラスチック基板を用いた場合でも、射出成形で基板を形成すると基板の外周の膨らみは避けがたい。図13は、プラスチック基板を射出成形により形成した場合の、そのプラスチック基板の半径方向の位置を横軸にとって、その表面位置を測定した結果を示している。
この、図13からも分かるように、プラスチック基板には、その外周に膨らみが発生しており、記録再生ヘッドが衝突したり、動作・保存環境の温湿度等での基板反りなどが発生する可能性が有ることからHDの基板として使用するには難しい。
このために、HDでは基板が動作環境や保存環境の変化、記録膜の応力の変化などでも変形しない基板を必要としており、鏡面研磨されたガラス円板やアルミ円板に記録層と滑剤等が塗布された基板が使用されている。
例えば、HDの基板の材料として温湿度等で吸湿変形の少ないプラスチック基板を用いた場合でも、射出成形で基板を形成すると基板の外周の膨らみは避けがたい。図13は、プラスチック基板を射出成形により形成した場合の、そのプラスチック基板の半径方向の位置を横軸にとって、その表面位置を測定した結果を示している。
この、図13からも分かるように、プラスチック基板には、その外周に膨らみが発生しており、記録再生ヘッドが衝突したり、動作・保存環境の温湿度等での基板反りなどが発生する可能性が有ることからHDの基板として使用するには難しい。
一方、光ディスクでは、例えばBDでも数100μmとWDが広いのでその許容値内であれば基板は温度や湿度や記録膜の応力で変形しても記録再生に支障は無いため、射出成形等で大量生産ができるポリカーボネート等のプラスチック基板が用いられている。
ところで、この光ディスクに用いられる基板には、ガラス基板にフォトレジストを塗布して、乾燥後にレーザー等の手段で露光現像或いはマスク露光・現像後にリアクティブエッチング(以下RIEと表記)して微細凹凸信号を基板上に掘り下げた半導体製法に準じて製造される基板もある。
このRIEにより製造されるガラス基板は、微細凹凸信号層を含む全体がガラスでありその製造プロセスを図14に示す。
まず、図14(a)の1枚のガラス基板20に、図14(b)に示すようにレジスト21を塗布する。そして、図14(c)のようにガラス基板20に塗布したレジスト21の乾燥後に直接、目的とする微細凹凸信号に対応する露光或いはマスク露光を行うことでレジスト21には露光部22、未露光部23にわかれる。そして、現像することで図14(d)のようにガラス基板20には露光部22のみが残り、そしてRIEを図14(e)のように行った後、露光部22を除去すると、図14(f)のように微細凹凸信号が形成されたガラス基板20となる。
但し、このRIEは、ガラス基板1枚毎に行わなければならず、光ディスクを製造するにはプロセスコストが高くなってしまうという難点がある。
ところで、この光ディスクに用いられる基板には、ガラス基板にフォトレジストを塗布して、乾燥後にレーザー等の手段で露光現像或いはマスク露光・現像後にリアクティブエッチング(以下RIEと表記)して微細凹凸信号を基板上に掘り下げた半導体製法に準じて製造される基板もある。
このRIEにより製造されるガラス基板は、微細凹凸信号層を含む全体がガラスでありその製造プロセスを図14に示す。
まず、図14(a)の1枚のガラス基板20に、図14(b)に示すようにレジスト21を塗布する。そして、図14(c)のようにガラス基板20に塗布したレジスト21の乾燥後に直接、目的とする微細凹凸信号に対応する露光或いはマスク露光を行うことでレジスト21には露光部22、未露光部23にわかれる。そして、現像することで図14(d)のようにガラス基板20には露光部22のみが残り、そしてRIEを図14(e)のように行った後、露光部22を除去すると、図14(f)のように微細凹凸信号が形成されたガラス基板20となる。
但し、このRIEは、ガラス基板1枚毎に行わなければならず、光ディスクを製造するにはプロセスコストが高くなってしまうという難点がある。
なお、光ディスクを製造する手法としては、他に2P法と呼ばれる手法があるが、生産性等に難点があり、この2P法を用いてガラス基板での光ディスクの製造は難しい。
また、高密度記録大容量光ディスクのBDの場合、対物レンズの開口数(以下NAと表記)が0.85と大きいが、記録・再生する場合、下の式で明らかな様にレンズの焦点深度が従来の光ディスク(CD、DVD等)に比べ非常に小さく光透過層と記録層の厚さとの合計が対物レンズの許容厚み誤差内にする必要がある。
なお、下記の式におけるfはレンズの焦点距離を示し、Dは対物レンズの有効径、λはレーザ光の波長を示している。
f=D/2NA>WD
焦点深度=λ/(NA)2
そして、対物レンズの性能上光透過層及び中間層(接着層)と記録層の合計は80〜100μmで厚さムラ±2μm以下の均一な厚さの層にする基板が必要である。本来はガラス基板が信頼性の上で最適であるものの生産性の低さやコスト高によりプラスチック基板が使用されている。
さらに、ニアフィールドディスクの様にBD以上の高NAの高密度光ディスクでは、ディスク製造過程や動作環境や保存環境下にあっても、HDに使用される基板のようにディスクの変形が無いものが理想とされているが、このニアフィールドディスクの場合も生産性の低さやコスト高などからプラスチック基板のように光学的に透明で、機械強度に優れた射出成形品が使用されている。
なお、下記の式におけるfはレンズの焦点距離を示し、Dは対物レンズの有効径、λはレーザ光の波長を示している。
f=D/2NA>WD
焦点深度=λ/(NA)2
そして、対物レンズの性能上光透過層及び中間層(接着層)と記録層の合計は80〜100μmで厚さムラ±2μm以下の均一な厚さの層にする基板が必要である。本来はガラス基板が信頼性の上で最適であるものの生産性の低さやコスト高によりプラスチック基板が使用されている。
さらに、ニアフィールドディスクの様にBD以上の高NAの高密度光ディスクでは、ディスク製造過程や動作環境や保存環境下にあっても、HDに使用される基板のようにディスクの変形が無いものが理想とされているが、このニアフィールドディスクの場合も生産性の低さやコスト高などからプラスチック基板のように光学的に透明で、機械強度に優れた射出成形品が使用されている。
ここまで説明してきたようにガラス基板は、プラスチック基板よりも信頼性はあるが、ガラス基板を用いて光ディスクを製造するとなるとプロセスコストが高くなることでの生産性の低さやコスト高という難点がある。そのため、アライアンスや工程内リファレンスディスク、ドライブ調整用等の特殊用途のみで使用される場合が多かった。
一方、プラスチック基板は射出成形等で大量生産ができることもあり高い生産性はあるものの、図13でも説明したように、射出成形により形成したプラスチック基板の外周には膨らみが発生することがある。
さらに、プラスチックの特徴として、吸湿し、膨張する性質があり、片面のみに情報信号があるBDのような光ディスクでは記録膜や保護膜の応力変形に加え温湿度の急激な変化により、ディスクの片面より吸湿や脱水される関係で1.2mmの厚さを有するディスクであってもバイメタル現象により変形し易くなる。
例えば半径方向のチルト許容範囲はNA0.6のDVDが±0.4°で、NA0.85のBDディスクが±0.3°とNAが大きくなるほど許容値は小さい。
チルト許容度 ∝ λ/(NA)3
厚さムラ許容度 ∝ λ/(NA)4
ディスクの強度 ∝ (厚さ)3
さらに、プラスチックの特徴として、吸湿し、膨張する性質があり、片面のみに情報信号があるBDのような光ディスクでは記録膜や保護膜の応力変形に加え温湿度の急激な変化により、ディスクの片面より吸湿や脱水される関係で1.2mmの厚さを有するディスクであってもバイメタル現象により変形し易くなる。
例えば半径方向のチルト許容範囲はNA0.6のDVDが±0.4°で、NA0.85のBDディスクが±0.3°とNAが大きくなるほど許容値は小さい。
チルト許容度 ∝ λ/(NA)3
厚さムラ許容度 ∝ λ/(NA)4
ディスクの強度 ∝ (厚さ)3
そこで、特許文献1には、ガラス基板からなる記録媒体基板で、平坦性、信頼性、量産性のある記録媒体基板が記載されている。
ところで、図15(a)は、ガラス基板を用いて成形した情報記録媒体としてのディスク10の全体図を示している。図示するようにディスク10のセンターホールにはクランプ部11が設置されている。
そして、図15(b)は図15(a)のディスク10においてクランプ部11を含むA部の断面図であり、レンズ12を通した光が記録層14に集光していることを示している。この図15におけるディスク10は、例えばガラス転移点が300℃以下の低融点ガラスを使用する低融点ガラス基板15の主面上に微細凹凸信号を形成し、その上に記録層14を、更にその上に積層部13を積層した後、クランプ部11を記録層14や積層部13を積層した側からセンターホールに挿入して固定したものである。
そして、図15(b)は図15(a)のディスク10においてクランプ部11を含むA部の断面図であり、レンズ12を通した光が記録層14に集光していることを示している。この図15におけるディスク10は、例えばガラス転移点が300℃以下の低融点ガラスを使用する低融点ガラス基板15の主面上に微細凹凸信号を形成し、その上に記録層14を、更にその上に積層部13を積層した後、クランプ部11を記録層14や積層部13を積層した側からセンターホールに挿入して固定したものである。
この図15に示したクランプ部11は、完成したディスク10がディスクドライブ装置への着脱を繰り返してもディスク10が割れることを防止すると共に、クランプ部11がドライブ中にマグネットクランプで固定する役割を果たすものである。
また、ディスク10の成形時には、センターホールの近傍に微細なクラックやバリなどができてしまうことがあり、低融点ガラス基板15を使用したディスク10の場合、わずかな衝撃がきっかけとなって微細なクラックの部分から割れてしまうこともある。クランプ部11は、このような割れを防止する機能も持つ。
また、ディスク10の成形時には、センターホールの近傍に微細なクラックやバリなどができてしまうことがあり、低融点ガラス基板15を使用したディスク10の場合、わずかな衝撃がきっかけとなって微細なクラックの部分から割れてしまうこともある。クランプ部11は、このような割れを防止する機能も持つ。
上記のようにガラス基板は、信頼性はあるが、生産性に難点がある。
また、センターホールにクランプ部11を装着して、割れの防止機能や、マグネットチャッキングを可能とするが、このクランプ部11の取付は、ガラス基板成形後に接着剤やネジ止めなどにより行う。このため基板製造工程の手間は多くなり、生産性の向上に不利となっている。
また、センターホールにクランプ部11を装着して、割れの防止機能や、マグネットチャッキングを可能とするが、このクランプ部11の取付は、ガラス基板成形後に接着剤やネジ止めなどにより行う。このため基板製造工程の手間は多くなり、生産性の向上に不利となっている。
そこで本発明では、ガラス基板を加熱・加圧成形する際にセンターホールには金属薄板を挿入し、主面上には微細凹凸信号を形成するように同時一体成形を行うことで、信頼性が高く量産性に優れ、センターホール近傍から情報記録媒体が割れてしまうことのない情報記録媒体基板を効率よく提供することを目的とする。
本発明の情報記録媒体基板製造方法は、所定形状のガラス基板を生成し、該ガラス基板を予備加熱するガラス基板準備工程と、上記ガラス基板を挟接する第1スタンパと、第2スタンパとが配置された情報記録媒体基板成形装置に、上記ガラス基板を配置するとともに、該ガラス基板のセンターホールに嵌め込まれることとなる位置に上下一対の金属薄板を配置する配置工程と、上記配置工程により上記情報記録媒体基板成形装置に配置された上記ガラス基板を成形温度にまで加熱する加圧予備工程と、上記情報記録媒体基板成形装置において上記第1スタンパと上記第2のスタンパにより、上記ガラス基板と上記金属薄板を挟み込んだ状態で加圧する加圧工程と、上記加圧工程で加圧した上記ガラス基板と上記金属薄板から上記第1スタンパと上記第2スタンパを剥離する剥離工程とを有する。
また上記第1スタンパと上記第2スタンパの少なくとも一方は、上記加圧工程により、情報信号となる微細凹凸信号を上記ガラス基板に形成するためのスタンパとされているものとする。
また、一対の上記金属薄板は、マグネットクランプが可能な金属部材で形成されるとともに、それぞれが上記センターホールに嵌め込まれた状態で、上記センターホールの内周面及びセンターホール周囲部分の基板上下平面を覆う形状とされている。
また一対の上記金属薄板は、基板上下平面を覆う部位に、1又は複数の貫通穴が設けられている。
また、一対の上記金属薄板は、マグネットクランプが可能な金属部材で形成されるとともに、それぞれが上記センターホールに嵌め込まれた状態で、上記センターホールの内周面及びセンターホール周囲部分の基板上下平面を覆う形状とされている。
また一対の上記金属薄板は、基板上下平面を覆う部位に、1又は複数の貫通穴が設けられている。
また上記第1スタンパ及び上記第2スタンパは、ガラス基板に対する離型性が互いに異なるように表面処理を施したうえで用いられる。
例えば上記第1スタンパ及び上記第2スタンパの表面処理は、それぞれ白金、又はダイヤモンドライクカーボン、又はアモルファスカーボンの成膜処理として行われる。
また上記ガラス基板準備工程では、上記ガラス基板の表面を梨地状又はマット状に加工する。
また上記ガラス基板準備工程では、光学的に透明なガラス組成物からなり、常温から成形温度までの間に結晶化領域を有しない低融点ガラス素材を用いて所定の形状の上記ガラス基板を生成する。
例えば上記第1スタンパ及び上記第2スタンパの表面処理は、それぞれ白金、又はダイヤモンドライクカーボン、又はアモルファスカーボンの成膜処理として行われる。
また上記ガラス基板準備工程では、上記ガラス基板の表面を梨地状又はマット状に加工する。
また上記ガラス基板準備工程では、光学的に透明なガラス組成物からなり、常温から成形温度までの間に結晶化領域を有しない低融点ガラス素材を用いて所定の形状の上記ガラス基板を生成する。
また上記情報記録媒体基板成形装置は、上記第1スタンパを装着した第1の金型と、上記第2スタンパを装着した第2の金型と、上記第1の金型を加熱する第1の加熱盤と、上記第2の金型を加熱する第2の加熱盤とを備え、上記加圧予備工程では、上記第1の金型に装着された上記第1スタンパと、上記第2の金型に装着された上記第2スタンパとにより上記ガラス基板を挟み込んだ状態で、上記第1の加熱盤と上記第2の加熱盤で加熱することにより、上記ガラス基板を成形温度まで加熱する。
或いは、上記情報記録媒体基板成形装置は、第1の補助加熱盤を介して上記第1スタンパを装着した第1の金型と、第2の補助加熱盤を介して上記第2スタンパを装着した第2の金型と、上記第1の金型を加熱する第1の加熱盤と、上記第2の金型を加熱する第2の加熱盤とを備え、上記第1の加熱盤と、上記第2の加熱盤は、上記第1の金型と上記第2の金型を、上記成形温度に達しない所定温度範囲に維持する加熱を行うとともに、上記加圧予備工程では、上記第1の金型に装着された上記第1スタンパと、上記第2の金型に装着された上記第2スタンパとにより上記ガラス基板を挟み込んだ状態で、上記第1の補助加熱盤と上記第2の補助加熱盤で加熱することにより、上記ガラス基板を成形温度まで加熱する。
或いは、上記情報記録媒体基板成形装置は、第1の補助加熱盤を介して上記第1スタンパを装着した第1の金型と、第2の補助加熱盤を介して上記第2スタンパを装着した第2の金型と、上記第1の金型を加熱する第1の加熱盤と、上記第2の金型を加熱する第2の加熱盤とを備え、上記第1の加熱盤と、上記第2の加熱盤は、上記第1の金型と上記第2の金型を、上記成形温度に達しない所定温度範囲に維持する加熱を行うとともに、上記加圧予備工程では、上記第1の金型に装着された上記第1スタンパと、上記第2の金型に装着された上記第2スタンパとにより上記ガラス基板を挟み込んだ状態で、上記第1の補助加熱盤と上記第2の補助加熱盤で加熱することにより、上記ガラス基板を成形温度まで加熱する。
これらの本発明は、センターホールを有する低融点ガラス素材のガラス基板に、一対の金属薄板をセンターホールに挿入し、加熱及び加圧する。これにより、微細凹凸信号(例えばピットパターンなど)を直接ガラス基板に形成するとともに金属薄膜をセンターホールのクランプ部として一体成形する。
本発明によれば、ガラス基板の主面上に微細凹凸信号を直接形成すると同時にセンターホールに金属薄板を設置して一体成形を行うことができ、効率的に情報記録媒体基板を成型することができる。これによって信頼性の高いガラス基板、ひいてはガラス基板を用いた記録媒体の生産性を向上させることができる。
以下、本発明の実施の形態としての情報記録媒体基板の製造方法を説明していく。
図1は、本実施の形態の情報記録媒体基板を用いたディスク100とその一部の断面図である。
図1(a)は、ディスク100の全体を示している。そして、図1(b)は、図1(a)においてクランプ部30が装着されているセンターホール近傍としてのB部の断面を示している。
図1(b)に示すようにディスク100は、凹凸状の情報信号である微細凹凸信号(例えばピットパターン)が形成された低融点ガラス基板31の上に反射膜を成膜して記録層32とし、その上に更に積層部(カバー層)33が形成されている。
図1は、本実施の形態の情報記録媒体基板を用いたディスク100とその一部の断面図である。
図1(a)は、ディスク100の全体を示している。そして、図1(b)は、図1(a)においてクランプ部30が装着されているセンターホール近傍としてのB部の断面を示している。
図1(b)に示すようにディスク100は、凹凸状の情報信号である微細凹凸信号(例えばピットパターン)が形成された低融点ガラス基板31の上に反射膜を成膜して記録層32とし、その上に更に積層部(カバー層)33が形成されている。
そして、センターホールには、ディスクドライブ装置のスピンドル機構に対して着脱する一対のL字形状のクランプ部30a、30bが取り付けられている。このクランプ部30aは低融点ガラス基板31の記録層32が積層されている側から、クランプ部30bはその反対側から、それぞれセンターホールに挿入された状態で固定されている。
このようなディスク100に、例えば再生用のレーザ光が照射される場合、図示するように、レンズ34を通した再生用のレーザ光は積層部33が積層されている側から入射して記録層32で集光するようにされる。
このようなディスク100に、例えば再生用のレーザ光が照射される場合、図示するように、レンズ34を通した再生用のレーザ光は積層部33が積層されている側から入射して記録層32で集光するようにされる。
図2(a)はクランプ部30aの平面図、図2(b)はクランプ部30a、30bの断面図を示している。
クランプ部30a、30bは、円筒部の一端面側がフランジ面とされる形状とされている。そして一対のクランプ部30a、30bは、上記図1(b)のように、それぞれがセンターホールに嵌め込まれた状態で、センターホールの内周面及びセンターホール周囲部分の基板上下平面を覆う形状とされている。
クランプ部30a、30bは、円筒部の一端面側がフランジ面とされる形状とされている。そして一対のクランプ部30a、30bは、上記図1(b)のように、それぞれがセンターホールに嵌め込まれた状態で、センターホールの内周面及びセンターホール周囲部分の基板上下平面を覆う形状とされている。
このクランプ部30a、30bは、低融点ガラス基板31の成形時に、後述する図4の加圧工程によって溶融したガラスが図6の基板成形装置のセンターガイドピン41の間に流れて固着することなどを防止する役目を持っている。
またクランプ部30a、30bは、ディスク100の完成後に、ディスク100がディスクドライブ装置に着脱を繰り返しても、ディスク100が割れる事を防止する役割を果たしている。
またクランプ部30a、30bは、ディスク100の完成後に、ディスク100がディスクドライブ装置に着脱を繰り返しても、ディスク100が割れる事を防止する役割を果たしている。
図2(a)のように、クランプ部30aのフランジ面には、ガラス基板31との密着を図るために複数個の貫通穴35が設けられている。図示していないが、クランプ部30bも同様である。
本実施の形態のクランプ部30a、30bには1つのクランプ部に45°間隔で8個の貫通穴35を設けているが、これはガラスとの密着を図る目的としては何個でもよい。また、クランプ部30a、30bとガラス基板に対する固着性に問題が無ければ、貫通穴35を設けなくてもよい。
本実施の形態のクランプ部30a、30bには1つのクランプ部に45°間隔で8個の貫通穴35を設けているが、これはガラスとの密着を図る目的としては何個でもよい。また、クランプ部30a、30bとガラス基板に対する固着性に問題が無ければ、貫通穴35を設けなくてもよい。
図2(b)に示すように、クランプ部30aの円筒部分の外径aはクランプ部30bの円筒部分と重ならないようになっており、クランプ部30bの円筒部分の外径をb、円筒部分の厚みをdとすると、
a=b−2d
となる。
そして、クランプ部30a、30bの各円筒部分の経がこのようなサイズとされることにより、図1(b)のようにクランプ部30a、30bを低融点ガラス基板31のセンターホール部部分に挟み込むようにして嵌合することが可能となるものである。
また、クランプ部30aの高さはh、クランプ部30bの高さはh−df(dfはクランプ部30aのフランジ面の厚さ)となっており、クランプ部30a、30bを重ね合わせた場合の高さは高さhとなる。
嵌合したクランプ部30a、30bの高さhと低融点ガラス基板31の厚さをtとした場合の、高さhと厚さtの関係性はt≧hとされればよい。
この関係性は、ディスク100の成形時に、低融点ガラス基板31から溶融したガラスがセンターガイドピン41側に流れないようにするためである。
また、クランプ部30aの厚みdfは、例えばディスク100成形後の低融点ガラス基板31の厚さが0.5〜0.6mmの場合、0.2mm以下となるようにする。
a=b−2d
となる。
そして、クランプ部30a、30bの各円筒部分の経がこのようなサイズとされることにより、図1(b)のようにクランプ部30a、30bを低融点ガラス基板31のセンターホール部部分に挟み込むようにして嵌合することが可能となるものである。
また、クランプ部30aの高さはh、クランプ部30bの高さはh−df(dfはクランプ部30aのフランジ面の厚さ)となっており、クランプ部30a、30bを重ね合わせた場合の高さは高さhとなる。
嵌合したクランプ部30a、30bの高さhと低融点ガラス基板31の厚さをtとした場合の、高さhと厚さtの関係性はt≧hとされればよい。
この関係性は、ディスク100の成形時に、低融点ガラス基板31から溶融したガラスがセンターガイドピン41側に流れないようにするためである。
また、クランプ部30aの厚みdfは、例えばディスク100成形後の低融点ガラス基板31の厚さが0.5〜0.6mmの場合、0.2mm以下となるようにする。
また、このクランプ部30a、30bの材質は、400℃前後の熱で酸化変色が少なく、且つ、ドライブに固定するためのマグネットクランプが可能なものである。例えばSUS430等を採用できる。
このクランプ部30a、30bにより、ディスク100をディスクドライブ装置に装着するときにマグネットクランプができることで、スリップなどがおきにくくなる。さらに、クランプ部30a、30bは、センターホールにおいて低融点ガラス基板31に挟み込むようにして嵌合されているのでディスクドライブ装置との着脱において衝撃でディスク100が割れる危険性を低くすることができる。
このクランプ部30a、30bにより、ディスク100をディスクドライブ装置に装着するときにマグネットクランプができることで、スリップなどがおきにくくなる。さらに、クランプ部30a、30bは、センターホールにおいて低融点ガラス基板31に挟み込むようにして嵌合されているのでディスクドライブ装置との着脱において衝撃でディスク100が割れる危険性を低くすることができる。
ここで、本実施の形態における情報記録媒体基板としての低融点ガラス基板31の素材の低融点ガラスと、従来のプラスチック基板の素材のディスク用透明プラスチックとの違いを説明する。
プラスチック基板では成膜時の真空下で樹脂内部からのガス発生や吸湿による水分に伴う真空度の低下、これらのガスが記録膜に取り込まれる結果、記録特性が悪くなる対策や複屈折安定の為に成膜前に130℃以下の温度で長時間アニール(焼鈍処理)する必要がある。
しかし、低融点ガラス基板31では、この様な事は必要とせずにそのまま使用することができる。また、HDのように磁気記録膜を成膜する際に保持力等、磁気特性を向上させる為に基板を200℃以上に加熱する事で異方性をあげた磁気記録膜を成膜する必要がある光ディスクにおいても同様の事が行える。
プラスチック基板では成膜時の真空下で樹脂内部からのガス発生や吸湿による水分に伴う真空度の低下、これらのガスが記録膜に取り込まれる結果、記録特性が悪くなる対策や複屈折安定の為に成膜前に130℃以下の温度で長時間アニール(焼鈍処理)する必要がある。
しかし、低融点ガラス基板31では、この様な事は必要とせずにそのまま使用することができる。また、HDのように磁気記録膜を成膜する際に保持力等、磁気特性を向上させる為に基板を200℃以上に加熱する事で異方性をあげた磁気記録膜を成膜する必要がある光ディスクにおいても同様の事が行える。
また、図1(b)に示した低融点ガラス基板31を用いた光ディスク100の場合、従来のプラスチック基板では記録層32の応力や、積層部33の構造材料と基板の吸湿の違いなどで剛性がガラスに比べ劣る所から1mm以上の基板の厚みでも動作環境や保存環境の急激な変化の際に光ディスク100全体の変形を起こすため薄型化は難しかった。
しかし、ガラスの剛性率が図3に示した低融点ガラスを構成するG−1、G−2は、ディスク用透明プラスチックを構成するP−1、P−2より高く、吸湿変形がほとんど無いところからプラスチック基板の1/3の厚さと等価になり、例えば0.5mm厚のガラス基板でも1.2mm厚プラスチック基板以上に信頼性が得られる。
また、G−1、G−2の比重はP−1、P−2の約3倍であるが上述したように厚さが1/3で済むのでディスクドライブ装置のスピンドルモータにかかる負担は等価で基板厚を薄く出来るメリットが大きい。
さらに、G−1、G−2は、剛性率がP−1、P−2より優れており、例えば片面信号ディスクでも成膜や保護膜の応力や温湿度変化を伴う動作・保存環境下でも基板の反りがあまり無い信頼性の高いディスク100が得られる。
しかし、ガラスの剛性率が図3に示した低融点ガラスを構成するG−1、G−2は、ディスク用透明プラスチックを構成するP−1、P−2より高く、吸湿変形がほとんど無いところからプラスチック基板の1/3の厚さと等価になり、例えば0.5mm厚のガラス基板でも1.2mm厚プラスチック基板以上に信頼性が得られる。
また、G−1、G−2の比重はP−1、P−2の約3倍であるが上述したように厚さが1/3で済むのでディスクドライブ装置のスピンドルモータにかかる負担は等価で基板厚を薄く出来るメリットが大きい。
さらに、G−1、G−2は、剛性率がP−1、P−2より優れており、例えば片面信号ディスクでも成膜や保護膜の応力や温湿度変化を伴う動作・保存環境下でも基板の反りがあまり無い信頼性の高いディスク100が得られる。
[第1の実施の形態]
以下に第1の実施の形態として、図4から図9において、低融点ガラス基板31に微細凹凸信号とクランプ部30を一体成形する製造方法について説明する。
まず、低融点ガラス基板31を予め所望のディスク100の円板形状と同じかそれに近い形状にスライス等の手段で事前に作成し、この円板を熱変形温度以下で予備加熱する。そして、400℃前後の屈伏点を超える温度に加熱された金型内に、低融点ガラス基板31と微細凹凸信号を有する一対のスタンパとクランプ部30と一緒に配置して、しかるのちに低融点ガラス基板31全体が流動しない範囲で表層のみが流動する温度下で加圧する。その後、冷却後にスタンパの微細凹凸信号が形成された所望の低融点ガラス基板31を得るものである。
以下に第1の実施の形態として、図4から図9において、低融点ガラス基板31に微細凹凸信号とクランプ部30を一体成形する製造方法について説明する。
まず、低融点ガラス基板31を予め所望のディスク100の円板形状と同じかそれに近い形状にスライス等の手段で事前に作成し、この円板を熱変形温度以下で予備加熱する。そして、400℃前後の屈伏点を超える温度に加熱された金型内に、低融点ガラス基板31と微細凹凸信号を有する一対のスタンパとクランプ部30と一緒に配置して、しかるのちに低融点ガラス基板31全体が流動しない範囲で表層のみが流動する温度下で加圧する。その後、冷却後にスタンパの微細凹凸信号が形成された所望の低融点ガラス基板31を得るものである。
図4は、低融点ガラス基板31に微細凹凸信号とクランプ部30を一体形成した成形基板を製造するための工程を示したフローチャートである。
まず、ガラス基板準備工程として、ステップF101においてガラス基板のサイズを加工する。即ち、低融点ガラス基板31のサイズを所望のディスク100の円板形状と同じか近い形状に加工し、厚さは、成形後の基板厚よりも0.1〜0.2mm厚いサイズに加工する。
なお、低融点ガラス基板31としては、光学的に透明なガラス組成物からなり、常温から成形温度までの間に結晶化領域を有しない低融点ガラス素材を用いることが好ましい。
まず、ガラス基板準備工程として、ステップF101においてガラス基板のサイズを加工する。即ち、低融点ガラス基板31のサイズを所望のディスク100の円板形状と同じか近い形状に加工し、厚さは、成形後の基板厚よりも0.1〜0.2mm厚いサイズに加工する。
なお、低融点ガラス基板31としては、光学的に透明なガラス組成物からなり、常温から成形温度までの間に結晶化領域を有しない低融点ガラス素材を用いることが好ましい。
そして、ステップF102において、ガラス基板をサンドブラスト加工する。即ち、低融点ガラス基板31の両面にサンドブラストで表面を梨地状又はマット状に加工するものである。例えば、低融点ガラス基板31の表面が鏡面のまま後述する加圧工程を行った場合、低融点ガラス基板31と接触するミラースタンパ43、信号面スタンパ47との貼り付きが起こり、巻き込まれた空気が逃げないで気泡になりやすくなってしまう。そこで、この気泡を逃がしやすくするために、表面を梨地状とする。
図5は、低融点ガラス基板31にサンドブラスト加工を行った面の表面の粗さを示したグラフであり、縦軸は微細な凹凸の深さを、横軸は半径方向を示している。この図5に示すような低融点ガラス基板31の表面の粗さを得るためには、研磨剤としてのアルミナ(Al2O3)の粒子を、100g/minの噴射量、噴射圧力8kgf/cm2、噴射口よりの距離25cm(ガンからワークまでの距離)でワーク移動速度300mm/で吹き付けるものである。
そして、このようにして表面が梨地状に加工された低融点ガラス基板31は、この図5のグラフのように最大粗さ3.5μm(好ましくは1.5μm)以下の凹凸が表面に形成され、加圧工程においてミラースタンパ43、信号面スタンパ47と接触したときに巻き込まれた空気の気泡を逃がしやすくすることができる。
そして、このようにして表面が梨地状に加工された低融点ガラス基板31は、この図5のグラフのように最大粗さ3.5μm(好ましくは1.5μm)以下の凹凸が表面に形成され、加圧工程においてミラースタンパ43、信号面スタンパ47と接触したときに巻き込まれた空気の気泡を逃がしやすくすることができる。
続いて、ステップF103において、低融点ガラス基板31の予備加熱を行う。この予備加熱を行わなわずに、後述する配置工程において上金型42、下金型48の熱盤温度が400℃まで加熱した基板成形装置に常温の低融点ガラス基板31を一気に投入すると、表層と内部では急激な熱膨張差が発生して割れたりクラックが起こる場合がある。そこで、低融点ガラス基板31が割れたりクラックが起こるのを防ぐために予め図示しないオーブン等で低融点ガラス基板31を130℃以上の雰囲気下で予備加熱するものである。
次に、図4の配置工程としては、まずステップF104において、基板成形装置に低融点ガラス基板31とクランプ部30a、30bを配置する。
基板成形装置とは、図6(a)、図6(b)に示す、低融点ガラス基板31に微細凹凸信号(ピットパターン)を形成すると共に、クランプ部30a、30bを固着するための装置である。
この基板成形装置は、信号面スタンパ47を装着する下金型48と、ミラースタンパ43を装着する上金型42と、下金型を加熱する下加熱盤50と、上金型42を加熱する上加熱盤40を備える。
そしてこの基板成形装置に低融点ガラス基板31とクランプ部30a、30bを配置させる場合、下加熱盤50の上にエジェクタ49、下金型48が配置された状態で、この下金型48が有するセンターガイドピン41に、信号面スタンパ47、クランプ部30b、低融点ガラス基板31、クランプ部30aが順次挿通される位置関係とされる。またその上方には、同じくセンターガイドピン41が挿通できる位置関係で、ミラースタンパ43を装着した上金型42が配置する状態となる。
基板成形装置とは、図6(a)、図6(b)に示す、低融点ガラス基板31に微細凹凸信号(ピットパターン)を形成すると共に、クランプ部30a、30bを固着するための装置である。
この基板成形装置は、信号面スタンパ47を装着する下金型48と、ミラースタンパ43を装着する上金型42と、下金型を加熱する下加熱盤50と、上金型42を加熱する上加熱盤40を備える。
そしてこの基板成形装置に低融点ガラス基板31とクランプ部30a、30bを配置させる場合、下加熱盤50の上にエジェクタ49、下金型48が配置された状態で、この下金型48が有するセンターガイドピン41に、信号面スタンパ47、クランプ部30b、低融点ガラス基板31、クランプ部30aが順次挿通される位置関係とされる。またその上方には、同じくセンターガイドピン41が挿通できる位置関係で、ミラースタンパ43を装着した上金型42が配置する状態となる。
なお、信号面スタンパ47の表面には、ガラス基板31に形成する微細凹凸信号(ピットパターン)を形成するための転写パターンとしての微細凹凸信号が形成されている。
また、上金型42と下金型48の表面には酸化防止のためにTiN等のコーティングを施している。
また、このときミラースタンパ43にはDLC(ダイヤモンドライクカーボン)44を100〜300nmコートし、信号面スタンパ47にはPt(白金)46を50〜100nmコートしたものを使用する。
このDLC44とPt46は、低融点ガラス基板31との離型応力が異なるものであるが、これらをコートすることで後述する剥離工程において低融点ガラス基板31からミラースタンパ43、信号面スタンパ47を離型するときの剥離不良や割れ、欠け等の不良を防止する。
また、信号面スタンパ47の表面が400℃を超える熱で酸化劣化すると、これによって成形されたディスクの微細凹凸信号の成形に影響を与え、ディスクの再生時にノイズが増加するという現象が発生するが、Pt46のコーティングにより酸化劣化を防ぎ、ディスク再生時のノイズ増加を防ぐためでもある。
なお、アモルファスカーボンをコーティング材として用いても良い。
また、上金型42と下金型48の表面には酸化防止のためにTiN等のコーティングを施している。
また、このときミラースタンパ43にはDLC(ダイヤモンドライクカーボン)44を100〜300nmコートし、信号面スタンパ47にはPt(白金)46を50〜100nmコートしたものを使用する。
このDLC44とPt46は、低融点ガラス基板31との離型応力が異なるものであるが、これらをコートすることで後述する剥離工程において低融点ガラス基板31からミラースタンパ43、信号面スタンパ47を離型するときの剥離不良や割れ、欠け等の不良を防止する。
また、信号面スタンパ47の表面が400℃を超える熱で酸化劣化すると、これによって成形されたディスクの微細凹凸信号の成形に影響を与え、ディスクの再生時にノイズが増加するという現象が発生するが、Pt46のコーティングにより酸化劣化を防ぎ、ディスク再生時のノイズ増加を防ぐためでもある。
なお、アモルファスカーボンをコーティング材として用いても良い。
図8は、成形基板を用いた情報記録媒体に関するノイズの周波数特性の測定結果を示したグラフである。図示する曲線aはPt46をコートしたスタンパによって微細凹凸信号が成形基板に形成され、曲線bはPt46をコートしていないスタンパによって微細凹凸信号が成形基板に形成された場合を示している。この図8における曲線aと曲線bを比較してもわかるように、曲線bでは酸化劣化の影響で、特に低周波数帯域でノイズレベルの増加が発生している。
ステップF105においては、油圧ラム51を上昇させる。即ち、図6(a)のように金型キャビティーが構成された段階(未加圧状態で、上金型42と下金型48によるキャビティーが形成される位置)まで油圧ラム51を上昇させる。
次に図4の加圧予備工程として、ステップF106において、キャビティー内に窒素を注入する。そしてキャビティー内に窒素ガスを注入した後、キャビティーを真空とする。これによりミラースタンパ43、信号面スタンパ47の酸化防止や後述する加圧工程時に気泡を生じないようにすることができる。
そして、ステップF107において、キャビティーが構成された状態で加熱を行う。
即ち、上加熱盤40には上金型42が、下加熱盤50には下金型48がボルトなどで取り付けられており、この上加熱盤40と下加熱盤50には、ヒーター等の温調回路で上金型42と下金型48を加熱することができる構造となっている。
そして、上金型42と下金型48の表面温度が低融点ガラス基板31の表層のスキン層200μm以下が屈服点を超える溶融状態より40〜60℃以内の温度となるようにする。例えば上加熱盤40と下加熱盤50は、上金型42と下金型48の表面温度が385℃以上(熱盤温度は400℃)に常時加熱させておくものである。
例えば、上金型42と下金型48の表面温度を400℃にする為には、上加熱盤40の温度を425℃、下加熱盤50の温度を418℃とする。上加熱盤40と下加熱盤50で温度に差があるのは、上金型42と下金型48の周辺より放熱によって金型の表面温度が低下するためであり、上加熱盤40と下加熱盤50の温度に差をもたせることで上金型42と下金型48の温度を同じとするためである。
そして、低融点ガラス基板31やクランプ部30a、30bが成形温度に達する45〜60secの間、加熱する。即ちミラースタンパ43、信号面スタンパ47、低融点ガラス基板31、クランプ部30a、30bが金型表面温度に達するまで、全体を加熱する。
即ち、上加熱盤40には上金型42が、下加熱盤50には下金型48がボルトなどで取り付けられており、この上加熱盤40と下加熱盤50には、ヒーター等の温調回路で上金型42と下金型48を加熱することができる構造となっている。
そして、上金型42と下金型48の表面温度が低融点ガラス基板31の表層のスキン層200μm以下が屈服点を超える溶融状態より40〜60℃以内の温度となるようにする。例えば上加熱盤40と下加熱盤50は、上金型42と下金型48の表面温度が385℃以上(熱盤温度は400℃)に常時加熱させておくものである。
例えば、上金型42と下金型48の表面温度を400℃にする為には、上加熱盤40の温度を425℃、下加熱盤50の温度を418℃とする。上加熱盤40と下加熱盤50で温度に差があるのは、上金型42と下金型48の周辺より放熱によって金型の表面温度が低下するためであり、上加熱盤40と下加熱盤50の温度に差をもたせることで上金型42と下金型48の温度を同じとするためである。
そして、低融点ガラス基板31やクランプ部30a、30bが成形温度に達する45〜60secの間、加熱する。即ちミラースタンパ43、信号面スタンパ47、低融点ガラス基板31、クランプ部30a、30bが金型表面温度に達するまで、全体を加熱する。
次に図4の加圧工程としては、ステップF108で油圧ラム51を上昇させて、ステップF109において加圧圧縮を行う。
即ち、例えば25mm/分で油圧ラム51を低速上昇させ、図6(b)のように、低融点ガラス基板31やクランプ部30a、30bの加圧圧縮を行う。そして、所定時間加圧圧縮を行い信号面スタンパ47に形成されている微細凹凸信号を低融点ガラス基板31に転写させると共にクランプ部30a、30bを低融点ガラス基板31に一体化させた成形基板を得る。
即ち、例えば25mm/分で油圧ラム51を低速上昇させ、図6(b)のように、低融点ガラス基板31やクランプ部30a、30bの加圧圧縮を行う。そして、所定時間加圧圧縮を行い信号面スタンパ47に形成されている微細凹凸信号を低融点ガラス基板31に転写させると共にクランプ部30a、30bを低融点ガラス基板31に一体化させた成形基板を得る。
次に図4の剥離工程として、ステップF110、ステップF111において、油圧ラム51を下降させ、室温冷却させる。即ち、所定時間の加圧圧縮の終了後、上金型42に真空固定されたミラースタンパ43の真空を解除した後に例えば100mm/分の速度で油圧ラム51を下降させ、エンドポイントまできたところで停止する。そして、信号面スタンパ47の吸着用真空を解除してエジェクター49を例えば5kgf/cm2圧エアーで突き出し、成形基板とそれに密着しているミラースタンパ43と信号面スタンパ47を下金型48から浮き上がるようにして、センターガイドピン41共々基板成形装置から取り出し室温冷却を開始する。
そして、ステップF112、ステップF113において、ミラースタンパ43と信号面スタンパ47の離型を行う。
即ち、図7(a)の状態で室温冷却が行われているミラースタンパ43と信号面スタンパ47の表面温度が低融点ガラス基板31のTg点以下(例えば、低融点ガラス基板31のTg点が300℃の場合は250℃前後)になった段階で、DLC44をコートしたミラースタンパ43を成形基板から図7(b)のように剥がす。
ガラスの親和力はDLC44>Pt46のため、DLC44をコートしたミラースタンパ43が先に剥がれることとなる。
そして、さらに除冷を進行させると低融点ガラス基板31は成型収縮率の違いでPt46をコートした信面スタンパー47より、図7(c)のように自然に離型して成形基板が得られる。
このように、ガラス素材を使用した低融点ガラス基板31はTg点が高いので異方性を良くした成形基板を使用した光ディスクが得られる。
なお、ミラースタンパ43にPt46をコートし、信号面スタンパ47にDLC44をコートしてもよい。
即ち、図7(a)の状態で室温冷却が行われているミラースタンパ43と信号面スタンパ47の表面温度が低融点ガラス基板31のTg点以下(例えば、低融点ガラス基板31のTg点が300℃の場合は250℃前後)になった段階で、DLC44をコートしたミラースタンパ43を成形基板から図7(b)のように剥がす。
ガラスの親和力はDLC44>Pt46のため、DLC44をコートしたミラースタンパ43が先に剥がれることとなる。
そして、さらに除冷を進行させると低融点ガラス基板31は成型収縮率の違いでPt46をコートした信面スタンパー47より、図7(c)のように自然に離型して成形基板が得られる。
このように、ガラス素材を使用した低融点ガラス基板31はTg点が高いので異方性を良くした成形基板を使用した光ディスクが得られる。
なお、ミラースタンパ43にPt46をコートし、信号面スタンパ47にDLC44をコートしてもよい。
図9は、ここまで説明してきた成形基板の微細凹凸信号のパターンの測定結果を示したもので、縦軸を任意の位置をゼロレベルとして相対的に表示したものである。そして、この図9において、最大ピット深さ32.359nm、最小ピット深さ28.203nmと良好な凹凸パターンが形成されていることが分かる。
ここまで説明してきた第1の実施の形態としての成形基板は、低融点ガラス基板31に微細凹凸信号の形成と同時にクランプ部30a、30bを一体形成することができるで、効率的に情報記録媒体基板としての成形基板を製造でき、生産性を向上させることができる。
また、低融点ガラス基板31に加熱、加圧を行うことで微細凹凸信号を形成するときに、溶融したガラスがセンターホール近傍で微細なクラックやバリとなることをクランプ部30a、30bを同時一体形成することで防ぐことができる。
さらに、加圧圧縮して微細凹凸信号を形成するので、外周膨らみやバリが無く最外周近傍まで記録再生ができ、記録容量を射出成形で製造した基板よりも増大する。
また、低融点ガラス基板31に加熱、加圧を行うことで微細凹凸信号を形成するときに、溶融したガラスがセンターホール近傍で微細なクラックやバリとなることをクランプ部30a、30bを同時一体形成することで防ぐことができる。
さらに、加圧圧縮して微細凹凸信号を形成するので、外周膨らみやバリが無く最外周近傍まで記録再生ができ、記録容量を射出成形で製造した基板よりも増大する。
[第2の実施の形態]
上述してきた第1の実施の形態では、成形基板を製造する際、基板成形装置の上金型42と下金型48の表面温度を400℃として成形基板を製造していた。そのため、上金型42と下金型48は、酸化によるサビや劣化対策として大気と接する主な面にはTiN等の耐酸化防止処理を施す必要があった。
以下に説明する第2の実施の形態は、上金型42と下金型48の温度は70〜160℃とし、図10に示すように配置される上補助加熱板52と下補助加熱板53を用いてミラースタンパ43と信号面スタンパ47の表面のみを選択的に340〜360℃にする成形基板の製造方法である。
上述してきた第1の実施の形態では、成形基板を製造する際、基板成形装置の上金型42と下金型48の表面温度を400℃として成形基板を製造していた。そのため、上金型42と下金型48は、酸化によるサビや劣化対策として大気と接する主な面にはTiN等の耐酸化防止処理を施す必要があった。
以下に説明する第2の実施の形態は、上金型42と下金型48の温度は70〜160℃とし、図10に示すように配置される上補助加熱板52と下補助加熱板53を用いてミラースタンパ43と信号面スタンパ47の表面のみを選択的に340〜360℃にする成形基板の製造方法である。
この第2の実施の形態において、成形基板を製造するには、第1の実施の形態の成形基板の製造工程とほぼ同様のことを行う。ただ、第2の実施の形態の場合は、第1の実施の形態において使用した図6(a)、図6(b)の基板成形装置のミラースタンパ43と上金型42の間に上補助加熱板52を、信号面スタンパ47と下金型48の間に下補助加熱板53を備えた図10(a)、図10(b)に示す基板成形装置を使用する。
この場合の基板成形装置は、信号面スタンパ47を下補助加熱盤53を介して装着する下金型48と、ミラースタンパ43を上補助加熱盤52を介して装着する上金型42と、下金型を加熱する下加熱盤50と、上金型42を加熱する上加熱盤40を備える。
下補助加熱盤53は例えば信号面スタンパ47に固定され、また上補助加熱盤52はミラースタンパ43に固定されている。
そしてこの基板成形装置に低融点ガラス基板31とクランプ部30a、30bを配置させる場合、下加熱盤50の上にエジェクタ49、下金型48が配置された状態で、この下金型48が有するセンターガイドピン41に、下補助加熱盤53を取り付けた信号面スタンパ47、クランプ部30b、低融点ガラス基板31、クランプ部30aが順次挿通される位置関係とされる。またその上方には、同じくセンターガイドピン41が挿通できる位置関係で、ミラースタンパ43、上補助加熱盤52、上金型42が配置する状態となる。
そしてこの基板成形装置では、上加熱盤40と下加熱盤50は、それぞれ上金型42と下金型48を、成形温度に達しない70〜160℃の範囲に維持する加熱を行う。そして、信号面スタンパ47と、ミラー面スタンパ43とによりガラス基板31を挟み込んだ状態で、下補助加熱盤53と上補助加熱盤52で加熱を行うことで、ガラス基板31を成形温度(例えば340〜360℃)まで加熱するようにするものである。
下補助加熱盤53は例えば信号面スタンパ47に固定され、また上補助加熱盤52はミラースタンパ43に固定されている。
そしてこの基板成形装置に低融点ガラス基板31とクランプ部30a、30bを配置させる場合、下加熱盤50の上にエジェクタ49、下金型48が配置された状態で、この下金型48が有するセンターガイドピン41に、下補助加熱盤53を取り付けた信号面スタンパ47、クランプ部30b、低融点ガラス基板31、クランプ部30aが順次挿通される位置関係とされる。またその上方には、同じくセンターガイドピン41が挿通できる位置関係で、ミラースタンパ43、上補助加熱盤52、上金型42が配置する状態となる。
そしてこの基板成形装置では、上加熱盤40と下加熱盤50は、それぞれ上金型42と下金型48を、成形温度に達しない70〜160℃の範囲に維持する加熱を行う。そして、信号面スタンパ47と、ミラー面スタンパ43とによりガラス基板31を挟み込んだ状態で、下補助加熱盤53と上補助加熱盤52で加熱を行うことで、ガラス基板31を成形温度(例えば340〜360℃)まで加熱するようにするものである。
この場合、先ず、図4のフローチャートに示したガラス基板準備工程と同様の工程を行い、次に配置工程として、図10(a)に示すように、基板成形装置に低融点ガラス基板31とクランプ部30a、30b配置して、金型キャビティーが構成された段階(未加圧状態で上金型42と下金型48によるキャビティーが形成される位置)まで油圧ラム51を上昇させる。
なお上金型42と下金型48は上加熱盤40と下加熱盤50により常時160℃の一定温度に温調されている。
なお上金型42と下金型48は上加熱盤40と下加熱盤50により常時160℃の一定温度に温調されている。
そして、加圧予備工程として上補助加熱板52と下補助加熱板53を図示しない別の制御装置で電圧をON、OFFさせる事により信号面スタンパ47とミラー面スタンパ43の表面を加熱する。
図11は、下補助加熱板53の内部構造を示しており、この下補助加熱板53は、フリットガラス53a、発熱体53b、絶縁ガラス53cから構成される。上補助加熱板52も同様の構成よりなるものである。
図12は、上補助加熱板52と下補助加熱板53への印加電圧をONとしたときの温度の変化を示している。例えば、印加電圧をONとしたときの印可条件を直流200Vとした場合、7.7秒で(B)160℃→(A)400℃まで昇温したことがわかる。
このように上補助加熱板52と下補助加熱板53の温度を上昇させることで、例えば低融点ガラス基板31に屈伏点が310℃のガラス素材を使用する場合、低融点ガラス基板31の表層のスキン層200μm以下が屈服点を超える溶融状態より40〜60℃以内の温度となるように電圧のON、OFFを繰り返して例えば360℃以上を保持させることができる。
そして、その他の加圧予備工程は第1の実施の形態と同様である。
図11は、下補助加熱板53の内部構造を示しており、この下補助加熱板53は、フリットガラス53a、発熱体53b、絶縁ガラス53cから構成される。上補助加熱板52も同様の構成よりなるものである。
図12は、上補助加熱板52と下補助加熱板53への印加電圧をONとしたときの温度の変化を示している。例えば、印加電圧をONとしたときの印可条件を直流200Vとした場合、7.7秒で(B)160℃→(A)400℃まで昇温したことがわかる。
このように上補助加熱板52と下補助加熱板53の温度を上昇させることで、例えば低融点ガラス基板31に屈伏点が310℃のガラス素材を使用する場合、低融点ガラス基板31の表層のスキン層200μm以下が屈服点を超える溶融状態より40〜60℃以内の温度となるように電圧のON、OFFを繰り返して例えば360℃以上を保持させることができる。
そして、その他の加圧予備工程は第1の実施の形態と同様である。
次に加圧工程においては、図10(b)に示すようにして加圧圧縮を行うものであるが、第1の実施の形態の加圧工程との違いは、最高加圧に到達したときに上補助加熱板52と下補助加熱板53の印加電圧をOFFとすることである。これにより、低融点ガラス基板31のTg点近くに来るまで加圧出来るためクリープによる微細信号凹凸が緩和することがない。
例えば8秒間の加圧において加圧終了3秒前に上補助加熱板52と下補助加熱板53による加熱をOFFとし、加圧状態のまま冷却開始する。
その後、加圧工程を終了し、剥離工程に移る。
冷却が進みガラスのTg点285℃になった時点で真空固定されたミラースタンパ43の真空を解除したのち100mm/分の速度で下金型48が下降限で停止した後、信号面スタンパ46の吸着用真空を解除してエジェクター49を5kgf/cm2圧エアーで突き出しし、信号面スタンパ47とミラースタンパ43毎、低融点ガラス基板31を室温に取り出す。
この際、信号面スタンパ47とミラースタンパ43の温度はTg点以下なっているので即座にミラースタンパ43を剥がすことができる。低融点ガラス基板31はPt46コートした信号面スタンパ47側に残るが、これは自己収縮で自然に剥離し、低融点ガラス基板31を取り出すことができる。
例えば8秒間の加圧において加圧終了3秒前に上補助加熱板52と下補助加熱板53による加熱をOFFとし、加圧状態のまま冷却開始する。
その後、加圧工程を終了し、剥離工程に移る。
冷却が進みガラスのTg点285℃になった時点で真空固定されたミラースタンパ43の真空を解除したのち100mm/分の速度で下金型48が下降限で停止した後、信号面スタンパ46の吸着用真空を解除してエジェクター49を5kgf/cm2圧エアーで突き出しし、信号面スタンパ47とミラースタンパ43毎、低融点ガラス基板31を室温に取り出す。
この際、信号面スタンパ47とミラースタンパ43の温度はTg点以下なっているので即座にミラースタンパ43を剥がすことができる。低融点ガラス基板31はPt46コートした信号面スタンパ47側に残るが、これは自己収縮で自然に剥離し、低融点ガラス基板31を取り出すことができる。
ここまで説明してきた第2の実施の形態としての成形基板は、第1の実施の形態の成形基板と同様に、効率的に情報記録媒体基板としての成形基板を製造でき、生産性を向上させることができる。
そして、クランプ部30a、30bを一体形成することでセンターホール近傍で微細なクラックやバリとなることを防ぎ、加圧圧縮で成形基板を製造するので外周膨らみやバリが無く最外周近傍まで記録再生ができる。
さらに、上補助加熱板52と下補助加熱板53を用いることで、上金型42と下金型48を常時高温で保温する必要が無くなるので、酸化によるサビや劣化対策として耐酸化防止処理を施す必要がない。
また、第1の実施の形態の場合は、低融点ガラスの屈伏点347℃を超え微細凹凸信号を転写するために上金型42と下金型48の表面温度を常に400℃まで保持する必要があったが、第2の実施の形態の場合、上補助加熱板52と下補助加熱板53でスタンパ表面温度のみを屈伏点を超え微細信号が転写する加圧時間のみ360℃以上に保持するので、金型全体温度はプラスチック射出成形の場合と同様の70〜160℃に一定温調していればよい。これによって金型材質が熱劣化する事もなく金型シールのゴム製Oリングなどが使用でき、金型構造の幅が拡がる。
そして、クランプ部30a、30bを一体形成することでセンターホール近傍で微細なクラックやバリとなることを防ぎ、加圧圧縮で成形基板を製造するので外周膨らみやバリが無く最外周近傍まで記録再生ができる。
さらに、上補助加熱板52と下補助加熱板53を用いることで、上金型42と下金型48を常時高温で保温する必要が無くなるので、酸化によるサビや劣化対策として耐酸化防止処理を施す必要がない。
また、第1の実施の形態の場合は、低融点ガラスの屈伏点347℃を超え微細凹凸信号を転写するために上金型42と下金型48の表面温度を常に400℃まで保持する必要があったが、第2の実施の形態の場合、上補助加熱板52と下補助加熱板53でスタンパ表面温度のみを屈伏点を超え微細信号が転写する加圧時間のみ360℃以上に保持するので、金型全体温度はプラスチック射出成形の場合と同様の70〜160℃に一定温調していればよい。これによって金型材質が熱劣化する事もなく金型シールのゴム製Oリングなどが使用でき、金型構造の幅が拡がる。
10・100 ディスク、11・30・30a・30b クランプ部、12・34 レンズ、13・33 積層部、14・32 記録層、15・31 低融点ガラス基板、20 ガラス基板、21 レジスト、22 露光部、23 未露光部、35 貫通穴、40 上加熱盤、41 センターガイドピン、42 上金型、43 ミラースタンパ、44 DLC、46 白金、47 信号面スタンパ、48 下金型、49 エジェクタ、50 下加熱盤、51 油圧ラム、52 上補助加熱板、53 下補助加熱板、53a フリットガラス、53b 発熱体、53c 絶縁ガラス
Claims (10)
- 所定形状のガラス基板を生成し、該ガラス基板を予備加熱するガラス基板準備工程と、
上記ガラス基板を挟接する第1スタンパと、第2スタンパとが配置された情報記録媒体基板成形装置に、上記ガラス基板を配置するとともに、該ガラス基板のセンターホールに嵌め込まれることとなる位置に上下一対の金属薄板を配置する配置工程と、
上記配置工程により上記情報記録媒体基板成形装置に配置された上記ガラス基板を成形温度にまで加熱する加圧予備工程と、
上記情報記録媒体基板成形装置において上記第1スタンパと上記第2のスタンパにより、上記ガラス基板と上記金属薄板を挟み込んだ状態で加圧する加圧工程と、
上記加圧工程で加圧した上記ガラス基板と上記金属薄板から上記第1スタンパと上記第2スタンパを剥離する剥離工程と、
を有することを特徴とする情報記録媒体基板製造方法。 - 上記第1スタンパと上記第2スタンパの少なくとも一方は、上記加圧工程により、情報信号となる微細凹凸信号を上記ガラス基板に形成するためのスタンパとされていることを特徴とする請求項1に記載の情報記録媒体基板製造方法。
- 一対の上記金属薄板は、マグネットクランプが可能な金属部材で形成されるとともに、
それぞれが上記センターホールに嵌め込まれた状態で、上記センターホールの内周面及びセンターホール周囲部分の基板上下平面を覆う形状とされていることを特徴とする請求項2に記載の情報記録媒体基板製造方法。 - 一対の上記金属薄板は、基板上下平面を覆う部位に、1又は複数の貫通穴が設けられていることを特徴とする請求項3に記載の情報記録媒体基板製造方法。
- 上記第1スタンパ及び上記第2スタンパは、ガラス基板に対する離型性が互いに異なるように表面処理を施したうえで用いられることを特徴とする請求項1に記載の情報記録媒体基板製造方法。
- 上記第1スタンパ及び上記第2スタンパの表面処理は、それぞれ白金、又はダイヤモンドライクカーボン、又はアモルファスカーボンの成膜処理として行われたものであることを特徴とする請求項5に記載の情報記録媒体基板製造方法。
- 上記ガラス基板準備工程では、
上記ガラス基板の表面を梨地状又はマット状に加工することを特徴とする請求項1に記載の情報記録媒体基板製造方法。 - 上記ガラス基板準備工程では、光学的に透明なガラス組成物からなり、常温から成形温度までの間に結晶化領域を有しない低融点ガラス素材を用いて所定の形状の上記ガラス基板を生成することを特徴とする請求項1に記載の情報記録媒体基板製造方法。
- 上記情報記録媒体基板成形装置は、上記第1スタンパを装着した第1の金型と、上記第2スタンパを装着した第2の金型と、上記第1の金型を加熱する第1の加熱盤と、上記第2の金型を加熱する第2の加熱盤とを備え、
上記加圧予備工程では、上記第1の金型に装着された上記第1スタンパと、上記第2の金型に装着された上記第2スタンパとにより上記ガラス基板を挟み込んだ状態で、上記第1の加熱盤と上記第2の加熱盤で加熱することにより、上記ガラス基板を成形温度まで加熱することを特徴とする請求項1に記載の情報記録媒体基板製造方法。 - 上記情報記録媒体基板成形装置は、第1の補助加熱盤を介して上記第1スタンパを装着した第1の金型と、第2の補助加熱盤を介して上記第2スタンパを装着した第2の金型と、上記第1の金型を加熱する第1の加熱盤と、上記第2の金型を加熱する第2の加熱盤とを備え、
上記第1の加熱盤と、上記第2の加熱盤は、上記第1の金型と上記第2の金型を、上記成形温度に達しない所定温度範囲に維持する加熱を行うとともに、
上記加圧予備工程では、上記第1の金型に装着された上記第1スタンパと、上記第2の金型に装着された上記第2スタンパとにより上記ガラス基板を挟み込んだ状態で、上記第1の補助加熱盤と上記第2の補助加熱盤で加熱することにより、上記ガラス基板を成形温度まで加熱することを特徴とする請求項1に記載の情報記録媒体基板製造方法。
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2007
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