JP2009127974A - レンジフード - Google Patents
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Abstract
【解決手段】キッチンK側を除くフード部1の下向き開口縁部1−2,1−4に、汚染空気Gに対する横風Wの干渉を防ぐ横風干渉防止流Mを吹き出させるための外向き吹き出し口12を備え、外向き吹き出し口12は、下向き開口縁部1−2,1−4の外側コーナー部において斜め下向き形成される斜面部22に、この斜面部22に対して直交するように開口されている。
【選択図】図2
Description
特に、近年ではオープンカウンタに組み込まれる加熱調理器としてIHクッキングヒータを採用する傾向が多く、このIHクッキングヒータは、ガスコンロなどのように燃焼ガスを発生しないために上昇気流が非常に弱く、発生した汚染空気は微力な室内気流の変化でも乱れ易い特性がある。
そのために、ダイニングなどの隣室での人の活動や空調機器、そしてドアの開閉などの外的要因から発生する室内気流の変化、特に横風の影響を受け易く、調理鍋などから舞い上がる湯煙や油煙などの汚染空気がレンジフードの外側に拡散し、捕集効率が悪くなるなどの問題がある。
この特許文献1において開示されているレンジフードは、フード部の下向き開口縁部(エッジ)から鉛直方向に空気流を吹き出させることにより、レンジフードの周りにエアカーテン流(鉛直流)を生成し、このエアカーテン流によって、調理によって発生する汚染空気が、フード部の外側に拡散することを防ぐようにしている。
つまり、フード部の下向き開口縁部から下向きに向けて生成されるエアカーテン流のダイニング側に面する一部が横風によってフード部の内側に押されてしまう傾向が見られ、横風の影響を防ぐためのエアカーテン流による遮蔽機能が低下する。これにより、フード部に向かって上昇する汚染空気の上昇気流が乱されて、汚染空気の一部がフード部の外側に拡散するおそれがあるなどの効果的な横風干渉防止策とは言い難く、改善すべき課題が残されていた。
前記フード部は、キッチン側を除く前記下向き開口縁部のうち、少なくとも一辺縁部に、この一辺縁部に沿わせて開口させた外向き吹き出し口を備え、前記外向き吹き出し口は、前記下向き開口縁部である下面部とこの下面部に連設する側面部との外側コーナー部において斜め下向き形成される斜面部に、この斜面部に対して直交するように開口され、前記汚染空気に対する横風の干渉を防ぐための横風干渉防止流を適宜の下向き傾斜角度で吹き出すように形成されていることを特徴とする。
ここで、前記外向き吹き出し口の口元から吹き出し風路の上流側に組み込まれている防止流発生ファンに至るように前記吹き出し風路を形成する風路壁面は、同じ長さに形成されていることが好適なものとなる。また、前記外向き吹き出し口は、ダイニング側とオープンカウンタ側にそれぞれ面する前記下向き開口縁部の二辺縁部に沿ってそれぞれ設けられていることが好適なものとなる。
また、横風干渉防止流が外向き吹き出し口から吹き出されるときに、整流としてダイニング側とオープンカウンタ側に向けて吹き出す。
これは、外向き吹き出し口が、フード部の下面部と側面部との外側コーナー部において斜め下向き形成される斜面部に対して直交して開口され、しかも、外向き吹き出し口の口元から吹き出し風路の上流側に組み込まれている防止流発生ファンに至る風路壁面の長さが同じ長さに形成されている。これにより、防止流発生ファンによって生成された横風干渉防止流(気流)が吹き出し風路を通って口元に流れるときに、横風干渉防止流が受ける風路壁面との接触抵抗が口元に至るまで一定に保たれ、なおかつ、口元から同時に吹き出されるために、横風干渉防止流は整流としてダイニング側とオープンカウンタ側に向けて吹き出されることとなる。
ここで、防止流発生ファンによって生成される横風干渉防止流が吹き出し風路を通して外向き吹き出し口の口元へ送り出されるとき、風路壁面との接触による接触抵抗(摩擦抵抗)の影響を受けないように、前記吹き出し風路の風路形状を例えば、略への字形状などに形成することが好適なものとなる。
しかも、横風干渉防止流を吹き出す外向き吹き出し口は、フード部の下向き開口縁部に沿ってフード部の内側に形成されている吸込み隙間から離れているフード部の下面部と周面部との連設コーナー部に設けた斜め下向きの斜面部に対して直行するように開口されているために、吸込み隙間から勢いよく流速を速めながらフード部内に吸い込み捕集される汚染空気が、横風干渉防止流の吹き出しによって生じる外向きの誘引力によりフード部の外側に引き込まれることがない。
これにより、調理によって発生する汚染空気の上昇気流は、横風に干渉されて乱されることがないために、フード部に向かって上昇してきた汚染空気の漏洩防止策が効果的に図られる。特に、オープンキッチン用として、汚染空気の捕集効率を効果的に高める横風干渉防止策を期待することができる。
これにより、システムキッチンユニットとの兼ね合いより間口幅や奥行き寸法が規格において定められているフード部の大きさを変えることなく、外向き吹き出し口を備えたレンジフードを製作実施することが可能となる。
図1は、本実施形態に係るレンジフードをオープンカウンタの真上に取り付けた状態を示す縦断側面図であり、図2は、同レンジフードの底面図であり、図3は、同レンジフードの平面図である。
なお、レンジフードには、壁取り付けタイプと、天井取り付けタイプ(所謂アイランド)とがあるが、本実施形態では、壁取り付けタイプのレンジフードを一例に挙げて説明する。
また、本実施例では、図1において、オープンカウンタBを挟んで紙面の右側がキッチンK側、紙面の左側がダイニングD側を示す。
そして、レンジフードAの方向において、キッチンK側(調理者側)がフード部1の前側、ダイニングD側がフード部1の後側、キッチンK側から見てキッチン壁(室側壁)Eに接する側がフード部1の右側、反対側がフード部1の左側となる(図2参照)。
レンジフードAは、図1に示すように、オープンカウンタBに組み込まれる加熱調理器Bの略真上において設置され、調理中に発生する油煙、湯煙(水蒸気)、廃ガスなどの汚染空気Gを吸い込み捕集しながら排気ダクト14を通して屋外に排気するように構成されている。
このレンジフードAは、図1に示すように、薄型のフード部1と、このフード部1が取り付けられる送風機ユニット2とを備えて構成されている。
フード部1は、図2及び図3に示すように、キッチンK側とダイニングD側にそれぞれ面する前側と後側の二辺の下向き開口縁部1−1,1−2側を幅広く、そして、キッチンK側から見て右側と左側の二辺の下向き開口縁部1−3,1−4側を幅狭くした下向きに開口する扁平箱型に形成されている。
そして、フード部1は、図1及び図2に示すように、前後左右の下向き開口縁部1−1〜1−4の内側に沿わせて吸込み隙間Sを囲繞状に形成するように整流板3を備えている。
これにより、調理中に加熱調理器Cや調理鍋Dなどから立ち昇る汚染空気Gが、送風機ユニット2の排気能力により整流板3に沿って吸込み隙間Sからフード部1内に吸込み捕集されるようにしている。
これにより、汚染空気Gがグリスフィルタ5を通過するときに、汚染空気G中に含まれている油脂分などが分離されて捕集されるようにしている。
なお、図示を省略しているが、グリスフィルタ5によって捕集された油脂分や水分などは、整流板3の上に一旦滴下し、この整流板3の下に着脱可能に備えられているオイルパックなどに回収されるようになっている。
これにより、二辺の下向き開口縁部1−2,1−4の内側に、後記する防止流発生ファン11と抑止流発生ファン12をそれぞれ回転可能に支持させて収容させるための区画されたファン収容部8,9がそれぞれ設けられるようにしている。
送風機ユニット2は、図1および図3に示すように、排気ダクト14が接続される排気装置2−1と、この排気装置2−1と排気ダクト14とを隠蔽するための上下伸縮可能なダクトカバー2−2とを備えて構成されている。
ちなみに、排気ファン17は、排気能力が高い遠心ファン(通称:シロッコファンと称されている)である。
ダクトカバー2−2は、上下面と一側面とを開口させた平面視で略コの字形状に形成されている。そして、ダクトカバー2−2は、図1及び図3に示すように、一側開口側がキッチンKのキッチン壁Eに取り付けられ、下端開口にはフード部1の天板1aが、連絡口6を連通させた状態で取り付けられるようにしている。
次に、外向き吹き出し口および内向き吹き出し口の構成について説明する。
図4は、要部を拡大して示す断面図である。ここでは、図1及び図2を適宜参照しながら説明する。
ファン収容部8,9は、図1および図4に示すように、前記した口構成部材7によって、二辺の下向き開口縁部1−2,1−4のそれぞれの内側に、フード部1の下向き開口部(捕獲空間)側と区画された状態で外側と内側にそれぞれ形成される。
そして、このファン収容部8,9が形成される二辺の下向き開口縁部1−2,1−4におけるフード部1の天板1aには、図3に示すように、各辺縁部に沿って無数の点在させた空気取入れ孔18,19が設けられている。これにより、ファン収容部8,9内に室内空気がそれぞれ取り込まれるようにしている。
これにより、外側と内側のファン収容部8,9内に、前記した防止流ファン11と抑止流発生ファン12をそれぞれ回転可能に支持するように形成されている。つまり、口構成部材7は、防止流ファン11と抑止流発生ファン12それぞれのファンケーシングを兼ねるものである。
ちなみに、防止流発生ファン11と抑止流発生ファン12は、クロスフロ−ファンである。
また、外向き吹き出し口12は、図4に示すように、下向き開口縁部1−2,1−4であるフード部1の下面部とこの下面部に連設する側面部とによって形成される外側コーナー部において、ダイニングD側とオープンカウンタB側に向けた適宜の角度で斜め下向きに形成される斜面部22に、この斜面部22に対して直交するように開口されている。
これにより、外向き吹き出し口12は、図4に示すように、フード部1の二辺の下向き開口縁部1−2,1−4の内側に沿って形成されている吸込み隙間Sから離れた間隔Lをおいたフード部1の下面部と周面部との外側コーナー部に、下向き傾斜の吹き出し角度(θ1)で横風干渉防止流Mを吹き出すように形成されている。
そして、吹き出し風路23の風路壁面23aは、外向き吹き出し口12の口元から防止流発生ファン11が収容されているファン収容部8に至る長さが同じ長さに形成される。
この内向き吹き出し口13は、図2および図4に示すように、外向き吹き出し口12と平行で、この外向き吹き出し口12の開口幅と同じ開口幅にてフード部1の内側に向けた下向き傾斜の吹き出し角度(θ2)にて形成される(後記の図5及び図6参照)。
図5及び図6は、外向き吹き出し口及び内向き吹き出し口からそれぞれ吹き出される横風干渉防止流と誘引抑止流とのそれぞれの吹き出し角度を説明する概略図である。ここでは、図1〜図4を適宜参照しながら説明する。
すなわち、図5に示すように、ダイニングD側に面するカウンタ縁からフード部1側に向けた垂直線上X2と交わる高さ方向の途中部位からカウンタ面の高さ部位に至る範囲における横風干渉防止流Mの一部気流が、カウンタ縁を越えてさらに加熱調理器Cの周辺(カウンタ面)に達しないように、横風干渉防止流Mの吹き出し角度(θ1)とその風速(m/s)を設定することが好適なものとなる。つまり、図5に一点鎖線で示したように、横風干渉防止流Mが横風Wによって押されてもカウンタ縁に達しないようにすることが好適なものとなる。
例えば、ダイニングD側などからの横風Wの風速が0.3m/sの場合、フード部1の下向き開口縁部1−2,1−4の水平線上X1からの横風干渉防止流Mの下向き吹き出し角度(θ1)を40〜50°の範囲とする。そして、オープンカウンタBのカウンタ面の高さに達する横風干渉防止流Mの先端気流の風速を0.3m/sの範囲に設定することが好ましいものとなる。この場合、外向き吹き出し口12の口元またはその口元近傍における横風干渉防止流Mの風速は4.0m/sの範囲に設定されるが好適なものとなる。
例えば、前記したように、横風干渉防止流Mの下向き吹き出し角度が40〜50°の範囲で、外向き吹き出し口9またはその口元近傍における横風干渉防止流Mの風速が4.0m/sの場合には、フード部1の下向き開口縁部1−3,1−4の水平線上X1からのフード部1の内側に向けた下向き吹き出し角度を5〜45°の範囲に設定し、この吹き出し角度(θ2)で誘引抑止流Nが内向き吹き出し孔10からフード部1の内側に向かって吹き出すようにすることが好適なものとなる。
そして、このときの誘引抑止流Nの風速は、1.0m/sに設定することが好適なものとなる。つまり、風速が4.0m/sで外向き吹き出し口12からダイニングD側に吹き出される横風干渉防止流Mの流れによって、図1に示すように、フード部1へと上昇してきた汚染空気Gが誘引されることを確実に抑止することができる。
これにより、調理中に発生する汚染空気Gに対する横風Wの干渉を確実に防いで、フード部1の外側への汚染空気Gの拡散や漏洩を防ぐことができる。
また、カウンタ面の高さに達する横風干渉防止流Mの先端気流の風速が0.3m/sに設定されている。これにより、横風干渉防止流Mがカウンタ面に接触(衝突)したときに乱れることなく、整流の状態でオープンカウンタBの長手方向(カウンタ方向)に沿って外側に流れていく。
これにより、フード部1へと上昇してきた汚染空気Gが、横風干渉防止流Mの流れに誘引されてフード部1の外側に拡散、そして漏洩することを防ぐことができる。
この実施形態では、図7に示すように、外向き吹き出し口12の口元とファン収容部8とを連通する吹き出し風路23−1の風路形状を変えた以外の構成要素においては、前記した図4に示す構成要素と基本的に同じことから同じ構成要素に同じ符合を付することで重複説明は省略する。
すなわち、外向き吹き出し口12の口元からファン収容部8に至る吹き出し風路23−1を、図7に示すように、例えば、略への字形状に屈曲させた風路形状に形成することで、吹き出し風路23−1の途中部位に屈曲部25を備える。
これにより、例えば、調理中に調理者などが外向き吹き出し口12と内向き吹き出し口13とが開口されているフード部1の下向き開口縁部1−2,1−4やその周面部の汚れを拭き取るなどの際に、誤って外向き吹き出し口12から吹き出し風路23−1内に指などが入ってしまった場合、吹き出し風路23−1の屈曲部25において受止められ、吹き出し風路23−1の上流側のファン収容部8に収容されている防止流発生ファン11に指先などが到達することを防ぐことができるようにしている。
例えば、外向き吹き出し口12と平行してその内側に内向き吹き出し口13を必ずしも設ける必要はない。これは、前記したように、外向き吹き出し口12と、下向き開口縁部1−2,1−4の内側に沿って整流板3との間に形成される吸込み隙間Sとの間隔Lを広めに離すことができるために、外向き吹き出し口12からの横風干渉防止流Mの吹き出しによって、外向き吹き出し口12の開口内側に生じる外向きの誘引力が吸込み隙間Sからフード部1内に吸込み捕集される廃ガスGの流れに誘引されることを抑えることができるからである。
B オープンカウンタ
C 加熱調理器
D ダイニング
K キッチン
1 フード部
1−1〜1−4 下向き開口縁部
2 送風機ユニット
3 整流板
12 外向き吹き出し口
13 内向き吹き出し口
23,23−1 吹き出し風路
23a 風路壁面
M 横風干渉防止流
N 誘引抑止流
S 吸込み隙間
W 横風
Claims (5)
- 下向き開口縁部の内側に沿わせて吸込み隙間を有し、加熱調理器の略真上に設置されるフード部と、
このフード部の上に取り付けられる送風機ユニットと、を備えて構成されているレンジフードであって、
前記フード部は、キッチン側を除く前記下向き開口縁部のうち、少なくとも一辺縁部に、この一辺縁部に沿わせて開口させた外向き吹き出し口を備え、
前記外向き吹き出し口は、前記下向き開口縁部である下面部とこの下面部に連設する側面部との外側コーナー部において斜め下向き形成される斜面部に、この斜面部に対して直交するように開口され、汚染空気に対する横風の干渉を防ぐための横風干渉防止流を適宜の下向き傾斜角度で吹き出すように形成されていることを特徴とする請求項1に記載のレンジフード。 - 前記外向き吹き出し口の口元から吹き出し風路の上流側に組み込まれている防止流発生ファンに至るように前記吹き出し風路を形成する風路壁面は、同じ長さに形成されていることを特徴とする請求項1に記載のレンジフード。
- 前記外向き吹き出し口は、ダイニング側とオープンカウンタ側にそれぞれ面する前記下向き開口縁部の二辺縁部に沿ってそれぞれ設けられていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のレンジフード。
- 前記外向き吹き出し口の口元から吹き出し風路の上流側に組み込まれている防止流発生ファンに至る前記吹き出し風路が屈曲されていることを特徴とする請求項1から請求項3の何れか1項に記載のレンジフード。
- 前記外向き吹き出し口が開口されている前記下向き開口縁部に、前記吸込み隙間よりも外側において前記外向き吹き出し口の内側に開口される内向き吹き出し口を備え、
前記内向き吹き出し口は、前記横風干渉防止流に誘引される前記汚染空気を、前記フード部の内側方向に向けて押し込むための誘引抑止流を吹き出すように形成されていることを特徴とする請求項1から請求項4の何れか1項に記載のレンジフード。
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JP2007292389A (ja) * | 2006-04-25 | 2007-11-08 | Toto Ltd | レンジフード |
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