JP2009127693A - 軸受クリープ防止構造およびその製造方法 - Google Patents

軸受クリープ防止構造およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】転がり軸受の外輪における転動面の変形を許容範囲に抑えつつ、線膨張係数の差によってインサート部材と転がり軸受の外輪との間に発生し得るクリープを防止することを可能とする軸受クリープ防止構造を提供する。
【解決手段】軸受ハウジング2と、内側に挿入される転がり軸受4の外輪41の片側に係合する挿入係合面3dを挿入方向前部に有し、軸受ハウジング2に挿入されたインサート部材3と、インサート部材3の内側に挿入係合面3dに係合されるまで挿入された転がり軸受4の外輪41と、を備え、インサート部材3は、転がり軸受4の外輪41より挿入方向後方へ延出しており、この延出部3cおよびその近傍の内径面が軸心側に撓んで転がり軸受4の外輪41の側端部41bを相対回転不能に押圧している。
【選択図】図1

Description

本発明は、転がり軸受の軸受クリープ防止構造およびその製造方法に関する。特に、転がり軸受をインサート部材を介して軸受ハウジング内に固定する場合に、インサート部材と転がり軸受の外輪との間に発生し得るクリープを防止するための軸受クリープ防止構造およびその製造方法に関する。
従来より、図3(c)に示すように、自動車用変速機等の回転軸5が、軸受ハウジング7内にインサート部材8を介して固定された転がり軸受4によって支持される軸受構造が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
自動車用変速機等の軸受ハウジングは、軽量化を図るために、アルミニウム合金やマグネシウム合金などの軽合金によって製作されていることが多い。これに対して、転がり軸受は、一定の強度を確保するために、SUJ鋼等の鋼材で製作されている。SUJ鋼等の鋼材の硬度は、軸受ハウジングの材料であるアルミニウム合金やマグネシウム合金より高い。また、SUJ鋼等の鋼材の線膨張係数は、軸受ハウジングの材料であるアルミニウム合金やマグネシウム合金の線膨張係数より小さい。
転がり軸受がインサート部材を介して軸受ハウジング内に固定されるのは、転がり軸受の外輪が軸受ハウジングの内側で回転してしまう、いわゆるクリープが発生したときに、転がり軸受の外輪より軟質な軸受ハウジングが摩耗することを防止するためである。このようなクリープは、回転軸の回転に伴う転がり軸受の温度上昇や、自動車用変速機などの温度上昇時に、軸受ハウジングの材料の線膨張係数と転がり軸受の材料の線膨張係数との差からこれらの間での締め代が減少し、軸受ハウジングによる転がり軸受の外輪の保持力が低下することによって一層発生し易くなる。
また、インサート部材は、回転軸および転がり軸受から受ける荷重から軸受ハウジングの変形を防止する役割をも果たす。
図3に従来の軸受構造の組付手順の一例を示す。まず、図3(a)〜(b)に示すように、軸受ハウジング7に対して、インサート部材8が挿入される。インサート部材8の外周面の一部には軸線方向に延在した多数の凹凸条からなる平目ローレット8aが形成されている。この平目ローレット8aの凹凸条は、線膨張係数の差によって減少するインサート部材8と軸受ハウジング7との締め代を補うだけの荒さ(凹条と凸条との径方向の高低差)で形成されており、インサート部材8が軸受ハウジング7に挿入されたときに、インサート部材8より軟質である軸受ハウジング7の内周面に食い込んで、インサート部材8と軸受ハウジング7との間で発生し得るクリープを防止する。
軸受ハウジング7へのインサート部材8の挿入後、図3(c)に示すように、インサート部材8の内側に転がり軸受4の外輪41が圧入され、更に、圧入された外輪41の内側に、コロ42、内輪および軸5が組み込まれる。
特開平8−210370
一方、インサート部材8と転がり軸受4の外輪41との間にはローレット加工が施されていないため、線膨張係数の差によってクリープが発生することがある。つまり、インサート部材8に一般的に使用される鋳鉄等の線膨張係数は、転がり軸受4の外輪41に使用されるSUJ鋼等の鋼材の線膨張係数よりも大きく、温度上昇に伴って、インサート部材8と転がり軸受4の外輪41との締め代が減少し、コロ42の回転抵抗を潤滑油膜経由で受ける転がり軸受4の外輪41が、インサート部材8の内側に対してクリープを起こす場合がある。
SUJ鋼等の鋼材からなる転がり軸受4の外輪41が、これより軟質の材料からなるインサート部材8の内側でクリープを起こすと、インサート部材8側が摩耗し、軸受ハウジング7が設けられたキャリヤに対する転がり軸受4の当初の設計寸法位置に合った状態を維持できなくなるおそれがある。
軸受ハウジング7とインサート部材8との間でのクリープの発生を防止するために、インサート部材8の外周面に平目ローレット8aを形成したように、転がり軸受4の外輪41の外周面にローレット加工を施して外輪41とインサート部材8との間でのクリープの発生を防止することも考えられる。しかし、外輪41の材料であるSUJ鋼等の鋼材は硬度が非常に高いため、線膨張係数差によって減少する締め代を補うだけの荒さのローレット加工を施すことが容易ではない。仮にそのような荒さのローレット加工を施すことができたとしても、インサート部材の材料となる鋳鉄等は、アルミニウム合金やマグネシウム合金ほど軟質な材料ではないことから、ローレット加工が施された外輪41をインサート部材8の内側に圧入することが困難である。
線膨張係数の差によってインサート部材8と転がり軸受4の外輪41との間に発生する緩み量以上の締め代を予め確保しておけば、温度上昇時における、インサート部材8と転がり軸受4の外輪41との間で発生するクリープを防止することができる。しかし、締め代が一定量以上になると、転がり軸受4の外輪41が圧縮変形し、当該外輪41におけるコロ42の転動面が波打って転がり軸受4の性能の低下を招き、ひいては、転がり軸受4が使用不能となる。したがって、単に締め代を増加することによってクリープの発生を防止することは難しい。
本発明は、上記問題点に鑑みて創案されたものであり、転がり軸受の外輪における転動面の変形を許容範囲に抑えつつ、線膨張係数の差によってインサート部材と転がり軸受の外輪との間に発生し得るクリープを防止することを可能とする軸受クリープ防止構造およびその製造方法を提供することを目的とする。
上述の課題を解決するための手段として、本発明の軸受クリープ防止構造およびその製造方法は、以下のように構成されている。
すなわち、本発明の軸受クリープ防止構造は、軸受ハウジングと、内側に挿入される転がり軸受の外輪の片側に係合する挿入係合面を挿入方向前部に有し、前記軸受ハウジングに挿入されたインサート部材と、前記インサート部材の内側に前記挿入係合面に係合されるまで挿入された転がり軸受の外輪と、を備える軸受クリープ防止構造であって、前記インサート部材は、前記転がり軸受の外輪より挿入方向後方へ延出しており、この延出部およびその近傍の内径面が軸心側に撓んで前記転がり軸受の外輪の側端部を相対回転不能に押圧していることを特徴としている。
この軸受クリープ防止構造では、インサート部材の転がり軸受の外輪より挿入方向後方へ延出した延出部およびその近傍の内径面が軸心側に撓んで転がり軸受の外輪の側端部を相対回転不能に押圧している。インサート部材の内径面によって押圧される場所が、外輪における転動面から軸線方向に離れた外輪の側端部であることから、インサート部材と外輪との線膨張係数の差によってこれらの間に発生する緩み量以上の締め代(押圧力)を確保しても、外輪の圧縮変形範囲は、外輪の側端部およびその近傍に限られ、外輪における転動面まで及び難い。したがって、この軸受クリープ防止構造によれば、外輪における転動面の変形を許容範囲に抑制しつつ、温度上昇時にインサート部材と外輪との線膨張係数の差によって生じる、インサート部材と外輪の側端部との間の締め代の減少分を補える十分な締め代(押圧力)を確保して、インサート部材と外輪との間で生じ得るクリープの発生を防止することができる。
また、本発明の軸受クリープ防止構造の製造方法は、挿入方向前部に転がり軸受の外輪の片側に係合する挿入係合面を有するインサート部材の内側に、転がり軸受の外輪を前記挿入係合面に係合するまで挿入する外輪挿入工程と、前記転がり軸受の外輪が前記挿入係合面に係合されるまで挿入された状態の前記インサート部材を軸受ハウジングに挿入するインサート部材挿入工程と、を含むものである。そして、前記インサート部材には、前記転がり軸受の外輪より挿入方向後方へ延出し、前記インサート部材挿入工程前において前記軸受ハウジングの内径より大きい外径を有する延出部が形成されており、この延出部は、前記インサート部材挿入工程において当該延出部およびその近傍の内径面が軸心側に撓んで前記転がり軸受の外輪の側端部を相対回転不能に押圧するように、形成されている。
この軸受クリープ防止構造の製造方法では、転がり軸受の外輪より挿入方向後方へ延出し、インサート部材挿入工程前において軸受ハウジングの内径より大きい外径を有する延出部が、軸受ハウジングに挿入されることによって、その近傍部とともに軸心側に撓み、その内径面が前記転がり軸受の外輪の側端部を相対回転不能に押圧する。インサート部材の延出部ないしその近傍の内径面によって押圧される場所は、外輪の側端部であることから、外輪の圧縮変形範囲は、外輪の側端部およびその近傍に限られ、外輪における転動面まで及び難い。したがって、本製造方法によって製造された軸受クリープ防止構造によれば、外輪における転動面の変形を許容範囲に抑制しつつ、温度上昇時にインサート部材と外輪との線膨張係数の差によって生じる、インサート部材と外輪の側端部との間の締め代の減少分を補える十分な締め代(押圧力)を確保して、インサート部材と外輪との間で生じるクリープの発生を防止することができる。
また、本発明の軸受クリープ防止構造の製造方法は、上記構成において、前記延出部の外径面が、インサート部材挿入工程前に、挿入方向後方に向かってテーパ状に拡径したものであることが望ましい。
この軸受クリープ防止構造の製造方法によれば、インサート部材挿入工程前のインサート部材の延出部の外径面が、挿入方向後方に向かってテーパ状に拡径したものであることから、軸受ハウジングに対してこれより大径の外径を有する延出部の挿入が容易となり、生産効率が向上する。
本発明に係る軸受クリープ防止構造によれば、外輪における転動面の変形を許容範囲に抑制しつつ、温度上昇時にインサート部材と外輪との線膨張係数の差によって生じる、インサート部材と外輪の側端部との間の締め代の減少分を補える十分な締め代を確保して、インサート部材と外輪との間で生じるクリープの発生を防止することができる。また、本発明に係る軸受クリープ防止構造の製造方法は、上記軸受クリープ防止構造の製造に適している。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。図1は、本発明の実施の形態に係る軸受クリープ防止構造1を示した断面図である。
軸受クリープ防止構造1は、軸受ハウジング2、インサート部材3および転がり軸受の外輪41で主に構成されている。この軸受クリープ防止構造1は、例えば、自動車等の車両のトランスミッション、トランスファー、ディファレンシャルなど、転がり軸受および軸受ハウジングを設ける部位に適用可能である。
軸受ハウジング2は、例えばアルミニウム合金などの軽合金からなり、インサート部材3を介して転がり軸受4を収容保持する。
軸受ハウジング2の一方側には、インサート部材3および転がり軸受4の挿入用開口部2aが形成され、軸受ハウジング2の他方側には、インサート部材3の挿入終端面2bが形成されている。軸受ハウジング2の内径は、インサート部材3の後述する一般部3aが圧入可能な程度に形成されている。なお、軸受ハウジング2のインサート部材3の入口側エッジ部2cには面取りが施されており、これにより、インサート部材3の挿入方向前端部および後述する延出部3cの軸受ハウジング2への挿入作業が容易となる。
インサート部材3は、軸受ハウジング2の材料より高い硬度の鋳鉄等の材料で製作されている。インサート部材3は、挿入方向前部に、このインサート部材3の内側に挿入される転がり軸受4の外輪41の片側の側面41aに係合する挿入係合面3dを有している。インサート部材3は、略円筒形状部材の一端側に前記挿入係合面3dを有しており、詳しくは、軸受ハウジング2への挿入方向前端側から順に、一般部3a、相対回転防止部3b、延出部3cが形成されている。一般部3aは、軸受ハウジング2内に挿入嵌合される適度な外径を有する。相対回転防止部3bは、外径面にローレット加工が施されている。例えば、軸線方向に延在した多数の凹凸条からなる平目ローレットが形成されている。この相対回転防止部3bは、インサート部材3が軸受ハウジング2内に挿入されたときに、インサート部材3の材料より低い硬度の材料(アルミニウム等の軽合金)からなる軸受ハウジング2の内周面に食い込むことによって、インサート部材3全体が軸受ハウジング2に対して相対回転不能となっている。延出部3cは、インサート部材3の内側に挿入された転がり軸受4の外輪41より挿入方向後方へ延出した部分である。延出部3cおよびその近傍の内径面は、軸心側に撓んで転がり軸受4の外輪41の側端部41bを相対回転不能に押圧している。
転がり軸受4として、例えば円錐ころ軸受を例に挙げて図示および説明をする。この転がり軸受4の外輪41は、その側面41aがインサート部材3の内側に挿入係合面3dに係合されるまで、挿入されている。転がり軸受4の外輪41の反挿入係合面3d側の側端部41bは、上記したように、インサート部材3の内径面によって相対回転不能に押圧されている。
[軸受クリープ防止構造の製造方法]
つぎに、上記軸受クリープ防止構造1に適した製造方法を、図2−a〜図2−eに基づいて説明する。なお、本製造方法の実施前において、インサート部材3の延出部3cは、軸受ハウジング2の内径より大きい外径を有し、例えば図2−aに示すように、軸受ハウジング2への挿入方向後方に向かってテーパ状に拡径している。
第1工程として、図2−a〜図2−bに示すように、インサート部材3が、その延出部3cが軸受ハウジング2の内側に挿入される直前まで挿入される。つまり、この段階では、インサート部材3の一般部3aおよび相対回転防止部3bが軸受ハウジング2の内側に挿入される。ローレット加工が施されている相対回転防止部3bは、軸受ハウジング2の内径面を塑性変形させながら食い込み、これにより、インサート部材3が軸受ハウジング2に対して相対回転不能に挿入される。この結果、インサート部材3と軸受ハウジング2との間でのクリープの発生が防止されるほか、後述するインサート部材3の内径仕上げ加工を好適な状態で行うことができる。
第2工程として、インサート部材3の内径仕上げ加工が図示しない切削加工機械等にて行われ、適切な軸心を有するインサート部材3の内径が形成される。なお、上記内径仕上げ加工では、インサート部材3の内径面は、転がり軸受4の外輪41を圧入することができる程度の嵌め合い状態、例えば中間ばめ〜隙間ばめ状態に加工される。
第3工程として、図2−b〜図2−cに示すように、インサート部材3の軸受ハウジング2に対する挿入位置を維持したまま、インサート部材3の内側に転がり軸受4の外輪41を挿入係合面3dに係合するまで挿入する(外輪挿入工程)。なお、転がり軸受4の外輪41の外径とインサート部材3の内径との嵌め合い状態は、例えば中間ばめ〜隙間ばめとなっている。勿論、この嵌め合い状態は、インサート部材3の軸受ハウジング2に対する挿入位置を維持したままインサート部材3の内側に外輪41を挿入できる程度であることが望ましい。
第4工程として、図2−c〜図2−dに示すように、転がり軸受4の外輪41を軸受ハウジング2内に向かって押圧する。すると、転がり軸受4の外輪41の側面41aに挿入係合面3dを介して係合押圧されるインサート部材3は、軸受ハウジング2の内側に軸受ハウジング2の挿入終端面2bに当接するまで挿入される(インサート部材挿入工程)。このとき、インサート部材3の延出部3cは、当該延出部3より小径の軸受ハウジング2内に挿入されつつ軸受ハウジング2の内径面によって軸心側に押圧される。これにより、延出部3cおよびその近傍は軸心側に撓み、その内径面も軸心側に撓んで転がり軸受4の外輪41の側端部41bを押圧する。なお、延出部3cは、挿入方向後方に向かってテーパ状に拡径しているので、テーパ効果により上記インサート部材3の軸受ハウジング2への挿入作業が円滑に行われる。なお、軸受ハウジング2の挿入終端面2bは、インサート部材3の挿入限界位置を形成しているに過ぎず、インサート部材3と転がり軸受4の外輪41との間で発生するクリープを防止するための必須構成要件ではない。
上記インサート部材3の延出部3cは、当該延出部3cおよびその近傍の内径面が軸心側に撓んで転がり軸受4の外輪41の側端部41bを所定温度範囲(例えば、軸受クリープ防止構造1の使用環境下での想定温度範囲)において常に相対回転不能に軸心側へ押圧するような寸法形状に形成されている。
したがって、所定温度範囲での最高温度において、延出部3cの最大直径D1(図2−a参照)と軸受ハウジング2の内径D2(図2−a参照)との差(D1−D2)は、少なくとも、転がり軸受4の外輪41の側端部41bの外径D3(図2−b参照)とインサート部材3の内径D4(図2−b参照)との差(D4−D3)よりある程度大きいことが必要となる。また、転がり軸受4の外輪41における転動面41c(転動体であるコロ42が転動する面)のインサート部材3による圧縮変形量が転がり軸受4を使用する上で許容される範囲内であることも必要である。
第5工程として、図2−eに示すように、転がり軸受4のコロ42および内輪43並びに軸5が組み付けられる。
このように、製造された軸受クリープ防止構造1によれば、インサート部材3の延出部3cが、軸受ハウジング2に挿入されることによって当該延出部3cおよびその近傍が軸心側に撓み、その内径面が転がり軸受4の外輪41の側端部41bを相対回転不能に軸心側へ押圧する。インサート部材3の延出部3cおよびその近傍によって押圧される場所は、外輪41の側端部41bであることから、外輪41の圧縮変形範囲は、外輪41の側端部41bおよびその近傍に限られ、外輪41の転動面41cまで及び難い。したがって、上記軸受クリープ防止構造1によれば、外輪41の転動面41cの変形を設計上の許容範囲内で十分に抑制しつつ、温度上昇時にインサート部材3と外輪41との線膨張係数の差によって生じ得る、インサート部材3と外輪41の側端部41bとの間の締め代の減少量を補い得る十分な締め代(押圧力)を常に確保して、インサート部材3と外輪41との間で生じるクリープの発生を防止することができる。
[他の実施形態]
以上説明した実施の形態では、転がり軸受として円錐ころ軸受を例に挙げて説明したが、本発明は、外輪、転動体、内輪を備える転がり軸受であれば円錐ころ軸受以外の転がり軸受を組付けた軸受ハウジング、インサート部材等にも適用可能である。外輪とその他の部分を分離できない転がり軸受の場合は、上記した外輪だけをインサート部材に挿入する工程において、外輪とともに転がり軸受全体をインサート部材に挿入する。
また、インサート部材を軸受ハウジングに対して相対回転不能にする手段は、ローレット加工が施された相対回転防止部3bに限定されず、種々の手段を講じることができる。
また、転がり軸受4の軸心位置精度として高い精度が要求されない機械、装置等に本発明を適用する場合、上記した軸受クリープ防止構造の製造方法において、第2工程の内径仕上げ加工を省略してもよい。この場合、予めインサート部材3の内側に転がり軸受4の外輪41を挿入係合面3dまで挿入した上で、インサート部材3を軸受ハウジング2に挿入してもよい。
本発明は、例えば、転がり軸受をインサート部材を介して軸受ハウジングに固定するタイプの軸受固定装置に適用可能である。
本発明の実施の形態に係る軸受クリープ防止構造等を示した図であって、軸線を含む平面で切断した断面図である。 本発明の実施の形態に係る軸受クリープ防止構造の製造方法の初工程(第1工程)に関する状態を示した断面図である。なお、中心線(軸線)より下方は図示を省略している。 本発明の実施の形態に係る軸受クリープ防止構造の製造方法の途中工程(第1工程〜3工程)に関する状態を示した断面図である。なお、中心線(軸線)より下方は図示を省略している。 本発明の実施の形態に係る軸受クリープ防止構造の製造方法の途中工程(第3工程〜4工程)に関する状態を示した断面図である。なお、中心線(軸線)より下方は図示を省略している。 本発明の実施の形態に係る軸受クリープ防止構造の製造方法の途中工程(第4工程)に関する状態を示した断面図である。なお、中心線(軸線)より下方は図示を省略している。 本発明の実施の形態に係る軸受クリープ防止構造の製造方法によって製造された軸受クリープ防止構造を示した断面図である。なお、中心線(軸線)より下方は図示を省略している。 従来行われていた、軸受ハウジングにインサート部材を介して転がり軸受を組付ける際の組付手順の一例を示した図である。
符号の説明
1 軸受クリープ防止構造
2 軸受ハウジング
3 インサート部材
3c 延出部
3d 挿入係合面
4 転がり軸受
41 外輪
41b 外輪の側端部
41c 転動面

Claims (3)

  1. 軸受ハウジングと、
    内側に挿入される転がり軸受の外輪の片側に係合する挿入係合面を挿入方向前部に有し、前記軸受ハウジングに挿入されたインサート部材と、
    前記インサート部材の内側に前記挿入係合面に係合されるまで挿入された転がり軸受の外輪と、
    を備える軸受クリープ防止構造であって、
    前記インサート部材は、前記転がり軸受の外輪より挿入方向後方へ延出しており、この延出部およびその近傍の内径面が軸心側に撓んで前記転がり軸受の外輪の側端部を相対回転不能に押圧していることを特徴とする軸受クリープ防止構造。
  2. 挿入方向前部に転がり軸受の外輪の片側に係合する挿入係合面を有するインサート部材の内側に、転がり軸受の外輪を前記挿入係合面に係合するまで挿入する外輪挿入工程と、
    前記転がり軸受の外輪が前記挿入係合面に係合されるまで挿入された状態の前記インサート部材を軸受ハウジングに挿入するインサート部材挿入工程と、を含む軸受クリープ防止構造の製造方法であって、
    前記インサート部材には、前記転がり軸受の外輪より挿入方向後方へ延出し、前記インサート部材挿入工程前において前記軸受ハウジングの内径より大きい外径を有する延出部が形成されており、
    前記延出部は、前記インサート部材挿入工程において当該延出部およびその近傍の内径面が軸心側に撓んで前記転がり軸受の外輪の側端部を相対回転不能に押圧するように、形成されていることを特徴とする軸受クリープ防止構造の製造方法。
  3. 請求項2に記載の軸受クリープ防止構造の製造方法において、
    前記延出部の外径面は、インサート部材挿入工程前に、挿入方向後方に向かってテーパ状に拡径したものであることを特徴とする軸受クリープ防止構造の製造方法。
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