JP2009127457A - 可変容量形ポンプ - Google Patents

可変容量形ポンプ Download PDF

Info

Publication number
JP2009127457A
JP2009127457A JP2007301142A JP2007301142A JP2009127457A JP 2009127457 A JP2009127457 A JP 2009127457A JP 2007301142 A JP2007301142 A JP 2007301142A JP 2007301142 A JP2007301142 A JP 2007301142A JP 2009127457 A JP2009127457 A JP 2009127457A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cam ring
rotor
pump
vane
cam
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2007301142A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5172289B2 (ja
Inventor
Shigeaki Yamamuro
重明 山室
Nobuo Senba
総夫 仙波
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Ltd filed Critical Hitachi Ltd
Priority to JP2007301142A priority Critical patent/JP5172289B2/ja
Priority to US12/273,814 priority patent/US8282369B2/en
Priority to DE102008058392.8A priority patent/DE102008058392B4/de
Priority to CN2008101786162A priority patent/CN101440803B/zh
Publication of JP2009127457A publication Critical patent/JP2009127457A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5172289B2 publication Critical patent/JP5172289B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F04POSITIVE - DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; PUMPS FOR LIQUIDS OR ELASTIC FLUIDS
    • F04CROTARY-PISTON, OR OSCILLATING-PISTON, POSITIVE-DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; ROTARY-PISTON, OR OSCILLATING-PISTON, POSITIVE-DISPLACEMENT PUMPS
    • F04C2/00Rotary-piston machines or pumps
    • F04C2/30Rotary-piston machines or pumps having the characteristics covered by two or more groups F04C2/02, F04C2/08, F04C2/22, F04C2/24 or having the characteristics covered by one of these groups together with some other type of movement between co-operating members
    • F04C2/34Rotary-piston machines or pumps having the characteristics covered by two or more groups F04C2/02, F04C2/08, F04C2/22, F04C2/24 or having the characteristics covered by one of these groups together with some other type of movement between co-operating members having the movement defined in groups F04C2/08 or F04C2/22 and relative reciprocation between the co-operating members
    • F04C2/344Rotary-piston machines or pumps having the characteristics covered by two or more groups F04C2/02, F04C2/08, F04C2/22, F04C2/24 or having the characteristics covered by one of these groups together with some other type of movement between co-operating members having the movement defined in groups F04C2/08 or F04C2/22 and relative reciprocation between the co-operating members with vanes reciprocating with respect to the inner member
    • F04C2/3441Rotary-piston machines or pumps having the characteristics covered by two or more groups F04C2/02, F04C2/08, F04C2/22, F04C2/24 or having the characteristics covered by one of these groups together with some other type of movement between co-operating members having the movement defined in groups F04C2/08 or F04C2/22 and relative reciprocation between the co-operating members with vanes reciprocating with respect to the inner member the inner and outer member being in contact along one line or continuous surface substantially parallel to the axis of rotation
    • F04C2/3442Rotary-piston machines or pumps having the characteristics covered by two or more groups F04C2/02, F04C2/08, F04C2/22, F04C2/24 or having the characteristics covered by one of these groups together with some other type of movement between co-operating members having the movement defined in groups F04C2/08 or F04C2/22 and relative reciprocation between the co-operating members with vanes reciprocating with respect to the inner member the inner and outer member being in contact along one line or continuous surface substantially parallel to the axis of rotation the surfaces of the inner and outer member, forming the working space, being surfaces of revolution
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F04POSITIVE - DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; PUMPS FOR LIQUIDS OR ELASTIC FLUIDS
    • F04CROTARY-PISTON, OR OSCILLATING-PISTON, POSITIVE-DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; ROTARY-PISTON, OR OSCILLATING-PISTON, POSITIVE-DISPLACEMENT PUMPS
    • F04C14/00Control of, monitoring of, or safety arrangements for, machines, pumps or pumping installations
    • F04C14/18Control of, monitoring of, or safety arrangements for, machines, pumps or pumping installations characterised by varying the volume of the working chamber
    • F04C14/22Control of, monitoring of, or safety arrangements for, machines, pumps or pumping installations characterised by varying the volume of the working chamber by changing the eccentricity between cooperating members
    • F04C14/223Control of, monitoring of, or safety arrangements for, machines, pumps or pumping installations characterised by varying the volume of the working chamber by changing the eccentricity between cooperating members using a movable cam
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F04POSITIVE - DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; PUMPS FOR LIQUIDS OR ELASTIC FLUIDS
    • F04CROTARY-PISTON, OR OSCILLATING-PISTON, POSITIVE-DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; ROTARY-PISTON, OR OSCILLATING-PISTON, POSITIVE-DISPLACEMENT PUMPS
    • F04C2250/00Geometry

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Rotary Pumps (AREA)
  • Details And Applications Of Rotary Liquid Pumps (AREA)

Abstract

【課題】カムリングのいずれの揺動位置に拘わらずポート開閉タイミングを最適化することができる可変容量形ポンプを提供する。
【解決手段】カムリング7の内周面7aのカムプロフィールを、該カムリングの中心が前記ロータ9の回転中心と一致した際に、吸入ポート17の終端17aと吐出ポート19の始端19aとの間に形成される閉じ込み区間R1においては前記ロータとほぼ同心円となるように形成した。また、アダプタリング5の支点面12を逆傾斜に形成して前記カムリングをロータの回転中心Orから前記吸入ポート側へオフセットするように配置し、ベーンの回転位置に対する前記吸入ポートの終端または前記吐出ポートの始端位置であるポートタイミングを、カムリングの揺動に伴って変化するように構成した。
【選択図】図1

Description

本発明は、車両のパワーステアリングの駆動源などに用いられる可変容量形ポンプの改良に関する。
従来の可変容量形ポンプとしては、車両のパワーステアリング装置などに適用された以下の特許文献1に記載されたものが知られている。
この可変容量形ポンプは、ポンプボディ内に収容固定されたアダプタリングと、該アダプタリングの内周側に配置され、該アダプタリングの内周面に形成された支点面を揺動支点として揺動自在に設けられたカムリングと、ポンプボディ内に挿通した駆動軸に一体に設けられ、前記カムリングの内で回転するロータと、該ロータの外周部に放射方向に沿って複数形成されたスロットと、該各スロット内から放射方向へ出没自在に設けられた複数のベーンと、前記カムリングとロータとを軸方向から挟持する両サイドプレートとを備えている。
前記ポンプボディには、作動油をポンプ室に吸い込む吸入ポートとポンプ室から吐出する吐出ポートが形成され、前記アダプタリングの内周面とカムリングの外周側の両側部には、制御バルブの作動によって内部の流体圧が制御される第1流体圧室と、常時吸入側の低圧が導入される第2流体圧室がそれぞれ形成されている。
また、前記カムリングの内周は、吸入ポートから作動油を吸入する吸入区間の形状と、吸入ポートから吸入した作動油を吐出ポートへ予圧縮して移送する下死点における第1閉じ込み区間の形状と、吐出ポートから作動油を吐出する吐出区間の形状と、上死点において隣り合うベーン間の空間に挟み込んだ作動油を吸入ポートへ移送する第2閉じ込み区間の形状により構成され、前記吸入区間と吐出区間におけるカムリングの内周は、真円曲線と過渡曲線から構成されている。
さらに、前記閉じ込み区間におけるカムリングの内周は、カムリングの偏心量の如何に拘わらずロータの回転角の増加に対してベーンの動半径を常に減少させるように、曲率半径が該ロータの回転方向に沿って減少する負勾配曲線から構成され、この負勾配曲線と真円曲線とが高次曲線によって連結されている。
これによって、前記閉じ込み区間におけるカムリングの内周面とベーン先端縁との離間に伴う圧力脈動を抑制して、これに起因する振動・騒音の発生を低減するようになっている。
特開2002−115673号公報
しかしながら、前記従来の可変容量形ポンプにあっては、前述のように、閉じ込み区間におけるカムリング内周面の形状(カムプロフィール)を負勾配曲線によって形成することによって、ポンプ脈動を低減することができるものの、カムリングの揺動に伴う吸入ポートや吐出ポートの開閉タイミングの変化については何ら考慮されていない。
このため、ポンプの振動・騒音対策に対する最適設計が、カムリングのある揺動位置に限定されて、他の揺動位置では悪化してしまうおそれがある。
本発明は、前記従来における可変容量形ポンプの技術的課題に鑑みて案出されたもので、カムリングのいずれの揺動位置に拘わらずポート開閉タイミングを最適化することができる可変容量形ポンプを提供することを目的としている。
請求項1に記載の発明は、ポンプボディに軸支された駆動軸と、前記ポンプボディ内に回転自在に収容されて、前記駆動軸によって回転駆動されるロータと、該ロータの外周部に形成された複数のスロットに放射方向へ出没自在に設けられた複数のベーンと、前記ポンプボディ内に揺動支点を中心に移動自在に収容配置され、内周側に前記ロータとベーンと共に複数のポンプ室を形成するカムリングと、該カムリングの軸方向両側に設けられた第1部材及び第2部材と、前記第1部材または第2部材の少なくとも一方側に設けられ、前記複数のポンプ室の容積が増大する領域に開口する吸入ポート及び前記複数のポンプ室の容積が減少する領域に開口する吐出ポートと、前記カムリングの外周側両側に隔成され、該カムリングの外周側空間をポンプ吐出量が増大する方向に設けられた第1流体圧室及びポンプ吐出量が減少する方向に設けられた第2流体圧室とを備え、前記ロータの中心から各ベーンの先端縁までの長さとなるベーンの動半径を、前記吸入ポートの終端と吐出ポートの始端との間に形成される閉じ込み区間において前記ロータの回転に伴い徐々に縮小するように構成すると共に、前記ベーンの回転位置に対する前記吸入ポートの終端位置または前記吐出ポートの始端位置であるポートタイミングを、前記カムリングの移動に伴い変化するように構成したことを特徴としている。
この発明によれば、前記閉じ込み区間においてベーンの動半径を徐々に縮小することによって、回転時における前記カムリングの内周面からのベーン先端部の離間を防止することが可能になることは勿論のこと、前記カムリングの移動に伴って吸入ポートの終端位置と前記吐出ポートの始端位置、つまりポートの開閉タイミングを変化させることにより、カムリングのいずれの揺動位置に拘わらずポートの開閉タイミングを最適化することができる。
つまり、例えばパワーステアリング装置に適用した場合には、ポンプ低回転高圧時には、ポート開閉タイミング角度を大として負勾配を大きくし、高回転低圧時にはポート開閉タイミングを小として負勾配を小さくする。
これによって、閉じ込み区間におけるポンプ圧の脈動を低減でき、この結果、カムリングのいずれの移動位置に拘わらず、ポンプの振動、騒音を効果的に低減することが可能になる。
請求項2に記載の発明は、基本構成は請求項1の発明と同様であるが、相違する点は、カムリングの内周面を、前記吸入ポートの終端と吐出ポートの始端との間に形成される閉じ込み区間においては前記ロータとほぼ同心円となるように形成すると共に、前記カムリングを、ロータの回転中心から前記吸入ポート側へオフセットするように形成し、前記ベーンの回転位置に対する前記吸入ポートの終端または前記吐出ポートの始端位置であるポートタイミングを、前記カムリングの揺動に伴って変化するように構成したことを特徴としている。
この発明によれば、同心円のカムリングで、該カムリングを吸入側へオフセットすることによってカムリングを上方へ移動(カム上げ)させてベーン動半径の負勾配が設定され、かつカムリングの偏心移動によってカム上げ量、負勾配量が設定されるため、各種の油圧装置に対してポンプ使用状態に応じて圧力に対して音振動・騒音の低減の調整が可能になる。
請求項3に記載の発明は、基本構成は同じく請求項1の発明と同様であって、相違するところは、カムリングを支持する支点面を、前記吸入ポートの終端と前記吐出ポートの始端の中間点と前記駆動軸の回転中心とを結んだ基準線に対して、前記揺動支点から前記第2流体圧室側に向かって徐々に離間するように形成し、前記ベーンの動半径を、前記吸入ポートの終端と前記吐出ポートの始端との間に形成される閉じ込み区間において、前記ロータの回転にしたがって徐々に縮小するように形成し、前記ベーンの回転位置に対する前記吸入ポートの終端位置または前記吐出ポートの始端位置であるポートタイミングを、前記カムリングの移動に伴い変化するように構成したことを特徴としている。
この発明によれば、請求項1、2の発明と同様な作用効果が得られると共に、特に、前述のように、カムリングの支点面を逆傾斜状に形成することによって、ポンプの高圧低回転状態と低圧高回転状態の両方におけるポンプ脈動を効果的に低減することができる。
すなわち、ベーンの動半径が負の勾配で、支点面は離間する方向の逆傾斜に形成されているため、カムリングが偏心して負勾配が緩和されることから、例えば、パワーステアリング装置の転舵時の低回転(カムリング大偏心)で、高圧はベーン動半径の負勾配が強くなり、スムーズな上昇圧が得られる。一方、車両直進走行時の中・高回転(カムリング中・小偏心)で、低圧はベーン動半径の負勾配をやや弱くして上昇圧をなだらかに上げることができるので、ポンプ使用全域に亘ってポンプ脈動を低減でき、この結果、振動・騒音を低減できる。
以下、本発明にかかる可変容量形ポンプの各実施形態を図面に基づいて詳述する。
まず、図1及び図2に示す可変容量形ポンプは、車両のパワーステアリング装置に適用した第1の実施形態を示し、フロントボディ2と第1部材であるリアボディ3とを突き合わせてなるポンプボディ1と、該ポンプボディ1の内部に形成された収容空間4の内面に嵌着されて該ポンプボディ1の一部を構成するアダプタリング5と、該アダプタリング5のほぼ楕円形の空間内に図1中左右方向へ揺動可能なカムリング7と、該カムリング7の内周側に回転自在に配置され、前記ポンプボディ1内に挿通された駆動軸8に連結されたロータ9とを備えている。
前記アダプタリング5は、図1に示すように、内周面の下部に形成された円弧状の支持溝5aに前記カムリング7の位置を保持する位置保持ピン6が設けられていると共に、内周面の前記位置保持ピン6の図中左側近傍、つまり後述する第1流体圧室10側に前記カムリング7の揺動支点となる所定面積を有する支点面12が形成されている。
なお、前記位置保持ピン6は、カムリング7の揺動支点ではなく、カムリング7の位置を保持しつつアダプタリング5に対するカムリング7の回り止めとしての機能を有している。
前記カムリング7は、ほぼ円環状に形成され、ロータ9に対して偏心可能な状態で前記収容空間4内に配置されていると共に、前記位置保持ピン6とこれとほぼ対向した位置にあるシール部材29を介してアダプタリング5との間に、第1流体圧力室10と第2流体圧力室11を隔成している。また、カムリング7は、前記アダプタリング5の支点面12の所定位置を揺動中心として第1流体室10側か、あるいは第2流体圧室11側へ揺動自在になっている。
前記カムリング7とロータ9は、軸方向の両端面が前記リアボディ3と前記収容空間4の底部側に配置された第2部材である円盤状のプレッシャプレート(図示せず)によって挟持状態に配置されている。
前記ロータ9は、図外のクランクシャフトによって従動プーリ23を介して駆動軸8が回転駆動されると、図1の矢印方向(反時計方向)に回転するようになっていると共に、外周部には、円周方向の等間隔位置に放射方向に沿ったスロット13が複数形成されている。この各スロット13内には、ベーン14がそれぞれ前記カムリング7の内周面方向へ放射状に出没自在に保持されている。また、前記各スロット13の内周側端部に、ほぼ円形状の背圧室15が連続一体に設けられている。
また、前記カムリング7とロータ9との間に形成される空間内に、隣接する二枚のベーン14によってポンプ室16が形成されており、前記カムリング7を前記支点面12の揺動支点を中心として揺動させることによって、このポンプ室16の容積を増減させるようになっている。
また、前記ロータ9の回転に伴って前記各ポンプ室16の容積が漸次拡大する吸入領域における前記リアボディ3のロータ9側の内側面には、円弧状の吸入ポート17が形成されている。この吸入ポート17は、吸入通路18を介してリザーバタンクから吸い込んだ作動油を前記各ポンプ室16に供給するようになっている。
また、前記ロータ9の回転に伴って、前記各ポンプ室16の容積が漸次縮小していく吐出領域における前記プレッシャプレートの内側面には、円弧状の吐出ポート19とこれに連通する図外の吐出孔が形成されており、ポンプ室16から吐出された作動流体が、前記吐出ポート19及び吐出孔を介して、フロントボディ2の底部に形成された図外の吐出側圧力室に導入される。この吐出側圧力室に導入された作動流体は、ポンプボディ1に形成された図外の吐出通路から配管を介してパワーステアリング装置の油圧パワーシリンダに送られるようになっている。
また、フロントボディ2の内部には、前記駆動軸8と直交する方向に向いた制御バルブ20が設けられている。この制御バルブ20は、図1に示すように、前記フロントボディ2内に形成されたバルブ孔21内に摺動自在に収容されたスプール弁22と、該スプール弁22を図1の左方向に付勢してバルブ孔21のプラグ23に当接させるバルブスプリング24と、前記プラグ23とスプール弁22の先端部との間に形成されて、図外のメータリングオリフィスの上流側の作動油圧が導入される圧力室である高圧室25とを備えている。
そして、前記メータリングオリフィスの下流側の流体圧が前記バルブスプリング24の収容室26に供給され、この収容室26と高圧室25の両圧力差が所定以上になると、スプール弁22がバルブスプリング24のばね圧に抗して図中右方向に移動する。
前記第1流体圧室10は、前記スプール弁22が左側に位置するときは、連通路27を介してバルブ孔21のポンプ吸入室28に連通されており、このポンプ吸入室28内にはフロントボディ2内に形成された図外の吸入孔を介して前記吸入ポート17からの低圧が導入されるようになっている。また、前記差圧によってスプール弁22が右側に摺動した場合は、ポンプ吸入室28が漸次遮断されて、高圧室25と連通して高圧な作動流体が導入されるようになっている。これによって、ポンプ吸入室28の低圧とメータリングオリフィスの上流側の高圧が選択的に供給されるようになっている。
一方、前記第2流体圧室11は、制御バルブ20には直接接続されておらず、プレッシャプレートに形成された導入孔を介して前記吸入通路18に連通されて常時吸入側の圧力(低圧)が導入されている。
また、前記スプール弁22の内部に設けられたリリーフバルブ30は、前記収容室26の圧力が所定以上に達したとき、つまりパワーステアリング装置の作動圧力が所定以上に達したときに、開放してこの作動流体を逃がすようになっている。
そして、前記アダプタリング5の支点面12は、第1流体圧室10側から位置保持ピン6までの所定面積に形成されていると共に、図1に示すように、前記吸入ポート17の終端17aと吐出ポート19の始端19aとの中間点と前記駆動軸8の回転中心Pを結ぶ基準線Xに対して徐々に離間するように、第2流体圧室11側へ下り傾斜状(逆傾斜状)に形成されている。この下り傾斜角度は、前記基準線Xを基準としてほぼ数度に設定されている。
また、図4Aにも示すように、前記吸入ポート17の終端17aと吐出ポート19の始端19aとの間は、第1閉じ込み区間θR1になっている一方、吐出ポート19の終端19bと吸入ポート17の始端17bとの間が第2閉じ込み区間θR2になっている。
また、前記フロントボディ2の前記第2流体圧室11側の前記基準線X上には、図1に示すように、カムリング7を第1流体圧室10側へ付勢する付勢機構31が設けられている。
この付勢機構31は、フロントボディ2の一側部とアダプタリング5の周壁に前記基準線Xに沿って連続して形成された第1摺動用孔32及び第2摺動用孔33と、該両摺動用孔32,33内を摺動自在に保持されたプランジャ34と、該プランジャ34を後端側からカムリング7方向へばね力によって押圧するコイルスプリング35とから主として構成されている。
前記第1摺動用孔32は、フロントボディ2の外側面から前記収容空間4まで貫通形成されて、その外端側の開口部が蓋部材36によって閉塞されている。
この蓋部材36は、図1及び図2に示すように、菱形の平板状に形成されていると共に、上下端部が前記フロントボディ2の外側部に前記基準線Xを挟んで平行に形成された上下2つのボルト孔37a、37bに螺着した2本のボルト38,38によってフロントボディ2に固定されている。
前記第2摺動用孔33は、アダプタリング7の周壁を径方向から貫通して形成され、その軸心が第1摺動用孔32の軸心と同心上となるように形成され、その内径が前記第1摺動用孔32の内径よりも僅かに小さく形成されている。
前記プランジャ34は、フロントボディ2と同じ熱膨張係数の例えばアルミ合金材によって構成され、前記第1摺動用孔32内を摺動する大径円筒状の本体と、該本体の先端側に一体に有し、前記第2摺動用孔33内を摺動する有蓋円筒状の小径部である先端部とから構成されている。
前記本体は、外径が第1摺動用孔32の内径よりも若干小さく設定されて摺動性が確保されていると共に、外周面に形成された円環状の嵌着溝に、第1摺動用孔32の内周面と本体の外周面との間、つまり後述する受圧室41内をシールする環状シール39が嵌着固定されている。一方、前記先端部は、外径が本体の外径よりも小さく形成されて、その段差縁が係止部40としてプランジャ34が進出移動した際に、第2摺動用孔33の外側孔縁に突き当たってプランジャ34のそれ以上の移動を規制するようになっている。
また、前記先端部は、円盤状の先端壁が第2摺動用孔33から第2流体圧室11内に臨んで平坦状の先端面がカムリング7の外周面に当接している。
前記コイルスプリング35は、両端部が前記プランジャ34の先端壁の内底面と蓋部材36の内面にそれぞれ弾接して、予め設定された所定のばね力によってプランジャ34を進出方向へ付勢し、これによって、前記カムリング7を常時前記第1流体圧力室10側、つまり、前記ポンプ室16の容積が最大になる方向に付勢している。
さらに、前記プランジャ34は、前記コイルスプリング35のばね力の他に、前記吐出ポート19からの吐出圧によってカムリング7を第1流体圧室10側へ付勢するようになっている。
すなわち、前記蓋部材36によって開口部が閉止された前記第摺動用孔32とプランジャ34との間に、前記受圧室41が隔成されていると共に、フロントボディ2の内部に形成された連通路である導入通路42の一端が前記吐出ポート19に開口され、他端が前記受圧室41の側部に開口形成されている。したがって、前記吐出ポート19から吐出された高圧な吐出圧が、前記受圧室41を介してプランジャ34の先端壁内面などに作用して該プランジャ34を進出方向(カムリング7方向)へ付勢するようになっている。
そして、前記カムリング7の内周面7aのカムプロフィールは、図4Aに示すように、該カムリング7の中心Ocを中心とする真円(細線)Rcに対してカムプロフィールは、カムリング7がロータ9に対して零偏心より所定量水平に大偏心側に移動を想定した偏心位置Ocr、カムリング7の左側、第1閉じ込み区間θR1では、想定ロータ9の中心Ocrと同心円の半径R1で構成し、カムリング7の右側、第2閉じ込み区間θR2では、想定ロータ9の中心Ocrと同心円の半径R2で構成してある。
前記半径R1、R2は、前記真円Rcと前記第1、第2閉じ込み区間θR1,θR2でそれぞれ交差するような大きさとし、左右の閉じ込み区間θR1,θR2の曲線とは、非閉じ込み区間にて緩和曲線K3で滑らかに接続されており、緩和曲線K3は、前記閉じ込み区間と非閉じ込み区間の遷移近傍で、前記半径R1、R2とは曲率変化が0となるような曲率で接続され、カムリング7の中心Ocに対して、上下垂直位置近傍で緩和曲線K3の曲率半径を前記真円Rcとほぼ等しくするように形成する。カムリング7のカムプロフィールはほぼ第1閉じ込み区間θR1側で曲率半径が大きく、第2閉じ込み部区間θR2側で曲率半径が小さい卵形に形成されている。
このカムプロフィールをもつカムリング7は、前記逆傾斜の支持面12を有するアダプタリング5に組み込まれている。
以下、最大偏心状態(L)を示す図1と、最小偏心状態(S)を示す図3、ポンプ部の模式図である図5、ポートタイミング関係図を示す図6A、Bによって具体的な構成及び作用を説明する。
まず、カムリング7は、最大偏心状態(L)で、カムリング7の内周面の中心Ocがロータ9の中心Orの水平線(細い一点鎖線)より上方位置で、吸入ポート17側へ僅かにカム上げ(オフセット配置)した状態で組み込まれる。これは、前記アダプタリング5の支持面12を上方に盛り上げか、あるいはカムリング7の外周に対して内周の中心を前記アダプタリング5の支持面12との接触位置を基準に上方へオフセットすることにより実現できる。
図1及び図5において、ベーン14がポンプ回転方向と同方向へ回転して左上側の吸入ポート17の終端17aを閉じることから、さらに回転して左下側の吐出ポート19の始端19a、またはノッチがある場合は、このノッチがベーン14で開くまでを第1閉じ込み区間θR1とする。ベーン14がさらに回転して右下側の吐出ポート19の終端19bが閉じられる位置からさらに回転して右上側の吸入ポート17の始端17b、またはノッチがある場合はノッチが開くまでを第2の閉じ込み区間θR2とする。
前記吸入ポート17の終端17aからポンプ回転方向に、ベーンピッチ(360/ベーン14の枚数)の半ピッチ回転させた位置と前記ロータ9の中心Orとを結んだ線と、前記吐出ポート19の終端19bから半ピッチ回転させた位置と前記ロータ9の中心Orとを結んだ線とは、本実施例では水平に設定しているが、これをポートタイミング線とする(図1の基準線X)。
また、前記カムリング7の中心Ocとロータ9の中心Orを結んだ線であるOc−Or線と前記ポートタイミング線とのなす角度を、第1、第2の閉じ込み区間θR1,θR2で第1、第2のポートタイミング角とする。
前記カムリング7は、最大偏心(L)で中心Ocがロータ9の中心Orよりも上方にずらされ、カム上げ状態(図6A参照)で前記ポートタイミング線(基準線X)に対してOc−Or線が左上がりで所定のポートタイミング角となる。
まず、カム上げ零のポートタイミング角が零のときに、前記図4Aに示すカムプロフィール(同心円カム)で、同心円を設定した偏心量でロータ9を回転させたときのロータ中心Ocrからのベーン動半径rは図7Aに示す特性となる。
また、前記第1、第2閉じ込み区間では、カムプロフィールが同心円であるため、ベーン動半径rは一定になる。
次に、前記カム上げ状態(図6A)の所定のポートタイミング角を付けた状態のベーン動半径は図6Bに示す状態となり、第1、第2閉じ込み区間の上部側(第1閉じ込み区間の開始側、第2閉じ込み区間の終了側)でベーン動半径が大きくなり、第1閉じ込み区間では、ロータ9の回転方向でベーン動半径は小さくなる負勾配直線となる。第2閉じ込み区間では、ベーン動半径は大きくなる正勾配直線となる。この勾配の大きさはカム上げ量の大きさに比例する。
前記同心円カム設定の偏心量よりも偏心量が大きい場合は、閉じ込み区間のベーン動半径の変化は直線からやや凸曲線状になり、偏心量が小さい場合は、やや凹曲線状になるが、勾配の大きさはカム上げ量に比例する。
したがって、逆傾斜の支持面12をもつアダプタリング5の前記カムプロフィールをもつカムリング7が組み込まれ(図5、図6A参照)、最大偏心状態(L)でやや大きなカム上げに設定する。中偏心状態(M)と小偏心状態(S)では、カムリング5の揺動によって逆傾斜の支持面12に沿って揺動し、カム上げ量が順次小さくなる(図6B参照)。これによって、最大偏心状態(L)と、中偏心状態(M)と、小偏心状態(S)とでそれぞれロータ9を回転させたときのベーン動半径の状態は、第1閉じ込み区間で負勾配の大きさが偏心量に連動して小さくなる。
第2閉じ込み区間では、正勾配の大きさが偏心量に連動して小さくなるように構成されている。
第1閉じ込み区間の負勾配の大きさは、最大偏心状態(L)でのカム上げ量によって調整することができ、偏心による負勾配の大きさの減少割合は、逆傾斜の傾斜角度によるカム上げ量によって調整することができる。
このカム上げ量は、タイミング角と比例関係にあるので、負勾配の大きさ、偏心による減少の割合は、タイミング角と偏心によるタイミング角の減少とによって調整することができるように構成した。
換言すれば、ベーンの回転位置に対する吸入ポート17の終端位置17bまたは吐出ポート19の始端位置19bとなるポートタイミング(または、ポート基準線)をカムリング7の移動に伴いOc−Or線に対してタイミング角が変化するように構成したものである。
〈第2閉じ込み区間の負勾配調整〉
第2閉じ込み区間は、カム上げ量に比例して正勾配となるため、初期のカム上げ零でのカムプロフィールを負勾配に設定して調整することができる。
図4Bは第2閉じ込み区間のカムプロフィールを所定の偏心量でのロータ9中心Ocrで所定量下側にオフセットした位置から同心円の半径R2に設定したものである。このカムプロフィールの所定の偏心量で、カム上げなしでのベーン動半径は、第2閉じ込み区間で負勾配となり(図8A参照)、若干のカム上げで、第1と第2閉じ込み区間とも負勾配とすることができる(図8B参照)。
これを逆傾斜の支持面12をもつアダプタリング5に組み込み、最大偏心状態(L)と、中偏心状態(M)と、小偏心状態(S)とすると、第2偏心区間の負勾配量は、初期の負勾配カムプロフィール量(下方オフセット量)で調整でき、偏心による負勾配の増加量(第1閉じ込み区間の感度と逆)は逆傾斜の傾斜角(カム上げ量減少割合)にて調整ができる(図9参照)。
したがって、第2閉じ込み区間においても、負勾配の大きさは初期の負勾配量(または、カムプロフィールの下方オフセット量)とアダプタリング5への組み込み時のカム上げ量(ポートタイミング角の大きさ)に設定でき、負勾配の増加量などの変化量は、カム上げ量減少割合(ポーロタイミング角減少割合)にて設定できる。言い換えると、ベーン14の回転位置に対する吸入ポート17の終端位置17a、または吐出ポート19の始端位置19の始端位置19aとなるポートタイミング(またはポート基準線)をカムリング7の移動に伴いOc−Or線に対してタイミング角を変化するように構成したものである。
以下、この実施形態の作用を説明する。まず、ポンプ低回転時などには、第1流体圧室10内には、第2流体圧室11と同じく、制御バルブ20からの吸入側の低圧が導入されることから、カムリング7は、図1及び図5に示すように、前記プランジャ34の押圧力によって、支点面12の揺動支点を中心に第1流体圧室11側(左側へのカム上げ)へ揺動して偏心量が最大(L)となる。このため、ポンプの吐出量が多くなる。
また、所定以上のポンプ高回転域になると、吐出流量が増加し、前記メータリングオリフィスの前後差圧が大きくなり、バルブスプリング24の反力に打ち勝ちバルブを右側に移動させ(図3参照)、これにより、第1流体圧室10内には、制御バルブ20から高圧が導入される。このため、カムリング7は、図3に示すようにかかる高圧な作動流体圧によってプランジャ34の押圧力に抗して低圧状態にある第2流体圧室11方向へ揺動して偏心量が小さくなる(S)。これにより、ポンプ吐出量が必要量まで減少して最適なポンプ吐出特性を得ることができる。
しかも、前記カムリング7を、前述のように、逆傾斜の支持面12を持つアダプター5に、最大偏心状態L(図1参照)において前記カム上げ状態(図5、図6A)の前記タミング角の大きい状態に組み込まれる。前記、第1流体室の油圧により、前記斜面を揺動して、図3及び図6Bに示すように、大〜小偏心状態(L〜S)になる。この時、ベーン14の動半径の状態は図10に示す様に、最大偏心状態(L)での第1閉じ込み区間のベーン動半径の変化の負勾配の大きさは、カム上げ量に連動するポートタイミング角(図6A)の大きさに、比例して大きく、小偏心量になるに従って、逆傾斜の傾斜面12に沿ってカムリング7が転がり落ち、カム上げ量が減小して、図6Bに示すように、ポートタイミング角も減小する。これにより、図10に示すように、中偏心状態(M)、小偏心状態(S)での、第1閉じ込み区間でのベーン動半径は、徐々に小さくなり、負勾配が緩和される。第1閉じ込み区間では、図1、図5に示すように、吸入ポート終端17aを、1つのベーン14で閉じられた後、ロータ9の回転方向前方の2つ目のベーン14がロータ9の回転によって吐出ポート始端19a、またはノッチの先端を乗り越えて吐出ポート19が開かれるまで、前記2つのベーン14,14間のポンプ室16は、吸入側の吸入圧と吐出側の吐出圧とは隔離されて中間圧に設定される。前記ポンプ室16の圧カは、ロータ9の回転によって1つ目のベーン14が吸入ポート終端17aを閉じるまでは吸入圧となり、2つ目のベーン14が吐出ポート始端19aまたは、ノッチ先端を開くまでは中間圧となり、開いた後は吐出圧にそれぞれ変化する。この閉じ込み区間では、2つのベーン14,14のそれぞれにロータ9の回転に伴い、ベーン14の回転方向の前後に、吸入圧、中間圧、吐出圧が作用しこの差圧によりベーン14はロータスリットに対し、ロータ9の径方向で回転後方向に倒され、この倒れによるロータ9とベーン14の摺動抵抗により、前記閉じ込み区間で、ロータ9の回転によってベーン動半径は大きくなる正勾配では、ベーン14が摺動抵抗によりベーン14の飛び出しが損なわれ、カムリング7とベーン14の先端とが離間して油圧脈動を増大して、これに起因する振動、騒音を増大させるが、前述のように負勾配とすることによって、ベーン14は、前記閉じ込み区間で、常に、カムリング7によってロータ9に押し込まれるため、前記離間が抑制される。また、閉じ込み区間での2つのベーン14,14間のポンプ室16の中間圧は、ベーン動半径の負勾配によるポンプ室16の容量がロータ9の回転に伴い減少するため、吸入圧から予圧縮され、加圧される。この加圧の圧力は、負勾配の大きさに比例して大きくなる。
本実施形態のようにパワーステアリン装置に適用した場合には、低車速、低回転(カムリング7の大偏心状態L)のハンドル転舵時での、高圧では、第1の閉じ込み域のベーン動半径の負勾配が大きくなり、閉じ込み区間の中間圧は、大きな負勾配によって大きく予圧縮され、大きな吐出圧へのスムーズな油圧上昇が行なわれて油圧衝撃振動が抑制される。また、ベーン14の進行方向の前後圧でのロータ9とベーン14の摺動抵抗による閉じ込み区間でのカムリング7からのベーン14の離間も負勾配によってカムリング7によりベーン14が押し込まれて離間が抑制され、かかる離間に伴う圧力脈動が抑制される。
また、車両直進走行時の中、高回転(カムリング中、小偏心状態M,S)での、低圧状態では、第1の閉じ込み区間のベーン動半径は偏心量の減少に伴い、図10に示すように、負勾配が減小するため、閉じ込み区間の中間圧は、小さな負勾配によって小さな予圧縮がされ、小さな吐出圧へのスムーズな油圧上昇が行なわれて油圧衝撃振動が抑制される。また、ベーン14の進行方向の前後圧でのロータ9とベーン14の摺動抵抗による閉じ込み区間でのカムリング7からのベーン14の離間も負勾配によってカムリング7によってベーン14が押し込まれることから離間が抑制されると共に、かかる離間に伴う圧カ脈動が抑制される。
これにより、パワーステアリング装置において、カムリング7の形状を閉じ込み区間で所定の同真円カムプロフィールとし、逆傾斜面を持つアダプタリング5にカム上げに組込み、カムリング7の揺動に伴ってポートタイング角(ポートタイミング)を変えることにより、ポンプ使用全域に渡ってポンプの脈圧、振動、騒音を静粛にすることができる。
〈第2閉じ込み区間について〉
一方、第2の閉じ込み区間については、前記実施例では、図4A、図5、図7Aに示すように、カム上げによって第2閉じ込み区間は、正勾配となる(図7B)。更に、逆傾斜の支持面を持つアダプタリング5へ組込んでカムリング7を揺動偏心させると、カム上げの減小、すなわちポートタイミング角の減小に伴い、正勾配の大きさが徐々に小さくなる(図10参照)。
ポンプの第2閉じ込み区間で、2つのベーン14,14に区画されたポンプ室16は、1つ目のベーン14は吐出ポート終端19bを閉じ、進行前方の2つ目のベーン14が、吸入ポート始端17bまたはノッチ先端を開けるまで、ポンプ室16は吐出側の吐出圧と吸入側の吸入圧とは隔離され、第2の中間圧に設定されて、ロータ9の回転によって吐出圧、第2の中間圧、吸入圧に変化する。このため、第1の閉じ込み区間と同様にベーン14の進行方向の前後圧によりベーン14はロータスリットに対して径方向で進行方向に傾いて、ロータ9とベーン14との摺動抵抗が発生する。
ベーン14のカムリング7からの離間を抑制するためには、ベーン動半径は、零乃至負勾配が望ましい。
また、第2の閉じ込み区間の圧カ変化は、吐出圧から中間圧へ、最後に吸入圧に変化するため、中間圧を、吐出圧から、吸入圧までスムーズに変化させるには、吐出圧が高圧の場合、第2の閉じ込み区間の予膨張(正勾配)は大きく、低圧の場合は、予膨張(正勾配)を小さくするのが望ましい。
前記実施例では、パワーステアリンス装置において、ポンプの使用全域に渡って、油圧の落し込みをスムーズにして、油圧衝撃、振動、騒音低減するのに、適している。
〈第2閉じ込み区間の負勾配〉
第2閉じ込み区間において、ポンプ使用全域に渡って、ベーン14の離間の抑制と油圧の降下をスムーズにする中間圧とするには、低車速、低回転(カムリング7の大偏心状態L)のステアリングの転舵時での、高圧ではやや正勾配とし、油圧の降下をスムーズにしてベーン14の飛び出しを最小限として、ベーン14の離間を抑制する。
また、車両直進走行時の中、高回転(カムリング中、小偏心状態M,S)での、低圧状態では、第2の閉じ込み区間のベーン動半径は、ゼロ勾配乃至若干の負勾配とすることが望ましい。このためには、第2の閉じ込み区間において、初期のカムプロフィールを所定の負勾配とする。本実施例では、図4Bに示すように、所定偏心ロータ位置において、所定量で下方にオフセットした同真円カムプロフィールとしている。このカムプロフィールを、前記逆傾斜の支持面12と持つアダプタリング5に組み込んでカム上げ量零、逆傾斜角零で所定の小偏心量にてロータ9を回転させた時のベーン動半径を図8Aに示す。第1閉じ込み区間は、同真円カムプロフィールであるため勾配は零であり、第2閉じ込み区間は、同真円でカムプロフィール中心を所定量下げて初期状態で負勾配としているため第2閉じ込み区間は負勾配となる。
このカムリング7をカム上げに組込みロータ9を回した時のベーン動半径は、図8Bに示す状態となる。カム上げ分、第1閉じ込み区間は負勾配になり、第2閉じ込み区間はその分負勾配が緩和される。
逆傾斜のアダプタリング5によってカム上げして、逆傾斜面に沿ってカムリング7を揺動偏心したときの最大偏心状態(L)、中偏心状態(M)、小偏心状態(L)のロータ9回転に伴うベーン動半径を図9に示す。
第1閉じ込み区間は前記実施例と同じであり、第2閉じ込み区間は、前記実施例から初期カムプロフィールの負勾配量を差し引いた値となる。本実施例では、逆傾斜にある各偏心位置でのカム上げ量から初期下方オフセット量を引いたカム上げ量に連動する負勾配として第2閉じ込み区間の負勾配量を、最大偏心状態(L)はやや正勾配、中偏心状態(L)は勾配零、小偏心状態(S)はやや負勾配とし、これによって、前記パワーステアリング装置でのポンプ使用全域での第2閉じ込み区間のスムーズな油圧下降と、ベーンの離間を抑制することができる。
以上により、パワーステアリング装置において、カムリング7の形状を第1閉じ込み区間で所定の同真円カムプロフィールとし、第2閉閉じ込み区間で負勾配のカムプロフィールに設定して、逆傾斜面を持つアダプタリング5にカム上げに組込む。したがって、カムリング7の揺動に伴いポートタイング角(ポートタイミング)を変えることによってポンプ使用全域に渡って、ポンプの脈圧、振動、騒音を静粛にすることができる。
また、この実施形態では、カムリング7の内周面7aの曲率が、閉じ込み区間R1,R2の部分とそれ以外部分とで異なり、これらの間を緩和曲線K3によって連続的に結ぶことによってベーン14の進退動を滑らかにすることができる。
つまり、閉じ込み区間R1、R2と他の領域とはカムリング7の内周面7aの曲率が変化しており、この変化が大きいと高速回転で、ベーン14がカムリング7の内周面7aから離間してポンプ性能が低下したり、ベーン14の先端がカムリング7の内周面7aに衝突して異音などが生じ易い。したがって、前記前記変化境界領域を緩和曲線K3で結ぶことにより、ベーンの滑らかな摺動が確保されて前記問題を一掃できる。
また、カムリング7を、アダプタリング5の支点面12で揺動自在に設けたことから、該カムリング7の前記支持面12での第1流体室圧のシールと第1流体圧室によるカムリング7の揺動をスムーズに行うことができる。
さらに、前記アダプタリング5の厚さを変えて支点面12の高さを調整することによってカムリング7の高さ(ロータ9の中心Orとカムリング7の中心Ocとの距離)を調整することができ、カムリング7の上げ下げを容易に行うことが可能になる。これによって、各ベーン14の先端縁とカムリング7の内周面7aとのベーン隙間の発生を十分に小さくすることが可能になる。なお、前記アダプタリング5の肉厚を単に調整するだけで、カムリング7の支点面12を調整できるため、ポンプボディ本体の設計を変更する必要がなく既存のポンプボディ本体を使用できる。これによって、製造作業が容易になり、コストの低減化が図れる。
また、この実施形態では、前記支点面12を逆傾斜に形成してあることから、前記ポートタイミング角をずらすことが可能になり、これによって高圧低回転状態と低圧高回転状態の両方のポンプ脈動を低減することができる。
さらに、前記支点面12を、逆傾斜に形成してカムリング7が吸入ポート17側へオフセット配置するようにして、カムリング7を上げる方向に調整することができることによって、閉じ込み区間R1,R2においてポートタイミング角の大きさが変化して吐出ポート19の始端19aまでのベーン14による予圧縮及び吸入ポート17の始端17bまでのベーン14による予膨張を行うことができるので、ポンプの音振特性を向上させることが可能になる。
また、前記カムリング7は、付勢機構31によって前記第1流体圧室10側に付勢されていることから、意図しないカムリング7の偏心量の減少、つまりカムリング7の第2流体圧室11方向への不用意な揺動を抑制することが可能になる。
すなわち、本実施形態のような、低圧式の可変容量型のベーンポンプは、前述したように、第2流体圧室11に常時吸入側の低圧が導入されているため、カムリング7をその偏心量が大きくなる方向へ付勢する力を十分に得ることが困難である。また、カムリング7が第2流体圧室11側へ揺動し易いように前記支点面12が傾斜状に形成されているため、カムリング7がより第2流体圧室11側へ傾く傾向が強くなる。
そこで、本実施形態では、プランジャ34をコイルスプリング35のばね力と吐出ポート19から吐出された高油圧とによって進出方向へ付勢したため、十分に高い付勢力によってカムリング7の倒れを確実に防止することができる。この結果、意図しないカムリング7の偏心量の減少を防止することができる。
〈第2の実施例〉
以下、第2の実施例を、図11〜図13に基づいて説明すると、まず、図11に示すように、カムリング7の内周面7aのカムプロフィールは、該カムリング7の中心Ocを中心とする真円(細線)Rcに対して、カムリング7がロータ9に対して零偏心より所定量水平に大偏心側に移動した場合を想定した偏心位置でロータ9の中心Ocrとし、カムリング7の左側の第1閉じ込み区間θR1では、想定ロータ9の中心Ocrと同心円の半径R1で、中心Ocrより所定量吸入側へ上方にオフセットした状態に形成する。また、カムリング7の右側の第2閉じ込みのロータ中心Ocrと同心円の半径R2で、ロータ中心Ocrより所定量吐出側へ下方にオフセットした状態に形成する。
カムリング7の中心Ocの上下軸のカムリングの半径を前記真円(細線)Rcの半径として、左右の閉じ込区間の曲線R1,R2と、上記真円とは非閉じ込み区間にて緩和曲線K3で滑らかに繋ぐ。この緩和曲線K3は、閉じ込み区間と非閉じ込み域の遷移近傍において前記R1,R2とは曲率変化がOとなるような曲率で接続され、カムリング7の中心Ocに対して上下垂直位置近傍において緩和曲線K3の曲率半径を前記真円Rcとほぼ等しくするよう形成する。カムリング7のカムプロフィールは第1,2閉じ込み区間にて、ロータ9の回転方向で、半径が小さくなる負勾配に形成される。このカムプロフィールをもつカムリング7が、前記逆傾斜の支持面12をもつアダプタリング5に組み込まれる。カムプロフィールが第1,2閉じ込み区間ともに初期状態で負勾配に設定されている以外は前記実施例と同じで構成ある。
したがって、構成の説明については省略して作用について説明する。
すなわち、前記実施例と同様にカム上げ量が零、逆傾斜角が零で所定の小偏心量にてロータ9を回転させたときのベーン14の動半径は図12Aに示すように、第1,2閉じ込み区間とも、同真円カムプロフィールを所定量上げ下げして初期状態で負勾配としているため、第1,2閉じ込み区間のベーン動半径はそのまま負勾配となる。
このカムをカム上げに組み込んだロータ9を回転させたときのベーン動半径は、図12Bに示す状態となる。カム上げした分、第1閉じ込み区間はさらに負勾配が加算され、第2閉じ込み区間は、その分、負勾配が減算される。
逆傾斜のアダプタリング5によってカム上げして逆傾斜面に沿ってカムリング7を揺動偏心したときの最大偏心状態(L)と、中偏心状態(M)と、小偏心状態(L)におけるロータ9の回転に伴うベーン動半径を図13に示す。
第1閉じ込み区間は、初期カムプロフィールの負勾配量(同心円カム上方オフセット量)に逆傾斜の傾斜角によりカム上げ量(ポートタイミング角)を加算した負勾配量となり、小側偏心に連動して徐々に負勾配量が緩和される。なお、第2閉じ込み区間は、前記実施例と同様である。
負勾配量は、初期負勾配量または逆傾斜のカム上げ設定量(ポートタイミング角)によって調整でき、カムリング7の揺動偏心による勾配の変化量は、逆傾斜の傾斜角(ポートタイミング角の変化量)によって調整される。
これにより、パワーステアリング装置で、低車速の低回転((カムリング7の大偏心状態L)のステアリング転舵時での高圧では、第1の閉じ込み区間のベーン動半径の負勾配が大きくなり、ベーンの離間の防止と大量な予圧縮によるスムーズな昇圧を行なう。また、第2の閉じ込み区間でのベーン動半径をやや正勾配としてベーンの離間の抑制と予膨張によるスムーズな降圧を行なう。
また、車両直進走行時の中、高回転(カムリング中、小偏心状態M,S)での低圧状態では、第1の閉じ込み区間のベーン動半径の負勾配量を減小させ、ベーン14の離間防止とやや小さめの予圧縮により低圧への、スムーズな昇圧を行なう。
第2閉じ込み区間では、勾配をほぼ零付近として、離間防止と、低圧から吸入圧へのスムーズな圧力の渡しこみを行なう。
以上により、負勾配カムプロフィールと逆傾斜により、ポートタイミング角を変えることによって、パワーステアリング装置のポンプ使用全域に渡ってベーンの離間による脈圧を抑制し、ポンプの昇圧、降圧をスムーズにして、脈圧、振動、騒音を静粛にすることができる。
前記実施形態から把握される前記請求項に記載した発明以外の技術的思想について以下に説明する。
(1)請求項1に記載の可変容量形ポンプにおいて、前記カムリングのカムプロフィールを、前記閉じ込み区間において前記ベーンの動半径が前記ロータの回転にしたがって徐々に減少するように形成したことを特徴とする可変容量形ポンプ。
この発明によれば、閉じ込み区間においてベーンの動半径が縮小するようにカムプロフィールを形成したことにより、カムリングの内周面に対するベーン先端縁の離間の発生を抑制できる。
(2)前記(1)に記載の可変容量形ポンプにおいて、前記カムリングのカムプロフィールは、前記閉じ込み領域に対応する部分とこの部分以外の部分が緩和曲線によって結ばれていることを特徴とする可変容量形ポンプ。
これによれば、カムリングの内周面の曲率が、閉じ込み区間の部分とそれ以外部分とで異なるため、これらの間を緩和曲線によって曲率の変化量が0となるような曲線で連続的に結ぶことによってベーンの進退動を滑らかにすることができる。
つまり、閉じ込み領域と他の領域とはカムリングの内周面の曲率が変化しており、この変化が大きいと高速回転で、ベーンがカムリングの内周面から離間してポンプ性能が低下したり、ベーン先端がカムリングの内周面に衝突して異音などが生じ易い。したがって、前記前記変化境界領域を緩和曲線で結ぶことにより、ベーンの滑らかな摺動が確保されて前記問題を一掃できる。
(3)前記請求項1に記載の可変容量形ポンプにおいて、前記吸入ポート及び吐出ポートの位置を、前記第1の閉じ込み区間において前記ベーンの動半径が前記ロータの回転にしたがって徐々に減少するように設定したことを特徴とする可変容量形ポンプ。
パワーステアリングの低車速(最大偏心状態)のステアリング転舵時の高圧では、負勾配を大きくしてベーン離間の防止と予圧縮にてスムーズに昇圧することができ、ポンプ使用全域に渡って脈圧、振動、騒音を改善することができる。
(4)前記(3)に記載の可変容量形ポンプにおいて、前記カムリングを、前記ポンプボディに対して直線移動するように設けられていることを特徴とする可変容量形ポンプ。
カムリングがポンプボディに対して直線移動することにより、カムリングの移動に伴う前記吸入ポートと吐出ポートの相対位置変化の設定を容易にすることができる。
(5)前記(3)に記載の可変容量形ポンプにおいて、前記カムリングを、前記ポンプボディに対して揺動自在に設けたことを特徴とする可変容量形ポンプ。
カムリングがポンプボディに対して揺動することによって第1流体圧室の揺動面でのシールと第1流体圧室の圧力によりカムリングをスムーズに揺動させることができる。
(6)前記(3)に記載の可変容量形ポンプにおいて、前記ベーンの動半径は、前記吐出ポートの終端と吸入ポートの始端との間に形成される閉じ込み区間において、前記ロータの回転にしたがって徐々に縮小するように形成されていることを特徴とする可変容量形ポンプ。
この発明によれば、吐出ポートの終端と吸入ポートの始端との間の第2の閉じ込み区間側もベーンの動半径が縮小するように形成したことによって、両側の閉じ込み区間のベーン先端縁のカムリング内周面からの離間を防止することができる。
したがって、ポンプの駆動振動や騒音をさらに効果的に抑制することが可能になる。
(7)請求項1に記載の可変容量形ポンプにおいて、前記カムリングは、揺動支点を中心に前記ポンプボディの支点面上を揺動するように設けられ、
前記ポンプボディの支点面は、前記カムリングの揺動に伴って前記ベーンの回転位置に対する前記吸入ポートの終端または吐出ポートの始端位置を変化させるように形成されていることを特徴とする可変容量形ポンプ。
この発明によれば、ポンプボディの支点面の高さを調整することによって、カムリングの高さ(ロータ中心とカムリング中心とを結んだOc−Or線とポートタイミング基準線との角度であるポートタイミング角)を調整することができ、カムリングの揺動偏心によるカムリング高さ(ポートタイミング角)が変化することにより、パワーステアリングポンプ使用全域で脈圧振動騒音を適性にすることができる。
これにより、各ベーンの先端縁とカムリング内周面との隙間発生範囲を十分に小さくすることが可能になる。
(8)前記(7)に記載の可変容量形ポンプにおいて、前記カムリングを支持する支点面を、前記揺動支点から前記第2流体圧室側に向かって、前記吸入ポートの終端と吐出ポートの始端との中間点と前記駆動軸の回転中心とを結んだ基準線に対し、徐々に離間する傾斜面に形成したことを特徴とする可変容量形ポンプ。
カムリングの支点面を逆傾斜に形成することによって、前記ポートの開閉タイミングをずらすことが可能になることから、高圧低回転状態と低圧高回転状態の両方のポンプ脈動を低減することができる。
(9)前記(8)に記載の可変容量形ポンプにおいて、前記カムリングを支持するポンプボディの支点面を、前記カムリングの内周面の軸中心が前記ロータの中心に対して前記吸入ポート側にオフセットするように形成したことを特徴とする可変容量形ポンプ。
カムリングの支点面を、カムリングを上げる方向(カム上げ方向)に調整することによって、閉じ込み区間におけるベーン動半径と負勾配(縮小するように)形成されて、ベーンの離間を防止して予圧縮を行うことができ、ポンプの脈動、音振を軽減させることができる。
(10)請求項2に記載の可変容量形ポンプにおいて、前記カムリングの内周面を、前記ロータの中心に対して前記吸入ポート側にオフセットするように形成したことを特徴とする可変容量形ポンプ。
カムリングの支点面を、カムリングを上げる方向(カム上げ方向)に調整することによって、閉じ込み区間におけるベーン動半径と負勾配(縮小するように)形成されて、ベーンの離間を防止して予圧縮を行うことができ、ポンプの脈動、音振を軽減させることができる。
(11)前記(10)に記載の可変容量形ポンプにおいて、前記ポンプボディは、前記吸入ポートと吐出ポートの形成されたポンプボディ本体と、該ポンプボディ本体の内部に収容され、前記カムリングとの間に前記第1流体圧室と第2流体圧室とを形成するアダプタリングとからなり、
前記カムリングを、前記アダプタリングの内周面に形成された支点面上を移動するように設け、
前記支点面を、前記カムリングの内周面が前記ロータの中心に対して前記吸入ポート側にオフセットするように形成したことを特徴とする可変容量形ポンプ。
この発明では、アダプタリングの内周面の形状を調整することによってカムリングの支点面を調整することができるため、ポンプボディ本体の設計を変更する必要がなく、既存のポンプボディ本体を使用することが可能になる。これにより、製造作業が容易となり、コストの低減化が図れる。
(12)前記(11)に記載の可変容量形ポンプにおいて、前記カムリングをほぼ円環状に形成すると共に、該カムリングの内周円を、外周円に対して前記吸入ポート側にオフセットするように形成したことを特徴とする可変容量形ポンプ。
カムリングの形状のみを調整することによってベーンの動半径を調整することが可能になるため、製造作業が容易になり、この点でもコストが有利になる。
(13)請求項2に記載の可変容量形ポンプにおいて、前記カムリングを、ポンプボディの支点面を揺動支点として揺動自在に支持すると共に、
前記支点面を、前記揺動支点から第2流体圧室側に向かって前記吸入ポートの終端と前記吐出ポートの始端の中間点と前記駆動軸の回転中心とを結んだ基準線に対して徐々に離間する傾斜面に形成したことを特徴とする可変容量形ポンプ。
前記支点面を逆傾斜状に形成することによって、ポートの開閉タイミングを自由に変更することができることから、高圧低回転状態と低圧高回転状態の両方におけるポンプ脈動を効果的に低減することが可能になる。
(14)請求項2に記載の可変容量形ポンプにおいて、前記ベーンの動半径を、前記吐出ポートの終端と吸入ポートの始端との間に形成された閉じ込み区間において、前記ロータの回転にしたがって徐々に縮小するように形成したことを特徴とする可変容量形ポンプ。
この発明によれば、吐出ポートの終端と吸入ポートの始端との間の閉じ込み区間側もベーンの動半径が縮小できることから、かかる閉じ込み区間でのカムリングの内周面に対するベーン先端縁の離間の発生を防止できる。
(15)請求項3に記載の可変容量形ポンプにおいて、前記カムリングの内周面を、該カムリングの中心が前記ロータの回転中心と一致するときに前記閉じ込み区間において前記ロータとほぼ同心円状に形成し、
前記カムリングの内周面を、前記ロータの回転中心よりも前記吸入ポート側にオフセットして配置したことを特徴とする可変容量形ポンプ。
カムリングの支点面を、カムリングを上げる方向(カム上げ方向)に調整することによって、閉じ込み区間におけるベーン動半径と負勾配(縮小するように)形成されて、ベーンの離間を防止して予圧縮を行うことができ、ポンプの脈動、音振を軽減させることができる。
(16)請求項3に記載の可変容量形ポンプにおいて、前記カムリングのカムプロフィールを、前記閉じ込み区間に対応する部分とこの部分以外の部分が緩和曲線によって連続的に形成したことを特徴とする可変容量形ポンプ。
閉じ込み区間とその他の部分とは曲率が異なるため、これらの間を緩和曲線で連続的に結ばれることによって、ベーンの進退動を滑らかにすることができる。
(17)請求項3に記載の可変容量形ポンプにおいて、前記ベーンの動半径を、前記吐出ポートの終端と前記吸入ポートの始端との間に形成される閉じ込み区間では前記ロータの回転にしたがって徐々に縮小するように形成したことを特徴とする可変容量形ポンプ。
この発明によれば、吐出ポートの終端と吸入ポートの始端との間の閉じ込み区間側もベーンの動半径が縮小するように形成することによって、両側の閉じ込み区間でのカムリング内周面に対するベーン先端縁の離間を抑制することができる。
本発明に係る可変容量形ポンプの第1の実施形態を示す断面図である。 本実施形態の一部を断面して示す側面図である。 本実施形態の作用を示す断面図である。 A、Bは本実施形態の可変容量形ポンプに供されるカムリングのカムプロフィールを示す概略図である。 本実施形態におけるポートタイミングを示す概略図である。 Aはカムリングの最大偏心状態を示す概略図、Bはカムリングの小偏心状態を示す概略図である。 本実施形態におけるカムリングのカム上げなしの状態におけるカムリングの偏心制御時のベーンの動半径とロータ回転角との関係を示す特性図であって、Aは最大偏心制御時、Bは最小偏心制御時を示している。 本実施形態におけるカムリングのカム上げした状態におけるカムリングの偏心制御時のベーンの動半径とロータ回転角との関係を示す特性図であって、Aは最大偏心制御時、Bは最小偏心制御時を示している。 本実施例においてカムリングを逆傾斜の支持面をもつアダプタリングに組み込んだ際における最大から最小までのカムリング偏心制御時のベーン動半径とロータ回転角との関係を示す特性図である。 本実施例においてカムリングを逆傾斜の支持面をもつアダプタリングに組み込んだ際における最大から最小までのカムリング偏心制御時のベーン動半径とロータ回転角との関係を示す特性図である。 第2の実施例におけるカムリングのカムプロフィールを示す概略図である。 本実施形態におけるカムリングの偏心制御時のベーンの動半径とロータ回転角との関係を示す特性図であって、Aはカムリングのカム上げなしの偏心制御時を示し、Bはカム上げ時の偏心制御時を示している。 本実施例においてカムリングを逆傾斜の支持面をもつアダプタリングに組み込んだ際における最大から最小までのカムリング偏心制御時のベーン動半径とロータ回転角との関係を示す特性図である。
符号の説明
1…ポンプボディ
2…フロントボディ
4…収容空間
7…カムリング
7a…内周面
8…駆動軸
9…ロータ
10・11…第1、第2流体圧力室
12…支点面(揺動支点)
13…スロット
14…ベーン
16…ポンプ室
17…吸入ポート
19…吐出ポート

Claims (3)

  1. ポンプボディに軸支された駆動軸と、
    前記ポンプボディ内に回転自在に収容されて、前記駆動軸によって回転駆動されるロータと、
    該ロータの外周部に形成された複数のスロットに放射方向へ出没自在に設けられた複数のベーンと、
    前記ポンプボディ内に揺動支点を中心に移動自在に収容配置され、内周側に前記ロータとベーンと共に複数のポンプ室を形成するカムリングと、
    該カムリングの軸方向両側に設けられた第1部材及び第2部材と、
    前記第1部材または第2部材の少なくとも一方側に設けられ、前記複数のポンプ室の容積が増大する領域に開口する吸入ポート及び前記複数のポンプ室の容積が減少する領域に開口する吐出ポートと、
    前記カムリングの外周側両側に隔成され、該カムリングの外周側空間をポンプ吐出量が増大する方向に設けられた第1流体圧室及びポンプ吐出量が減少する方向に設けられた第2流体圧室と、を備え、
    前記ロータの中心から各ベーンの先端縁までの長さとなるベーンの動半径を、前記吸入ポートの終端と吐出ポートの始端との間に形成される閉じ込み区間において前記ロータの回転に伴い徐々に縮小するように構成すると共に、
    前記ベーンの回転位置に対する前記吸入ポートの終端位置または前記吐出ポートの始端位置となるポートタイミングを、前記カムリングの移動に伴い変化するように構成したことを特徴とする可変容量形ポンプ。
  2. ポンプボディに軸支された駆動軸と、
    前記ポンプボディ内に回転自在に収容されて、前記駆動軸によって回転駆動されるロータと、
    該ロータの外周部に形成された複数のスロットに放射方向へ出没自在に設けられた複数のベーンと、
    前記ポンプボディ内に移動支点を中心に移動自在に収容配置され、内周側に前記ロータとベーンと共に複数のポンプ室を形成するカムリングと、
    該カムリングの軸方向両側に設けられた第1部材及び第2部材と、
    前記第1部材または第2部材の少なくとも一方側に設けられ、前記複数のポンプ室の容積が増大する領域に開口する吸入ポート及び前記複数のポンプ室の容積が減少する領域に開口する吐出ポートと、
    前記カムリングの外周側両側に隔成され、該カムリングの外周側空間をポンプ吐出量が増大する方向に設けられた第1流体圧室及びポンプ吐出量が減少する方向に設けられた第2流体圧室と、を備え、
    該カムリングの内周面のカムプロフィールを、前記吸入ポートの終端と吐出ポートの始端との間に形成される閉じ込み区間においては前記ロータとほぼ同心円となるように形成すると共に、
    前記カムリングを、ロータの回転中心から前記吸入ポート側へオフセットするように配置し、
    前記ベーンの回転位置に対する前記吸入ポートの終端または前記吐出ポートの始端位置であるポートタイミングを、前記カムリングの揺動に伴って変化するように構成したことを特徴とする可変容量形ポンプ。
  3. ポンプボディに軸支された駆動軸と、
    前記ポンプボディ内に回転自在に収容されて、前記駆動軸によって回転駆動されるロータと、
    該ロータの外周部に形成された複数のスロットに放射方向へ出没自在に設けられた複数のベーンと、
    前記ポンプボディ内に該ポンプボディの内面に形成された支点面上を揺動支点として揺動自在に収容配置され、内周側に前記ロータとベーンと共に複数のポンプ室を形成するカムリングと、
    該カムリングの軸方向両側に設けられた第1部材及び第2部材と、
    前記第1部材または第2部材の少なくとも一方側に設けられ、前記複数のポンプ室の容積が増大する領域に開口する吸入ポート及び前記複数のポンプ室の容積が減少する領域に開口する吐出ポートと、
    前記カムリングの外周側両側に隔成され、カムリングの外周側空間をポンプ吐出量が増大する方向に設けられた第1流体圧室及びポンプ吐出量が減少する方向に設けられた第2流体圧室と、を備え、
    前記カムリングを支持する支点面を、前記吸入ポートの終端と前記吐出ポートの始端の中間点と前記駆動軸の回転中心とを結んだ基準線に対して、前記揺動支点から前記第2流体圧室側に向かって徐々に離間するように形成し、
    前記ベーンの動半径を、前記吸入ポートの終端と前記吐出ポートの始端との間に形成される閉じ込み区間において、前記ロータの回転にしたがって徐々に縮小するように形成し、
    前記ベーンの回転位置に対する前記吸入ポートの終端位置または前記吐出ポートの始端位置であるポートタイミングを、前記カムリングの移動に伴い変化するように構成したことを特徴とする可変容量形ポンプ。
JP2007301142A 2007-11-21 2007-11-21 可変容量形ポンプ Expired - Fee Related JP5172289B2 (ja)

Priority Applications (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007301142A JP5172289B2 (ja) 2007-11-21 2007-11-21 可変容量形ポンプ
US12/273,814 US8282369B2 (en) 2007-11-21 2008-11-19 Variable displacement vane pump with defined cam profile
DE102008058392.8A DE102008058392B4 (de) 2007-11-21 2008-11-21 Verstellflügelpumpe
CN2008101786162A CN101440803B (zh) 2007-11-21 2008-11-21 变量泵

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007301142A JP5172289B2 (ja) 2007-11-21 2007-11-21 可変容量形ポンプ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2009127457A true JP2009127457A (ja) 2009-06-11
JP5172289B2 JP5172289B2 (ja) 2013-03-27

Family

ID=40586100

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007301142A Expired - Fee Related JP5172289B2 (ja) 2007-11-21 2007-11-21 可変容量形ポンプ

Country Status (4)

Country Link
US (1) US8282369B2 (ja)
JP (1) JP5172289B2 (ja)
CN (1) CN101440803B (ja)
DE (1) DE102008058392B4 (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012012977A (ja) * 2010-06-30 2012-01-19 Kyb Co Ltd 可変容量型ベーンポンプ
JP2013032739A (ja) * 2011-08-02 2013-02-14 Hitachi Automotive Systems Ltd 可変容量型ベーンポンプ
JP2015059524A (ja) * 2013-09-19 2015-03-30 日立オートモティブシステムズステアリング株式会社 可変容量形ベーンポンプ
CN112833005A (zh) * 2021-01-19 2021-05-25 东莞海特帕沃液压科技有限公司 一种内啮合变量齿轮泵

Families Citing this family (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2009037764A1 (ja) * 2007-09-20 2009-03-26 Hitachi, Ltd. 可変容量型ベーンポンプ
JP4890604B2 (ja) * 2009-11-25 2012-03-07 日立オートモティブシステムズ株式会社 可変容量形ポンプ
KR20120033180A (ko) * 2010-09-29 2012-04-06 현대자동차주식회사 가변오일펌프 구조
JP5690238B2 (ja) * 2011-07-26 2015-03-25 日立オートモティブシステムズ株式会社 可変容量形オイルポンプ
JP5787803B2 (ja) * 2012-03-21 2015-09-30 カヤバ工業株式会社 可変容量型ベーンポンプ
JP2016130462A (ja) * 2015-01-13 2016-07-21 日立オートモティブシステムズ株式会社 自動変速機用ポンプ装置またはポンプ装置
JP7037458B2 (ja) * 2018-09-07 2022-03-16 日立Astemo株式会社 ポンプ装置
EP4155544A1 (en) * 2021-09-24 2023-03-29 Eaton Intelligent Power Limited Fuel pump with determinant translating cam arrangement

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000104672A (ja) * 1998-09-28 2000-04-11 Kayaba Ind Co Ltd 可変容量型ベーンポンプ
JP2002115673A (ja) * 2000-07-31 2002-04-19 Showa Corp 可変容量型ポンプ
JP2002168179A (ja) * 2000-12-04 2002-06-14 Unisia Jkc Steering System Co Ltd 可変容量形ポンプ

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH09273487A (ja) * 1996-04-08 1997-10-21 Jidosha Kiki Co Ltd 可変容量形ポンプ
US6503068B2 (en) * 2000-11-29 2003-01-07 Showa Corporation Variable capacity type pump
JP3861638B2 (ja) * 2001-08-31 2006-12-20 ユニシア ジェーケーシー ステアリングシステム株式会社 可変容量形ポンプ
DE102005056002B4 (de) * 2005-11-24 2010-01-07 Zf Lenksysteme Gmbh Verdrängerpumpe
JP2007239626A (ja) * 2006-03-09 2007-09-20 Hitachi Ltd 可変容量型ベーンポンプおよび可変容量型ポンプの制御方法
JP4579187B2 (ja) 2006-05-11 2010-11-10 象印マホービン株式会社 炊飯器

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000104672A (ja) * 1998-09-28 2000-04-11 Kayaba Ind Co Ltd 可変容量型ベーンポンプ
JP2002115673A (ja) * 2000-07-31 2002-04-19 Showa Corp 可変容量型ポンプ
JP2002168179A (ja) * 2000-12-04 2002-06-14 Unisia Jkc Steering System Co Ltd 可変容量形ポンプ

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012012977A (ja) * 2010-06-30 2012-01-19 Kyb Co Ltd 可変容量型ベーンポンプ
JP2013032739A (ja) * 2011-08-02 2013-02-14 Hitachi Automotive Systems Ltd 可変容量型ベーンポンプ
JP2015059524A (ja) * 2013-09-19 2015-03-30 日立オートモティブシステムズステアリング株式会社 可変容量形ベーンポンプ
CN112833005A (zh) * 2021-01-19 2021-05-25 东莞海特帕沃液压科技有限公司 一种内啮合变量齿轮泵

Also Published As

Publication number Publication date
CN101440803A (zh) 2009-05-27
US20090129960A1 (en) 2009-05-21
CN101440803B (zh) 2011-07-20
DE102008058392B4 (de) 2016-02-25
US8282369B2 (en) 2012-10-09
DE102008058392A1 (de) 2009-06-04
JP5172289B2 (ja) 2013-03-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5172289B2 (ja) 可変容量形ポンプ
JP3866410B2 (ja) 可変容量形ポンプ
JP3861638B2 (ja) 可変容量形ポンプ
US7435066B2 (en) Oil pump
JP2002349449A (ja) 可変目標値の調節装置を備える可変容積形ベーンポンプ
JP4824526B2 (ja) 可変容量形ベーンポンプ及び可変容量形ベーンポンプの製造方法
JP2004245151A (ja) オイルポンプ
JP4527597B2 (ja) ベーンポンプ
JP2007009695A (ja) 可変容量型ベーンポンプ
JP6948195B2 (ja) ポンプ装置
JP2002115673A (ja) 可変容量型ポンプ
US8562316B2 (en) Variable capacity vane pump
JP5059799B2 (ja) 可変容量ベーンポンプ
JP4960815B2 (ja) 可変容量形ポンプ
JP5475701B2 (ja) ベーンポンプ
JP2010265852A (ja) ベーンポンプ
JP7042099B2 (ja) ポンプ装置
JP2003097453A (ja) 可変容量型ベーンポンプ
JP3758855B2 (ja) 可変容量型ベーンポンプ
JP2008111362A (ja) 可変容量型ポンプ
JP2017172421A (ja) 可変容量形ベーンポンプ
JP3631264B2 (ja) 可変容量形ポンプ
JP4855833B2 (ja) 可変容量型ベーンポンプ
JP3657784B2 (ja) 可変容量形ポンプ
JP2007270698A (ja) 可変容量型ベーンポンプ

Legal Events

Date Code Title Description
A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20090922

RD03 Notification of appointment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423

Effective date: 20090922

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20091207

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20111130

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20111206

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120203

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20120203

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120925

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20121113

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20121211

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20121226

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5172289

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees