JP2009127042A - 粘接着剤組成物、粘接着シートおよび半導体装置の製造方法 - Google Patents

粘接着剤組成物、粘接着シートおよび半導体装置の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】高温度高湿度に曝された場合であってもチップ裏面への密着性が高く保たれ、電圧印加下で高温度高湿度に曝された場合であっても耐湿性に優れる粘接着剤組成物および粘接着シートを提供する。
【解決手段】アクリル重合体、エポキシ基と反応し得る官能基および不飽和炭化水素基を1分子中に有する化合物、エポキシ系熱硬化性樹脂、およびイオン捕捉剤を含有する粘接着剤組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、半導体素子(半導体チップ)を基板上に、または他の半導体チップ上にダイボンディングする工程、およびシリコンウエハ等をダイシングし且つ半導体チップを基板上、または、他の半導体チップ上にダイボンディングする工程で使用する、いわゆるチップスタックに特に適した粘接着剤組成物および該粘接着剤組成物からなる粘接着剤層を有する粘接着シート、ならびに該粘接着剤組成物を用いた半導体装置(特に、スタック型半導体装置)およびその製造方法に関する。
シリコン、ガリウムヒ素などの半導体ウエハは大径の状態で製造され、このウエハは素子小片(半導体チップ)に切断分離(ダイシング)された後に次の工程であるマウント工程に移されている。この際、半導体ウエハは予め粘着シートに貼着された状態でダイシング、洗浄、乾燥、エキスパンディング、ピックアップの各工程が加えられた後、次工程のボンディング工程に移送される。
これらの工程の中でピックアップ工程とボンディング工程のプロセスを簡略化するために、ウエハ固定機能とダイ接着機能とを同時に兼ね備えたダイシング・ダイボンディング用粘接着シートが種々提案されている(たとえば、特許文献1〜4)。このような粘接着シートは、いわゆるダイレクトダイボンディングを可能にし、液状のダイ接着用接着剤の塗布工程を省略できるようになる。
一方、半導体装置の高速化および小型化を図るために半導体チップを三次元的に積層した「スタック型半導体装置」がある。このような装置としては、大きなチップ上に小さなチップを積層したタイプ(特開平7−38053号参照)、周縁部に段差が形成されたチップを積層したタイプ(特開平6−244360号参照)、2つのチップを背中合わせに接合し、一方のチップは基板に接合し、他方のチップはボンディングワイヤで基板に接合したタイプ(特開平7−273275号参照)などが提案されている。
そしてこれらスタック型半導体装置の積層されるチップ同士の接着には、半導体装置の品質(チップ積層高さのバラツキやチップ傾き)および生産性の面から、液状のダイアタッチ用接着剤よりもダイシング・ダイボンディングシートが広く用いられている。ダイシング・ダイボンディングシートの粘接着剤には、接着力を発現させる成分としてエポキシ樹脂系熱硬化樹脂、および該エポキシ樹脂用の硬化剤が含まれている場合が多く、シートの経時安定性や生産性の面から、硬化剤としてはアミン系硬化剤やフェノール樹脂系硬化剤が用いられている。
前記粘接着剤の主成分としてはエポキシ樹脂およびアクリル重合体が一般的であるが、前記イオン性不純物として、エポキシ樹脂には原料である塩素含有化合物の残渣などが混入している。
これらイオン性不純物濃度を低下させるために、従来、半導体用の接着剤としてイオン捕捉剤を含有する接着剤が使用されている(たとえば、特許文献5〜6)。
特開平2−32181号公報 特開平8−239636号公報 特開平10−8001号公報 特開2000−17246号公報 特開昭62−195069号公報 特開平5−121465号公報
ところで、半導体装置に対する要求特性は非常に厳しいものとなっている。たとえば、厳しい湿熱環境下におけるパッケージ信頼性が求められている。しかし、半導体チップ自体が薄型化した結果、チップの強度が低下し、厳しい湿熱環境下におけるパッケージ信頼性は十分なものとは言えなくなってきた。
スタック型半導体装置パッケージには、基板とチップとを接着する層の接着信頼性だけでなく、積層するチップとチップとを接着する層の接着信頼性も要求される。特に上段のチップの裏面は、ドライポリッシュ、CMPなど各種ストレスリリーフが施されており、これまでのウエハ研削面と比較して平滑度が格段に向上している。そのため従来の粘接着剤では、このようなチップ裏面に対して十分な密着性を保つことが難しくなり、チップ裏面への密着性低下が問題となってきた。
さらに近年、電子部品の接続において行われている表面実装法ではパッケージ全体が半田融点以上の高温下にさらされる表面実装法(リフロー)が行われている。最近では環境への配慮から鉛を含まない半田へ移行したことにより、実装時の最大温度が従来の230〜240℃から260〜265℃へと上昇し、半導体パッケージ内部で発生する応力が大きくなり、接着界面の剥離やパッケージクラックの危険性はさらに高くなっている。
また最先端の半導体素子では、シリコンチップの回路やパッド部に、従来のアルミニウム合金ではなく銅が使用されつつある。これは、銅が、アルミニウム合金に比べて抵抗率が小さく、高密度の電流を流すことができる、という特長を有しているためである。しかしながら、銅が使用されるようになった結果、高温高湿度下で電圧が印加される環境において、電食による配線やパッドの腐食が、アルミニウム合金を用いた時以上に顕在化してきた。具体的には、半導体チップ上に、ワイヤーを接続し、ワイヤーを埋め込むようにこの半導体チップと同じサイズの他の半導体チップを接着して形成されるスタック型半導体装置では、高温高湿度放置により、粘接着剤中のイオン性不純物が吸湿された水へ溶け出し、その結果、粘接着剤層の絶縁抵抗値の低下が起こる。そのため、粘接着剤層中に埋め込まれたワイヤー間の絶縁性が保てず、最悪の場合にはショートするに至る。この高温高湿度環境下の耐久性は、HAST(Highly-Accelerated Temperature and Humidity Stress Test)により、評価することができる。
前述した、特許文献5、6に開示されたイオン捕捉剤を含有する接着剤は、電圧印加がない場合の耐湿信頼性の向上には大きく貢献する。しかしこの手法は必ずしも高温度高湿度環境下における電圧印加時のパッケージ信頼性(耐HAST性)を向上させるものではなかった。
以上のように、半導体チップの薄型化、それに伴うチップ研削面の平滑度の向上および実装温度の上昇、半導体配線材料への銅の適用がパッケージの信頼性低下を招いており、厳格化しつつある半導体パッケージの信頼性に対して、従来の粘接着剤では要求レベルを満たせなくなってきた。
このため、薄型化しつつある半導体チップを実装したパッケージにおいて、厳しいリフロー条件に曝された場合であっても、接着界面の剥離やパッケージクラックの発生がなく、またその後の電圧印加下で高温度高湿度に曝された場合であってもアルミニウム合金や銅の配線やパッドが腐食しない、高いパッケージ信頼性を実現することが要求されている。
本発明は上記の事情に鑑みてなされたものであって、高温度高湿度に曝された場合であってもチップ裏面への密着性が高く保たれ、電圧印加下で高温度高湿度に曝された場合であっても耐湿性に優れる粘接着組成物および粘接着シート、ならびにこの粘接着組成物を用いたスタック型半導体装置およびその製造方法を提供することを目的としている。
本発明者らは、このような課題の解決を目的として鋭意研究した結果、エポキシ基と反応し得る特定の化合物とイオン捕捉剤とを含む粘接着剤組成物によって上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成させた。
このような課題の解決を目的とした本発明の要旨は以下のとおりである。
[1] アクリル重合体、エポキシ基と反応し得る官能基および不飽和炭化水素基を1分子中に有する化合物、エポキシ系熱硬化性樹脂、およびイオン捕捉剤を含有する粘接着剤組成物。
[2] 前記イオン捕捉剤の含量が、全樹脂成分の合計100重量部に対して1〜15重量部である前記[1]に記載の粘接着剤組成物。
[3] 前記[1]または[2]に記載の粘接着剤組成物からなる粘接着剤層が基材上に形成されてなる粘接着シート。
[4] 前記[3]に記載の粘接着シートの粘接着剤層に半導体ウエハを貼着し、前記半導体ウエハをダイシングして半導体チップとし、前記半導体チップ裏面に粘接着剤層を固着残存させて基材から剥離し、前記半導体チップを基板上に前記粘接着剤層を介して熱圧着する工程を含むことを特徴とする半導体装置の製造方法。
[5] 前記[3]に記載の粘接着シートの粘接着剤層に半導体ウエハを貼着し、前記半導体ウエハをダイシングして半導体チップとし、前記半導体チップ裏面に粘接着剤層を固着残存させて基材から剥離し、前記半導体チップを他の半導体チップ上に前記粘接着剤層を介して熱圧着する工程、およびこれらの半導体チップを基板上に固定する工程を含むことを特徴とする半導体装置の製造方法。
エポキシ基と反応し得る特定の化合物とイオン捕捉剤とを含有する本発明の粘接着剤組成物を半導体チップ同士の、または半導体チップと基板との間の接着に用いたスタック型半導体装置においては、高温度高湿度に曝された場合であっても該接着剤層が優れた接着力を発現することができ、かつ電圧印加下で高温度高湿度に曝された場合であっても配線やパッドの腐食がない。
本発明の粘接着剤組成物を半導体チップ同士の、または半導体チップと基板との間の接着に用いた半導体装置においては、高温度高湿度環境下でも接着界面での剥離がないため、接着界面からの水の進入を極力抑えることができる。その結果、粘接着剤組成物が水と接触する割合が少なくなるため、粘接着剤組成物から抽出され、電食を誘発するイオン性不純物量は従来よりも少ない。加えて、イオン性不純物はイオン捕捉剤に捕捉される。この結果、本発明の粘接着剤組成物を用いた半導体装置は、電圧印加時の耐湿熱性に優れ、半導体チップを多段に積層実装するスタック型半導体パッケージにおいて、厳しい湿熱条件に曝された場合であっても、高いパッケージ信頼性を達成できる。
以下、本発明をさらに詳細に説明する。
本発明に係る粘接着剤組成物(以下、単に「粘接着剤」ともいう。)は、アクリル重合
体(A)(以下「アクリル重合体(A)」または「(A)成分」とも言う。他の成分についても同様である。)、エポキシ基と反応し得る官能基および不飽和炭化水素基を1分子中に有する化合物(B)(以下「化合物(B)」または「(B)成分」とも言う。)、エポキシ系熱硬化性樹脂(C)およびイオン捕捉剤(E)を必須成分として含み、各種物性を改良するため、必要に応じ他の成分を含んでいても良い。以下、これら各成分について具体的に説明する。
(A)アクリル重合体;
アクリル重合体(A)としては従来公知のアクリル重合体を用いることができる。アクリル重合体の重量平均分子量は1万以上200万以下であることが望ましく、10万以上150万
以下であることがより望ましい。アクリル重合体の重量平均分子量が低過ぎると、基材との粘着力が高くなり、ピックアップ不良が起こることがあり、200万を超えると基板凹凸
へ粘接着剤層が追従できないことがありボイドなどの発生要因になる。
アクリル重合体のガラス転移温度は、好ましくは−10℃以上50℃以下、さらに好ましくは0℃以上40℃以下、特に好ましくは0℃以上30℃以下の範囲にある。ガラス転移温度が低過ぎると粘接着剤層と基材との剥離力が大きくなってチップのピックアップ不良が起こることがあり、高過ぎるとウエハを固定するための接着力が不十分となるおそれがある。
また、このアクリル重合体のモノマーとしては、(メタ)アクリル酸エステルモノマーあるいはその誘導体が挙げられる。例えば、アルキル基の炭素数が1〜18である(メタ)
アクリル酸アルキルエステル(例えば(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル等)が挙げられ、環状骨格を有する(メタ)アクリル酸エステル(例えば(メタ)アクリル酸シクロアルキルエステル、(メタ)アクリル酸ベンジルエステル、イソボルニルアクリレート、ジシクロペンタニルアクリレート、ジシクロペンテニルアクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチルアクリレート、イミドアクリレート等)が挙げられ、2-ヒドロキシエチルアクリレート、2-ヒドロキシエチルメタクリレート、2-ヒドロキシプロピルアクリレート、2-ヒドロキシプロピルメタクリレート、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、グリシジルメタクリレート、グリシジルアクリレート等が挙げられる。また酢酸ビニル、アクリロニトリル、スチレン等が共重合されていてもよい。
アクリル重合体(A)としては、エポキシ樹脂との相溶性が良い点では、水酸基を有するアクリル重合体が好ましい。
(B)エポキシ基と反応し得る官能基および不飽和炭化水素基を1分子中に有する化合物;
化合物(B)は、1分子中にエポキシ基と反応し得る官能基および不飽和炭化水素基を併せ持つものであれば特に限定はされない。エポキシ基と反応し得る官能基としては好ましくはフェノール性水酸基、アルコール性水酸基、アミノ基、カルボキシル基および酸無水物などが挙げられ、さらに好ましくはフェノール性水酸基、アルコール性水酸基、アミノ基、特に好ましくはフェノール性水酸基があげられる。また、不飽和炭化水素基としてはエネルギー線硬化性を有するものであればよく、紫外線硬化型のものがより好ましい。具体的な例としてはビニル基、アリル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、アクリルアミド基、メタクリルアミド基などが挙げられ、より好ましくはメタクロイル基、アクリルアミド基が挙げられる。
このような化合物(B)としては、たとえばフェノール樹脂の水酸基の一部を、不飽和炭化水素基を含む基で置換してなる化合物あるいは、フェノール樹脂の芳香環に、不飽和炭化水素基を含む基が直接結合した化合物などがあげられる。ここで、フェノール樹脂と
しては、任意に硬化剤として使用されるフェノール樹脂(後述)などがあげられ、特にノボラック型フェノール樹脂が好ましい。したがって、化合物(B)としては、ノボラック型フェノール樹脂の水酸基の一部を、不飽和炭化水素基を含む基で置換してなる化合物あるいは、ノボラック型フェノール樹脂の芳香環に、不飽和炭化水素基を含む基が直接結合した化合物が好ましい。
このような化合物(B)の特に好ましい例としては、下記式(a)のようなフェノール性水酸基を含有する繰返単位および下記式(b)または(c)のような不飽和炭化水素基を含む基を有する繰返単位を含む化合物があげられる。
Figure 2009127042
(式中nは0または1である)
Figure 2009127042
(式中nは0または1であり、R1は水酸基を有していてもよい炭素数1〜5の炭化水素
基であり、Xは−O−、−NR2−(R2は水素またはメチル)であるか、またはR1Xは
単結合であり、Aはアクリロイル基またはメタアクリロイル基である)
また、該化合物中における前記(a)式で示される繰返単位の割合は、5〜95モル%、さらに好ましくは20〜90モル%、特に好ましくは40〜80モル%であり、前記(b)または(c)式で示される繰返単位の割合は、合計で5〜95モル%、さらに好ましくは10〜80モル%、特に好ましくは20〜60モル%である。
繰返単位(a)に代表されるフェノール性水酸基は、エポキシ基と反応し得る官能基であり、粘接着剤の熱硬化時にエポキシ樹脂(C)のエポキシ基と反応硬化する硬化剤としての機能を有する。また、繰返単位(b)および(c)に代表される不飽和炭化水素基は、アクリル重合体(A)とエポキシ系熱硬化性樹脂(C)との相溶性を向上させる。この結果、粘接着剤の硬化物がより強靭な性質となり、これにより接着剤としての信頼性が向上する。
さらに、本発明の粘接着剤組成物をエネルギー線硬化させる場合であれば、繰返単位(b)および(c)に代表される不飽和炭化水素基は、粘接着剤のエネルギー線硬化時に重合硬化し、粘接着剤層と基材との接着力を低下する作用を有する。
化合物(B)の数平均分子量は好ましくは300〜30000、さらに好ましくは400〜10000、特に好ましくは500〜3000である。
(C)エポキシ系熱硬化性樹脂;
エポキシ系熱硬化性樹脂(C)としては、従来より公知の種々のエポキシ樹脂が用いられる。エポキシ樹脂(C)は、アクリル重合体(A)100重量部に対して好ましくは1〜1500重量部、より好ましくは3〜1000重量部、さらに好ましくは100〜1000重量部含まれる。1重量部未満だと十分な接着性が得られないことがあり、1500重量部を超えると基材との剥離力が高くなり、ピックアップ不良が起こることがある。一方、本発明の粘接着剤組成物は、エポキシ樹脂(C)がアクリル重合体(A)以上の重量で使用されると、凹凸追従性やワイヤー埋め込み性の点で良好である。
上記エポキシ樹脂(C)としては、ビスフェノールAジグリシジルエーテルやその水添
物、オルソクレゾールノボラックエポキシ樹脂(下記式(1))、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂(下記式(2))、ビフェニル型エポキシ樹脂もしくはビフェニル化合物(下記式(3)、(4))など、分子中に2官能以上有するエポキシ化合物が挙げられる。これらは1種単独でまたは2種類以上組み合わせて用いることが出来る。
Figure 2009127042
(但し、式中nは0以上の整数を表す)
Figure 2009127042
(但し、式中nは0以上の整数を表す)
Figure 2009127042
(但し、式中nは0以上の整数を表す)
Figure 2009127042
(但し、式中Rは水素原子又はメチル基を表す。)
(D)硬化剤;
硬化剤(D)は、前記化合物(B)とともにエポキシ系熱硬化性樹脂(C)の硬化剤として機能する。化合物(B)のみの場合に対し、硬化剤(D)を使用することにより硬化反応の速度の調節や、粘接着剤の硬化物の弾性率等の物性を好ましい領域に調整することができる。好ましい硬化剤としては、1分子中にエポキシ基と反応し得る官能基を2個以上有する化合物があげられ、その官能基としてはフェノール性水酸基、アルコール性水酸基、アミノ基、カルボキシル基および酸無水物などが挙げられる。これらのうち好ましくはフェノール性水酸基、アミノ基、酸無水物などが挙げられ、さらに好ましくはフェノール性水酸基、アミノ基が挙げられる。これらの具体的な例としては下記式(5)に示すノボラック型フェノール樹脂、式(6)で表されるジシクロペンタジエン系フェノール樹脂、式(7)で表される多官能系フェノール樹脂等のフェノール性硬化剤、下記式(8)で表されるザイロック型フェノール樹脂や、DICY(ジシアンジアミド)などのアミン系硬化剤があげられる。これら硬化剤は、1種単独でまたは2種以上混合して使用することができる。
化合物(B)および硬化剤(D)の使用量は、エポキシ系熱硬化性樹脂(C)100重量部に対して、(B)+(D)が合計で0.1〜500重量部含まれることが好ましく、1〜100重量部がより好ましい。また、化合物(B)/硬化剤(D)の比率(重量比)は、0.5以上であることが好ましく、1以上であることがより好ましく、特に好ましくは2以上である。硬化剤(D)を用いず、化合物(B)を単独で使用してもよい。
化合物(B)および硬化剤(D)の合計量が少ないと、硬化不足で接着性が得られないことがあり、過剰であれば吸湿率が高まりパッケージの信頼性を低下させることがある。また、化合物(B)/硬化剤(D)が小さければ、本願発明の効果が充分に得られない場合がある。
Figure 2009127042
(但し、式中nは0以上の整数を表す)
Figure 2009127042
(但し、式中nは0以上の整数を表す)
Figure 2009127042
(但し、式中nは0以上の整数を表す)
Figure 2009127042
(但し、式中nは0以上の整数を表す。)
(E)イオン捕捉剤;
本発明に用いるイオン捕捉剤(E)は、半導体装置の配線やパッドの腐食や電食の原因となる塩素イオンをはじめとする、粘接着剤から遊離したイオンを捕捉する効果があり、イオン吸着タイプ(多孔質フィラータイプ)、イオン交換タイプのいずれであってもよい。
イオン吸着タイプのものとしては、ケッチェンブラック(カーボンブラック、Ketjen社製、商品名)、セライト(ケイソウ土、Johns Manville社製、商品名)等が挙げられ、これらは1種単独でまたは2種以上混合して使用することができる。
イオン交換タイプのものとしては、たとえばアンチモン、ビスマス、マグネシウム、アルミニウム等の酸化物、水酸化物、硝酸塩および炭酸塩が挙げられる。これらは少量で効果が得られる点で好ましい。その例として、好ましくは、アンチモン酸化物、ビスマス酸化物、およびこれらの混合物、ならびにマグネシウム・アルミニウム系酸化物であるハイドロタルサイトおよびその焼成物が挙げられる。なお、ハイドロタルサイト中のAlは、CrまたはFeに置換されていてもよい。
これらは1種単独でまたは2種以上混合して使用することができる。
イオン捕捉剤の配合量は、全樹脂成分の合計100重量部に対して好ましくは1〜15重量部、さらに好ましくは2〜10重量部である。1重量部より少ないとイオン捕捉効果が得られないことがあり、15重量部より多いと接着性の低下や硬化前の流動特性の変化を生じることがある。なお「全樹脂成分」とは、アクリル重合体(A)、化合物(B)、エポキシ系熱硬化性樹脂(C)および硬化剤(D)である。
また、イオン捕捉剤(E)としては、平均粒径が0.01μm以上5μm以下の粉末が好まし
く、平均粒径が0.05μm以上2μm以下の粉末がより好ましい。
本発明に係る粘接着剤組成物は、上記アクリル重合体(A)、化合物(B)、エポキシ系熱硬化性樹脂(C)、およびイオン捕捉剤(E)を必須成分として含み、各種物性を改良するため、必要に応じ、前記硬化剤(D)または下記の成分をさらに含んでいても良い。
(F)硬化促進剤;
硬化促進剤(F)は、粘接着剤組成物の硬化速度を調整するために用いられる。好ましい硬化促進剤としては、エポキシ基とフェノール性水酸基やアミン等との反応を促進し得る化合物が挙げられ、具体的には、トリエチレンジアミン、ベンジルジメチルアミン、トリエタノールアミン、ジメチルアミノエタノール、トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール等の3級アミン類、2−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール等のイミダゾール類、トリブチルホスフィン、ジフェニルホスフィン、トリフェニルホスフィン等の有機ホスフィン類、テトラフェニルホスホニウムテトラフェニルボレート、トリフェニルホスフィンテトラフェニルボレートなどのテトラフェニルボロン塩等が挙げられる。これらは1種単独でまたは2種以上混合して使用することができる。
硬化促進剤(F)は、エポキシ系熱硬化性樹脂(C)100重量部に対して0.01〜100重量部含まれることが好ましく、0.1〜50重量部がより好ましく、1〜30重量部がさらに好ましい。
(G)カップリング剤;
カップリング剤は、粘接着剤組成物の被着体に対する接着性、密着性を向上させるために用いられる。また、カップリング剤を使用することで、粘接着剤組成物を硬化して得られる硬化物の耐熱性を損なうことなく、その耐水性を向上することができる。カップリング剤としては、上記(A)成分、(B)成分、(C)成分、(D)成分等が有する官能基と反応する基を有する化合物が好ましく使用される。カップリング剤としては、シランカップリング剤が望ましい。このようなカップリング剤としてはγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−(メタクリロプロピル)トリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−6−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−6−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン
、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルファン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、イミダゾールシラン等が挙げられる。これらは1種単独でまたは2種以上混合して使用することができる。
これらカップリング剤を使用する際には、エポキシ系熱硬化性樹脂(C)100重量部に
対して通常0.1〜20重量部、好ましくは0.5〜15重量部、より好ましくは1〜10重量部の割
合で用いられる。0.1重量部未満だと効果が得られず、20重量部を超えるとアウトガスの
原因となる可能性がある。
(H)架橋剤;
粘接着剤組成物の初期接着力および凝集力を調節するために、架橋剤を添加することもできる。架橋剤としては有機多価イソシアナート化合物、有機多価イミン化合物が挙げられる。
上記有機多価イソシアナート化合物としては、芳香族多価イソシアナート化合物、脂肪族多価イソシアナート化合物、脂環族多価イソシアナート化合物およびこれらの多価イソシアナート化合物の三量体、ならびにこれら多価イソシアナート化合物とポリオール化合物とを反応させて得られる末端イソシアナートウレタンプレポリマー等を挙げることができる。有機多価イソシアナート化合物のさらに具体的な例としては、たとえば2,4−トリレンジイソシアナート、2,6−トリレンジイソシアナート、1,3−キシリレンジイソシアナート、1,4−キシレンジイソシアナート、ジフェニルメタン−4,4'−ジイ
ソシアナート、ジフェニルメタン−2,4'−ジイソシアナート、3−メチルジフェニル
メタンジイソシアナート、ヘキサメチレンジイソシアナート、イソホロンジイソシアナート、ジシクロヘキシルメタン−4,4'−ジイソシアナート、ジシクロヘキシルメタン−
2,4'−ジイソシアナート、リジンイソシアナートなどが挙げられる。
上記有機多価イミン化合物の具体例としては、N,N'-ジフェニルメタン-4,4'-ビス(1-アジリジンカルボキシアミド)、トリメチロールプロパン-トリ-β-アジリジニルプロピオナート、テトラメチロールメタン-トリ-β-アジリジニルプロピオナート、N,N'-トルエン-2,4-ビス(1-アジリジンカルボキシアミド)トリエチレンメラミン等を挙げることができる
架橋剤(H)はアクリル重合体(A)100重量部に対して通常0.01〜10重量部、好ましくは0.1〜5重量部、より好ましくは0.5〜3重量部の比率で用いられる。
(I)エネルギー線重合性化合物;
後述する光重合開始剤(J)を使用する場合には、粘接着剤層には、エネルギー線重合性化合物(J)が配合されてもよい。エネルギー線重合性化合物(J)を化合物(B)とともにエネルギー線照射によって硬化させることで、粘接着剤層の粘着力を低下させることができるため、基材と粘接着剤層との層間剥離を容易に行えるようになる。
エネルギー線重合性化合物(I)は、紫外線、電子線等のエネルギー線の照射を受けると重合硬化する化合物である。このエネルギー線重合性化合物としては、具体的には、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールモノヒドロキシペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートあるいは1,4−ブチレングリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、オリゴエステルアクリレート、ウレタンアクリレート系オリゴマー、エポキシ変性アクリレート、ポリエーテルアクリレート、イタコン酸オリゴマーなどのアクリレート系化合物が用いられる。このような化合物は、分子内に少なくとも1つの重
合性二重結合を有し、通常は、重量平均分子量が100〜30000、好ましくは300〜10000程度である。
エネルギー線重合性化合物(I)を使用する場合は、アクリル重合体(A)100重量部に対して通常1〜40重量部、好ましくは3〜30重量部、より好ましくは3〜20重量部の割合で用いられる。40重量部を超えると、有機基板やリードフレームに対する本発明の粘着材組成物の接着性を低下させることがある。
(J)光重合開始剤;
本発明の粘接着剤組成物の使用に際して、紫外線等のエネルギー線を照射して、基材との接着力を低下させてもよい。この際、該組成物中に光重合開始剤(J)を添加することで、重合硬化時間ならびに光線照射量(エネルギー線照射量)を少なくすることができる。
このような光重合開始剤としては、具体的には、ベンゾフェノン、アセトフェノン、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾイン安息香酸、ベンゾイン安息香酸メチル、ベンゾインジメチルケタール、2,4-ジエチルチオキサンソン、α-ヒドロキシ
シクロヘキシルフェニルケトン、ベンジルジフェニルサルファイド、テトラメチルチウラムモノサルファイド、アゾビスイソブチロニトリル、β−クロールアンスラキノンなどが挙げられる。光重合開始剤(J)は1種類単独で、または2種類以上を組み合わせて用いることができる。
光重合開始剤(J)の配合割合は、理論的には、粘接着剤中に存在する不飽和結合量やその反応性および使用される光重合開始剤の反応性に基づいて、決定されるべきであるが、複雑な混合物系においては必ずしも容易ではない。光重合開始剤(J)を使用する場合には、一般的な指針として、光重合開始剤(J)は、化合物(B)およびエネルギー線重合性化合物(I)の100重量部に対して0.1〜10重量部含まれることが望ましく、1
〜5重量部がより好ましい。含量が上記範囲にあると、満足なピックアップ性が得られる。10重量部を超えると光重合に寄与しない残留物が生成し、粘接着剤の硬化性が不十分となることがある。
(K)無機充填材;
無機充填材を粘接着剤に配合することにより、熱膨張係数を調整することが可能となり半導体チップや金属または有機基板に対して硬化後の粘接着剤層の熱膨張係数を最適化することでパッケージの耐熱性を向上させることができる。また、粘接着剤層の硬化後の吸湿率を低減させることも可能となる。好ましい無機充填材としては、シリカ、アルミナ、タルク、炭酸カルシウム、チタンホワイト、ベンガラ、炭化珪素、窒化ホウ素等の粉末、これらを球形化したビーズ、単結晶繊維、ガラス繊維等が挙げられる。これらは1種単独でまたは2種以上混合して使用することができる。本発明においては、これらの中でも、シリカ粉末、アルミナ粉末の使用が好ましい。
無機充填材の使用量は、粘接着剤全体に対して、通常0〜80重量%の範囲で調整が可能である。
(その他の成分)
本発明の粘接着剤組成物には、上記の他に、必要に応じて各種添加剤が配合されてもよい。たとえば、硬化後の可とう性を保持するため可とう性成分を添加することができる。可とう性成分は、常温および加熱下で可とう性を有する成分であり、加熱やエネルギー線照射では実質的に硬化しないものが選択される。可とう性成分は、熱可塑性樹脂やエラストマーからなるポリマーであってもよいし、ポリマーのグラフト成分、ポリマーのブロッ
ク成分であってもよい。また、可とう性成分がエポキシ樹脂に予め変性された変性樹脂であってもよい。
さらに、粘接着剤組成物の各種添加剤としては、可塑剤、帯電防止剤、酸化防止剤、顔料、染料等を用いてもよい。
(粘接着剤組成物)
上記のような各成分からなる粘接着剤組成物は感圧接着性と加熱硬化性とを有し、未硬化状態では各種被着体を一時的に保持する機能を有する。そして熱硬化を経て最終的には耐衝撃性の高い硬化物を与えることができ、しかも剪断強度と剥離強度とのバランスにも優れ、厳しい熱湿条件下においても充分な接着物性を保持し得る。
本発明に係る粘接着剤組成物は、上記各成分を適宜の割合で混合して得られる。混合に際しては、各成分を予め溶媒で希釈しておいてもよく、また混合時に溶媒を加えても良い。
(粘接着シート)
本発明に係る粘接着シートは、基材上に、上記粘接着剤組成物からなる粘接着剤層が積層してなる。本発明に係る粘接着シートの形状は、テープ状、ラベル状などあらゆる形状をとり得る。
粘接着シートの基材としては、たとえば、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリブテンフィルム、ポリブタジエンフィルム、ポリメチルペンテンフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、塩化ビニル共重合体フィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム、ポリブチレンテレフタレートフィルム、ポリウレタンフィルム、エチレン酢酸ビニル共重合体フィルム、アイオノマー樹脂フィルム、エチレン・(メタ)アクリル酸共重合体フィルム、エチレン・(メタ)アクリル酸エステル共重合体フィルム、ポリスチレンフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリイミドフィルム等の透明フィルムが用いられる。またこれらの架橋フィルムも用いられる。さらにこれらの積層フィルムであってもよい。また、上記の透明フィルムの他、これらを着色した不透明フィルム等を用いることができる。ただし、本発明の粘接着剤組成物をエネルギー線硬化させる場合には、本発明の粘接着シートは、その使用に際して、基材面側から紫外線等のエネルギー線照射を行うことがあるため、基材は使用するエネルギー線に対して透明であることが好ましい。
本発明に係る粘接着シートは、各種の被着体に貼付され、被着体に所要の加工を施した後、粘接着剤層は、被着体に固着残存させて基材から剥離される。すなわち、粘接着剤層を、基材から被着体に転写する工程を含むプロセスに使用される。このため、基材の粘接着剤層に接する面の表面張力は、好ましくは40mN/m以下、さらに好ましくは37mN/m以下、特に好ましくは35mN/m以下であることが望ましい。下限値は、通常1mN/m 程度である。このような表面張力が低い基材は、材質を適宜に選択して得るこ
とが可能であるし、また基材の表面に剥離剤を塗布して剥離処理を施すことで得ることもできる。
基材の剥離処理に用いられる剥離剤としては、アルキッド系、シリコーン系、フッ素系、不飽和ポリエステル系、ポリオレフィン系、ワックス系等が用いられるが、特にアルキッド系、シリコーン系、フッ素系の剥離剤が耐熱性を有するので好ましい。
上記の剥離剤を用いて基材の表面を剥離処理するためには、剥離剤をそのまま無溶剤で、または溶剤希釈やエマルション化して、グラビアコーター、メイヤーバーコーター、エアナイフコーター、ロールコーター等により塗布して、常温または加熱あるいは電子線硬
化させたり、ウェットラミネーションやドライラミネーション、熱溶融ラミネーション、溶融押出ラミネーション、共押出加工などで積層体を形成すればよい。
基材の膜厚は、通常は10〜500μm、好ましくは15〜300μm、特に好ましくは20〜250μm程度である。
また、粘接着剤層の厚みは、通常は1〜500μm、好ましくは5〜300μm、特に好ましくは10〜150μm程度である。
粘接着シートの製造方法は、特に限定はされず、基材上に、粘接着剤層を構成する組成物を塗布乾燥することで製造してもよく、また粘接着剤層を剥離フィルム上に設け、これを上記基材に転写することで製造してもよい。なお、粘接着シートの使用前に、粘接着剤層を保護するために、粘接着剤層の上面に剥離フィルムを積層しておいてもよい。粘接着剤層の塗布方法としては、ロールコーター、ナイフコーター、ロールナイフコーター、ダイコーター、カーテンコーター等の公知の塗布装置を使用した方法を用いることができる。
また、ダイシング工程からダイボンド工程まで粘接着シートおよびウエハを固定するためにリングフレーム等の治具が使用されるが、リングフレームから前記粘接着シートを剥がした際に前記粘着剤層の一部がリングフレーム上に残ることなく粘接着シートを固定するために、粘接着剤層の表面外周部には他の粘着剤層や粘着テープが別途設けられていてもよい。
(粘接着シートの利用方法)
次に本発明に係る粘接着シートの利用方法について、該粘接着シートを半導体装置、特にスタック型半導体装置の製造に適用した場合を例にとって説明する。
本発明に係る半導体装置の製造方法は、
本発明に係る粘接着シートの粘接着剤層に半導体ウエハを貼着し、前記半導体ウエハをダイシングして半導体チップとし、前記半導体チップ裏面に粘接着剤層を固着残存させて基材から剥離し、前記半導体チップを基板上に前記粘接着剤層を介して熱圧着する工程を含んでいる。
また、本発明に係る他の半導体装置(スタック型半導体装置)の製造方法は、
本発明に係る粘接着シートの粘接着剤層に半導体ウエハを貼着し、前記半導体ウエハをダイシングして半導体チップとし、前記半導体チップ裏面に粘接着剤層を固着残存させて基材から剥離し、前記半導体チップを他の半導体チップ上に前記粘接着剤層を介して熱圧着する工程(以下「熱圧着工程(a)」ともいう。)、およびこれらの半導体チップを基板上に固定する工程を含んでいる。
本発明に係る半導体装置(スタック型半導体装置も含む。)の製造方法においては、まず、本発明に係る粘接着シートをダイシング装置上に、リングフレームにより固定し、シリコンウエハの一方の面を粘接着シートの粘接着剤層上に載置し、軽く押圧し、ウエハを固定する。その後、粘接着剤組成物がエネルギー線重合性化合物(I)を含む場合には、粘接着剤層に、基材側からエネルギー線を照射し、粘接着剤層の凝集力を上げ、粘接着剤層と基材との間の接着力を低下させる。照射されるエネルギー線としては、紫外線(UV)または電子線(EB)等が用いられ、好ましくは紫外線が用いられる。
なお、エネルギー線照射は、半導体ウエハの貼付後、半導体チップの剥離前のいずれの段階で行ってもよく、たとえばダイシングの後に行ってもよく、また下記のエキスパンド工程の後に行ってもよい。さらにエネルギー線照射を複数回に分けて行ってもよい。
次いで、ダイシングソーなどの切断手段を用いて、上記のシリコンウエハを切断し半導体チップを得る。この際の切断深さは、シリコンウエハの厚みと、粘接着剤層の厚みとの合計およびダイシングソーの磨耗分を加味した深さにする。
次いで、必要に応じ、粘接着シートのエキスパンドを行うと、半導体チップ間隔が拡張し、半導体チップのピックアップをさらに容易に行えるようになる。この際、粘接着剤層と基材との間にずれが発生することになり、粘接着剤層と基材との間の接着力が減少し、チップのピックアップ性が向上する。
このようにして半導体チップのピックアップを行うと、切断された粘接着剤層を半導体チップ裏面に固着残存させて基材から剥離することができる。
次いで粘接着剤層を介して半導体チップを基板上、または他の半導体チップ(以下「下段チップ」ともいう。)の上(通常は、半導体チップの表面側)に載置する。
本発明に係る半導体装置(スタック型半導体装置)の製造方法における複数個の半導体チップを基板上に固定する工程は、熱圧着工程(a)の前であっても後であってもよい。したがって、基板上に既に積層された他の半導体チップ(下段チップ)の上に本発明の粘接着剤組成物からなる粘接着剤層を介して半導体チップを熱圧着してもよく、他の半導体チップの上に本発明の粘接着剤組成物からなる粘接着剤層を介して半導体チップを熱圧着して半導体チップ積層体を形成した後、この半導体チップ積層体を基板上に固定してもよい。固定手段としては熱圧着が挙げられる。
なおこの下段チップは、基板上に粘接着剤層等を介して直接積層された(または積層される)半導体チップであってもよく、基板上に積層された(または積層される)、複数の半導体チップを含む半導体チップ積層体の最上段の(基板から最も遠い)半導体チップであってもよい。
また、基板と下段チップまたは半導体チップ積層体の最下段の(基板に最も近い)半導体チップとの間、および、半導体チップ積層体内の各半導体チップ間には、粘接着剤層またはその硬化物が介在し、これらは従来公知のものであっても良いが、半導体チップ積層体内の各半導体チップ間に介在する粘接着剤層またはその硬化物としては、本発明の粘接着剤組成物またはその硬化物が好ましい。
半導体チップを下段チップ表面に載置する場合には、積層するチップの粘接着剤層が下段チップに接続されたワイヤーに接触しないように載置してもよく、粘接着剤層の厚さが下段チップに接続されたワイヤー高さより厚ければ、ワイヤーを埋め込むように載置してもよい。実装体は、半導体チップを載置する以前か載置直後に加熱される。加熱温度は、通常は80〜200℃、好ましくは100〜180℃であり、加熱時間は、通常は0.1秒〜5分、好ましくは0.5秒〜3分であり、チップマウント圧力は、通常1kPa〜200MPaである。
半導体チップを基板上、あるいは下段チップの表面に載置した後、必要に応じさらに加熱を行ってもよい。この際の加熱条件は、上記加熱温度の範囲であって、加熱時間は通常1〜180分、好ましくは10〜120分である。
また、チップマウント後の加熱処理は行わずに仮接着状態としておき、後工程で行われる樹脂封止での加熱を利用して粘接着剤層を硬化させてもよい。さらに、半導体装置が複数の粘接着剤層を有する場合には、これらの粘接着剤を、一層設けるごとに熱硬化してもよく、全層設けてから一括して熱硬化してもよい。
このような工程を経ることで、粘接着剤層が硬化し、半導体チップを基板または他の半導体チップに強固に接着することができる。粘接着剤層はダイボンド条件下では流動化しているため、基板表面や下段チップ表面の回路パターンに由来する僅かな凹凸があっても十分に埋め込まれ、ボイドの発生を防止できる。
すなわち、得られる実装品においては、チップの固着手段である粘接着剤が、硬化し、かつ被着体の凹凸にも十分に埋め込まれるため、過酷な条件下にあっても、十分なパッケージ信頼性が達成される。
なお、本発明の粘接着剤組成物および粘接着シートは、上記のような使用方法の他、半導体化合物、ガラス、セラミックス、金属などの接着に使用することもできる。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
各実施例および比較例の粘接着剤組成物を構成する各成分は下記の通りであった。
(A)アクリル重合体:日本合成化学工業株式会社製コーポニールN-2359-6
(B)不飽和炭化水素基を有するフェノール樹脂
(B−1)ノボラック型不飽和基含有フェノール樹脂 (昭和高分子株式会社製 HRM-1005, 分子量 2000、フェノール性水酸基当量215g/eq)
(B−2)ノボラック型不飽和基含有フェノール樹脂 (昭和高分子株式会社製 HRM-1004, 分子量 4000、フェノール性水酸基当量215g/eq)
(C)液状エポキシ樹脂:ビスフェノールA型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン株
式会社製 エピコート828、エポキシ当量189g/eq)
(D)熱硬化剤:熱硬化剤ノボラック型フェノール樹脂(昭和高分子株式会社:ショウノールBRG-556、フェノール性水酸基当量104g/eq)
(E)イオン補足剤
(E−1):東亞合成株式会社製 IXE633(五酸化アンチモンとビスマス酸化物との混合物)
(E−2):協和化学工業株式会社製 DHT-4A(ハイドロタルサイト)
(E−3):協和化学工業株式会社製 KW2200(ハイドロタルサイトの焼成物)
(F)硬化促進剤:イミダゾール(四国化成工業株式会社製 キュアゾール2PHZ)
(G)シランカップリング剤(三菱化学株式会社製 MKCシリケートMSEP2)
(H)架橋剤:芳香族性ポリイソシアナート(日本ポリウレタン工業株式会社製 コロネートL)
(I)エネルギー線重合性化合物:ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(日本化薬株式会社製カヤラッドDPHA)
(J)光重合開始剤(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ株式会社製 イルガキュア184)
(K)無機充填材:シリカ(株式会社アドマテックス製アドマファインSC2050)
また、粘接着シートの基材としては、ポリエチレンフィルム(厚さ100μm、表面張力33mN/m)を用いた。
(実施例、比較例および参考例)
表1に記載の組成の粘接着剤組成物を使用した。表中、数値は固形分(不揮発分)換算の重量部を示す。表1に記載の組成の粘接着剤組成物を、シリコーン処理された剥離フィルム(リンテック株式会社製 SP-PET381031(S))上に、乾燥後の膜厚が60μmになるよう
に塗布,乾燥(乾燥条件:オーブンにて100℃,1分間)した後に基材と貼り合わせて、
粘接着剤層を基材に転写することで粘接着シートを作成した。
このようにして得られた粘接着シートについて、不純物イオン濃度、電気伝導度および湿熱後のせん断接着強度を測定し、さらにこれら粘接着シートを用いて製造した半導体装置について表面実装性評価(耐リフロー性)とHAST(耐HAST性)を行った。結果を表2に示す。
なお、半導体装置の製造方法および評価方法の詳細については後述する。
Figure 2009127042
<表面実装性の評価>
(表面実装性評価用半導体装置の製造)
(1)半導体チップの製造;
#2000研磨したシリコンウエハ(150mm径, 厚さ150μm)の研磨面に、実施例および比
較例の粘接着シートの貼付をテープマウンター(リンテック社製, Adwill RAD2500)により行い、ウエハダイシング用リングフレームに固定した。その後、紫外線照射装置(リンテック社製, Adwill RAD2000)を用いて基材面から紫外線を照射(350mW/cm2, 190mJ/cm2)した。
次いで、ダイシング装置(東京精密社製, AWD-4000B)を使用してダイシングし、8mm×8mmサイズのチップを作成した。ダイシングの際の切り込み量については、基材を20μm切り込むようにした。
(2)半導体パッケージの製造;
基板として銅箔張り積層板(三菱ガス化学株式会社製 CCL-HL830)の銅箔に回路パタ
ーンが形成され、パターン上にソルダーレジスト(太陽インキ製 PSR4000 AUS5)を40μm厚で有しているBT基板を用いた(株式会社ちの技研製)。上記(1)で得た粘接着シ
ート上のチップ(1段目チップ)を粘接着剤層とともに基材から取り上げ、BT基板上に、粘接着剤層を介して100℃, 300gf, 1秒間の条件で圧着し、次いで120℃で1時間、さら
に140℃で1時間加熱して、粘接着剤層を充分に熱硬化させた。
このマウント済みの1段目チップ上に、1段目チップと同じサイズの粘接着剤層付きチップ(2段目チップ)を、100℃, 100gf, 1秒間の条件で圧着し、次いで120℃で1時間、
さらに140℃で1時間加熱して、2段目チップの粘接着剤層を十分に硬化させた。
その後、モールド樹脂(京セラケミカル株式会社製 KE-1100AS3)で封止厚700μmになるようにBT基板を封止し(封止装置:アピックヤマダ株式会社製 MPC-06M Trial Press)、175℃で5時間かけてモールド樹脂を硬化させた。次いで、封止されたBT基板をダ
イシングテープ(リンテック株式会社製Adwill D-510T)に貼付して、ダイシング装置(
東京精密社製, AWD-4000B)を使用して12mm×12mmサイズにダイシングすることで信頼性
評価用の半導体パッケージを作成した。
<HAST>
(HAST用半導体装置の製造)
(3)半導体チップの製造;
ドライポリッシュ仕上げした、電気的な評価が可能であるTEGウエハ(150mm径, 厚さ80μm,アルミニウムパッド)の研磨面(ドライポリッシュ面)に、実施例および比較例の
粘接着シートの貼付をテープマウンター(リンテック社製, Adwill RAD2500)により行い、ウエハダイシング用リングフレームに固定した。その後、紫外線照射装置(リンテック社製, Adwill RAD2000)を用いて基材面から紫外線を照射(350mW/cm2, 190mJ/cm2)した。
次いで、ダイシング装置(東京精密社製, AWD-4000B)を使用してダイシングし、ドラ
イポリッシュ面側に粘接着剤層を有する8mm×8mmサイズのチップを作成した。ダイシングの際の切り込み量については、基材を20μm切り込むようにした。
(4)半導体パッケージの製造;
基板として銅箔張り積層板(三菱ガス化学株式会社製 CCL-HL830)の銅箔に回路パタ
ーンが形成され、パターン上にソルダーレジスト(太陽インキ製 PSR4000 AUS5)を40μm厚で有しているBT基板を用いた(株式会社ちの技研製)。上記(3)で得た粘接着シ
ート上のチップ(1段目チップ)を粘接着剤層とともに基材から取り上げ、BT基板上に、粘接着剤層を介して100℃, 300gf, 1秒間の条件で圧着し、次いで120℃で1時間、さら
に140℃で1時間加熱して、粘接着剤層を充分に熱硬化させた。
次に1段目のチップ上面のパッドと基板パッド間でワイヤーボンディングを行い、電気的な接続を可能とした。さらにワイヤーボンディング後の1段目チップの上に、1段目チップと同じサイズの粘接着剤層付きチップ(2段目チップ)を、100℃, 100gf, 1秒間の
条件で圧着し、次いで120℃で1時間、さらに140℃で1時間加熱して、2段目チップの粘接着剤層を十分に硬化させた。
その後、モールド樹脂(京セラケミカル株式会社製 KE-1100AS3)で封止厚700μmになるようにBT基板を封止し(封止装置:アピックヤマダ株式会社製 MPC-06M Trial Press)、175℃で5時間かけてモールド樹脂を硬化させた。次いで、基板裏面の外部電極パッ
ドに半田ボールを搭載して、15mm×15mm×0.4mm厚,外部電極数108(27×4辺)のHAS
T用半導体装置(パッケージ)を作成した。
<評価方法>
(a)不純物イオン濃度および電気伝導度;
粘接着シートの粘接着剤層同士を合計の厚さが200μmとなるまで室温で積層した。得られた積層体に、両面から紫外線を照射し(照度350mW/cm2, 光量190mJ/cm2)、次いで、この積層体をオーブンで120℃で30分間、さらに140℃で30分間加熱して、粘接着剤硬化物を得た。
得られた粘接着剤硬化物を粉砕機((株)平工製作所製 振動粉砕機 TI-100)を用いて粉砕し、100メッシュのステンレス製金網で篩い、イオン濃度測定用テフロン(登録商
標)製容器内で金網通過分1gを純水20mlと混合し、121℃で24時間加熱して抽出液を作成
した。
得られた抽出液のイオン濃度をイオンクロマトグラフィー(日本ダイオネクス(株)社製 DX-320)で測定し、電気伝導度を伝導率計((株)堀場製作所製 B-173)で測定し
た。
(b)せん断接着強度;
厚さ350μmのシリコンウエハのCMP処理された面に、実施例および比較例の粘接着シートの貼付をテープマウンター(リンテック社製, Adwill RAD2500)により行い、ウエハダイシング用リングフレームに固定した。その後、紫外線照射装置(リンテック社製, Adwill RAD2000)を用いて基材面から紫外線を照射(350mW/cm2, 190mJ/cm2)した。
次いで、ダイシング装置(東京精密社製, AWD-4000B)を使用してダイシングし、粘着
剤層付きの5mm×5mmサイズのチップを作成した。ダイシングの際の切り込み量については、基材を20μm切り込むようにした。
また、片面に保護層としてポリイミド樹脂(日立化成デュポンマイクロシステムズ(株)製 PLH708)が厚さ3μmにコーティングされた、厚さ725μmのウエハを、12mm×12mmサイズにダイシングし、粘接着剤層が付いていないチップを作成した。
粘接着剤層付きのチップを、粘接着剤層が付いてないチップのポリイミド樹脂面に、100℃、100gf、1秒間の条件で圧着し、これらを、オーブンで120℃で30分間、さらに140℃
で30分間加熱して粘接着剤層を硬化させて試験片(i)を得た。また、複数個ある試験片
(i)の一部を、85℃、60%RHの恒温槽に48時間投入した後、取り出して、試験片(ii)を
得た。
こうして得られた試験片(i)、試験片(ii)について、プッシュプルゲージを用いて5mm×5mmサイズのチップのせん断方向の熱時接着強度を測定した。熱時接着強度は、250℃のヒートブロック上で測定した。
(c)表面実装性の評価(耐リフロー性);
表面実装性評価用に作成した半導体装置を85℃, 60%RH条件下に168時間放置し、吸湿させた後、最高温度260℃、総加熱時間3分間のIRリフロー(リフロー炉:相模理工製WL-15-20DNX型)を3回行い、半導体装置内の接合部の浮き・剥がれの有無、パッケージクラッ
クの有無を走査型超音波探傷装置(日立建機ファインテック株式会社製Hye-Focus)およ
び断面観察により評価した。
基板/半導体チップ接合部、またはチップ/チップ接合部に面積が0.25mm2以上の剥離
が観察された場合を剥離していると判断した。評価は各半導体装置25個について行い、剥離が発生した個数を数えた。
(d)HAST(耐HAST性);
HAST用半導体装置を、電極引き出し用の2次基板へ実装後、前処理として60℃, 60%RH条件下に120時間放置した後、130℃, 85%RH, 220時間, 印加電圧3.5Vの条件下で該装
置に常時通電した。
評価は各半導体装置20個について行い、不良発生数を数えた。電極間の絶縁抵抗値が1×107Ωより低いものを不良と判断した。
Figure 2009127042
本発明によれば、薄型化しつつある半導体チップを実装したパッケージにおいて、厳しいリフロー条件に曝された場合であっても、また高温高湿度下において電圧を印加した場合であっても高いパッケージ信頼性を達成でき、長期的な物理的かつ電気的接合信頼性を向上させることのできる、粘接着剤組成物および該粘接着組成物からなる粘接着剤層を有する粘接着シート、ならびこの粘接着シートを用いた半導体装置(特に、スタック型半導体装置)およびその製造方法が提供される。

Claims (5)

  1. アクリル重合体、エポキシ基と反応し得る官能基および不飽和炭化水素基を1分子中に有する化合物、エポキシ系熱硬化性樹脂、およびイオン捕捉剤を含有する粘接着剤組成物。
  2. 前記イオン捕捉剤の含量が、全樹脂成分の合計100重量部に対して1〜15重量部である請求項1に記載の粘接着剤組成物。
  3. 請求項1または2に記載の粘接着剤組成物からなる粘接着剤層が基材上に形成されてなる粘接着シート。
  4. 請求項3に記載の粘接着シートの粘接着剤層に半導体ウエハを貼着し、前記半導体ウエハをダイシングして半導体チップとし、前記半導体チップ裏面に粘接着剤層を固着残存させて基材から剥離し、前記半導体チップを基板上に前記粘接着剤層を介して熱圧着する工程を含む半導体装置の製造方法。
  5. 請求項3に記載の粘接着シートの粘接着剤層に半導体ウエハを貼着し、前記半導体ウエハをダイシングして半導体チップとし、前記半導体チップ裏面に粘接着剤層を固着残存させて基材から剥離し、前記半導体チップを他の半導体チップ上に前記粘接着剤層を介して熱圧着する工程、およびこれらの半導体チップを基板上に固定する工程を含む半導体装置の製造方法。
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