JP2009203337A - 粘接着剤組成物、粘接着シートおよび半導体装置の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】アクリル重合体(A)、エポキシ当量が180g/eq以下であるエポキシ樹脂(
B)、硬化剤(C)、およびイオン捕捉剤(D)を含有し、該イオン捕捉剤(D)の含量が全樹脂成分の合計100重量部に対して1〜20重量部である粘接着剤組成物。
【選択図】なし
Description
(1)アクリル重合体(A)、エポキシ当量が180g/eq以下であるエポキシ樹脂(B)、
硬化剤(C)、およびイオン捕捉剤(D)を含有し、該イオン捕捉剤の含量が全樹脂成分の合計100重量部に対して1〜20重量部である粘接着剤組成物。
(2)前記硬化剤(C)が、2個以上のフェノール性水酸基を有しフェノール性水酸基当
量が103g/eq以下である化合物である、上記(1)に記載の粘接着剤組成物。
(3)上記(1)または(2)に記載の粘接着剤組成物からなる粘接着剤層が、基材上に形成されてなる粘接着シート。
(4)上記(3)に記載の粘接着シートの粘接着剤層に半導体ウエハを貼着し、前記半導体ウエハをダイシングして半導体チップとし、前記半導体チップ裏面に粘接着剤層を固着残存させて基材から剥離し、前記半導体チップをダイパッド部上に前記粘接着剤層を介して熱圧着する工程を含む半導体装置の製造方法。
本発明に係る粘接着剤組成物は、アクリル重合体(A)(以下「(A)成分」とも言う。他の成分についても同様である。)、エポキシ当量が180g/eq以下であるエポキシ樹脂
(B)(以下「(B)成分」とも言う。)、硬化剤(C)およびイオン捕捉剤(D)を必須成分として含み、各種物性を改良するため、必要に応じ他の成分を含んでいても良い。以下、これら各成分について具体的に説明する。
アクリル重合体(A)としては従来公知のアクリル重合体を用いることができる。アク
リル重合体の重量平均分子量は1万以上200万以下であることが望ましく、10万以上150万
以下であることがより望ましい。アクリル重合体の重量平均分子量が低過ぎると、基材との粘着力が高くなり、ピックアップ不良が起こることがあり、200万を超えると基板凹凸
へ粘接着剤層が追従できないことがありボイドなどの発生要因になる。アクリル重合体のガラス転移温度は、好ましくは−60℃以上10℃以下、さらに好ましくは−50℃以上5℃以下、特に好ましくは−40℃以上0℃以下の範囲にある。ガラス転移温度が低過ぎると粘接着剤層と基材との剥離力が大きくなってチップのピックアップ不良が起こることがあり、高過ぎるとウエハを固定するための接着力が不十分となるおそれがある。また、このアクリル重合体のモノマーとしては、(メタ)アクリル酸エステルモノマーあるいはその誘導体が挙げられる。例えば、アルキル基の炭素数が1〜18であるアルキル(メタ)
アクリレート、例えばメチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート等が挙げられ、環状骨格を有する(メタ)アクリレート、例えばシクロアルキル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、イソボルニルアクリレート、ジシクロペンタニルアクリレート、ジシクロペンテニルアクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチルアクリレート、イミドアクリレート等が挙げられ、2-ヒドロキシエチルアクリレート、2-ヒドロキシエチルメタクリレート、2-ヒドロキシプロピルアクリレート、2-ヒドロキシプロピルメタクリレート、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、グリシジルメタクリレート、グリシジルアクリレート等が挙げられる。また酢酸ビニル、アクリロニトリル、スチレン等が共重合されていてもよい。また水酸基を有している方が、エポキシ樹脂との相溶性が良いため好ましい。
エポキシ当量が180g/eq以下であるエポキシ樹脂(B)としては、エポキシ当量が180g/eq以下であれば従来公知のエポキシ樹脂を用いることができる。
る場合の値である。)
エポキシ樹脂(B)としては、具体的には、下記式(1)で表される多官能系エポキシ樹脂や、下記式(2)で表されるビフェニル化合物などが挙げられる。
シ樹脂(B)が、好ましくは1〜1500重量部含まれ、より好ましくは3〜1000重量部含まれる。1重量部未満であると十分な接着性が得られないことがあり、1500重量部を超えると基材との剥離力が高くなり、ピックアップ不良が起こることがある。
′)」という。)を含んでいてもよく、このようなエポキシ樹脂(b′)として、従来公知の種々のエポキシ樹脂を用いることができる。公知のエポキシ樹脂としては、ビスフェノールAジグリシジルエーテルやその水添物、オルソクレゾールノボラックエポキシ樹脂
(下記式(3))、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂(下記式(4))、ビフェニル型エポキシ樹脂(下記式(5))など、分子中に2官能以上有するエポキシ化合物が挙げ
られる。
エポキシ樹脂(b′)が用いられる場合であれば、エポキシ樹脂(b′)/エポキシ樹脂(B)の比率(重量比)は、好ましくは20以下、より好ましくは0.01〜9である。
硬化剤(C)は、エポキシ樹脂(B)に対する硬化剤として機能する。好ましい硬化剤(C)としては、1分子中にエポキシ基と反応しうる官能基を2個以上有する化合物があげられ、その官能基としてはフェノール性水酸基、アルコール性水酸基、アミノ基、カルボキシル基および酸無水物などが挙げられる。これらのうち好ましくはフェノール性水酸基、アミノ基、酸無水物などが挙げられ、さらに好ましくはフェノール性水酸基、アミノ基が挙げられる。これらの具体的な例としては、下記式(6)で表される多官能系フェノール樹脂や、下記式(7)で表されるビフェノール、下記式(8)に示すノボラック型フェノール樹脂、下記式(9)で表されるジシクロペンタジエン系フェノール樹脂等のフェノール性硬化剤や、下記式(10)で表されるザイロック型フェノール樹脂や、DICY(ジシアンジアミド)などのアミン系硬化剤が挙げられる。これら硬化剤は、1種単独で、または2種以上混合して使用することができる。
硬化剤(C)の中でも、2個以上のフェノール性水酸基を有しフェノール性水酸基当量
が103g/eq以下である(下限値は、通常55g/eq程度である。)硬化剤(以下「硬化剤(c
c)」ともいう。)を用いることが好ましい。このような硬化剤(cc)においては、エポキシ基と反応し得るフェノール性水酸基の絶対量が多いため、硬化剤(cc)を用いると本発明の粘接着剤組成物を硬化させてなる硬化物中の共有結合密度が増加し、接着界面の剥離やパッケージクラックの発生をより確実に防ぐことができる。硬化剤(cc)の具体例としては、上記式(6)、(7)で表される化合物が挙げられる。なお、この水酸基当量の値は、JIS K0070に準じて測定される場合の値である。
硬化剤(C)の使用量は、エポキシ樹脂(B)およびエポキシ樹脂(b′)の合計100重量部に対して、好ましくは0.1〜500重量部であり、より好ましくは1〜200重量部である。硬化剤(C)の量が過小であると、硬化不足で接着性が得られないことがあり、過剰であれば吸湿率が高まりパッケージの信頼性を低下させることがある。
本発明に用いるイオン捕捉剤(D)は、半導体装置の配線やパッドの腐食および電食の原因となる塩素イオンをはじめとする、粘接着剤から遊離したイオンを捕捉する効果を有する。イオン捕捉剤(D)としては、イオン吸着タイプ(多孔質フィラータイプ)、イオン交換タイプのいずれであってもよい。
イオン捕捉剤の配合量は、全樹脂成分の合計100重量部に対して1〜20重量部、好ま
しくは2〜10重量部である。上記範囲よりも少なすぎるとイオン捕捉効果が得られないことがあり、上記範囲よりも多すぎると接着性の低下や硬化前の流動特性の変化を生じることがある。なお「全樹脂成分」とは、アクリル重合体(A)、エポキシ樹脂(B)、エポキシ系熱硬化性樹脂(b′)および硬化剤(C)である。
く、平均粒径が0.05μm以上2μm以下の粉末がより好ましい。
本発明に係る粘接着剤組成物は、上記アクリル重合体(A)、エポキシ樹脂(B)、硬化剤(C)およびイオン捕捉剤(D)を必須成分として含み、各種物性を改良するため、必要に応じ、下記の成分をさらに含んでいても良い。
硬化促進剤(E)は、粘接着剤組成物の硬化速度を調整するために用いられる。好ましい硬化促進剤としては、エポキシ基とフェノール性水酸基やアミン等との反応を促進し得る化合物が挙げられ、具体的には、トリエチレンジアミン、ベンジルジメチルアミン、トリエタノールアミン、ジメチルアミノエタノール、トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール等の3級アミン類、2−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール等のイミダゾール類、トリブチルホスフィン、ジフェニルホスフィン、トリフェニルホスフィン等の有機ホスフィン類、テトラフェニルホスホニウムテトラフェニルボレート、トリフェニルホスフィンテトラフェニルボレートなどのテトラフェニルボロン塩等が挙げられる。これらは1種単独でまたは2種以上混合して使用することができる。
カップリング剤は、粘接着剤組成物の被着体に対する接着性、密着性を向上させるために用いられる。また、カップリング剤を使用することで、粘接着剤組成物を硬化して得られる硬化物の耐熱性を損なうことなく、その耐水性を向上することができる。カップリング剤としては、上記(A)成分、(B)成分等が有する官能基と反応する基を有する化合物が好ましく使用される。カップリング剤としては、シランカップリング剤が望ましい。このようなカップリング剤としてはγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−(メタクリロプロピル)トリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−6−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリ
メトキシシラン、N−6−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルファン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、イミダゾールシラン等が挙げられる。これらは1種単独でまたは2種以上混合して使用することができる。これらカップリング剤を使用する際には、エポキシ樹脂(B)およびエポキシ樹脂(b′)の合計100重量部に対して通常0.1〜20重量部、好ましくは0.2〜10重量部、より好ましくは0.3〜5重量部の割合で用いられる。0.1重量部未満だと効果が得られない可能性があり、20重量部を超えるとアウトガスの原因となる可能性がある。
粘接着剤組成物の初期接着力および凝集力を調整するために、架橋剤を添加することもできる。架橋剤としては有機多価イソシアナート化合物、有機多価イミン化合物が挙げられる。
。
(H)エネルギー線重合性化合物;
本発明の粘接着剤組成物には、エネルギー線重合性化合物(H)が配合されてもよい。エネルギー線重合性化合物(H)をエネルギー線照射によって硬化させることで、粘接着剤層の粘着力を低下させることができるため、基材と粘接着剤層との層間剥離を容易に行えるようになる。
サンジオールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、オリゴエステルアクリレート、ウレタンアクリレート系オリゴマー、エポキシ変性アクリレート、ポリエーテルアクリレート、イタコン酸オリゴマーなどのアクリレート系化合物が用いられる。このような化合物は、分子内に少なくとも1つの重合性二重結合を有し、通常は、重量平均分子量が100〜30,000、好ましくは300〜10,000程度である。
前記エネルギー線重合性化合物(H)を使用し、エネルギー線として紫外線を用いる場合には、その使用に際して、該組成物中に光重合開始剤(I)を添加することで、重合硬化時間ならびに光線照射量を少なくすることができる。
シクロヘキシルフェニルケトン、ベンジルジフェニルサルファイド、テトラメチルチウラムモノサルファイド、アゾビスイソブチロニトリル、ベンジル、ジベンジル、ジアセチル、β-クロールアンスラキノン、2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオ
キサイドなどが挙げられる。光重合開始剤(I)は1種類単独で、または2種類以上を組み合わせて用いることができる。
に対して0.1〜10重量部含まれることが望ましく、1〜5重量部がより好ましい。含量が上記範囲にあると、満足なピックアップ性が得られる。10重量部を超えると光重合に寄与しない残留物が生成し、粘接着剤の硬化性が不十分となることがある。
無機充填材を粘接着剤に配合することにより、熱膨張係数を調整することが可能となり、金属や有機樹脂からなる基板と異なる熱膨張係数を有する半導体チップに対し、硬化後の粘接着剤層の熱膨張係数を最適化することでパッケージの信頼性を向上させることができる。また、粘接着剤層の硬化後の吸湿率を低減させることも可能となる。好ましい無機充填材としては、シリカ、アルミナ、タルク、炭酸カルシウム、チタンホワイト、ベンガラ、炭化珪素、窒化ホウ素等の粉末、これらを球形化したビーズ、単結晶繊維、アモルファス繊維等が挙げられる。これらは1種単独でまたは2種以上混合して使用することができる。本発明においては、これらのなかでも、シリカ粉末、アルミナ粉末の使用が好ましい。
(その他の成分)
本発明の粘接着剤組成物には、上記の他に、必要に応じて各種添加剤が配合されてもよい。たとえば、硬化後の可とう性を保持するため可とう性成分を添加することができる。可とう性成分は、常温および加熱下で可とう性を有する成分である。可とう性成分は、熱可塑性樹脂やエラストマーからなるポリマーであってもよいし、ポリマーのグラフト成分、ポリマーのブロック成分であってもよい。また、可とう性成分がエポキシ樹脂に予め変性された変性樹脂であってもよい。
(粘接着剤組成物)
上記のような各成分からなる粘接着剤組成物は感圧接着性と加熱硬化性とを有し、未硬化状態では各種被着体を一時的に保持する機能を有する。そして熱硬化を経て最終的には耐衝撃性の高い硬化物を与えることができ、しかも剪断強度と剥離強度とのバランスにも優れ、厳しい熱湿条件下においても充分な接着物性を保持し得る。
本発明に係る粘接着シートは、基材上に、上記粘接着剤組成物からなる粘接着剤層が積層してなる。本発明に係る粘接着シートの形状は、テープ状、ラベル状などあらゆる形状をとり得る。
また、粘接着剤層の厚みは、通常は1〜500μm、好ましくは5〜300μm、特に好ましくは10〜150μm程度である。
次に本発明に係る粘接着シートの利用方法について、該粘接着シートを半導体装置、特にスタック型半導体装置の製造に適用した場合を例にとって説明する。
本発明に係る粘接着シートの粘接着剤層に半導体ウエハを貼着し、前記半導体ウエハをダイシングして半導体チップとし、前記半導体チップ裏面に粘接着剤層を固着残存させて基材から剥離し、前記半導体チップを基板上に前記粘接着剤層を介して熱圧着する工程を含んでいる。
本発明に係る粘接着シートの粘接着剤層に半導体ウエハを貼着し、前記半導体ウエハをダイシングして半導体チップとし、前記半導体チップ裏面に粘接着剤層を固着残存させて基材から剥離し、前記半導体チップを他の半導体チップ上に前記粘接着剤層を介して熱圧着する工程(以下「熱圧着工程(a)」ともいう。)、およびこれらの半導体チップを基板上に固定する工程を含んでいる。
次いで粘接着剤層を介して半導体チップを基板上、または他の半導体チップ(以下「下段チップ」ともいう。)の上(通常は、半導体チップの表面側)に載置する。
十分に埋め込まれ、ボイドの発生を防止できる。
(実施例)
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
(A)アクリル重合体:日本合成化学工業株式会社製 コーポニールN-2359-6(Mw:約30万)
(B−1)固体エポキシ樹脂:多官能型エポキシ樹脂(日本化薬株式会社製 EPPN-502H,
エポキシ当量169g/eq)
(b′−1)ビスフェノールA型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン株式会社製, エ
ピコート828, エポキシ当量189g/eq)
(b′−2)固体エポキシ樹脂:クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(日本化薬株式会社製,EOCN-104S,エポキシ当量218g/eq)
(b′−3)固体エポキシ樹脂:DCPD型エポキシ樹脂(大日本インキ化学株式会社製 EPICLON HP-7200HH, エポキシ当量278g/eq)
(C−1)硬化剤:ジシアンジアミド(株式会社ADEKA製、アデカハードナー3636AS)
(C−2)硬化剤:ノボラック型フェノール樹脂(昭和高分子株式会社 ショウノールBRG-556, フェノール性水酸基当量104g/eq)
(C−3)硬化剤:多官能型フェノール樹脂(明和化成工業株式会社 MHE-7500, フェノール性水酸基当量97g/eq)
(D)イオン捕捉剤
(D−1):東亞合成株式会社製 IXE633(五酸化アンチモンとビスマス酸化物との混合物)
(D−2):協和化学工業株式会社製 DHT-4A(ハイドロタルサイト)
(D−3):協和化学工業株式会社製 KW2200(ハイドロタルサイトの焼成物)
(E)硬化促進剤:イミダゾール(四国化成工業株式会社製 キュアゾール2PHZ)
(F)シランカップリング剤(三菱化学株式会社製 MKCシリケートMSEP2, エポキシ当量222g/eq)
(H)エネルギー線重合性化合物:ジシクロペンタジエンジメトキシジアクリレート(日本化薬株式会社製 KAYARAD R-684)
(I)光重合開始剤:α-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(チバ・スペシャル
ティ・ケミカルズ株式会社製 イルガキュア184)
(J)無機充填材:シリカ粉末(株式会社アドマテックス製 アドマファインSC2050)
また、粘接着シートの基材としては、ポリエチレンフィルム(厚さ100μm、表面張力33mN/m)を用いた。
表1に記載の組成の粘接着剤組成物を使用した。表中、数値は固形分(不揮発分)換算の重量部を示す。表1に記載の組成の粘接着剤組成物を、シリコーン処理された剥離フィルム(リンテック株式会社製 SP-PET381031(S))上に、乾燥後の膜厚が60μmになるよう
に塗布,乾燥(乾燥条件:オーブンにて100℃,1分間)した後に基材と貼り合わせて、
粘接着剤層を基材に転写することで粘接着シートを作成した。
(表面実装性評価用半導体装置の製造)
(1)半導体チップの製造;
#2000研磨したシリコンウエハ(150mm径, 厚さ150μm)の研磨面に、実施例および比
較例の粘接着シートの貼付をテープマウンター(リンテック社製, Adwill RAD2500)により行い、ウエハダイシング用リングフレームに固定した。その後、紫外線照射装置(リンテック社製, Adwill RAD2000)を用いて基材面から紫外線を照射(350mW/cm2, 190mJ/cm2)した。次いで、ダイシング装置(株式会社ディスコ製, DFD651)を使用してダイシングし、8mm×8mmサイズのチップを得た。ダイシングの際の切り込み量については、基材を20μm切り込むようにした。
基板として銅箔張り積層板(三菱ガス化学株式会社製 CCL-HL830)の銅箔に回路パタ
ーンが形成され、パターン上にソルダーレジスト(太陽インキ製 PSR4000 AUS303)を40μm厚で有しているBT基板を用いた(株式会社ちの技研製)。上記(1)で得た粘接着シ
ート上のチップを、粘接着剤層とともに基材から取り上げ、BT基板上に、粘接着剤層を介して120℃, 100gf, 1秒間の条件で圧着し、次いで120℃で30分間、さらに140℃で30分
間の条件で加熱し、粘接着剤層を充分熱硬化させた。
イシングテープ(リンテック株式会社製Adwill D-510T)に貼付して、ダイシング装置(
株式会社ディスコ製, DFD651)を使用して12mm×12mmサイズにダイシングすることで信頼性評価用の半導体パッケージを得た。
(HAST用半導体装置の製造)
(3)半導体チップの製造;
CMP仕上げした、電気的な評価が可能であるTEGウエハ(150mm径, 厚さ80μm,アル
ミニウムパッド)のCMP面に、実施例および比較例の粘接着シートの貼付をテープマウンター(リンテック社製, Adwill RAD2500)により行い、ウエハダイシング用リングフレームに固定した。その後、紫外線照射装置(リンテック社製, Adwill RAD2000)を用いて基材面から紫外線を照射(350mW/cm2, 190mJ/cm2)した。
基板として銅箔張り積層板(三菱ガス化学株式会社製 CCL-HL830)の銅箔に回路パタ
ーンが形成され、パターン上にソルダーレジスト(太陽インキ製 PSR4000 AUS303)を40μm厚で有しているBT基板を用いた(株式会社ちの技研製)。上記(3)で得た粘接着
シート上のチップ(1段目チップ)を粘接着剤層とともに基材から取り上げ、BT基板上に、粘接着剤層を介して120℃, 100gf, 1秒間の条件で圧着し、次いで120℃で30分間、さらに140℃で30分間の条件で加熱し、粘接着剤層を充分に熱硬化させた。
的な接続を可能とした。さらにワイヤーボンディング後の1段目チップの上に、1段目チップと同じサイズの粘接着剤層付きチップ(2段目チップ)を、120℃, 600gf, 1秒間の
条件で圧着し、次いで120℃で30分間、さらに140℃で30分間加熱して、2段目チップの粘接着剤層を十分に硬化させた。
ドに半田ボールを搭載して、15mm×15mm×1.1mm厚,外部電極数112(28×4辺)のHAS
T用半導体装置(パッケージ)を作成した。
(a)不純物イオン濃度および電気伝導度;
粘接着シートの粘接着剤層同士を合計の厚さが200μmとなるまで室温で積層した。得られた積層体に、一方の面から紫外線を照射し(照度350mW/cm2, 光量190mJ/cm2)、さらに逆の面から同条件で紫外線を照射した。次いで、この積層体をオーブンで120℃で30分間
、さらに140℃で30分間加熱して、粘接着剤硬化物を得た。
標)製容器内で金網通過分1gを純水20mlと混合し、121℃で24時間加熱して抽出液を作成
した。
た。
厚さ350μmのシリコンウエハのCMP処理された面に、実施例および比較例の粘接着シートの貼付をテープマウンター(リンテック社製, Adwill RAD2500)により行い、ウエハダイシング用リングフレームに固定した。その後、紫外線照射装置(リンテック社製, Adwill RAD2000)を用いて基材面から紫外線を照射(350mW/cm2, 190mJ/cm2)した。
で30分間加熱して粘接着剤層を硬化させて試験片(i)を得た。また、複数個ある試験片
(i)の一部を、85℃、60%RHの恒温槽に168時間投入した後、取り出して、試験片(ii)
を得た。
表面実装性評価用に作成した半導体装置を85℃, 60%RH条件下に168時間放置し、吸湿させた後、最高温度260℃、総加熱時間3分間のIRリフロー(リフロー炉:相模理工製WL-15-20DNX型)を3回行い、半導体装置内の接合部の浮き・剥がれの有無、パッケージクラッ
クの有無を走査型超音波探傷装置(日立建機ファインテック株式会社製Hye-Focus)およ
び断面観察により評価した。
が観察された場合を剥離していると判断した。評価は各半導体装置25個について行い、剥離が発生した個数を数えた。
HAST用半導体装置を、電極引き出し用の2次基板へ実装後、前処理として60℃, 60%RH条件下に120時間放置した後、130℃, 85%RH, 220時間, 印加電圧3.5Vの条件下で該装
置に常時通電した。
いリフロー条件に曝された場合であっても、また高温高湿度下において電圧を印加した場合であっても高いパッケージ信頼性を達成でき、長期的な物理的かつ電気的接合信頼性を向上させることのできる、粘接着剤組成物および該粘接着組成物からなる粘接着剤層を有する粘接着シート、ならびこの粘接着シートを用いた半導体装置(特に、スタック型半導体装置)およびその製造方法が提供される。
Claims (4)
- アクリル重合体(A)、エポキシ当量が180g/eq以下であるエポキシ樹脂(B)、硬化
剤(C)、およびイオン捕捉剤(D)を含有し、該イオン捕捉剤の含量が全樹脂成分の合計100重量部に対して1〜20重量部である粘接着剤組成物。 - 前記硬化剤(C)が、2個以上のフェノール性水酸基を有しフェノール性水酸基当量が103g/eq以下である化合物である、請求項1に記載の粘接着剤組成物。
- 請求項1または2に記載の粘接着剤組成物からなる粘接着剤層が、基材上に形成されてなる粘接着シート。
- 請求項3に記載の粘接着シートの粘接着剤層に半導体ウエハを貼着し、前記半導体ウエハをダイシングして半導体チップとし、前記半導体チップ裏面に粘接着剤層を固着残存させて基材から剥離し、前記半導体チップをダイパッド部上に前記粘接着剤層を介して熱圧着する工程を含む半導体装置の製造方法。
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