JP2009125761A - レーザ加工装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】1つのレーザ光を複数に分光し、被加工物上に同時に照射して加工を行うレーザ加工装置において、分光された各レーザ光の被加工物上での照射領域の大きさを等しくすることができるレーザ加工装置を得ること。
【解決手段】分光された複数のレーザ光のうちのレーザ光Lαの光路上に配置され、レーザ光Lαの被加工物12上でのビーム径を変化させる焦点差補正鏡25aと、焦点差補正鏡25aのメリジオナル方向の結像位置とサジタル方向の結像位置を変化させないように、焦点差補正鏡25aの反射面のメリジオナル方向とサジタル方向の曲率を変化させる焦点差補正鏡制御機能52と、を備える。
【選択図】 図1

Description

この発明は、被加工物に対する穴あけ加工を主目的とするレーザ加工装置に関するものである。
従来のレーザ加工装置には、レーザ光源からの1つのレーザ光を分光ミラーで複数に分光し、分光した複数のレーザ光をそれぞれfθレンズの入射側に配置した複数のガルバノスキャナ系に導き、これらの複数のガルバノスキャナ系によってレーザ光を走査することによって、被加工物上の異なる複数の領域にレーザ光を照射することが可能な構成のものが存在する。しかし、このような構成のレーザ加工装置では、分光ミラーによって分光された2つのレーザ光は、異なった光路を経由しているため、通過する光学部品の製作精度のばらつきによって集光特性が変化し、2つのレーザ光の結像位置が異なる場合があり、加工品質(穴径、穴深さ、真円度など)に差異が生じる可能性があった。そこで、従来では、少なくとも一方のレーザ光の光路上に、レーザ光の結像位置を変化させるための可変形ミラーを挿入した構成のレーザ加工装置が提案されている(たとえば、特許文献1参照)。
国際公開第2004/101211号パンフレット
ところで、上記特許文献1には、レーザ光の光路上に可変形ミラーを挿入する構成について記載されているが、この可変形ミラーの反射面形状をどのように変化させることによって、分光された2つのレーザ光の結像位置(焦点)を調整するのかについては開示されていなかった。たとえば可変形ミラーを単純な凹面形状や凸面形状に変形した場合には、メリジオナル方向とサジタル方向で収差が発生してしまうので、このような単純な変形で2つのレーザ光の結像位置を調整することはできないという問題点があった。つまり、レーザ光にメリジオナル方向とサジタル方向の収差を発生させることなく、2つのレーザ光の結像位置を調整する技術、より具体的には2つのレーザ光の被加工物上での照射領域の大きさを等しくする技術が求められていた。
また、レーザ光の被加工物上での照射位置を制御するガルバノスキャナのガルバノミラーは、薄くそして軽く作られることに主眼が置かれており、その平面形状には各ガルバノミラー間で多少のばらつきが存在している。その結果、各ガルバノスキャナで反射されるレーザ光には、メリジオナル方向とサジタル方向で収差(非点)が発生してしまう。そして、この収差が発生すると、レーザ光の結像形状が理想的な円形状から楕円形状へとずれてしまい、加工品質が劣化してしまうという問題点があった。
この発明は、上記に鑑みてなされたもので、レーザ光源からの1つのレーザ光を複数に分光し、被加工物上に同時に照射して加工を行うレーザ加工装置において、分光された各レーザ光の被加工物上での照射領域の大きさを等しくすることができるレーザ加工装置を得ることを目的とする。また、光路に配置された光学部品によって生じる収差で変形した結像形状を補正することができるレーザ加工装置を得ることも目的とする。
上記目的を達成するため、この発明にかかるレーザ加工装置は、第1の偏向手段でレーザ光を複数のレーザ光に分光し、第2の偏向手段で異なる複数の光路を経由してきた前記複数のレーザ光を混合し、前記複数のレーザ光をそれぞれ走査して、テーブル上に配置された被加工物上の異なる位置に同時に照射して加工を行うレーザ加工装置において、分光された前記複数のレーザ光の少なくとも1つの光路上に、該光路を経由するレーザ光の前記被加工物上でのビーム径を変化させる焦点差補正鏡と、前記被加工物上での前記レーザ光の照射面内で照射面の中心を通り互いに直交する2つの方向を第1と第2の方向とし、これらの第1と第2の方向に対応する前記焦点差補正鏡の反射面内での第3と第4の方向における前記焦点差補正鏡の曲率をそれぞれRM2,RS2とし、前記レーザ光の前記焦点差補正鏡に対する入射角をθとしたときに、下記式(1)にしたがって、前記焦点差補正鏡の前記第3および第4の方向の曲率を変化させる焦点差補正鏡制御手段と、を備えることを特徴とする。
この発明によれば、分光された複数のレーザ光の被加工物上での照射領域が同じ大きさとなるように反射面が制御された焦点差補正鏡を備えるようにしたので、複数のレーザ光による加工品質を同等のものとすることができるという効果を有する。
以下に添付図面を参照して、この発明にかかるレーザ加工装置の好適な実施の形態を詳細に説明する。なお、これらの実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
実施の形態1.
図1は、この発明にかかるレーザ加工装置の実施の形態1の構成を示す図である。このレーザ加工装置は、プリント基板などの被加工物12を載置し、水平面(XY平面)内で移動可能なXYテーブル11と、レーザ光L0を出射するレーザ発振器20と、レーザ発振器20から出射されたレーザ光L0をXYテーブル11上の被加工物12に照射するための光学系と、被加工物12の加工制御を行うとともに試し加工時におけるXYテーブル11上の加工位置を撮像するCCD(Charge-Coupled Device)カメラなどの撮像手段41と、レーザ加工装置全体を制御する制御部50と、を備える。なお、この図において、被加工物12を載置するXYテーブル11の面を水平面とし、この水平面内で互いに直交する2つの軸をX軸とY軸とし、これらのX軸とY軸の両方に垂直な軸をZ軸としている。
光学系は、レーザ発振器20から出射されたレーザ光L0から、被加工物12にあける加工穴を所望の大きさ、形状にするために必要な部分のレーザ光Lを切取るマスク21と、マスク21を通過したレーザ光Lを、透過するレーザ光Lαと反射するレーザ光Lβとに分光する偏光ビームスプリッタなどからなる第1の偏向手段22と、分光されたレーザ光Lα,Lβを混合(ミックス)し、ほぼ同一の光路に導く偏光ビームスプリッタなどからなる第2の偏向手段28と、第2の偏向手段28からの混合されたレーザ光Lα,LβをXYテーブル11上で相異なる方向に走査するガルバノスキャナ29a,29bと、混合されたレーザ光Lα,Lβを被加工物12上に集光させるfθレンズ31と、を備える。なお以下では、ガルバノスキャナ29a,29bのことをメインガルバノスキャナ29ともいう。
ここで、レーザ光Lαの光路上には、レーザ光Lαを反射させるとともに、メリジオナル平面とサジタル平面での結像位置の違いによって生じる形状を補正する収差補正鏡24aと、レーザ光Lαを反射させるとともに、レーザ光Lαの結像位置を変化させる焦点差補正鏡25aと、レーザ光LαをXYテーブル11上の所定の方向に走査するガルバノスキャナ26aと、が配置されている。
また、レーザ光Lβの光路上には、分光されたレーザ光Lβを反射させて光路に導く固定ミラー23aと、レーザ光Lβを反射させるとともに、メリジオナル平面とサジタル平面での結像位置の違いによって生じる形状を補正する収差補正鏡24bと、XYテーブル11上でガルバノスキャナ26aによるレーザ光Lαの走査方向とは相異なる方向にレーザ光Lβを走査するガルバノスキャナ26bと、が配置されている。なお、以下では、ガルバノスキャナ26a,26bを副ガルバノスキャナ26a,26bともいう。
詳細は後述するが、収差補正鏡24a,24bは、レーザ光の被加工物12上面での楕円形状をほぼ真円形状に補正する機能を有する。また、焦点収差補正鏡25aは、レーザ光Lαの結像位置を変化させて、レーザ光Lαの被加工物12上での大きさを、レーザ光Lβの被加工物12上での大きさと一致させる機能を有する。
なお、以下では、焦点差補正鏡25a、副ガルバノスキャナ26a,26b、第2の偏向手段28、メインガルバノスキャナ29およびfθレンズ31を含む構成を加工ヘッドという。この加工ヘッドは、Z軸方向に移動可能である。
また、この図1では簡単のため、光路上に配置される固定ミラー23aと、収差補正鏡24a,24bと、焦点差補正鏡25aと、ガルバノスキャナ26a,26b,29a,29bとは、レーザ光L,Lα,Lβの光路をX軸、Y軸およびZ軸のいずれかとほぼ平行になるように、レーザ光L,Lα,Lβを90度の角度で曲げる(反射させる)目的で、たとえば図に示されるXYZ座標系のいずれかの軸に対して、反射面がほぼ45度の角度をなして配置される場合で説明する。また、第1の偏向手段22で透過した側のレーザ光Lαは第2の偏向手段28では反射し、第1の偏向手段22で反射した側のレーザ光Lβは第2の偏向手段28で透過するように光路が構成される。さらに、第1の偏向手段22と第2の偏向手段28との間で分光したそれぞれのレーザ光Lα,Lβの光路長は同一になるように構成されている。
さらに、第1の偏向手段22と第2の偏向手段28との間の2つのレーザ光Lα,Lβの光路上に配置される固定ミラー23a、収差補正鏡24a,24bおよび焦点差補正鏡25aの合計数と、ガルバノスキャナ26a,26bの数とはともに、2つの光路で等しくなるように配置されている。さらに、2つのレーザ光Lα,Lβで特性の差が出ないように、ガルバノスキャナの配置方法も工夫されている。すなわち、fθレンズ31からガルバノスキャナ26a,26bの配置位置までの光路長はともに、2つの光路で等しくなるように設計されている。
つまり、第1の偏向手段22で透過したレーザ光Lαの第2の偏向手段28までの光路上には、n(nは自然数)枚のミラー(収差補正鏡24aと焦点差補正鏡25a)と1つのガルバノスキャナ26aが設けられている。また、第1の偏向手段22で反射したレーザ光Lβの第2の偏向手段28までの光路上には、n枚のミラー(固定ミラー23aと収差補正鏡24b)と1つのガルバノスキャナ26bが設けられている。ただし、この図1の場合では、n=2枚であるが、装置構成によって、配置するミラーの数を適宜増やすことが可能である。このような構成によって、2つの光路上には同数のミラーとガルバノスキャナが配置されるので、2つの光路上を通過するレーザ光の品質を同等のものとすることができる。
また、光学系は図1に示されるように、レーザ光Lα用のガルバノスキャナ26aと、レーザ光Lβ用のガルバノスキャナ26bとの走査方向が同一にならないように設置される。この図1の例においては、(理想的なfθレンズ31を仮定すると)レーザ光Lα用のガルバノスキャナ26aの走査方向は、直後でX方向でありXYテーブル11上ではX方向となるように、ガルバノミラー27aの回転軸がZ軸方向となるようにガルバノスキャナ26aが配置される。また、レーザ光Lβ用のガルバノスキャナ26bの走査方向は、直後でZ方向でありXYテーブル11上ではY方向となるように、ガルバノミラー27bの回転軸がY軸方向となるように、ガルバノスキャナ26bは配置される。つまり、ガルバノスキャナ26aを走査することで、レーザ光LαをXYテーブル11上のX軸方向に走査することができ、ガルバノスキャナ26bを走査することで、レーザ光LβをXYテーブル11上のY軸方向に走査することができる。
制御部50は、収差補正鏡24a,24bの反射面の形状を所定の条件に基づいて変化させる収差補正鏡制御機能51と、焦点差補正鏡25aの反射面の形状を所定の条件に基づいて変化させる焦点差補正鏡制御機能52と、収差補正鏡制御機能51および焦点差補正鏡制御機能52で設定された収差補正鏡24a,24bおよび焦点差補正鏡25aの反射面形状で被加工物12の穴あけ加工を行う加工制御機能53と、を備える。なお、加工制御機能53では、被加工物12上の所定の位置に加工穴をあけるプログラムなどの加工情報にしたがって、レーザ発振器20の出力を制御し、メインガルバノスキャナ29と副ガルバノスキャナ26a,26bのガルバノミラー30a,30b,27a,27bを回転させる。また、収差補正や焦点差補正を行う試しの加工処理時に、撮像手段41で被加工物12に形成した加工穴を撮像する。
つぎに、このような構成を有するレーザ加工装置のレーザ加工処理時の動作について説明する。レーザ発振器20から発振されたレーザ光L0は、偏光方向をZ軸に対して45度の向きに調整されており、マスク21を通過して所定の大きさと形状を有するレーザ光Lに絞られた後、第1の偏向手段22に入射する。第1の偏向手段22では、偏光方向が入射面と垂直なP波であるレーザ光Lαと、偏光方向が入射面と平行なS波であるレーザ光Lβとに分光される。
レーザ光Lαは、第1の偏向手段22を透過し、収差補正鏡24aと、焦点差補正鏡25aと、1つのレーザ光用のガルバノスキャナ26aとを経由して第2の偏向手段28へと導かれる。また、レーザ光Lβは、第1の偏向手段22で反射され、固定ミラー23aと、収差補正鏡24bと、1つのレーザ光用のガルバノスキャナ26bとを経由して第2の偏向手段28へと導かれる。
第2の偏向手段28を経由したそれぞれのレーザ光Lα,Lβは、メインガルバノスキャナ29a,29bで走査され、fθレンズ31を通過することで、それぞれ被加工物12上の2点に照射される。そして、被加工物12が加工される。走査領域内の穴の加工がすべて終了した後、XYテーブル11を図中のXY方向に移動させることで、つぎの走査領域の加工を実施することができる。このとき、副ガルバノスキャナ26a,26bとメインガルバノスキャナ29a,29bは、ともに制御部50の加工制御機能53によって予め設定された加工情報に基づいてミラー角度が制御される。また、収差補正鏡24a,24bも、収差補正鏡制御機能51によって反射面が所定の曲率を有するように制御され、焦点差補正鏡25aも、焦点差補正鏡制御機能52によって反射面が所定の曲率を有するように制御される。
ここで、レーザ光の収差(非点)の補正処理と焦点差の補正処理について説明する。通常、レーザ光の収差補正を行った後に、複数のレーザ光間の被加工物12上でのビーム径の違いを補正する焦点差補正を行うので、最初に収差補正処理について説明し、つぎに焦点差補正処理について説明する。
(収差補正処理)
レーザ光の収差(非点)と、その収差を補正する収差補正鏡24a,24bの構造について説明する。図2−1〜図2−2は、収差補正鏡におけるレーザ光のメリジオナル平面とサジタル平面を説明するための図である。図2−1に示されるように、レーザ加工装置の光学系において、光軸と主光線Lmを含む面をメリジオナル平面PMといい、入射点(反射点)において、主光線Lmを含みメリジオナル平面PMに垂直な面をサジタル平面PSという。また、収差補正鏡24a,24bの反射面(上面)とメリジオナル平面PMとの交線方向をa軸とし、収差補正鏡24a,24bの反射面(上面)とサジタル平面PSとの交線方向をb軸とする。以下では、このa軸方向をメリジオナル方向ともいい、b軸方向をサジタル方向ともいう。
また、図2−2に示されるように、マスク21を通過したレーザ光が、収差補正鏡24a(24b)によって反射され、fθレンズ31で像を結ぶ場合を考える。ここで、一点鎖線は、メリジオナル平面で切ったときのレーザ光LMの軌跡を示しており、点線は、サジタル平面で切ったときのレーザ光LSの軌跡を示している。これらのレーザ光の軌跡は実際には垂直に交わる関係にあるが、この図では説明の便宜上同一平面内に示している。また、これらの平面上の焦点を結像位置というものとする。通常、メリジオナル平面上の結像位置PMとサジタル平面上の結像位置PSとは、この図に示されるように一致しない。この図では、メリジオナル平面上の結像位置PMの方がサジタル平面上の結像位置PSに比してfθレンズ31よりも近くに位置している場合が示されている。
メリジオナル平面上のレーザ光LMの結像位置PMとサジタル平面上のレーザ光LSの結像位置PSの中点を結像位置の中心位置P1(メリジオナル平面上のレーザ光LMとサジタル平面上のレーザ光LSとを合成したレーザ光L1の結像位置)というものとすると、結像位置の中心位置P1におけるメリジオナル平面内での光線の広がりと、サジタル平面内での光線の広がりとが等しいので、結像位置の中心位置P1でのレーザ光の進行方向に垂直な面内での形状(ビーム形状)は円形となる。しかし、結像位置の中心位置P1からメリジオナル平面上の結像位置PM側またはサジタル平面上の結像位置PS側にずれると、両平面内での光線の広がりに差が生じ、レーザ光のビーム形状は楕円形となる。このとき、結像位置の中心位置P1からメリジオナル平面上の結像位置PM側とサジタル平面上の結像位置PS側とで形成されるそれぞれのレーザ光の楕円の長軸の向きは、レーザ光の進行方向に垂直な面内で90度回転した位置関係にある。
この収差補正鏡24a,24bでは、上記のメリジオナル平面上の結像位置PMとサジタル平面上の結像位置PSとを一致させる補正、より具体的には、ビーム形状をほぼ真円とする補正を行う。この補正は、図2−2から理解されるように、メリジオナル平面上の結像位置PMが結像位置の中心位置P1へと向かうよう(図の右方向)に移動させ、サジタル平面上の結像位置PSが結像位置の中心位置P1へと向かうように(図の左方向)に移動させることによって行う。つまり、メリジオナル平面上の結像位置PMとサジタル平面上の結像位置PSとを逆方向に移動させるように補正を行う。ただし、ここでは後述する焦点差補正鏡25aによる焦点を合わせる機能と分けるために結像位置の中心位置P1が補正の前後で変化しないように補正することを前提とする。
一般的に、屈折率nが1の媒質中において、光学系における光線の光軸からの距離をrinとし、光線の光軸とのなす角度をθinとし、出射面における光線の光軸からの距離をroutとし、光線の光軸とのなす角度をθoutとしたとき、rin,θinと、rout,θoutとの間の関係は、次式(1)に示されるように線形で表すことができる。
Figure 2009125761
この式(1)内の行列Aは、2行2列の行列であり、光学系の光線行列という。収差補正鏡24a,24bのメリジオナル方向(図2−1のa軸方向)の曲率をRM1とし、サジタル方向(図2−1のb軸方向)の曲率をRS1とし、収差補正鏡24a,24bへのレーザ光Lα,Lβの入射角をθとすると、メリジオナル平面での光線行列Aは、次式(2)で表現され、サジタル平面での光線行列Aは次式(3)で表現される。なお、RM1>0,RS1>0の場合は、収差補正鏡24a,24bのメリジオナル方向とサジタル方向の曲率が凹んだ状態にあり、RM1<0,RS1<0の場合は、収差補正鏡24a,24bのメリジオナル方向とサジタル方向の曲率が凸の状態にあることを示している。
Figure 2009125761
Figure 2009125761
ここで、結像位置の中心位置P1が補正の前後でずれないように、メリジオナル平面とサジタル平面での結像位置が光軸方向に対称にずれるためには、収差補正鏡24a,24bのメリジオナル方向とサジタル方向で曲率の変化が逆(符号が+と−)のときに、メリジオナル方向とサジタル方向で同じ光線行列が得られればよいので、式(2)と式(3)から、次式(4)が成り立ち、次式(5)が得られる。
Figure 2009125761
Figure 2009125761
この式(5)を満たすように、収差補正鏡24a,24bのメリジオナル方向とサジタル方向の曲率半径を変化させることで、結像位置の中心位置P1を変化させずに、レーザ光のメリジオナル平面とサジタル平面での結像位置PM,PSを、結像位置の中心位置P1に向かって移動させて、収差補正することができる。なお、この式(5)のθは、収差補正鏡24a,24bへのレーザ光Lα,Lβの入射角であり、図1に示される場合には、45°である(ミラーによる折り返しが90°となる)。
図3−1は、収差補正鏡の変形状態を示す図であり、図3−2は、収差補正鏡の変形による結像位置のずれる方向を模式的に示す図である。図3−1で、収差補正鏡24a,24bの反射面(上面)とメリジオナル平面との交線をa軸とし、収差補正鏡24a,24bの反射面(上面)とサジタル平面との交線をb軸とする。このとき、収差補正鏡24a,24bの反射面のa軸に平行な直線上では中央が凹んだ凹型となり、b軸に平行な直線上では中央が突出した凸型である鞍型に反射面が変形する。つまり、メリジオナル方向(a軸)とサジタル方向(b軸)とで、曲率の変化が逆となるように変化させている。
図3−1のように変形させた収差補正鏡24a,24bに平行光が入射すると、メリジオナル方向(a軸)では中央が凹んだ凹型であるので、レーザ光は収束し、サジタル方向(b軸)では、中央が突出している凸型であるので、レーザ光は発散する。その結果、図3−2に示されるように、メリジオナル平面内の光L11は、補正前の結像位置P11からP10方向(図中左方向)に結像位置がずれ、サジタル平面内の光L12は、補正前の結像位置P12からP10方向(図中右方向)に結像位置がずれる。そして、レーザ光L10のビーム形状がほぼ真円形状となるように、式(5)にしたがった曲率RM1,RS1を求める。
図4−1は、収差補正鏡の構造の一例を示す組み立て図であり、図4−2は、収差補正鏡の変形の様子を示す図である。図4−1に示されるように、この収差補正鏡24a(24b)は、円形反射鏡241と、円形反射鏡241とほぼ同じ形状の支持部材242と、ピエゾ逆圧電効果により電圧を印加することによって長さを正確に制御できる4個のピエゾアクチュエータ243a−1,243a−2,243b−1,243b−2と、を備える。ピエゾアクチュエータ243a−1,243a−2は、a軸と円形反射鏡241の外周との交点付近の2箇所で円形反射鏡241の裏面と支持部材242の表面とに固定される。また、ピエゾアクチュエータ243b−1,243b−2は、b軸と円形反射鏡241の外周との交点付近の2箇所で円形反射鏡241の裏面と支持部材242の表面とに固定される。ピエゾアクチュエータ243a−1,243a−2,243b−1,243b−2と、円形反射鏡241および支持部材242との間は、ネジ止め、ロウ付け、接着剤による接着などの適当な方法によって固定される。
図3−1に示されるように収差補正鏡24a(24b)を変形させる場合には、ピエゾアクチュエータ243a−1,243a−2は、図4−2に示されるa軸と円形反射鏡241の外周との2箇所の交点245付近で円形反射鏡241を押す方向の加重Aを発生させ、ピエゾアクチュエータ243b−1,243b−2は、同じくb軸と円形反射鏡241の外周との2箇所の交点246付近で円形反射鏡241を引く方向の加重Bを発生させる。これによって、収差補正鏡24a(24b)の反射面241Aは、a軸に平行な直線上では中央が凹んだ凹型となり、b軸に平行な直線上では中央が突出した凸型である鞍型に変形する。
なお、各ピエゾアクチュエータ243a−1,243a−2,243b−1,243b−2の長さと、そのときの収差補正鏡24a,24b(円形反射鏡241)のa軸およびb軸方向の曲率RM1,RS1との間の関係を予め求めておく必要がある。
つぎに、収差補正鏡24a,24bを用いた収差の補正方法について説明する。まず、たとえば加工ヘッドの高さが基準値(0μm)のときの現在の収差補正鏡24a,24bの曲率(対応する各ピエゾアクチュエータ243a−1,243a−2,243b−1,243b−2の長さ)の状態で、制御部50の加工制御機能53による指示に基づいて被加工物12に対して穴をあける試しのレーザ加工を行う。そして、加工した穴形状を、撮像手段41で撮像する。
非点収差が有る場合には、穴形状(ビーム形状)が楕円になる。そこで、収差補正鏡制御機能51は、各ピエゾアクチュエータ243a−1,243a−2,243b−1,243b−2の長さを長くまたは短くする方向に所定量だけ変化させる。なお、このときピエゾアクチュエータ243a−1,243a−2,243b−1,243b−2の長さを、収差補正鏡24a,24bのa軸方向とb軸方向の曲率RM1,RS1が式(5)を満たすように変化させる。そして、同様に加工制御機能53は、被加工物12に対してレーザ加工を行い、その結果得られる穴形状を撮像手段41で撮像する。変化させたときのレーザ光による加工形状が楕円から真円に近くなれば、式(5)の制約にしたがって、そのままピエゾアクチュエータ243a−1,243a−2,243b−1,243b−2の長さを同じ方向に変化させていき、穴形状が最も真円に近くなるピエゾアクチュエータ243a−1,243a−2,243b−1,243b−2の長さを、上記の手順を繰り返すことによって求める。
一方、ピエゾアクチュエータ243a−1,243a−2,243b−1,243b−2の長さを所定量だけ変化させたときの、レーザ光による加工形状の扁平の度合いがさらに大きくなる場合には、収差補正鏡制御機能51は、式(5)の制約にしたがってピエゾアクチュエータ243a−1,243a−2,243b−1,243b−2の長さを反対方向に変化させ、加工制御機能53は、レーザ加工を行って穴形状を撮像する処理を繰り返し行って、撮像した穴形状が最も真円に近くなるピエゾアクチュエータ243a−1,243a−2,243b−1,243b−2の長さを求める。なお、最も真円に近いというのは、最も真円に近い状態から所定の許容できる範囲の状態に有ることを意味する。
以上のようにして求めたほぼ真円の穴形状が得られるピエゾアクチュエータ243a−1,243a−2,243b−1,243b−2の長さを収差補正鏡制御機能51に加工条件として設定する。その後に行われる加工では、収差補正鏡制御機能51は、設定されたピエゾアクチュエータ243a−1,243a−2,243b−1,243b−2の長さを収差補正鏡24a,24bに設定し、収差補正鏡24a,24bの収差がほぼなくなるように反射面を変形させた後、加工制御機能53は、予め設定された加工情報にしたがって、被加工物12への穴あけ加工を行う。
図5−1は、収差補正前の加工穴の様子を模式的に示す図であり、図5−2は、収差補正後の加工穴の様子を模式的に示す図であり、図5−3は、図5−1と図5−2の加工穴の被加工物上での位置を示す図である。図5−1に示されるように、収差補正前では、加工ヘッドの高さが0μm(基準位置)のときにのみメリジオナル方向とサジタル方向の収差が所定値以下で、加工穴の形状がほぼ真円となっている。しかし、加工ヘッドの高さが0μmよりも高くなると、加工穴の形状が左右方向に長い楕円形状へと変化し、逆に加工ヘッドの高さが0μmよりも低くなると、加工穴形状が上下方向に長い楕円形状へと変化している。つまり、レーザ光の収差補正がなされていないので、加工ヘッドの高さを変えると、レーザ光の形状が真円からずれてしまう。
これに対して、図5−2に示されるように、適正な収差補正を施した後では、加工穴の大きさに多少のばらつきが存在するものの、加工ヘッドの高さがすべての範囲で、メリジオナル方向とサジタル方向の収差が所定値以下となるので、加工穴の形状が真円となっている。このように、収差補正を行うと、加工穴の形状がほぼ円となる加工ヘッドの高さの範囲が広がり、加工条件の幅が広げられる。
なお、上述した説明では、被加工物12上に形成される穴形状の非点の方向が収差補正鏡24a,24bのa軸−b軸方向に一致する場合を例に挙げて説明したが、穴形状の非点の方向がa軸−b軸方向に一致するとは限らない。図6は、穴形状の非点の方向が収差補正鏡24a,24bのa軸−b軸方向からずれている状態を示す図である。この図に示されるように、穴形状の非点の方向がa軸−b軸方向からずれている場合には、収差補正鏡24a,24bを反射面内で回転させ、非点の方向がa軸−b軸方向と一致するように調整する必要がある。つまり、穴形状の径が長い方または短い方と収差補正鏡24a,24bのa軸またはb軸を一致させる。そのため、収差補正鏡24a,24bは、回転可能な構成を有している。
(焦点差補正処理)
複数のレーザ光Lα,Lβ間の被加工物12上でのビーム径の大きさの違いを補正する焦点差補正処理について説明する。図7−1は、2つのレーザ光の焦点が一致していない状態の加工穴の状態の一例を示す図であり、図7−2は、焦点差補正処理によってレーザ光の焦点を一致させた状態の加工穴の状態の一例を示す図である。これらの図7−1において、左側の図はレーザ光Lαの加工穴を示しており、右側の図はレーザ光Lβの加工穴を示している。また、この図において、点線で囲まれた領域は、収差が補正され、被加工物12上でのビーム形状がほぼ真円である領域を示している。この図に示されるように、レーザ光Lαの加工穴形状がほぼ真円となる加工ヘッドの高さが−60〜−20μmであり、レーザ光Lβの加工穴形状がほぼ真円となる加工ヘッドの高さが−20〜20μmである。つまり、加工ヘッドの高さが0μmの場合に、レーザ光Lβの焦点は合っている状態であるが、レーザ光Lαの焦点は合っていない。このような状態を改善するために、レーザ光Lαの結像位置を補正する必要が生じてくる。
そこで、焦点差補正鏡25aは、収差補正鏡24a,24bによって収差が補正されたほぼ真円のレーザ光の被加工物12上面でのビーム径の大きさを、反射面の曲率を変化させることによって変化させる機能を有する。具体的には、第1の偏向手段22で分光されたレーザ光Lα,Lβの被加工物12上面での穴形状が一致していない場合に、両者を揃えるために、レーザ光Lαの結像位置を変化させる機能を有する。その結果、図7に示されるレーザ光Lαの加工に使用できるレーザ光の範囲をレーザ光Lβに合わせることが可能になる。
ここで、焦点差補正鏡25aのメリジオナル方向の曲率をRM2とし、サジタル方向の曲率をRS2とし、焦点差補正鏡25aでの入射角をθとすると、メリジオナル平面での光線行列は、次式(6)で表現され、サジタル平面での光線行列は次式(7)で表現される。
Figure 2009125761
Figure 2009125761
このとき、焦点差補正鏡25aの反射面の曲率を変化させるが、メリジオナル方向とサジタル方向とで、収差を発生させずに結像位置を変化させるように変形させる必要がある。つまり、焦点差補正鏡25aの反射面の曲率を変化させるときに、メリジオナル方向の光線行列とサジタル方向の光線行列とが等しければよいので、式(6)と式(7)から次式(8)が成り立ち、次式(9)が得られる。
Figure 2009125761
Figure 2009125761
この式(9)を満たすように、メリジオナル方向とサジタル方向の曲率半径RM2,RS2を変化させることで、レーザ光Lαのメリジオナル方向とサジタル方向の収差の発生を抑制しつつ、レーザ光Lαの大きさを変化させることができる。また、この式(9)に示されるように、収差補正鏡24a,24bの場合と異なり、焦点差補正鏡25aでは、メリジオナル方向とサジタル方向とで、曲率の変化が同じ方向となっている。なお、この式(9)のθは、焦点差補正鏡25aへのレーザ光Lαの入射角であり、図1に示される場合には、45°である(ミラーによる折り返しが90°となる)。
図8−1は、焦点差補正鏡の変形状態を示す図であり、図8−2は、焦点差補正鏡の変形による結像位置のずれる方向を模式的に示す図であり、図8−3は、焦点差補正鏡の構造の一例を示す組み立て図である。図8−1で、焦点差補正鏡25aの反射面(上面)とメリジオナル平面との交線をa軸とし、焦点差補正鏡25aの反射面(上面)とサジタル平面との交線をb軸とする。このとき、RM2,RS2がともに正の場合には、図8−1に示されるように、焦点差補正鏡25aの反射面のa軸、b軸のそれぞれに平行な直線上では中央が凹んだ凹型となり、RM2,RS2がともに負の場合には、a軸、b軸のそれぞれに平行な直線上では中央が突出した凸型となるように、反射面が変形する。
図8−1のように変形させた焦点差補正鏡25aに平行光が入射すると、メリジオナル方向とサジタル方向のそれぞれで中央が凹んだ凹型の反射面であるので、図8−2に示されるようにレーザ光L13からレーザ光L14へと収束し、結像位置は変形させる前のP13からP14へとずれる。なお、この図8−2では、焦点差補正鏡25aによってメリジオナル方向とサジタル方向の収差が補正されたレーザ光の結像位置の変化を示している。そして、この結像位置のずれによって、レーザ光Lαの被加工物12上でのビーム径が、レーザ光Lβの被加工物12上でのビーム径と一致するような、式(9)にしたがった曲率RM2,RS2を求める。
また、図8−3に示されるように、焦点差補正鏡25aは、円形反射鏡251と、円形反射鏡251とほぼ同じ形状の支持部材252と、ピエゾ逆圧電効果により電圧を印加することによって長さを正確に制御できる4個のピエゾアクチュエータ253a−1,253a−2,253b−1,253b−2と、円形反射鏡251の中央部分の高さを固定するための固定部材254と、を備える。ピエゾアクチュエータ253a−1,253a−2は、a軸と円形反射鏡251の外周との交点付近の2箇所で円形反射鏡251の裏面と支持部材252の表面とに固定される。また、ピエゾアクチュエータ253b−1,253b−2は、b軸と円形反射鏡251の外周との交点付近の2箇所で円形反射鏡251の裏面と支持部材252の表面とに固定される。さらに、固定部材254は、所定の長さの伸縮しない材料によって構成され、円形反射鏡251の裏面の中央部分と、支持部材252の表面の中央部分とを接続するように固定される。ピエゾアクチュエータ253a−1,253a−2,253b−1,253b−2および固定部材254と、円形反射鏡251および支持部材252との間は、ネジ止め、ロウ付け、接着剤による接着などの適当な方法によって固定される。なお、このような構造の焦点差補正鏡25aの場合には、焦点差を補正するために、すべてのピエゾアクチュエータ253a−1,253a−2,253b−1,253b−2は、同じ方向に長さを変化させる。また、この場合にも各ピエゾアクチュエータ253a−1,253a−2,253b−1,253b−2の長さと、そのときの焦点差補正鏡25aのa軸およびb軸方向の曲率RM2,RS2との間の関係を予め求めておく必要がある。
つぎに、焦点差補正鏡25aを用いた2つの光路の焦点差の補正方法について説明する。ここでは、収差補正鏡24a,24bによる各レーザ光Lα,Lβの結像形状の補正が既になされている状態にあり、その補正値が収差補正鏡制御機能51に設定されているものとする。まず、たとえば加工ヘッドの高さが基準値(0μm)のときの現在の焦点差補正鏡25aの曲率(対応する各ピエゾアクチュエータの長さ)の状態で、制御部50の加工制御機能53による指示に基づいて被加工物12に対して穴をあける試しのレーザ加工を行う。そして、加工した穴形状を、撮像手段41で撮像する。
2つのレーザ光Lα,Lβの間に焦点差が存在する場合には、レーザ光Lα,Lβの穴形状(ビーム形状)が異なる。そこで、最初に、加工ヘッドの高さとレーザ光Lα,Lβの穴形状との関係を測定し、いずれの光路の焦点が短いかを判断する。ここで、焦点差補正鏡25aがレーザ光Lαの光路に挿入されているので、レーザ光Lβを光路の基準とする。その結果、レーザ光Lαの焦点がレーザ光Lβの焦点よりも短い場合には、焦点差補正鏡制御機能52は、レーザ光Lαの焦点距離を伸ばすために、焦点差補正鏡25aのa軸方向とb軸方向の曲率RM2,RS2が式(9)を満たすように、各ピエゾアクチュエータの長さを変化させる。この場合には、各ピエゾアクチュエータを短くするように変化させればよい。そして、同様に加工制御機能53による被加工物12に対して試しのレーザ加工を行い、その結果得られる穴形状と加工ヘッドの高さとの関係を測定する。このとき、レーザ光Lαの焦点距離が、レーザ光Lβの焦点距離に近くなれば、式(9)の制約にしたがって、そのままピエゾアクチュエータの長さを同じ方向に(短く)変化させていき、2つのレーザ光Lα,Lβの焦点が等しくなるピエゾアクチュエータの長さを、上記の手順を繰り返すことによって求める。ここで、2つのレーザ光Lα,Lβの焦点が等しいとは、2つのレーザ光の焦点距離の差が所定の許容できる範囲内にあることをいう。
一方、レーザ光Lαの焦点がレーザ光Lβの焦点よりも長い場合には、焦点差補正鏡制御機能52は、レーザ光Lαの焦点距離を短くするために、各ピエゾアクチュエータの長さを長くする方向に所定量だけ変化させる。このときもピエゾアクチュエータの長さの変化量は、式(9)の制約下で変化させる。その後、同様に加工制御機能53が被加工物12に対して試しのレーザ加工を行い、その結果得られる穴形状と加工ヘッドの高さとの関係を測定する。このとき、レーザ光Lαの焦点距離がレーザ光Lβの焦点距離に近くなれば、式(9)の制約にしたがって、そのままピエゾアクチュエータの長さを同じ方向に(長く)変化させていき、2つのレーザ光Lα,Lβの焦点が等しくなるピエゾアクチュエータの長さを、上記の手順を繰り返すことによって求める。
以上のようにして求めたレーザ光Lα,Lβの被加工物12上でのビーム径がほぼ等しいピエゾアクチュエータの長さを加工条件として焦点差補正鏡制御機能52に設定する。このようにして焦点が設定された状態で加工穴を形成した状態が図7−2に示されている。図7−1では、加工穴の形状はみなほぼ真円であるが、2つのレーザ光の焦点が一致していない状態であったが、図7−2では、2つのレーザ光の焦点が一致した状態となっている。つまり、左側のレーザ光Lαと右側のレーザ光Lβでの加工穴形状がほぼ真円で加工に適した大きさとなる加工ヘッドの高さが−20〜20μmとなり、焦点が一致している状態にある。
その後に行われる加工では、焦点差補正鏡制御機能52は、設定されたピエゾアクチュエータの長さを焦点差補正鏡25aに設定し、レーザ光Lβの被加工物12上でのビーム径に、レーザ光Lαのビーム径が等しくなるように反射面を変形させた後、加工制御機能53は、予め設定された加工情報にしたがって、被加工物12への穴あけ加工を行う。
以上のような構成によって、制御部50の加工制御機能53によるレーザ加工時には、レーザ発振器20から出力され、マスク21を通過し、第1の偏向手段22で分光されたレーザ光Lαには、その光路上に収差補正鏡24aと焦点差補正鏡25aが配置されており、また、レーザ光Lβには、その光路上に収差補正鏡24bが配置されているので、被加工物12上での収差が補正されるとともに、被加工物12上でのビーム径が2つのレーザ光Lα,Lβでほぼ等しくなる。
なお、上述した説明では、焦点差補正鏡25aをレーザ光Lαの光路上にのみ設けた場合を説明したが、分光された複数の光路の少なくとも1つの光路に焦点差補正鏡が設置されていればよい。つまり、焦点差補正鏡をレーザ光Lβの光路上にのみ設けてもよいし、レーザ光Lα,Lβのそれぞれの光路上に設けてもよい。
また、上述した説明では、レーザ光Lα,Lβの光路上に収差補正鏡24a,24bを設けているが、被加工物12に照射されるレーザ光に収差が発生しないように構成されている場合には、収差補正鏡24a,24bを設ける必要はない。この場合には、収差補正鏡24a,24bに代えて、単にレーザ光Lα,Lβを反射させて光路に導く固定ミラーが設けられる。
さらに、上述した説明では、収差補正時に、収差補正鏡24a,24bの反射面を式(5)にしたがって変化させて、2つのレーザ光Lα,Lβの結像位置の中心位置を変化させないで収差を補正する場合を示したが、収差補正鏡24a,24bの反射面を式(5)の制約にしたがって変化させずに収差補正を行ってもよい。つまり、収差補正鏡24a,24bの反射面を式(5)にしたがわずに変化させて2つのレーザ光Lα,Lβの収差補正を行った後に、焦点差補正鏡25aの反射面を式(9)にしたがって変化させて、収差補正鏡24a,24bによる収差補正で生じた焦点差を含めて2つのレーザ光Lα,Lβの焦点差の補正を行ってもよい。
この実施の形態1によれば、レーザ発振器20から出射され、分光された複数のレーザ光の光路の少なくとも1つの光路上に、焦点差補正鏡25aを設けるようにしたので、複数のレーザ光の被加工物12上でのビーム径を、収差を発生させることなく同じ大きさにすることができる。また、レーザ発振器20から出射され、分光された複数のレーザ光の光路上に、収差補正鏡24a,24bを設けるようにしたので、メリジオナル方向の結像位置とサジタル方向の結像位置の違いによって生じる結像形状を補正して、被加工物12上面でのレーザ光の形状(穴形状)を最も真円に近い状態とすることができる。さらに、収差補正鏡24a,24bによる収差補正を、結像位置の中心位置を変化させずに行うようにしたので、複数の光路上のレーザ光の焦点差と、各レーザ光の収差と、を独立して補正することができる。
実施の形態2.
図9は、この発明にかかるレーザ加工装置の実施の形態2の構成の一例を示す図である。このレーザ加工装置は、実施の形態1の図1のレーザ加工装置において、レーザ光Lα,Lβの光路上の焦点差補正鏡25aを固定ミラー23bで置き換え、また、制御部50には、焦点差補正鏡制御機能52が取り除かれた構成を有する。
つまり、レーザ光Lαの光路上には、レーザ光Lαを反射させるとともに、被加工物12の上面でメリジオナル平面とサジタル平面での結像位置の違いによって生じる形状を補正する収差補正鏡24aと、レーザ光Lαを反射させる固定ミラー23bと、レーザ光LαをXYテーブル11上の所定の方向に走査するガルバノスキャナ26aと、が配置されている。
また、レーザ光Lβの光路上には、分光されたレーザ光Lβを反射させて光路に導く固定ミラー23aと、レーザ光Lβを反射させるとともに、被加工物12の上面でメリジオナル平面とサジタル平面での結像位置の違いによって生じる形状を補正する収差補正鏡24bと、XYテーブル11上のレーザ光Lαのガルバノスキャナ26aによる走査方向とは相異なる方向にレーザ光Lβを走査するガルバノスキャナ26bと、が配置されている。
そして、この実施の形態2でも、収差補正鏡24a,24bは、上記した式(5)にしたがって、その反射面のメリジオナル方向の曲率RM1とサジタル方向の曲率RS1を変化させる。これによって、収差補正の前後で結像位置の中心位置を変えずに、第1の偏向手段22によって分光された2つのレーザ光Lα,Lβのそれぞれに生じるメリジオナル方向とサジタル方向の収差を補正することができる。なお、実施の形態1と同一の構成要素には同一の符号を付して、その説明を省略している。また、収差補正処理の方法も実施の形態1と同じであるので、その説明を省略する。
この実施の形態2によれば、レーザ発振器20から出射され、分光された複数のレーザ光の光路上に、収差補正鏡24a,24bを設けるようにしたので、メリジオナル方向の結像位置とサジタル方向の結像位置との中点である結像位置の中心位置を変化させずに、各レーザ光のメリジオナル方向とサジタル方向の収差を補正することができる。
実施の形態3.
実施の形態1,2では、第1の偏向手段22で分光された複数のレーザ光の光路上に配置されるガルバノスキャナの数が等しい構成のレーザ加工装置の場合を例に挙げて説明したが、他の構成のレーザ加工装置に対してもこの発明を適用することができる。
図10は、この発明にかかるレーザ加工装置の実施の形態3の構成の一例を示す図である。このレーザ加工装置は、実施の形態1の図1のレーザ加工装置と比べて、光学系の構成が異なっている。つまり、実施の形態1に示したレーザ加工装置では、上記したように分光された各光路上に配置されるガルバノスキャナの数を同じくした構成の光学系を有していたが、この実施の形態3のレーザ加工装置では、分光された各光路上に配置されるガルバノスキャナの数が異なる構成の光学系を有する。
より具体的には、この実施の形態3の光学系は、レーザ発振器20から出射される直線偏光のレーザ光L0を円偏光のレーザ光LCに変えるリターダ23cと、加工穴を所望の大きさ、形状にするためにレーザ光LCから必要な部分のレーザ光Lを切取るマスク21と、レーザ光Lを反射して所定の光路に導く固定ミラー23dと、レーザ光Lを反射するとともに、第1の偏向手段22で分光される一方のレーザ光Lbの収差を補正する収差補正鏡24cと、収差補正鏡24cで反射されたレーザ光Lを、透過するレーザ光(以下、主ビームともいう)Laと反射するレーザ光(以下、副ビームともいう)Lbとに分光する偏光ビームスプリッタなどからなる第1の偏向手段22と、分光された主ビームLaと副ビームLbを混合(ミックス)し、ほぼ同一の光路に導く偏光ビームスプリッタなどからなる第2の偏向手段28と、第2の偏向手段28からの混合されたレーザ光La,LbとをXYテーブル11上で相異なる方向に走査するガルバノスキャナ29a,29bと、混合されたレーザ光La,Lbを被加工物12上に集光させるfθレンズ31と、を備える。
ここで、主ビームLaの光路上には、主ビームLaを反射させるとともに、主ビームLaの結像位置を変化させる焦点差補正鏡25bと、主ビームLaを反射させるとともに、主ビームLaのメリジオナル平面とサジタル平面での結像位置の違いによって生じる形状を補正する収差補正鏡24dと、が配置されている。
また、副ビームLbの光路上には、副ビームLbを反射させるとともに、XYテーブル11上のX軸方向に走査するガルバノスキャナ32aと、副ビームLbを反射させるとともにXYテーブル11上のY軸方向に走査するガルバノスキャナ32bと、が配置されている。ガルバノスキャナ32aは、ガルバノミラー33aの回転軸がX軸方向となるように配置され、ガルバノスキャナ32bは、ガルバノミラー33bの回転軸がY軸となるように配置される。また、これらのガルバノスキャナ32a,32bは、副ガルバノスキャナ32ともいう。
なお、実施の形態1と同一の構成要素には同一の符号を付してその説明を省略している。また、この図10では、撮像手段と、レーザ発振器20、メインガルバノスキャナ29、副ガルバノスキャナ32、収差補正鏡24c,24dおよび焦点差補正鏡25bを制御する制御部とについては、その図示を省略している。
ここで、このような構成のレーザ加工装置の動作について説明する。レーザ発振器から出射された直線偏光のレーザ光L0は、リターダ23cによって円偏光のレーザ光LCにされ、マスクで所定の大きさと形状のレーザ光Lにされる。そして、このレーザ光Lが固定ミラー23dと収差補正鏡24cで反射されて第1の偏向手段22に入射する。第1の偏向手段22では、偏光方向が入射面と垂直なP波であるレーザ光と、偏光方向が入射面と平行なS波であるレーザ光とに分光される。
第1の偏向手段22を透過したレーザ光(主ビーム)Laは、焦点差補正鏡25bと収差補正鏡24dを経由して、第2の偏向手段28に導かれる。一方、第1の偏向手段22で反射したレーザ光(副ビーム)Lbは、副ガルバノスキャナ32a,32bで2軸方向に走査された後、第2の偏向手段28に導かれる。ここで、主ビームLaは、常に同じ位置で第2の偏向手段28に導かれるが、副ビームLbは、ガルバノスキャナ32a,32bの振り角を制御することで、第2の偏向手段28に入射する位置や角度が調整される。
その後、主ビームLaは第2の偏向手段28で反射され、副ビームLbは第2の偏向手段28で透過されることで、二つのレーザ光La,Lbは、ほぼ同じ光路をメインガルバノスキャナ29a,29bへと導かれる。そして、ガルバノスキャナ29a,29bによって2軸方向に走査された後、fθレンズ31に導かれ、それぞれ被加工物12上の所定位置に集光され、加工が実施される。このとき、副ガルバノスキャナ32a,32bとメインガルバノスキャナ29a,29bを走査することによって、被加工物12上の任意の異なる2点に、主ビームLaと副ビームLbとを照射することができる。走査領域内の穴の加工がすべて終了した後、XYテーブル11を図中のXY方向に移動させることで、つぎの走査領域の加工を実施することができる。
このとき、副ガルバノスキャナ32a,32bとメインガルバノスキャナ29a,29bは、ともに制御部50の加工制御機能53によって予め設定された加工情報に基づいてミラー角度が制御される。
また、収差補正鏡24c,24dは、図示しない収差補正鏡制御機能によって実施の形態1の式(5)に示される条件下で、反射面のメリジオナル方向とサジタル方向の曲率を変化させることで、結像位置の中心位置を変化させることなく、2つのレーザ光La,Lbの結像形状をほぼ真円に補正することができる。
さらに、焦点差補正鏡25bは、図示しない焦点差補正鏡制御機能によって実施の形態1の式(9)に示される条件下で、反射面のメリジオナル方向とサジタル方向の曲率を変化させることで、レーザ光の結像形状を変化させることなく、結像位置を変化させることが可能となる。
図10の構成では、副ビームLbの光路上に収差補正鏡24cの配置位置を確保できないために、第1の偏向手段22の前段に副ビームLbの収差補正用の収差補正鏡24cが設けられている。このような構成では、収差補正鏡24cで副ビームLbの収差補正を行うことはできるが、その補正による影響が主ビームLaにも及んでしまう。そのため、副ビームLbの収差補正→主ビームLaの収差補正→主ビームLaと副ビームLbの焦点差補正の順に補正を行うことが望ましい。なお、主ビームLaの光路上の焦点差補正鏡25bと収差補正鏡24dの配置位置は逆であってもよい。
この図10は一例であり、レーザ光Lの収差がないような装置構成とすることができる場合には、収差補正鏡24c,24dを設けずに、焦点差補正鏡25bのみを設ける構成としてもよい。また、実施の形態2のように、焦点差補正鏡25bを設けずに、収差補正鏡24c,24dのみを設ける構成としてもよい。
この実施の形態3によっても、光路が分岐されたレーザ光について、結像位置の中心位置を変化させずに収差を補正したり、収差が補正された複数のレーザ光間の被加工物12上でのビーム径を等しくするように補正したりすることができる。
なお、上記で示したレーザ加工装置の構成は一例であって、ミラーの数や光路の数を任意に変更することが可能である。また、上述した説明で、収差補正鏡24a〜24dと焦点差補正鏡25a,25bのa軸方向、b軸方向と、被加工物12上でのレーザ光Lα,Lβ,La,Lbのメリジオナル方向、サジタル方向とは、収差補正鏡24a〜24dや焦点差補正鏡25a,25bと、被加工物12との間に配置されるミラーの数によって変化するものであり、固定的な関係にあるものではない。また、上述したように、被加工物12上でのレーザ光Lα,Lβ,La,Lbのメリジオナル方向、サジタル方向と、収差補正鏡24a〜24dのa軸方向、b軸方向とが一致しない場合には、両者が一致するように収差補正鏡24a〜24dを面内で回転させればよい。
以上のように、この発明にかかるレーザ加工装置は、同時に複数の穴加工を精度よく行う場合に有用である。
この発明にかかるレーザ加工装置の実施の形態1の構成を示す図である。 収差補正鏡におけるレーザ光のメリジオナル平面とサジタル平面を説明するための図である。 収差補正鏡におけるレーザ光のメリジオナル平面とサジタル平面を説明するための図である。 収差補正鏡の変形状態を示す図である。 収差補正鏡の変形による結像位置のずれる方向を模式的に示す図である。 収差補正鏡の構造の一例を示す組み立て図である。 収差補正鏡の変形の様子を示す図である。 収差補正前の加工穴の様子を模式的に示す図である。 収差補正後の加工穴の様子を模式的に示す図である。 図5−1と図5−2の加工穴の被加工物上での位置を示す図である。 穴形状の非点の方向がa軸−b軸方向からずれている状態を示す図である。 焦点差補正鏡による補正前の加工穴の状態を模式的に示す図である。 焦点差補正鏡による補正後の加工穴の状態を模式的に示す図である。 焦点差補正鏡の変形状態を示す図である。 焦点差補正鏡の変形による結像位置のずれる方向を模式的に示す図である。 焦点差補正鏡の構造の一例を示す組み立て図である。 この発明にかかるレーザ加工装置の実施の形態2の構成の一例を示す図である。 この発明にかかるレーザ加工装置の実施の形態3の構成の一例を示す図である。
符号の説明
11 XYテーブル
12 被加工物
20 レーザ発振器
21 マスク
22 第1の偏向手段
23a,23b,23d 固定ミラー
23c リターダ
24a,24b,24c,24d 収差補正鏡
25a,25b 焦点差補正鏡
26a,26b,32,32a,32b 副ガルバノスキャナ
27a,27b,30a,30b,33a,33b ガルバノミラー
28 第2の偏向手段
29,29a,29b メインガルバノスキャナ
31 fθレンズ
41 撮像手段
50 制御部
51 収差補正鏡制御機能
52 焦点差補正鏡制御機能
53 加工制御機能
241,251 円形反射鏡
241A 反射面
242,253 支持部材
243a−1,243a−2,243b−1,243b−2,253a−1,253a−2,253b−1,253b−2 ピエゾアクチュエータ
254 固定部材

Claims (6)

  1. 第1の偏向手段でレーザ光を複数のレーザ光に分光し、第2の偏向手段で異なる複数の光路を経由してきた前記複数のレーザ光を混合し、前記複数のレーザ光をそれぞれ走査して、テーブル上に配置された被加工物上の異なる位置に同時に照射して加工を行うレーザ加工装置において、
    分光された前記複数のレーザ光の少なくとも1つの光路上に、該光路を経由するレーザ光の前記被加工物上でのビーム径を変化させる焦点差補正鏡と、
    前記被加工物上での前記レーザ光の照射面内で照射面の中心を通り互いに直交する2つの方向を第1と第2の方向とし、これらの第1と第2の方向に対応する前記焦点差補正鏡の反射面内での第3と第4の方向における前記焦点差補正鏡の曲率をそれぞれRM2,RS2とし、前記レーザ光の前記焦点差補正鏡に対する入射角をθとしたときに、下記式(1)にしたがって、前記焦点差補正鏡の前記第3および第4の方向の曲率を変化させる焦点差補正鏡制御手段と、
    を備えることを特徴とするレーザ加工装置。
    Figure 2009125761
  2. 前記各光路のレーザ光の前記第1の方向と前記レーザ光の主光線とを含む面内の第1の結像位置と、前記第2の方向と前記レーザ光の主光線とを含む面内の第2の結像位置との違いである収差を補正する収差補正鏡をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載のレーザ加工装置。
  3. 前記第1の結像位置と前記第2の結像位置との中点である結像位置の中心位置を変化させないように、前記収差補正鏡の反射面を変化させる収差補正鏡制御手段と、
    をさらに備えることを特徴とする請求項2に記載のレーザ加工装置。
  4. 前記収差補正鏡制御手段は、前記第1および第2の方向に対応する前記収差補正鏡の反射面内での第5と第6の方向における前記収差補正鏡の曲率をそれぞれRM1,RS1とし、前記レーザ光の前記収差補正鏡に対する入射角をθとしたときに、下記式(2)にしたがって、前記収差補正鏡の前記第5および第6の方向の曲率を変化させることを特徴とする請求項3に記載のレーザ加工装置。
    Figure 2009125761
  5. 前記収差補正鏡は、前記複数の光路上に設けられることを特徴とする請求項2〜4のいずれか1つに記載のレーザ加工装置。
  6. 前記収差補正鏡は、前記複数の光路のうちの1つの光路の収差を補正するために前記第1の偏向手段の前段の光路上と、前記複数の光路のうちの他の光路上のそれぞれと、に設けられることを特徴とする請求項2〜4のいずれか1つに記載のレーザ加工装置。
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