JP2009122558A - 画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】帯電可能で静電潜像を保持する像保持体1と、現像バイアスVBが印加可能な現像剤保持体2eを有する現像手段2と、像保持体1に当接する板状清掃部材3eを有する清掃手段3と、像保持体1に静電潜像を保持させずに且つ現像手段2の現像剤担持体2eに現像バイアスVBを印加しないときに像保持体1及び現像手段2の現像剤保持体2eを空回転可能に駆動制御する駆動制御手段11と、この駆動制御手段11にて像保持体1及び現像手段2の現像剤保持体2eを空回転するときに、現像剤保持体2eに保持されている現像剤トナーTのうち像保持体1へかぶり転移すべき量に基づいて像保持体1と現像手段2の現像剤保持体2eとの電位差を制御する電位差制御手段12とを備える。
【選択図】図1
Description
また、感光体等の像担持体に放電生成物が発生する事態を抑えるために、非画像形成時に帯電手段、現像手段及び転写手段のうちの少なくとも一つと像担持体表面との電位差を画像形成時の電位差未満に設定する技術が開示されている(例えば特許文献2参照)。
請求項2に係る発明は、請求項1に係る画像形成装置において、前記現像剤保持体に保持されている現像剤トナーが像保持体へかぶり転移すべき量を判別するかぶり転移量判別手段を備え、電位差制御手段が、かぶり転移量判別手段の判別結果に基づいて前記像保持体と前記現像手段の現像剤保持体との電位差を制御することを特徴とする画像形成装置である。
請求項4に係る発明は、請求項1又は2に係る画像形成装置において、直流電圧及び交流電圧が含まれる帯電バイアスを印加することで像保持体表面を帯電する帯電手段と、像保持体表面に光を照射することで像保持体表面を除電する除電手段とを備え、電位差制御手段が、現像バイアス非印加時に、前記除電手段による除電を行うことなく、前記帯電手段の帯電バイアスとしての交流電圧による除電を行うことにより像保持体の表面電位を制御するものであることを特徴とする画像形成装置である。
請求項5に係る発明は、請求項1又は2に係る画像形成装置において、像保持体表面に光を照射することで像保持体表面を除電する除電手段を備え、電位差制御手段が、現像バイアス非印加時に前記除電手段による光除電の程度を変化させることにより像保持体の表面電位を制御するものであることを特徴とする画像形成装置である。
請求項6に係る発明は、請求項1又は2に係る画像形成装置において、直流電圧及び交流電圧が含まれる除電バイアスを印加することで像保持体表面を除電する除電手段を備え、電位差制御手段が、現像バイアス非印加時に前記除電手段による除電バイアスを変化させることにより像保持体の表面電位を制御するものであることを特徴とする画像形成装置である。
請求項8に係る発明は、請求項2に係る画像形成装置において、かぶり転移量判別手段が、現像手段内の現像剤トナー濃度に基づいてトナーのかぶり転移量の有無を判別することを特徴とする画像形成装置である。
請求項9に係る発明は、請求項2に係る画像形成装置において、かぶり転移量判別手段が、像保持体の回転サイクル数に基づいてトナーのかぶり転移量の有無を判別することを特徴とする画像形成装置である。
請求項10に係る発明は、請求項2に係る画像形成装置において、かぶり転移量判別手段が、像保持体の静電潜像の画像部比率に基づいてトナーのかぶり転移量の有無を判別することを特徴とする画像形成装置である。
請求項11に係る発明は、請求項2に係る画像形成装置において、像保持体の駆動トルクを直接若しくは間接的に測定する駆動トルク測定手段を備え、かぶり転移量判別手段が、駆動トルク測定手段の測定結果に基づいてトナーのかぶり転移量の有無を判別することを特徴とする画像形成装置である。
請求項12に係る発明は、請求項1ないし11いずれかに係る画像形成装置において、駆動制御手段が空回転時の現像剤担持体の回転タイミング及び回転速度を制御し、電位差制御手段が前記駆動制御手段による現像剤担持体の回転制御情報を考慮し、トナーのかぶり転移量が所定量得られるように前記像保持体と前記現像手段の現像剤保持体との電位差を制御することを特徴とする画像形成装置である。
請求項15に係る発明は、請求項13又は14に係る画像形成装置において、電位差制御手段が、各像保持体上に形成される各色成分トナー像間に対応するインタイメージ部にて所定の制御動作を実行するものであることを特徴とする画像形成装置である。
請求項16に係る発明は、請求項13ないし15いずれかに係る画像形成装置において、前記現像剤保持体に保持されている現像剤トナーが像保持体へかぶり転移すべき量を判別するかぶり転移量判別手段を備え、このかぶり転移量判別手段が、多色作像時に空回転の未使用色の像保持体が存在し且つ当該像保持体の空回転サイクル数が予め規定された規定数以上に至った条件でトナーのかぶり転移量を有として判別することを特徴とする画像形成装置である。
請求項17に係る発明は、請求項13ないし16いずれかに係る画像形成装置において、電位差制御手段が、各色成分の像保持体に対して各像保持体と現像手段の現像剤保持体との間の電位差を選択的に個別制御することを特徴とする画像形成装置である。
請求項2に係る発明によれば、必要とするトナーのかぶり転移量を判別し、無駄なトナー消費量を極力抑えることができる。
請求項3に係る発明によれば、かぶりトナーを適量供給する上で、帯電手段の帯電バイアスを利用して像保持体の表面電位を簡単に調整することができる。
請求項4に係る発明によれば、かぶりトナーを適量供給する上で、光除電手段及び帯電手段の帯電バイアスを利用して像保持体の表面電位を簡単に調整することができる。
請求項5に係る発明によれば、かぶりトナーを適量供給する上で、光除電手段を利用して帯電手段を用いることなく像保持体の表面電位を簡単に調整することができる。
請求項6に係る発明によれば、かぶりトナーを適量供給する上で、除電手段の除電バイアスを利用して、帯電手段を用いることなく像保持体の表面電位を簡単に調整することができる。
請求項8に係る発明によれば、現像剤トナー濃度変化に応じてトナーのかぶり転移量の有無を簡単に判別し、かぶりトナーを適量供給することができる。
請求項9に係る発明によれば、像保持体の回転サイクル数に応じてトナーのかぶり転移量の有無を簡単に判別し、かぶりトナーを適量供給することができる。
請求項10に係る発明によれば、像保持体の静電潜像の画像部比率に応じてトナーのかぶり転移量の有無を簡単に判別し、かぶりトナーを適量供給することができる。
請求項11に係る発明によれば、像保持体の駆動トルクに応じてトナーのかぶり転移量の有無を簡単に判別し、かぶりトナーを適量供給することができる。
請求項12に係る発明によれば、トナーのかぶり転移領域を正確に規制することができ、もって、かぶりトナーを適量供給することができる。
請求項14に係る発明によれば、所謂タンデム型中間転写方式において、像保持体にかぶり転移したトナーを中間転写体側に転移させることなく清掃部材に対し確実に供給することができる。
請求項15に係る発明によれば、作像サイクル中のインタイメージ部を利用して像保持体に対してトナーをかぶり転移させることができ、その分、作像サイクルとは別に独自にトナーをかぶり転移させるサイクルを設ける必要がなく、画像形成装置としての作像性能を良好に保つことができる。
請求項16に係る発明によれば、多色作像時に空回転の未使用色の像保持体が存在したとしても、この未使用色の像保持体に対してかぶりトナーを適量供給し、もって、未使用色の像保持体と清掃部材との間の摩擦抵抗を低減することができ、像保持体の駆動トルクの上昇を抑えることができる。
請求項17に係る発明によれば、各色成分の像保持体に対して夫々かぶりトナーを適量供給し、もって、各像保持体と清掃部材との間の摩擦抵抗を低減することができ、各像保持体の駆動トルクの上昇を個々的に抑えることができる。
図1(a)は本発明が適用される画像形成装置の実施の形態の概要を示し、同図(b)はその要部を示す。
図1(a)(b)において、画像形成装置は、帯電可能で各色成分に対応した静電潜像を保持する複数の像保持体1(例えば1a〜1d)と、現像バイアスVBが印加可能な現像剤保持体2eを有し、現像バイアスVB印加時に当該現像剤保持体2eに保持された少なくとも各色成分トナーが含まれる現像剤にて各像保持体1上に保持された各静電潜像をトナー現像する複数の現像手段2と、各像保持体1に当接する板状の清掃部材3eを有し、この清掃部材3eにて各像保持体1上の残留トナーを清掃する複数の清掃手段3と、各像保持体1に対向して循環移動し且つ各像保持体1上の各色成分トナー像を順次転写保持した後に記録材15に一括転写する中間転写体5とを備えている。
尚、図1(a)(b)において、符号4は各像保持体1を帯電する帯電手段、6は各像保持体1上の各色成分トナー像を中間転写体5に順次転写させる一次転写手段、7は中間転写体5上に転写保持された各色成分トナー像を記録材15に一括転写する一括転写手段、8は記録材15に一括転写された各色成分トナー像を定着する定着手段、9は帯電手段4にて帯電された像保持体1に静電潜像を書き込む潜像書込手段である。
特に、図1(a)(b)に示す画像形成装置は、更に、前記いずれかの像保持体1に静電潜像を保持させずに且つ現像手段2の現像剤保持体2eに現像バイアスVBを印加しないときに前記像保持体1及び現像手段2の現像剤保持体2eを空回転可能に駆動制御する駆動制御手段11と、この駆動制御手段11にて前記像保持体1及び現像手段2の現像剤保持体2eを空回転するときに、現像剤保持体2eに保持されている現像剤トナーTのうち像保持体1へかぶり転移すべき量に基づいて前記像保持体1と前記現像手段2の現像剤保持体2eとの電位差を制御する電位差制御手段12とを備えている。
つまり、画像形成装置の態様としては、像保持体1が一つでも、複数でも差し支えないが、タンデム型中間転写方式では、複数の像保持体1間が所定の距離だけ離間配置されるため、例えばフルカラーモード時に像保持体1の作像領域前後のインタイメージ領域での空回転する時間が他の方式(単色方式や複数サイクル型中間転写方式など)に比べて長く存在する。よって、タンデム型中間転写方式の画像形成装置に本態様を適用することは特に有効である。
また、現像手段2は現像バイアスVBが印加される現像剤保持体2eを具備する態様であればよいが、現像方式としては二成分、一成分などを問わない。
更に、清掃手段3は板状清掃部材3eを具備する態様であればよく、板状清掃部材3e単独で使用する態様でもよいし、あるいは、他の清掃用ブラシなどの清掃部材と組み合わせて用いるようにしたものでも差し支えない。
そして、本実施の形態では、板状清掃部材3eと像保持体1との間の摩擦抵抗を低減させることを実現することを企図するものである。
しかしながら、像保持体1側にかぶりトナーを供給しなさ過ぎると、板状清掃部材3eのエッジ部と像保持体1との接触部位でのトナー溜まりが枯渇してしまうので、板状清掃部材3eと像保持体1との間の摩擦抵抗が上昇し、この板状清掃部材3eにより像保持体1の回転トルクが上昇する懸念がある。
この場合、板状清掃部材3eによる鳴き現象が発生したり、像保持体1の回転トルクが上昇し過ぎると像保持体1の回転動作が損なわれる懸念もある。また、かぶりトナーが供給されないことで像保持体1が偏摩耗する現象も起こり得る。
特に、最近の像保持体1の長寿命化を企図した技術では、像保持体1の表面層が従前のものに比べて硬くなっていく傾向があり、板状清掃部材3eによる像保持体1の回転トルクが上昇し易い状況にある。このような状況においては、本実施の形態のように、現像手段2も像保持体1と同期して空回転させ、像保持体1空回転時にかぶりトナーを適量供給するためのかぶりトナー制御を行う必要性が高くなってきている。
更に、電位差制御手段12は、駆動制御手段11にて像保持体1及び現像剤保持体2eを空回転させたときに、トナーのかぶり転移量に基づいて像保持体1と現像剤保持体2eとの間の電位差を制御するものであればよい。
ここで、トナーのかぶり転移量については予め固定的に設定してもよいし、あるいは、環境情報などの各種情報に基づいて可変設定するようにしてもよい。
また、両者間の電位差の制御については、所定レベル以上であればトナーのかぶり転移量を略0に調整可能であり、前記電位差が0に近づく程トナーのかぶり転移量を大きくするように調整可能である。
ここで、かぶり転移量判別手段13は、少なくともトナーのかぶり転移量の有無を判別すればよく、更には、かぶり転移量の大小について判別可能であることが好ましい。
更に、電位差制御手段12による像保持体1の表面電位制御方式としては例えば以下の制御方式1〜4が挙げられる。
制御方式1は、少なくとも直流電圧が含まれる帯電バイアスVHを印加することで像保持体1表面を帯電する帯電手段4を備え、電位差制御手段12が、現像バイアスVB非印加時に前記帯電手段4の帯電バイアスVHとしての直流電圧を変化させることにより像保持体1の表面電位を制御するものである。
制御方式2は、直流電圧及び交流電圧が含まれる帯電バイアスVHを印加することで像保持体1表面を帯電する帯電手段4と、像保持体1表面に光を照射することで像保持体1表面を除電する除電手段10とを備え、電位差制御手段12が、現像バイアスVB非印加時に、前記除電手段10による除電を行うことなく、前記帯電手段4の帯電バイアスVHとしての交流電圧による除電を行うことにより像保持体1の表面電位を制御するものである。
制御方式3は、像保持体1表面に光を照射することで像保持体1表面を除電する除電手段10を備え、電位差制御手段12が、現像バイアスVB非印加時に前記除電手段10による光除電の程度を変化させることにより像保持体1の表面電位を制御するものである。
制御方式4は、直流電圧及び交流電圧が含まれる除電バイアスを印加することで像保持体1表面を除電する除電手段10を備え、電位差制御手段12が、現像バイアスVB非印加時に前記除電手段10による除電バイアスを変化させることにより像保持体1の表面電位を制御するものである。
一つの態様としては、環境情報に基づいてトナーのかぶり転移量の有無を判別する態様である。ここでいう環境情報には温度及び湿度の少なくともいずれか一方を用いればよい。
別の態様としては、現像手段2内の現像剤トナー濃度に基づいてトナーのかぶり転移量の有無を判別する態様がある。
更に別の態様としては、像保持体1の回転サイクル数に基づいてトナーのかぶり転移量の有無を判別する態様がある。この場合、像保持体1の回転サイクル数が増えると、その分、像保持体1の残留電位が増加することを考慮すればよい。
更にまた、別の態様としては、像保持体1の静電潜像の画像部比率(エリアカートリッジ)に基づいてトナーのかぶり転移量の有無を判別する態様がある。この場合、静電潜像の画像部比率が低いと、その分、板状清掃部材3eに供給される残留トナー量が少なく、板状清掃部材3eと像保持体1との間の摩擦抵抗が上昇し易いことを考慮すればよい。
また、別の態様としては、像保持体1の駆動トルクを直接若しくは間接的に測定する駆動トルク測定手段(図示せず)を備え、かぶり転移量判別手段13が、駆動トルク測定手段の測定結果に基づいてトナーのかぶり転移量の有無を判別する態様が挙げられる。
ここで、像保持体1の駆動トルクを直接測定するには、駆動源のトルク測定を行えばよく、間接測定するには例えば清掃部材3eの歪みを測定するようにすればよい。
このように、トナーのかぶり転移量として所定量得るためには、駆動制御手段11の回転制御情報を考慮し、電位差制御手段12による電位差を設定することが好ましい。ここで、回転制御情報としては、予め回転タイミング、回転速度を設定してもよいし、適宜変更してもよく、これらをパラメータとして電位差を設定するようにすればよい。
更に、電位差制御手段12の好ましい作動タイミングとしては、像保持体1上に形成される各色成分トナー像間に対応するインタイメージ部にて所定の制御動作を実行するものが挙げられる。
更にまた、かぶり転移量判別手段13の好ましい態様としては、現像剤保持体2eに保持されている現像剤トナーTが像保持体1へかぶり転移すべき量を判別するかぶり転移量判別手段13を備え、このかぶり転移量判別手段13は多色作像時に空回転の未使用色の像保持体1が存在し且つ当該像保持体1の空回転サイクル数が予め規定された規定数以上に至った条件でトナーのかぶり転移量を有として判別するものが挙げられる。
例えばフルカラーモードで単色画像若しくは二色、三色画像を形成するような場合には、多色作像時に空回転の未使用色の像保持体1が存在することが起こり得る。この場合、未使用色の像保持体1には残留トナーが少なくなり、その分、像保持体1と清掃部材3eとの間の摩擦抵抗が大きくなり易いため、これを回避するようにかぶり転移量判別手段13を構成することが好ましい。
また、電位差制御手段12の好ましい態様としては、各色成分の像保持体1に対して各像保持体1と現像手段2の現像剤保持体2eとの間の電位差を選択的に個別制御する態様が挙げられる。このように、電位差制御手段12による選択個別制御方式によれば、各色成分の像保持体1についての電位差制御は、各色成分毎にトナーが異なり、また、作像条件も異なることから、選択的に個別に行うことが好ましい。
―作像時―
図2(a)に示すように、作像時には、帯電手段4には帯電バイアスVHが印加され、像保持体1は帯電手段4にて帯電された後、図1(b)に示す潜像書込手段9にて静電潜像Z(潜像電位Vz)が形成される。一方、現像手段2の現像剤保持体2eには現像バイアスVBが印加され、現像剤保持体2eと像保持体1の静電潜像Zとの間には現像電界を生成するための電位差E1が与えられ、これによって、静電潜像Zは現像剤トナーTにて可視像化される。
そして、可視像化されたトナー像は図1(a)(b)に示す一次転写手段6にて中間転写体5に順次転写保持され、しかる後、一括転写手段7にて記録材15に一括転写される。尚、像保持体1に残留したトナーは図1(a)(b)に示す清掃手段3の清掃部材3eにて清掃される。
図1(b)及び図2(b)に示すように、かぶり制御時には、駆動制御手段11は、像保持体1に静電潜像を保持させずに且つ現像手段2の現像剤保持体2eに現像バイアスVBを印加しないときに像保持体1及び現像手段2の現像剤保持体2eを空回転可能に駆動制御し、更に、電位差制御手段12は、駆動制御手段11にて像保持体1及び現像手段2の現像剤保持体2eを空回転するときに、現像剤保持体2eに保持されている現像剤トナーTのうち像保持体1へかぶり転移すべき量に基づいて像保持体1と現像手段2の現像剤保持体2eとの電位差E2を制御する。例えば現像剤保持体2eへは現像バイアスVBを印加しない状態で印加される基準バイアスVCB(VCBは現像バイアスVBに比べて十分に小さいバイアスでよく、0も含むものである。)とし、一方、帯電手段4の帯電バイアスVHを変化させてVCCとすることで、像保持体1の表面にかぶり転移領域W(表面電位VCC)を形成し、このかぶり転移領域Wと現像剤保持体2eとの間に、かぶり転移すべき量に基づいて前記電位差E2(E2=|VCC−VCB|)を設定する。
このとき、かぶり転移すべき量が必要である場合には、現像剤保持体2e上の現像剤トナーTの一部がかぶりトナーT’として像保持体1のかぶり転移領域Wに向かって転移し、このかぶりトナーT’が像保持体1の回転に伴って清掃部材3eの先端部に供給されることになり、像保持体1と清掃部材3eとの間の摩擦抵抗が低減される。
◎実施の形態1
―画像形成装置全体の構成―
図3は本発明が適用された画像形成装置の実施の形態1の全体構成を示す。
同図において、画像形成装置は、画像形成装置筐体(以下装置筐体という)21内に四つの色(本実施の形態ではブラック、イエロ、マゼンタ、シアン)の画像形成部22(具体的には22a〜22d)を斜め上方に向かって僅かに傾斜した位置関係にて横方向に配列し、その上方に各画像形成部22の配列方向に沿って循環搬送される中間転写ベルト23を配設する一方、装置筐体21の下方には記録材が供給可能に収容される記録材供給装置24を配設すると共に、装置筐体21の上部には画像形成済みの記録材が排出収容される記録材排出受け26を設け、前記記録材供給装置24からの記録材を鉛直方向に沿って延びる記録材搬送路25を介して前記記録材排出受け26に排出するようにしたものである。
ここで、露光器33は、各画像形成部22に対して共通するものであり、露光容器331内に各色成分の半導体レーザ(図示せず)などの光源からの光を偏向ミラー332で偏向走査し、図示外の結像レンズ、ミラーを介して対応する感光体31上の露光位置に光像を導くようにしたものである。
更に、中間転写ベルト23の移動方向最下流に位置する画像形成部22dの下流側の張架ロール42に対応した部位には二次転写器52(例えば二次転写ロール)が配設されており、中間転写ベルト23上の一次転写像を記録材に二次転写(一括転写)するようになっている。
更に、中間転写ベルト23の二次転写部位の下流側の張架ロール41に対応した部位には中間転写ベルト23上の残留トナーを清掃する中間清掃器53が設けられている。
ここで、中間転写ベルト23はポリイミド、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリプロピレン等の樹脂または各種ゴムにカーボンブラック等の帯電防止剤を適当量含有させたものを用い、その体積抵抗率が106〜1014Ω・cmとなるように形成されている。
更に、本実施の形態では、記録材供給装置24のフィーダ61で送出された記録材は、記録材搬送路25中の適宜数の搬送ロール(図示せず)にて搬送され、位置合せロール62にて位置合せされた後に二次転写器52の二次転写部位を通過し、定着器66にて未定着トナー像を例えば加熱加圧定着した後、排出ロール67を介して記録材排出受け26に排出収容されるようになっている。
尚、図3中、符号38(38a〜38d)は各画像形成部22(22a〜22d)の現像器34に新しいトナーを補給するトナー補給器である。
特に、本実施の形態では、感光体31は、図4に示すように、帯電器32及び清掃器35と一体化されたプロセスカートリッジとして構成されており、このプロセスカートリッジが装置筐体21に対して着脱自在に装着され、夫々の色成分の画像形成部22の一部を構築するようになっている。
ここで、帯電器32は、感光体31に対向した部位が開口する帯電容器321を有し、この帯電容器321内に感光体31の表面に接触若しくは近接する帯電ロール322を配設したものである。
また、清掃器35は、感光体31に対向する部位が開口した清掃容器351を有し、この清掃容器351の長手方向に沿う開口一縁部には前記感光体31に接触する弾性掻き取り板からなる清掃ブレード352を設けると共に、前記清掃容器351の長手方向に沿う開口他縁部には前記感光体31に接触する弾性シール材353を設け、前記清掃容器351内には清掃ブレード352で掻き取ったトナー等の残留物を長手方向に沿って均す均し搬送部材354を配設したものである。
図5は実施の形態1に係る画像形成装置で用いられるプロセス制御系を示す説明図である。
同図において、100は各画像形成部22(22a〜22d)に対して図6に示すプロセス制御処理を実施するための制御装置であり、この制御装置100は例えばマイクロコンピュータシステムにて構築されており、各画像形成部22の感光体31を駆動する駆動モータ101、現像器34の現像ロール342を駆動する駆動モータ102などの駆動源に対して所定の駆動制御信号を送出し、また、帯電器32の帯電ロール322に帯電バイアスVHを印加するための帯電用電源110、現像器34の現像ロール342に現像バイアスVBを印加するための現像用電源120、一次転写器51としての転写ロールに転写バイアスVTを印加するための転写用電源130などの電源に対して所定の電圧制御信号を送出するようになっている。
ここで、帯電用電源110、現像用電源120及び転写用電源130の構成については適宜選定して差し支えないが、本実施の形態では、帯電用電源110は、直流電圧を可変設定可能な直流電源111と、交流電圧をオンオフ(又は可変設定)する交流電源112とを備えており、作像時には感光体31を帯電するための第1の帯電バイアスVH(直流電圧+交流電圧)、後述するかぶり制御時には感光体31を帯電する第2の帯電バイアスVCC(直流電圧+交流電圧)を帯電器32の帯電ロール322に対して切り替え印加可能になっている。
更に、現像用電源120も、直流電圧を可変設定可能な直流電源121と、交流電圧をオンオフ(又は可変設定)する交流電源122とを備えており、作像時には現像ロール342に対してトナー現像のための現像バイアスVB(直流電圧+交流電圧)を印加し、一方、後述するかぶり制御時には現像ロール342対して0に近い基準バイアスVCB(直流電圧+交流電圧)を印加するようになっている。
次に、図6に基づいて制御装置100によるプロセス制御処理について説明する。
同図に示すように、図5に示す制御装置100は、先ず画像形成装置の操作部などからの指示信号に基づいてモードチェックを行い、作像モードであるか否かをチェックし、作像モードであれば作像モードを実行する。一方、作像モードでない場合には、かぶり制御モードであるか否かをチェックし、かぶり制御モードであればかぶり制御モードを実行する。更に、かぶり制御モードでない場合には、その他のモード(例えば画像形成装置起動時のクリーニングサイクルモードなど)を実行する。
ここで、図7に基づいてかぶり制御モードの実行処理について説明する。
同図において、図5に示す制御装置100は、先ず、トナーのかぶり転移の要否についてチェックし、トナーのかぶり転移が必要であると判別した場合にはトナーのかぶり転移量を設定する。このとき、トナーのかぶり転移量としては予め決められた量を固定的に設定してもよいし、種々の条件に基づいてトナーのかぶり転移量を可変設定してもよい。
次いで、トナーのかぶり転移が必要である場合には、各感光体31の作像領域間のインタイメージ領域内にかぶり転移領域Wを設定する。
このとき、感光体31、現像ロール342について空回転駆動するように設定する。この空回転駆動条件については、回転タイミング及び回転速度を設定するものであり、予め一義的に設定してもよいが、必要に応じて可変設定するようにしてもよい。尚、回転速度については、通常感光体31はプロセス速度で回転するように設定されるが、現像ロール342は作像時の回転速度と同等でもよいし、あるいは、作像時の回転速度と異なるように設定しても差し支えない。
いずれにしても、この空回転駆動条件は、かぶり転移領域Wをどの範囲でどのような速度条件で行うかを決定するものである。
この後、制御装置100は、帯電器32の帯電条件を帯電バイアスVHからVCCに変更設定し、更に、現像ロール342のバイアス条件を現像バイアスVBから基準バイアスVCBに変更設定する。
更に、本実施の形態では、転写器51の転写バイアスVTをOFFにし、感光体31のかぶり転移領域に対応した部位で転写バイアスVTによる転写電界が作用しないようになっている。
このような状態において、制御装置100はトナーかぶり制御を実施し、トナーのかぶり転移量が所定量得られるように感光体31と現像ロール342との電位差を設定した状態で、感光体31及び現像ロール342を空回転させる。
また、トナーのかぶり転移が不要である場合には、制御装置100はかぶり制御処理を実施することなく、かぶり制御モードを直ちに終了する。
ここで、トナーのかぶり制御要否判別処理の一例について図8に基づいて説明する。
図8において、制御装置100は、図示外の温度センサからの温度情報T(℃)を取り込み、取り込んだ温度情報Tが予め設定した規定値Ts(例えば30℃)以上か否かをチェックし、規定値Ts以上であればかぶり制御を実施し、規定値Ts未満であればかぶり制御を不実施と判別する。
次いで、制御装置100は、図示外の湿度センサからの湿度情報H(%)を取り込み、取り込んだ湿度情報Hが予め設定した規定値Hs(例えば80%)以上か否かをチェックし、規定値Hs以上であればかぶり制御を実施し、規定値Hs未満であればかぶり制御を不実施と判別する。
更に、制御装置100は、現像器34内の図示外の濃度センサからのトナー濃度TC(%)を取り込み、取り込んだトナー濃度TCが予め設定した規定値TCs(例えば4%)未満か否かをチェックし、規定値TCs未満であればかぶり制御を実施し、規定値TCs以上であればかぶり制御を不実施と判別する。
更にまた、制御装置100は、図示外の回転検出器から感光体31の回転サイクル数Cを取り込み、取り込んだ回転サイクル数Cが予め設定した規定値N未満か否かをチェックし、規定値N未満であればかぶり制御を実施し、規定値N以上であればかぶり制御を不実施と判別する。
また、制御装置100は、画像密度情報に基づいてA/C(エリアカバリッジ/%)を取り込み、取り込んだA/Cが予め設定した規定値X(例えば3%)未満か否かをチェックし、規定値X未満であればかぶり制御を実施し、規定値X以上であればかぶり制御を不実施と判別する。
尚、本実施の形態では、5つのパラメータをチェックし、いずれかがトナーのかぶり制御を必要とする条件であれば、かぶり制御を実施する方式を採用しているが、これに限られるものではなく、これらのパラメータのいずれか一つあるいは複数を適宜組み合わせるようにしても差し支えない。
次に、トナーのかぶり制御要否判別処理の他の例を図9に基づいて説明する。
図9(a)に示す態様は、感光体31の駆動モータ101の電流値Imを電流計140にてモニタし、このモニタ値の変化に基づいて感光体31の駆動トルクの上昇傾向を判別し、感光体31の駆動トルクが所定レベルを超える条件に対応するモニタ値に至った場合にかぶり制御を実施するようにしたものである。
また、図9(b)に示す態様は、感光体31の駆動モータ101の回転数を回転数センサ141にてモニタし、このモニタ値の変化に基づいて感光体31の駆動トルクの上昇傾向を判別し、感光体31の駆動トルクが所定レベルを超える条件に対応するモニタ値に至った場合にかぶり制御を実施するようにしたものである。
更に、図9(c)に示す態様は、清掃器35の清掃ブレード352に歪みゲージ142を取り付け、この歪みゲージ142の歪み量をモニタし、このモニタ値の変化に基づいて感光体31の駆動トルクの上昇傾向を判別し、感光体31の駆動トルクが所定レベルを超える条件に対応するモニタ値に至った場合にかぶり制御を実施するようにしたものである。
更にまた、図9(d)に示す態様は、清掃器35の清掃ブレード352の位置を位置センサ143にてモニタし、このモニタ値の変化に基づいて感光体31の駆動トルクの上昇傾向を判別し、感光体31の駆動トルクが所定レベルを超える条件に対応するモニタ値に至った場合にかぶり制御を実施するようにしたものである。
尚、図11は図10の帯電ロール322(32)、現像ロール342(34)についての帯電用電源110、現像用電源120から印加されるバイアスの変化を示す要部説明図である。
図3に示すように、例えばフルカラー作像モードが選択されると、先ず、イエロ(Y)の画像形成部22a(図3参照)にてプロセス制御が開始される。
図10において、LPH Yは露光器33から書き込まれるイエロ(Y)成分の静電潜像を示し、帯電器32の帯電ロール322には直流電圧BCR DC Y及び交流電圧BCR AC Yが印加される。
ここで、図11に示すように、直流電圧BCR DC Y(図11ではBCR DCと表記)としては、感光体31の作像領域に帯電バイアスVHが印加され、この作像領域の前後のインタイメージ領域には前記帯電バイアスVHの印加前には階段状に順次増加変化する帯電前バイアスVm(具体的にはVm1、Vm2、Vm3、Vm4/Vm1<Vm2<Vm3<Vm4)が印加され、また、前記帯電バイアスVHの印加後には階段状に順次減少変化する帯電後バイアスVm(具体的にはVm4、Vm3、Vm2、Vm1/Vm4>Vm3>Vm2>Vm1)が印加されている。そして、インタイメージ領域の帯電前後バイアスVmの前後にはかぶり転移領域を形成するためのかぶり転移バイアスVcln DCが印加されている。
一方、交流電圧BCR AC Y(図11ではBCR ACと表記)としては、前記帯電バイアスVH、帯電前後バイアスVmに略対応してAC Biasが印加され、前記かぶり転移バイアスVcln DCに対応した領域にはVcln AC(本例では、Vcln ACはAC Biasに比べて低い値として設定されている。)が印加されている。
ここで、Vcln ACの設定基準としては、AC Biasは、狙いの電位に帯電できて且つ帯電不良のない通常プリントで使用する電流値で、Vcln ACは狙いの電位に帯電できるが、その電流値でプリントすると白点等の画質不良が発生する電流値である。つまり、Vcln ACは狙いの電位に設定できるが、プリントしないために電流値を下げるようにすればよい。
ここで、図11に示すように、直流電圧BCR DC Yとしては、感光体31の作像領域に現像バイアスVBが印加され、この作像領域の前後のインタイメージ領域には前記現像バイアスVBの印加前には階段状に順次増加変化する現像前バイアスVd(具体的にはVd1、Vd2、Vd3、Vd4/Vd1<Vd2<Vd3<Vd4)が印加され、また、前記現像バイアスVBの印加後には階段状に順次減少変化する現像後バイアスVd(具体的にはVd4、Vd3、Vd2、Vd1/Vd4>Vd3>Vd2>Vd1)が印加されている。そして、インタイメージ領域の現像前後バイアスVdの前後にはかぶり転移領域を形成するための基準バイアスVcln Deve DCが印加されている。
一方、交流電圧Deve AC Yとしては、前記現像バイアスVB、現像前後バイアスVdに略対応してAC Biasが印加され、前記基準バイアスVcln Deve DCに対応した領域にはVcln Deve AC(本例では、Vcln Deve ACはAC Biasに比べて同じ値として設定されている。)が印加されている。
ここで、転写バイアスは作像領域のうちイメージ(画像)領域に対応した部分が他の部分よりも高くなっているが、これは、イメージを転写する前に行っている抵抗検知によるものである。
尚、帯電前後バイアスVm、現像前後バイアスVdに対応した部位には一次転写時に中間転写ベルト23上にトナーバンドが形成され、このトナーバンドは例えば中間転写器53にて清掃される。
図10では、イエロ(Y)の画像形成部22aでのプロセス制御に関する動作タイミング及びが最終段のブラック(K)の画像形成部22dでのプロセス制御に関する動作タイミングが示されているが、マゼンタ(M)、シアン(C)の画像形成部22b、22cでのプロセス制御に関する動作タイミングは省略されている。
ここで、ブラック(K)の画像形成部22dでのプロセス制御に関する動作タイミングはイエロ(Y)の画像形成部22aのプロセス制御に関する動作タイミングと略同様である。
そして、各色成分の画像形成部22(22a〜22d)でのプロセス制御が行われ、各色成分のトナー像(イメージ)が中間転写ベルト23に一次転写された後、二次転写器(図10中、2nd BTRに相当)52にて記録材に一括転写される。
尚、中間転写ベルト23上には各色成分のトナーバンドが形成され、中間清掃器53にて清掃される。
図10〜図12(a)に示すように、作像領域では、帯電器32の帯電ロール322には帯電バイアスVH(本例ではAC Bias重畳)が印加され、感光体31は帯電器32にて帯電された後、図3に示す露光器33からのビームBmにて静電潜像Z(潜像電位Vz)が形成される。一方、現像器34の現像ロール342には現像バイアスVB(本例ではACBias重畳)が印加され、現像ロール342と感光体31の静電潜像Zとの間には現像電界を生成するための電位差E1が与えられ、これによって、静電潜像Zは現像剤トナーTにて可視像化される。
―インタイメージ領域での動作例―
図10〜図12(b)に示すように、かぶり制御時には、感光体31には露光器33からのビームBmによる静電潜像が形成されず且つ現像器34の現像ロール342には現像バイアスVBが印加されない状態で、感光体31及び現像器34の現像ロール342が空回転駆動する。
そして、帯電器32の帯電ロール322にはかぶり転移領域Wを形成するための帯電バイアスVCC(図10中のVcln DC+Vcln ACに相当)が印加され、一方、現像器34の現像ロール342には基準バイアスVCB(図10中のVcln Deve DC+Vcln Deve ACに相当)が印加されることになり、感光体31のかぶり転移領域Wと現像ロール342との間には電位差E2(E2=|VCC−VCB|)が付与される。
本実施の形態において、電位差E2の設定については、トナーのかぶり転移量をどの程度にするかによって決められるものであり、かぶり転移領域Wの範囲、現像ロール342の回転速度を考慮した上で設定するようにすればよい。
このように、トナーのかぶり転移が必要である場合には、現像ロール342から所定のかぶり転移量のかぶりトナーT’が感光体31のかぶり転移領域Wに転移し、一次転写器51による転写電界作用を受けずに、清掃器35の清掃ブレード352の先端エッジ部に供給される。
実施の形態1は、感光体31の清掃器35の下流側には直ちに帯電器32が設けられた態様であるが、これに限られるものではなく、図13(a)に示す変形形態では、感光体31の清掃器35の下流側で且つ帯電器32の上流側には除電ランプ36が設けられている。
また、図13(b)に示す変形形態では、感光体31の清掃器35の下流側で且つ帯電器32の上流側には除電バイアスが印加される除電器37が設けられている。
尚、図13(a)(b)に示す変形形態において、実施の形態1と同様な構成要素については実施の形態1と同様な符号を付してここではその詳細な説明を省略する。
図14(a)(b)に示すいずれの態様にあっても、インタイメージ領域にて感光体31にかぶり転移領域を形成するには、除電ランプ36をオンしたまま、帯電器32の直流電圧として帯電バイアスVHよりも低いかぶり転移領域を形成するためのかぶり転移バイアスを印加し、更に、現像バイアスVBについては印加せずに基準バイアスVCB(0に近い基準電位として設定すればよく、勿論0Vでもよい。)を印加すればよい。
また、図13(a)に示す変形形態に係る画像形成装置にあっては、例えば図15に示すように、インタイメージ領域にて感光体31にかぶり転移領域を形成するには、除電ランプ36をオンしたまま、帯電器32の直流電圧をオフすると共に、交流電圧として帯電バイアスVHのときの交流電圧よりも除電作用が弱まるように変化させたかぶり転移バイアスを印加し、更に、現像バイアスVBについては印加せずに基準バイアスVCB(0に近い基準電位として設定すればよく、勿論0Vでもよい。)を印加すればよい。
更に、図14及び図15では、除電ランプ36による除電作用を行いながら、感光体31上の残留電荷を帯電器32の直流電圧又は交流電圧にて調整するようにしているが、これに限られるものではなく、除電ランプ36として光照射度合が可変にすれば、除電ランプ36による除電作用を制御することにより、かぶり転移領域に対してかぶり転移バイアスが残存するようにすればよい。
更にまた、図13(b)に示す変形形態に係る画像形成装置にあっては、帯電器32を使用せずに、除電器37による除電作用を制御することで、かぶり転移領域に対してかぶり転移バイアスが残存するようにすればよい。
また、かぶり転写領域を形成する際し、実施の形態1では、帯電器を利用し、図13(a)(b)に示す変形形態では、帯電器32と除電ランプ36との組合せ、帯電器32と除電器37との組合せを利用しているが、これに限られるものではなく、露光器33による露光を利用してもよい。
但し、露光器33による露光を用いて感光体31の表面電位を下げる場合、環境条件や経時条件によって露光器33の露光条件がばらつく懸念があるため、この露光器33による露光を用いない方式の方が環境条件や経時条件の影響を受けにくい点で好ましい。
図13(a)に示す変形形態の画像形成装置を実施例1、実施の形態1のうち図9(a)に示す感光体の駆動トルク測定方式を採用したものを実施例2とし、以下に実施例1,2について性能評価実験を行った。
(1)除電ランプによるプリント終了時の除電後感光体表面電位
実施例1において、低温/低湿環境(10℃/10%)、高温/高湿環境(28℃/85%)の下で、除電ランプによる除電を行い、感光体の回転数をパラメータとして、除電後の感光体の表面電位を測定したところ、図16に示す結果が得られた。
同図によれば、いずれの環境条件の場合にも、除電ランプによる除電を行っても、感光体の表面電位とて残留電荷が蓄積することが理解される。
特に、高温/高湿環境にあっては、低温/低湿環境の場合に比べて、残留電荷の蓄積上昇傾向が顕著である。
このため、本実施例において、かぶり制御を実施する場合には、感光体の表面電位をかぶり転写領域として所定レベルに制御することが必要であることが理解される。
実施例1において、高温/高湿環境下で帯電器による交流除電を行った場合と行わない場合とで、感光体の回転数をパラメータとして感光体の表面電位を測定したところ、図17に示す結果が得られた。
同図によれば、帯電器による交流除電が感光体の表面電位の残留電荷の蓄積低減に効果的であることが理解される。
これにより、かぶり制御を実施するにあたり、感光体の表面電位を下げる上で帯電器による交流除電が有効である。
(3)帯電器の印加直流電位と感光体表面電位
実施例1において、帯電器の直流電圧(DC電圧値)を変えた場合の感光体表面電位を測定したところ、図18に示す結果が得られた。
同図によれば、帯電器の直流電圧と感光体表面電位とは相関関係が見られるので、感光体表面電位として所定レベルを確保する上で帯電器の直流電圧を変化させることで対応可能であることが理解される。
実施例1において、感光体表面電位を変えることで感光体表面に転移するかぶりトナー量(mg/cm2)を測定したところ、図19に示す結果が得られた。
同図によれば、感光体表面電位が0Vに近い程かぶりトナー量が多くなり、感光体表面電位を所定レベルに設定することにより、これに対応したかぶりトナー量が得られることが理解される。
(5)感光体駆動トルクとかぶりトナー量
実施例2において、かぶりトナー量と感光体駆動トルクとの関係を調べたところ、図20に示す結果が得られた。
同図によれば、かぶりトナー量が少ない程感光体の駆動トルクが高く、かぶりトナー量が多い程感光体の駆動トルクが低くなっていることが理解される。
よって、感光体の駆動トルクが大きい場合に、かぶり制御を行い、感光体にかぶりトナーを転移させるようにすれば、感光体の駆動トルクを低減することができる点で好ましい。
Claims (17)
- 帯電可能で静電潜像を保持する像保持体と、
現像バイアスが印加可能な現像剤保持体を有し、現像バイアス印加時に当該現像剤保持体に保持された少なくともトナーが含まれる現像剤にて前記像保持体上に保持された静電潜像をトナー現像する現像手段と、
像保持体に当接する板状清掃部材を有し、この清掃部材にて像保持体上の残留トナーを清掃する清掃手段と、
前記像保持体に静電潜像を保持させずに且つ現像手段の現像剤担持体に現像バイアスを印加しないときに前記像保持体及び現像手段の現像剤保持体を空回転可能に駆動制御する駆動制御手段と、
この駆動制御手段にて前記像保持体及び現像手段の現像剤保持体を空回転するときに、現像剤保持体に保持されている現像剤トナーのうち像保持体へかぶり転移すべき量に基づいて前記像保持体と前記現像手段の現像剤保持体との電位差を制御する電位差制御手段とを備えることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1記載の画像形成装置において、
前記現像剤保持体に保持されている現像剤トナーが像保持体へかぶり転移すべき量を判別するかぶり転移量判別手段を備え、
電位差制御手段は、かぶり転移量判別手段の判別結果に基づいて前記像保持体と前記現像手段の現像剤保持体との電位差を制御することを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1又は2記載の画像形成装置において、
少なくとも直流電圧が含まれる帯電バイアスを印加することで像保持体表面を帯電する帯電手段を備え、
電位差制御手段は、現像バイアス非印加時に前記帯電手段の帯電バイアスとしての直流電圧を変化させることにより像保持体の表面電位を制御するものであることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1又は2記載の画像形成装置において、
直流電圧及び交流電圧が含まれる帯電バイアスを印加することで像保持体表面を帯電する帯電手段と、
像保持体表面に光を照射することで像保持体表面を除電する除電手段とを備え、
電位差制御手段は、現像バイアス非印加時に、前記除電手段による除電を行うことなく、前記帯電手段の帯電バイアスとしての交流電圧による除電を行うことにより像保持体の表面電位を制御するものであることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1又は2記載の画像形成装置において、
像保持体表面に光を照射することで像保持体表面を除電する除電手段を備え、
電位差制御手段は、現像バイアス非印加時に前記除電手段による光除電の程度を変化させることにより像保持体の表面電位を制御するものであることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1又は2記載の画像形成装置において、
直流電圧及び交流電圧が含まれる除電バイアスを印加することで像保持体表面を除電する除電手段を備え、
電位差制御手段は、現像バイアス非印加時に前記除電手段による除電バイアスを変化させることにより像保持体の表面電位を制御するものであることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項2記載の画像形成装置において、
かぶり転移量判別手段は、環境情報に基づいてトナーのかぶり転移量の有無を判別することを特徴とする画像形成装置。 - 請求項2記載の画像形成装置において、
かぶり転移量判別手段は、現像手段内の現像剤トナー濃度に基づいてトナーのかぶり転移量の有無を判別することを特徴とする画像形成装置。 - 請求項2記載の画像形成装置において、
かぶり転移量判別手段は、像保持体の回転サイクル数に基づいてトナーのかぶり転移量の有無を判別することを特徴とする画像形成装置。 - 請求項2記載の画像形成装置において、
かぶり転移量判別手段は、像保持体の静電潜像の画像部比率に基づいてトナーのかぶり転移量の有無を判別することを特徴とする画像形成装置。 - 請求項2記載の画像形成装置において、
像保持体の駆動トルクを直接若しくは間接的に測定する駆動トルク測定手段を備え、
かぶり転移量判別手段は、駆動トルク測定手段の測定結果に基づいてトナーのかぶり転移量の有無を判別することを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1ないし11いずれかに記載の画像形成装置において、
駆動制御手段は空回転時の現像剤担持体の回転タイミング及び回転速度を制御し、
電位差制御手段は前記駆動制御手段による現像剤担持体の回転制御情報を考慮し、トナーのかぶり転移量が所定量得られるように前記像保持体と前記現像手段の現像剤保持体との電位差を制御することを特徴とする画像形成装置。 - 帯電可能で各色成分に対応した静電潜像を保持する複数の像保持体と、
現像バイアスが印加可能な現像剤保持体を有し、現像バイアス印加時に当該現像剤保持体に保持された少なくとも各色成分トナーが含まれる現像剤にて各像保持体上に保持された各静電潜像をトナー現像する複数の現像手段と、
各像保持体に当接する板状の清掃部材を有し、この清掃部材にて各像保持体上の残留トナーを清掃する複数の清掃手段と、
各像保持体に対向して循環移動し且つ各像保持体上の各色成分トナー像を順次転写保持した後に記録材に一括転写する中間転写体とを備え、
前記いずれかの像保持体に静電潜像を保持させずに且つ現像手段の現像剤担持体に現像バイアスを印加しないときに前記像保持体及び現像手段の現像剤保持体を空回転可能に駆動制御する駆動制御手段と、
この駆動制御手段にて前記像保持体及び現像手段の現像剤保持体を空回転するときに、現像剤保持体に保持されている現像剤トナーのうち像保持体へかぶり転移すべき量に基づいて前記像保持体と前記現像手段の現像剤保持体との電位差を制御する電位差制御手段とを備えることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項13記載の画像形成装置において、
前記電位差制御手段が、かぶり転移すべきトナーが存在する条件に対応して電位差を制御するときには、中間転写体は像保持体に対する転写電界作用を非作動とすることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項13又は14記載の画像形成装置において、
電位差制御手段は、各像保持体上に形成される各色成分トナー像間に対応するインタイメージ部にて所定の制御動作を実行するものであることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項13ないし15いずれかに記載の画像形成装置において、
前記現像剤保持体に保持されている現像剤トナーが像保持体へかぶり転移すべき量を判別するかぶり転移量判別手段を備え、
このかぶり転移量判別手段は多色作像時に空回転の未使用色の像保持体が存在し且つ当該像保持体の空回転サイクル数が予め規定された規定数以上に至った条件でトナーのかぶり転移量を有として判別することを特徴とする画像形成装置。 - 請求項13ないし16いずれかに記載の画像形成装置において、
電位差制御手段は、各色成分の像保持体に対して各像保持体と現像手段の現像剤保持体との間の電位差を選択的に個別制御することを特徴とする画像形成装置。
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